本発明の実施の形態に係る回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」という)の構成について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、遊技機1の概観について説明する。
遊技機1には、後述の主制御回路71などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられる前面扉1bとが設けられている。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。前面扉1bの中央には、遊技機1の正面側から見てリール3L,3C,3Rの手前側、即ち、リール3L,3C,3Rに重畳する位置に、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5の液晶表示部5aは、図柄表示領域4L,4C,4R及び演出表示領域23により構成されている。図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられており、これらの前方に位置するように設けられている。図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rを透過可能な構成となっており、図柄表示領域4L,4C,4Rを透して、その背後に設けられている各リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となっている。また、演出表示領域23を含む液晶表示部5aでは、後述の副制御回路72により映像の表示が行われ、演出が実行される。
また、各図柄表示領域4L,4C,4Rには、その表示領域内における上段、中段及び下段のそれぞれの領域に一の図柄が表示されることにより、対応するリールの表面に配された複数の図柄のうち3個の図柄が表示される(即ち、図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄のうち一部の複数の図柄をそれぞれ表示する図柄表示手段の一例であり、以下では「表示窓」と称す)。尚、表示窓は、必ずしも各リールに一対一で対応する構成である必要はなく、例えば一の表示窓により各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を表示するようにしても良い。
表示窓4L,4C,4Rには、上段、中段及び下段のうち予め定められた何れかをそれぞれ結ぶ擬似的なラインが形成される。具体的に、各表示窓4L,4C,4Rの中段を組み合わせてなるセンターライン8cと、各表示窓4L,4C,4Rの上段を組み合わせてなるトップライン8bと、各表示窓4L,4C,4Rの下段を組み合わせてなるボトムライン8dと、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段、及び右表示窓4Rの下段を組み合わせてなるクロスダウンライン8eと、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段、及び右表示窓4Rの上段を組み合わせてなるクロスアップライン8aの5つが設けられる。
また、前面扉1bの上部には、LED101が設けられている。LED101により、遊技の状況に応じた点灯パターンにて点灯が行われる。前面扉1bの下部には、スピーカ21L,21Rが設けられている。スピーカ21L,21Rにより、遊技の状況に応じた効果音や楽曲等の音が出力される。
液晶表示装置5の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の右側にはメダル投入口22が設けられ、台座部10の左側には1−ベットボタン11、2−ベットボタン12及び最大ベットボタン13が設けられている。基本的に、メダル投入口22にメダルが放り込まれること、及び、ベットボタン11,12,13に対する押圧操作に基づいて、メダルが投入され、上記入賞ライン8a〜8eが有効化される(有効化された入賞ラインを以下、有効ラインという)。有効ラインは、後述の利益の付与に係る図柄の組合せが表示されたか否かの判定(言い換えると、いわゆる入賞が成立したか否かの判定)を行う対象となる。また、台座部10の中央には、7セグメントLEDから成り、遊技機1に投入されるメダルの枚数(以下、「投入枚数」という)や遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)などを表示する情報表示部18が設けられている。
台座部10の前面部の左寄りには、メダルのクレジット又はメダルの排出の切り換えを行うためのC/Pボタン14が設けられている。メダルの排出が行われる場合、払出枚数に応じたメダルが正面下部のメダル払出口15から排出され、メダル受け部16に溜められる。台座部10の前面部の中央には、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転を停止させるためのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。ストップボタン7L,7C,7Rの左側には、リール3L,3C,3Rの回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。
以下では、3つのリール3L,3C,3Rすべてが回転しているとき、これらの何れかに対して最初に行われる停止操作(即ち、ストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の押圧操作)を「第1停止操作」といい、第1停止操作の次に行われ、2つのリールが回転しているとき、これらの何れかに対して行われる停止操作を「第2停止操作」といい、第2停止操作の次に行われ、残り1つのリールが回転しているとき、当該リールに対して行われる停止操作を「第3停止操作」という。
次に、図2を参照して、遊技機1の各リール3L,3C,3Rの表面に配される図柄の配列について説明する。
各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄がリールの回転方向に連続して配されている。より具体的には、後述のRAM33に設けられる図柄カウンタにより特定され得る各リール3L,3C,3Rの回転方向における各位置(即ち、図柄位置「0」〜「20」)に、赤7(図柄61)、青7(図柄62)、BAR(図柄63)、スイカ(図柄64)、ベル(図柄65)、リプレイ(図柄66)、赤チェリー(図柄67)、桃チェリー(図柄68)、コンドル(図柄69)、又は羽(図柄70)の各図柄が配されている。尚、各リール3L,3C,3Rは、図中の矢印方向に、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御され、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄がリールの回転に伴って変動する。
本実施の形態では、図柄位置「0」〜「20」のうち、図柄位置「6」〜図柄位置「16」を第1の範囲と定義し、図柄位置「0」〜図柄位置「5」及び図柄位置「17」〜図柄位置「20」を第2の範囲と定義するようにした。第1の範囲は、左リール3Lの表面において概ね半分を占めており、第2の範囲は、左リール3Lの表面において残りの半分を占めている。そして、図2からも明らかな通り、第1の範囲の面積は、第2の範囲のそれと略同じであり、それぞれの範囲を構成する各図柄位置に配される図柄の個数は、概ね同数となっている。また、図2に示す通り、左リール3Lにおいて、第1の図柄に相当する図柄「赤7」は、第1の範囲内に含まれている一方、第2の範囲内には含まれていない。以下では、第1の範囲を「赤7範囲」という。また、第2の図柄に相当する図柄「青7」は、第2の範囲内に含まれている一方、第1の範囲内には含まれていない。以下では、第2の範囲を「青7範囲」という。
