JP4950895B2 - 心血管系疾患のための予知的パラメーターとしてのPIGFおよびFlt−1 - Google Patents

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Description

本発明は、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患の、診断、リスク層化(stratification)および/またはモニタリングの目的で、および/またはそうした疾患を発症する可能性を予測するための、試料中のPIGFおよびFlt-1の測定を含む、生体外(ex vivo)方法の使用に関する。本発明はまた使用される方法に関する。本発明はさらに診断キットおよびその使用に関する。
炎症の過程はアテローム性動脈硬化症の全ての段階、すなわち早期のアテローム硬化性病変の発症から、対応する血栓性合併症を伴った病変部の侵食またはどちらかといえば破裂の時点に至るまでの進行の段階において根本的な役割を果たしている。説得力のある知見は、炎症機構が急性冠動脈症候群(1,2)をもたらすアテローム硬化性病変の不安定化にも関与していることを示している。
炎症とアテローム性動脈硬化症との関連性により、循環系に放出される炎症の確立したマーカーもまた急性冠動脈心疾患を有する患者のリスク層化において考慮されている。例えば、細胞壊死のマーカーでありそれにより心筋梗塞のエンドポイントを示しているトロポニンとは逆に、炎症のマーカーは急性冠動脈症候群の基礎にある炎症過程を反映するために、心筋損傷の発生前にそれぞれのリスクを示すことができる。
炎症の確立したマーカーの中では、C−反応性タンパク質(CRP、本願中ではまた高感度CRP、hsCRPともよばれる)およびフィブリノゲンは最も関心がもたれており、死亡率および虚血性イベントに関するそれらのマーカーの予知的価値は明確に立証されている(22〜24)。CRPおよびフィブリノゲンは回顧的(retrospective)研究において予知的パラメーターとしてそれ自体で価値を有し、したがってトロポニンTに追加するマーカーとして考慮されるべきである(14,25,26)。CRPは、冠動脈性心疾患における長期の予知のために有用なマーカーであることが示されているが、急性相、すなわち急性冠動脈性症候群との関連でのマーカーとしてのその価値は、相矛盾しているものと考えられる。
CAPTURE研究の最初の結果では、トロポニンTのみが、急性冠動脈性症候群の症状の開始後72時間の早期相における信頼できる予測を可能にし、その一方、トロポニンTとCRPは共に続く6ヶ月内でのリスクの独立した予知パラメーターであった(14)。類似の結果がGUSTO IV-ACS研究(27)について報告された。不安定型冠動脈性疾患を有する患者におけるCRPレベルの上昇の正確な源はさらにまた不明瞭なままである。心筋損傷は著しい炎症刺激も意味しているという仮説に関連して、より最近のFRISC-IIおよびGUSTO-IVを組み合わせた解析において、120時間までの期間でCRPの上昇はトロポニンのレベルが上昇した患者でのみで見られた(27)。同様に、CAPTURE研究のトロポニン陽性患者においてCRPレベルは顕著に上昇しており(14)、このことは心筋損傷に基づく急性炎症過程が血管壁の慢性炎症と重複し、それによりCRPを用いた場合は急性冠動脈性症候群を伴った慢性炎症過程がほとんど予測できないことを示している。さらに、向炎症性(proinflammatory)サイトカインが、脂肪組織、組織マクロファージおよび損傷した心筋からも放出されることに注意すべきである。
ごく最近になって、血管性内皮細胞成長因子(VEGF)ファミリーの一員である胎盤成長因子(PlGF)が、早期および進行したアテローム硬化性病変において発現レベルが上昇していることが示された(3)。最初に胎盤で同定されたPlGFは(4)、血管平滑筋細胞の成長を刺激し、アテローム硬化性病変部位へマクロファージを動員し、マクロファージ中での各種の炎症性メディエーター(腫瘍壊死因子α:TNFα、単球性化学走化性因子−1:MCP-1、プロテアーゼ類)の生成を促進し、そして血管壁における病的な血管新生を刺激する(3,5)。アテローム性動脈硬化症の動物モデルにおいて、PlGFの効果を、その膜受容体Flt-1(Fms様チロシンキナーゼ−1)を阻止して阻害することでアテローム硬化性プラークの成長を抑制し、そしてマクロファージの浸潤を阻害することによってその安定性に対して有利な効果を示した(3,6)。急性冠動脈性心疾患を有する患者において、血漿中のPlGF濃度が上昇し、そしてこの循環PlGF濃度が血管性炎症および患者に有害な対応する影響の有効な臨床的マーカーであることが最近になって示された(7)。
PlGFの他にFlt-1もまた関連する因子VEGFに結合し(8)、そして2つの形態で存在し:その一つは血管新生シグナルを細胞内に伝達する膜結合受容体チロシンキナーゼFlt-1であり、もう一つは、遊離形態で循環している因子PlGFまたはVEGFの掃除機能を有している、可溶性外部ドメイン(ectodomaine)(可溶性Flt-1:sFlt-1)である(6)。Flt-1の可溶性形態では細胞質性ドメインは失われているので、sFlt-1の機能は膜結合性受容体Flt-1およびFlk-1(胎児性肝キナーゼ−1)の活性化のための遊離の因子として利用しうる循環PlGFまたはVEGFの量の制御に限定されている(9)。急性冠動脈性心症候群の間に、可溶性PlGF受容体Flt-1の濃度の上昇が検出できた(10)。
特許出願WO 2004/046722(Dimmeler等)は、急性心血管系疾患に関連する試料の解析方法を開示しており、この方法はマーカー、例えばPlGF、および場合によって追加のマーカー、例えばVEGF、または他の炎症のマーカーの濃度の測定を含んでいる。
子癇前症または子癇の診断のための方法が特許出願US 2004/126828(Karumanchi等)から知られており、この方法はsFlt-1、VEGFまたはPlGFの濃度の測定を含んでいる。sFlt-1は、子癇前症を有する妊娠女性の胎盤がsFlt-1量の増加をもたらすだけでなく、上昇したsFlt-1のレベルが子癇前症の後の進行も示すことから(18)、子癇前症の因子として可能性のある候補物質として記載されている(17)。US 2004/126828では、sFlt-1濃度の上昇、特に>2,000 mg/lの血清レベルおよびVEGF濃度の減少は、子癇前症の陽性の診断用パラメーターとみなされている。これらの3つのマーカーから得られた結果がいわゆる「血管新生パラメーター」を測定するために関連付けられたとき、式[sFlt-1/VEGF + PlGF]により計算された血管新生パラメーターが>20、すなわちsFlt-1濃度がVEGFとPlGFの濃度を合わせたものの20倍である場合には、顕在化する子癇前症またはそれを発症するかなりのリスクとして診断されるだろう。
特許出願WO 2005/031364(ThadhaniおよびKarumanchi)は、子癇前症のような妊娠中毒症の診断または予知のための方法を記載しており、この方法は性ホルモン結合性グロブリン(SHBG)およびPlGF、ならびに特定の実施態様ではsFlt-1の測定を含んでいる。
特許出願WO 2005/017192(Thadhani等)からわかるように、コントロール試料の測定から得られた結果と比較して、子癇前症で測定されたPlGFの血清レベルはかなり低く(約6倍)、そしてsFlt-1の血清レベルは高い(2倍)。したがって、子癇前症におけるsFlt-1とPlGFの比はコントロール試料で測定された係数の15倍である。
特許出願WO 98/28006は妊娠中の高血圧(子癇前症)の診断のための方法を開示しており、この方法では試料中のPlGF、VEGFおよび可溶性VEGF受容体、例えばsFlt-1の量を測定している。
しかしながら、子癇前症および子癇の臨床像は、それぞれ、冠動脈性心疾患のものに比べて全く異なった病因に基づいており、特にそれらの妊娠中毒症はアテローム硬化性疾患に起因するものではない。したがって、従来技術で開示された方法は、冠動脈性心疾患に代表されるようなアテローム硬化性病因を有する血管性疾患へと転用可能なものではない。
したがって、本発明の目的は、従来技術を発端として、バイオマーカーの測定を基にアテローム硬化性病因を有する血管性疾患を発症する可能性を予測し、診断し、リスク層化し、および/またはモニタリングを可能にする方法を提供することである。
本発明の課題は、本発明によりそして特許請求の範囲で定義されたような方法、使用および手段を提供することにより解決される。
この課題は、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患を診断し、リスク層化しおよび/またはモニタリングし、および/またはそうした疾患を発症する可能性を予測する方法により解決され、この方法は以下の工程を含んでいる:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること。
