JP4951483B2 - 移動体通信システム - Google Patents
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Description
この場合、列車に搭載されるサーバを車上サーバと呼び、地上に設置されるサーバはクライアントサーバと呼ばれるが、このとき車上サーバは移動するので、車上サーバとクライアントサーバの間に通信サーバと呼ぶ無線中継用のサーバを設け、車上サーバは、通信サーバによる無線LANを介してクライアントサーバの間での情報の伝送が得られるようにしたシステム構成となる。
従って、この三段サーバ方式の移動体通信システムでは、通信サーバが取得情報を受信した場合はバッファに一時保存した後で電文データ化し、状態情報を受信した場合は、ファイル化した後でバッファに一時保存することになる。また、通信サーバが振動情報を取得する場合、通信サーバは複数の電文データとして受け取ることになるので、各々を全てファイル化した後、一つのファイルに結合し、その上でバッファに一時保存することになる。このときメモリ上に残る各々の振動情報電文データは、結合処理を終えた後、即座に消去されるようになっている。
すなわち、三段サーバ方式のシステムの場合、クライアントサーバと車上サーバの間に無線中継用の通信サーバがあるので、移動体からの情報の取得処理に時間がかかり、従って効率化に問題が生じてしまうのである。
ここで、列車が走行中に振動が発生した場合、振動の大きさによっては後続の列車に危険が及ぶ虞があり、従って、1秒でも早く停止警告を出す必要があることは言うまでもない。
また、本発明によれば、通信サーバとクライアントサーバの間での通信が確保されている限り、基本的にはファイルの送受信が可能な状態が保ているので、通信障害の発生に高い耐性を持ち、従って、この点でも列車運行の安全性確保に寄与できる。
図1は、本発明の一実施形態を示したもので、ここには、図示の通り、移動局のサーバである車上サーバ100と、地上サーバ400により有線伝送系と無線伝送系の間でのインターフェースとして機能する通信サーバ200、地上局のサーバであるクライアントサーバ300、それに複数の任意の個数の地上端末500が備えられている。
この図1は、本発明による移動体通信システムを列車無線制御システムに適用した場合の一実施の形態であり、従って、この場合、例えば運転指令員などの列車運行を司るユーザ(クライアント)は、クライアントサーバ300に任意アクセスし、必要な情報の授受が行えるようになっているものである。
また、この実施形態では、更に任意の台数の複数の地上端末500の夫々からもクライアントサーバ300にアクセスできるようにしてある。
次に、通信サーバ200は、移動体通信において必要となるサーバであることは、既に説明した通りであり、この通信サーバ200の存在が三段サーバ方式と呼ばれる所以であることも、上述した通りである。
地上サーバ400は、通信サーバ200と車上サーバ100の間に位置し、有線LANによる通信区間と無線LANによる通信区間のインターフェース機能を果たすもので、従って機能上は通信サーバ200に含まれているものと見做せるので、この実施形態が三段サーバ方式であることに変りない。
そして、通信サーバ200は、クライアントサーバ300とは有線LANによりに結合され、車上サーバ100とは、地上サーバ400を介して無線LANにより結合されていることになる。そして、車上サーバ100とは電文によってデータ伝送を行い、クライアントサーバ300とは、ファイルによってデータ伝送を行い、これにより列車の走行と停止にかかわらずデータの授受が保証されるようになっている。
まず、この実施形態における通信処理は、通信サーバ200に設けてある通信制御部により、そこに搭載されているソフトウエアに従って実行される。そして、このときに実行される通信処理は、主として次の3種に大別されている。
・通信処理X
車上サーバ100⇒電文データ⇒通信サーバ200
・通信処理Y
クライアントサーバ300⇔ファイルデータ⇔通信サーバ200
・通信処理Z
クライアントサーバ300⇒ファイルデータ⇒通信サーバ200⇒
電文データ⇒車上サーバ100⇒通信サーバ200⇒
ファイルデータ⇒クライアントサーバ300
