JP4950431B2 - 波長変換素子、及びその製造方法 - Google Patents

波長変換素子、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光の波長を変換する波長変換素子、及びその製造方法に関する。
従来から、発光ダイオード(以下、LEDと略す)等の励起光源から所望の色の光を得るために、励起光源からの光(以下、励起光という)を波長の異なる光(以下、波長変換光という)に変換する波長変換素子が用いられている。
このような波長変換素子としては、ある波長の光よりも短い波長の光(励起光)をある波長の光よりも長い波長の光(波長変換光)に変換する波長変換素材と、波長変換素材の入射面側に配置されて励起光を透過し、波長変換光を反射するフィルターとを備えたものが提供されている(特許文献1)。
また、透光性の基板に、励起光を半分程度透過させ波長変換光を反射する入力ミラー、励起光を波長変換光に変換する波長変換層、励起光及び波長変換光を透過させる出力ミラー、及び短波長カットフィルターを順次積層したものが提供されている(特許文献2)。
特開2004−157169号公報(第5図) 特開2000−147585号公報(第1図)
前者の波長変換素子では、励起光を透過し、波長変換光を反射するフィルターを設けることによって、波長変換素材の出射面で反射(全反射やフレネル反射)された波長変換光が波長変換素材の入射面側から放出されることを防止して、変換効率を向上するようにしている。
しかしながら、出射面で反射された波長変換光をフィルターにより反射するようにしたとしても、出射面での反射が多いと、波長変換光はフィルターと波長変換素材との間を行き来する間に失われてしまい、結果としてある程度以上の変換効率の向上を図ることができなかった。
これに対して、後者の波長変換素子では、波長変換層の出射面側に波長変換光を透過する出力ミラーを設けることによって、出射面での波長変換光の反射を低減するようにしているが、このような出力ミラーはTaとSiOとの多層膜の積層構造よりなるので、非常に高コストで、また製造に時間がかかるという新たな問題が生じていた。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、低コストで変換効率が高い波長変換素子、及びその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の波長変換素子では、励起光源から入射された励起光を所定波長の波長変換光に変換する波長変換部と、波長変換部の励起光の入射面側に設けられ励起光を透過し波長変換光を反射する反射部とを備え、透光性部材からなり波長変換光を透過する透過部が波長変換部の出射面に密着して接合され励起光と波長変換光の反射を低減する間隔の凹凸を有する反射低減部が透過部の出射面側に設けられたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、波長変換部の出射面に凹凸の反射低減部を設けるだけの簡単な構成で励起光と波長変換光の反射を低減できるから、従来のように多層膜の積層構造を設ける場合に比べて低コスト化を図ることができ、加えて、反射低減部により励起光と波長変換光の出射面での反射を低減するとともに、入射面側へ進む波長変換光を反射部により出射面側に反射するようにしているので、これらの相乗効果により反射に起因する光の損失を少なくして、変換効率を向上することができる。また、波長変換部の出射面に密着接合した透過部に反射低減部を設けているので、波長変換部にシリコン等の比較的柔らかい材料や、剛性を有するポリマー等の硬くて脆い材料等の加工や処理が困難なものを用いても、反射低減部の加工性等に影響がなく、反射低減部の加工等を安定して行うことができる。
請求項2の波長変換素子では、請求項1の構成に加えて、反射低減部の凹凸の間隔は、波長変換光の波長未満であることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、凹凸の間隔を波長変換光の波長未満としていることによって、反射低減部の有効屈折率が波長変換部の屈折率と外部の屈折率との間の値となるので、屈折率の差が小さくなるとともに、波長変換部、反射低減部、及び外部の各部間の臨界角が大きくなり、これにより、波長変換光の反射を低減できる。
請求項3の波長変換素子では、請求項1の構成に加えて、反射低減部の凹凸の間隔は、波長変換光の波長の1倍〜10倍であることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、反射低減部により波長変換光を回折して回折光を生じるようにしているので、反射低減部を設けていない場合に臨界角よりも大きな角度で入射していた波長変換光も取り出すことができるようになり、これにより波長変換光の反射を低減できる。
