JP4952784B2 - 生体用蛍光測定装置及び蛍光測定用励起光照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、小動物を対象とする光バイオイメージング技術に関する。
生体中の分子種がどのように分布しているかを画像化する手法は医学、生物学の重要な研究方法である。これまで「細胞レベル」では顕微鏡を使い、蛍光色素を付着した分子プローブや、化学発光を用いる分子プローブを用いて、分子種を画像化する方法がひろく行われて来た。今後は細胞レベルからより大きな「臓器」やさらに「動物の個体」に対して、注目している分子種が分布している様子を生きたまま観察する装置が要求されている。例えばマウスなど個体におけるガン細胞に蛍光プローブが結合するようにして、注目するガン細胞の増殖の様子を画像化し、毎日とか毎週とかの経時変化として観測する技術である。従来の細胞レベル用の測定装置で動物個体内部のガン細胞の増殖を見るためには、動物を殺して所定の部分を染色したり、蛍光体を付けたりして観察することになるが、それでは1つの個体に対する長期間にわたる細胞の経時的な増殖を見ることができない。この理由で小動物個体の内部情報の分子種を、個体が生きたままの状態で観察できる装置の発達が望まれている。
蛍光用励起光の照射装置として、図9に示されるように、フィルタホイール8と多分岐光ファイバ束16により波長が選択された光を対象物に照射する装置が知られている。そこでは、タングステンハロゲンランプなどの光源2からの光がレンズ4で光ガイド6に集められてフィルタホイール8に配置されたフィルタ10に導かれ、フィルタ10を透過した光が多分岐ファイバの入り口部16Aに導かれる。多分岐ファイバは入り口部は1本に束ねてあるが、途中の口がね部16Bの位置で4本の束に分けられて測定暗室(記載は省略)に導かれている。フィルタホイール8は、多数のフィルタを備え、必要な励起波長に応じてフィルタを切り替えて励起波長を選択し、多分岐光ファイバ16で励起光を蛍光測定暗室内の所定位置まで導く。同様の装置が特許文献1にも記載されている。
米国特許第6894289号公報
波長650nm〜900nm程度の近赤外光は生体内部における光の透過率が比較的良いため、小動物中の内部にある癌組織など注目する分子に選択的に蛍光プローブを結合させ、外部からの蛍光観察によって小動物中の注目分子や組織の情報を得る手法が広まっている。この場合に蛍光励起光及び蛍光画像測定方法について望ましい要件を列挙すると以下のようになる。
1)試料に励起光を照射したとき、注目する蛍光分子からは励起光とは異なる波長の光が放出されるので、検出側に励起光の波長成分を完全に遮断するフィルタを取りつけておけば、蛍光波長成分だけをきわめて感度よく検出できるというのが、蛍光測定の大原則である。しかし、実際には励起光のスペクトル中に、僅かながら蛍光波長と同じ弱い光(迷光)が含まれていることが多い。この成分が漏れ光となって検出したい蛍光に重なり、検出限界を下げる。このため、励起光波長成分中の、検出光の波長成分と重なる漏れ光波長成分を極力少なくする方策が求められる。
2)(後述の例でも示すように)励起光を試料の前面から当てるか、背面から当てるかあるいは横方向から当てるかで、得られる情報が異なるので、当てる方向を切り替えられることが望ましい。
3)プローブとして使う色素(蛍光分子)の種類に応じて、励起波長が異なるので、簡単に励起光波長を切り替えられることが望ましい。
4)上記に加えて試料の観察(撮影)方向として、1方向だけでなく多方向から見た蛍光画像を撮影したい。この場合には試料に対して種々の角度(場所)から照らす必要があることから測定暗室内の限られた場所に多数の照射光源を配置する必要が生じるので、上記1)、2)及び3)の機能を備えながら、励起光照射装置を極力小型にできることが望ましい。
図9に示した方式の励起光照射装置は、ハロゲンランプのような多数の波長成分を有する白色光源2からの光をフィルタホイール8の回転によりフィルタ10を切り替えて波長選択した励起光を、光ファイバ16によって測定室内の所定位置まで導く装置である。多分岐ファイバ16で(この例では4分岐ファイバで)、励起光を必要な箇所まで導いている。しかしその方式では上記の1)から4)の要求をすべて満たすことは不可能である。例えば、励起波長をフィルタ10で切り替えることはできるが、すべての多分岐ファイバ16に光が同時に導かれてしまい、照射方向は選択できない。また、機械的な切替えを伴うので当然に装置が大きくかつ複雑になる。さらにファイバを使うと漏れ光波長成分を減らすことにも不利であることを後述する。
これまで生体を対象とする蛍光測定は蛍光顕微鏡によく使われているが、その場合の励起光は顕微鏡の外で形成したのち光学系やファイバを用いて測定部に導くのが普通であった。これに対し、小動物のマクロ測定では顕微鏡の場合と異なり試料が大きいので、外から光を導くよりも測定室内に励起光照射装置を直接配置する方が好都合である。そして、測定室内に励起光照射装置を直接配置するには、励起光照射装置が小型であることが必要である。また、励起波長の切替えとともに、後述するように励起方向の切替えや多方向観察が有効であることが判明した。励起方向の切替えや多方向観察の要請からも励起光照射装置の小型化が課題になる。