場合により、この方法は以下の工程を含んでいる:
(d)(b)で得られたPlGFの結果と(c)で得られたsFlt-1の結果の比を決定すること。
「(b)で得られたPlGFの結果と(c)で得られたsFlt-1の結果の比を決定する」という表現は、「(b)で得られたPlGFの結果/(c)で得られたsFlt-1の結果」の商を計算することと同時に、(b)で得られたPlGFの結果をc)で得られたsFlt-1の結果に対して関連付ける他の代替法も含んでいる。
したがって、この課題は、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患を診断し、リスク層化しおよび/またはモニタリングし、および/またはそうした疾患を発症する可能性を予測する、さらに以下の工程を含んでいる方法により解決される:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること;そして
(d)(b)および(c)で得られたPlGFおよびsFlt-1の結果のそれぞれと、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること。
場合により、この方法は以下の工程を含んでいる:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること;そして
(d')(b)で得られたPlGFの結果と(c)で得られたsFlt-1の結果の比を決定すること、好ましくはPlGF/sFlt-1の商および/またはsFlt-1/PlGFの商を計算すること;および
(e')(d')で得られた結果と、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること。
場合により、この方法は以下の工程を含んでいる:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること;
(d)(b)および(c)で得られたPlGFおよびsFlt-1の結果のそれぞれと、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること;
(d')(b)で得られたPlGFの結果と(c)で得られたsFlt-1の結果の比を決定すること、好ましくはPlGF/sFlt-1の商および/またはsFlt-1/PlGFの商を計算すること;および
(e')(d')で得られた結果と、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること。
(b)および(c)の工程は、上記の順序、反対の順序で連続してまたは同時に行うことができる。
工程(d)で、(b)で得られた結果はPlGFの参照値および/または参照試料で測定されたPlGFの結果と比較され、そして(c)で得られた結果はsFlt-1の参照値および/または参照試料で測定されたsFlt-1の結果と比較される。工程(e')で、(d')で得られた結果(特に、PlGF/sFlt-1の商および/またはsFlt-1/PlGFの商)と、PlGFおよびsFlt-1の相関関係に関する参照値および/または、参照試料で得られた、この相関関係に関連する結果とを比較する。
本発明は、生体外(ex vivo)で実施される方法、すなわちインビトロ方法である。
「アテローム硬化性病因を有する血管性疾患」という表現は、子癇前症および子癇の疾患をそれぞれ除外する。「アテローム硬化性」という表現は安定型および不安定型のアテローム性動脈硬化性の両方を意味する。
本願で、分析される試料を「提供する」という表現は、「使用可能にする」という表現と同等である。これは、分析される使用可能な試料が、例えば測定機器へと導入されることにより、インビトロ測定に付されることを意味する。分析される試料、好ましくは血漿または血清、および/または参照試料は、例えば、末梢性血液に対する抗凝固剤、特にEDTA、ヘパリンまたはクエン酸塩を添加することにより前処理できる。「提供する」という表現は、試料の集収それ自体、例えば、穿刺によるもののような患者試料の侵襲的な採取、または尿試料の採取のような非侵襲的な試料集収は含まない。
本発明の好ましい実施態様において、患者は哺乳類、特に好ましくはヒトである。「患者」という表現は、特に医師または他の医療スタッフにより処置されているヒトを意味し、そして病気の個人と同時に健康な個人または見かけ上健康な個人も含む。
PlGFおよび/またはsFlt-1を「定量する」ことは、濃度、例えばタンパク質濃度を測定することで実現できる。濃度を測定すること以外に、例えば血漿または血清中で、分子の量を、例えば組織学的な組織切片中で測定することにより実現できる。「定量する」という表現はまた、試料中のPlGFおよび/またはsFlt-1の近似的な量もしくは濃度だけを測定するか、または量もしくは濃度の相対的な表示をするだけか、または試料中のPlGFおよび/またはsFlt-1の量もしくは濃度が1つの特定の参照値もしくは1より多い特定の参照値の下か上かについてのみ知らせる、半定量的な検出方法をも含む。
「参照値」という表現は、予め決められた値または参照試料中で測定された値であって良い。「参照試料」は、例えば健常的な個人、または安定型もしくは不安定型アテローム性動脈硬化症を有するか有さない患者、好ましくは急性冠動脈性症候群、特に好ましくは不安定型狭心症もしくは急性心筋梗塞症を有する患者に由来するものであって良い。PlGFおよびsFlt-1を、健常個人またはアテローム硬化性病因を有する血管性疾患に罹患した患者において事前に測定した比で添加した試料もまた考慮できる。通常、各種の可能性のある予知症状、例えば「起こりそうもない有害事象」から「可能性の非常に高い有害事象」の点までの予知症状を示唆する異なった参照試料が用いられる。参照試料の提供は、好ましくは、分析される試料の提供と同じ様式で為される。参照試料の適用の代わりに、例えば表から読み取れる所定の参照値もまた使用できる。そうした参照値は、例えば事象の確率を示唆する異なった範囲をあらかじめ決めることができる。
好ましくは、参照値および/または参照試料中で検出される値は、「カットオフ値」または「閾値」または「臨界値」、すなわち境界または閾を示す値である。試料中で測定された結果とカットオフ値との比較は、境界または閾値を越える結果が境界または閾値未満の結果とは異なった評価に繋がることを示している。本発明において、例えば、適切な参照集合体の2つの上位三分位(tertile)を下位三分位から分けるPlGF濃度は適切なPlGFのカットオフ値としてみなされるだろう。他の適切なPlGFカットオフ値は、適切な参照集合体の上位三分位を中央三分位から分けるPlGF濃度である。適切なsFlt-1カットオフ値は、例えば適切な参照集合体の中央三分位を下位三分位から分けるsFlt-1濃度である。 三分位で決定されるそれぞれのカットオフ値に加えて、本発明で適切なカットオフ値はまた、受信者動作曲線(ROC)および他の確立した方法を用いて決定することができる(「A.患者および方法、4.統計的方法」も参照する)。したがって、適切な参照集合体を用いて測定した中央PlGFまたはsFlt-1濃度は、それぞれPlGFカットオフおよびsFlt-1カットオフ値として用いることができる。本発明において、適切なPlGFカットオフ値を超え同時に適切なsFlt-1カットオフ値を下回ることは、それぞれの患者の心筋梗塞または卒中に罹患するおよび/またはアテローム硬化性病因を有する血管系疾患により死亡する可能性が増加していることを示すだろう。
本発明の特に好ましい方法は、以下の工程:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること;そして
(d)(b)および(c)で得られたPlGFおよびsFlt-1の結果のそれぞれと、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること、
を含む方法の、患者におけるアテローム硬化性病因を有する血管性疾患を診断し、リスク層化しおよび/またはモニタリングし、および/またはそうした疾患を発症する可能性を予測するための使用である。
場合により、この方法の使用は以下の工程を含んでいる:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること;そして
(d')(b)で得られたPlGFの結果と(c)で得られたsFlt-1の結果の比を決定すること、好ましくはPlGF/sFlt-1の商および/またはsFlt-1/PlGFの商を計算すること;および
(e')(d')で得られた結果と、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること。
場合により、この方法の使用は以下の工程を含んでいる:
(a)分析される患者の試料を提供すること;
(b)該試料のPlGFを定量すること;
(c)該試料のsFlt-1を定量すること;