請求項4の波長変換素子の製造方法では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波長変換素子の製造方法であって、波長変換部を形成した後に、レーザ加工により反射低減部を形成することを特徴とする。
請求項の発明によれば、反射低減部をレーザ加工により形成するので、反射低減部の凹凸の形成を容易に行うことができ、しかも、加工作業を短時間で行えるから生産性を向上することができる。
請求項の波長変換素子の製造方法では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の波長変換素子の製造方法であって、励起光と波長変換光の反射を低減する間隔の凹凸が形成された型を用いて、反射低減部を形成することを特徴とする。
請求項の発明によれば、型を用いて反射低減部を形成するので、反射低減部の凹凸の形成を容易に行うことができ、しかも、波長変換部と同時に成形するようにすれば、工程を簡略化することができる。
本発明は、波長変換部の出射面に凹凸の反射低減部を設けるだけの簡単な構成で励起光と波長変換光の反射を低減できるので、低コスト化を図ることができるという効果があり、しかも、反射低減部により励起光と波長変換光の入射面側への反射を低減するとともに、反射部により波長変換光を出射面側へ反射するようにしているので、これらの相乗効果により反射に起因する損失を少なくして、変換効率を向上することができるという効果がある。
以下に、本発明の実施形態について図1及び図2を用いて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の波長変換素子1は、図1に示すように、たとえば青色LED等の励起光源5とともに白色光源を構成するものであり、励起光源5から入射された励起光L1を所定波長の波長変換光L2に変換する波長変換部2と、波長変換部2の励起光L1の入射面側(図1における左側)に設けられ励起光L1を透過し波長変換光L2を反射する反射部3と、波長変換部2の波長変換光L2の出射面側(図1における右側)に設けられ励起光L1と波長変換光L2の出射面での反射を低減する間隔dの凹凸を有する反射低減部4とを備えており、ここで反射低減部4の凹凸の間隔dは、波長変換光L2の波長未満としている。
波長変換部2は、たとえば、蛍光体(図示せず)が均一に分散された透光性樹脂を用いて板状に形成されている。本実施形態では、450nm程度の波長を中心とする青色光である励起光L1を元に、400nm〜700nm程度の波長を含む白色光を得るために、青色光の励起光L1を600nm程度の波長を中心とする黄色光の波長変換光L2に変換する黄色蛍光体を用いており、このような黄色蛍光体としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体等が知られている。
この波長変換部2の励起光源5からの励起光L1が入射される入射面には、反射部3が設けられている。反射部3は、たとえば、SiOとTiOの薄膜を交互に積層して構成された多層薄膜構造のものであり、励起光L1を透過し、波長変換光L2を反射する特性を有するように設定している。尚、反射部3に用いる薄膜は上記のSiOやTiOに限られるものではなく、2種類の屈折率を有する薄膜を交互に多層形成することで同様の特性を有する反射部3を形成することができる。また、無機物のみではなく、ポリマーを用いてもよい。
一方、波長変換部2の波長変換光L2が出射される出射面には、反射低減部4が設けられている。反射低減部4は、図1に示すように、前記出射面に波長変換部2の厚み方向(図1における左右方向)に沿った深さ方向において開口幅が徐々に狭くなったV溝状の凹部4aが複数並設されてなる凹凸を有し、この凹凸の間隔dは波長変換光L2の波長未満としている。
このように、凹凸の間隔(言い換えれば、凹凸の周期構造の周期)dを波長変換光L2の波長未満程度の値とした場合、外部(たとえば空気)の屈折率をn1、波長変換部2の屈折率をn2、反射低減部4において図1の上下方向における凹部4aの幅をa、そのときの波長変換部の幅をb(=d−a)とすれば、波長変換光L2のTE波に対する反射低減部4の有効屈折率<nE>は、下記の式で表すことができる。
Figure 0004950431
同様に、波長変換光L2のTM波に対する反射低減部4の有効屈折率<nM>は、下記の式で表すことができる。
Figure 0004950431
