JP2009192842A - 光導波路及び成形型。 - Google Patents

光導波路及び成形型。 Download PDF

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岳洋 新津
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久佳 森
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Tsutomu Hamada
勉 浜田
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Abstract

【課題】光損失を大きくすることなしに、ヒケや気泡の発生を抑制し、はみ出した樹脂層をできるだけ薄くすることができる光導波路及び成形型を提供する。
【解決手段】この光導波路1は、クラッド基板2と、一方に入射側反射面30、他方に出射側反射面31を有してクラッド基板2の下面2b上に硬化性樹脂から形成され、外部から入射した光信号を入射側反射面30で反射して他方に伝搬させ、光信号を出射側反射面31A〜31Dで反射して外部に出射する導波路コア3と、導波路コア3の光信号の伝搬に寄与しない非伝搬領域に接続され、導波路コア3の硬化性樹脂の未硬化時に流路として機能した流路樹脂部4とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路及び成形型に関する。
成形法による光導波路の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この光導波路の製造方法は、コアを形成するための凹溝と、凹溝の両側に形成された平坦部と、平坦部の両側に形成された窪みとを有する金型を準備し、金型の凹溝、平坦部及び窪みに跨るように紫外線硬化型の透明樹脂を滴下し、透明樹脂の上からクラッド基板を押し付けると、平坦部上の透明樹脂が充分薄くなり、余分の透明樹脂が凹溝から窪みへ逃げる。その後、紫外線を照射して透明樹脂を硬化させ、クラッド基板を脱型することにより、クラッド基板上にコアが形成された光導波路が作製される。
特開2003−172841号公報(段落[0087]、[0088]、図27)
従って、本発明の目的は、光損失を大きくすることなしに、ヒケや気泡の発生を抑制し、はみ出した樹脂層をできるだけ薄くすることができる光導波路及び成形型を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の光導波路及び成形型を提供する。
[1]基板と、一方に入射側反射面、他方に出射側反射面を有して前記基板上に硬化性樹脂から形成され、外部から入射した光信号を前記入射側反射面で反射して前記他方に伝搬させ、前記光信号を前記出射側反射面で反射して外部に出射する導波路コアと、前記導波路コアの前記光信号の伝搬に寄与しない非伝搬領域に接続され、前記導波路コアの前記硬化性樹脂の未硬化時に流路として機能した流路樹脂部とを備えた光導波路。
[2]前記出射側傾斜面は、前記光信号の伝搬方向の異なる位置に設けられた複数の段差部に形成された前記[1]に記載の光導波路。
[3]前記導波路コアは、厚さが一様な板状を有し、前記非伝搬領域が存在する前記一方の縁からの距離Lは、前記入射側傾斜面に入射する前記光信号のビーム径をd、前記光信号の入射中心から側面までの距離をs、前記光信号の開口数をNAとするとき、
L=d+(s−d/2)/tan(sin−1NA)
で定まる前記[2]に記載の光導波路。
[4]さらに、前記流路樹脂部に接続され、前記硬化性樹脂の未硬化時に前記硬化性樹脂用の樹脂溜まりとして機能する樹脂溜まり樹脂部を備えた前記[1]又は[2]に記載の光導波路。
[5]前記導波路コアは、前記基板上に並設して形成された複数の導波路コアであり、前記流路樹脂部は、前記複数の導波路コアの前記非伝搬領域に接続された前記[1]又は[2]に記載の光導波路。
[6]前記複数の導波路コアの間にそれぞれ設けられ、前記流路樹脂部に接続された構造体を備えた前記[5]に記載の光導波路。
[7]一方に入射側反射面、他方に出射側反射面を有し、外部から入射した光信号を前記入射側反射面で反射して前記他方に伝搬させ、前記光信号を前記出射側反射面で反射して外部に出射する導波路コアの形状を反転させた形状を有する凹部と、前記導波路コアの前記光信号の伝搬に寄与しない非伝搬領域に対応する前記凹部の部分に接続され、前記凹部に充填される未硬化の硬化性樹脂の流路として機能する流路部とを備えた成形型。