(d)(b)および(c)で得られたPlGFおよびsFlt-1の結果のそれぞれと、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること;
(d')(b)で得られたPlGFの結果と(c)で得られたsFlt-1の結果の比を決定すること、好ましくはPlGF/sFlt-1の商および/またはsFlt-1/PlGFの商を計算すること;および
(e')(d')で得られた結果と、参照値および/または参照試料で得られた結果とを比較すること。
(b)および(c)の工程は、上記の順序、反対の順序で連続してまたは同時に行うことができる。
本発明の課題はさらに、分析される試料中のPlGFを定量するための少なくとも1つの手段およびsFlt-1を定量するための少なくとも1つの手段を含む診断キットにより解決され、このキットはまた別包装から成ることもでき、そしてこのキットはさらに情報手段(例えば、添付文書)を含んでおり、それに従って(i)[PlGF=高値:sFlt-1=低値]の比、および/または、(ii) 参照集合体の2つの上位三分位のPlGF濃度、および参照集合体の下位三分位のsFlt-1濃度、および/または(iii) PlGF参照値を超えるPlGFの結果およびsFlt-1参照値を超えるsFlt-1の結果は、例えば、死亡、非致死的心筋梗塞および/または卒中のような有害事象の可能性が増加したことを示す。
本発明の課題はまた、本発明のキットを、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患を診断し、リスク層化しおよび/またはモニタリングし、および/またはそうした疾患を発症する可能性を予測するために使用することによって解決される。
本発明の課題はまた、本発明のキットを本発明の方法を実施するために使用することによっても解決される。
以下において、さらなる詳細および説明が本発明の記載に加えられるだろう。
方法およびこの方法の使用の1つの実施態様において、血管性疾患は、器官関連血管性疾患(特に、冠動脈性心疾患または脳血管系疾患)および/または末梢性血管性疾患(特に、動脈または静脈閉塞性疾患)から成る群から選択される。この方法のさらなる実施態様において、血管性疾患は、冠動脈性症候群、好ましくは不安定型狭心症または急性心筋梗塞である。本方法の好ましい態様において冠動脈性心疾患は急性冠動脈性症候群である。この方法の特に好ましい実施態様では、試料は上記でより詳説した血管性疾患、特に急性冠動脈性症候群(例えば、心筋梗塞)に罹患した患者の試料、またはそうした疾患を有することもしくはそうした疾患を将来発症することが疑われるヒトの試料だけ使用する。この試料はまた、例えば、スクリーニングまたは予防医学的検査の中で「無作為に」選択した患者に由来する試料でも良い。好ましくは、本発明の方法は、狭心症および/または急性心筋梗塞のような急性冠動脈性症候群において使用される。
分析される試料は好ましくは末梢血またはその画分であり、特に好ましくは血漿または血清の画分である。本発明の他の実施態様では、また他の体液(例えば、尿または液体)および組織標本、組織細胞の分散液、組織ホモジネートまたは組織切片も分析される試料として用いられる。本発明の目的のための「試料」は検出可能な物質としてPlGFおよびsFlt-1を含有していると予測される材料である。場合によっては、検出すべき物質をそれぞれの分析方法で検出可能にするために、または試料から干渉成分を除去するために、試料を前処理しなければならない。そうした試料の前処理には、分離および/または細胞の溶解、沈殿、タンパク質のような試料成分の加水分解もしくは変性、試料の遠心分離、アルコール、特にメタノールのような有機溶媒を用いた試料の処理、または界面活性剤を用いた試料の処理を含むことができる。
本発明の好ましい実施態様において、患者は、哺乳類、好ましくはヒトそして特に好ましくは、さらに詳細に上で述べたように、血管性疾患を有する、好ましくは心筋梗塞のような急性冠動脈症候群を有するヒトである。本発明の方法の特に好ましい実施態様では、患者の試料は、妊娠が除外できる場合または少なくとも最大限の確率で除外できる場合のみ分析される。
好ましい実施態様では、本発明の方法は、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患のリスク層化またはリスク層化の実施を含む方法のために使用される。リスク層化は、患者が、死亡、非致死的心筋梗塞および卒中のような有害事象を経験する可能性を測定することを含んでいる。有害事象はまた、例えば、さらなる非致死的心筋梗塞を経験すること、または非致死的心筋梗塞が最初に発症した後の卒中を経験することまたは亡くなることから成る、有害な後遺症であっても良い。
本発明の方法は、(i)PlGF参照値を超えるPlGF値およびsFlt-1参照値未満のsFlt-1値から、および/または(ii)参照集合体の2つの上位三分位のPlGF濃度および参照集合体の下位三分位のsFlt-1濃度から、および/または(iii)[PlGF=高値:sFlt-1=低値]の比から、有害事象の可能性の増大を示唆する。
「参照集合体」という表現は通常、好ましくは、特定の選択基準に合った集団の全体から無作為に選択された参照個体の集合を意味する。実際的な理由から、参照集合体は多くの場合実際的な考慮を基にして、すなわち、集団の全体または全体の集合体から個体を無作為に選択する代わりに、単に利用可能な適切な個体を選択して、しばしば確立される。最も明確に定義された選択基準は、例えば、定義されそして典型的な疾患、例えば不安定型狭心症、急性心筋梗塞等である。さらに、健常人個体、画一的で入院中の個体等の参照集合体が、それぞれの集合体の集団に基づく参照値を決定するために適している。本発明に関連して好ましい参照集合体は、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患、特に不安定型狭心症または急性心筋梗塞のような急性冠動脈症候群に罹患している多くの個体から成っており、個体の数は統計的な目的に十分なものである。参照集合体はまた、増大したまたは減少したイベントの発生率を示している患者から採用することもできる。
参照集合体に基づいた参照値の他に、「対象を基にした参照値」もまた用いることができる。対象を基にした参照値は既に利用できる値である(例えば、個体が定義された健康状態または疾患状態にいるときに測定された1個の単独個体のPlGFまたはsFlt-1のようなバイオマーカーの濃度)。
本発明の好ましい実施態様において、≧17.7ng/lのPlGFのカットオフ値が参照値として用いられる。本発明のさらに好ましい実施態様において、≧23.3ng/lのPlGFのカットオフ値が参照値として用いられる。≧15.6ng/lのPlGFのカットオフ値も同様に使用することができる。好ましくは15.6から23.3ng/lの範囲、特に好ましくは10から50ng/lの範囲、さらに特に好ましくは5から100ng/lの範囲、そしてなおより特に好ましくは1から500ng/lの範囲のPlGFカットオフ値が用いられる。
本発明の好ましい実施態様において、≦37.4ng/lのsFlt-1のカットオフ値が参照値として用いられる。本発明のさらに好ましい実施態様において、≦56.5ng/lのsFlt-1のカットオフ値が参照値として用いられる。好ましくは37.4から56.5ng/lの範囲、特に好ましくは25から100ng/lの範囲、さらに特に好ましくは10から250ng/lの範囲、そしてなおより特に好ましくは5から500ng/lの範囲のsFlt-1カットオフ値が用いられる。
本発明の特に好ましい実施態様において、>17.7ng/lのPlGFの濃度が高値のPlGF濃度とよばれそして<17.7ng/lのものが低値のPlGF濃度とよばれる。その代わりに本発明の方法の特に好ましい実施態様では、>23.3ng/lのPlGF濃度が高値の、15.6から23.3ng/lが中間値の、そして<15.6ng/lが低値の、PlGF濃度とそれぞれよばれる。
本発明の特に好ましい実施態様において、>56.5ng/lのsFlt-1の濃度が高値のsFlt-1濃度とよばれそして<56.5ng/lのものが低値のsFlt-1濃度とよばれる。代わりに本発明の方法の特に好ましい実施態様では、>91.4ng/lのsFlt-1濃度が高値の、37.4から91.4ng/lが中間値の、そして<37.4ng/lが低値の、sFlt-1濃度とそれぞれよばれる。
PlGFおよびsFlt-1の「比」の決定は、PlGF/sFlt-1の商を計算することによって為すことができる。代わりに、sFlt-1/PlGFの商も同様に決定できる。[PlGF>17.7ng/l: sFlt-1<56.6ng/l] の比に基づいた、≧0.31の商は、好ましくは有害事象の増大したリスクを示す。≧0.42の商、[PlGF>15.6ng/l: sFlt-1 <37.4ng/l]、は有害事象の増大したリスクのパラメーターとして特に好ましい。≧0.62の商、 [PlGF>23.3ng/l: sFlt-1 <37.4ng/l]、は有害事象の増大したリスクのパラメーターとしてさらに特に好ましい。比の決定はまた、例えば単純比較により、PlGFおよびsFlt-1の結果の相互関係を示すことを意味することもできる。
