JP4953946B2 - 射出成形機の油圧駆動方法及び装置 - Google Patents

射出成形機の油圧駆動方法及び装置 Download PDF

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本発明は、スクリュに結合するピストンを内蔵した射出シリンダを、四ポートサーボ弁を有する油圧駆動回路により駆動する射出成形機の油圧駆動方法及び装置に関する。
一般に、油圧駆動方式による射出成形機では、スクリュを進退移動させる射出シリンダ及びこの射出シリンダを駆動する油圧駆動回路を搭載している。従来、この種の油圧駆動回路、特に、四ポートサーボ弁を用いた油圧駆動回路としては、特許文献1で開示される射出成形機の油圧回路が知られている。
同文献1で開示される油圧回路は、油圧アクチュエータである射出シリンダを制御する四ポートのサーボバルブ(四ポートサーボ弁)を備え、このサーボバルブにおける射出シリンダの一方の給排口、例えば、前シリンダ室(シリンダ前室)の給排口に接続したAポートとオイルタンクに接続したTポート間に、開閉制御可能なリリーフ弁,方向制御弁等の制御弁を接続したバイパス回路を設けたものであり、四ポート弁の圧力損失を半減させることにより、使用する四ポート弁の小型化と低コスト化を図れるとともに、高度で的確な制御を実現することができる。
特開平5−50483号
しかし、上述した従来における射出成形機の油圧回路(油圧駆動回路)は、次のような解決すべき課題が存在した。
即ち、従来の油圧回路を備える射出成形機では、充填工程(射出工程)における速度制御の安定性及び応答性を確保するため、両ロッドタイプのピストンを内蔵した射出シリンダを備えている。両ロッドタイプの場合、前シリンダ室と後シリンダ室に対する圧油の供給量と排出量も一致させることができるため、基本的に、油圧駆動源及びオイルタンクに対して四ポート弁を接続するのみで、安定性及び応答性の高い速度制御を実現できるとともに、速度制御の容易化により四ポート弁の小容量化(小型化)を図ることができ、この点が両ロッドタイプの射出シリンダを採用する主な理由となっている。
一方、射出成形に対する高速化及び高精密化(高品質化)の要求に伴い、油圧駆動装置(油圧回路)に対しても、速度制御及び圧力制御の更なる安定性及び応答性が要請されるに至っているが、上述した従来の油圧回路では、次のような理由により、その要請に応えるには限界があった。
図9は、上述した従来の油圧回路を用いた場合の射出工程における速度特性と圧力特性を示し、Vcrは速度指令、tsrは速度指令の開始時点、terは速度指令の終了時点、Vdrは実際の射出速度、Pdrは実際の射出圧力(樹脂圧)である。射出工程では、速度指令Vcrの開始により充填工程が行われるとともに、充填工程の終了により圧抜き工程を経て保圧工程に移行する。圧抜き工程では、前シリンダ室に圧油を供給し、後シリンダ室内の圧油を排出する制御が行われるが、高速化及び高精密化(高品質化)が要求された場合、圧抜き工程における応答性が無視できなくなる。即ち、図9に示す射出圧力(樹脂圧)Pdrに着目した場合、速度指令Vcrの終了後のtpr時点で圧力Pdrにピークが生じ、この後、時間Tprを経て圧抜きが終了する。この時間Tprが長い場合、無用な圧力が樹脂に付加されるため、バリの発生等、成形品質の低下や歩留まりの低下を招く原因となる。従来の油圧回路の場合、圧抜き工程における応答性、更には射出シリンダのピストンやスクリュの慣性等の影響により、時間Tprが30〔ms〕程度となり、これ以下の時間短縮には限界があった。
なお、この問題を回避するには、別途の制御弁をBポートとTポート間に接続し、圧抜きを行うためのバイパス回路を構築することも有効であるが、この場合、少なくとも二つの制御弁を追加する必要があるなど、油圧回路の構成の複雑化やコストアップを招いてしまう。
他方、応答性を高めるため、慣性の少ない片ロッドタイプのピストンを内蔵した射出シリンダを用いることも考えられるが、片ロッドタイプの場合、前シリンダ室と後シリンダ室に対する圧油の供給量と排出量が異なってしまうため、両ロッドタイプと同様の制御を行うことはできず、この場合も三ポート弁を組合わせた回路構成が少なくとも必要になるとともに、圧抜きは速やかに行うことができても、反面、速度制御における安定性を確保できなくなる。即ち、図10は、片ロッドタイプの射出シリンダと三ポート弁を組合わせた場合の射出速度Vdsを示すが、同図から明らかなように、射出速度Vdsに不安定な挙動が発生し、安定した速度制御を確保できない。なお、図10中、Vcsは速度指令、Xdsはスクリュ位置をそれぞれ示す。
