JP4624075B2 - 分割型複合繊維およびこれを用いた不織布 - Google Patents

分割型複合繊維およびこれを用いた不織布 Download PDF

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Description

本発明は、生分解性を有する分割型複合繊維およびこれを用いた不織布に関するものである。
繊維断面において、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのようなポリアルキレンテレフタレート成分が、これと非相溶のポリオレフィン、ポリアミド等によって複数個に分割された複合形態を有する分割型複合繊維や、前記複合繊維を用いた布帛・不織布を、物理的な衝撃により分割させ、極細繊維を生成させる方法は周知であり、このような分割型ポリエステル複合繊維については種々提案されている。(例えば、特許文献1)。
しかし、ポリアルキレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアミド等は、使用後に自然環境中に廃棄されると、分解せずに蓄積し、環境を汚染するという問題があり、また焼却処理を行った場合でも、その発熱量が高いために焼却炉を傷めたり、有害ガスを発生する恐れがあることから、近年の環境保全に対する社会的要求の高まりに伴い、微生物等により分解可能な生分解性を有し、コンポストでの堆肥化処理が可能な生分解性の素材が求められるようになり、その開発が盛んに行われている。
このような取り組みのなかで、自然環境において分解される、環境にやさしい樹脂として、ポリ乳酸が注目されており、このポリ乳酸を使用した分割型複合繊維についても種々提案されている。
例えば、繊維断面において、ポリ乳酸によって、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ナイロン等を分割するように配した複合繊維を、アルカリ溶液処理してポリ乳酸を溶解させ、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の細繊度糸を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2〜4)。
しかし、これらの分割型複合繊維は、ポリ乳酸自体を溶解させるため、ポリ乳酸自体の細繊度糸を得るには至っていない。
一方、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネート等の生分解性を示す脂肪族ポリエステルとの複合繊維を、物理的な衝撃によって分割させる繊維が提案されている(例えば、特許文献5〜6)。これらの文献に開示される分割型複合繊維は、ポリ乳酸と複合される脂肪族ポリエステルとの相溶性が低いため、分割性が良好であり、高圧水流等による物理的な衝撃によって分割され絡合によりソフトな風合いの不織布が得られている。
特開平10−212624号公報 特開平8−35121号公報 特開平8−188922号公報 特開2003−119626号公報 特開平9−041223号公報 特開平9−217232号公報
上記した従来技術では、生分解性を有し、細繊度の繊維からなる柔軟性に優れた布帛は得られているが、耐久性が要求されるワイパー用途等に用いるには強度が不足している。不織布の強度を上げるために、分割後に熱処理を行い、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステルをバインダー成分として溶融接着させることは考えられるが、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートとは、相溶性が悪いために接着性が悪く、十分な強度をもつ不織布を得ることはできない。
本発明は、生分解性を有し、分割性が良好であり、強度の高い布帛を得ることができる分割型複合繊維を提供することを技術的な課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(1)、(2)の構成を要旨とするものである。
(1)乳酸が1〜30モル%共重合したポリアルキレンサクシネートとポリ乳酸とからなる複合繊維であり、前記複合繊維の横断面が、ポリ乳酸成分がポリアルキレンサクシネート成分によって複数個に分割されているか、または、ポリアルキレンサクシネート成分がポリ乳酸成分によって複数個に分割された分割型複合形態であることを特徴とする分割型複合繊維。