一つの実施態様において、本発明の方法は少なくとも1つの追加のバイオマーカーの定量化を含んでいる。好ましい実施態様において、追加のバイオマーカーは、VEGF、sCD40L、PAPP-A (妊娠関連血漿タンパク質-A)、MPO(ミエロペルオキシダーゼ)、シスタチンC、ミオグロビン、クレアチンキナーゼ、特にクレアチンキナーゼMB(CK-MB)、トロポニン、特にトロポニンI、トロポニンTおよび/またはその複合体、CRP、ナトリウム利尿ペプチド、例えばANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)、BNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)もしくはNT-proBNP、から成る群から選択される。さらなるバイオマーカーはまた、EPO(エリスロポイエチン)のようなヘマトポイエチン類、GM-CSF(顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子)、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、LIF(白血病阻害因子)、オンコスタチン、CNTF (毛様体神経栄養因子)、ミオグロビン、Lp-PLA2(リポプロテイン関連ホスホリパーゼA2)、IMA(虚血変性アルブミン)、システイン化アルブミン、GP-BB(グリコーゲンホスホリラーゼ・アイソザイムBB)、H-FABP(心型脂肪酸結合タンパク質)、コリン、PPARs(ペルオキシソーム増殖因子アクチベーター受容体)、ADMA(非対称ジメチルアルギニン)、SAA(血清アミロイドAタンパク質)、フィブリノゲン、FFAs(非結合遊離脂肪酸)、D−二量体、ホモシステイン、PAI-1(プラスミノゲアクチベーターインヒビター1)、P-セレクチン、可溶性E-セレクチン、ヘモグロビンA1c、ウロジラチン、トロンボキサン類(例えば、トロンボキサンA2および11-デヒドロ-トロンボキサンB2)、ミトコンドリア性アデニレートキナーゼ・アイソザイム、プロMBP(好酸球主要塩基性タンパク質)、OPG(オステオプロテゲリン)、レプチン、アジポネクチン、FSAP(第VII因子活性化プロテアーゼ;特にそのいわゆるマールブルグI-変異体)、IL-6(インターロイキン-6)、MIF(マクロファージ遊走阻害因子)、CALCR(カルシトニン受容体)、グリコフォリン(特に、短縮型グリコフォリン)、成長ホルモン、プロラクチンおよびインターロイキン類、血小板因子4のようなケモカイン類、PBP(血小板塩基性タンパク質)、MIP(マクロファージ炎症性タンパク質)、インターフェロン類、TNF(腫瘍壊死因子)、ICAM(細胞内接着分子)またはVCAM(血管接着分子)のような接着分子、サイトカイン類、ならびに他のFGF(繊維芽細胞成長因子)のような成長因子である。「バイオマーカー」という表現は、例えば生命体における病理生理学的な事象の発生を示す、例えばタンパク質のような内因性の物質を意味する。
一つの実施態様において、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患のモニタリングとは、血管性、好ましくは心血管性障害のリスクを減少させる1またはそれ以上の治療剤で処置されている、患者のモニタリングを意味する。
他の実施態様において、本発明の方法は、血管性、好ましくは心血管性障害のリスクを減少させる1またはそれ以上の治療剤による治療で利益を得ると考えられる患者の同定のために用いられる。「利益を得る」とは、死亡、非致死的心筋梗塞または卒中のような有害事象を経験するリスクが減少していることであって良い。さらに、この利益は、高リスク患者の特異的な選択を介した個々の治療により最適化できる。
血管性、好ましくは心血管性障害のリスクを減少させる薬剤には、sFlt-1、抗炎症剤、抗血栓剤、抗血小板剤、線溶剤、脂質低下剤、直接トロンビン阻害剤、および糖タンパク質IIb/IIIa受容体阻害剤、が含まれる。好ましい実施態様では、薬剤はsFlt-1またはsFlt-1から誘導体化されたものである。これは例えば、組換え法により製造されたsFlt-1、その断片またはその誘導体であって良い。
抗炎症剤には、アルクロフェナク、アルクロメタゾン、ジプロピオネート、アルゲストンアセトニド、α−アミラーゼ、アムシナファル、アムシナファイド、アムフェナクナトリウム、塩酸アミプリロース、アナキンラ、アニロラク、アニトラザフェン、アパゾン、バルサラジド二ナトリウム、ベンダザク、ベノキサプロフェン、塩酸ベンジダミン、ブロメライン、ブロペラモール、ブデソニド、カープロフェン、シクロプロフェン、シンタゾン、クリプロフェン、プロピオン酸クロベタソール、酪酸クロベタゾン、クロピラク、プロピオン酸クロチカゾン、酢酸コルメタゾン、コルトドキソン、デフラザコルト、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジイソプロピオネート、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、ジフルミドンナトリウム、ジフルニザール、ジフルプレドナット、ジフタロン、ジメチルスルホキシド、ドロシノニド、エンドリゾン、エンリモマブ、エノリカムナトリウム、エピリゾール、エトドラク、エトフェナメート、フェルビナク、フェナモール、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンドザール、フェンピパロン、フェンチアザク、フェラザロン、フルアザコルト、フルフェナミン酸、フルミゾール、酢酸フルニソリド、フルニキシン、フルニキシン・メグルミン、フルオコルチンブチル、酢酸フルオロメタロン、フルカゾン、フルルビプロフェン、フルレトフェン、プロピオン酸フルチカゾン、フラプロフェン、フロブフェン、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、酢酸ハロプレドン、イブフェナク・イブプロフェン、イブプロフェンアルミニウム、イブプロフェン・ピコノール、イロニダップ、インドメタシン、インドメタシンナトリウム、インドプロフェン、インドキソール、イントラゾール、酢酸イソフルプレドン、イソキセパク、イソキシカム、ケトプロフェン、塩酸ロフェミゾール、ロルノキシカム、エタバン酸ロテプレドノール、メクロフェナム酸ナトリウム、メクロフェナム酸、ジブチル酸メクロリソン、メフェナム酸、メサラミン、メセクラゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モルニフルメート、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキソール、ニマゾン、オルサラジンナトリウム、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、塩酸パラニリン、ペントサン、ポリサルフェートナトリウム、グリセリン酸ナトリウムフェンブタゾン、ピルフェニドン、ピロキシカム、桂皮酸ピロキシカム、ピロキシカムオーラミン、ピルプロフェン、プレドナザート、プリフェロン、プロドール酸(prodolic acid)、プロカゾン、プロキサゾール、クエン酸プロキサゾール、リメキソロン、ロマザリト、サルコレックス、サルナセジン、サルサレート、サリチル酸塩、塩化サンギナリウム、セクラゾン、セルメタシン、スドキシカム、スリンダク、スプロフェン、タルメタシン、タルニフルメート、タロサレート、テブフェロン、テニダプ、テニダプナトリウム、テノキシカム、テシカム、テシミド、テトリダミン、チオピナク、ピバール酸チキソコルトール(tixocortol pivalate)、トルメチン、トルメチンナトリウム、トリクロニド、トリフルミデート、ジドメタシン、グルココルチコイド類、およびゾメピラクナトリウムを含む。
抗血栓剤および/または線溶剤には、プラスミノゲン(そのプラスミンへの変換は、プレカリクレイン、キニノゲン、XII因子、XIIIa因子、プラスミノゲン・プロアクチベーター、および組織プラスミノゲンアクチベーター[TPA])、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アニソイル化プラスミノゲン・ストレプトキナーゼアクチベーター複合体、プロウロキナーゼ(pro-UK)、rTPA(アルテプラーゼまたはアクチバーゼ;r=組換体)、rpro-UK、アッボキナーゼ、エミナーゼ、ストレプターゼ、塩酸アナグレリド、ビバリルジン、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム、塩酸ダゾキシベン、硫酸エフェガトラン、硫酸エノキサパリン、イフェトロバン、イフェトロバンナトリウム、チンザパリンナトリウム、レタプラーゼ、トリフェナグレル、ワーファリンおよびデキストラン類を含む。