このように、従来の油圧回路では、油圧回路のシンプル性を維持しつつ、更なる速度制御及び圧力制御双方の安定性及び応答性を高めるには限界があり、射出成形に対する高速化及び高精密化(高品質化)の要求に応えることができないという解決すべき課題が存在した。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の油圧駆動方法及び装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機の油圧駆動方法は、上述した課題を解決するため、スクリュ2に結合するピストンを内蔵した射出シリンダ3のシリンダ後室3rとシリンダ前室3fに四ポートサーボ弁のAポートとBポートをそれぞれ接続し、かつ四ポートサーボ弁のPポートとTポートに油圧駆動源5とオイルタンク6をそれぞれ接続して射出シリンダ3を駆動するに際し、片ロッドタイプのピストン3pを内蔵する射出シリンダ3、及び少なくともシリンダ後室3rと油圧駆動源5を接続し、かつシリンダ前室3fとオイルタンク6を接続し、シリンダ前室3fとシリンダ後室3rの受圧面積の比率に対応してメータアウト側3foの戻り油Opの流量を絞る第一ポジションXaを有するとともに、油圧駆動源5と射出シリンダ3間を遮断し、かつシリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6を接続する第二ポジションXbを有する四ポートサーボ弁4を使用し、少なくとも射出工程における充填工程では第一ポジションXaに切換え、かつ充填工程の終了後、圧抜工程の前段では第二ポジションXbに切換えて駆動することを特徴とする。
この場合、好適な実施の態様により、四ポートサーボ弁4に、油圧駆動源5と射出シリンダ3間を遮断し、かつシリンダ前室3fとオイルタンク6を接続する中立ポジションXnを設け、圧抜工程の後段では中立ポジションXnに切換えることができる。また、四ポートサーボ弁4は、保圧工程では第一ポジションXaに切換えることができる。
一方、本発明に係る射出成形機Mの油圧駆動装置1は、上述した課題を解決するため、スクリュ2に結合するピストンを内蔵した射出シリンダ3のシリンダ後室3rとシリンダ前室3fに四ポートサーボ弁のAポートとBポートをそれぞれ接続し、かつ四ポートサーボ弁のPポートとTポートに油圧駆動源5とオイルタンク6をそれぞれ接続して射出シリンダ3を駆動する装置を構成するに際して、片ロッドタイプのピストン3pを内蔵する射出シリンダ3と、少なくともシリンダ後室3rと油圧駆動源5を接続し、かつシリンダ前室3fとオイルタンク6を接続し、シリンダ前室3fとシリンダ後室3rの受圧面積の比率に対応してメータアウト3fo側の戻り油Opの流量を絞る第一ポジションXaを有するとともに、油圧駆動源5と射出シリンダ3間を遮断し、かつシリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6を接続する第二ポジションXbを有する四ポートサーボ弁4と、少なくとも射出工程における充填工程では四ポートサーボ弁4を第一ポジションXaに切換え、かつ充填工程の終了後、圧抜工程の前段では四ポートサーボ弁4を第二ポジションXbに切換えるコントローラ26とを備えることを特徴とする。
この場合、好適な実施の態様により、四ポートサーボ弁4には、油圧駆動源5と射出シリンダ3間を遮断し、かつシリンダ前室3fとオイルタンク6を接続する中立ポジションXnを設けることができる。
このような本発明に係る射出成形機の油圧駆動方法及び油圧駆動装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 片ロッドタイプのピストン3pを内蔵する射出シリンダ3、及びシリンダ後室3rと油圧駆動源5を接続し、かつシリンダ前室3fとオイルタンク6を接続するとともに、シリンダ前室3fとシリンダ後室3rの受圧面積の比率に対応してメータアウト側3foの戻り油Opの流量を絞る第一ポジションXaを有する四ポートサーボ弁4を使用するため、速度制御及び圧力制御双方の安定性及び応答性を高めることができ、射出成形に対する高速化及び高精密化(高品質化)の要求に容易に応えることができるとともに、特に、バリ等の発生を回避して成形品の高品質化及び歩留まり向上に寄与できる。
