JP4952691B2 - 離床予測システム - Google Patents

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Description

本発明は,転倒のおそれのある筋力が低下した高齢者等を対象に,ベッド利用者の離床を予測し,介護者等に離床前の段階で通知することにより,高齢者が快適で安全な生活を確保するために必要な環境を提供する技術分野を対象にする。
近年,筋力の低下した高齢者がベッド周りで転倒・転落する事故が社会的な問題となっており,その対策が求められている。
現在最も一般的な対応として,ベッド降り口の床に離床マット(ベッド利用者が離床時に踏むことにより,ナースコール等の警報を鳴らすことが可能なセンサ)を設置する方法がある。この場合,警報を発した時には,既に足が床に着いている状態であり,介護者が駆けつけるには時間的に余裕がない。
また,寝床面の布団下に離床予測センサ(ベッド利用者が起きあがり,センサへの荷重が無くなることで警報を鳴らすことが可能なセンサ)を設置するなどの対策もあるが,寝返り等でセンサが反応するなど誤作動が多く,一般的に使用されていない。
このように現状の対策は十分に機能しているとはいえず,離床前の段階で警報を発する誤作動の少ない離床予測システムが望まれている。
確実な離床予測や誤作動の少ないシステムを構築するには,ベッド利用者のベッド上での体位(位置や姿勢)を把握することが重要であるが,さらにベッド利用者以外の人物がベッドに寄り添って座ったり,またベッド上に物が置かれるなど各種外乱を判定するためにベッド利用者の体重を正確に測定することが有効である。
体位を把握するためには,寝床面に多数の荷重センサをアレイ状に配置してデータを得る方法や,4点荷重から重心を測定してその重心位置の変化から体位を推定する方法がある。
特許文献1および2が開示している技術は,寝床面に荷重を測定するセンサをアレイ状に多数配置し,各センサの出力からベッド利用者の体位を取得し,体位の変化から離床予測や床ずれ防止を行うものである。
特許文献3が開示している技術は,寝床面の4隅に荷重センサを配置して,ベッド利用者の重心位置と寝床面上の総荷重を取得し,重心位置の変化から体位の変化を推定し,また総荷重の変化から各種外乱を検知することで誤作動の少ない離床予測を行うものである。
特許文献4が開示している技術は,ベッド短手方向へ沿って延びる平行な一対の長辺部を有するパネルを離床が予測できそうな位置に複数枚配置し,荷重の測定と,ベッド短手方向のみの重心位置を測定し,荷重変化と重心位置の変化から離床予測を行うものである。
特開2001−258957 特開2003−24392 特開2007−190269 特開2006−247384
我々は離床予測を実現するために,ベッド利用者が離床に至るまでの体位を分析することが必要と考え,特許文献1,2と同様の手法を用いて実験した。
具体的には,先ず寝床面全体に94個の荷重センサを千鳥状に配置し,20チャンネルのA/D変換器で5回に分割して計測し,荷重データを制御パソコンに取り込むシステムを構築した。
このシステムで得られた体位の一例を図1に示す。これは256階調のアナログデータであり,荷重が大きい場所は濃く,小さい場所は薄く表現されている。同じ時刻に足下方向から撮影した写真図2と比較すると,正確に体位を把握できていることがわかる。
このシステムを用いて離床に至る動作時の荷重データを複数の被験者で収集し,動作解析を行った結果,離床に至る動作で,共通の着目すべき場所が被験者の頭部,臀部,ベッドの降り口であり,この場所をピンポイントで着目することが離床予測には重要であると思われた。
しかし,各被験者により寝姿勢は様々であり,また同一被験者においても時と場合により寝姿勢は異なる。そのため上記の着目場所をベッド上のピンポイントで測定することは困難であることが判明した。
このように特許文献1,2と同様の方法では離床予測のための着目ポイントを設定することが困難であり,またそれ以前にセンサの数が多いため装置コストが非常に高くなる。