抗血小板剤には、クロピドグレル、スルフィンピラゾン、アスピリン、ジピリダモール、クロフィブレート、ピリジノールカルバメート、PGE、グルカゴン、抗セロトニン剤、カフェイン、テオフィリン、ペントキシフィリン、チクロピジン、およびアナグレリドを含む。
脂質降下剤には、ゲムフィブロジル、コリスチラミン、コレスチポール、ニコチン酸、プロブコール、ロバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチンおよびシリバスタチンを含む。
直接トロンビン阻害剤には、ヒルジン、ヒルゲン、ヒルログ、アガトロバン、PPACK、トロンビンアプタマー類を含む。
糖タンパク質IIb/IIIa受容体阻害剤は抗体および非抗体の両方であって、ReoPro(R)
(アブシキシマブ)、ラミフィバン、およびチロフィバンを含み、前記の阻害剤に限定されることはない。
PlGFおよび/またはsFlt-1は免疫学的方法、例えばELISAにより検出でき、それにはまたPlGFおよび/またはsFlt-1の断片、例えばペプチド、ならびにPlGFおよび/またはsFlt-1のアイソファームおよび誘導体の検出も含む。代わりにPlGFおよび/またはsFlt-1のmRNAもまた検出できる。上記のELISAに加えて、PlGFおよび/またはsFlt-1を定量するための他の免疫化学的方法もまた、本発明に基づいて使用することができる。不均一系または均一系のサンドイッチ免疫アッセイ法は特に適しているが、競合的免疫アッセイ法も同様に定量のために使用することができる。通常、そうしたアッセイ法ではモノクローナルおよびポリクローナル抗体が特異的結合パートナーとして用いられるが、抗体の代わりに、特異的にPlGFおよび/またはsFlt-1に結合することができる他の物質(例えば、ヘプタマー)も同様に用いることができる。「抗体」という表現は、完全抗体のみを意味するのではなく、抗体の部分、誘導体または同族体もまた意味し、その例には抗体断片、例えばFab、Fv、F(ab')2、Fab'、キメラ、ヒト化、ビ−またはオリゴ特異的および単鎖抗体;さらには免疫グロブリンの凝集体、重合体および抱合体、も明示的に意味している。
免疫アッセイ法で用いられる抗体または他の特異的PlGFおよび/またはsFlt-1結合パートナーは、有孔および/または無孔で通常水不溶性材料から成る担体に結合でき、そしてこの担体は非常に変化した形態を有することができる。この担体は、容器、管状物、マイクロタイタープレート、球状物、微粒子、棒状物、薄片物、ならびに、濾紙またはクロマトグラフィーペーパーのような装置の部分であって良い。
抗体または他の特異的PlGFおよび/またはsFlt-1結合パートナーは、検出手段(標識)に結合することができ、この手段はそれ自体でシグナルを発生するかまたは、蛍光物質、放射性物質、酵素、微粒子(例えば、非染色、染色もしくはそうでなければ標識化ラテックス粒子、金ゾル粒子等)もしくは化学発光性物質、のようなシグナルの発生を誘導するか、またはこの検出方法は、検出系(例えば、アビジン−ペルオキシダーゼ複合体)においてメディエーター(例えば、ビオチン標識)として用いることができる。
1つの試験試料中でPlGFおよび/またはsFlt-1の定量化を可能にするアッセイ法の使用が、本発明の目的のために特に有利である。これは、例えば、得られる測定シグナルが免疫化学反応の終了した後別々に測定できるような、異なった検出手段に結合した(例えば、異なった波長で蛍光を発する物質へ)特異的PlGFおよび/またはsFlt-1結合パートナーを、試料中に加えることによって行うことができる。そうしたアッセイ法の特に有利な実施態様は、PlGFおよび/またはsFlt-1の濃度と相関したシグナルを測定する空間的に別個の測定方法、例えば、薬物または妊娠ホルモンの検出に原則的に用いられるような、免疫クロマトグラフィーアッセイ要素による測定に基づく。
本発明の方法の一つの実施態様において、試料および、既にアッセイ要素中に好ましくは乾燥形態で存在しているのでなければ、標識された、すなわち検出手段に結合した、抗PlGF抗体および抗sFlt-1抗体が、PlGFおよびsFlt-1を定量するためのアッセイ要素の試料適用区域へと適用される。特に好ましい標識は、例えば、染色されたラテックス粒子、コロイド状金、酵素、蛍光性物質、放射性物質または化学発光性物質である。PlGFおよび/またはsFlt-1が試料中に含有されている場合は、PlGF/抗体複合体および/またはsFlt-1/抗体複合体が形成されるだろう。それらの複合体およびなお存在する可能性のある非結合性PlGFまたはsFlt-1は、例えば毛細管現象によって、アッセイ要素の領域(検出区域)へと移動し、そこでは空間的に分離された他の抗PlGF抗体および他の抗sFlt-1抗体が、例えば2つの帯として、固定化され、またはアッセイの進行の中で固定化されるようになる(例えば、ビオチン−アビジン架橋を介して)。PlGFおよび/またはsFlt-1が試料中に含有されている場合は、標識されたPlGF/抗体サンドイッチ複合体および/または標識されたsFlt-1/抗体サンドイッチ複合体が、この検出区域の中に形成されるだろう。非結合成分は流体の流れによりアッセイ要素の他の領域へと移される。検出区域内のそれぞれのシグナルの強さは、それぞれPlGFまたはsFlt-1の試料濃度に比例して相関している。上記のサンドイッチ免疫アッセイ法は特に好ましいが、そうしたアッセイ要素を基にしたPlGFおよびsFlt-1の定量のための競合的アッセイも同様に可能である。1またはそれ以上の抗体の代わりに、PlGFまたはsFlt-1に特異的に結合することができる他の物質もまた、既に上で述べたように、使用することができる。
それゆえ本発明のさらなる課題はアッセイ要素、例えば免疫染色性アッセイ要素であり、例えば濾紙または他のクロマトグラフィー手段であって良い、試料適用区域を含み、そこに試料および、既にアッセイ要素中に好ましくは乾燥形態で存在しているのでなければ、標識された抗PlGF抗体および抗sFlt-1抗体を適用でき、そしてそこで試料適用区域は検出区域に接触し、その結果試料適用区域へ適用された流体が、例えば毛細管現象で検出区域へ到達でき、そしてそこで検出区域がPlGFおよびsFlt-1の特異的結合のために空間的に分離した領域を含み、その結果流体中に存在する可能性のあるPlGFおよびsFlt-1分子が結合できる。さらに、アッセイ要素はまた吸着区域を含むことができ、これは好ましくは検出区域に接触している高度に吸着性の材料(例えば、濾紙)からできており、その吸着区域へ液体流の非結合成分が移る。さらなる実施態様では、本発明のこのアッセイ要素はさらにシグナル強度のPlGFおよびsFlt-1試料濃度に対する相関性を、特に臨床的に重要な範囲内(好ましくはカットオフ範囲内)で、それぞれ可能または促進する手段を含む。この本発明のアッセイ要素の代替的実施態様において、使用はサンドイッチ免疫アッセイの代わりに競合的免疫アッセイから成っている。本発明の一つの実施態様で、アッセイ要素は本発明の方法を実施するために用いられる。本発明の他の実施態様では、アッセイ要素は本発明の方法を実施するために用いられる。本発明の他の実施態様では、アッセイ要素は、患者におけるアテローム硬化性病因を有する血管性疾患の、診断、リスク層化および/またはモニタリングのため、および/またはそうした疾患を発症する患者の可能性を予測するために、用いられる。1またはそれ以上の抗体の代わりに、特異的にPlGFまたはsFlt-1に結合する他の物質もまた、このアッセイ要素で、既に上で述べたように、採用することができる。
1またはそれ以上の要素を集めた試験切片であることができるアッセイ要素は、試料適用区域ならびにPlGFおよびsFlt-1の各々の検出のための検出区域を有しても良い。一つの実施態様では、アッセイ要素は2つの平行した試験切片から成っており、これは各々いくつかの要素を集めることができ、および/または試料適用区域でもしくは吸着区域で接触させて良い。一つの実施態様では、2つの別々のアッセイ要素、すなわち1つはPlGFのためにそして1つはsFlt-1のために、提供される。アッセイ要素はキットの一部であっても良い。さらなる実施態様において、アッセイ要素は本発明の方法のために使用される。
免疫化学的に測定された物質の濃度は、用いたアッセイ方法、そして特に用いた標準物質および抗体に依存するために、1つの同じ試料を用いた2つのアッセイで測定された物質の濃度は、結局は異なって良い。実施例で提供されるものとは違った本発明によるPlGFまたはsFlt-1を定量するためのアッセイを用いるという条件下で、変換係数を考慮した濃度を変換すること、または、適切な参照集合体(例えば、下の「A.患者および方法、A.患者」を参照する)を基にしたアッセイのための参照値および三分位を決定することのいずれか、そしてついで本発明によるそれらの結果を使用することが推奨される。アッセイ間の標準物質の提携(alignment)が同様に可能である。
