JP4949067B2 - 物干し - Google Patents

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Description

本発明は、物干しに関する。
従来から、内外一対の脚部材どうしの長手方向途中を横軸を介して連結し、内外両脚部材間に物干し部(例えば物干し棚)を回動自在に差渡して、横軸回りに両脚部材を開いた使用状態と、横軸回りに両脚部材を畳んだ格納状態とに切替え自在に構成した物干しが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記物干しでは、使用状態において物干し部が物干し可能な使用姿勢となるよう回動し、格納状態では両脚部材を畳むのに応じて物干し部が畳まれる格納姿勢となるよう構成されており、物干し部を使用姿勢に保持する保持部が、内外に突出するよう設けられ、両脚部材の格納状態では、両脚部材はその一部どうしが前後に重なるよう構成されている。
特開2005−143671号公報
上記従来の物干しでは、保持部が内外に突出するよう設けられ、格納状態の両脚部材はその一部どうしが前後に重なるよう構成されているから、格納状態から使用状態に脚部材どうしを横軸回りに回動させて開く際には、その回動方向は一方のみの方向になる。すなわち、両脚部材どうしは他方には開くことはできない構成となっているから、その分だけ使用に際して使い勝手が悪いという課題があった。
そこで本発明は、脚部材どうしの開脚方向を気にすることなく格納状態から使用状態とすることができて、使い勝手が良好である物干しの提供を課題とする。
本発明は、内外側一対の脚部材どうしの長手方向途中が幅方向の横軸を介して連結されて両脚部材どうしが横軸回りに交差角度を可変可能に設けられ、両脚部材間に物干し部が連結され、脚部材が該両脚部材どうしを横軸回りに相対的に回動させて畳んだ閉脚状態と横軸回りに相対的に回動させて開いた開脚状態とに切替え自在とされ、開脚状態において物干し部を物干し可能な使用姿勢に保持する係止手段が設けられ、両脚部材を開脚状態から閉脚状態とする動作に応じて係止手段が解除されて物干し部が両脚部材とともに畳まれる格納姿勢となるよう構成された物干しであって、両脚部材が横軸回りに一方向から閉じられて一の開脚状態から閉脚状態となり物干し部が一の使用姿勢から格納姿勢となった状態で内側の脚部材が外側の脚部材に重なり物干し部が内側の脚部材に重なって両脚部材および物干し部が同一平面内に収まるよう構成され、しかも、両脚部材および物干し部が同一平面内に収められた後に両脚部材を閉脚状態から一の開脚状態にする回動方向とは逆方向となる横軸回りに他方向へ相対的に回動して両脚部材がそれぞれ開く方向が一の開脚状態とは逆方向となって他の開脚状態とすることが可能に構成され、他方向へ両脚部材を相対的に回動させて他の開脚状態とすることで物干し部が前記一の使用姿勢の向きとは逆向きとなる他の使用姿勢となって係止手段で保持されるよう構成されていることを特徴としている。
上記構成において、物干しを使用しない場合に、両脚部材を横軸回りに相対的に一方向から閉じると、両脚部材が一の開脚状態から閉脚状態となるとともに、係止手段が解除されて物干し部が一の使用姿勢から格納姿勢となって、内側の脚部材、外側の脚部材、および物干し部が同一平面内に収められる。
内側の脚部材、外側の脚部材、および物干し部が同一平面内に収められた状態から両脚部材を横軸回りに他方向へ相対的に回動すると両脚部材が他の開脚状態となり、両脚部材を他の開脚状態とすることで物干し部が他の使用姿勢となるとともに係止手段で物干し部が他の使用姿勢に保持される。
このように、一方向または他方向から両脚部材を相対的に横軸回りに回動させて、例えば外側の脚部材を中心に考えた場合に外側の脚部材のどちら側にでも内側の脚部材を回動させてしかも物干し部は何れの脚部材の状態であっても使用姿勢となるから、物干し作業のために物干し部を使用姿勢とする際に、使用者は物干しの脚部材を開く方向性を考慮する必要がないから、使い勝手が向上する。