[8]さらに、前記流路部に接続され、前記未硬化の硬化性樹脂を貯留する樹脂溜まりを備えた前記[7]に記載の成形型。
請求項1に係る光導波路によれば、光損失を大きくすることなしに、ヒケや気泡の発生を抑制し、はみ出した樹脂層をできるだけ薄くすることができる。
請求項2に係る光導波路によれば、光分岐器として機能することができる。
請求項3に係る光導波路によれば、光損失を大きくすることなしに流路樹脂部を導波路コアに接続することができる。
請求項4に係る光導波路によれば、樹脂溜まり樹脂部を有していない構成と比較してヒケや気泡の発生をより抑制することができる。
請求項5に係る光導波路によれば、伝送帯域を向上させることができる。
請求項6に係る光導波路によれば、導波路コア間のクロストークを抑制することができる。
請求項7に係る成形型によれば、光損失を大きくすることなしに、ヒケや気泡の発生を抑制し、はみ出した樹脂層をできるだけ薄くすることができる。
請求項8に係る成形型によれば、別途樹脂溜まりを設ける必要がなく、ヒケや気泡の発生を抑制することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路の斜視図、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路の正面図である。なお、図1中、クラッド基板2、入射側光ファイバ5及び出射側光ファイバ6A〜6Dは、想像線で示す。
この光導波路1は、クラッド基板2と、クラッド基板2の下面2bに設けられた導波路コア3と、導波路コア3の光信号7の伝搬に寄与しない非伝搬領域32に接続された流路樹脂部4とを備える。ここで、「非伝搬領域」とは、導波路コア3の導光部および内部反射面のうち、伝搬光が通過または反射をせず光通信に影響を与えない領域をいう。なお、非伝搬領域の具体的な範囲については後述する。
クラッド基板2は、入射側光ファイバ5及び出射側光ファイバ6A〜6Dと光結合する上面2aと、導波路コア3が接合される上記下面2bとを備え、導波路コア3よりも低い屈折率を有するポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂材料や無機ガラス等から形成され、厚さが一様な例えば20〜200μm厚の板状を有する。
導波路コア3は、入射した光信号7を傾斜面により長手方向に反射する入射側反射面30と、長手方向に所定の間隔を有して設けられた複数の段差部にそれぞれ形成され、傾斜面により光信号7を外部に反射する複数の出射側反射面31A〜31Dと、クラッド基板2の下面2bに接合する上面3aと、下面3bと、側面3c〜3gとを備え、クラッド基板2よりも高い屈折率を有する硬化型樹脂から形成された厚さが一様な板状を有する。導波路コア3の厚さは、一般に、シングルモードの場合は、5〜20μm程度が用いられ、マルチモードの場合は、20〜200μm程度が用いられる。本実施の形態では、マルチモードを用いる。
流路樹脂部4は、導波路コア3と同一の硬化型樹脂から形成され、流路樹脂部4の硬化型樹脂の未硬化時に流路として機能する。
導波路コア3及び流路樹脂部4を構成する硬化型樹脂は、加熱によって硬化する熱硬化型樹脂や、可視光線、紫外線、電子線、放射線等のエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化型樹脂を用いることができる。本実施の形態では、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂を用いる。
(光ファイバ)
入射側光ファイバ5及び出射側光ファイバ6は、コア及びクラッドが石英ガラスから形成された石英ガラス系光ファイバ、コアが石英ガラスから形成され、クラッドがプラスチックから形成されたポリマークラッド光ファイバ、コア及びクラッドがプラスチックから形成されたプラスチック光ファイバ等を用いることができる。また、入射側光ファイバ5及び出射側光ファイバ6は、導波路コア3のモードに応じてシングルモードファイバ又はマルチモードファイバを用いる。本実施の形態では、入射側光ファイバ5にBF04433(古河電気工業製、NA=0.2、コア径/クラッド径=50/125μm)、出射側光ファイバ6にBF04434(古河電気工業製、NA=0.275、コア径/クラッド径=62.5/125μm)のマルチモードファイバを用いる。
(非伝搬領域)