このような必要性にかんがみ、本発明の第1の目的は、少なくとも上記の1)と2)の要求を満たし、漏れ光波長成分が少なく、照射方向が容易に切り替えられる生体用蛍光測定装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような生体用蛍光測定装置内に直接配置することができるようにするために、上記の4)の要求を満たして小型化し、光ファイバを介することなく試料を照射することのできる励起光照射装置を提供することである。
光源として広い波長範囲を発光するタングステン光源でなく、ほぼ単一波長の光を発光するレーザダイオード(LD:半導体レーザ)又は発光ダイオード(LED)を用い、しかもこれらLD又はLEDの発光の波長成分中、蛍光検出波長に重なる妨害波長成分を励起光から除去する光学特性をもつフィルタをこれらの光源に重ねて用いる。これらの光源を場所を異ならせて複数、又は隣り合わせて複数、配列した光励起部を形成し、その中の必要な光源を単に点灯のオン・オフによって照射方向の選択を行うことで、要求事項の1)と2)又は3)を実現する。
すなわち、本発明の生体用蛍光測定装置は、生体試料が載置される試料ホルダーと、互いに異なる位置に配置された複数の励起光源を有する励起光照射装置と、前記励起光源の点灯状態を制御する電気的スイッチと、前記試料ホルダー上の試料から放出される蛍光の内の所定波長成分だけを透過させる蛍光側フィルタと、前記蛍光側フィルタを透過した蛍光による蛍光像を撮影する検出器と、前記検出器が撮影した画像を表示する画像表示装置と、を備え、さらに前記励起光照射装置は、前記励起光源から放射される励起光から、少なくとも蛍光側フィルタが通過させる波長と同じ波長成分の光を除去する光学フィルタを、それぞれの励起光源毎に備えたものである。
ここで、励起光照射装置において互いに異なる位置に励起光源が配置されるというのは、互いに離れて配置される場合だけでなく、隣接して配置される場合も含んだ意味で使用している。
LDは単一波長を発光するから、フィルタを重ねる必要がないと思われがちであるが、その発光スペクトルは、詳細にみると図1Aのように強い発振線20の周りに弱い広がった発光部22を伴っている。この発光部22が長波長にも伸びているため、その一部22Aが蛍光検出用の蛍光側フィルタの透過域24に重なり、蛍光側フィルタを透過した漏れ光がバックグランドになってしまう。そこで、強い発振線20の波長域を含む狭い透過域26をもつ励起側フィルタをLDに重ねることで、漏れ光を除きバックグランドの小さい測定を実現できる。LEDの発光スペクトル28の場合も、図1Bのように発光波長の長波長側のテールの部分28Aが蛍光側のフィルタの透過域24にずれ込んでいることが多い。そのため、LEDを光源に使用する場合も、適切に設計された励起フィルタを重ねることで、不要な長波長側のテールを切り取ることで励起光の漏れ光波長成分を除きバックグランドの小さい測定を実現できる。この場合に漏れ光波長成分の低減能力に関して、白色光をフィルタを介して選択する図9の従来法との大きな違いが存在することを以下に述べる。一般にフィルタ26の阻止すべき波長成分(22Aや28Aの部分)を透過させない能力は完全ではなく、典型的には入射光強度の10-6程度(即ち0.0001%)ほどの光を通してしまう。したがって白色光を、同じ阻止フィルタで選んだときには、10E-6程度の漏れ光が生じる。これに対して、LDやLEDを用いた場合には、図1Aの22Aや、図1Bの28Aと記載されている部分の強度は中心的な励起光の主成分20又は28の強度に比べれば、もともと2桁から3桁小さいことにある。したがってこれに10-6程度の阻止能力のフィルタを組み合わせると、漏れ光波長成分の大きさは、励起光の主成分の10-8〜10-9となり、更に高性能のフィルタを使うことに匹敵することがわかる。このように、本発明は簡易に励起光光源を選べるという効果だけでなく、漏れ光波長成分抑制により蛍光検出能力を上げる上でも大きな利点を持っている。さらに、ファイバとフィルタホイールを用いない本方式が漏れ光波長成分抑制に対して有利な点として以下2点が有ることも強調できる。1つはファイバが発する蛍光・ラマン光である。ファイバは1m程度の長さを要するのでファイバ材料からでる蛍光・ラマン光の発光が無視できないことが多い。もう一つはフィルタホイールを可動にする必要がらどうしても隙間が必要で、ここから光が漏れやすく、光漏れを阻止する高精度で複雑な機械加工を要するのに対し、光源にフィルタを固定してしまう本方式は簡単で安価な方法でも漏れがおこらない。
以上に述べた本方式の漏れ光波長成分を抑制する要因をもう一度纏めると、1)フィルタが阻止すべき波長域に発光強度が弱い光源を組み合わすことでフィルタの実質的な阻止効率を向上できること、2)ファイバからの発光が無いこと、3)フィルタホイールのような可動部分から起こる隙間漏れがあり得ないこと、の3点である。