(2)上記(1)記載の分割型複合繊維が分割により発現したポリアルキレンサクシネート成分からなる繊維および/またはポリ乳酸成分からなる繊維を少なくとも有する不織布であり、構成繊維同士がポリアルキレンサクシネート成分により熱接着していることを特徴とする不織布。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の分割型複合繊維(以下、単に繊維と称することもある。)は、乳酸が1〜30モル%共重合したポリアルキレンサクシネートとポリ乳酸とからなる。そして、繊維の横断面が、ポリ乳酸成分が、ポリアルキレンサクシネート成分によって複数個に分割されているか、またはポリアルキレンサクシネート成分がポリ乳酸成分によって複数個に分割されている分割型複合形態である。
本発明の繊維は、ポリアルキレンサクシネート成分とポリ乳酸成分から構成される分割型複合繊維であり、繊維あるいは、この繊維からなる糸条、織編物、不織布に物理的な衝撃を与えることにより分割(細繊度化)して、少なくともポリアルキレンサクシネート成分からなる繊維および/またはポリ乳酸成分からなる繊維を発現することができる繊維である。
本発明の繊維を分割するための物理的な衝撃とは、延伸工程における機械クリンプ付与時等の製糸工程における物理的な衝撃や、混打綿、カード機等によりウェブを作成する際の物理的な衝撃、ウェブにニードルパンチ処理や高圧水流処理等で不織布化する際の物理的な衝撃、本発明の繊維からなる織編物や不織布等の布帛や糸条に高圧水流処理や液流処理、空気流処理等による衝撃が挙げられる。
本発明の繊維を構成する一方の成分である乳酸を1〜30モル%共重合してなるポリアルキレンサクシネートにおいて、ポリアルキレンサクシネートとは、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート等の、エチレングリコール、ブタンジオール等のアルキレンジオールとコハク酸とを共重合したものである。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン類、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸等のα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、リンゴ酸等のジカルボン酸類を含有してもよいが、これらの共重合量は30モル以下が好ましい。
本発明において、ポリアルキレンサクシネートには、乳酸が1〜30モル%共重合していることが必要である。乳酸が共重合していることによって、ポリアルキレンサクシネートと、他方の成分であるポリ乳酸との相溶性が飛躍的に良化し、分割後に熱処理を行った際に、熱接着成分となるポリアルキレンサクシネート成分と、ポリ乳酸成分との接着性が向上するため、耐久性および強度の高い繊維構造体(糸条、織編物、不織布等)を得ることができる。
共重合する乳酸の量が1モル%未満になると、ポリアルキレンサクシネートとポリ乳酸の相溶性が十分に良化せず、本発明の目的が達成されにくい。一方、共重合する乳酸の量が30モル%を超えると、ポリ乳酸との相溶性が高くなりすぎて分割しにくくなる。共重合する乳酸は、2〜20モル%が好ましく、3〜10モル%がより好ましい。
ポリアルキレンサクシネートと共重合する乳酸は、L−乳酸、D−乳酸のいずれか一方、あるいはその両方のいずれでもよい。また、乳酸は、モノマー単位で共重合してなるものを基本とするが、本発明の効果を損なわない範囲でオリゴマー単位(2個〜10個程度)のものが一部含まれていてもよい。
乳酸が共重合したポリアルキレンサクシネートの融点は、90〜120℃が好ましい。融点が90℃未満になると、紡糸や延伸時に密着が起こるため好ましくない。また、融点が120℃を超えると、本発明の繊維からなる繊維構造体を熱処理する際の熱処理温度が高温になり、ポリ乳酸成分の収縮、軟化、溶融等が起こるため好ましくない。
また、乳酸が共重合したポリアルキレンサクシネートのメルトフローレート(ASTM D 1238に記載の方法に準じて、温度210℃、荷重20.2N(2160gf)で測定したもの。以下、MFRと略記する。)は、10〜80g/10分のものが好ましく、より好ましくは20〜40g/10分である。MFRが10g/10分未満になると、溶融押出が困難となるだけでなく、繊維の機械的強力が低下する傾向にある。また、MFRが80g/10分を超えても、溶融押出が困難となる。