本発明の物干しは、側の脚部材の長手方向長さが外側の脚部材の長さに比べて短く設定され、物干し部は枠体で囲まれる棚状に形成され、枠体の側部途中と内側の脚部材の上端部が支軸を介して回動自在に連結され、枠体の側部端部と外側の脚部材とが横軸よりも上側で別の支軸を介して回動自在に連結されるとともに、該別の支軸を外側の脚部材の長手方向に沿って案内する案内溝が、枠体の外側面または外側の脚部材の内側面に形成されていることを特徴としている。
上記構成において、両脚部材を横軸回りに相対的に閉じるよう回動させると、係止手段が解除され、支軸および別の支軸回りに物干し部が閉じられるように回動するとともに、別の支軸が案内溝に案内されて物干し部が両脚部材に沿うように倒れて、両脚部材および物干し部が同一平面に収められる。
本発明の物干しでは、両脚部材が同一平面内に収まった状態を保持するとともに、両脚部材を横軸回りに相対的に回動することに伴って保持が解除される保持手段が設けられていることを特徴としている。
上記構成において、保持手段によって両脚部材が同一平面内に収まった状態が保持され、両脚部材を横軸回りに相対的に回動する動作に伴って保持手段が解除される。
保持手段としては、保持手段に備えられた保持具の回動動作、弾性変形・弾性復元、出退動作等によって両脚部材が同一平面内に収まった状態を保持・解除する構成のものが考えられ、内側の脚部材の外側面、あるいは外側の脚部材のない側面に係止(嵌合を含む)するものが考えられる。
本発明の物干しでは、保持手段として、外側の脚部材の内側面に対して出退自在に設けられた磁石を有し、該磁石は両脚部材が同一平面内に収まった状態で内側の脚部材の磁性に吸着されることで突出するものであることを特徴としている。
上記構成によれば、磁石は、両脚部材が同一平面内に収まった状態で突出してその磁力によって両部材の状態を保持し、両脚部材が同一平面内に収まった状態にない場合では後退しているから、邪魔になることがない。
本発明の物干しでは、係止手段は、別の支軸および別の支軸が当接する案内溝の端面とから構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、特別な部材を設けることなく、別の支軸を利用してこれが案内溝の端面に当接することで、物干し部の使用姿勢が保持される。
本発明の物干しでは、両脚部材の開脚状態および物干し部の使用姿勢において、外側の脚部材の上杆にハンガーを吊持可能とされるとともに、上杆と物干し部の枠体との間に水平方向に投影して、前記ハンガーに掛けた衣類等の略片身が収めされるスペースが設けられることを特徴としている。
上記構成において、物干し部とは別に衣類等を吊持することが可能であるから、ひとつの物干しで多彩な使用が可能となり、利便性が向上する。
本発明の物干しでは、外側の脚部材の上杆に幅方向に伸縮自在な掛け杆が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、掛け杆を使用しないときは上杆側に後退させておき、掛け杆を伸張させることでその分だけ多くの物を干すことが可能になるから、邪魔にならず、しかも利便性が向上する。
本発明の物干しでは、内側の脚部材の下部に、キャスターが設けられたことを特徴としている。
上記構成によれば、両脚部材を開脚状態として、物干し部、あるいは外側の脚部材を把持して、物干しを内側の脚部材の下部のみで床面等に支持させるよう傾斜させることにより、キャスターの転動で物干しを所望の位置に移動させることが可能となるから、使い勝手がよい。
本発明の物干しによれば、一方向または他方向から両脚部材を相対的に横軸回りに回動させて、外側の脚部材のどちら側にでも内側の脚部材を回動させてしかも物干し部は何れの脚部材の状態であっても使用姿勢となるから、物干し作業のために物干し部を使用姿勢とする際に、使用者は物干しの脚部材を開く方向性を考慮する必要がなく、したがって使い勝手が良い。
