JP4951905B2 - 球状半導体の製造方法および球状半導体の製造装置 - Google Patents
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上記目的を達成するため、本発明に係る球状半導体の製造方法は、球状半導体の形成材料を含む液滴を吐出する液滴吐出工程と、吐出された前記液滴を空中で硬化させる硬化工程と、を有することを特徴とする。
液滴吐出方式によれば、所定量の液滴を正確に吐出することができるので、所定サイズの球状半導体を形成することができる。また、表面張力により球形となった液滴を空中で硬化させる工程を有するので、真球に近い球状半導体を形成することができる。したがって、寸法精度に優れた球状半導体を製造することができる。
この構成によれば、上記の環系を有するケイ素化合物は極性溶媒等に溶解させることができるので、常温(室温)で球状の液滴を形成することができる。当該液滴を硬化させることによって球状半導体を製造することができるので、高温の加熱装置が不要になり、低コストで球状半導体を製造することができる。
この構成によれば、簡単に液滴を硬化させることができるので、低コストで球状半導体を製造することができる。
この構成によれば、比較的低温で液滴を硬化させることができるので、高温の加熱装置が不要になり、低コストで球状半導体を製造することができる。
この構成によれば、液滴の突沸を防止しつつ液滴を硬化させることができる。
また前記硬化工程では、前記液滴に照射するレーザ光のエネルギー密度を、前記液滴の通過経路に沿って上昇させることが望ましい。
この構成によっても、液滴の突沸を防止しつつ液滴を硬化させることができる。
この構成によれば、材料液の吐出から連続して結晶質の球状半導体を形成することができる。
可視光波長のレーザ光は、紫外光波長のレーザ光より液滴に対する進入長が深いので、レーザ光を液滴全体に吸収させることができる。
この構成によれば、レーザ光を効率よく液滴に吸収させることができるので、低コストで球状半導体を製造することができる。
この構成によれば、少数のレーザ照射装置により、液滴または非晶質の球状半導体に対して、長時間にわたってレーザ光を照射することが可能になる。したがって、レーザ照射装置の台数を削減することが可能になり、低コストで球状半導体を製造することができる。
液滴吐出装置によれば、所定量の液滴を正確に吐出することができるので、所定サイズの球状半導体を形成することができる。また、表面張力により球形となった液滴を空中で硬化させる硬化装置を有するので、真球に近い球状半導体を形成することができる。したがって、寸法精度に優れた球状半導体を製造することができる。
この構成によれば、材料液の吐出から連続して結晶質の球状半導体を形成することができる。
図1は、本実施形態に係る球状半導体の製造装置の全体図である。本発明に係る球状半導体の製造装置1は、球状半導体の形成材料を含む液滴2を吐出する液滴吐出装置10と、吐出された液滴2を空中で硬化させ、非晶質の球状半導体(以下「非晶質体」という。)4を形成する硬化装置30と、その非晶質体4にレーザ光を照射して結晶質の球状半導体(以下「結晶質体」という。)6を形成する結晶化装置50と、を有するものである。
本実施形態に係る球状半導体の製造装置1の最上部には、液滴吐出装置10が配置されている。
図2は液滴吐出装置の説明図であり、図2(a)は斜視図であり、図2(b)は正面断面図である。図2(a)に示す液滴吐出装置10では、対向配置されたノズルプレート12と振動板13とが、仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合されている。この仕切部材14を整形することにより、ノズルプレート12と振動板13との間には、複数の液室15およびリザーバ16が形成されている。各液室15は、連通路17を介してリザーバ16に連結されている。このリザーバ16および各液室15の内部には、球状半導体の形成材料を含む液状体が充填されるようになっている。
図1に戻り、上述した液滴吐出装置10の下方には、吐出された液滴2を空中で硬化させて非晶質体4を形成する硬化装置30が配置されている。硬化装置30は、高さ3〜5m程度の筒状に形成され、その上端面および下端面が矩形状や円形状等に開口されている。これにより、液滴吐出装置10から吐出された液滴が、硬化装置30の内部を通過して落下するようになっている。
図1に戻り、上述した硬化装置30の下方には、非晶質体4にレーザ光を照射して結晶質体6を形成する結晶化装置50が配置されている。結晶化装置50は、1個または複数個のレーザ照射装置52を備えている。そのレーザ照射装置52として、硬化装置30の第1変形例と同様のレーザ照射装置を採用することが可能である。レーザ照射装置52は、非晶質体4の通過経路の側方に配置され、非晶質体4の通過経路に向かって略垂直にレーザ光を照射しうるようになっている。そして、非晶質体4に照射されるレーザ光のエネルギー密度が、600mJ/cm2程度となるように設定されている。なお、非晶質体4の直径の大きさに対応させて、エネルギー密度を大きくすることが望ましい。
以上に詳述した球状半導体の製造装置1は、その全体が真空や不活性ガス雰囲気下に保持されている。特に、真空下に保持することにより、真球に近い球状半導体を製造することができる。
次に、本実施形態に係る球状半導体の製造装置を使用した球状半導体の製造方法について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る球状半導体の製造方法は、半導体の形成材料を含む液滴2を吐出する工程と、吐出された液滴2を空中で硬化させ非晶質体4を形成する工程と、硬化した非晶質体4にレーザを照射して結晶質体6を形成する工程とを有するものである。
以上により、球状半導体が形成される。なお液滴吐出装置10から連続して液滴を吐出することにより、複数の球状半導体を連続形成することも可能である。また液滴吐出装置10に形成された複数のノズルから、複数の液滴2を同時に吐出することにより、複数の球状半導体を同時に形成することも可能である。
さらに、非晶質の球状半導体にレーザを照射して結晶質の球状半導体を形成する工程を付加することにより、材料液の吐出から連続して結晶質の球状半導体を形成することができる。
次に、上記球状半導体を用いた電子機器について説明する。