本発明の課題はまた、本発明の方法のそれぞれのカットオフ範囲内の(特に下に示したような)PlGFおよび/またはsFlt-1の濃度を有する参照試料でもある。好ましい参照試料は、>15.6ng/lの、好ましくは>17.7ng/lの、特に好ましくは>23.3ng/lのPlGF濃度を有し、および/または<56.5ng/l、好ましくは<37.4ng/lのsFlt-1濃度を有する。また好ましいのは、15.6から23.3ng/lの範囲の、特に好ましくは10から50ng/lの範囲の、最も特に好ましくは5から100ng/lの範囲の、そしてさらにより好ましくは1から500ng/lの範囲のPlGF濃度を有する参照試料である。またさらに好ましいのは、37.4から56.5ng/lの範囲の、特に好ましくは25から100ng/lの範囲の、最も特に好ましくは10から250ng/lの範囲の、そしてさらにより好ましくは5から500ng/lの範囲のsFlt-1濃度を有する参照試料である。さらに好ましい参照試料は、実験的に決定されたカットオフ値の範囲内のPlGF濃度を有するか、または、製造者の情報により指示されたように、±25%の、特に好ましくは±50%の、そして最も特に好ましくは±100%のPlGFカットオフ値を有する。さらに好ましい参照試料は、実験的に決定されたカットオフ値の範囲内のsFlt-1濃度を有するか、または、製造者の情報により指示されたように、±25%の、特に好ましくは±50%の、そして最も特に好ましくは±100%のsFlt-1カットオフ値を有する。参照試料はまたPlGFおよび/またはsFlt-1の安定化のための薬剤、好ましくはプロテアーゼ阻害剤を含有することができる。本発明の一つの実施態様では、本発明の参照試料は、アテローム硬化性病因を有する血管性疾患の、診断、リスク層化および/またはモニタリングのため、および/またはそうした疾患を発症する患者の可能性を予測するために、用いられる。
一つの実施態様では、本発明によるキットは、分析される試料中のPlGFを定量するための少なくとも1つの手段、およびsFlt-1を定量するための少なくとも1つの手段を含み、場合によっては別々の包装単位から成り、このキットはさらに少なくとも1つの本発明による参照試料を含んでいる。参照試料は、(i)PlGF、(ii)sFlt-1または(iii)PlGFおよびsFlt-1を含むことができる。キットはまた上記の情報手段を含むこともできる。一つのキットはまた1またはそれ以上のアッセイ要素を含むことができる。
診断キットは追加の構成要素および/または付属の添加物を含むことできる。例えば、キットはアッセイ結果の解釈についての説明書、および、適用可能ならば、治療の示唆をさらに含むことができる。キットはまた1またはそれ以上のアッセイ要素を含むことができ、または1またはそれ以上のアッセイ要素から成ることができる。
本発明は、以下で、実施例を基に、添付する図面を参照して、さらに説明されるが、本発明は制限されない。
図中:
図1は、sFlt-1およびPLGFの血漿濃度間の相関性を示す。
図2は、PlGFの初期状態に関連するsFlt-1濃度、およびsFlt-1の初期濃度に関連するPlGF濃度を示す。
図3は、カプラン−メイヤーに準じて計算されたイベント率を示し、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の累積発生率が血漿中のPlGFの初期濃度に関連している(230例)。患者はPlGFの平均PlGF濃度(17.7ng/l)に従って群に分けられた。
図4は、カプラン−メイヤーに準じて計算されたイベント率を示し、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の累積発生率が血漿中のsFlt-1の初期濃度に関連している(230例)。患者は平均sFlt-1濃度(56.5ng/l)に従って群に分けられた。
図5は、sFlt-1濃度に関連した、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の発生率に関するPlGFの予知的妥当性を示している。患者は、それぞれ、PlGF濃度(<15.6;15.6-23.3;>23.3ng/l)およびsFlt-1濃度(<37.4;37.4-91.4;>91.4ng/l)に従って三分位に分けられた(230例)。
図6は、カプラン−メイヤーに準じて計算されたイベント率を示し、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の累積発生率がsFlt-1およびPlGFの最初の濃度に関連している(230例)。患者はsFlt-1およびPlGFの平均濃度に従って群に分けられた。
図7は、さらなる観察期間中に無作為化した処置に関連した、PlGFおよびsFlt-1それぞれの濃度の変化を示している。試料は開始時(基礎値)、30日後、および12ヵ月後に採取された(例数≧80)。
A.患者および方法
1.患者
この試験で調べられた患者は、既にOPTIMAAL研究(アンジオテンシンIIアンタゴニストのロザルタンによる心筋梗塞における最適化研究)に参加し、そして心筋梗塞に罹患した患者であった。このOPTIMAAL研究の企画および最も重要な結果は、既に以前に報告されている(11)。本試験では、心筋梗塞および左心室の機能障害および/または心筋梗塞の急性相の間に心不全と診断された230例の患者の群を含んでいる。患者は無作為に群に分けられ、そして適合性に基づいて、ロザルタン(1×50mg/日)またはカプトプリル(3×50mg/日)の投与群に割り当てられた。治療された両方の群の間では、最初の特性に関して実質的な差異は存在しなかった。
2.生化学的分析
血液を絶食状態の朝に患者から採取し、血液試料はEDTAを付したパイロゲン不含有真空試験管に回収した。この試験管を直ぐに氷冷水に浸し、15分間遠心分離し(1,000g、4℃、15分)、そして血漿を複数のアリコットに分けて−80℃で分析まで保存した。マーカーの測定は無作為に、すなわち割り当てられた患者の病歴および治療歴の知識なしで、フランクフルト大学の中央検査室で実施された。ELISA法を用いて、PlGF、VEGF、sFlt-1、およびsCD40リガンド(sCD40L)を測定した(全ての試薬は、R&Dシステムズ社、ブィスバーデンから得た)(7, 12, 13)。高感度C-反応性タンパク質(hsCRP)は、ベーリングBN IIネフロメーター(デード・ベーリング社、デーアフィールド、イリノイ州)を用いて測定した(14)。
3.試験のエンドポイント
本試験に関連して、各種のパラメーターで構成されたエンドポイントを決定した。このエンドポイントには、死因に無関係な総死亡率、心停止後の蘇生、非致死的心筋梗塞の再発、および卒中が含まれた。このOPTIMAAL研究の企画および構成の詳細な説明は、既に以前に報告されている(11, 15)。
4.統計的手法
ロジステック回帰モデルを、血管性イベントの相対的なリスクを測定するために用いた(16)。各バイオマーカーの平均濃度を基にして群への割り当てを行った。ロジステック回帰モデルを、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の必要性の相対的なリスクを測定するために用いた(16)。PlGF濃度およびsFlt-1濃度のそれぞれと、調べられた血管性イベントとの間の各関連性に対する初期特性および生化学的マーカーの効果を、逐次機能化ロジステック回帰モデルを用いて分析した。連続型変数について得られた全ての結果を、平均値±標準偏差で示した。群間の比較をt−試験(両側)により解析した。分類毎の変数の比較をピアソンχ2−試験で行った。p<0.05の値を統計的に有意であるとみなした。全ての分析はソフトウエアSPSS 11.5(SPSS Inc.、シカゴ、イリノイ州)を用いて実施した。
統計的パラメーターは: n=230、欠失(lacking)10;平均(PlGF)=17.7250、平均(sFlt-1)=56.5000;百分位数(percentile)=33.33333333、15.5700、37.4300、66.66666667、23.2700、91.4100である。
カプラン−メイヤーによる解析は、死亡率またはイベントを伴わない生存率における偏差を計算するための統計的標準方法を代表する。
B.結果
血漿中のsFlt-1の初期濃度は183.2±465.6ng/lの平均値(5.0から2503.4の範囲)を、および血漿中のPlGFの初期濃度は24.0±20.0ng/lの平均値(5.0から144.9の範囲)を示した。SFlt-1の血漿濃度を従来のバイオマーカーと関連づけたとき、hsCRP濃度との相関性は見られず(スペルマンによる順位相関係数r=-0.12;p=0.08)、一方、二変量解析ではsFlt-1とsCD40Lとの間に有意な逆相関を示したが、その相関係数のr=-0.17(p=0.018) は低かった。さらに、VEGF(r=-0.03;p=0.66)またはPlGF(r=0.05;p=0.44)とsFlt-1の血漿濃度との間に、それぞれ有意な相関係数は見られなかったが、sFlt-1濃度は増加したPlGF濃度を有する患者では有意に高かった(図2)。
〔実施例1〕
血管性イベントとPlGFおよびsFlt-1の血漿濃度との間の相関性