また,多数の「点」で荷重を測定するこの方法では,センサが設置されていない「点」と「点」の間の部分にもベッド上の荷重がかかっており,外乱の検知に必要なベッド利用者の正確な体重は測定できないという不備がある。
次に重心の利用について特許文献3と同様の手法を用いて実験した。
具体的には,ベッドを支える足4本に,ひずみゲージを貼り付けた起歪材を設置し,測定した4点の荷重から重心位置を測定する構成とした。
取得したデータを解析したところ,特許文献3で着目されている起きあがり動作での重心位置の変化量は,ベッド利用者の他の動きによる変化量と比較して,やや大きいことがわかった。
しかし,同じ起きあがり動作でも,重心位置の変化量を測定する単位時間を長くすると重心位置の変化量は大きくなり,単位時間を短くすると重心位置の変化量は小さくなり一定の値にはならない。また起きあがりの速度がゆっくりの場合と速い場合とを比較しても重心位置の変化量は異なる。よって起きあがりを精度良く検出することは難しいと思われる。
また利用者がベッド上の周辺部近傍に寝ている場合などには,重心位置がベッド周辺部近傍にあり,離床判定に対して誤作動を起こしやすいことも判明した。
このことから,特許文献3の重心位置の情報を中心とした離床予測は誤作動が多いと思われる。
特許文献4は,荷重とベッド短手方向の重心位置を測定するパネルを,離床が予測できそうな位置に複数枚設置するもので,被験者に最適なパネルの設置位置を決定しなければならないが,精度良い離床予測と少ない誤作動を実現するために予めパネルの設置位置を決定することは困難である。寝床面全体にこのパネルを設置すれば体位を直接得ることが可能であるが特許文献1,2同様コスト高になる。
本発明は特許文献1,2,3,4の問題を解決するために,ベッド利用者の体位と体重を少ないリソースで取得し,誤作動が少なく信頼性の高い離床予測を安価に提供することを目的とする。
そこで我々は,ベッド等の寝床面で,ベッド利用者の荷重を複数点で測定し,得られる荷重や重心からベッド利用者の体位を推定し離床予測を行う装置において,寝床面全体を2〜4個の領域に分割し,各分割領域に荷重信号を計測する複数の荷重計測手段により保持されるパネルを有し,得られた複数の荷重から各分割領域それぞれの領域荷重と各分割領域それぞれの領域重心を演算する手段と,得られた領域荷重と領域重心から離床の可能性を判断する手段と,ナースコール等への外部出力手段とを有するシステムを考案した。
離床とは,ベッド利用者がベッドを離れることであり,ベッド利用者が床に足を着き,体重をベッドから足に移動させる時点を指す。
離床予測とは,離床する前の段階で離床すると判断することである。
寝床面とは,ベッド利用者が横たわるベッド上面のことである。
荷重信号とは,荷重計測手段により得られる荷重である。領域荷重とは,分割された各領域において,その領域にかかる総荷重のことである。領域重心とは,分割された各領域において,その領域にかかる総荷重の重心位置のことである。
荷重計測手段は,各分割領域にそれぞれ4個有することが望ましい。荷重計測手段が4個あるということは,それぞれ独立した4つの荷重信号が得られることをいう。これは,領域重心を2次元的(X軸方向とY軸方向)に把握するためと,寝床面のパネルを安定して固定するためである。
領域重心の情報が1次元(X軸方向もしくはY軸方向のみ)で良い分割領域がある場合に,寝床面のパネルを安定して固定できるなら荷重計測手段が2個であっても良い。
離床の可能性を数値で表現するために,離床の可能性を表現する数値(以後離床レベルと呼ぶ)と,領域荷重と,領域重心との3者の関係を例えば図8のように予め定義していることを特徴としている。
この定義は,予め複数の被験者により離床動作の解析を行い決定する。この定義により,離床に至る様々な段階を数値で簡便に指定することができる。これから後,「離床する可能性を表現する数値」を離床レベルと呼ぶこととする。
「ベッド利用者が離床する」と判断する離床レベルを,ナースコール等の外部出力を行うしきい値として設定する手段を有し,一定時間毎にシステムが判断する離床レベルが,設定したしきい値を越えたときに外部出力を行うことを特徴としている。これにより,ベッド利用者に応じて離床予測の判断基準を簡単に調整できる。