図3は、流路樹脂部4が接続可能な導波路コア3の非伝搬領域を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は裏面図である。同図は、入射側光ファイバ5から入射された光信号7のビームスポット7aが導波路コア3の幅Wの中央に形成される場合を示している。同図に示す非伝搬領域(同図中斜線を施した領域)は、導波路コア3の上面3a、下面3b、側面3b、3d、及び入射側反射面30にそれぞれ形成された非伝搬領域32a〜32eからなる。導波路コア3の上面3aには、図3(a)に示すように、左右対称にほぼ台形状の非伝搬領域32aが形成され、一方の側面3cには、図3(b)に示すように非伝搬領域32cが形成され、下面3bには、図3(c)に示すように、左右対称にほぼ直角三角形状の非伝搬領域32bが形成され、入射側反射面30には、図3(c)に示すように、間隔dを有して左右に非伝搬領域32eが形成され、他方の側面3dには、図3(d)に示すように、非伝搬領域32dが形成される。本実施の形態では、流路樹脂部4は、導波路コア3の1つの側面3cに形成された非伝搬領域32cに接続されている。
非伝搬領域32a〜32eが形成される範囲は、導波路コア3の一方の縁3hから距離Lの範囲であり、その距離Lは、次式(1)で表わすことができる。
L=d+(s−d/2)/tan(sin−1NA) ・・・(1)
但し、d:入射する光信号7の導波路コア3の上面3aにおける
ビームスポット7aの直径
s:ビームスポット7aの中心から導波路コア3の側面3cまでの距離
NA:光信号7の開口数
また、流路樹脂部4の幅をWgとするとき、Wg≦Lの関係にある。
図4は、非伝搬領域の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は裏面図である。同図は、入射側光ファイバ5から入射された光信号7のビームスポット7aが導波路コア3の幅Wの一方の側面3d寄りに形成される場合を示している。同図に示す非伝搬領域(同図中斜線を施した領域)は、導波路コア3の上面3a、下面3b、側面3b、及び入射側反射面30にそれぞれ形成された非伝搬領域32a、32b、32dからなる。導波路コア3の上面3aには、図4(a)に示すように、ほぼ台形状の非伝搬領域32aが形成され、一方の側面3cには、図4(b)に示すように、非伝搬領域32cが形成され、下面3bには、図4(c)に示すように、直角三角形状の非伝搬領域32bが形成され、入射側反射面30には、図4(c)に示すように、非伝搬領域32eが形成され、他方の側面3dには、図4(d)に示すように、非伝搬領域32dが形成される。
(光導波路の製造方法)
次に、本実施の形態に係る光導波路の製造方法の一例を図5、図6を参照して説明する。
図5は、光導波路の製造に用いられる成形型としての母型10の斜視図、図6(a)〜(f)は、光導波路の製造工程の一例を示す断面図である。
(1)母型の準備
まず、図5に示す母型10を準備する。母型10は、上面10a、下面10b、側面10c〜10fからなる直方体を有し、上面10aに、図1に示す導波路コア3の形状を反転した形状を有する凹部11と、流路樹脂部4の形状を反転した形状を有する流路部12とが設けられる。
凹部11は、導波路コア3の下面3b及び側面3c〜3gにそれぞれ対応する底面11b及び側面11c〜11gを有し、導波路コア3の入射側反射面30に対応する傾斜面110、及び導波路コア3の出射側反射面31A〜31Dに対応する傾斜面111A〜111Dを有する。
流路部12は、凹状に形成されており、底面12a及び側面12b、12cを有する。
母型10は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂から射出成型によって作製してもよく、アルミニウム等の金属からなる金型により作製してもよい。また、母型10は、樹脂、金属等からなる板状素材を切削することにより凹部11及び流路部12を形成してもよく、樹脂等からなる板状素材にスタンプを押圧することにより凹部11及び流路部12を形成してもよい。
(2)紫外線硬化樹脂の注入
次に、図6(a)、(b)に示すように、導波路コア3及び流路樹脂部4の材料となる紫外線硬化樹脂300を母型10の凹部11及び流路部(図5参照)12に充填する。紫外線硬化樹脂300を充填する量は、硬化時の収縮量を考慮して、紫外線硬化樹脂300の上面が母型10の上面10aより若干上回る程度にする。