(2) 基本的には、射出シリンダ3と油圧駆動源5間に四ポートサーボ弁4を介在させて実施できるため、油圧回路のシンプル性を維持することができ、油圧回路における構成の簡略化及び低コスト化に寄与できる。
(3) 四ポートサーボ弁4には、油圧駆動源5と射出シリンダ3間を遮断し、かつシリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6を接続する第二ポジションXbを設けたため、充填工程の終了後、圧抜工程の前段では第二ポジションXbに切換えることにより、圧抜き時の応答性を高めることができる。したがって、速やかな圧抜きを行うことができ、樹脂に対して無用な圧力が付加される弊害を排除することができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る射出成形機Mの油圧駆動装置1の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
図1中、Mは油圧駆動方式の射出成形機であり、特に、型締装置を省略した射出装置Miを示す。射出装置Miは、後部に配した駆動ユニット30を備えるとともに、この駆動ユニット30の前方に一体に組付けた加熱筒31を備える。また、駆動ユニット30は、スクリュ進退用の射出シリンダ3及びこの射出シリンダ3の後端に結合したスクリュ回転用のオイルモータ32を備える。射出シリンダ3は、片ロッドタイプのピストン3pを内蔵し、ピストン3pから突出する片ロッド部3prは射出シリンダ3の前端から前方に突出する。一方、加熱筒31は、前端に射出ノズル32を有するとともに、後部にホッパー33を備える。さらに、加熱筒31にはスクリュ2を内蔵し、このスクリュ2の後端を片ロッド部3prの前端に結合する。他方、ピストン3pの後端には、オイルモータ32の駆動シャフト32sをスプライン結合する。したがって、射出シリンダ3の内部は、ピストン3pによって前油室3fと後油室3rに仕切られ、前油室3fと後油室3rに面するピストン3pの受圧面積は異なる。そして、スクリュ2は、射出シリンダ3によって前進後退するとともに、オイルモータ32によって回転する。
他方、20は射出シリンダ3に接続する油圧駆動回路であり、この油圧駆動回路20と射出シリンダ3により本実施形態に係る油圧駆動装置1の主要部を構成する。油圧駆動回路20は、本発明に従って改良した四ポートサーボ弁4を備え、この四ポートサーボ弁4は、四つのポート、即ち、Aポート,Bポート,Pポート及びTポートを有する。また、油圧駆動回路20は、油圧駆動源5及びオイルタンク6を備え、この油圧駆動源5は、油圧ポンプ5p,この油圧ポンプ5pを駆動するポンプモータ23,油圧ポンプ5pの吸入側に接続したフィルタ24及び油圧ポンプ5pの吐出側に接続したアキュムレータ25を備える。なお、油圧ポンプ5pは、可変吐出量型ポンプであってもよいし、固定吐出量型ポンプであってもよい。そして、四ポートサーボ弁4は、図1(図2)に示すように、Aポートを射出シリンダ3の後油室3rに接続し、Bポートを射出シリンダ3の前油室3fに接続するとともに、Pポートを油圧駆動源5の吐出側に接続し、Tポートをオイルタンク6に接続する。
この四ポートサーボ弁4の構造について更に具体的に説明する。四ポートサーボ弁4の原理構造を図2に示す。四ポートサーボ弁4の基本的な構成は、公知の四ポートサーボ弁と同じであるが、内部に、射出シリンダ3の特性を考慮した絞り機能を一体に設けた点が公知のサーボ弁と異なる。図2中、4bはバルブボディであり、このバルブボディ4bには円筒形のスリーブ4cを内蔵する。そして、このスリーブ4cに上述したAポート,Bポート,Pポート及びTポートを設けるとともに、このスリーブ4cの内部には軸方向に変位するスプール4sを収容する。四ポートサーボ弁4は、任意に切換えることができる三つのポジション、即ち、第一ポジションXa,中立ポジションXn及び第二ポジションXbを備える。図2は、第一ポジションXaに切換えた状態を示す。また、中立ポジションXnに切換えた状態を図4(a)に示すとともに、第二ポジションXbに切換えた状態を図4(b)に示す。