ここで、波長変換部2の屈折率n2は外部の屈折率n1よりも大きいものであるから、上記の2つの式から分かるように、反射低減部4の各有効屈折率<nE>,<nM>は、凹部4aの幅aが大きくなるにつれて、外部の屈折率n1に近付くように徐々に小さくなる。つまり、反射低減部4の各有効屈折率<nE>,<nM>が波長変換部2の屈折率n2と外部の屈折率n1との中間の値となるので、波長変換部2、反射低減部4、及び外部の各部間の臨界角がそれぞれ大きくなり、これにより、波長変換光L2の出射面での全反射を低減でき、また、屈折率の差が小さくなることによってフレネル反射が低減される。そのため、結果として光の取り出し効率が向上する。
また、光の進行方向に対する屈折率の変化が小さいほど反射を低減できるので、凹部4aの形状は尖鋭であればあるほど良く、本実施形態のように間隔dが700nm未満であれば、凹部4aの深さ寸法は、500nm以上に設定することが望ましい。
一方、このような反射低減部4によれば、波長変換光L2だけではなく励起光L1の反射も低減することができる。つまり、励起光L1の波長は、上述したように、波長変換光L2の波長が600nm程度としているのに対して、450nm程度であるから、反射低減部4の間隔dが励起光L1の波長未満であるならば、励起光L1に対しても上記の数式1及び数式2を適用することができ、波長変換光L2と同様に励起光L1の反射も低減される。また、反射低減部4の間隔dが励起光L1の波長以上、波長変換光L2の波長未満の範囲内である場合、励起光L1は波長変換部2の出射面で回折されることになり、このような回折光を用いることにより全反射角以上の反射される光を取り出すことができるようになる。回折光を用いる点については、後述の実施形態2において説明する。
以上の部材により本実施形態の波長変換素子1は構成されており、次にその動作について説明する。波長変換素子1に励起光源5から励起光L1を入射させると、励起光L1は、反射部3を透過して波長変換部2に入る。そして、励起光L1の一部は波長変換部2に分散させた蛍光体により波長変換光L2に変換されて反射低減部4から出射され、残りはそのまま波長変換部2を通って反射低減部4から出射される。このとき、反射低減部4の凹凸の間隔を波長変換光L2の波長未満の大きさとしていることにより、上述したように波長変換部2の出射面側において励起光L1と波長変換光L2の反射が起こりにくくなっている。しかも、本実施形態では、波長変換部2の厚み方向において反射低減部4の有効屈折率が徐々に変化することになるので、反射がより一層起こりにくくなっている。
ここで、波長変換光L2は蛍光体から等方的に放射される、言い換えれば蛍光体は点光源として作用するから、波長変換光L2の一部は波長変換部2の入射面側、つまり反射部3側へと放射され、また、波長変換部2の出射面側、つまり反射低減部4側へと放射された波長変換光L2であっても波長変換部2の出射面での反射によって同様に反射部3側へと戻ってしまう場合がある。このような場合でも、反射部3に波長変換光L2を反射する特性を持たせていることによって、上記のような入射面側へ進む波長変換光L2を出射面側へと反射することができる。
このようにして、波長変換素子1から励起光L1と波長変換光L2の2種類の光が出射され、これらが混ざることで、擬似的な白色光が得られることになる。
したがって本実施形態の波長変換素子1によれば、波長変換部2の出射面に凹凸の反射低減部4を設けるだけの簡単な構成で励起光L1と波長変換光L2の反射を低減できるので、従来のように高コストな多層膜の積層構造を設ける場合に比べて低コスト化を図ることができる。加えて、反射低減部4により励起光L1と波長変換光L2の出射面での反射を低減するとともに、反射部3により入射面側に進む波長変換光L2を出射面側に反射することによって、これらの相乗効果により反射に起因する光(特に波長変換光L2)の損失を少なくして、変換効率を向上することができる。また、凹凸の形状は上記のものに限られるものではなく、SIN波形状や、矩形波形状としても良く、状況に応じて好適な形状とすればよい。
次に本実施形態の波長変換素子1の製造方法について説明する。まず、蛍光体を均一に分散させた透光性樹脂を射出成形により板状として波長変換部2を形成する。この後に波長変換部2の入射面となる一面に、SiOとTiOの薄膜を交互に積層して反射部3を形成する。そして、波長変換部2の出射面となる他面に、レーザ加工により凹部4aを複数並設して、反射低減部4を形成する。以上の工程を経て図1に示す波長変換素子1が得られることになる。尚、反射部3と反射低減部4の形成順序は逆でもよい。