次に、図6(c)、(d)に示すように、クラッド基板2を紫外線硬化樹脂300の上から母型10の上面10aに押し付けて加圧し、紫外線硬化樹脂300を凹部11及び流路部12全体に押し広げる。なお、図6(d2)は、図6(d1)のA−A断面図である。不要樹脂分は、流路部12を通して外部に排出される。
次に、図6(e)に示すように、クラッド基板2を通して紫外線硬化樹脂300に紫外線(UV光)を照射し、紫外線硬化樹脂300を硬化させる。紫外線硬化樹脂300は、硬化するときに収縮するため、導波路コアの部分にヒケや気泡が発生するおそれがあるが、流路部12に紫外線硬化樹脂300用の樹脂溜まりを設けることにより、収縮分の樹脂が樹脂溜まりから流路部12を通して凹部11側に供給されるため、ヒケや気泡の発生を抑制することができる。
紫外線硬化樹脂300が硬化したら、図6(f)に示すように、クラッド基板2を母型10から剥離させると、クラッド基板2の下面2bに導光路コア3及び流路樹脂部4が成形された光導波路1が作製される。
(光導波路の動作)
図7は、光導波路の光信号の伝搬の様子を示す斜視図である。電気信号として、例えば、画像信号が発光素子により光信号7に変換され、入射側光ファイバ5から光導波路1に入力されると、光信号7は、クラッド基板2を透過し、導波路コア3の入射側反射面30で出射側反射面31A〜31D側に反射する。入射側反射面30で反射した光信号7は、導波路コア3の上面3a、下面3b、側面3c〜3gで反射しながら導波路コア3内を伝搬する。そして、光信号7は、4つの出射側反射面31A〜31Dで反射し、クラッド基板2を透過して出射側光ファイバ6A〜6Dに分岐して出射される。出射側光ファイバ6A〜6Dに分岐された光信号7は、受光素子により電気信号に変換され、例えば、メモリに記憶される。
(第1の実施の形態の流路樹脂部の変形例)
図8は、第1の実施の形態の流路樹脂部の変形例を示し、(a)は変形例1を示す平面図、(b)は変形例2を示す平面図、(c)は変形例3を示す平面図、(d)は変形例4を示す平面図、(e1)は変形例5を示す平面図、(e2)は変形例5を示す(e1)のB−B断面図、(f1)は変形例6を示す平面図、(f2)は変形例6を示す(f1)のC−C断面図である。なお、図8(f1)では、クラッド基板の図示を省略している。
流路樹脂部4は、第1の実施の形態に示した位置の他に、図8に示す非伝搬領域(図8中、斜線を施した領域)に接続することができる。
図8(a)に示す変形例1は、導波路コア3の側面3cの非伝搬領域32cの最も出射側反射面31A〜31D側に流路樹脂部4を接続したものである。
図8(b)に示す変形例2は、導波路コア3の側面3cの非伝搬領域32cのうち図3に示した位置と図8(a)に示した位置のほぼ中間位置に流路樹脂部4を接続したものである。
図8(c)に示す変形例3は、流路樹脂部4を入射側反射面30の非伝搬領域(図3(c)参照)32dに接続したものである。
図8(d)に示す変形例4は、流路樹脂部4が左右対称となるように、流路樹脂部4を両側面3c、3dの非伝搬領域32c、32dにそれぞれ設けたものである。
図8(e)に示す変形例5は、流路樹脂部4を導波路コア3から下方向に設けたものであり、流路樹脂部4は、導波路コア3の下面3bの非伝搬領域32bと入射側反射面30の非伝搬領域32dに跨るように設けられている。
図8(f)に示す変形例6は、流路樹脂部4を導波路コア3から上方向に設けたものであり、流路樹脂部4は、上面3aの非伝搬領域32aに設けている。この場合は、流路樹脂部4に対応する流路部12をクラッド基板2に設けている。
左右対称形状は、図8(d)の変形例4で示したが、他の変形例に適用してもよい。
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光導波路の斜視図、図10は、本発明の第2の実施の形態に係る光導波路の正面図である。なお、図9中、クラッド基板2、入射側光ファイバ5及び出射側光ファイバ6は、想像線で示す。
第1の実施の形態では、1つの入射側反射面30と4つの出射側反射面31A〜31Dとを有する導波路コア3を用いたが、本実施の形態は、1つの入射側反射面30と1つの出射側反射面31とを有する導波路コア3を用いたものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
本実施の形態の光導波路1は、クラッド基板2と、クラッド基板2の下面2bに設けられた導波路コア3と、導波路コア3の光信号7の伝搬に寄与しない非伝搬領域に接続された流路樹脂部4とを備える。非伝搬領域の概念は、第1の実施の形態と同様である。
