本発明の実施例における弾球遊技機は、第1ぱちんこ遊技機であり、特別遊技として大当たりと小当たりを規定する。弾球遊技機は、大当たりの際に1ラウンド(以下、大当たりの場合の1ラウンドを「大当たり用1ラウンド」という)にわたって規定された開閉パターン(以下、「大当たり用開閉パターン」という)で大入賞口を開閉する。また、小当たりの際に1ラウンド(以下、小当たりの場合の1ラウンドを「小当たり用1ラウンド」という)にわたって規定された開閉パターン(以下、「小当たり用開閉パターン」という)で大入賞口を開閉する。さらに、実施例に係る弾球遊技機は、大当たり用開閉パターンであっても、大当たり用1ラウンドのうちの小当たり用1ラウンドに相当した期間において、小当たり用開閉パターンと同一のタイミングで、大入賞口を開閉させる。そのため、小当たり用1ラウンドの間に、遊技者は特別遊技が大当たりであるか小当たりであるかを区別できない。その結果、本実施例の弾球遊技機は、最終的に小当たりになる場合であっても、大当たりになる期待感を遊技者に持たせられる。以下、ぱちんこ遊技機の一般的な説明を行った後で、実施例の詳細を説明する。
(一般説明)
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機としていわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤面で構成される。
ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、ガラス扉13、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有する枠体であり、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置にて固定される。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、外枠11へ開閉自在に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
ガラス扉13は、前枠12へ開閉自在に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。遊技者が発射ハンドル17を回動させると遊技球が発射される。
ぱちんこ遊技機10の遊技盤面には、遊技部品として多数の遊技釘20、風車21、外レール22および内レール23、一般入賞口24、アウト口25、図柄表示装置26、センター飾り部品27、第1種始動入賞口(以下、「始動口」という)28、大入賞口29、普通図柄作動口30、普通図柄表示装置32が設けられる。外レール22は発射された遊技球を遊技領域31へ案内し、内レール23は遊技領域31を区画する。一般入賞口24等の各入賞口に落入しなかった遊技球は、アウト口25に流入する。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本明細書において「落入」は「通過」を含むものとする。
図柄表示装置26は、主に図柄表示部102と条件表示部104を含む。図柄表示装置26は、第1種特別図柄と呼ばれる図柄(以下、「特別図柄」という)と、特別図柄に連動する装飾図柄を変動させながら図柄表示部102へ表示する。ここで、特別図柄は、始動口28への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に応じて大当たりを発生させるか否かを示すための図柄であり、装飾図柄は、抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。図柄表示装置26は、単位遊技を終了させるタイミングに関する条件が定められた終了条件に関連する情報を条件表示部104へ表示する。図柄表示装置26は、例えば液晶ディスプレイで構成されるとともに、装飾図柄としてスロットマシーンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。装飾図柄を表示する場合、特別図柄は演出的な役割をもつ必要がないため、図柄表示装置26の隅の目立たない領域に表示される。特別図柄は、変動中に○と×の図柄が繰り返されるような表示態様をとってもよいが、以下では、Cと0から9の数字が繰り返される表示態様をとる場合を示す。具体的に特別図柄は、その変動中、C、0、1・・・8、9と順に表示され、再びCから9までを繰り返す表示態様をとる。特別図柄の停止図柄は、大当たりであるか否かを示し、例えば停止図柄が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数である場合は確率変動付き大当たりを、また「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数である場合には通常の大当たりを、それ以外の「C」は外れを示すものであってよい。ここで、確率変動付き大当たりとは、確率変動の対象となる大当たりを意味する。なお、ぱちんこ遊技機10における演出効果の拡張性を向上させる観点から、特別図柄として利用する数字は0から9までの10個の数字に限らず、例えば0から11までの12個の数字を用いてもよい。12種類の数字は、3つまたは4つに均等に分割することができるため、演出の様々なバリエーションの拡張性をもたらす。