例えばベッド利用者が横になっている状態を離床レベル0,離床寸前の状態を離床レベル10とする。その間の状態は1〜9の数値で表され,離床動作を開始し,離床に近くなるにつれて本システムが判断する離床レベルが大きくなっていく。ここで外部出力のしきい値を5と設定したと仮定する。システムが判断する離床レベルが5以上になったとき外部出力を行う。またしきい値を一つ大きく,または小さくすることで利用者に最適なタイミングで離床予測が可能となる。
得られる情報を表示する機能を有することで,利用者の状態やシステムの状態をリアルタイムで把握することができる。
得られる情報とは,荷重信号や,領域荷重や,領域重心や,離床レベルの数値や,在・不在の状態や,システムの内部状態を表すパラメータである。
さらに,得られる情報を蓄積する機能を有し,それを外部に出力する手段を有することで過去のデータを参考に,より適正な外部出力のしきい値を設定することが可能となる。また収集した長期データを解析することにより,ベッド利用者の生活管理などにも利用可能である。
本システムは「点」ではなく「面」で荷重を測定しているため,ベッド上の荷重を余すことなく全て計測している。このため各分割領域の領域荷重の総和はベッド上の荷重の総和となり,外乱の検知に必要な正確なベッド利用者の体重が正確に測定でき,誤作動防止を実現できる。
また各領域重心の位置関係と,各領域荷重の大きさの割合から体位を推定することが可能である。
近年の福祉用ベッドは,離床の介助機能として背上げや足上げの機能が付加されており,寝床面は2〜4個の領域に物理的に分割されているものが多い。背上げは体を起こすための機能で,足上げは主に背上げ時に臀部が足方向にずれないための機能である。
ここで,寝床面が4分割であるベッドを例にして,図3のように背上げ部,固定部,足上げ部1,足上げ部2の順番に領域A,B,C,Dとし,離床に至る動作の着目場所である頭部,臀部,ベッドの降り口を対応させてみる。
先ずベッド利用者が寝ている状態では,頭部は領域Aの上方(頭方向)にある。頭部に着目したのは起きあがりを検知するためである。起きあがることにより頭部はもちろん臀部より上はベッドに触れない状態になる。このことから領域A全体をモニタすることで起きあがりを監視することが可能である。
起きあがり後の位置によっては,領域Aの下方(足方向)端部に臀部が乗っていることがある。一定の荷重がかかっているため,領域荷重のみでは起きあがりを感知できず誤作動を引き起こす可能性があるが,領域重心が領域Aの極端に下方向にあるためこれを判別できる。このように領域重心と領域荷重を組み合わせることで,体位を把握することが可能となる。
次に臀部であるが,通常の寝姿勢をとった場合,背上げ領域のすぐ下方向の領域Bに臀部が存在する。寝姿勢がやや足下方向である場合などは,領域Cにかかることがある。またベッドの降り口は,領域BとCの両方にまたがっていた。
このようなことから領域BとCはどちらも臀部とベッド降り口を網羅しているため特に分割されている必要はない。しかし,ベッドの介助機能を阻害しないためには,領域BとCは分割する必要がある。
またベッドの降り口が右側であろうと左側であろうと,X軸方向の領域重心の符号が逆になるだけであるため,特に左右を意識する必要がないメリットがある。
領域Dは通常の離床動作において特別なデータは得られていない。これは被験者である高齢者の身長があまり高くないことと,起きあがる際に,足も同時にベッド下に下ろすため,つまり斜めに起きあがり,その起きあがった姿勢が既に端座位(ベッドの端に座った状態)になっていることが多いためである。寝姿勢が足下方向にずれている場合や,正確な体重測定に対応するためには領域荷重と領域重心の測定が必要であるため,パネルの設置は必要となる。
ベッド寝床面の物理的分割数が2個,または3個の場合でも同じように考えることができるため,寝床面の分割数はベッドの物理的な分割数と結果的に同じでよい。
