JP4951084B2 - 吸音材 - Google Patents

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Description

本発明は、植物由来であるポリ乳酸を含む繊維にて構成される吸音材に関する。さらに詳しくは、可聴周波数帯吸音性に優れ、高速道路の遮音、吸音壁等あるいは車両用や住宅用に使用される吸音材に関するものである。
高速道路の遮音、吸音壁等あるいは車両用や住宅用の吸音材としては、グラスウール、ロックウール、アルミ繊維、軽量発泡コンクリート、多孔質セラミックなどが使用されてきた。しかしながら、これら吸音材は、リサイクルができないなどの面で環境に対する負荷が大きいという問題がある。
そこで、これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、リサイクル可能なポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を使用した吸音材が提案されている。
しかし、これらのリサイクル可能な繊維を使用した場合であっても、高速道路の遮音、吸音壁等あるいは車両用や住宅用の吸音材などは、概ね異種の素材と組み合わせて使用されるために、使用後にリサイクルする場合には、解体、分別などを行う必要が生じ、コストなどの面で、リサイクルが難しく、実質的には環境に対する負荷を軽減できていないという問題がある。また、ポリエチレンテレフタレートは石油を原料とするものであるが、石油は地球上の限りのある資源といわれており、石油を原料としない高分子からなる繊維を用いることが期待されている。
特開平10−228285号公報
本発明の課題は、上記の問題を解決するものであって、環境に対する負荷を軽減することができる材料を用い、かつ、従来の吸音材と同等もしくはそれ以上の吸音特性を発現する吸音材を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、再生可能な植物を原料とする環境配慮型の素材であるポリ乳酸を主たる原料とすることで、環境への負荷を軽減し、かつ、ポリ乳酸からなる繊維を用いることで従来の吸音材と同等以上の吸音特性を発現することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、主としてポリ乳酸系短繊維によって構成される繊維構造体からなり、該繊維構造体の見かけ密度が0.01g/cm3以上であって、ポリ乳酸系短繊維が芯鞘型複合繊維であり、芳香族ポリエステルが鞘部を構成し、ポリ乳酸が芯部を構成し、芯部のポリ乳酸が偏心的に配されて、該複合繊維が、機械捲縮が付与されずに、捲縮を自己発現していることを特徴とする吸音材を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の吸音材は、主としてポリ乳酸系短繊維によって構成される繊維構造体からなる。本発明における繊維構造体は、その質量の50%以上、より好ましくは70%以上がポリ乳酸によって構成されることにより、限りのある資源である石油を原料とすることを抑え、再生可能な植物を原料とする環境配慮型の素材であるポリ乳酸を主たる原料とすることにより、環境への負荷を軽減することができる。
本発明に用いるポリ乳酸は、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、あるいはポリL乳酸とポリD乳酸の混合物(ステレオコンプレックス)のいずれでもよく、また数平均分子量は、3万〜15万であるものが好ましく、9万〜13万の範囲にあるものがより好ましい。数平均分子量が3万未満であると、溶融紡糸する際の溶融押出が困難となるだけでなく、繊維の機械的強力が低下する傾向となる。また、数平均分子量が15万を超えた場合も溶融押出が困難となる。
本発明におけるポリ乳酸の光学純度は、90%以上のものが好ましい。特に、ポリ乳酸を熱接着の際のバインダー成分(熱接着成分)として使用する以外の場合には、光学純度は95%以上のものがより好ましい。光学純度が90%未満であると、結晶性が低下し、融点が低くなりすぎて、耐熱性に劣るため実用的ではない。
本発明において、ポリ乳酸系短繊維とは、短繊維の質量の50%以上がポリ乳酸で構成される繊維である。本発明においては、本発明の目的から、繊維中のポリ乳酸の比率が、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
本発明において、繊維構造体の見かけ密度は0.01g/cm3以上であることが肝要である。見かけ密度が0.01g/cm3未満では、吸音効率が悪くなり、所望の吸音率を得るためには、繊維構造体の厚みを非常に厚くしなければならないため好ましくない。繊維構造体の見かけ密度の上限は特に限定しないが、見かけ密度が高すぎると、コストが高くなり、また、繊維構造体が硬くなる傾向となり施工性(枠等へのはめ込み易さ等)が低下する。このような理由から、見かけ密度の上限は、0.20g/cm3程度であることが好ましく、0.10g/cm3以下とすることがより好ましい。なお、繊維構造体の厚みは、使用目的等に応じて適宜選定されるが、0.3〜10cm、好ましくは0.5〜6cm程度とするのが好適である。
本発明における繊維構造体の形態としては、一種の繊維からなるものであっても、複数種の繊維が混合されてなるものであってもよい。なかでも、繊維構造体の形態安定性等の点から、主体繊維が、バインダー繊維によって熱接着されてなる繊維構造体であることが好ましい。本発明においては、繊維構造体の強度などを考慮して、バインダー繊維の混率は10〜40質量%であることが好ましい。