以下、本発明の実施形態に係る物干しの実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の物干しの全体構成を示す概略斜視図、図2は物干しの使用状態を示す側面図、図3は正面図、図4は折畳んだ状態の側面図、図5は保持手段の構成を示す断面図、図6はキャスター部分の斜視図、図7は内フレームおよび外フレームと物干し棚との取付け状態を示す拡大斜視図、図8は掛け杆部分の構成を示す拡大斜視図である。
図1ないし図4に示すように、本発明の実施形態に係る物干し1は、外側の脚部材としての矩形の外フレーム2と、内側の脚部材としての内フレーム3と、外フレーム2と内フレーム3との間に連結された物干し部としての物干し棚4とを有する。
外フレーム2は、幅方向左右両側に一対で互いに平行な側部外杆部材5,6と、側部外杆部材5,6の上端部どうしに一体に渡された上杆部材7と、側部外杆部材5,6の下端部どうしに一体に渡されて上杆部材7と平行な外下杆部材8とを有する。これら側部外杆部材5,6、上杆部材7、および外下杆部材8はそれぞれ中抜きの断面略矩形に形成されている。
使用者が把持した際に手指に違和感がないよう、上杆部材7の上面は断面円弧状に形成されている。また、床面を傷付けることのないよう、外下杆部材8の下面は断面略円弧状に形成されて、しかも外下杆部材8の表面は樹脂材でカバーされている。
側部外杆部材5,6はその対向面に側部外杆部材5,6の長手方向に沿う案内溝10がそれぞれ形成されている。この案内溝10は、側部外杆部材5,6の長手方向中間位置よりも上方に配置されており、しかも側部外杆部材5,6の上端部には至らない長さに設定されている。
案内溝10の下端壁面11および上端壁面12はそれぞれ円弧状に形成されている。
側部外杆部材5,6の上面は円弧状に形成されており、側部外杆部材5,6の上端部と上杆部材7の幅方向端部との関係は、側部外杆部材5,6の上端部の内面に上杆部材7の幅方向端面が重なるようにして一体化され、側部外杆部材5,6の上面と上杆部材7の上面とは面一となっている。
なお、側部外杆部材5,6の上端部外面には、幅方向内方に凹となる円柱状の上凹部13が形成されている。
側部外杆部材5,6の上端部の幅方向両端部に、挿通穴14が形成されており、側部外杆部材5,6の上端部の幅方向両端部には、幅方向に出退することで伸縮自在となる掛け杆15がそれぞれ設けられている。掛け杆15は薄型円板状の摘み部16と、挿通穴14に挿通されるとともに側部外杆部材5,6の上端部および上杆部材7の幅方向端部を挿通してこれらに摺動自在に案内される掛け部17と、上杆部材7の幅方向端部内にあって掛け部17の抜止めをするための薄型円板状のストッパ18とから構成されている(図8参照)。
上杆部材7の幅方向端部には、掛け部17を最大限に引出した際にストッパ18に幅方向で係止する不図示の係止部が設けられている。なお、掛け部17は断面円筒状に形成されている。また、掛け杆15は、これを縮めた状態でその摘み部16が上凹部13に収納されるようになる。
図5に示すように、外下杆部材8の上面8aは平面に形成されており、この平面から長手方向に出退自在に永久磁石20が設けられている。永久磁石20は円柱状に形成されており、その下部に永久磁石20よりも大径の基部21が一体に設けられている。永久磁石20は、その後退時には外下杆部材8の上面8aに形成された出退孔22に内嵌(遊嵌)してその上面と外下杆部材8の上面8aとが面一となるよう基部21が外下杆部材8に内装されている。
永久磁石20はその突出時には、基部21の上面が外下杆部材8の裏面に当接することで抜止めされる構成となっている。
基部21は外下杆部材8の内を幅方向で仕切る仕切り板23によって仕切られた収納空間24に、上下方向(長手方向)に移動自在に収納されている。