このように反射低減部4をレーザ加工により形成すれば、反射低減部4の凹凸の形成を容易に行うことができ、しかも、加工作業を短時間で行えるから生産性を向上することができる。ここで、レーザ加工としては、短波長レーザと、所定のパターンを形成した薄い金属板のマスクと、マスクを通過させたレーザを縮小集光して被加工物の表面に結像させる集光レンズとを用いて、被加工物の表面に所定のパターンを形成する、いわゆるマスク結像加工が知られている。また、超短パルスレーザをダイクロイックミラー等で複数本に分割し、分割したレーザをミラー等で反射して被加工物の表面あるいは内部で干渉させ、その干渉に基づく光強度分布を利用して被加工物を加工する、いわゆる干渉加工も知られている。特に、このような干渉加工では、超短パルスレーザとして、中心波長800nmでパルス幅フェムト秒程度のTi:サファイアレーザを用いて、レーザのエネルギー密度(フルエンス)と走査速度を制御することにより、所望の形状の反射低減部4を容易に形成することができる。尚、レーザとしては、エキシマレーザや、高調波の固体レーザ等のUVレーザを用いてもよい。
上記の波長変換素子1の製造方法は、レーザ加工を利用しているものであるが、波長変換素子1の製造方法はこれに限られるものではなく、反射低減部4に対応する型を用いるようにしてもよい。このような型は、電子ビーム露光によりマスター形状となる型を作成した後に、電鋳加工、或いは上述したようなレーザ加工することで形成することができる。そして、この型を用いて波長変換素子1は次のようにして形成される。まず、蛍光体を均一に分散させた透光性樹脂を射出成形により板状として波長変換部2を形成する。この射出成形時に、上記の型を用いて反射低減部4を波長変換部2と同時に形成しておく。次に、波長変換部2の入射面となる一面に、SiOとTiOの薄膜を交互に積層して反射部3を形成し、これにより、波長変換素子1が得られることになる。
このように型を用いて反射低減部4を形成すれば、反射低減部4の凹凸の形成を容易に行うことができ、しかも、波長変換部2と同時に成形することにより、レーザ加工で行う場合に比べて工程を簡略化することができる。
また、型を用いる場合、波長変換部2と同時に成形する他、波長変換部2を形成した後に、数十nmのパターン作製を可能とするナノインプリント技術(ナノインプリントリソグラフィ)等を利用して反射低減部4を形成するようにしてもよい。以下にナノインプリントリソグラフィの一例について簡単に説明する。このようなナノインプリントリソグラフィの工程は、被加工物の表面に熱可塑性樹脂のレジストを塗布する工程と、レジストを塗布した被加工物を加熱してレジストを軟化させる工程と、型をレジストに接触させて加圧することによりレジストを変形させる工程と、加圧状態を保持しつつ被加工物を冷却してレジストを硬化させる工程と、型をレジストから外す工程(このとき型の凸部に相当する部分が薄い残膜として残る)と、エッチングによりレジストの残膜を除去して被加工物の表面を露出させる工程と、このようにして得られたレジストをマスクとして被加工物の表面をエッチングする工程とを含む。また、ナノインプリントリソグラフィとしては、レジストに熱可塑性樹脂を用いる替わりに、紫外線で形状が硬化する光硬化樹脂を用いるものや、高粘性樹脂を用いるもの等が知られている。
ところで、本実施形態では、蛍光体として青色光を黄色光に変換する黄色蛍光体を用いているが、蛍光体の種類はこのような黄色蛍光体に限られるものではなく、たとえば、黄色蛍光体と橙色蛍光体の2種類の蛍光体を組み合わせて、青色光から、黄色光と橙色光の2種類の光を得るようにしてもよく、この場合は、より波長の短い方(ここでは黄色光)に合わせて反射低減部4の間隔dを決めればよい。
また、励起光源5も青色LEDに限らず、緑色LEDを用いることができ、この場合は、緑色を赤色に変換する赤色蛍光体を用ることにより、擬似的な白色光を得ることが可能である。
或いは、励起光源5として、青色LEDよりも短波長の紫の可視光線や、紫外線を放出するものを用いることができ、この場合は、蛍光体として青色、緑色、赤色の三色の蛍光体からなるRGB蛍光体を用いることで、青色LEDと黄色蛍光体とを用いるものに比べて演色性が高い白色光を得ることができる。
尚、励起光源5に用いるLED光源等と、波長変換素子2に用いる蛍光体との組み合わせは、上記のような白色光を得るための組み合わせに限らず、用途に応じて自由に組み合わせることが可能である。
(実施形態2)
上記実施形態1では、反射低減部4の凹凸の間隔dを、波長変換光L2の波長未満としているが、本実施形態では、間隔dを波長変換光L2の1倍〜10倍の範囲内で設定していることに特徴がある。尚、その他の構成については上記実施形態1と同様であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