プローブとして使う色素の種類に応じて励起波長を簡単に切り替えられるようにする要求事項の3)をさらに実現するためには、複数の励起光源は好ましくは発光波長が互いに異なっている光源にそれぞれのフィルタを組み合わせた構成とし、電気的スイッチによる励起光源の点灯の切替えに伴なって励起光の波長も切り替えられるようにする。ただ場合によっては、図1Cのように複数の励起光源は同じ波長分布をもつものを使う変形が可能である。すなわち波長特性28の発光ダイオードに励起フィルタ26Aを組み合わせた励起光源と、波長特性28の別の発光ダイオードに励起フィルタ26Bを組み合わせた励起光源を用いる変形である。この場合は励起波長の主成分はフィルタの方で決まるから、同じ波長特性の光源であっても、フィルタ26Aが組み合わされた方を点灯すればフィルタ26Aの波長を照射、フィルタ26Bが組み合わされた方を点灯すればフィルタ26Bの波長を照射することになる。ただし、この例ではフィルタ26A阻止波長で光源のスペクトルが強いので、漏れ光波長成分抑制について述べた3つの効果の内の第1の効果だけは期待できないものの、第2、第3の効果は期待できるので、励起光源にフィルタ26Aにピッタリに合うものが得られない時の代替え手段として依然として有効である。図1Cの変形例から言えることは、実質的な照射波長が光源の発光スペクトルとフィルタの透過スペクトルの積のスペクトルで決まることである。そこで、光源のスペクトルの拡がりよりフィルタの透過スペクトル拡がりが狭い図1Cのような時は、フィルタの透過スペクトルの違いが波長を決定する。一方どちらのフィルタ機能を作動させるかは光源側の点灯オン・オフによるわけで、フィルタを機械的に動かすことなく所要の波長選択を、波長特性の同じ(又は無関係な)光源のオン・オフで対処できていることが解る。
試料の全周にわたる多方向からの観測画像を得ることができるようにするためには、前記検出器を2次元検出器とし、試料ホルダー上の試料から各観測方向に放出される蛍光の画像を2次元検出器に導く反射鏡などの導光光学系をさらに備えたものとする。多方向観察装置は、小動物の裏側に癌ができているような場合でも見落とすことがない。、さらに、実施例にて後述する多方向照明によって蛍光体が存在する位置の深さに関する情報もが得られる。
図9に示されたような従来よく使われている方式では、タングステンハロゲンランプを光源とし、励起側フィルタによって必要な波長を選択したのち、分岐ファイバによって測定室の必要な箇所に励起光を分配することとなるが、分岐ファイバのすべてに同時に光が導かれてしまい、必要な場所だけに切り替えることはできない。また光ファイバ自身からも蛍光が出る場合は、それも前述したように漏れ光波長成分の要因となるので、蛍光の出ない高価な光ファイバを必要とする。これに対し、小さなLD又はLEDは場所を取らない光源であり、装着しようとする生体用蛍光測定装置内に収納すれば光ファイバも必要としない。これにより、要求事項の4)を実現する。
このような目的でなされた本発明の蛍光測定用励起光照射装置は、励起光を照射することにより試料から放出される蛍光の内、所定波長成分だけを透過させる蛍光側フィルタを通過した蛍光を、蛍光像として撮影する生体用蛍光測定装置内に収納される蛍光測定用励起光照射装置であって、レーザダイオード又は発光ダイオードからなる励起光源、及び前記励起光源に一体的に設けられ、前記励起光源スペクトル中、少なくとも前記所定波長成分を除去する光学特性をもつフィルタを含む照明ユニットと、前記励起光源の点灯状態を制御する電気的スイッチと、を備えたものである。
これら照射ユニットを、波長及び照射方向のそれぞれに対して複数配置し、必要な照射ユニットの励起光源を点灯させることにより、波長の選択と照射方向の選択を行うようにするのが好ましい。
前記照射ユニットは励起光源とフィルタの組を複数組備えているようにすることができる。その場合、励起光源は互いに発光波長の異なるものを含み、電気的スイッチは発光波長の異なる励起光源を切り替えて点灯できるようになっていることが好ましい。
フィルタの光学特性を維持するためには、励起光源とフィルタの間には励起光源からの発光の発散角を制限する手段として、フィルタに入射させる平行化レンズ又は開口絞りが配置され、フィルタの出射側にはフィルタを透過した光を発散させる発散化レンズが配置されていることが好ましい。
さらに、照射ユニットは蛍光測定装置内に設けられた保持部に着脱可能に装着されるようになっていてもよい。
以上、マクロサイズの試料の蛍光測定を目的とする蛍光励起光源に必要な4条件の実現方法を述べてきたが、論点を再度整理しておくと以下のように纏められる。
試料がマクロサイズであるために、蛍光照射光源切替えを、互いに隣に並んだ光源の点滅によって行う場所的余裕ができていることに注目した点にある。従来顕微鏡的な小さい試料では、全く同じ場所にある光源やフィルタの差し替えを必要としたので、通常波長フィルタ自身の物理的な交換としてフィルタ円板を要した。しかし本発明は試料の顕微鏡的制約を取りはらわれたマクロサイズの試料条件を有効に利用することで、光源とフィルタの一体的な組合せからなる、異なる照射光源を互いに隣に並べ、機械的な駆動を用いることなく、波長切替えと照射方向切替えを、単なる電気的な点滅だけによって、可能にできる手法を提案するものである。
この考えから、「光源とフィルタの一体的な組合せ」に好都合な、発光点の面積が小さく物理的サイズも小さい、発光ダイオードやレーザダイオードを用い、フィルタとして小さくブロック状に切断したものを光源に一体的に組み合わせることを発明したものである。
この結果初めに述べた4つの条件