図柄表示装置26の周囲には、センター飾り部品27が設けられており、遊技球の流路、図柄表示装置26の保護、装飾等の機能を有する。始動口28は、例えばセンター飾り部品27の下方等の位置に一つまたは複数設けられる。大入賞口29は、特別図柄が特定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口であり、例えばアウト口25の上方等の位置に設けられる。大入賞口29の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。普通図柄表示装置32には普通図柄として数字等の図柄が変動表示される。普通図柄の変動表示は、普通図柄作動口30に遊技球が落入したときに開始される。普通図柄表示装置32は、例えば7セグメント表示器で構成される。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ遊技領域31へ発射され、遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域31の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘20に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下し、一般入賞口24や始動口28等の各入賞口へ落入するとその入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15に払い出される。遊技球が始動口28に落入すると、図柄表示装置26において特別図柄および装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は一定時間経過後に停止され、停止時の特別図柄が「0」〜「9」の数字である場合、いわゆる「大当たり」として大入賞口29の開閉動作を開始する。このときスロットマシーンのゲームを模した装飾図柄は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
大入賞口29は、約30秒間開放された後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口29が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口29は再度開放される。このように、大入賞口29が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口29の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口28へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板49は、液晶ユニット42を備え、図柄表示装置26における表示内容を制御し、特にメイン基板41による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板41およびサブ基板49は遊技制御装置100を構成する。セット基盤14は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出すユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域31へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機10における遊技を制御する構成を中心とした基本的な機能ブロック図である。メイン制御部70は、図2のメイン基板41がもつ機能に相当し、ぱちんこ遊技機10の全体的な動作および遊技の基本動作を主に制御する。サブ制御部80は、図2のサブ基板49がもつ機能に相当し、装飾図柄の変動表示やぱちんこ遊技機10周囲の電飾等の演出的動作を主に制御する。メイン制御部70からサブ制御部80に対しては、各種制御に関する指示信号が送られるが、サブ制御部80からメイン制御部70へフィードバック的な情報または信号は送られず、常にメイン制御部70からサブ制御部80への一方向通信となる。メイン制御部70およびサブ制御部80は、ハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROM、演算処理に用いるCPU等の素子を含む。なお、本図では各種機能をメイン制御部70とサブ制御部80に分けて構成しているが、その分け方は図示の例に限定されない。また、メイン制御部70およびサブ制御部80は一体として構成されてもよい。
一般入賞検出部50は一般入賞口24の内部に設けられたセンサであり、一般入賞口24への遊技球の落入を検出し、その落入があったことを示す一般入賞情報を一般入賞処理部55へ送る。一般入賞処理部55は、一般入賞検出部50から一般入賞情報を受け取ると、払出制御基板45の払出制御部79へ賞球数等の払出指示を送る。
始動入賞検出部51は始動口28の内部に設けられたセンサであり、始動口28への遊技球の落入を検出し、その落入があったことを示す始動入賞情報を始動入賞処理部56へ送る。始動入賞処理部56は、始動入賞検出部51から始動入賞情報を受け取ると、払出制御部79へ賞球数等の払出指示を送るとともに、始動入賞に対する抽選を実行する特別図柄抽選実行部60へ抽選指示を送る。
特別図柄抽選実行部60は、始動入賞情報の取得を契機として、具体的には抽選指示を始動入賞検出部51から受け取った後、抽選を実行する。この特別図柄抽選実行部60は、始動入賞に対して乱数を発生し決定する乱数決定部72と、乱数を取得して抽選当否を判定する当否決定部61と、抽選当否に応じた特別図柄の停止図柄を決定する特別図柄決定部62と、特別図柄の表示パターンを決定する特別図柄パターン決定部73を含む。特別図柄は、例えば数字、文字、記号、マーク等で構成されてよく、本実施例では「C」の文字と、「0」から「9」の数字で構成される。乱数決定部72は、始動入賞処理部56から抽選指示を受け取るたびに所定のカウント範囲、例えば0から65535までの範囲のカウント値を乱数として発生させ、特別図柄保留記憶部63へその乱数を格納する。特別図柄保留記憶部63は、保留数の上限として所定個数、例えば最大4つ分の乱数を格納できるだけの記憶領域を有し、保留個数分が格納されると空き領域が生じるまでそれ以上の乱数は記憶しない。なお、乱数決定時に図柄変動が行われていない場合には、乱数決定部72は、特別図柄保留記憶部63へ乱数を格納せずに、当否決定部61にその乱数を送る。