そして、これら3種の通信処理を設定した上で、これらは夫々独立に実行されるようになっており、これが、この実施形態の特徴であり、ひいては本発明の特徴にもなっているものである。
このとき車上サーバ100から通信サーバ200に送信される電文データは、図2に示されているように、列車の通常の状態情報と上記した振動情報であり、このとき、例えば状態情報は常時、電文データとして定期的に送られ、振動情報は車体の状態が変化したとき逐次、複数の電文データとして送られる。
従って、この通信処理Xが実行されることにより、通信サーバ200のバッファには、状態情報は定期的に一時保存され、振動情報は逐次、一時保存されていることになる。
クライアントサーバ300からファイル取得要求が送信され、それが通信サーバ200により受信された場合、通信サーバ200は、そのバッファ内にあるファイル名を調べ、そこにファイル取得要求されたファイルと一致するものがあった場合は、そのファイルをクライアントサーバ300に送信する。
従って、この通信処理Yが実行されることにより、クライアントサーバ300は、取得要求を出したファイルについて、車上サーバ100にアクセスすることなく、通信サーバ200にアクセスしただけで即座に必要な状態情報や振動情報が取得できることになり、この結果、振動情報など一刻を争う情報についても、短時間で取得することができる。
そうすると、この場合、当然のこととして、クライアントサーバ300では、取得要求を出したファイルが取得できない。
そこで、この場合、通信サーバ200は、この通信処理Zを実行する。そして、まず、通信サーバ200は、クライアントサーバ300からファイルデータにより受信されたファイル取得要求を電文データ化し、車上サーバ100に送信する。このとき車上サーバ100のバッファに取得要求された目的の情報があったら、それを電文データとして通信サーバ200に返送する。
従って、この通信処理Zが実行されることにより、クライアントサーバ300からファイル取得要求されたファイルが通信サーバ200に一時保存されていなかった場合でも、多少の時間が余分にかかるだけで確実に取得することができ、よって、この実施形態によれば、取得要求したファイルの取得が失敗する虞を少なくすることができる。
まず、図4は、ソフトウエア構成の一例を示したもので、ここに図示したソフトウエアOS1は、既に説明したように、通信サーバ200に設けられている通信制御部に搭載されるが、このとき、その先に送受信ソフトウエアを2種類用意する。
すなわち、ソフトウエアOS1の車上サーバ側には、電文データの送受信に適したミドルウエアを選定して電文送受信ソフトS2とし、フクライアントサーバ側には、ファイルの送受信に適したミドルウエアを選定してファイル送受信ソフトS3とするのである。
クライアント側から有線LANを介して送られてくる取得情報4は、図示のように、地上サーバ400により無線LANに乗せられて車上サーバ側に伝送され、他方、車上サーバ側から送られてくる状態情報5と振動情報6は、地上サーバ400により有線LANに乗せられてクライアント側に伝送される。
ところで、このように複数の電文データが送信され、受信される場合、電文データの中に伝送誤りを生じた電文データが存在してしまう可能性がある。
しかし、再送されたにもかかわらず、誤りが改善されない場合は、正常分だけを一つのファイルに結合してバッファに一時保存し、このとき異常分については異常ファイルとしてバッファに一時保存する。そして、クライアントサーバ300から要求があった場合に、正常分と異常分の双方をクライアントサーバ300に送信するのである。
まず、図7は、取得情報4の詳細を示したもので、これは、通信処理Yにより、矢印で示すように、目的のファイル取得を通信サーバ200に要求して得たものであり、そのデータ部には、図10により後述するが、状態情報若しくは振動情報のファイル名を、夫々目的のファイル名Nとして記述する。
そして通信サーバ200のバッファ内にあるファイル名を調べ、そこに取得情報4のバッファ名Nと一致するものがあった場合は、そのファイルをクライアントサーバ300に送信する。
ここで「列無ヘッダ」とは列車無線ヘッダのことで、「動揺ヘッダ」とはファイル名ヘッダのことであり、このときの電文データ化に際して、ファイル名Nは、そのまま動揺ヘッダ2内に組み込まれるようになっている。