1)漏れ光波長成分を抑制する3要因(フィルタの阻止効率を向上・ファイバからの蛍光などの発光が無い・機械的稼働部の隙間の漏れ光がない)を満たす、2)照射方向切り替えが容易、3)波長切り替えを光源のオン・オフで実現、4)小型化を実現した。
本発明の生体用蛍光測定装置及び励起光照射装置では、レーザダイオード又は発光ダイオードからなる光源にさらに漏れ光を除去するフィルタを重ねたので、迷光を抑えて蛍光成分だけをきわめて感度よく検出できる。そして、レーザダイオードや発光ダイオードは無駄な波長域の発光が無い上、単位波長幅に対する強度が大きいので、ハロゲンランプにフィルタホイールを組み合わせて波長選択する場合に比べ、強い励起光を得ることができ、測定時間の短縮や測定感度の向上に寄与する。
また、本発明の生体用蛍光測定装置では異なる位置に配置された複数の励起光源の点灯を制御するようにしたので、機械的機構なしで励起光の照射方向の切替えあるいは、複数の方向から同時に照らしたり等を、自在に選ぶことができ、検出したい蛍光分子の存在場所の新たな知見が得られる。
本発明の励起光照射装置では、照明ユニットが蛍光測定装置内に収納される大きさに組み立てられているので、光ファイバのような光を導く部品を用いなくても試料を直接照射して励起することができる。
さらに、小型化された励起光源の効果として、多方向観察のために反射ミラーなどで制約された場所にファイバを用いずに多数の光源を配置する必要を満たすことができる。
レーザダイオードの発光スペクトルとフィルタの透過特性を示す図である。 発光ダイオードの発光スペクトルとフィルタの透過特性を示す図である。 波長特性が同じ発光ダイオード2個に、異なる透過特性の励起フィルタを組み合わせる励起光源のスペクトル図である。 生体用蛍光測定装置の一実施例を概略的に示す要部斜視図である。 励起光照射装置の一実施例を示す概略斜視図である。 励起光照射装置の他の実施例を示す外観斜視図である。 同実施例の励起光照射装置の断面図である。 励起光照射装置のさらに他の実施例を示す外観斜視図である。 生体用蛍光測定装置の他の実施例を概略的に示す要部斜視図である。 同実施例において2次元検出器上に結像した画像を示す平面図である。 同実施例を試料の軸方向からみた状態で示す正面図である。 測定した模擬試料を示す透視図である。 5方向同時観察・5方向切替え照射装置によって撮影した画像である。 従来の励起光照射装置を概略的に示す斜視図である。
符号の説明
30,32,34,42,48 照射ユニット
36 カメラ部
EM 蛍光側フィルタ
ex 励起用フィルタ
L 結像レンズ
38 CCD検出器
40 測定室
(第1実施例)
[左・右、及び背面の3方向の切替え照射方式の蛍光観察装置]
図2に、第1の実施例として、左・右、及び背面の3方向切替え照射方式の蛍光観察装置を示す。中央の試料ホルダー(図示略)上に生体試料Aとして小動物が配置され、その周囲3カ所に蛍光励起用の照射ユニット(左側照射ユニット30、右側照射ユニット32及び背面照射ユニット34)が配置されている。試料Aからの蛍光は、カメラ部36に入射し、蛍光側フィルタFEMを透過した後、結像レンズLによって、二次元検出器であるCCD検出器38上に結像され、蛍光像が取得される。
3カ所の照射ユニット30,32,34は同じものであるから、図中の左側照射ユニット30に記載の要素部品について説明する。照射ユニット30には2つのレーザダイオードLDλ1,LDλ2が設けられており、レーザダイオードLDλ1,LDλ2はそれぞれ波長λ1,λ2の光を発生する。レーザダイオードLDλ1,LDλ2に接してそれぞれ励起側フィルタFexλ1,Fexλ2が取りつけられている。レーザダイオードLDλ1の発光スペクトルのうち検出光の波長成分と重なる妨害波長成分がフィルタFexλ1で除去された後の漏れ光波長成分の非常に小さい光が左照射励起光λ1となる。先に述べたように漏れ光波長成分を抑制する3つの効果のためである。同様にレーザダイオードLDλ2から出た光は、励起側フィルタFexλ2を通過して左照射励起光λ2となる。これらの2つの波長は、単にレーザダイオードLDλ1,LDλ2の電源のオン・オフで選択される。励起側フィルタFexλ1とLDλ2は、それぞれのレーザダイオードLDλ1,LDλ2に専用に固定されているため、図9に示した従来方式のフィルタホイールのような機械的な切替えの必要はない。
右側照射ユニット32及び背面照射ユニット34も全く同じ構造であるから、この実施例で用いるレーザダイオードは合計6個であり、3つの照射方向に各2波長分を備えていることになる。したがって、6個のレーザダイオードのうちの1つを選択して点灯することで、機械的駆動部なしで励起波長と照射方向を同時に選択できる。1つの励起波長については、照射方向を3種切り替えた状態で3枚のCCD検出器の画像を取得することができる。照射方向の違いによる蛍光像の相違から有用な知見が得られることは、後ほど図8のファントムの実測例によって詳しく説明する。
また、レーザダイオードは同時に照射することもできるので、例えば「3つの方向同時」とか、「左・右の同時照射」によって、短時間に大体の情報を得る目的で使うこともできる。