本発明の繊維を構成するポリ乳酸としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、あるいはポリL−乳酸とポリD−乳酸の混合物(ステレオコンプレックス)のいずれでもよく、また、数平均分子量は3万〜15万のものが好ましく、9万〜13万のものがより好ましい。数平均分子量が3万未満になると、溶融押出が困難となるだけでなく、繊維の機械的強力が低下する傾向を示す。また、数平均分子量が15万を超えても、溶融押出が困難となりやすい。なお、本発明におけるポリ乳酸成分には、分子量の増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば有機過酸化物、ビスオキサゾリン化合物、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等が配合されていてもよい。
本発明において、ポリ乳酸がポリDL−乳酸の場合には、D−乳酸とL−乳酸の共重合比(D−乳酸/L−乳酸)は、100/0〜95/5、5/95〜0/100であるとよい。上記共重合比を外れる共重合体は、融点が150℃以下と低くなり、また、非晶性が高くなり、ポリアルキレンサクシネートの融点との差が小さくなるため、熱処理の際にポリ乳酸も熱の影響を受けて軟化または溶融し、熱収縮しやすくなるため好ましくない。
本発明の繊維の横断面は、ポリ乳酸成分がポリアルキレンサクシネート成分によって複数個に分割されているか、または、ポリアルキレンサクシネート成分がポリ乳酸成分によって複数個に分割された分割型複合形態であり、その横断面の一例を図1〜3に示す。図1〜3において、1はポリ乳酸成分(あるいは乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネート成分)、2はポリアルキレンサクシネート成分(あるいはポリ乳酸成分)を示しており、図1は3葉断面、図2は4葉断面、図3は花弁型断面の分割型複合繊維である。なお、本発明の繊維の横断面は、これらに限定されるものではなく、扁平断面、中空断面等、周知の形状のいずれであってもよい。
繊維におけるポリ乳酸と乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネートとの複合比率は、複合繊維の単糸繊度、複合形態、断面形態、分割数、分割後の繊維の単糸繊度等を考慮して決定すればよく、通常は95/5〜30/70(ポリ乳酸/ポリアルキレンサクシネート)、好ましくは90/10〜50/50の質量比の範囲で選択するのが好ましい。
また、繊維の単糸繊度、繊維長等の繊維物性は、繊維に要求される特性に応じて適宜決定すればよく、分割数、分割後の単糸繊度にもよるが、生産性、操業安定性等の点から単糸繊度の範囲は概ね1〜6dtexが好ましい。
単糸繊度が1dtex未満では、目的とする横断面形態が得られ難い場合があり、また、溶融紡糸する際の紡糸口金の単孔当たりの吐出量が低下し、生産量が低下する傾向を示す。一方、生産量を向上させるために、紡糸口金の孔数を増加させると、紡糸工程が不安定になりやすい。また、単糸繊度が6dtexを超えると、分割後の繊度が太くなり、分割後に細繊度の単糸を得ようとすると分割数が多くなり、煩雑な紡糸装置が必要となるため、好ましくない。一方、分割数が多ければ分割後の繊度が小さくなるという利点はあるが、逆に分割後の個々の形態が均一になり難いという問題もあり、実際には両成分の合計で分割数を4〜30とすることが好ましい。
本発明の繊維は、樹脂の耐久性を高める目的として、ポリ乳酸、ポリアルキレンサクシネートのいずれか又は両成分に、脂肪族アルコール、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、エポキシ化合物等の末端封鎖剤を添加することができる。これらの末端封鎖剤の中では、カルボジイミド化合物が、効果やコストの面で最も良好である。このカルボジイミド化合物としては、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert.−ブチルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N'−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
これらの末端封鎖剤は、繊維質量中に0.01〜5質量%添加することが好ましい。0.01質量%未満では末端封鎖の効果が十分ではなく、また、5質量%を超えると、紡糸時に糸切れの原因となる。
また、本発明の繊維には、必要に応じて、各種顔料、染料、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属粒子、結晶核剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添加剤を混合することができる。