図7は、加速度センサの側面断面図である。この加速度センサ80は、中心部に結晶質の球状半導体6を備えている。その表面全体に下地絶縁膜82が形成され、その表面全体に導電性材料からなる下部電極84が形成され、その表面全体に誘電体層86が形成されている。その誘電体層86の表面には、導電性材料からなる上部電極88が形成されている。この上部電極88は、複数に分割された状態で、少なくとも±X方向、±Y方向および±Z方向に配置されている。そして、上部電極88と下部電極84との間に誘電体層86が挟持され、上記各方向にキャパシタが形成されている。なお上部電極88は、バンプ96を介して、基板92の電極94に実装されている。また加速度センサ80の全体が、樹脂98によって封止されている。
本実施形態に係る球状半導体の製造方法によれば、真球に近い球状半導体を形成することができるので、測定精度に優れた加速度センサを提供することができる。また本実施形態に係る球状半導体の製造方法によれば、微小な球状半導体を形成することができるので、小型の加速度センサを提供することができる。
次に、上述した球状半導体の形成材料について、詳細に説明する。
球状シリコンを形成するため、本発明において使用する液体材料は、一般式SinXm(ここで、nは5以上の整数を表し、mはnまたは2n−2または2nの整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)で表される環系を有するケイ素化合物を含んでいる。特に、上記一般式SinXmのケイ素化合物として、nが5以上20以下であるものが好ましく、nが5又は6であるものがより好ましい。nが5より小さい場合、ケイ素化合物自体が環構造による歪みにより不安定となるため取り扱いが難しくなり、またnが20より大きい場合、ケイ素化合物の凝集力に起因して溶液中での溶解性が低下し、実際に使用可能な溶媒の選択性が狭くなる。
(a)アルカリ金属の存在下にハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(いわゆる「キッピング法」、J.Am.Chem.Soc.,110,124(1988)、Macromolecules,23,3423(1990));
(b)電極還元によりハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1161(1990)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,897(1992));
(c)金属触媒の存在下にヒドロシラン類を脱水素縮重合させる方法(特開平4−334551号公報):
(d)ビフェニルなどで架橋されたジシレンのアニオン重合による方法(Macromolecules,23,4494(1990)):
(e)フェニル基やアルキル基で置換された環状ケイ素化合物を上記の方法で合成した後、公知の方法(例えば、Z.anorg.allg.Chem.,459,123−130(1979)など)によりヒドロ置換体やハロゲン置換体などに誘導することもできる。これらのハロゲン化シクロシラン化合物は公知の方法(例えば、E.Henggeら Mh.Chem.第106巻、503頁、1975年参照)、(E.Henggeら Z.Anorg.Allg.Chem.第621巻、1517頁、1995年参照)、(P.Boudjoukら J.Chem.Soc.,Chem.Commun.777頁、1984年)で合成することができ、合成条件を最適化することによりクロル体、水素化体および部分クロル化体を使用することができる。
かくして調製したケイ素化合物溶液の粘度は通常1〜100mPa・sの範囲のものであり、液滴吐出装置や目的の球状シリコンの直径に応じて適宜選択することができる。100mPa・sを超えると均一な球状シリコンを得ることが困難になる。
Claims (12)
- 球状半導体の形成材料を含む液滴を吐出する液滴吐出工程と、
吐出された前記液滴を空中で硬化させる硬化工程と、
を有し、
前記球状半導体の形成材料は、一般式SinXm(ここで、nは5以上の整数を表し、mはnまたは2n−2または2nの整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す。)で表される環系を有するケイ素化合物である
ことを特徴とする球状半導体の製造方法。 - 前記硬化工程は、前記液滴を加熱することによって行うことを特徴とする請求項1に記載の球状半導体の製造方法。
- 前記硬化工程は、前記液滴を400℃以上で加熱することによって行うことを特徴とする請求項1に記載の球状半導体の製造方法。
- 前記硬化工程は、前記液滴の加熱温度を、前記液滴の通過経路の上流から下流にかけて上昇させることによって行うことを特徴とする請求項1に記載の球状半導体の製造方法。
- 前記硬化工程は、前記液滴にレーザ光を照射することによって行うことを特徴とする請求項1に記載の球状半導体の製造方法。
- 前記硬化工程は、前記液滴に照射するレーザ光のエネルギー密度を、前記液滴の通過経路の上流から下流にかけて上昇させることによって行うことを特徴とする請求項1に記載の球状半導体の製造方法。
- 前記硬化工程により形成された非晶質の球状半導体にレーザ光を照射することにより、結晶質の球状半導体を形成する結晶化工程を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の球状半導体の製造方法。
- 前記レーザ光は、可視光波長のレーザ光であることを特徴とする請求項6ないし請求項7のいずれかに記載の球状半導体の製造方法。
- 前記レーザ光の照射は、前記液滴の吐出と同期させて行うことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の球状半導体の製造方法。
- 前記レーザ光の照射方向は、前記液滴または前記非晶質の球状半導体の通過経路と略平行であることを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれかに記載の球状半導体の製造方法。
- 球状半導体の形成材料を含む液滴を吐出する液滴吐出装置と、
吐出された前記液滴を空中で硬化させる硬化装置と、
を有し、
前記球状半導体の形成材料は、一般式SinXm(ここで、nは5以上の整数を表し、mはnまたは2n−2または2nの整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す。)で表される環系を有するケイ素化合物である
ことを特徴とする球状半導体の製造装置。 - 前記硬化装置により硬化された非晶質の球状半導体にレーザ光を照射することにより、結晶質の球状半導体を形成する結晶化装置を有することを特徴とする請求項11に記載の球状半導体の製造装置。
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