図2において、符号40で示される「破線の枠内」は、外部の光が入らないように光遮蔽された暗室からなる測定室である。左・右、及び背面の3つの照射ユニット30,32,34は、上述のように光源とフィルタを含む全素子を備えており、すべてがこの測定室40内に配置されている。この点が従来の図9に示される光ファイバ方式で測定室の外部から光を導く方式、あるいは蛍光顕微鏡観察で使われるようなレンズや反射鏡などで試料位置まで光を導く方式、との根本的な相違である。
なお、図2の上部には、カメラ部36としてもう一つの破線枠が描かれている。測定室40とカメラ部36は蛍光側フィルタFEMで隔てられている。すなわち、試料Aから出た散乱光のうち、蛍光以外の成分は、蛍光側フィルタFEMで遮断され、蛍光側フィルタFEMを通過した成分だけがカメラ部36に入って検出されるようになっている。ただし、実施例では図を簡単にするために蛍光側フィルタFEMは1枚だけ書いてあるが、実際には、フィルタ円板によって複数のフィルタが切り替えられるようになっている。したがって照射ユニット30,32,34で励起波長を切り替えたときには、図には書いていないフィルタ円板を回して、蛍光側フィルタFEMも適当な1枚を選択し測定する。
[光源数を増やした照射ユニットの実施例]
図2の照射ユニットに替えて、図3のような光源数を増やした照射ユニットを第1の実施例の3方向の照射に使うこともできる。図3では同じ波長に対してレーザダイオードを2つ使っているので、これらを同時に点灯することで比較的大きな試料をより均一に照らすことができる。
図3の照射ユニットの構成では、光源取付けベース40に4つのレーザダイオードLDλ1A,LDλ2A,LDλ1B,LDλ2Bが配置されている。光源取付けベース41は小動物の体軸に平行な方向に長く伸びた板状のホルダーで、これら4つのレーザダイオードは小動物の体軸の方向に並んでいる。この実施例では4つのレーザダイオードの内の2つ、すなわちLDλ1A,LDλ1Bは同じ波長(例えば780nm)を発振する。また残り2つのレーザダイオード、すなわちLDλ2A,LDλ2Bは別の波長(例えば690nm)を発振する。
さらに4つのレーザダイオードそれぞれに励起光用フィルタFexλ1A,Fexλ2A,Fexλ1B,Fexλ2Bが重ねて取りつけられており、レーザダイオードと励起光用フィルタの4つの組(LDλ1AとFexλ1A),(LDλ2AとFexλ2A),(LDλ1BとFexλ1B),(LDλ2BとFexλ2B)のそれぞれがそれぞれの励起光を試料Aに向けて照射する。既に述べたようにレーザダイオードは発振波長の裾に、弱いすそ野の発光波長をもつことが多く、レーザダイオード単体にそれぞれに対応するフィルタを組み合わせることで、励起光中に含まれ、検出すべき蛍光の波長成分と重なるため妨害成分(迷光)になる波長成分をきわめて微少なレベルに軽減する効果があることが判った。この構造を有する照射ユニットを試料の周囲に配置しておき、3つの照射ユニットの各4つのレーザの必要なものを単に電気的な選択で点灯することで、照射方向の選択と励起波長の選択とを自在に行うことができる。
なお図3の実施例では2つ波長のレーザダイオードを備えている例を示したが、スペースが許す範囲で、もっと多数の波長のレーザダイオードを並べてもよいのは当然である。
またレーザダイオードと励起フィルタは互いに固定されているからレーザダイオードの発光が必ずフィルタを通過し、フィルタ以外の隙間をすり抜ける漏れ光を生じないよう、図には示されていないが、適当な光遮蔽部品で覆うことができる。
励起側を上記のように構成しておけば、励起側と蛍光側の波長選択の方法は次のようになる。励起光源の位置と波長を電気的なオン・オフ方式で選択するとともに、図2に示す蛍光側フィルタFEMの選択は、透過波長の異なる複数のフィルタFEMを回転円板に取りつけておいて、回転円板を回転させて切り替えることで行う。このようにして、蛍光側フィルタFEMの円板の回転機構だけが機械的な稼働部として残るけれども、その他はすべて可動部分がなく、多方向の蛍光励起・検出方法としては極めて簡単な切替え方法を実現できる。
[多数の発光体をモザイク状に並べたさらに異なる照射ユニットの実施例]
照射ユニットは図4A〜4Bのように発光体と励起用フィルタFexの組を多数モザイク状に並べた面状多波長励起光源として構成することができる。図4Aは4つの波長λ1、λ2、λ3、λ4を繰り返し配置して長方形の照射ユニット42としたものを示している。平面状の照射ユニット42が形成できるので比較的大きい試料に対して均一な照明を行うのに適している。
図4Bは照射ユニット42の内部の構造を示している。発光体としては安価なLEDを多数用いて、それぞれのLEDに小さな励起用フィルタFexを組み合わせている。LEDの発光スペクトルはブロードであっても、蛍光の発光波長に重なるLEDの発光スペクトル成分を、図1Bで示したように干渉フィルタからなる励起用フィルタFexで除くことで、漏れ光(迷光)の少ない照射ができる。