本発明の繊維を得るには、上記の分割型複合形態となるように、両成分を常法によって複合紡糸すればよい。すなわち、まず、ポリ乳酸と乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネートとを用意し、従来公知の溶融複合紡糸法で紡糸し、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷却装置を用いて、吹付風により冷却した後、油剤を付与し、引き取りローラを介して未延伸糸として巻取機に巻取る。巻取った未延伸糸を、公知の延伸機にて周速の異なるローラ群間で延伸し、必要に応じて油剤を付与し、必要に応じてクリンパー等での機械クリンプの付与を行い、短繊維とする場合は、ECカッター、ギロチンカッター等のカッタ−で目的とする長さに切断すればよい。
得られた分割型複合繊維は、撚りをかける、あるいは紡績することにより糸条としたり、編織により織編物としたり、一体化手段により不織布とすることにより本発明の繊維からなる繊維構造体を得る。
本発明の繊維を用いて不織布を得る場合、湿式抄紙法や、カード法、エアレイド法等の方法によりウェブを形成した後、ニードルパンチや高圧水流等により絡合させる方法が、繊維を絡合すると同時に繊維を分割(細繊度化)して、分割により乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネート成分からなる繊維および/またはポリ乳酸成分からなる繊維を少なくとも発現させることができるため好ましく、高圧水流は均一に分割できるためより好ましい。
本発明の繊維を用いた不織布は、高圧水流等によって繊維が分割された後に熱処理を行うことにより、乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネートを溶融させる。熱接着成分となる前記ポリアルキレンサクシネートが溶融することによって、構成繊維同士を熱接着させる。この場合、ポリアルキレンサクシネートには乳酸が1〜30mol%共重合しているので、ポリ乳酸との相溶性が適度に良好であり、両成分間の接着性がよく、このため不織布の強力を向上させることができる。不織布を熱処理する際の温度としては、90〜150℃であることが好ましい。処理温度が90℃未満になると、ポリアルキレンサクシネートの溶融が起こらないため好ましくない。また、150℃を超えると、ポリ乳酸が溶融または著しく収縮するので好ましくない。
本発明の不織布は、本発明の分割型複合繊維のみからなるものでもよいが、目的や用途等に応じて他の繊維を混綿してもよい。本発明の不織布は、不織布中に分割型複合繊維が20質量%以上含まれていることが好ましく、40質量%以上がより好ましく、70質量%がさらに好ましい。混綿する場合の他の繊維としては、例えば、レーヨン等の再生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等の合成繊維、綿等の植物繊維、羊毛等の動物繊維などを使用することができるが、これらの中でも生分解性を有している繊維が好ましい。
本発明によれば、分割型複合繊維を構成する重合体として、ポリ乳酸と乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネートとを選択したことにより、生分解性を有し、分割性が良好な繊維を得ることができる。また、乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネートを熱接着成分として機能させた際、ポリ乳酸成分と熱接着成分(乳酸を共重合したポリアルキレンサクシネート)との相溶性がよいため、分割後に熱処理により得られる不織布等の繊維構造体は、強度が高く、耐久性の良好なものとなる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例における特性値等の測定法は、次の通りである。なお、MFRについては、上記した方法により測定した。
(1)単糸繊度(dtex)
JIS L−1015 7−5−1−1Aの方法により測定した。
(2)不織布の通気度(cm3/cm2・sec)
カトーテック社製、通気性測定装置KESF−8型を用い、JIS L−1096の方法により測定した。通気度40cm3/cm2・sec以下のものを良好に分割されており、合格とした。
(3)不織布の引張強力(cN/2.5cm幅)
不織布をMD方向(機械方向)に15cm、CD方向(機械方向と直交する方向)に2.5cmの短冊状に切断し、試料を作成した。この試料をオリエンテック社製UTM−4型のテンシロンを用いて、引張速度100mm/minの条件でMD方向に伸長切断し、最大強力を読みとった。本発明では、引張強力2000cN/2.5cm幅以上を合格とした。