特許文献3の場合,離床予測のための情報としては,寝床面全体の重心位置が一つだけであるため,誤作動が懸念される。しかしベッド寝床面全体を2〜4個の領域に分割して計測する本手法は,特許文献3より多くの情報量を得ることが可能になり,誤作動が少ないシステムの構築が可能である。
以上の説明から明らかなように,寝床面を複数の領域に分割して,各分割領域において領域荷重と領域重心を得る本手法は,各領域荷重の大きさや,各領域重心の位置関係や,ベッド利用者の正確な体重の測定など,離床予測に必要な多くの情報を安価に得ることが可能であり,正確にベッド利用者の動きを把握でき,誤作動が少なく信頼性の高い離床予測を安価に実現することができる。
誤作動の少ない離床予測が可能となることで,ベッド利用者が単独でベッドから離れることが無くなり転倒防止や徘徊防止に寄与する。
ベッド寝床面が物理的に4分割されたベッドに,荷重計測手段によって保持されるパネルを4枚取り付ける場合について図4を用いて説明する。図4のA,B,C,Dは,図3のA,B,C,Dに対応しており,Aは背上げ部,Bは固定部,Cは足上げ部1,Dは足上げ部2である。
パネル10は,ベッド本体の背上げ部と同程度の大きさで,背上げ部の領域にかかる荷重を全て受けるものである。パネル10は,かかる荷重によりゆがみが生じない程度の剛性を有するものを用いる。
パネル10は,ベッド本体の背上げを行う機構に4隅4点で荷重計測手段11〜14により保持される。
荷重計測手段の設置位置は,4個の荷重計測手段ができるだけ大きな長方形を形作るように設置する。
荷重計測手段は,図6に示す様な起歪材11cにひずみゲージを貼り付けたものを使用し,これでベッド本体の背上げ部とパネル10とをボルト11dで固定する。
使用する起歪材は,全て同じ材質,同じ形状にする。使用するひずみゲージも同じ製造ロットのものを使用し,起歪材への貼り付け位置も全て同じにする。
使用するひずみゲージの抵抗値は特に限定しないが,抵抗値の大きなものを用いることで大きな電圧を印加でき感度が向上する。
ひずみゲージ11aと11bは,温度補償のために一つの起歪材の表裏に1枚ずつ2枚一組で使用することが望ましい。
荷重計測手段11〜14は,分割された領域内の領域荷重と領域重心の2つの情報を取得するため,それぞれ個々に平衡ブリッジ1を組み,抵抗変化を電圧変化に変換する。得られる電圧を増幅器2で増幅し,A/D変換器4−1に入力する。
A/D変換器4−1のチャンネル数が不足する場合は,フォトリレー3等を介し複数回に分けてA/D変換する。A/D変換器4−1で得られた荷重信号は,演算器4−2で領域荷重と領域重心を演算し,後述する定義テーブルを参照し離床レベルを判断し,I/Oポート4−3を制御する。I/Oポート4−3には外部出力,コントロールボックス5,蓄積装置6,表示装置7が必要に応じて接続されている。
平衡ブリッジ1は図5に示すように1個の固定抵抗R1と1個の可変抵抗R2と2個のひずみゲージ11a,11bで構成する。
可変抵抗R2は,増幅した電圧値が,A/D変換器4−1の測定範囲内に収まるよう調整するために用いる。
ここでベッド利用者が不在時の荷重信号を,予め初期値として取得しておく。それ以後取得する荷重信号から初期値を差し引いた値は,初期値を取得した後にベッド上に加わった物体にのみ起因する値となる。便宜上初期値を差し引いた値についても,荷重信号と呼ぶ。
得られた荷重信号を 数1 にしたがって処理することにより領域荷重が,数2に従って処理することにより領域重心が得られる。数1および数2の数字は,その数字の荷重計測手段により得られる荷重信号のことである。領域重心はX軸方向(ベッド短手方向)とY軸方向(ベッド長手方向)の2つが得られる。
Figure 0004952691
Figure 0004952691
領域重心は,その値が0のときパネル10の中央部分であり,領域重心の絶対値が1のときはパネル10の辺に相当する部分に存在することになる。
図7で具体的に説明すると,領域重心X=0,領域重心Y=0の場合,領域重心が示す位置は点Oとなり,領域重心X=0,領域重心Y=−1の場合,領域重心が示す位置は点Pとなり,領域重心X=1,領域重心Y=−1の場合,領域重心が示す位置は点Qとなる。