当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63に格納された乱数の値に応じて、または乱数決定部72から直接送られる乱数の値に応じて、その抽選結果が「大当たり」、「外れ」のいずれに該当するかを判定する。これらの結果は、それぞれ当否決定部61がもつ当否テーブルに数値範囲の形で定義される。当否テーブルでは、例えば0から207までを大当たり値の範囲とし、208から65535までを外れ値の範囲とする。なお、0から207までの大当たり値の範囲のうち、その一部を確率変動付き大当たりの範囲として設定してもよい。特別図柄決定部62は、当否決定部61による抽選結果に応じて、特別図柄の停止図柄の図柄番号を決定する。特別図柄の表示態様が、図柄変動中にCと、0から9までの図柄を繰り返し表示するものである場合、抽選結果が通常の大当たりであれば「0」、「2」、「4」、「6」、「8」を、確率変動付き大当たりであれば「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を、外れであれば「C」を停止図柄として決定する。したがってこの場合、当否テーブルでは、0から207までの大当たり値の範囲がさらに10個の範囲に分割されて、それぞれの特別図柄の数字に対応付けられており、特別図柄決定部62は、乱数値に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。
特別図柄パターン決定部73は、特別図柄の表示パターンを決定し、例えば特別図柄の変動時間などを決定する。当否決定部61による当否決定、特別図柄決定部62による特別図柄の停止図柄の決定、および特別図柄パターン決定部73による特別図柄の表示パターンの決定は、前回の抽選結果に基づく図柄変動が終了し、当回の抽選結果に基づく演出表示を開始するときに行われる。なお、これらの処理の実行タイミングは、乱数決定部72において乱数が決定された時点で行われてもよい。特別図柄保留記憶部63による乱数の保留数、当否決定部61による当否結果、特別図柄決定部62による停止図柄の図柄番号、および特別図柄パターン決定部73による特別図柄の表示パターン番号はサブ制御部80へ送られる。
表示指示部74は、図柄表示装置26の左下隅に、決定された特別図柄の表示パターンおよび停止図柄にしたがって、特別図柄を表示させるようサブ制御部80に指示する。具体的には、特別図柄の表示パターンとして、特別図柄の変動時間が60秒であることが定められ、また停止図柄が「3」であって、変動時間の最後2秒間で停止図柄を表示することが定められている場合には、表示指示部74が、変動開始から58秒が経過するまで、Cと0から9までの数字をサイクリックに表示させ、58秒が経過してから60秒が経過するまでの間に「3」を停止図柄として表示させるよう指示する。サブ制御部80の表示処理部92は、表示指示部74から指示を受けて図柄表示装置26の表示を制御する。なお、特別図柄は、図柄表示装置26中の他の箇所に表示されてもよく、また図柄表示装置26以外に設けられる表示部に表示されてもよい。さらに表示指示部74は、図柄表示装置26の画面内に特別図柄の保留数、すなわち未だ特別図柄の変動表示がなされていない乱数の値を最大4個まで表示させる。なお、保留数も、図柄表示装置26以外の表示部にて表示されてもよい。
サブ制御部80は、装飾図柄決定部82、装飾図柄パターン決定部84、装飾図柄パターン格納部86、および表示処理部92を含む。装飾図柄決定部82は、当否決定部61における当否結果に基づいて、図柄表示装置26において表示する複数列の装飾図柄の停止図柄を決定する。なお、装飾図柄決定部82は、特別図柄決定部62において決定された特別図柄の停止図柄番号をもとに、装飾図柄の複数列、一般には3列の停止図柄を決定してもよい。装飾図柄決定部82は、当否結果または特別図柄の図柄番号と、装飾図柄の図柄番号とを対応付けたテーブルを有し、このテーブルをもとに装飾図柄の停止図柄を決定する。以下の表1には、テーブルにおいて、特別図柄の大当たり停止図柄に対応付けられた、装飾図柄の大当たり停止図柄の対応を示す。
装飾図柄の大当たり停止図柄は、左図柄、中央図柄、右図柄の3つの図柄が揃った表示態様となる。抽選結果が大当たりの場合、特別図柄決定部62により特別図柄の大当たり停止図柄が決定されると、上表の対応関係をもとに、装飾図柄決定部82が、装飾図柄の大当たり停止図柄を決定する。「111」「333」「555」「777」「999」の奇数図柄は、遊技者に確率変動付き大当たりであることを提示し、「000」「222」「444」「666」「888」の偶数図柄は、通常の大当たりであることを提示する。
一方、抽選結果が外れの場合、装飾図柄決定部82は、左図柄、中央図柄、右図柄のうち少なくとも一つが他の図柄と一致しないよう各図柄番号を決定する。なお、特別図柄と装飾図柄の対応付けは1対1である必要はなく、特別図柄の図柄番号に対して、複数の装飾図柄の画像が対応付けられていてもよい。この場合、装飾図柄決定部82は、対応付けられた複数の装飾図柄のうちから、任意の1つを選択し決定してもよい。
上記のように、特別図柄と装飾図柄とを対応付けたテーブルを予め用意しておいてもよいが、図柄表示装置26の画面上で装飾図柄として3列の停止図柄を表示させる場合に、装飾図柄決定部82は、左図柄、中央図柄、右図柄の各図柄番号を所定の図柄番号範囲でアットランダムに選択してもよい。ただし装飾図柄決定部82は、特別図柄の停止図柄番号が「大当たり」を示す場合は左図柄、中央図柄、右図柄がそれぞれ同じ図柄となるよう各図柄番号を決定し、さらに特別図柄の停止図柄番号が「確率変動付き大当たり」を示す場合は、遊技者に確率変動付き大当たりであることを提示するために、全てが揃った奇数図柄番号を決定する。一方、当否結果が「外れ」を示す場合、または特別図柄の停止図柄番号が「外れ」を示す場合は、装飾図柄決定部82は左図柄、中央図柄、右図柄のうち少なくとも一つが他の図柄と一致しないよう各図柄番号を決定する。