患者はバイオマーカーの平均濃度に従って分けられた。最初の特性は、高いPlGF濃度を有する患者と低いPlGF濃度を有する患者において、sFlt-1濃度だけに関して異なっていた(表1)。高いPlGF濃度の患者では、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の複合的エンドポイントに関するイベント率が、低いPlGF濃度の患者に比べて、有意に高かった(38.8% 対18.3%;p=0.001)(図3)。最も重要な血管性イベント(死亡および非致死的心筋梗塞)に関しては、高いPlGF濃度の患者ではイベント率が30.4%であり、低いPlGF濃度の患者での15.7%と比べて、差異が存在していた(オッズ比2.36 [95% CI 1.24-4.48];p=0.012)。
高いsFlt-1濃度を有する患者と低いsFlt-1濃度を有する患者では、BNP、sCD40LおよびPlGFの濃度、ECGでの新しいQ波の出現、ならびに入院期間に関して、最初の特性が異なっていた(表1)。高いsFlt-1濃度の患者では、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の組み合わされたエンドポイントに関するイベント率が、低いsFlt-1濃度の患者より低くなる傾向がみられた(22.6% 対33.9%;p=0.08)(図4)。最も重要な血管性イベント(死亡および非致死的心筋梗塞)に関しては、高いsFlt-1濃度の患者ではイベント率が19.1%であり、低いsFlt-1濃度の患者での27.0%と比べて、有意な差異は観察されなかった(オッズ比0.64 [95% CI 0.34-1.19];p=0.21)。
Figure 0004950895
〔実施例2〕
PlGFとsFlt-1との相互関係
高値のPlGF濃度の患者は同時に高値のsFlt-1濃度を示した(図2)。それにもかかわらず、両方の群のsFlt-1濃度は実質的な範囲で重複しており、このことは、驚くべきことに、高値のPlGF濃度の患者でのsFlt-1濃度の補償的増加が一致しておらず、全ての患者では観察できないことを示している。2つの上位三分位のPlGF濃度を有するがそれにもかかわらずsFlt-1濃度の増加が示されなかった(低い三分位)患者では、最も高い三分位のsFlt-1濃度を示すが同様に高値のPlGF濃度を有する患者と比較して、不都合な後遺症(adverse after-effects)がみられた(図5)。PlGF濃度がほんの少しだけ高かった場合(第二の三分位)、中程度のsFlt-1濃度の増加であっても不都合な後遺症から患者は保護されているようである。反対に非常に高値のPlGF濃度の患者(第三の三分位)では、最上位の三分位のsFlt-1濃度を有する患者のみが、有意な低いイベント率を示した。患者を、そのPlGFおよびsFlt-1濃度を基にしてそれぞれ2つの群に分けた場合、高値のsFlt-1濃度を有する患者の予知は、高値または低値のPlGF濃度を有する患者とは有意には違わなかった(図6)。したがって、PlGFおよびsFlt-1の比は、血管性イベントの予測のための有力で独立したパラメーターであり(オッズ比4.00[95% CI 2.14-7.23];p<0.001)、これはパラメーターの1つでの排他的な測定に比べて著しく優れていた。低値のPlGF濃度の患者のイベント率は14.0%であり、sFlt-1濃度には依存していなかった(p=0.95)。反対に、高値のPlGF濃度の患者のイベント率は、sFlt-1濃度が低値の場合は55.8%であったが、sFlt-1濃度が高値の場合は24.3%であった(p=0.002)。
要約すると、図6から以下のことがわかる:
(a)[PlGF=高値:sFlt-1=低値] の比は、死亡、非致死的心筋梗塞および卒中のような有害事象に関する患者の高いリスクを示唆する。
(b)反対に、PlGF値が低い場合は、sFlt-1値が高いか低いかにかかわらず、有害事象のリスクは著しく低くなる。
(c)[PlGF=低値:sFlt-1=低値]の比では、有害事象のリスクは特に低い。
(d)sFlt-1値が高い場合、PlGF値が高いか低いかにかかわらず、有害事象のリスクは著しく低くなる。
〔実施例3〕
多変数回帰分析
個別のバイオマーカーには依存しない予知の可能性をさらに調べるために、PlGFおよびsFlt-1と同時にさらなる生化学的マーカー、例えば、神経液性活性化のマーカーであるBNP、古典的な急性期タンパク質であるhsCRP、および血栓炎症活性化のマーカーであるsCD40Lからなる、逐次多変数回帰分析を行った。さらに、単変数モデルで重要な予知的意味を示す、基本的な特性を考慮した。4年間の観察期間の後で、複合的なエンドポイントから、2つの確立したリスク因子、すなわち加齢および糖尿病が、生化学的マーカーをモデルに組み込んだ後で、独立した予知的パラメーターとして見出された(表2)。マーカーのBNP (p=0.043)、sCD40L (p=0.007)、PlGF (p=0.001)、およびsFlt-1 (p=0.006) は重要でさらなる疾患の進行の独立した予知的パラメーターとして維持されたままではあるが、その一方、hsCRPは、PlGFをこのモデルに導入した後では重要性を幾分失っていた(PlGFの導入後はp=0.77)。
Figure 0004950895
〔実施例4〕
観察期間中のバイオマーカーの変化
患者の群全体から得られた試験の結果と一致して、両方の治療群(カプトプリルまたはロザルタン)間の差異は、臨床的進行に関しては見られなかった。さらに、PlGF濃度が高い患者または低い患者のいずれでもイベントの減少は観察されなかった(PlGF低値:イベント率がカプトプリル群では19%、対ロザルタン群では17.5%;p=1.00; PlGF高値:41.1%、対35.6%;p=0.57)。同様の結果がsFlt-1濃度に関しても観察され: sFlt-1高値:カプトプリル群では22.2%、対ロザルタン群では23.9%(p=1.00);sFlt-1低値:カプトプリル群では36.7%、対ロザルタン群では30.9%(p=0.56)であった。連続的な試料が入手可能な患者では(0日目、30日目および1年目;各群および各時点で例数は≧80)、PlGFおよびsFlt-1濃度の両方が観察期間中に連続して減少し、治療群間に差異はなかった(図7)。
本試験の結果は、PlGFの高い血液濃度が、心筋梗塞後の患者での血管性イベントに関連していることを示している。急性冠動脈性心疾患の患者での新しい試験(7)と一致して、血漿中のPlGF濃度の予知的重要性は、明確な病理生理学的経過を表す他のバイオマーカーには依存していない。高いPlGF濃度は、hsCRP血漿濃度から得られた情報より優れた予知的価値を提供した。多変数回帰分析により、神経液性活性化のマーカーであるB型ナトリウム利尿ペプチド、血栓炎症活性化のマーカーであるsCD40L、および血管性炎症のマーカーであるPlGFを含む各種の他の生化学的マーカーが、続く4年間での疾患のさらなる進行の独立した予知的パラメーターとして同定された。それにもかかわらず、本試験の新規で最も重要な発見は、PlGFの予知的重要性がsFlt-1により調節されることである。これらの発見は、PlGFおよびその可溶性受容体のsFlt-1の間の均衡が、唯一の公知の内因性制御因子として、急性心筋梗塞に罹患した患者でのさらなる疾患の進行を考慮して本質的な決定因子であることを示している。
高いsFlt-1濃度の理由と同時に、最近急性心筋梗塞に罹患した患者でのFlt-1発現の上位制御(up-regulate)をするシグナルは、知られていない。低酸素症はFlt-1発現を上位制御するための強力な刺激である(6, 19)。sFlt-1の大部分が、いわゆる発散(shedding)によって炎症性細胞から放出される可能性がある(3, 9, 20)。血漿中のsFlt-1濃度の増加に関与する機構とは別に、本試験の結果は、向および抗−炎症性メディエーターの間の均衡が、急性冠動脈性心疾患との関連におけるリスク層化での重要な役割を強調する(21)。
特に、これらの試験は、顕在化したアテローム性動脈硬化の進行に対抗するための新規な抗炎症戦略が開発できるとの希望をもたらす。不安定型で急激に進行する冠動脈性心疾患に罹患した患者での循環する活性PlGFの濃度を減少させる目的でsFlt-1を注入することは、高いPlGF濃度およびその阻害剤sFlt-1の低い濃度を有する患者において、特に有効であるだろう。
本試験の結果は、血管性炎症のマーカーとしての高いPlGFの血漿濃度が、特に心筋梗塞の後の患者において、続く血管性イベントの高いリスクと相関していることを示している。それにもかかわらず、予知に関する情報の価値はsFlt-1濃度に依存しており、このことはsFlt-1が、結合と不活性化を介してPlGF活性を制御しているという仮説を支持している。これらの発見は、不都合な血管性イベントに関する高いリスクを有する患者で循環するPlGFを減少させるために、sFlt-1を用いた、新規な抗炎症治療アプローチの基礎を提供できるだろう。