図3は、四ポートサーボ弁4の流量特性図であり、Qaが第一ポジションXaに切換えたときのPポートとAポート間の流量特性、Qbが第一ポジションXaに切換えたときのBポートとTポート間の流量特性、Qtが第二ポジションXbに切換えたときのAポートとTポート間の流量特性をそれぞれ示す。なお、前述した図2では、PポートとAポート間のスプール開度をKaとし、BポートとTポート間のスプール開度をKbとした場合、図面上、Ka<Kbとなっているが、実際の流量Qa,Qbは、図3に示すように変化する。図3は、流量QaとQbを、一例として、Qa:Qb=3:1に設定した場合を示す。この流量QaとQbの比率は、スリーブ4cにおける制御穴の面積により設定することができ、特に、本実施形態では、射出シリンダ3のシリンダ前室3fとシリンダ後室3rの受圧面積の比率に対応して設定する。
したがって、第一ポジションXaでは、メータアウト側3foの圧油(戻り油)Opの流量Qbは、メータイン側3riの圧油(供給油)Opの流量Qaに対して絞られた状態となり、図1及び図2に示す四ポートサーボ弁4のシンボルのように、BポートとTポート間に絞り機能部Foを一体に内蔵させた場合と等価になる。第一ポジションXaは、AポートとPポートを接続し、かつBポートとTポートを接続する。これにより、シリンダ後室3rと油圧駆動源5が接続されるとともに、シリンダ前室3fとオイルタンク6が接続される。
一方、第二ポジションXbは、図4(b)に示すように、Pポートを遮断し、Aポート及びBポートの双方とTポートを接続する。これにより、油圧駆動源5と射出シリンダ3間が遮断されるとともに、シリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6が接続される。また、中立ポジションXnは、図4(a)に示すように、BポートとTポートのみ接続し、AポートとPポートは遮断にする。これにより、油圧駆動源5と射出シリンダ3間が遮断されるとともに、シリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6が接続される。
他方、射出成形機Mの各種制御を司るコントローラ26を備え、上述した四ポートサーボ弁4の指令信号入力部4iは、このコントローラ26の出力側に接続する。また、射出シリンダ3のシリンダ後室3rには、シリンダ後室3rの圧力(射出圧力)を検出する圧力センサ27を接続し、この圧力センサ27はコントローラ26の入力側に接続する。さらに、28はスクリュ2の位置を検出する位置センサであり、この位置センサ28はコントローラ26の入力側に接続する。したがって、四ポートサーボ弁4は、コントローラ26から指令信号入力部4iに付与される指令信号(制御信号)に基づいて射出シリンダ3を駆動制御(サーボ制御)する。これにより、スクリュ2の速度,圧力,位置に対するフィードバック制御が可能となる。
次に、本実施形態に係る油圧駆動方法を含む油圧駆動装置1の動作、特に、射出工程の動作について、各図を参照しつつ図5に従って説明する。
まず、射出工程の開始により充填工程が行われる。充填工程では、四ポートサーボ弁4が第一ポジションXaに切換られ、PポートとAポートが接続され、かつBポートとTポートが接続される。即ち、油圧駆動源5とシリンダ後室3rが接続されるとともに、シリンダ前室3fとオイルタンク6が絞り機能部Foを介して接続される。これにより、油圧駆動源5から吐出する圧油(供給油)OpがPポートとAポート間を経由して射出シリンダ3のシリンダ後室3rに供給されるため、ピストン3p、更にはスクリュ2が前進移動する。また、シリンダ前室3fの圧油(戻り油)OpはBポートとTポート間を経由してオイルタンク6に戻される。充填工程では、射出速度が予め設定した目標速度となるように速度に対するフィードバック制御が行われる。