装飾図柄パターン決定部84は、抽選の結果に基づいて、少なくとも装飾図柄の図柄変動の表示パターンを決定する。装飾図柄の表示パターンは、具体的には、装飾図柄の画像、装飾図柄の変動パターン、変動表示の演出パターンを主に表す。変動パターンには、装飾図柄の変動過程が定められている。演出パターンには、装飾図柄の変動表示およびリーチ動作を含んだ表示過程をどのように進行または演出するかが定められている。装飾図柄パターン決定部84は、特別図柄パターン決定部73において決定された特別図柄の表示パターン番号に基づいて、装飾図柄の画像、装飾図柄の変動パターン、変動表示の演出パターンを決定する。装飾図柄パターン格納部86は、装飾図柄の画像、背景の画像、キャラクタの画像等、様々な画像を記憶するとともに、これら画像を図柄表示装置26の画面内にどのような表示形態で変動させるかを定めた複数の変動パターンと、複数の演出パターンとを記憶する。変動パターンと演出パターンは、特別図柄パターン決定部73で決定される特別図柄の表示パターンに対応づけられている。なお、装飾図柄の変動表示やリーチ動作を含む全体の演出時間が特別図柄の変動時間と等しくなるように変動パターンと演出パターンが決定される。表示処理部92は、装飾図柄パターン決定部84で決定された装飾図柄の変動パターンおよび演出パターンで装飾図柄の図柄変動を図柄表示装置26に表示させ、変動終了後に装飾図柄決定部82にて決定された装飾図柄の停止図柄を表示させる。
装飾図柄パターン決定部84は、演出パターンテーブルを参照し、特別図柄パターン決定部73から受け取る表示パターン番号に対応する演出パターンを決定する。演出パターンテーブルには、表示パターン番号と演出パターンの対応関係が定められている。
メイン制御部70において、表示指示部74は、特別図柄の変動表示内容を決定すると、変動開始指示をサブ制御部80の表示処理部92に送り、図柄変動の表示時間のカウントを行う。サブ制御部80の表示処理部92は、変動開始指示を受け取ると、装飾図柄の変動表示を開始する。表示指示部74は、特別図柄の変動時間が終了するタイミングで、特別図柄の停止図柄を図柄表示装置26に表示させるように、変動表示の停止指示をサブ制御部80へ送る。表示処理部92は、変動表示の停止指示を受け取ると、装飾図柄の停止図柄を図柄表示装置26に表示する。これにより、1回の抽選結果による表示処理が終了する。
当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63から読み出した乱数の値が大当たり値であった場合、停止図柄の表示後、特別遊技の開始指示を特別遊技実行部64へ送る。特別遊技実行部64は、特別遊技処理部65、継続判定部66、および確変判定部67を含む。特別遊技処理部65は、大入賞処理部58に対して大入賞口の開放指示を送る。大入賞処理部58は、特別遊技処理部65から受け取る開放指示に基づいて大入賞口29を開放させる。開放された大入賞口29に落入する遊技球は、大入賞口29の内部に設けられたセンサである大入賞検出部53により検出され、大入賞口29へ遊技球が落入すると大入賞処理部58は払出制御部79へ賞球数等の払出指示を送るとともに、1回の大入賞口29の開放における遊技球の落入球数を計数する。大入賞処理部58は、約30秒間の開放期間が経過するか、または大入賞口29へ落入する遊技球が10球に達したときに大入賞口29を一旦閉鎖する。
領域通過検出部54は、大入賞口29の内部に設けられた特定領域(Vゾーン)への遊技球の通過を検出するセンサであり、遊技球の通過があったことを示す特定領域通過情報を領域通過処理部59へ送る。領域通過処理部59は、領域通過検出部54から特定領域通過情報を受け取り、これを特別遊技実行部64の継続判定部66へ送る。継続判定部66は、1回の大入賞口29の開放において特定領域へ1球以上の通過が検出された場合に、次の開放を特別遊技処理部65に指示する。特別遊技処理部65は、継続判定部66による特定領域の通過判定があったことを継続条件として大入賞口29を最大で15回繰り返して開放状態におく。確変判定部67は、乱数値または特別図柄の停止図柄の態様に応じて、大当たり終了後の遊技を通常遊技とするか、当たり確率の高い確率変動遊技とするかについて判定し、判定結果を確変実行部68へ送る。確変判定部67は、停止図柄が特定の図柄の場合に、次の遊技を確率変動遊技へ移行すべきと判定する。
確変実行部68は、確率変動遊技へ移行すべき旨の判定を確変判定部67から受け取った場合、当否決定部61がもつ当否テーブルを確率変動遊技用に変更する。例えば、通常遊技時の大当たり値の範囲が0から207までであったのに対し、確率変動遊技時の大当たり値の範囲を0から1093までとする。これにより、確率変動遊技時の大当たり確率が、通常遊技時よりも大きくなる。
作動検出部52は普通図柄作動口30の内部に設けられたセンサであり、普通図柄作動口30への遊技球の落入を検出し、その落入があったことを示す普通図柄作動情報を作動処理部57へ送る。作動処理部57は、作動検出部52から普通図柄作動情報を受け取ると、普通図柄の抽選指示を普通図柄抽選実行部69へ送る。普通図柄抽選実行部69は、抽選指示を受け取ると、その抽選結果として乱数を取得してこれを普通図柄保留記憶部71へ格納する。普通図柄抽選実行部69は、普通図柄抽選の乱数として例えば0から9までの範囲のカウント値を取得する。普通図柄保留記憶部71は、普通図柄の抽選結果である乱数を所定個数、例えば最大で4個格納するだけの記憶領域を有する。普通図柄抽選実行部69は、普通図柄保留記憶部71から乱数を読み出してその抽選当否を判定する。普通図柄抽選実行部69がもつ当否テーブルには、例えば7が当たり値として定義され、7以外の値が外れ値として定義される。普通図柄抽選実行部69は、読み出した乱数が当たり値であるか外れ値であるかに基づいて普通図柄抽選の当否を判定する。その当否の判定結果は、表示指示部74および作動処理部57へ送られる。表示指示部74は、表示処理部92が受け取った乱数の値を停止図柄とする普通図柄の図柄変動を普通図柄表示装置32へ表示させるように指示する。作動処理部57は、当たりの判定結果を普通図柄抽選実行部69から受け取った場合、所定の入賞口、例えば始動口28の両側に設けられた可動片(いわゆる電動チューリップ)を一定時間動作させて、通常状態よりも始動口28へ遊技球が落入しやすい状態とする。