永久磁石20は、外フレーム2および内フレーム3が同一平面内に収まった状態を保持するとともに、外フレーム2および内フレーム3を横軸28回りに相対的に回動することに伴って保持が解除される保持手段を構成する部材として用いられるものである。
永久磁石20は、外フレーム2および内フレーム3が同一平面内に収まった状態で内フレーム3の磁性に長手方向外方から長手方向内方に向けて吸着されることで突出して、内フレーム3の後述する内下杆部材27に磁力的に接触するものである。
内フレーム3は、幅方向左右両側に一対で互いに平行な側部内杆部材25,26と、側部内杆部材25,26の下端部どうしに一体に渡されて上杆部材7、外下杆部材8と平行な前記内下杆部材27とを有する。これら側部内杆部材25,26、および内下杆部材27は、それぞれ中抜きの断面略矩形に形成されている。
なお、床面を傷付けることのないよう、内下杆部材27の下面は断面略円弧状に形成されて、しかも内下杆部材27の表面は樹脂材でカバーされている。
内フレーム3は、その側部内杆部材25,26が外フレーム2の側部外杆部材5,6に横軸28を介して回動自在に連結されている。内フレーム3はその側部内杆部材25,26の上部寄りの部分が横軸28に連結されている。この構成により、外フレーム2および内フレーム3は横軸28回りに、側面視してX字状となるよう相対的に回動した開脚状態Aと、外フレーム2の内側に内フレーム3が同一平面内に収まるよう重なる閉脚状態Bとに切替え自在な構成となっている。すなわち、外フレーム2および内フレーム3は横軸28回りに相対的に回動することで両者の交差角度θを変更可能に構成されている。
なお、横軸28は外フレーム2の側部外杆部材5,6の内面および内フレーム3の側部内杆部材25,26の外面にそれぞれ形成された不図示の支持孔に回動自在に挿通され、外フレーム2の側部外杆部材5,6の内面および内フレーム3の側部内杆部材25,26の外面に渡すように設けられている。
しかし、外フレーム2または内フレーム3の何れか一方に固定されるもので、他方のフレームを回動自在に支持するものであってもよい。何れにしても、外フレーム2と内フレーム3とが横軸28回りに相対的に回動可能であってX字状の開脚状態Aと同一平面内に収まるよう重なる閉脚状態Bとし得る構成であればよい。
図6に示すように、内フレーム3の内下杆部材27の幅方向両端部には、幅方向内方に凹となる下凹部30が形成されており、内下杆部材27よりも大径で下凹部30に収納されて転動可能な転動車31aを有するキャスター31が取付けられている。
キャスター31の転動車31aは、内下杆部材27よりも大径であるが、外フレーム2および内フレーム3が同一平面内に収まる閉脚状態Bとするために、横軸28から外フレーム2の外下杆部材8の上面8aまでの距離L1は、横軸28から内フレーム3のキャスター31下端までの距離L2に比べてわずかに大きく設定されている。
外フレーム2および内フレーム3の閉脚状態Bにおいて、外フレーム2の外下杆部材8の上面8aと内フレーム3の内下杆部材27の下面との間には、永久磁石20が内フレーム3の内下杆部材27の磁性によって吸引されることで突出可能なようにわずかな隙間32が設けられる構成となっている。
物干し棚4は、外フレーム2の長手方向に沿うように長い棚フレーム33を有する。棚フレーム33は、幅方向に対で設けられて互いに平行な一対の側部棚杆部材34,35と、側部棚杆部材34,35にその長手方向それぞれの側で差渡すように連結された上棚杆部材40および下棚杆部材41から構成される。棚フレーム33は中抜きの略矩形断面に形成される。上棚杆部材40の上面は円弧状に形成されており、下棚杆部材41の下面は円弧状に形成されている。
側部棚杆部材34,35は、上棚杆部材40および下棚杆部材41の幅方向端面に対して幅方向内方に位置ずれして配置されている。側部棚杆部材34,35の間に、断面中抜き円形の複数本のタオル掛け42が、側部棚杆部材34,35に平行に、且つ幅方向に間隔を置いて配置されている。これらタオル掛け42は、その上下端部がそれぞれ上棚杆部材40および下棚杆部材41の対向面のそれぞれに貫通するようにして取付けられている。