この場合、前述したように、絞り機能部Foの介在により、シリンダ前室3fとシリンダ後室3rの受圧面積の比率に対応してメータアウト側3foの戻り油の流量が絞られるため、片ロッドタイプのピストン3pを内蔵する射出シリンダ3であっても、両ロッドタイプの場合とほぼ同じ駆動制御が可能となる。即ち、射出シリンダ3と油圧駆動源5間に四ポートサーボ弁4を介在させるのみで、基本的な構成を実現できる。したがって、他の制御弁等の追加は不要となるため、油圧回路のシンプル性を維持することができ、油圧回路の構成の簡略化及び低コスト化に寄与できる。そして、同時に、充填工程における速度制御の安定性及び応答性を高めることができる。図7は、図1に示す油圧駆動装置1により実験を行った際の射出速度Vdoを示している。図10には、片ロッドタイプの射出シリンダと三ポート弁を組合わせた場合の射出速度Vdsを示したが、本実施形態に係る油圧駆動装置1によれば、片ロッドタイプの射出シリンダを駆動制御する図10に示した従来の装置よりも射出速度Vdoにおける不安定な挙動が排除され、より安定した速度制御が確保されている。なお、図7中、Vcoは速度指令、Xdoはスクリュ位置をそれぞれ示している。
一方、充填工程の終了により、圧抜き工程が行われる。圧抜き工程は、前段と後段に分かれ、前段では四ポートサーボ弁4が第二ポジションXbに切換えられる。第二ポジションXbでは、図4(b)に示すように、Pポートが遮断され、かつAポート及びBポートの双方とTポートが接続される。したがって、油圧駆動源5と射出シリンダ3間が遮断されるとともに、シリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6が接続される。このように、圧抜き工程の前段では、シリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方がオイルタンク6に解放されるため、圧抜き時の応答性が高められる。よって、速やかな圧抜きを行うことができ、樹脂に対して無用な圧力が付加される弊害を排除することができ、バリ等の発生を回避して成形品の高品質化及び歩留まり向上に寄与できる。
また、圧抜工程の後段では、四ポートサーボ弁4が中立ポジションXnに切換えられる。この場合、圧抜き工程の前段では、圧力を監視し、圧力が目標圧力に近づいたなら、中立ポジションXnに切換える。中立ポジションXnでは、図4(a)に示すように、BポートとTポートのみが接続され、かつ他のAポートとPポートは遮断される。したがって、油圧駆動源5と射出シリンダ3間が遮断されるとともに、シリンダ前室3f及びシリンダ後室3rの双方とオイルタンク6が接続される。
他方、圧抜工程の終了により、保圧工程に移行する。保圧工程では、四ポートサーボ弁4が再度第一ポジションXaに切換えられる。保圧工程では、予め設定した目標圧力となるように圧力に対するフィードバック制御が行われる。
このように、本実施形態に係る油圧駆動装置1によれば、速度制御及び圧力制御双方の安定性及び応答性を高めることができる。したがって、射出成形に対する高速化及び高精密化(高品質化)の要求に容易に応えることができる。図6は、実際の射出成形に近い条件により実験を行った際の圧力特性を示し、Pdは実際の射出圧力、Vcは速度指令、Vdは実際の射出速度、Xdはスクリュ位置である。同図において、tpは速度指令Vcの終了後に発生する射出圧力(樹脂圧力)のピーク時点を示し、また、Tpはこのピーク時点tpから圧抜きが終了するまでの時間を示すが、本実施形態に係る油圧駆動装置1の場合、この時間Tpは、12〔ms〕程度となる。図9に示した両ロッドタイプのピストンを内蔵する射出シリンダを用いた従来の装置による時間Tprは、30〔ms〕程度であるため、本実施形態に係る油圧駆動装置1を用いることにより、概ね半分以下の時間Tpまで短縮することができ、樹脂に対して無用な圧力が付加される弊害を排除できる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,使用部品,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、四ポートサーボ弁4は、図8に示す他の形態により構成できるなど、図1〜図4の形態に限定されるものではなく、他の形態に置換できる。なお、図8に示す形態は、四ポートサーボ弁4の内部のレイアウトを変更したものであり、基本的な機能(動作)は、図1〜図4に示した四ポートサーボ弁4と同じである。図8中、図1と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。また、油圧駆動源5の構成についても例示に限定されるものではなく同様の目的を達成できる公知の回路構成により置換できる。