実施例1
MFR=21g/10分であり、L−乳酸/D−乳酸(共重合モル比)が98.7/1.3のL−乳酸を主体とするポリDL−乳酸と、L−乳酸を5.0モル%共重合した、MFR=32g/10分であるポリブチレンサクシネートとを用いて、孔数1014孔、繊維の横断面が図2となる分割数が5個(両成分の合計)となるように配した4葉断面複合紡糸口金を用い、ポリDL−乳酸を葉部に配し、ポリブチレンサクシネートを芯部に配して、複合比を溶融容積比として50/50、紡糸温度230℃、紡糸速度1100m/分で溶融紡糸し、分割型複合繊維の未延伸糸を得た。
次いで、得られた未延伸糸を延伸温度60℃、延伸倍率3.50倍で延伸した後、押し込み式クリンパーにて機械捲縮を付与し、仕上げ油剤を付与後に切断し、繊度2.2dtex、繊維長51mmの分割型複合短繊維を得た。
得られた分割型複合短繊維をカード機で開繊し、目付50g/m2のウエブを作成した。次いで、このウエブを100メッシュスクリーンからなるネットコンベアーに載置し、孔径0.12mm、孔間隔1.0mmの噴射孔を複数個有する噴射ノズルを3段階に設け、前段1960kPa、中段2940kPa、後段2940kPaの水圧でウエブの表裏に高圧水流処理を施して繊維を分割した後、60℃の温風で乾燥し不織布を得た。
次いで、この不織布を連熱処理機によって、110℃で10分間の熱処理を行い、熱処理によりポリアルキレンサクシネート成分を溶融させて、不織布を得た。
実施例2〜4、比較例1〜3
ポリブチレンサクシネートに共重合する乳酸の共重合量を表1に示すように変化させたこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
実施例5
ポリDL−乳酸を芯部に、ポリブチレンサクシネートを葉部に配したこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
実施例6
孔数850、繊維の横断面形状が図3となるような分割数20個(両成分の合計)の花弁型断面複合紡糸口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
実施例7
乳酸が共重合してなるポリアルキレンサクシネートにおいて、ポリアルキレンサクシネートに代えてポリエチレンサクシネートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた分割後(熱処理前)の不織布の通気度と、熱処理後の不織布の引張強力を測定して、その結果を併せて表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7では、分割性が良好(通気度が低い)であり、引張強度が高く、耐久性が良好な不織布が得られた。
一方、比較例1は、乳酸を共重合していないポリブチレンサクシネートを使用したため、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートとの相溶性が低く、熱処理による溶融接着性が弱く、このため、得られた不織布の強度は低いものであった。また、比較例2は、乳酸の共重合量が少なく、ポリブチレンサクシネートとポリ乳酸との相溶性の向上が十分でなかったため、不織布の強力は低いものであった。さらに、比較例3は、ポリ乳酸の共重合量が多く、ポリブチレンサクシネートとポリ乳酸との相溶性が高くなりすぎたため分割性が低下し、そのため不織布の強力も低いものとなった。
本発明の分割型複合繊維の横断面の一例を示す模式図である。 本発明の分割型複合繊維の横断面の一例を示す模式図である。 本発明の分割型複合繊維の横断面の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 ポリ乳酸成分
2 ポリアルキレンサクシネート成分

Claims (2)

  1. 乳酸が1〜30モル%共重合したポリアルキレンサクシネートとポリ乳酸とからなる複合繊維であり、前記複合繊維の横断面が、ポリ乳酸成分がポリアルキレンサクシネート成分によって複数個に分割されているか、または、ポリアルキレンサクシネート成分がポリ乳酸成分によって複数個に分割された分割型複合形態であることを特徴とする分割型複合繊維。
  2. 請求項1記載の分割型複合繊維が分割により発現したポリアルキレンサクシネート成分からなる繊維および/またはポリ乳酸成分からなる繊維を少なくとも有する不織布であり、構成繊維同士がポリアルキレンサクシネート成分により熱接着していることを特徴とする不織布。
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