なお、側部棚杆部材34,35は内フレーム3の側部内杆部材25,26に平行である。また、上棚杆部材40および下棚杆部材41は外フレーム2の上杆部材7と平行である。
図7に示すように、物干し棚4は、その上端部である上棚杆部材40の側部が、外フレーム2の側部外杆部材5,6の内面に、横方向の支軸43(別の支軸に相当する)を介して該支軸43回りに回動自在に連結されている。物干し棚4の上端部と外フレーム2の側部外杆部材5,6とは相対的に支軸43回りに回動自在とされている。
この場合、支軸43は物干し棚4側から外フレーム2に突出するように設けられており、支軸43の先端は、前記案内溝10に摺動自在に且つ回動自在に嵌合されている。なお、支軸43は円柱状に形成されている。
物干し棚4の上棚杆部材40の下面の端部から下棚杆部材41に向けて、すなわち長手方向に向けて側部棚杆部材34,35と平行に延設するように延設杆部材45の基端部が固定されている。物干し棚4の側部棚杆部材34は、その途中が内フレーム3の上端部に支軸44を介して回動自在に連結されている。
さらに詳述すると、延設杆部材45の先端に、支軸44を貫通して支持する棚側支持片46が設けられ、内フレーム3の側部内杆部材25,26の上端部に、棚側支持片46と同一形状のものを相対使いしたフレーム側支持片47が設けられている。
棚側支持片46は幅方向外側の半円板状部50と、半円板状部50の幅方向内側に一体的に設けられて、且つ長手方向に長い延設部52とから形成されており、延設部52は長手方向に長い矩形の矩形板状部54と、その先端に設けられて支軸44が貫通する半円板状の軸貫通部56とから一体的に形成されている。
したがって、フレーム側支持片47は、幅方向内側の半円板状部51と、半円板状部51の幅方向外側に一体的に設けられて、且つ長手方向に長い延設部53とから形成されており、延設部53は長手方向に長い矩形の矩形板状部55と、その先端に設けられて支軸44が貫通する半円板状の軸貫通部57とから一体的に形成されている。そして、両軸貫通部56,57は支軸44に回動自在となるよう貫通されている。
この構成により、物干し棚4と内フレーム3とを支軸44回りに閉じるように回動させると、半円板状部50,51と延設部52,53どうしが対向しつつ互いに干渉することなく回動して、物干し棚4と内フレーム3とが同一面内に収まった格納姿勢Dとなる。
なお、支軸44は、物干し棚4の長手方向中間位置よりも支軸43側寄りに位置付けられている。また、閉脚状態B、格納姿勢Dにおいて、延設杆部材45と側部内杆部材25,26とは長手方向に同一直線上に配置され、閉脚状態B、格納姿勢D以外の状態では延設杆部材45と側部内杆部材25,26とは支軸44回りに相対的な交差角度を有する。
開脚状態Aにおいて物干し棚4を物干し可能な使用姿勢Cに保持する係止手段58が設けられている。係止手段58は、支軸43と案内溝10の下端壁面11とから構成されている。
また、横軸28と支軸44との間の距離、および支軸44と支軸43との間の距離は等しく設定されている。これにより、図2に示すように、開脚状態Aおよび使用姿勢Cにおいて、外フレーム2の横軸28から支軸43までの外フレーム部分2a、内フレーム3の横軸28から支軸44までの内フレーム部分3a、および延設杆部材45によって、側面視して延設杆部材45を底辺し、外フレーム部分2aおよび内フレーム部分3aを斜辺とする正三角形Tが形成される。
上記構成において、物干し1を使用しない場合は、図()および図()に示すように、内外側一対の脚部材すなわち外フレーム2および内フレーム3を閉脚状態Bとしておく。閉脚状態Bでは、外フレーム2および内フレーム3が同一平面内にある。また、閉脚状態Bとすることで、物干し棚4は内フレーム3と同一面内にある格納姿勢Dとなっている。すなわち、閉脚状態Bと格納姿勢Dでは、外フレーム2、内フレーム3および物干し棚4は同一平面内にあって最も収納スペースが小さくてすむ状態となっている。