次に、図3を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含む遊技機1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム(例えば、後述の図48〜図65参照)、後述の内部抽籤テーブル等の各種テーブル(例えば、後述の図5〜図33参照)が記憶されている。RAM33には、後述の内部当籤役格納領域等の各種格納領域(例えば、後述の図34〜図39参照)が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36、及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生される基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、情報表示部18、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39、及びホッパー駆動回路41がある。表示部駆動回路48は、情報表示部18による各種情報(払出枚数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、ホッパー40によるメダルの排出の制御を行う。モータ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の制御を行う。
ここで、本実施の形態では、リールが一回転したことを示すリールインデックスが後述のリール位置検出回路50により検出されてから、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リールの回転方向における位置(リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度とも言える)を検出することとしている。具体的には、ステッピングモータ49L,49C,49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L,3C,3Rに伝達するギア(図示せず)が備えられており、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して16回のパルスの出力が行われることによって、リールの表面に配された図柄1個分のリールの回転が行われる構成となっている。
また、前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33に設けられるパルスカウンタによって計数され、パルスカウンタにより16回のパルスの出力が計数される毎に、RAM33に設けられる図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、リールの種別に応じて設けられ、リールインデックスが後述のリール位置検出回路50によって検出される毎にその値がクリアされる。
ここで、リールインデックスの検出は、該当する図柄がセンターライン8c(より厳密には、各表示窓4L,4C,4R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置するときに行われる構成となっている。従って、リールの種別毎に当該図柄カウンタを設けることによって、対応する表示窓の中段に位置する図柄を基礎とした各図柄の種別等をリールの種別に応じて特定可能となる。尚、CPU31及び図柄カウンタは、各リールの回転方向における位置を特定する位置特定手段を構成する。尚、リールインデックスの検出を、該当する図柄がトップライン8b又はボトムライン8dに位置するときに行う構成としても良く、このようにしても各図柄の種別等をリールの種別に応じて特定可能となる。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−ベットスイッチ11S、2−ベットスイッチ12S、最大ベットスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51が接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の操作(開始操作)を検出する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の操作(停止操作)をそれぞれ検出する。1−ベットスイッチ11S、2−ベットスイッチ12S、及び最大ベットスイッチ13Sは、1−ベットボタン11、2−ベットボタン12、及び最大ベットボタン13のそれぞれに対する遊技者の操作を検出する。メダルセンサ22Sは、遊技者によりメダル投入口22に放り込まれたメダルのセレクタ(図示せず)の通過を検出する。尚、セレクタは、材質や形状などが適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22から放り込まれた適正なメダルを、大量のメダルを貯留可能なホッパー40へ案内する通路を形成している。各ベットボタンに対する操作及びメダル投入口22へのメダルの放り込み操作を投入操作と総称する。C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の操作を検出する。リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L,3C,3R毎に検出する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、払出枚数が所定枚数に達したか否かを検出する。
次に、図4を参照して、副制御回路72の回路構成について説明する。
主制御回路71と副制御回路72とはハーネスなどにより電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出内容の決定や実行などの各種処理を行う。副制御回路72は、基本的に、サブCPU81、制御ROM82、SDRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用SDRAM85(フレームバッファ86を含む)、ドライバ87、A/D変換器88、及びアンプ89によって構成される。また、副制御回路72により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、液晶表示装置5、スピーカ21L,21R、及びLED101がある。
制御ROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。プログラム記憶領域は、サブCPU制御用プログラム(例えば、後述の図67〜図76参照)を記憶する。具体的には、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路71との通信を制御するための基板間通信タスク、LED101による光の出力を制御するためのLED制御タスク、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク、演出の内容(後述の演出番号及び演出データ等)の決定等を行うための演出登録タスク、決定した演出の内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御するための描画制御タスク等が含まれている。