本発明の最良の実施形態に係る射出成形機の油圧駆動装置の回路図、 同油圧駆動装置における四ポートサーボ弁の原理構造図、 同油圧駆動装置における四ポートサーボ弁の流量特性図、 同油圧駆動装置における四ポートサーボ弁のポジションを切換えた状態を示す原理構造図、 同油圧駆動装置を用いた射出工程における各工程と四ポートサーボ弁のポジションの対応表、 同油圧駆動装置を用いた際の時間に対する射出圧力,射出速度及びスクリュ位置の特性図、 同油圧駆動装置を用いた際の時間に対する射出速度及びスクリュ位置の特性図、 同油圧駆動装置における四ポートサーボ弁の変更例を示す回路図、 従来の技術に係る油圧駆動装置を用いた際の時間に対する射出圧力及び射出速度の特性図、 従来の技術に係る油圧駆動装置を用いた際の時間に対する射出圧力及び射出速度の特性図、
符号の説明
1:油圧駆動装置,2:スクリュ,3:射出シリンダ,3r:シリンダ後室,3f:シリンダ前室,3p:片ロッドタイプのピストン,3fo:メータアウト側,4:四ポートサーボ弁,5:油圧駆動源,6:オイルタンク,26:コントローラ,A:Aポート,B:Bポート,P:Pポート,T:Tポート,Op:戻り油,Xa:第一ポジション,Xb:第二ポジション,Xn:中立ポジション

Claims (5)

  1. スクリュに結合するピストンを内蔵した射出シリンダのシリンダ後室とシリンダ前室に四ポートサーボ弁のAポートとBポートをそれぞれ接続し、かつ前記四ポートサーボ弁のPポートとTポートに油圧駆動源とオイルタンクをそれぞれ接続して前記射出シリンダを駆動するに際し、片ロッドタイプのピストンを内蔵する射出シリンダ、及び少なくとも前記シリンダ後室と前記油圧駆動源を接続し、かつ前記シリンダ前室と前記オイルタンクを接続し、前記シリンダ前室と前記シリンダ後室の受圧面積の比率に対応してメータアウト側の戻り油の流量を絞る第一ポジションを有するとともに、前記油圧駆動源と前記射出シリンダ間を遮断し、かつ前記シリンダ前室及び前記シリンダ後室の双方と前記オイルタンクを接続する第二ポジションを有する四ポートサーボ弁を使用し、少なくとも射出工程における充填工程では前記第一ポジションに切換え、かつ前記充填工程の終了後、圧抜工程の前段では前記第二ポジションに切換えて駆動することを特徴とする射出成形機の油圧駆動方法。
  2. 前記四ポートサーボ弁は、前記油圧駆動源と前記射出シリンダ間を遮断し、かつ前記シリンダ前室と前記オイルタンクを接続する中立ポジションを有し、前記圧抜工程の後段では前記中立ポジションに切換えることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の油圧駆動方法。
  3. 前記四ポートサーボ弁は、保圧工程では前記第一ポジションに切換えることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の油圧駆動方法。
  4. 少なくともスクリュに結合するピストンを内蔵した射出シリンダのシリンダ後室とシリンダ前室に四ポートサーボ弁のAポートとBポートをそれぞれ接続し、かつ前記四ポートサーボ弁のPポートとTポートに油圧駆動源とオイルタンクをそれぞれ接続して前記射出シリンダを駆動する射出成形機の油圧駆動装置において、片ロッドタイプのピストンを内蔵する射出シリンダと、少なくとも前記シリンダ後室と前記油圧駆動源を接続し、かつ前記シリンダ前室と前記オイルタンクを接続し、前記シリンダ前室と前記シリンダ後室の受圧面積の比率に対応してメータアウト側の戻り油の流量を絞る第一ポジションを有するとともに、前記油圧駆動源と前記射出シリンダ間を遮断し、かつ前記シリンダ前室及び前記シリンダ後室の双方と前記オイルタンクを接続する第二ポジションを有する四ポートサーボ弁と、少なくとも射出工程における充填工程では前記四ポートサーボ弁を前記第一ポジションに切換え、かつ前記充填工程の終了後、圧抜工程の前段では前記四ポートサーボ弁を前記第二ポジションに切換えるコントローラとを備えることを特徴とする射出成形機の油圧駆動装置。
  5. 前記四ポートサーボ弁は、前記油圧駆動源と前記射出シリンダ間を遮断し、かつ前記シリンダ前室と前記オイルタンクを接続する中立ポジションを有することを特徴とする請求項4記載の射出成形機の油圧駆動装置。
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