励起用フィルタFexを通過する光が極度に斜めになる(即ち発散角が干渉フィルタの限度以上に大きい)とき、干渉フィルタの性能劣化を伴うのを防止するために、図4Bに示されるように、励起用フィルタFexを夾むように平行化レンズ44と発散化レンズ46を配置するのが好ましい。ここでは、小さなLED素子からの発散光を球レンズなどの凸レンズからなる平行化レンズ44で発散角を減らしてから、干渉フィルタFexを通したのち、再び発散化レンズ46で角度を広げて広範囲を照明するようにしている。なお、発散角を減らすための処置として、上記の平行化レンズ44を用いる代わりに適当な開口絞りを用いてもよい。レーザダイオードなど光源から出る光の大半が狭い角度に集中している場合には、開口絞りを用いても光量ロスが許容限度内に収まるからである。また発散化レンズは本図のような球レンズなどの凸レンズでもよいし、凹レンズでもよい。なお、フィルタFex前後の平行化と発散化処理は、第2図又は第3図の照射ユニットにも当然適応できるが、図と説明を簡単にするため特に触れていない。
このような構造をもつ図2、図3、図4A又は図4Cに示される照射ユニットを照射方向の数だけ(実施例1では3個)配置することで図2の3方向照射型の蛍光撮像装置が構成される。
さらに異なる照射ユニットの実施例を図4Cに示す。図4Cは、照射ユニット48を蛍光測定装置本体に固定的に配置するのでなく、蛍光測定装置の本体内に着脱自在に取りつけるようにしておく実施例である。すなわち、蛍光測定装置本体側に着脱用のスロッ50トを備えた保持部52を取りつけておき、照射ユニット48を適当な着脱用ホルダ49に固定したものをこのスロット50に差し込むことで着脱可能にしておく。照射ユニット48への電源供給はソケット54からスイッチボックス56を介して供給される。スイッチボックス56の切替えにより照射ユニット48のオン・オフを制御する。
このような照射ユニット48とすることにより、1つの照射ユニット48の発光波長が1波長であっても、異なる照射ユニット48と交換することで、任意の異なる波長を選べる。また、ほかの異なる形式の照射ユニットも装着して使用できる。
照射ユニット48は適当なスイッチ回路を設けることで必要時のみに発光させることができる。また本体側の保持部52を蛍光測定装置内の種々の箇所で、それぞれに装着される照射ユニット48が試料に向けられるような照射角度をもって備えておくことで、照射方向の選択も可能である。もちろん着脱式の照射ユニット48が複数の発光波長をもち、点灯の切換えにより発光波長が切り替えられるようになっていてもよい。
なお、本実施例では、スロット50に着脱用ホルダ49を差し込む例を示したが、スロット方式による着脱は単なる一例であって、適当な保持方法で照射ユニット48を保持部52に着脱可能に取りつけられればよいことは当然である。
(第2の実施例)
第1の実施例は1つの観測方向について多方向の照射を行う例であるが、第2の実施例は多方向観察型装置にさらに多方向照射ユニットを組み合わせた蛍光測定装置である。これを説明する前提として、先に多方向観察型の蛍光測定装置について説明し、続いて多方向照射ユニットを組み合わせる方法について述べる。
[多方向観察型の蛍光測定装置]
多方向観察の必要性は、例えば観測方向の裏側に発生している癌を見落とさないためである。そこで試料の表・裏・左・右など、多くの方向から観測することが必要となる。多方向観察を行う好都合な手法として、図5のような方法を挙げることができる。この例は同時5方向の観察をCCD検出器からなる1つの2次元検出器38を用いて行うもので、試料Aの5方向の像を、多面鏡(M2〜M5)と共通のカメラレンズLを用いて共通の2次元検出器38に結像させている。中央に配置した試料Aの小動物(典型的にはマウス)を5つの角度から観測し、上部に配置した共通の結像レンズLによって、共通の2次元検出器38上に結像する。0度方向以外の観測角度72°、144°、216°、288°の光線は、それぞれ、反射鏡M2,M3,M4,M5で反射され、結像レンズLに入射し、共通の2次元検出器38の上に結像する。
CCD検出器38上には、図6のような像ができている。即ち右端から、72°、144°、0°(中央)、216°、288°の像の順番になる。中央の0度の像は、反射鏡を介さないので結像レンズからの距離が近く大きな像になる。反射鏡M2〜M5を介する残りの4つの像は、反射鏡M2〜M5による試料の虚像までの距離がやや大きくなるので、0度方向に比べてサイズが小さくなるとともに左右が反転している。この結果、これら5つの像は、反射鏡M2〜M5によって距離(光路長)が変わるためそのままではCCD検出器38上でのボケを生じる。しかし、この問題は5本の光線それぞれに対して、わずかに焦点距離の異なる補助レンズL1,L2,L3,L4,L5を挿入することで解決するができる。この例では最も距離の大きい144°と216°の光線に対する補助レンズL3とL4は、曲率をもたない平面でよく、反対に最も距離の短い0°に対する補助レンズL1はやや強い凸レンズ、中間距離の72°と288°の光線には弱い凸レンズを使用する。即ち、補助レンズL1,L2,L3,L4,L5は全体として部分的に焦点距離が異なるモザイクレンズである。このように簡単な構造で可動部分なしに、異なる観測角度の試料像を一度に共通のCCD検出器38上に結像することができる。