状態情報5は、上記したように、例えば列車番号が変更されたり、編成番号が変更されたなどの車体に変化を生じた場合の情報で、これが電文データにより車上サーバ100から送信され、通信サーバ200で受信れると、ここで列無ヘッダ1と動揺ヘッダ2が取り除かれてファイル化され、バッファに一時保存された後、クライアントサーバ300から取得要求されたとき、ファイル送信される。
このデータが通信サーバ200で受信されると、ここで列無ヘッダ1と動揺ヘッダ2、それにブロック番号7が取り除かれ、既に図5で説明したように、全ファイルが一つのファイルに結合される。
このとき、これも既に図6で説明したように、再送が繰り返され、それでも電文データから欠損や障害が取り除けない場合は、図6に示すように、正常分と異常分に分け、正常分だけでファイル結合処理を施した後、正常分と異常分の双方のファイルをクライアントサーバ300に送信するのである。
ここで、(1)の取得情報4と(2)の状態情報5、(3)の振動情報6は、それぞれ種別Cと列番R、編番E、号車G、日付D、時刻T、それにステータスSの各ビットで構成されている。
ここで、列番は列車番号のことで、編番は編成番号のことであり、ステータスSはファイルに損傷が発生しているか否かを表わす。
このときクライアントサーバ300は、種別Cによりファイルの種類を判別する。
なお、取得情報4と状態情報5については、本来、ステータスは不要であるが、敢えて残してあるのは、これにより振動情報6とフォーマットが合わせられるからであり、動揺ヘッダ内に挿入するとき、フォーマットが合わせてあれば、ファイル名を部分的に除去する処理を別途、盛り込む必要がないからである。
ここで、ヘッダ識別11はヘッダを識別するための情報で、バージョン12はヘッダのバージョンを表わす。
また、電文ID13は電文毎のIDで、応答要不要14は隣接装置の応答が要るのか要らないのかを要求する情報であり、送信結果15は最終着信元に対して送信結果が要るのか要らないのかを要求する情報である。
電文識別子16は受信応答が送信結果要の場合、それが何れの電文のものかを表わす情報であり、チェックサム17は列無ヘッダ1の合計ビット値が格納され、これはサムチェックに用いられるものである。
ここで、通番1は、振動情報を扱う場合、各情報の番号を表わし、通番2は、合計電文数を表わす。
一方、チェックサム20には、サムチェックに必要な動揺ヘッダ2の合計ビット値が格納される。
また、この実施形態によれば、通信サーバとクライアントサーバの間での通信が確保されている限り、基本的にはファイルの送受信が可能な状態が保たれているので、通信障害の発生に高い耐性を持ち、従って、この点でも列車運行の安全性確保に寄与できることが理解される。
200:通信サーバ
300:クライアントサーバ
400:地上サーバ
Claims (2)
- 地上局のサーバと移動局のサーバの間の情報伝達を、有線伝送系と無線伝送系の間でのインターフェースとして機能する通信サーバを介して行う方式の移動体通信システムにおいて、
前記通信サーバに、
前記移動局のサーバから送信された電文データをファイル化して前記通信サーバのバッファに一時保存する第1の通信処理と、前記通信サーバから前記地上局のサーバにファイルデータを送信する第2の通信処理と、前記通信サーバから前記移動局のサーバに電文データ化したファイル取得要求を送信する第3の通信処理の3種の通信処理をそれぞれ独立して実行させるための通信制御部を設け、
当該通信制御部は、
前記移動局のサーバから電文データが送信されたとき、前記第1の通信処理を実行させ、
前記地上局のサーバから前記通信サーバにファイル取得が要求されたとき、前記第2の通信処理を実行させ、
前記地上局のサーバによるファイル取得要求が前記通信サーバになされたにもかかわらず、当該取得要求に係るファイルが前記通信サーバのバッファに保存されていなかったとき、前記第3の通信処理を実行させることを特徴とする移動体通信システム。 - 請求項1に記載の移動体通信システムにおいて、
前記移動局のサーバは、列車に搭載された車上サーバであり、
前記電文データは、前記列車の状態情報と振動情報であることを特徴とする移動体通信システム。
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