つまり、本実施形態の反射低減部4は、上記実施形態1と同様に、波長変換部2の出射面に波長変換部2の厚み方向に沿った深さ方向において開口幅が徐々に狭くなったV溝状の凹部4aが複数並設されてなる凹凸を有し、本実施形態では、この凹凸の間隔dを波長変換光L2の1倍〜10倍の範囲内で設定している。
このように間隔dを波長変換光L2の波長の1倍以上とした場合には、上記実施形態1の有効屈折率による効果が有効に作用しなくなるが、逆に波動光学的な効果が有効に作用するようになる。つまり、間隔dを波長変換光L2の波長の1倍以上とすることで、波長変換部2の出射面で回折光を発生させ、このような回折光を用いることにより全反射角以上の反射される光を取り出すことができるようになり、結果として光の取り出し効率を向上させることができるのである。ここで、間隔dを波長変換光L2の波長の10倍を越える値とした際には、透過率が悪化することがシミュレーションにより分かっているため、間隔dの範囲は、波長変換光L2の波長の1倍〜10倍の範囲とすることが好ましい。
したがって、波長変換部2から取り出す光の波長が上述したように400nm〜700nm程度であるなら、波長変換光L2は700nmまでの波長を含むから、間隔dは、700nm〜7000nmの範囲内で設定すればよい。また、このときの凹凸の間隔dに対する凹凸の深さ(つまりは凹部4aの深さ)の比(アスペクト比)は、シミュレーション結果により0.5程度が望ましいことが分かっている。したがって、間隔dを4000nmとした際には、凹部4aの深さを2000nmとするのがよい。
一方、このような反射低減部4によれば、波長変換光L2だけではなく励起光L1の反射も低減することができる。つまり、励起光L1の波長は、上述したように、波長変換光L2の波長が600nm程度としているのに対して、450nm程度であるから、反射低減部4の間隔dを波長変換光L2の波長の1倍〜10倍の範囲とした際には、当然ながら、波長変換光L2よりも短い波長の励起光L1は、波長変換光L2と同様に波長変換部2の出射面で回折されることになり、このような回折光を用いることにより全反射角以上の反射される光を取り出すことができるようになる。
以上述べたように、反射低減部4の凹凸の間隔を波長変換光L2の1倍〜10倍の大きさとすることにより、波長変換部2の出射面での励起光L1と波長変換光L2の全反射を低減して光の取り出し効率を向上させることができる。尚、動作については上記実施形態1と略同様であるので説明を省略する。
したがって本実施形態の波長変換素子1によれば、上記実施形態1と同様に、波長変換部2の出射面に凹凸の反射低減部4を設けるだけの簡単な構成で励起光L1と波長変換光L2の反射を低減できるので、従来のように高コストな多層膜の積層構造を設ける場合に比べて低コスト化を図ることができる。加えて、反射低減部4により波長変換光L2の出射面での反射を低減するとともに、反射部3により入射面側に進む波長変換光L2を出射面側に反射するので、これらの相乗効果により反射に起因する光(特に波長変換光L2)の損失を少なくして、変換効率を向上することができる。一方、凹凸の形状は上記のものに限られるものではなく、SIN波形状や、矩形波形状としてもよいが、先端の形状はRが小さいほうがよりよい効果を得られることがシミュレーションにより分かっており、本実施形態のようにV溝状の凹部4aを形成して三角形状とするのが最も適している。
尚、本実施形態の波長変換素子1の製造方法は、上記実施形態1で述べたものと間隔dが異なる以外は同じであるから、製造方法についての説明は省略する。
(実施形態3)
ところで、上記実施形態1,2では、蛍光体を分散させた透光性樹脂から波長変換部2を形成しているが、このような透光性樹脂等の材料として、たとえば、シリコン樹脂等の比較的柔らかい(曲がりやすい)弾性材料や、剛性を有するポリマー等の硬くて脆い材料を使用した場合には、後のレーザ加工等による反射低減部4の形成が困難になり、安定した加工性や所望の構造が得られない場合があった。
本実施形態の波長変換素子1は、上記の問題を解決するためのものであり、図2に示すように、波長変換部2の出射面に、励起光L1及び波長変換光L2を透過する透過部6を密接して接合し、この透過部6に反射低減部4を設けていることに特徴を有する。その他の構成は上記実施形態1又は実施形態2と同様であるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、透過部6は、透光性部材、たとえばBK、SiO等のガラス材料製の透明基板から波長変換部2の出射面を覆う程度の大きさに形成されており、励起光L1及び波長変換光L2をそのまま透過するような特性を持たせている。そして、透過部6の波長変換部2と接合される面の反対側の面に反射低減部4を形成して、これにより反射低減部4が波長変換部2の出射面側に位置するようにしている。