図4は、通常遊技から特別遊技へ移行する過程を示すフローチャートである。まず始動入賞検出部51が始動口28への遊技球の落入を検出すると(S10のY)、乱数決定部72が、図柄変動中であるか否かを判定する(S12)。図柄が変動中でなければ(S12のN)、乱数決定部72が乱数を決定し(S14)、当否決定部61が、乱数に基づいて抽選当否を判定する(S28)。一方、図柄が変動中であれば(S12のY)、乱数決定部72が乱数を決定して(S16)、特別図柄保留記憶部63に乱数を保留可能であるか否かを判定する(S18)。図柄変動中、例えば4個の乱数が特別図柄保留記憶部63に保留されていれば、それ以上の乱数を保留することができないため(S18のN)、特別図柄保留記憶部63はその乱数を取得しない。なお、乱数を保留できないことの判定を乱数の決定前に行う場合は、乱数決定部72は、入賞を無視して乱数自体を生成しなくてもよい。一方、保留されている乱数の数が3個以内であれば、乱数決定部72は、乱数を保留する記憶領域が空いていることを判定する(S18のY)。この場合、乱数決定部72は、特別図柄保留記憶部63の空き領域に乱数を記憶させる(S20)。
またS10において、始動口28への入賞がなければ(S10のN)、当否決定部61が、特別図柄保留記憶部63に乱数が保留されているか否かを判定する(S22)。保留されていない場合(S22のN)、本フローを終了し、保留されている場合は(S22のY)、その時点で行われている図柄変動が終了するのを待つ。なお乱数が保留されている場合とは、入賞が以前に発生し且つその入賞の抽選結果についての図柄変動が未だ行われていない状態を示す。このとき、図柄表示装置26では、保留球以前の入賞の抽選結果についての特別図柄および装飾図柄の変動表示がなされている。なお、S12における図柄変動と、S22の判定時点で表示されている図柄変動を、本フローでは説明の便宜上、「前回の図柄変動」と呼び、これに続く図柄変動のことを「当回の図柄変動」と呼ぶことにする。
前回の図柄変動が終了すると、当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63に保留されている抽選結果のうち最初に抽選結果として格納された乱数を読み出してその記憶内容を消去し(S24)、2番目以降の領域に抽選結果の乱数が格納されていればそれらをそれぞれ一つ前の記憶領域へシフトする(S26)。当否決定部61は、読み出した乱数に基づいて抽選当否を判定し(S28)、続いて、図柄変動の表示内容が決定される。表示指示部74の表示指示に応じて、表示処理部92は当回の特別図柄および装飾図柄を図柄表示装置26に変動表示させる(S30)。S28における当否決定部61による当否判定の結果、乱数が大当たり値であった場合(S32のY)、特別遊技へ移行し(S34)、抽選結果の乱数が外れ値であれば(S32のN)、S34をスキップして本フローを終了する。
図5は、図4のS28における抽選当否を判定する処理を詳細に示すフローチャートである。以下では図5および図6を用いて、抽選当否の判定と、続く図柄変動の表示内容の決定までを示す。図5では、メイン制御部70における処理S28aを示し、また図6では、サブ制御部80における処理S28bを示す。
S24において当否決定部61により読み出された乱数、またはS14において決定された乱数が大当たり値(0〜207)に該当する場合(S50のY)、さらに、この乱数が確率変動付き大当たり値であるか否かを判定する(S51)。確率変動付き大当たり値である場合(S51のY)、特別図柄決定部62は、確変当たり用の特別図柄の停止図柄を決定し、また特別図柄パターン決定部73は、確変当たり用の特別図柄の表示パターンを決定する(S52)。確率変動付き大当たり値でない場合(S51のN)、特別図柄決定部62は、通常当たり用の特別図柄の停止図柄を決定し、また特別図柄パターン決定部73は、通常当たり用の特別図柄の表示パターンを決定する(S53)。また、S50において、乱数が外れ値(208〜65535)である場合(S50のN)、特別図柄決定部62は、外れ用の特別図柄の停止図柄を決定し、また特別図柄パターン決定部73は、外れ用の特別図柄の表示パターンを決定する(S54)。当否結果、特別図柄の停止図柄および表示パターン番号は、サブ制御部80に送られる。
図6は、装飾図柄の決定処理を示すフローチャートである。装飾図柄決定部82は、当否結果または特別図柄の停止図柄をもとに、装飾図柄の停止図柄を決定する(S60)。続いて、装飾図柄パターン決定部84は、特別図柄の表示パターンをもとに、装飾図柄をリーチ演出するか否かを判定する(S61)。この判定は、特別図柄の表示パターン番号に基づいてなされてもよい。例えば、特別図柄の表示パターン番号がリーチ演出すべき表示パターンを示す場合であって(S61のY)、さらにスーパーリーチ演出する表示パターンを示す場合(S62のY)、装飾図柄パターン決定部84は、スーパーリーチ用の装飾図柄の表示パターンを決定する(S63)。スーパーリーチでないリーチを演出する表示パターンを示す場合(S62のN)、装飾図柄パターン決定部84は、ノーマルリーチ用の装飾図柄の表示パターンを決定する(S64)。S61において、特別図柄の表示パターン番号がリーチ演出しない表示パターンを示す場合(S61のN)、装飾図柄パターン決定部84は、リーチなしの装飾図柄の表示パターンを決定する(S65)。なお、当否結果または特別図柄の停止図柄により、抽選結果が大当たりであることが示される場合には、常にリーチ演出する表示パターンが決定される。また、S60における装飾図柄の停止図柄決定は、S63、S64、S65における表示パターンの決定と同時に行われてもよいし、表示パターンの決定後に行われてもよい。