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sFlt-1およびPLGFの血漿濃度間の相関性を示す。 PlGFの初期状態に関連するsFlt-1濃度、およびsFlt-1の初期濃度に関連するPlGF濃度を示す。 カプラン−メイヤーに準じて計算されたイベント率を示し、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の累積発生率が血漿中のPlGFの初期濃度に関連している(230例)。患者はPlGFの平均PlGF濃度(17.7ng/l)に従って群に分けられた。 カプラン−メイヤーに準じて計算されたイベント率を示し、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の累積発生率が血漿中のsFlt-1の初期濃度に関連している(230例)。患者は平均sFlt-1濃度(56.5ng/l)に従って群に分けられた。 sFlt-1濃度に関連した、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の発生率に関するPlGFの予知的妥当性を示している。患者は、それぞれ、PlGF濃度(<15.6;15.6-23.3;>23.3ng/l)およびsFlt-1濃度(<37.4;37.4-91.4;>91.4ng/l)に従って三分位に分けられた(230例)。 カプラン−メイヤーに準じて計算されたイベント率を示し、死亡、非致死的心筋梗塞、卒中および蘇生の累積発生率がsFlt-1およびPlGFの最初の濃度に関連している(230例)。患者はsFlt-1およびPlGFの平均濃度に従って群に分けられた。 さらなる観察期間中に無作為化した処置に関連した、PlGFおよびsFlt-1それぞれの濃度の変化を示している。試料は開始時(基礎値)、30日後、および12ヵ月後に採取された(例数≧80)。

Claims (24)

  1. アテローム硬化性病因を有する血管性疾患患者において有害事象が発生する可能性を測定するためのインビトロの方法であって、以下の工程:
    (a)分析する患者の試料を準備する工程;
    (b)該試料のPlGFを定量する工程;
    (c)該試料のsFlt-1を定量する工程;
    を含そして
    (i)PlGF測定値が>15.6ng/lのPlGF参照値を超え、かつ、sFlt-1測定値が<56.5ng/lのsFlt-1参照値未満であるか;
    (ii)PlGF測定値が参照集合体の上位2つの三分位のPlGF濃度に該当し、かつ、sFlt-1測定値が参照集合体の下位の三分位のsFlt-1濃度に該当するか;または
    (iii)[PlGF:sFlt-1]の比が≧0.31である場合に、有害事象発症の可能性が高いことが示唆される前記方法。
  2. 患者が、冠動脈性心疾患、脳血管性疾患および/または末梢動脈閉塞性疾患から成る血管性疾患に罹患しているか、またはこれらの疾患に罹患しているかもしくは発症することが疑われる、請求項に記載の方法。
  3. 冠動脈性心疾患が、急性冠動脈症候群である、請求項に記載の方法。
  4. 急性冠動脈症候群が、不安定性狭心症または急性心筋梗塞である、請求項に記載の方法。
  5. 患者が、sFlt-1、抗炎症剤、抗血栓剤、抗血小板剤、線溶剤、脂質低下剤、直接トロンビン阻害剤および/または糖タンパク質IIb/IIIa受容体阻害剤から成る、1またはそれ以上の治療薬で治療されている、請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 分析する試料が、末梢性血液またはその画分である、請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 分析する試料が、血漿または血清である、請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 有害事象が、死亡、非致死性心筋梗塞および/または卒中である、請求項のいずれかに記載の方法。
  9. PlGF測定値が>17.7ng/lのPlGF参照値を超え、かつ、sFlt-1測定値が請求項に規定されたsFlt-1参照値未満である場合に、有害事象発症の可能性が高いことが示唆される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. PlGF測定値が>23.3ng/lのPlGF参照値を超え、かつ、sFlt-1測定値が請求項に規定されたsFlt-1参照値未満である場合に、有害事象発症の可能性が高いことが示唆される、請求項のいずれかに記載の方法。
  11. PlGF測定値が請求項1、9または10に規定されたPlGF参照値を超え、かつ、sFlt-1測定値が<37.4ng/lのsFlt-1参照値未満である場合に、有害事象発症の可能性が高いことが示唆される、請求項10のいずれかに記載の方法。
  12. [PlGF:sFlt-1]の比≧0.42である場合に、有害事象発症の可能性が高いことが示唆される、請求項のいずれかに記載の方法。
  13. [PlGF:sFlt-1]の比≧0.62である場合に、有害事象発症の可能性が高いことが示唆される、請求項8、12のいずれかに記載の方法。
  14. 方法が、少なくとも1つの追加のバイオマーカーの定量化を含む、請求項13のいずれかに記載の方法。
  15. 追加のバイオマーカーが、VEGF、sCD40L、PAPP-A、MPO、ミオグロビン、クレアチンキナーゼ、トロポニン、CRP、シスタチンC、ナトリウム利尿性ペプチドである、請求項14に記載の方法。
  16. 追加のバイオマーカーが、CK-MB、トロポニンI、トロポニンTおよび/またはそれらの複合体、ANB、BNPおよび/またはNT-proBNPである、請求項14または15に記載の方法。
  17. 分析する試料中においてPlGFを定量するための少なくとも1つの手段およびsFlt-1を定量するための少なくとも1つの手段を含み、場合により分離した包装単位から成る診断キットであって、このキットはさらに、PlGF濃度が>15.6ng/lであり、および/または、sFlt-1濃度が<56.5ng/lである少なくとも1つの参照試料を含み、そして場合によりさらに情報手段を含み、その情報手段には、(i)PlGF測定値が上記参照資料の濃度を超え、かつ、sFlt-1測定値が上記参照資料の濃度未満であるか、(ii)PlGF測定値が参照集合体の上位2つの三分位のPlGF濃度に該当し、かつ、sFlt-1測定値が参照集合体の下位の三分位のsFlt-1濃度に該当するか、または(iii)[PlGF:sFlt-1]の比が≧0.31である場合に、死亡、非致死性心筋梗塞および/または卒中から成る、有害事象の発症の可能性が高いことが示唆されることが示されている、上記診断キット。
  18. 参照資料のPlGF濃度が>17.7ng/lである、請求項17に記載の診断キット。
  19. 参照資料のPlGF濃度が>23.3ng/lである、請求項17または18に記載の診断キット。
  20. 参照資料のsFlt-1濃度が<37.4ng/lである、請求項1719のいずれかに記載の診断キット。
  21. 求項1〜16のいずれかに記載の方法を実施するための、請求項1720のいずれかに記載のキットの使用。
  22. 分析する試料中においてPlGFを定量するための少なくとも1つの手段およびsFlt-1を定量するための少なくとも1つの手段を含み、場合により分離した包装単位から成る診断キットであって、このキットはさらに情報手段を含み、その情報手段には、(i)PlGF測定値が>15.6ng/lのPlGF参照値を超え、かつ、sFlt-1測定値が<56.5ng/lのsFlt-1参照値未満であるか、(ii)PlGF測定値が参照集合体の上位2つの三分位のPlGF濃度に該当し、かつ、sFlt-1測定値が参照集合体の下位の三分位のsFlt-1濃度に該当するか、または、(iii)[PlGF:sFlt-1]の比が≧0.31である場合に、死亡、非致死性心筋梗塞および/または卒中から成る、有害事象発症の可能性が高いことが示唆されることが示されている上記診断キットの
    求項1〜16のいずれかに記載の方法を実施するための、使用。
  23. 試料および標識化特異的PlGF結合パートナーおよびsFlt-1結合パートナーの適用のための試料適用区域を含み、この結合パートナーは場合によりアッセイ要素中に存在し、そしてこの試料適用区域は少なくとも1つの検出区域と接触しており、そしてこの検出区域はPlGFおよびsFlt-1の特異的結合のための空間的に分離した領域を含む、アッセイ要素の、
    請求項1〜16のいずれかに記載の方法を実施するための、使用。
  24. 析する試料中においてPlGFを定量するための少なくとも1つの手段およびsFlt-1を定量するための少なくとも1つの手段を含む、免疫染色性アッセイ要素の、請求項1〜16のいずれかに記載の方法を実施するための、使用。
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