以下に、一例としてレーザ加工を用いた本実施形態の波長変換素子1の製造方法について説明する。この製造方法は、蛍光体を均一に分散させた透光性樹脂を射出成形により板状として波長変換部2を形成する第1の工程と、BK、SiO等のガラス材料製の透明基板を用いて透過部6を形成する第2の工程と、第1の工程の後に波長変換部2の一面に、SiOとTiOの薄膜を交互に積層して反射部3を形成する第3の工程と、第2の工程の後に透過部6の一面に、レーザ加工により凹部4aを複数並設して、反射低減部4を形成する第4の工程と、第1、第2の工程の後に波長変換部2と透過部6との他面同士を密着させた状態で波長変換部2と透過部6とを接合する第5の工程とで構成され、これら第1〜第5の工程を経て、本実施形態の波長変換素子1が得られることになる。尚、透過部6を波長変換部2に積層するようにすれば、第5の工程を省略することができる。勿論、上述したような型による加工を利用して波長変換素子1の製造を行ってもよい。
次に本実施形態の波長変換素子1の動作について説明する。波長変換素子1に励起光源5から励起光L1を入射させると、励起光L1は、反射部3を透過して波長変換部2に入る。そして、励起光L1の一部は波長変換部2に分散させた蛍光体により波長変換光L2に変換され、残りはそのまま波長変換部2及び透過部6を通って、反射低減部4から出射される。一方、波長変換光L2も同様に波長変換部2及び透過部6を通って反射低減部4から出射される。このとき反射低減部4を設けていることにより、波長変換素子1の出射面において励起光L1と波長変換光L2の反射が起こりにくくなっており、また、たとえ反射されたとしても、反射部3により波長変換光L2を再び出射面側へ反射するようにしているので、外部への光取り出し効率が向上する。
このようにして波長変換素子1からは、励起光L1と波長変換部L2との2種類の光が出射され、これらが混ざることで、擬似的な白色光が得られることになる。
以上述べた本実施形態の波長変換素子1によれば、波長変換部2の出射面に密着接合した透過部6に反射低減部4を設けているので、波長変換部2に加工や処理が困難な材料、たとえばシリコン等の比較的柔らかい(言い換えれば剛性がない)材料や、剛性を有するポリマー等の硬くて脆い材料等を用いても、反射低減部4の加工性等に影響を及ぼさないから、反射低減部4の加工等を安定して行うことができるようになり、結果として波長変換部2の構成の自由度を増すことができる。
本発明の実施形態1の波長変換素子の概略説明図である。 本発明の実施形態3の波長変換素子の概略説明図である。
符号の説明
1 波長変換素子
2 波長変換部
3 反射部
4 反射低減部
5 励起光源
d 間隔
L1 励起光
L2 波長変換光

Claims (5)

  1. 励起光源から入射された励起光を所定波長の波長変換光に変換する波長変換部と、前記波長変換部の励起光の入射面側に設けられ励起光を透過し波長変換光を反射する反射部とを備え、
    光性部材からなり波長変換光を透過する透過部が前記波長変換部の出射面に密着して接合され
    励起光と波長変換光の反射を低減する間隔の凹凸を有する反射低減部が前記透過部の出射面側に設けられたことを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記反射低減部の凹凸の間隔は、波長変換光の波長未満であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 前記反射低減部の凹凸の間隔は、波長変換光の波長の1倍〜10倍であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波長変換素子の製造方法であって、前記波長変換部を形成した後に、レーザ加工により前記反射低減部を形成することを特徴とする波長変換素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波長変換素子の製造方法であって、励起光と波長変換光の反射を低減する間隔の凹凸が形成された型を用いて、前記反射低減部を形成することを特徴とする波長変換素子の製造方法。
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