クラッド基板2は、入射側光ファイバ5及び出射側光ファイバ6と光結合する上面2aと、導波路コア3が接合される上記下面2bとを備え、導波路コア3よりも低い屈折率を有する樹脂、ガラス等から形成された厚さが一様な板状を有する。
導波路コア3は、入射した光信号7を傾斜面により長手方向に反射する入射側反射面30と、長手方向の端部に形成され、傾斜面により光信号7を外部に反射する出射側反射面31と、クラッド基板2の下面2bに接合する上面3aと、下面3bと、側面3c、3dとを備え、クラッド基板2よりも高い屈折率を有する硬化型樹脂、例えば、紫外線硬化樹脂から形成された厚さが一様な板状を有する。導波路コア3の厚さ及び幅は、一般に、シングルモードの場合は、5〜20μm程度が用いられ、マルチモードの場合は、20〜200μm程度が用いられる。本実施の形態では、マルチモードを用いる。
(非伝搬領域)
図11は、流路樹脂部4が接続可能な導波路コア3の非伝搬領域を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。同図は、入射側光ファイバ5から入射された光信号7のビームスポット7aが導波路コア3に内接する場合を示している。同図に示す非伝搬領域(同図中斜線を施した領域)は、導波路コア3の側面3c、3dにそれぞれ形成された三角形状の非伝搬領域32c、32dからなる。流路樹脂部4は、一方の非伝搬領域32cに接続されている。
図12は、母型を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。母型10は、上面10a、下面10b、側面10c〜10fからなる直方体を有し、上面10aに、図11に示す導波路コア3の形状を反転した形状を有する凹部11と、図11に示す流路樹脂部4の形状を反転した形状を有する流路部12とが設けられる。母型10は、例えば、合成樹脂、金属等から形成される。
凹部11は、導波路コア3の下面3b及び側面3c、3dにそれぞれ対応する底面11b及び側面11c、11dを有し、導波路コア3の入射側反射面30に対応する傾斜面110、及び導波路コア3の出射側反射面31に対応する傾斜面111を有する。
流路部12は、凹状に形成されており、底面12a及び側面12b、12cを有する。
本実施の形態の光導波路1の製造方法は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
(光導波路の動作)
光導波路1の動作について図10を参照して説明する。電気信号が発光素子により光信号7に変換されて入射側光ファイバ5から光導波路1に入力されると、光信号7は、クラッド基板2を透過し、導波路コア3の入射側反射面30で出射側反射面31側に反射する。入射側反射面30で反射した光信号7は、導波路コア3の上面3a、下面3b、側面3c、3dで反射しながら導波路コア3内を伝搬する。そして、光信号7は、出射側反射面31で反射し、クラッド基板2を透過して出射側光ファイバ6に出射される。出射側光ファイバ6に出射された光信号は、受光素子により電気信号に変換される。
図13は、第2の実施の形態の流路樹脂部の変形例を示し、(a1)は変形例1を示す平面図、(a2)は変形例1を示す正面図、(b1)は変形例2を示す平面図、(b2)は変形例2を示す正面図、(c1)は変形例3を示す平面図、(c2)は変形例3を示す正面図、(d1)は変形例4を示す平面図、(d2)は変形例4を示す正面図である。なお、図13(d1)では、クラッド基板2の図示を省略している。
流路樹脂部4は、第2の実施の形態に示した位置の他に、図13に示す位置(非伝搬領域)に接続することができる。
図13(a)に示す変形例1は、流路樹脂部4を一方の側面3cの非伝搬領域32cから下方向に設けたものである。
図13(b)に示す変形例2は、流路樹脂部4を一方の側面3cの非伝搬領域32cから水平方向に設けたものである。
図13(c)に示す変形例3は、流路樹脂部4を一方の側面3cの非伝搬領域32cから水平方向に左右対称に接続したものである。
図13(d)に示す変形例4は、流路樹脂部4を一方の側面3cの非伝搬領域32cから上方向に設けたものであり、クラッド基板2に流路部12を設けている。
左右対称形状は、図13(c)の変形例3で示したが、他の変形例に適用してもよい。
[第3の実施の形態]
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。この光導波路1は、クラッド基板2と、クラッド基板2の下面2bに設けられた複数の導波路コア3と、複数の導波路コア3間を導波路コア3の非伝搬領域で接続するとともに、両側に位置する導波路コア3の非伝搬領域に接続された流路樹脂部4とを備える。