ポリ乳酸系短繊維は、ポリ乳酸の分子構造に起因して概ね剛直であるために、クリンパーなどで機械捲縮をかけた場合には、物理的な圧力によって繊維がダメージを受け、そのダメージによって耐久性が低下(経時によって強度が低下)しやすい。
本発明の吸音材において、ポリ乳酸系短繊維は、芯鞘型複合繊維であって、芳香族ポリエステルが鞘部を構成し、ポリ乳酸が芯部を構成しているものによって構成される。
ポリ乳酸は、耐光性、耐湿熱分解性が比較的悪いため、耐久性が要求される用途などには、耐光性、耐湿熱分解性に優れた芳香族ポリエステルによりポリ乳酸樹脂を被覆することによって、ポリ乳酸系短繊維の耐久性を向上させることができる。この場合、芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、また、これらのポリアルキレンテレフタレートを主体としたポリエステルに、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールや、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸などのヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン等を共重合した共重合体であってもよい。共重合体である場合、芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分に対して70mol%以上であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分に対して70mol%未満であると、結晶性が低下し、また、低融点となるため、芳香族ポリエステルの耐湿熱性、耐光性などが低下し、耐久性に劣る傾向となり目的が達成しにくい。
また、前記芳香族ポリエステルが鞘部を構成し、ポリ乳酸が芯部を構成してなる芯鞘型複合繊維において、芯部が偏心的に複合されている偏心芯鞘型である。前述したように、ポリ乳酸系繊維は、クリンパーなどの機械捲縮をかけた場合には、物理的な圧力によって繊維がダメージを受けやすく、このダメ−ジにより耐久性が低下しやすい。芳香族ポリエステルとポリ乳酸とを複合する際、芯部のポリ乳酸を偏心的に配し、繊維製造の際の延伸工程における両者の配向結晶化度合いの差、すなわち配向差によって、延伸後、弛緩した際にスパイラル状の捲縮を自己発現させたポリ乳酸系繊維とすることにより、機械捲縮を付与することなく、捲縮を自己発現してなる繊維を得ることができるため、繊維構造体の耐久性が良好となるため好ましい。
偏心的に複合させる際の偏心の程度は、繊維横断面を見て、鞘部の最も厚い部分の厚みをaとし、最も薄い部分の厚みをbとして、偏心度=a/bとした場合、偏心度は2.0以上が好ましく、4.0以上がより好ましい。偏心度が2.0より小さいと、所望のスパイラル状の捲縮が発現しにくくなる。
また、スパイラル状の捲縮は、捲縮数が5個/25mm以上、捲縮率が8%以上であることが好ましい。捲縮数が5個/25mm未満である、もしくは捲縮率が8%未満であると、カード通過性に劣り、良好にカードウェブを作成しにくくなるためである。
本発明におけるポリ乳酸系短繊維は、ポリ乳酸の耐久性を向上させる目的として、ポリ乳酸に脂肪族アルコール、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、エポキシ化合物などの末端封鎖剤が添加されていることが好ましい。
これらの末端封鎖剤の中では、カルボジイミド化合物が、効果やコストの面で最も良好である。このカルボジイミド化合物としては、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミドなどが挙げられる。
これらの末端封鎖剤は、ポリ乳酸中に0.01〜5質量%添加されることが好ましい。0.01質量%未満では末端封鎖の効果が十分に発揮されず、一方、5質量%を超えると紡糸時の糸切れの原因となる。
本発明に用いるポリ乳酸系短繊維の繊度は、繊維構造体の形態安定性や密度、吸音性能などを考慮して1.0〜80デシテックス程度が好ましく、3.0〜22デシテックスであることがより好ましい。また、ポリ乳酸系短繊維の形状は、丸断面に限定されるものではなく、中空断面、扁平断面、多角形、多葉形、ひょうたん形、アルファベット形、その他各種の非円形(異形)であってもよい。
本発明におけるポリ乳酸系短繊維を構成する樹脂には、各種顔料、染料、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属粒子、結晶核剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添加剤を混合させてもよい。
本発明における繊維構造体は、上記した繊維から構成されるものであるが、繊維構造体を得る方法としては、例えば、ポリ乳酸系短繊維をローラーカードやランダムウェーバー等によってウェブとし、ニードルパンチによって構成繊維同士を交絡一体化し、目標とする見かけ密度の繊維構造体を得る方法や、主体となるポリ乳酸系短繊維と、バインダーとなるポリ乳酸を含むバインダー短繊維とを混合したウェブを作成し、厚みを規制しながら加圧・加熱処理することによって、バインダー成分を溶融・軟化させることで繊維同士を熱接着させ、目標とする厚み、見かけ密度の繊維構造体を得る方法がある。