この状態では、外フレーム2の外下杆部材8と内フレーム3の内下杆部材27とは長手方向で対向しており、保持手段としての永久磁石20が内フレーム3の内下杆部材27の磁性に吸着されることで外フレーム2の外下杆部材8の上面8aから突出して、内フレーム3の内下杆部材27に磁力的に接触しており、閉脚状態Bが保持されている。
また、支軸43は案内溝10の上端壁面12に円弧面どうしで当接している。
この状態から物干し1を使用可能な状態とするためには、永久磁石20の磁性力に抗して外フレーム2と内フレーム3とを横軸28回りに相対的に回動させるように開き、両フレーム2,3が横軸28を中心としてX字状になるようにする。この場合、外フレーム2と内フレーム3とを横軸28回りに相対的に回動させればよく、例えば外フレーム2を固定しておいて内フレーム3を回動させるようにする。
そうすると、内フレーム3の回動動作に伴って支軸44回を介して物干し棚4が押圧されるとともに内フレーム3と物干し棚4とが支軸44回りに相対的に回動し、さらに物干し棚4は支軸43回りに外フレーム2と相対的に回動することになる。そして支軸44の移動に伴って、物干し棚4はその姿勢を外フレーム2に対して起こしつつ内フレーム3に支軸44を介して引かれて下動する。このとき、支軸43は案内溝10に案内されて下方、すなわち案内溝10の下端壁面11に向けて移動することになる。
外フレーム2と内フレーム3とをさらに横軸28回りに相対的に開き、支軸43が案内溝10の下端壁面11に円弧面どうしで当接した時点で、支軸43と案内溝10の下端壁面11とが係止手段58として機能することになるから、外フレーム2と内フレーム3とは横軸28周りの回動動作が不可能な一の開脚状態Aとなる。支軸43と案内溝10の下端壁面11とが長手方向から当接した状態で、物干し棚4は略水平な姿勢である一の使用姿勢Cとなる。また外フレーム2および内フレーム3は開脚状態Aとなり、床面等に物干し1を安定して載置することができる。
なお、物干し棚4を使用姿勢Cとすることで、タオル掛け42にタオルや靴下等を掛けて干すことが可能になる。さらに、物干し棚4を格納姿勢Dから使用姿勢Cとすることによれば、支軸43が案内溝10を長手方向下方に移動して物干し棚4が外フレーム2の上杆部材7から離れることになるから、物干し棚4の上棚杆部材40と外フレーム2の上杆部材7との間にスペースが形成される。上杆部材7に、衣類等を掛けたハンガーのフックを掛けることで、衣類等の片身が上記スペースに収められる。すなわち、外フレーム2の上杆部材7をハンガー掛けとして使用することができ、限られたサイズの物干し1において多くの物を干すことが可能となって、便利である。
なお、衣類等を掛けたハンガーを上杆部材7で支持させると、衣類等とハンガーの重さが上杆部材7に下方に働く。すなわちこの重さは横軸28回りに外フレーム2を倒す方向に働くが、そうすると支軸43と案内溝10の下端壁面11近傍の側壁部分とが、該重量に応じた力で水平方向に圧接されるようになり、物干し棚4は外フレーム2とX字状に交差している内フレーム3の上端部に支軸44を介して連結されているから、横軸28、支軸43および支軸44の間でバランスされて、物干し1が倒れるようなことはない。
物干し1を移動させたい場合では、例えば外フレーム2の上杆部材7を手指で把持して物干し1全体を内フレーム3の内下杆部材27を中心として回動させるようにする。そうすると、内下杆部材27にはキャスター31が取付けられているから、キャスター31のみが床面に当接している状態となるから、物干し1を押したり引いたりすることで、自由に所望の場所へ移動させることができる。