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D断面図である。母型10は、上面10a、下面10b、側面10c〜10fからなる直方体を有し、上面10aに、図14に示す複数の導波路コア3の形状を反転した形状を有する凹部11、流路樹脂部4の形状を反転した形状を有する流路部12とが設けられ、樹脂、金属等から形成される。本実施の形態の光導波路1の製造方法は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
[第4の実施の形態]
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。この光導波路1は、クラッド基板2と、クラッド基板2の下面2bに設けられた複数の導波路コア3と、樹脂溜まり樹脂部8と、複数の導波路コア3間及び導波路コア3と樹脂溜まり樹脂部8とを導波路コア3の非伝搬領域で接続する流路樹脂部4とを備える。
図17は、本発明の第4の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E断面図である。母型10は、上面10a、下面10b、側面10c〜10fからなる直方体を有し、上面10aに、図16に示す複数の導波路コア3の形状を反転した形状を有する凹部11と、流路樹脂部4の形状を反転した形状を有する流路部12と、樹脂溜まり樹脂部8の形状を反転した形状を有する樹脂溜まり13が設けられ、樹脂、金属等から形成される。
図18は、第4の実施の形態の製造工程のうち紫外線を照射する工程を説明するための平面図である。本実施の形態の光導波路1の製造方法は、紫外線を照射する工程を除き、第1の実施の形態と同様である。図6(e)に示す紫外線照射工程において、本実施の形態では、図18に示すように、樹脂溜まり13が設けられた側と反対側から樹脂溜まり13が設けられた側に向かって徐々に紫外線硬化樹脂に紫外線(UV光)を照射する。これにより、凹部11内の紫外線硬化樹脂が硬化する際、収縮分の紫外線硬化樹脂300が樹脂溜まり13から出射側反射面31Dに向かって供給され易くなる。また、余剰樹脂が母型10の上面10aとクラッド基板2の下面2bとの間に洩れずに凹部11から樹脂溜まり13に排出され易くなる。
[第5の実施の形態]
図19は、本発明の第5の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。この光導波路1は、クラッド基板2と、クラッド基板2の下面2bに設けられた複数の導波路コア3と、複数の導波路コア3の周囲に形成された構造体9と、構造体9と複数の導波路コア3を導波路コア3の非伝搬領域で接続する流路樹脂部4とを備える。
構造体9のうち導波路コア3間に位置する部分9aは、クロストークを抑制する上で、導波路コア3と同等以上の厚みを有していることが好ましい。構造体9の当該部分9aは、導波路コア3の長手方向の両端で接続されているが、一方の側のみで接続されていてもよい。
図20は、本発明の第5の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F断面図である。母型10は、上面10a、下面10b、側面10c〜10fからなる直方体を有し、上面10aに、図19に示す複数の導波路コア3の形状を反転した形状を有する凹部11と、構造体9の形状を反転した形状を有する構造体形成部14と、流路樹脂部4の形状を反転した形状を有する流路部12とが設けられ、合成樹脂、金属等から形成される。本実施の形態の光導波路1の製造方法は、第4の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
構造体形成部14は、樹脂溜まりの機能をも有する。
(参考例1)
図21(a)〜(c)は、参考例1の光導波路の製造方法を示し、(a1)は平面図、(a2)は正面図、(b)、(c)は正面図である。図21(a)に示すように、母型10の凹部11及び流路部12に紫外線硬化樹脂300を充填して紫外線硬化樹脂300の上からクラッド基板2を押し当て、紫外線硬化樹脂300に紫外線を照射して硬化させた後、図21(b)に示すように、クラッド基板2を母型10から剥離する。次に、図21(c)に示すように、硬化した紫外線硬化樹脂300の両端をダイシングソー等を用いて図21(b)に示す切断線30a,31aに沿って流路樹脂部4とともに削除すると、入射側反射面30及び出射側反射面31を有し、流路樹脂部4を有していない光導波路1が作製される。