本発明の吸音材は、主としてポリ乳酸系短繊維によって構成される繊維構造体からなる。本発明においては、吸音材の構成材料として、再生可能な植物を原料とするポリ乳酸を用いることにより、地球上の限りある資源といわれている石油を使用することを抑えることができる。また、廃棄の際にも大きな熱量を要することないため、環境への負荷を軽減することができる。
また、本発明の吸音材は、特定の見かけ密度を有していることから、良好な吸音効果を奏することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
なお、実施例における特性値等の測定法は次の通りである。
(1)相対粘度(ηR)
フェノール/四塩化エタンの等質量混合溶液を溶媒とし、ウベローデ粘度計を使用して20℃で測定した。
(2)ポリ乳酸の光学純度(%)
超純水と1Nの水酸化ナトリウムのメタノール溶液の等質量混合溶液を溶媒とし、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定した。カラムにはsumichiralOA6100を使用し、UV吸収測定装置により検出した。
(3)単糸繊度(デシテックス)
JIS L−1015 7−5−1−1Aの方法により測定した。
(4)捲縮数(個/25mm)
JIS L−1015 7−12−1の方法により測定した。
(5)捲縮率(%)
JIS L−1015 7−12−12の方法により測定した。
(6)偏心度(芯鞘複合繊維の場合)
鞘部の最も厚い部分の厚みをaとし、最も薄い部分の厚みをbとして、偏心度=a/bとして算出した。なお、鞘部の厚みは、光学顕微鏡にて断面を500倍で撮影し、顕微鏡写真より測定し、n=20の平均値とした。
(7)見かけ密度
縦10cm×横10cmに切断した繊維構造体の質量を測定し、次式で求めた。
密度(g/cm3)=繊維構造体の質量(g)/(100×厚み(cm))
(8)吸音率
JIS A−1405に準じて、400Hz、1000Hzの吸音率を測定した。
本発明では、400Hzで20%以上、1000Hzで60%以上を合格とした。
(9)耐久性(湿熱下での強力保持率)
繊維構造体を厚さ10mmにスライスし、MD方向(機械方向)に15cm、CD方向(機械方向と直交する方向)に2.5cmの短冊状に切断したものを、60℃、95%相対湿度の条件下で1000時間処理し、処理前の引張強力(MD方向)に対する処理後の引張強力(MD方向)から、次式にて強力保持率を算出した。
湿熱下での強力保持率=(処理後強力/処理前強力)×100
なお、引張強力はオリエンテック社製UTM−4型のテンシロンを用いて、引張速度10cm/minの条件で、MD方向に伸張した際の切断時の最大強力を読み取り、これを引張強力とした。
比較例1
主体繊維として、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)からなり、繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、捲縮数12ケ/25mm、捲縮率15%である機械捲縮が付与されたポリ乳酸短繊維を用意した。
また、バインダー繊維として、ポリL−乳酸(光学純度91.9%、相対粘度1.820、数平均分子量88000、融点135℃)を鞘部(バインダー成分)に、ポリL−乳酸(光学純度が98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)を芯部に、芯鞘比率が質量比1:1で配された、繊度4.4デシテックス、繊維長51mm、捲縮数10ケ/25mm、捲縮率10%である機械捲縮が付与されたポリ乳酸バインダー繊維を用意した。
主体繊維とバインダー繊維との質量比率が70:30の割合になるように混綿し、カード機でウェブ(1600g/m2)を作成した。次いで厚さ40mmのスペーサーで厚みを規制しつつ、145℃の熱風循環乾燥機の中で1分間熱処理して、見かけ密度が0.04g/cm3、厚みが40mmの繊維構造体からなる吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
比較例2〜3
表1に示すごとき特定の見かけ密度となるように、ウェブの目付けを800g/m2(比較例2)、3200g/m2(比較例3)と変更して、見かけ密度を変更したこと以外は、比較例1と同様にして厚み40mmの繊維構造体からなる吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
比較例4
主体繊維として、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)と、ポリL−乳酸(光学純度98.9%、相対粘度1.605、数平均分子量62000、融点171℃)とを、サイドバイサイドに貼り合わせた複合繊維であり、繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、機械捲縮が付与されず、捲縮数12ケ/25mm、捲縮率22%のスパイラル状の捲縮を有するポリ乳酸繊維を用いたこと以外は、比較例1と同様にして繊維構造体からなる吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
比較例5