パネル20,30,40についても同様の方法で設置し,領域荷重と領域重心を得る。
各パネルは,ベッド本体の寝床面の上に重ねて設置されるため,背上げ,足上げ機能の可動により隣接するパネルが接触しないように設置する。
本システムは,一定時間毎に荷重信号を取得し,領域荷重と領域重心を演算し,図8に示す様な定義に照らし合わせて離床レベルを判断する。
図8の定義は,予め複数被験者の離床動作を解析した結果を基に定義したものである。
図8について説明する。分類No.は事象を指し示すために便宜的につけた連番である。
「領域荷重による分類」の欄にあるA,B,C,Dは,図4の領域A,B,C,Dに対応する記号であり,本システムが一定時間毎に演算した各領域荷重の値である。「領域荷重による分類」の欄にあるαは,ベッド利用者がベッド上に寝た状態で最初に取得した領域荷重A,B,C,Dの総和,つまりベッド利用者の体重である。「領域荷重による分類」の欄アは,演算した領域荷重A,B,C,Dの総和が,最初に取得したαに対してどれくらいの割合かを示す欄である。
同様に欄イは,演算した領域荷重Aの値が,最初に取得したαに対してどれくらいの割合かを示す欄であり,欄ウは,演算した領域荷重BとCの値の和が,最初に取得したαに対してどれくらいの割合かを示す欄であり,欄エは,演算した領域荷重Dの値が,最初に取得したαに対してどれくらいの割合かを示す欄である。
欄アにおいて,値が90%以上,110%未満である場合は,ベッド利用者がベッド上に存在していることを表しており,分類No.1〜21の事象を定義している。90%以上,110%未満の20%の幅は,ベッド利用者の動きによる荷重信号の振れを吸収するために設けたものである。分類No.22では,ベッド上の総荷重が減って90%未満になった場合,つまり離床直前の状態を定義している。分類No.23では,ベッド上の総荷重が増えて110%以上になった場合,つまりベッド利用者以外の人物がベッドに座るなどの外乱がある状態を定義している。
「領域重心による分類」の欄にあるA,B,C,Dも,図4の領域A,B,C,Dに対応する記号であり,本システムが一定時間毎に演算した各領域重心の値である。「領域重心による分類」の欄オ,キは,演算した領域重心A,Dの値を示す欄であり,欄カは,演算した領域重心Bと領域重心Cの,どちらか絶対値の大きい方の値を示す欄である。XはX軸方向,YはY軸方向のことであり,ベッド上での方向を示している。表中の−の部分は,値が何でも良いということである。
「離床レベル」の欄は,任意行の領域荷重と領域重心の各条件を全て満たしたときの離床レベルとして定義した値である。
例えば分類No.1を説明すると,領域荷重の総和A+B+C+Dがαの90%以上110%未満であり,かつ領域荷重Aがαの30%以上である場合,離床レベルは0と定義する。
例えば分類No.19を説明すると,領域荷重の総和A+B+C+Dがαの90%以上110%未満であり,かつ領域荷重Aがαの10%未満であり,かつ領域荷重Dがαの10%未満であり,かつ領域重心BとCで,X軸方向の絶対値の大きい方の値が0.5以上0.7未満である場合,離床レベルは7と定義する。
離床レベルは離床に近い状態ほど値が大きくなるように定義する。図8に示す定義テーブルの数値は,一例を示したものであり,その内容を限定したものではない。
ナースコール等への外部出力のしきい値を設定するスイッチを,例えばコントロールボックス5に設けて,ベッド利用者に応じた値を設定する。
コントロールボックス5には前述したボタンやスイッチ以外にも必要に応じて別のスイッチやボタンやLEDを設けて良い。例えばシステムが稼働中であることを示すLEDや,荷重信号の初期値を取得していることを示すLEDや,体重を取得していることを示すLEDや,外部出力を行ったことを示すLEDなどがあげられる。
図4のとおり,本システムにより得られる荷重信号や,領域荷重,領域重心や,離床レベルの数値や,在・不在の状態や,システムの内部状態を示すパラメータなどを蓄積する装置6を必要に応じて設ける。また表示機能7も必要に応じて設ける。
実際の運用について次に説明する。