(参考例2)
図22は、参考例2の光導波路の製造方法を示し、(a1)はクラッド基板を下面側から見た平面図、(a2)は(a1)のG−G断面図、(b1)はクラッド基板を下面側から見た平面図、(b2)、(b1)のH−H断面図である。
図14に示す光導波路1は、余剰樹脂がクラッド基板2の下面2bと母型10の上面10aとの間に、図22(a1)、(a2)に示すように、余剰樹脂301が生じる場合がある。余剰樹脂301が生じた場合は、図22(b1)、(b2)に示すように、余剰樹脂切除領域302に形成されていた余剰樹脂301を除去してもよい。また、余剰樹脂301を除去するときに、クラッド基板2の下面2bに設けた加工マーク20を目印にしてもよい。
(参考例3)
図23は、参考例3の光導波路の製造方法を示し、クラッド基板を下面側から見た平面図である。参考例2では、帯状に余剰樹脂301を除去したが、この参考例3は、導波路コア3の周辺全体の余剰樹脂301を除去したものである。
参考例1〜3は、上記各実施の形態に適用することができる。例えば、参考例2又は3を第5の実施の形態に適用して、構造体9の導波路コア3間の部分9aと導波路コア3を残すように余剰樹脂301を除去してもよい。
図24は、本発明の実施例1を示す導波路コアの平面図である。なお、同図中の数値は、mm単位を示す。導波路コア3は、幅0.2mm、厚さ0.05mm、長さ20.05mmを有する。入射側反射面30は、0.05×0.2mm、出射側反射面31A〜31Dは、0.05×0.05mmのサイズを有する。導波路コア3のピッチは、0.25mm、反射面30、31A〜31Dのピッチは、5mmである。流路樹脂部4の断面のサイズは、0.03×1mmである。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲内で種々な変形が可能であり、各実施の形態間の構成要素の組合せは任意に行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路の正面図である。 図3は、流路樹脂部が接続可能な導波路コアの非伝搬領域を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は裏面図である。 図4は、非伝搬領域の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は裏面図である。 図5は、光導波路の製造に用いられる成形型としての母型の斜視図である。 図6A(a)〜(c)は、光導波路の製造工程の一例を示す断面図である。 図6B(d)〜(f)は、光導波路の製造工程の一例を示し、(d1)は断面図、(d2)は、(d1)のA−A断面図、(e)、(f)は、断面図である。 図7は、光導波路の光信号の伝搬の様子を示す斜視図である。 図8は、第1の実施の形態の流路樹脂部の変形例を示し、(a)は変形例1を示す平面図、(b)は変形例2を示す平面図、(c)は変形例3を示す平面図、(d)は変形例4を示す平面図である。 図8は、第1の実施の形態の流路樹脂部の変形例を示し、(e1)は変形例5を示す平面図、(e2)は変形例5を示す(e1)のB−B断面図、(f1)は変形例6を示す平面図、(f2)は変形例6を示す(f1)のC−C断面図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係る光導波路の正面図である。 図11は、流路樹脂部が接続可能な導波路コアの非伝搬領域を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図13は、第2の実施の形態の流路樹脂部の変形例を示し、(a1)は変形例1を示す平面図、(a2)は変形例1を示す正面図、(b1)は変形例2を示す平面図、(b2)は変形例2を示す正面図、(c1)は変形例3を示す平面図、(c2)は変形例3を示す正面図、(d1)は変形例4を示す平面図、(d2)は変形例4を示す正面図である。 図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。 図15は、本発明の第3の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D断面図である。 