物干し1を再び収納するには、例えば外フレーム2の上杆部材7を手指で把持して上方へ持上げるようにする。そうすると、内フレーム3はその側部内杆部材25,26の上部寄りの部分が横軸28に連結されているから、図1の仮想線で示すように、内フレーム3がその重さにより横軸28回りに外フレーム2に対して一方向Eへ回動し、物干し棚4と支軸44とは支軸44が物干し棚4の長手方向中間よりも支軸43側にあるから物干し棚4がその自重により支軸44回りに回動することになる。また、下端壁面11に当接していた支軸43が下端壁面11から上端壁面12側へ向けて移動し(係止手段58が解除されて)支軸43が案内溝10に案内されて物干し棚4が上動し、外フレーム2、内フレーム3および物干し棚4が同一平面内に収まる方向へ回動する。
そして、内フレーム3の内下杆部材27と外フレーム2の外下杆部材8とが内外で対向した閉脚状態Bとなると同時に、物干し棚4が格納姿勢Dとなって、外フレーム2、内フレーム3および物干し棚4が同一平面内に収まり、永久磁石20が内下杆部材27の磁性によって外下杆部材8の上面8aから突出して内下杆部材27に当接し、外フレーム2および内フレーム3の閉脚状態Bが保持される。
ところで、この実施形態における物干し1では、これを再び使用可能な状態とするには、外フレーム2に対して内フレーム3を他方向Fへ開く方法と、一方向Eへ開く方法とが選択できる。すなわち、上記のように内フレーム3を一方向Eへ閉じて閉脚状態Bとした後、他方向Fへ内フレーム3を開くのではなく、さらに横軸28回りに一方向Eへ開いて使用することができる。
この場合、永久磁石20の磁性力に抗して内フレーム3を横軸28回りに回動させて内フレーム3の内下杆部材27が外フレーム2の外下杆部材8に対向した状態を解除する。そして横軸28回りの外フレーム2と内フレーム3との交差角度θを大きくしていくことで、物干し棚4が支軸43回りに起きて支軸43が案内溝10の下端壁面11に当接した時点で外フレーム2と内フレーム3との回動が不可能になるとともに、物干し棚4の回動が不可能な他の開脚状態Aとなり、物干し棚4が係止手段58で保持された他の使用姿勢Cとなる。
なお、内フレーム3を一方向Eへ閉じて閉脚状態Bとした後、他方向Fへ内フレーム3を開くことも勿論可能である。
このように、物干し1は、外フレーム2と内フレーム3とが横軸28回りに一方向Eおよび他方向Fの双方向に開閉自在に構成されているから、物干し1の使用に際して開脚の方向性を考慮する必要がなく、使い勝手が良好である。要するに、内フレーム3が外フレーム2に対して通過可能なようになっており、外フレーム2に対して内フレーム3が通過する際に邪魔になる部材がないから、内フレーム3が外フレーム2に対して相対的に一方向および他方向に横軸28回りに回動することが可能となっている。
また、特別な係止具を設けることなく、係止手段58を支軸43と案内溝10とから構成してあるから、その分だけ全体構成が簡素化されている。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、保持手段としての永久磁石20を外下杆部材8に設けたが、外フレーム2と内フレーム3とが同一平面内にある際(閉脚状態B)に、外フレーム2あるいは内フレーム3の一方から外フレーム2あるいは内フレーム3の他方へ向けて幅方向あるいは長手方向に突出して閉脚状態Bを保持するものであればよい。
さらに保持手段は出退動作によって閉脚状態Bを保持するものでなはなく、回動動作あるいは弾性変形によって外フレーム2および内フレーム3の閉脚状態Bを保持するものであってもよい。
本発明の物干しの全体構成を示す概略斜視図 同じく物干しの使用状態を示す側面図 同じく正面図 同じく物干しを折畳んだ状態の側面図 同じく保持手段の構成を示す断面図 同じくキャスター部分の斜視図 同じく内フレームおよび外フレームと物干し棚との取付け状態を示す拡大斜視図 同じく掛け杆部分の構成を示す拡大斜視図
符号の説明