図7は、図4のS34における特別遊技の動作を詳細に示すフローチャートである。特別遊技の開始とともに大入賞処理部58は大入賞口29を開放し(S70)、大入賞検出部53が大入賞口29への遊技球の落入を検出した場合(S71のY)、大入賞処理部58はその球数をカウントし(S72)、大入賞口29へ落入した遊技球が特定領域を通過したことを領域通過検出部54が検出した場合(S73のY)、領域通過処理部59は通過フラグをオンする(S74)。大入賞口29への遊技球の落入が検出されないときは(S71のN)、S72からS74をスキップする。大入賞口29へ落入した遊技球が特定領域を通過しなかった場合(S73のN)、S74がスキップされ、領域通過処理部59は通過フラグをそのままにする。S71からS74までの処理は、大入賞口29への落入球数のカウント値が10球以上に達するか、大入賞口29の開放時間が30秒間に達するまで繰り返され(S75のN)、これらいずれかの条件に達した場合(S75のY)、大入賞処理部58は大入賞口29を一旦閉鎖する(S76)。ここで通過フラグがオンになっていれば(S77のY)、特定領域への通過があったものとして通過フラグと落入球数のカウント値をリセットし(S78)、特別遊技のラウンド数をインクリメントして(S79)、そのラウンド数が15回に達するまで(S80のN)、S70からS79までの処理を繰り返す。ラウンド数が15回に達した場合(S80のY)、または通過フラグがオンになっていない場合に(S77のN)、特別遊技が終了される。以上がぱちんこ遊技機の一般的な説明である。
(実施例1)
一般説明では、特別遊技として大当たりのみを考慮したが、本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、前述のごとく、特別遊技として大当たりと小当たりを規定する。当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63に格納された乱数の値に応じて、または乱数決定部72から直接送られる乱数の値に応じて、抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「外れ」のいずれかに該当するかを判定する。判定結果にもとづいて、表示指示部74とサブ制御部80は、図柄表示装置26において表示する複数列の装飾図柄の停止図柄を決定する。ここで、「大当たり」と「小当たり」の場合の停止図柄は、「大当たり」と「小当たり」の区別なく定められている。そのため、遊技者は、装飾図柄の停止図柄によって「大当たり」あるいは「小当たり」の区別をできない。
特別遊技処理部65と大入賞処理部58は、大当たりあるいは小当たりの際に、それぞれ大当たり用開閉パターンあるいは小当たり用開閉パターンで大入賞口29を開閉させる。ここで、大当たり用開閉パターンは、大当たり用1ラウンドのうち小当たり用1ラウンドに相当した期間において、小当たり用開閉パターンと同一のタイミングで、大入賞口を開閉するように規定されている。すなわち、小当たり用1ラウンドで大入賞口29を1回開閉する。そのため、小当たり用1ラウンド経過後でなければ、遊技者は大当たりであるか小当たりであるかを区別できない。
図8は、実施例1に係る大入賞口29の開閉パターンを示す。ここでは、図8の上側に大当たり用開閉パターンを示し、図8の下側に小当たり用開閉パターンを示しており、図中の横軸を時間としている。また、大当たり用開閉パターンと小当たり用開閉パターンに対応させて、大当たり用1ラウンドと小当たり用1ラウンドをそれぞれ示している。本来、大当たり用1ラウンドと小当たり用1ラウンドは、共に時間的なタイミングおよび長さは固定されていないが、ここでは、説明を明確にするために固定してこれらを示した。なお、図示した大当たり用1ラウンドは、大入賞口29へ10球以上の遊技球が入賞するまでの期間あるいは30秒間のうち、いずれか短い方の期間として定義されており、また、図示した小当たり用1ラウンドは、大入賞口29へ5球以上の遊技球が入賞するまでの期間あるいは3秒間のうち、いずれか短い方の期間として定義されている。
さらに、大当たりは、大当たり用1ラウンド中に、特定領域への1球以上の通過が継続判定部66で検出された場合に、最大15ラウンドを限界として、次の大当たり用1ラウンドに継続される。一方、小当たりは、1小当たり用ラウンドのみで終了する。図示のごとく、大当たり用開閉パターンは、大当たり用1ラウンドのうち小当たり用1ラウンドに相当した期間で、小当たり用開閉パターンと同一のタイミングで動作する。さらに、大当たり用開閉パターンは、大当たり用1ラウンドのうちの小当たり用1ラウンド終了後に、大入賞口29をさらに1回開閉させるように動作する。一方、小当たり用開閉パターンは、小当たり用1ラウンド終了後に、大入賞口29の閉鎖を継続する。
実施例1は、図3に示されるタイプの基本的な機能ブロック図に係り、構成要素は同一である。当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63に格納された乱数の値に応じて、または乱数決定部72から直接送られる乱数の値に応じて、その抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「外れ」のいずれに該当するかを判定する。これらの結果は、それぞれ当否決定部61がもつ当否テーブルに数値範囲の形で定義される。当否テーブルでは、例えば0から155までを大当たり値の範囲とし、156から935までを小当たり値の範囲とし、936から65535までを外れ値の範囲とする。なお、0から155までの大当たり値の範囲のうち、その一部を確率変動付き大当たりの範囲として設定し、156から935までの小当たり値の範囲のうち、その一部を確率変動付き小当たりの範囲として設定してもよい。