図16は、本発明の第4の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。 図17は、本発明の第4の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E断面図である。 図18は、第4の実施の形態の製造工程のうち紫外線を照射する工程を説明するための平面図である。 図19は、本発明の第5の実施の形態に係る光導波路の斜視図である。 図20は、本発明の第5の実施の形態に係る母型を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F断面図である。 図21(a)〜(c)は、参考例1の光導波路の製造方法を示し、(a1)は平面図、(a2)は正面図、(b)、(c)は正面図である。 図22は、参考例2の光導波路の製造方法を示し、(a1)はクラッド基板を下面側から見た平面図、(a2)は(a1)のG−G断面図、(b1)はクラッド基板を下面側から見た平面図、(b2)、(b1)のH−H断面図である。 図23は、参考例3の光導波路の製造方法を示し、クラッド基板を下面側から見た平面図である。 図24は、本発明の実施例1の導波路コアを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
符号の説明
1 光導波路
2 クラッド基板
2a 上面
2b 下面
3 導光路コア
3a 上面
3b 下面
3c〜3g 側面
3h 縁
4 流路樹脂部
5 入射側光ファイバ
6,6A〜6D 出射側光ファイバ
7 光信号
7a ビームスポット
8 樹脂溜まり樹脂部
9 構造体
9a 構造体の部分
10 母型
10a 上面
10b 下面
10c〜10f 側面
11 凹部
11b 底面
11c〜11g 側面
111A〜111D 傾斜面
12 流路部
12a 底面
12b 側面
13 樹脂溜まり
14 構造体形成部
20 加工マーク
30 入射側反射面
31,31A〜31D 出射側反射面
32,32a〜32e 非伝搬領域
110 傾斜面
111 傾斜面
300 紫外線硬化樹脂
301 余剰樹脂
302 余剰樹脂切除領域

Claims (8)

  1. 基板と、
    一方に入射側反射面、他方に出射側反射面を有して前記基板上に硬化性樹脂から形成され、外部から入射した光信号を前記入射側反射面で反射して前記他方に伝搬させ、前記光信号を前記出射側反射面で反射して外部に出射する導波路コアと、
    前記導波路コアの前記光信号の伝搬に寄与しない非伝搬領域に接続され、前記導波路コアの前記硬化性樹脂の未硬化時に流路として機能した流路樹脂部とを備えた光導波路。
  2. 前記出射側傾斜面は、前記光信号の伝搬方向の異なる位置に設けられた複数の段差部に形成された請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記導波路コアは、厚さが一様な板状を有し、
    前記非伝搬領域が存在する前記一方の縁からの距離Lは、前記入射側傾斜面に入射する前記光信号のビーム径をd、前記光信号の入射中心から側面までの距離をs、前記光信号の開口数をNAとするとき、
    L=d+(s−d/2)/tan(sin−1NA)
    で定まる請求項2に記載の光導波路。
  4. さらに、前記流路樹脂部に接続され、前記硬化性樹脂の未硬化時に前記硬化性樹脂用の樹脂溜まりとして機能する樹脂溜まり樹脂部を備えた請求項1又は2に記載の光導波路。
  5. 前記導波路コアは、前記基板上に並設して形成された複数の導波路コアであり、
    前記流路樹脂部は、前記複数の導波路コアの前記非伝搬領域に接続された請求項1又は2に記載の光導波路。
  6. 前記複数の導波路コアの間にそれぞれ設けられ、前記流路樹脂部に接続された構造体を備えた請求項5に記載の光導波路。
  7. 一方に入射側反射面、他方に出射側反射面を有し、外部から入射した光信号を前記入射側反射面で反射して前記他方に伝搬させ、前記光信号を前記出射側反射面で反射して外部に出射する導波路コアの形状を反転させた形状を有する凹部と、
    前記導波路コアの前記光信号の伝搬に寄与しない非伝搬領域に対応する前記凹部の部分に接続され、前記凹部に充填される未硬化の硬化性樹脂の流路として機能する流路部とを備えた成形型。
  8. さらに、前記流路部に接続され、前記未硬化の硬化性樹脂を貯留する樹脂溜まりを備えた請求項7に記載の成形型。
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