パネルを設置したベッドに,マッレス,布団,枕,かけ布団等を設置し,荷重信号の初期値を取得する。これにより,ベッド利用者が不在時の状態を設定できる。不在を自動的に判断できる場合は自動で取得しても良い。
この後,ベッド利用者がベッドに入り,安定した寝姿勢をとった状態で,ベッド利用者の体重を取得する。安定な寝姿勢を自動的に判断できる場合は自動で取得しても良い。体重を取得した後,外部出力ができる状態になる。
これ以後システムは一定時間毎に荷重信号を取得し,4つの領域の領域荷重と領域重心を演算し,離床レベルの定義を参照して離床レベルを判断する。
本システムで判断された離床レベルが,一定時間連続で外部出力のしきい値以上になったら外部出力を行う。一度外部出力を行った後は,再びベッド利用者が安定な寝姿勢になるまで外部出力をできない状態にする。これは,外部出力が行える状態が続くと,ナースコールを一度止めても,またすぐにナースコールが鳴ってしまい,いつまでもナースコールを止めることができないからである。
寝床面を2もしくは3分割にした場合も,離床レベルを新たに定義すること以外は4分割の場合と同様の方法で実現可能である。
ひずみゲージを用いた荷重計測について説明したが,ロードセルや感圧センサなどを用いても良く,得られたデータの処理方法は,ひずみゲージを用いた場合と同様の方法で実現できる。
ベッド寝床面が物理的に4分割されたベッドに,荷重計測手段によって保持されるパネルを4枚取り付ける場合について図4を用いて説明する。
パネル10は,スチール製のφ25.4mmパイプで外周のフレームを作成し,Lアングルで補強したものを用いた。フレーム内部はマットレスを保持するためにスチール製メッシュを取り付けた。
パネル10の大きさは,ベッド短手方向についてはベッド本体の背上げ部の構成部材と同じ大きさに,ベッド長手方向は2cm短くした。
パネル20,30,40についても,ベッド短手方向については各領域のベッド本体の構成部材と同じ大きさにした。ベッド長手方向については,パネル20は4cm短く,パネル30は2cm短く,パネル40は同じにした。
各パネルを短くする理由は,背上げ部,足上げ部の可動により隣接するパネル同士が接触することを防止するためである。
荷重計測手段は,120Ωのひずみゲージ11a,11bを図6に示す形状の起歪材11cの中央部に表裏1枚ずつ貼り付けた構造のものを16個用意し,ベッド本体の背上げ部,固定部,足上げ部1,足上げ部2の構成部材に,パネル10,20,30,40を4角4点でボルト11dにより固定した。
ひずみゲージは,図5のとおり接続して平衡ブリッジ1を構成した。平衡ブリッジ1に印加する電圧は1.5Vとした。固定抵抗R1は120Ω,可変抵抗R2は多回転トリマ20Ωと110Ω固定抵抗を組み合わせて120±10Ωとした。
増幅器2の増幅率は2000倍とした。
A/D変換器4−1と演算器4−2,I/Oポート4−3にはルネサス社製SH7125マイコン4を用いた。
SH7125はA/D変換のチャンネル数が8個である。そのためフォトリレー3を用いて,16個の荷重信号を8個づつ2回に分けてA/D変換した。
測定サイクルは,10Hz,つまり寝床面全体を1秒間に10回測定するスピードで行った。
コントロールボックス5には,荷重信号の初期値を収集するボタンと,ベッド利用者の体重を収集するボタンと,外部出力を行うしきい値となる離床レベルの設定を行うスイッチと,領域荷重の初期値の収集中であることを示すLEDと,ベッド利用者の体重を収集中であることを示すLEDと,外部出力機能が無効であることを示すLEDと,システムが稼働中であることを示すLEDとを具備した。
蓄積装置6と表示装置7にはパソコンを用い,マイコン4とRS−232Cインターフェイスで接続した。
実施例1のシステムを用いて,離床予測の状況を説明する。
外部出力を行うしきい値は7に設定した。ベッド利用者の不在時に,荷重信号の初期値を取得しゼロ調整を行った。
ベッド利用者の在床時に,体重を取得した。
離床レベルは図8の様に定義した。
ベッド利用者が離床動作を行う際に取得したデータの一部を図9に示す。図9は上から領域重心,領域荷重,離床レベルの3つの情報を記述してある。横軸は時間の経過を示している。