特別図柄決定部62は、通常の小当たりであれば、通常の大当たりと同一の停止図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」を決定し、確率変動付き小当たりであれば、確率変動付き大当たりと同一の停止図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を決定する。したがってこの場合、当否テーブルでは、0から155までの大当たり値の範囲と156から935までの小当たり値の範囲がそれぞれ10個の範囲に分割されて、それぞれの特別図柄の数字に対応付けられており、特別図柄決定部62は、乱数値に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。
装飾図柄決定部82は、装飾図柄の大当たり停止図柄および装飾図柄の小当たり停止図柄を決定する。「111」「333」「555」「777」「999」の奇数図柄は、遊技者に確率変動付き大当たりあるいは確率変動付き小当たりであることを提示し、「000」「222」「444」「666」「888」の偶数図柄は、通常の大当たりあるいは通常の小当たりであることを提示する。
当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63から読み出した乱数の値が大当たり値あるいは小当たり値であった場合、停止図柄の表示後、大当たりあるいは小当たりを示した情報も特別遊技実行部64へ送る。特別遊技処理部65は、当否決定部61より特別遊技が大当たりである旨の情報を受けた場合、大当たり開閉パターンで大入賞口29を開閉させる指示を送り、当否決定部61より特別遊技が小当たりである旨の情報を受けた場合、小当たり開閉パターンで大入賞口29を開閉させる指示を送る。
大入賞処理部58は、特別遊技処理部65から受け取る大当たり開閉パターンでの開放指示に基づいて、大入賞口29を大当たり開閉パターンで開閉させ、一方、特別遊技処理部65から受け取る小当たり開閉パターンでの開放指示に基づいて、大入賞口29を小当たり開閉パターンで開閉させる。そのため、大入賞処理部58は、大当たり用開閉パターンと小当たり用開閉パターンを記憶している。
実施例1は、図4に示されるタイプの通常遊技から特別遊技へ移行する過程を示すフローチャートに係る。図4のS28において、当否決定部61は、読み出した乱数に基づいて抽選当否、すなわち「大当たり」、「小当たり」、「外れ」のいずれかを判定する。S28における当否決定部61による当否判定の結果、乱数が大当たり値あるいは小当たり値であった場合(S32のY)、特別遊技へ移行し(S34)、抽選結果の乱数が外れ値であれば(S32のN)、S34をスキップして本フローを終了する。
実施例1は、図5に示されるタイプの図4のS28における抽選当否を判定する処理を詳細に示すフローチャートと、図6に示されるタイプの装飾図柄の決定処理を示すフローチャートに係る。ここでは、図5のS50は、S24において当否決定部61により読み出された乱数、またはS14において決定された乱数が大当たり値(0〜155)あるいは小当たり値(156〜935)に該当する場合とされ、これに続くS51からS53も、大当たりと小当たりに対応するものとする。
図9は、図4のS34における特別遊技の動作を詳細に示すフローチャートである。特別遊技処理部65から受けつけた指示が、大当たり開閉パターンで大入賞口29を開閉させる指示である場合(S100のY)、特別遊技の開始とともに大入賞処理部58は大入賞口29を開放する(S102)。ここで、S112に示された大当たり用1ラウンド更新の条件は、図7のS75で示した大入賞口29への落入球数のカウント値が10球以上に達するか、大入賞口29の開放時間が30秒間に達するまでの条件に相当する。一方、特別遊技処理部65から受けつけた指示が、大当たり開閉パターンで大入賞口29を開閉させる指示でなく(S100のN)、小当たり開閉パターンで大入賞口29を開閉させる指示である場合、大入賞処理部58はその球数をカウントする(S124)。小当たり用1ラウンドの条件を満たすまで(S126のN)、特別遊技が継続され、小当たり用1ラウンドの条件を満たすと(S126のY)、特別遊技が終了される。
本実施例によれば、小当たり用1ラウンドに相当した期間での大入賞口の開閉パターン、および装飾図柄の停止図柄が、大当たりと小当たりの場合で区別なく定義されているので、小当たり用1ラウンドに相当した期間において、遊技者に大当たりあるいは小当たりを区別されないような特別遊技の進行が可能である。また、小当たり用1ラウンドに相当した期間において、遊技者に大当たりになる期待感を持たせられる。また、停止図柄を見た遊技者が小当たりと判断した場合であっても、遊技者は当該小当たり用1ラウンド経過後に大当たりと再び認識させられるので、新たな喜びを遊技者に提供できる。また、大当たりと小当たりが装飾図柄の停止図柄のみで区別できないので、遊技に変化を持たせられる。また、小当たりは、当否テーブルに追加の設定をすれば設けられるので、設定の追加が容易である。
(実施例2)
実施例2におけるぱちんこ遊技機10は、実施例1と同様に、装飾図柄の停止図柄が同一であっても、遊技者に、装飾図柄の停止図柄によって「大当たり」あるいは「小当たり」の区別をさせないように動作する。さらに、特別遊技処理部65と大入賞処理部58は、実施例1と同様の規則にもとづいて規定された大当たり用開閉パターンと小当たり用開閉パターンで大入賞口29を開閉させる。しかしながら、実施例2のぱちんこ遊技機10は、実施例1と比較して、「大当たり」あるいは「小当たり」の判定方法が異なる。すなわち、当否決定部61は、特別図柄保留記憶部63に格納された乱数の値に応じて、または乱数決定部72から直接送られる乱数の値に応じて、その抽選結果の判定を実行する。さらに、抽選結果が当たりの場合、再び抽選を実行して、二段階で「大当たり」あるいは「小当たり」を決定する。