この手法をさらに図7を用いて詳述する。試料Aはここでは簡略化のために円筒形状の物品として記載している。中央に配置した試料Aからの0度方向以外の観測角度72°、144°、216°、288°の光線は、それぞれ、反射鏡M2,M3,M4,M5で反射される結果、反射鏡による試料Aの虚像A2’,A3’,A4’,A5’ができるから、これらを上部にある結像レンズLによって共通の2次元検出器(CCD検出器)38の上に結像させる。カメラレンズLから下方を見ると、5つの方向の像(Aは実像で、その他の4つの像A2’,A3’,A4’,A5’は虚像)が見えるが、それぞれの像迄の距離は図7から判るようにA3’,A4’が最も遠く、A2’,A5’が中間の距離、正面の実像Aが最も近い。したがって、図7の例では、カメラレンズLの焦点をA3’、A4’に合わせておくと、そのままではA2’とA5’、A1の焦点はぼけるので、補助レンズ(凸レンズ)L2とL5で虚像A2’とA5’の結像を補正し、補助レンズ(凸レンズ)L1で実像Aの結像を補正する。CDD38上には、図6のような像、即ち右端から、72°、144°、0°(中央)、216°、288°の像の順番になる。これらCCD検出器38上にできる像は、実像A,虚像A2’,A3’,A4’,A5’からレンズL迄の距離に応じて前述のように角度毎に倍率の相違があり、かつ像A2’,A3’,A4’,A5’の像は左右が反転した像になる。この結果、図6のような像ができていることがわかる。
結像レンズLの典型的な焦点距離が15〜20mm程度(一例として、結像レンズLから試料の虚像A3’までの距離を300mmとし、試料がCCD検出器38に結像する倍率を15分の1とすれば、結像レンズLの中心とCCD検出器38との距離は300mmに倍率15分の1を掛けた20mmとなるから、レンズLの焦点距離も20mm弱となる)である。これに対し、補助レンズL1,L2,L5の典型的な焦点距離を計算すると500mmから1500mm程度となる。なぜなら、補助レンズL1は、試料Aの位置(例えばレンズLからの距離が200mm:この距離をaとする)から出る光を虚像A3’の距離300mm(この距離をbとする)から出るように変換すればよいので、補助レンズL1の焦点距離をfとするとき、簡単な結像の式、(1/f)=(1/a)−(1/b)よりfが求まり、f=600mmとなる。一方、補助レンズL2,L5は虚像A2’の位置約250mmを虚像A3’の距離300mmから出るように変換するので、焦点距離はいっそう長くなり、同様に計算すると、1500mmとなる。このように補助レンズL1,L2,L5はレンズLに比べれば長い焦点距離、即ち極端に弱い曲率のレンズで十分に機能する。
[多方向観察型の蛍光測定装置に多方向の照明を加える実施例]
再び図7を用いて説明する。図7は立面図で図5では省略している照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5を記載してある。照射ユニットとしては、既に述べた図2、図3又は図4の構造のものを用いることができる。これら5つの照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5から試料Aを周囲5つの角度から照らしている。この際に好都合な点は、蛍光測定装置内で反射鏡M2,M3,M4,M5の隙間にちょうど照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5を配置する位置が確保できることである。この5方向等分割測定の例では、試料A又はその像A2’,A3’,A4’,A5’が72度毎にできており、試料Aから直接又は反射鏡M2,M3,M4,M5の中心(又は正面のレンズLの中心)に向かう主光線に対して、試料Aを照射する励起光の向きは、プラス36度又はマイナス36度の斜めの方向になっている。6等分の場合この角度はプラス・マイナス30度、7等分にすれば、プラス・マイナス25.714度になり、いずれも蛍光を測定するのに適当な照射角度になる。
通常、蛍光測定では、検出したい分子種とか腫瘍特異性を有する蛍光プローブの吸収波長にあわせて照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5の波長を選択する。この実施例では照射ユニットに含まれるレーザダイオードLDの電気回路のオン・オフにより簡単に波長を選ぶことができる。カメラレンズLの直前に蛍光側フィルタFEMが配置されており、励起光によって試料Aから発生する蛍光波長成分のうち、FEMの透過域に入るものだけを検出するようになっている。励起光の波長成分のうち、波長が変わることなくそのまま散乱される成分は背景光(バックグランド光)となって測定を邪魔するから、励起光の波長成分を透過しないように励起光源の発光波長と蛍光側フィルタFEMの特性を選ぶことが重要である。
波長が決まると、5つの照射方向の照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5のどれを点灯させるかで、必要な照射方向を容易に選ぶことができる。ここで蛍光励起を行いながら5つの角度から観測するには、励起光の点灯・消灯についていくつかの選択が可能である。第1の選択は最も簡単な測定法であり、照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5のすべての方向のレーザダイオードを同時に点灯させ、即ち試料Aを全周から常時照射した状態で、図6のようにCCD検出器38上に現れる5つの画像を撮影(記録)するものである。