領域重心のグラフは,4領域でXYそれぞれ2個合計8個の演算結果があるが,AyとBxのみ示した。Ayは領域AのY軸方向(ベッド長手方向),Bxは領域BのX軸方向(ベッド短手方向)の値である。領域荷重のグラフは,4領域の総和に対する各領域荷重の割合を示しており,A,B,C,Dはそれぞれ図4で示す領域A,B,C,Dに対応している。離床レベルは,領域荷重と領域重心の値から,図8の定義に従って本システムが判断した値である。
グラフを時系列に見ていくと,まず領域荷重Dが0%付近まで低下した。次に領域荷重Aが0%付近まで低下,それに伴い領域荷重B,Cが増加した。これはベッド利用者が起きあがったことを示している。
領域荷重Aが0%付近まで低下した同じタイミングで,領域重心Ayが0付近から−1付近まで変化した。これは領域Aの重心位置が足下方向に変化したことを示している。グラフが途中で切れているが,これは領域Aの荷重が無くなったために領域重心の計算が不可能になるためである。
その後,領域重心Bxが0付近から1付近へ徐々に変化した。これはベッド降り口方向に重心が移動したことを示している。
システムが判断した離床レベルは,ベッド利用者の離床動作により,徐々に大きな数字へと変化し,設定したしきい値7に達した時点で外部出力を行った。
実際の離床時間から20秒速い離床予測であった。
本実施例に用いたデータは,蓄積装置6に蓄積した情報を基に作成した。
寝床面が3分割されたベッドを用いて実施例1と同様のシステムを構築した場合も,同様の結果を得た。
寝床面が2分割されたベッドを用いて実施例1と同様のシステムを構築した場合も,同様の結果を得た。
ベッド上に多数の荷重センサを千鳥状に設置して得られた寝姿勢の2次元表示画像 図1と同じ時刻に足下から撮影された写真 ベッド寝床面が,4つの領域に分割されているベッドの図 離床予測システムの構成図 ひずみゲージの抵抗変化を電圧変化に変換する平衡ブリッジの図 ひずみゲージと起歪材を用いた荷重計測手段のイメージ図 領域重心の位置説明図 離床レベルの定義テーブル 離床動作時に蓄積したデータのグラフ
符号の説明
10,20,30,40 パネル
11〜14 荷重計測手段
11a,11b ひずみゲージ
11c 起歪材
11d ボルト
1 平衡ブリッジ
2 増幅器
3 フォトリレー
4 マイコン
4−1 マイコン内のA/D変換器
4−2 マイコン内の演算器
4−3 マイコン内のI/Oポート
5 コントロールボックス
6 蓄積装置
7 表示装置

Claims (5)

  1. ベッド等の寝床面で,ベッド利用者の荷重を複数点で測定し,得られる荷重や重心からベッド利用者の体位を推定し離床予測を行う装置において,寝床面全体を2〜4個の領域に分割し,各分割領域に荷重信号を計測する複数の荷重計測手段により保持されるパネルを有し,得られた複数の荷重信号から各分割領域それぞれの領域荷重と各分割領域それぞれの領域重心を演算する手段と,得られた領域荷重と領域重心から離床の可能性を判断する手段と,ナースコール等への外部出力手段とを有する離床予測システム。
  2. 荷重計測手段を各分割領域にそれぞれ4個有することを特徴とする請求項1記載の離床予測システム。
  3. 離床の可能性を数値で表現するために,離床の可能性を表現する数値(以後離床レベルと呼ぶ)と,領域荷重と,領域重心との3者の関係を予め定義していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の離床予測システム。
  4. 「ベッド利用者が離床する」と判断する離床レベルを,ナースコール等の外部出力を行うしきい値として設定する手段を有し,一定時間毎にシステムが判断する離床レベルが,設定したしきい値を越えたときに外部出力を行う請求項1から請求項3いずれかに記載の離床予測システム。
  5. 得られる情報を表示する機能と蓄積する機能を有し,蓄積した情報を外部に出力する手段を有する請求項1から請求項4いずれかに記載の離床予測システム。
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