主体繊維として、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)を芯部に、相対粘度1.385のポリエチレンテレフタレート(PET)を鞘部に、芯鞘比率が質量比65:35で配された、繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、捲縮数12ケ/25mm、捲縮率15%である機械捲縮が付与されたポリ乳酸/PETの芯鞘型複合繊維を用いたこと、バインダー繊維として、エチレンテレフタレート単位にイソフタル酸を全酸成分に対して40mol%共重合した、相対粘度1.410、融点(軟化点)約100℃の共重合ポリエステルを鞘部(バインダー成分)に、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)を芯部に、芯鞘比率が質量比65:35で配された、繊度4.4デシテックス、繊維長51mm、捲縮数10ケ/25mm、捲縮率10%である機械捲縮を付与されたポリ乳酸/PETの芯鞘型複合繊維を用いたこと、熱風循環乾燥機の温度を130℃としたこと以外は、比較例1と同様にして繊維構造体からなる吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
実施例1
主体繊維として、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)を芯部に、相対粘度1.385のポリエチレンテレフタレート(PET)を鞘部に、芯鞘比率が質量比65:35で偏心的(偏心度=4.0)に配され、繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、機械捲縮が付与されず、捲縮数12ケ/25mm、捲縮率23%であるスパイラル状の捲縮を有するポリ乳酸/PETの偏心芯鞘型複合繊維であるポリ乳酸系短繊維を用いたこと以外は、比較例5と同様にして繊維構造体からなる本発明の吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
実施例2
主体繊維として、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)に末端封鎖剤(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(バイエル社製登録商標「スタバクゾール」))が0.5質量%含有された樹脂を芯部に、相対粘度1.385のポリエチレンテレフタレート(PET)を鞘部に、芯鞘比率が質量比で65:35で偏心的(偏心度=4.0)に配された、繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、機械捲縮が付与されず捲縮数12ケ/25mm、捲縮率23%であるスパイラル状の捲縮を有するポリ乳酸/PETの偏心芯鞘型複合繊維であるポリ乳酸系短繊維を用いたこと、バインダー繊維として、エチレンテレフタレート単位にイソフタル酸を全酸成分に対して40mol%共重合した、相対粘度が1.410、融点(軟化点)が約100℃の共重合ポリエステルを鞘部(バインダー成分)に、ポリL−乳酸(光学純度98.8%、相対粘度1.810、数平均分子量86000、融点170℃)に末端封鎖剤(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(バイエル社製登録商標「スタバクゾール」))が0.5質量%含有された樹脂を芯部に、芯鞘比率が質量比65:35で偏心的(偏心度=1.3)に配された、繊度4.4デシテックス、繊維長51mm、捲縮数10ケ/25mm、捲縮率10%である機械捲縮が付与されたポリ乳酸/PETの芯鞘型複合繊維を用いたこと、熱風循環乾燥機の温度を130℃とした以外は、比較例1と同様にして繊維構造体からなる本発明の吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
参考例
主体繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、繊度が6.6デシテックス、繊維長が51mm、捲縮数12ケ/25mm、捲縮率15%である機械捲縮が付与されたPET繊維を用いたこと、バインダー繊維として、エチレンテレフタレート単位にイソフタル酸を、全酸成分に対して40mol%共重合した融点(軟化点)約100℃の共重合ポリエステルを鞘部(バインダー成分)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を芯部に、芯鞘比率が質量比1:1で配された繊度4.4デシテックス、繊維長51mm、捲縮数10ケ/25mm、捲縮率10%である機械捲縮を付与されたポリエステル系バインダー繊維を用いたこと、熱風循環乾燥機の温度を130℃としたこと以外は、比較例1と同様にして繊維構造体からなる吸音材を得た。得られた吸音材の物性等を表1に示す。
Figure 0004951084
表1に示すように、本発明の実施例1、2の吸音材は、環境にやさしい植物由来であるポリ乳酸を使用しながらも、従来の吸音材(参考例)と同等の吸音性能を持つものであり、特に、比較例1〜5よりも、繊維構造体の耐久性が良好なものであった。

Claims (2)

  1. 主としてポリ乳酸系短繊維によって構成される繊維構造体からなり、該繊維構造体の見かけ密度が0.01g/cm3以上であって、ポリ乳酸系短繊維が芯鞘型複合繊維であり、芳香族ポリエステルが鞘部を構成し、ポリ乳酸が芯部を構成し、芯部のポリ乳酸が偏心的に配されて、該複合繊維が、機械捲縮が付与されずに、捲縮を自己発現していることを特徴とする吸音材。
  2. ポリ乳酸系短繊維を構成するポリ乳酸が末端封鎖剤を有していることを特徴とする請求項1記載の吸音材。
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