第2の選択は、照射ユニットS1,S2,S3,S4,S5を1つずつ順次点灯して5回露光を行う方法である。こうすると、試料Aから見るとき、前から励起光を照らすときの蛍光画像だけでなく、後ろからだけとか、横からだけ照らすときの画像が得られる。つまり、試料Aからの5方向の観測画像それぞれに対して励起方向の異なる5つずつの画像を得ることになり、合計25枚の画像を5回の露光で得ることができる。
5つの異なる照射方向を切り替える有効性を示す測定例を図8A,8Bに示す。試料は図8Aに示されるように、マウスを模擬した直径25mm長さ150mmの円柱状のファントムであって、生体と同程度の吸収散乱係数を持たせている。深さ2mmと4mmの図で示した位置に2つの微小な蛍光発光源60,62を埋め込んだものである。これを図7に示す5方向同時観察・5方向切替え照射装置によって撮影した。すなわち照射ユニットS1〜S5までの5方向の照射を順次切り替えながら、5つの観測方向の画像を得た例であり、図8BのB1〜B5に示されるように、合計25個の像が得られている。なお図の発光量のスケールは右のスケールバーに示され、0〜200、200〜400、というように、黒から白へのグレースケールを繰り返す表示にしてある。したがって、外側の真っ黒から最初の白色までが0〜200の範囲で、200を越えると一旦真っ黒になってから再び白くなり、400を越えると再び真っ黒になる。これを繰り返すので白黒の縞が多いほど発光の強いことを示す。これらの画像より2つの微小蛍光体60,62の位置と照射方向の相対関係によって、蛍光の強度が変わって観測されていることが明瞭に認められる。例えばB1に示されるように、照射ユニットS1の方向からの照射では、深さ2mmの浅い位置の蛍光体60が0°の観察で非常に強く光り、深さ4mmの蛍光体62もかなり強く光っている。72°の観察では深さ4mmの蛍光体62が比較的強く検出されている。照射をS2方向に変えると、B2に示されるように、深さ4mmの蛍光体62が72°と144°の観察で強くなり、0°の観察では深さ4mmの蛍光体62が強いが、深さ2mmの蛍光体60も少し光っている。S3方向の照射に変えると、B3に示されるように、裏からの照射のため蛍光が全体として弱いが、0°の観察でよくみると深さ2mmの蛍光体60が弱く光っているのがわかる。なお144°と288°で比較的強く光っているのはファントムボディーの自身の蛍光である。S4方向の照射に変えると、B4に示されるように、浅い2mmの蛍光体60だけが0°の観察に見えている。さらにS5方向の照射に変えると、B5に示されるように、0°の観察だけに正面の深さ2mmの蛍光体60が非常に強く検出されている。
このように図8Bの結果から、動物の体内の浅い位置に発光源があるか深い位置に発光原があるかで蛍光の強度の現れ方が規則的に変化することが示されている。すなわち画像の強度から深さを推定できる。一般に、浅い位置の発光源は25枚のどれかの画像中の被写体の小さい部分が強く光るのに対し、深い発光源ならば25枚のどの画像にも拡散した弱い発光分布となる。また、適当な逆問題のアルゴリズムを使うことで、在る程度の発光源の分布を画像化する方法も可能となる。このように図8Bの結果は、照射方向の違いが蛍光の現れ方を規定するから照射方向を容易に選択できる蛍光測定装置の有用性を示すものである。
なお、照射方向はこの例のほかにも2つの方向から同時に照射するとか、いくつかの点灯の組合わせが可能である。いずれにしても本発明の重要なポイントは、蛍光励起方法は可動部分がなくて単に励起光の点滅だけで、試料の前・横・斜め・後ろからなど励起方向を自在に設定できることである。もちろん各照射ユニットに図3のような複数の波長を備えておけば、励起波長の選択も光源の電気的点滅だけで行うことができるので、照射系については可動部が全く不要になる。

Claims (3)

  1. 生体試料が載置される試料ホルダーと、
    互いに異なる位置に配置された複数の励起光源を有し、励起光を複数の異なる方向から前記試料に照射する励起光照射装置と、
    前記励起光源の点灯状態を制御する電気的スイッチと、
    前記試料ホルダー上の試料から放出される蛍光の内の所定波長成分だけを透過させる蛍光側フィルタと、
    前記蛍光側フィルタを透過した蛍光による蛍光像を撮影する2次元検出器と、
    前記検出器が撮影した画像を表示する画像表示装置と、
    前記試料ホルダー上の試料から放出する蛍光を複数方向から観測するために複数の蛍光画像を前記2次元検出器に導く導光光学系と、
    を備え、さらに
    前記励起光照射装置は、前記励起光源から放射される励起光から、少なくとも蛍光側フィルタが通過させる波長と同じ波長成分の光を除去する光学フィルタを、それぞれの励起光源毎に備えていることを特徴とする生体用蛍光測定装置。
  2. 前記複数の励起光源は前記電気的スイッチによる励起光源の点灯の切替えに伴なって励起光の波長も切り替えられる請求項1に記載の生体用蛍光測定装置。
  3. 前記複数の励起光源は前記電気的スイッチによる励起光源の点灯のオン・オフに伴なって試料に対する励起光の照射方向のオン・オフを選ぶことができる請求項1に記載の生体用蛍光測定装置。
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