1…物干し、2…外フレーム、3…内フレーム、4…物干し棚、5,6…側部外杆部材、7…上杆部材、8… 外下杆部材、10…案内溝、11…下端壁面、12…上端壁面、20…永久磁石、22…出退孔、24…収納空間、25,26…側部内杆部材、27…内下杆部材、28…横軸、30…下凹部、31…キャスター、32…隙間、33…棚フレーム、34,35…側部棚杆部材、40…上棚杆部材、41…下棚杆部材、43…支軸、44…支軸、45…延設杆部材、46…棚側支持片、47…フレーム側支持片、56…軸貫通部、58…係止手段、A…開脚状態、B…閉脚状態、C…使用姿勢、D…格納姿勢、E…一方向、F…他方向、θ…交差角度

Claims (8)

  1. 内外側一対の脚部材どうしの長手方向途中が幅方向の横軸を介して連結されて両脚部材どうしが横軸回りに交差角度を可変可能に設けられ、両脚部材間に物干し部が連結され、脚部材が該両脚部材どうしを横軸回りに相対的に回動させて畳んだ閉脚状態と横軸回りに相対的に回動させて開いた開脚状態とに切替え自在とされ、開脚状態において物干し部を物干し可能な使用姿勢に保持する係止手段が設けられ、両脚部材を開脚状態から閉脚状態とする動作に応じて係止手段が解除されて物干し部が両脚部材とともに畳まれる格納姿勢となるよう構成された物干しであって、
    両脚部材が横軸回りに一方向から閉じられて一の開脚状態から閉脚状態となり物干し部が一の使用姿勢から格納姿勢となった状態で内側の脚部材が外側の脚部材に重なり物干し部が内側の脚部材に重なって両脚部材および物干し部が同一平面内に収まるよう構成され、しかも、両脚部材および物干し部が同一平面内に収められた後に両脚部材を閉脚状態から一の開脚状態にする回動方向とは逆方向となる横軸回りに他方向へ相対的に回動して両脚部材がそれぞれ開く方向が一の開脚状態とは逆方向となって他の開脚状態とすることが可能に構成され、他方向へ両脚部材を相対的に回動させて他の開脚状態とすることで物干し部が前記一の使用姿勢の向きとは逆向きとなる他の使用姿勢となって係止手段で保持されるよう構成されていることを特徴とする物干し。
  2. 側の脚部材の長手方向長さが外側の脚部材の長さに比べて短く設定され、物干し部は枠体で囲まれる棚状に形成され、枠体の側部途中と内側の脚部材の上端部が支軸を介して回動自在に連結され、枠体の側部端部と外側の脚部材とが横軸よりも上側で別の支軸を介して回動自在に連結されるとともに、該別の支軸を外側の脚部材の長手方向に沿って案内する案内溝が、枠体の外側面または外側の脚部材の内側面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の物干し。
  3. 両脚部材が同一平面内に収まった状態を保持するとともに、両脚部材を横軸回りに相対的に回動することに伴って保持が解除される保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の物干し。
  4. 保持手段として、外側の脚部材の内側面に対して出退自在に設けられた磁石を有し、該磁石は両脚部材が同一平面内に収まった状態で内側の脚部材の磁性に吸着されることで突出するものであることを特徴とする請求項3記載の物干し。
  5. 係止手段は、前記別の支軸および該別の支軸が当接する前記案内溝の端面とから構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の物干し。
  6. 両脚部材の開脚状態および物干し部の使用姿勢において、外側の脚部材の上杆にハンガーを吊持可能とされるとともに、上杆と物干し部の枠体との間に水平方向に投影して、前記ハンガーに掛けた衣類等の略片身が収めされるスペースが設けられることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の物干し。
  7. 外側の脚部材の上杆に幅方向に伸縮自在な掛け杆が設けられていることを特徴とする請求項6記載の物干し。
  8. 内側の脚部材の下部に、キャスターが設けられたことを特徴とする請求項2ないし請求項7の何れかに記載の物干し。
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