図10は、ぱちんこ遊技機10の遊技を制御する構成を中心とした基本的な機能ブロック図である。図10は、図3と比較して、当否決定部61に再抽選部160が含まれている。当否決定部61での抽選結果が「当たり」になった場合に、再抽選部160は、再び乱数を生成する。ここでは、乱数として、「0」から「7」のうちのいずれかを生成するものとする。さらに再抽選部160は、生成した乱数「0」と「1」を大当たりに対応付け、生成した乱数「2」から「7」を小当たりに対応付けた当たり判定テーブルを有し、生成した乱数と当たり判定テーブルにもとづいて、「大当たり」あるいは「小当たり」のいずれかに該当するかを判定する。なお、図3での「大当たり」は、ここでの「当たり」に対応するものし、さらに、当否テーブルは、例えば0から935までを当たり値の範囲とし、936から65535までを外れ値の範囲とする。
実施例2は、図4に示されるタイプの通常遊技から特別遊技へ移行する過程を示すフローチャートに係る。図4のS28において、当否決定部61は、読み出した乱数に基づいて抽選当否、すなわち「当たり」、「外れ」のいずれかを判定し、抽選結果が「当たり」の場合に、再び抽選を行って「大当たり」あるいは「小当たり」を判定する。S28における当否決定部61による当否判定の結果、乱数が大当たり値あるいは小当たり値であった場合(S32のY)、特別遊技へ移行し(S34)、抽選結果の乱数が外れ値であれば(S32のN)、S34をスキップして本フローを終了する。
図11は、図4のS28における抽選当否を判定する処理を詳細に示すフローチャートである。ここで、S150とS152は、図5のS50とS51にそれぞれ対応する。確率変動付き当たり値である場合(S152のY)、再抽選部160は、乱数の生成にもとづく再抽選を実行し(S154)、生成した乱数が大当たり値(0〜1)の場合(S156のY)は、大当たりに決定し、生成した乱数が小当たり値(2〜7)の場合(S156のN)は、小当たりに決定する(S158)。S160は、大当たりや小当たりに関係なく、図5のS52に対応する。一方、通常の当たり値である場合(S152のN)、S162からS166は、S154からS158にそれぞれ対応し、S168は、大当たりや小当たりに関係なく、図5のS53に対応する。また、S150において、乱数が外れ値である場合(S150のN)、S170は、図5のS54に対応する。
実施例2は、図6に示されるタイプの装飾図柄の決定処理を示すフローチャートと、図9に示されるタイプの図4のS34における特別遊技の動作を詳細に示すフローチャートに係る。
本実施例によれば、当否テーブルと生成した乱数にもとづいて当否を判定した後に、再び抽選を実行して大当たりと小当たりのいずれかを判定するので、後者の抽選を実行する機能を追加すればよく、実現の可能性が高い。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1と2において、サブ制御部80は、大当たりの場合と小当たりの場合に対する特別図柄の停止図柄と装飾図柄の停止図柄を同一のものとして規定した。しかしながらこれに限らず、サブ制御部80は、大当たりの場合と小当たりの場合に対する特別図柄の停止図柄と装飾図柄の停止図柄を別の図柄に規定してもよい。例えば、大当たりに対応した装飾図柄の停止図柄のうち、「000」、「222」、「444」、「666」、「888」にのみ小当たりが対応付けられてもよい。さらに、そのうちの一部に、確率変動付き小当たりが対応付けられてもよい。本変形例によれば、実施例1あるいは2のぱちんこ遊技機10と一般説明のぱちんこ遊技機10を組み合わせた形態を実現できる。つまり、同一の装飾図柄の停止図柄に対応して、大当たりと小当たりが規定されていればよい。
本発明の実施例2において、当否決定部61に含まれた再抽選部160が、大当たりか小当たりかの抽選を実行していた。しかしながらこれに限らず、乱数決定部72と当否決定部61にもとづく抽選が「当たり」の場合に、再び乱数決定部72と当否決定部61で抽選を行って、大当たりか小当たりかを判定してもよい。本変形によれば、既に備えた乱数決定部72と当否決定部61を使用するので、開発を容易にできる。すなわち、当否の抽選と、大当たりか小当たりかの抽選が別に実行されればよい。
本発明の実施例1と実施例2において、ぱちんこ遊技機10として、第1種のぱちんこ遊技機を対象としていた。しかしながらこれに限らず例えば、ぱちんこ遊技機10が、第2種のぱちんこ遊技機や第3種のぱちんこ遊技機であってもよい。第2種のぱちんこ遊技機において、大入賞口29が開放するまでのステップは、次の通りである。すなわち、(1)第二種始動口に遊技球が入賞し、(2)第二種特別電動役物が作動し、大入賞口29が開放し、(3)大入賞口29に入賞した遊技球が特定領域を通過し、(4)役物連続作動装置が作動し、(5)次回の第二種特別電動役物が作動し、大入賞口29が開放する。この場合、ステップの(5)の大入賞口29の開閉パターンに対して、本発明の実施例1と実施例2で説明した大当たり開閉パターンと小当たり開閉パターンが適用される。この場合、(3)あるいは(4)のステップにおいて、大当たりあるいは小当たりのいずれかを判定するための抽選が、所定の方法でなされる。
一方、第3種のぱちんこ遊技機において、大入賞口29が開放するまでのステップは、次の通りである。すなわち、(1)普通図柄表示装置が大当たり表示し、(2)特定入賞口が開放し、(3)特定入賞口に遊技球が入賞し、(4)特別装置作動領域を遊技球が通過し、(5)特別装置が作動し、(6)第三種始動口に遊技球が入賞し、(7)第三種特別電動役物が作動し、大入賞口29が開放する。この場合、ステップの(6)の大入賞口29の開閉パターンに対して、本発明の実施例1と実施例2で説明した大当たり開閉パターンと小当たり開閉パターンが適用される。この場合、(6)までのステップにおいて、大当たりあるいは小当たりのいずれかを判定するための抽選が、所定の方法でなされる。本変形例によれば、本発明を第1種のぱちんこ遊技機以外のぱちんこ遊技機にも適用可能である。つまり、所定の抽選にもとづいて、大入賞口29の開閉パターンが決定されればよい。