データ記憶領域は、演出選択テーブル等の各種テーブル(例えば、後述の図40〜図47参照)を記憶するテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータ等を記憶する描画制御データ記憶領域、BGMや効果音といった音データ等を記憶する音声制御データ記憶領域、光の点灯パターン等を記憶するLED制御データ記憶領域等によって構成される。サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、上記制御ROM82内に記憶された制御用プログラム等に従い、映像、音、光の出力を制御する。また、SDRAM83は、サブCPU81が上記制御用プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。SDRAM83には、後述のサブCPU用遊技状態格納領域、後述の所定の数値データを記憶する記憶手段としてのAT遊技数カウンタ等の各種情報を格納する格納領域が設けられる。
レンダリングプロセッサ84は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力されるコマンドに応じて、レンダリングを行う。レンダリングプロセッサ84が行うタスクに必要なデータは起動時に描画用SDRAM85に展開される。レンダリングにより作成された映像は、ドライバ87を介して液晶表示装置5により表示される。A/D変換器88は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力されるコマンドに応じて、音楽データのデジタルからアナログへの変換を行う。アナログに変換が行われると、アンプ89を介してスピーカ21L,21Rにより出力される。また、サブCPU81には、LED101が接続されており、サブCPU81により出力される信号に従って点灯及び消灯が行われる。
以下では、図5〜図33を参照して、主制御回路71のROM32に記憶されている各種テーブルについて説明する。まず、図5を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを規定する。遊技状態とは、内部抽籤テーブルの種別等を識別するためのデータであるといえ、制御プログラムに従って、主制御回路71のCPU31によって管理される。即ち、遊技状態のそれぞれに応じて内容の異なる内部抽籤テーブルを使用することにより、メダルの払い出しに係る内部当籤役等の当籤確率に変化を持たせ、この結果、遊技者の期待感に起伏を持たせて、興趣の向上を図ろうとするものである。具体的には、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RB1遊技状態、及びRB2遊技状態のそれぞれに応じた内部抽籤テーブルを設けている。
次に、図6〜図9を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、抽籤値とデータポインタとを規定する。抽籤値は、データポインタの決定に用いられる数値である。本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」の中から抽出される乱数値を、内部抽籤テーブルに規定された当籤番号1を先頭とする各当籤番号に割り当てられた抽籤値にて順次減算しつつ、桁かりが行われたか否かを判定することにより内部的な抽籤が行われる。桁かりは、減算の結果が負となるときに行われる。抽籤値として規定されている数値が大きいほど、該当する当籤番号のデータポインタが決定されやすいといえ、その当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(即ち65536)」となる。前述の抽籤回数は、各当籤番号に応じて上記桁かりが行われたかの判定を行う回数を示す。
データポインタは、後述の当たり要求フラグの決定に用いられるデータであり、小役・リプレイ用データポインタとボーナス用データポインタとが規定されている。小役・リプレイ用データポインタとしては「0」〜「15」の数値が規定されており、ボーナス用データポインタとしては「0」〜「3」の数値が規定されている。即ち、上記抽籤の結果、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタの両方が取得される構成となっている。
図6は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜32に応じた抽籤値及びデータポインタを規定する。図7は、RT遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RT遊技状態用内部抽籤テーブルは、RT1〜RT4遊技状態に応じて、当籤番号1〜32に応じた抽籤値及びデータポインタを規定する。RT遊技状態用内部抽籤テーブルは、基本的に、当籤番号17〜20に対応する抽籤値を除いて、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同一の構成となっている。尚、後述するが、当籤番号17〜20には、再遊技の作動に係る当たり要求フラグが決定される小役・リプレイ用データポインタが規定されている。
ここで、各種RT遊技状態の間における相対的な有利さの度合いは、それぞれに対応する内部抽籤テーブルの期待値を算出し、これを比較することにより測ることができる。各内部抽籤テーブルの期待値は、これに規定された各当籤番号に応じて、計算式「(払出枚数/投入枚数)×当籤確率」を実行して、各当籤番号に応じた計算結果を加算することにより算出できる。尚、再遊技については、上記計算式において当籤確率の分母(65536)から再遊技の作動に係る全ての当籤番号の抽籤値を減算して扱うこととする。このようにして算出した期待値に基づくと、RT1遊技状態及びRT3遊技状態が遊技者にとって有利、RT2遊技状態が遊技者にとってやや不利、RT4遊技状態が遊技者にとって不利、と位置づけることができる。
図8は、RB1遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図9は、RB2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RB1遊技状態用内部抽籤テーブル及びRB2遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜11に応じた抽籤値及びデータポインタを規定する。一般遊技状態等と比べて当籤番号5(後述の特殊ベル+ベル)に対応する抽籤値が極めて大きい構成となっている。より具体的には、RB1遊技状態用内部抽籤テーブルであれば、当籤番号5に応じた抽籤値として「57300」が規定されていることから、その当籤確率は「約1/1.14(57300/65536)」となり、RB2遊技状態用内部抽籤テーブルであれば、当籤番号5に応じた抽籤値として「59019」が規定されていることから、その当籤確率は「約1/1.11(59019/65536)」となる。
次に、図10及び図11を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、各データポインタに応じて、当たり要求フラグを規定する。当たり要求フラグは、後述のそれぞれ1バイトからなる内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域、及び内部当籤役3格納領域の何れかに格納されるデータである。当該データは、乱数値に基づいた内部的な抽籤の結果として取得されるものであり、本実施の形態では、後述の内部当籤役格納領域に格納されるデータを説明の便宜上「内部当籤役」と称す。尚、前述のデータポインタの決定や当たり要求フラグの決定は、内部当籤役の決定と等価であるといえる。
また、当たり要求フラグは、後述の入賞に係る図柄の組合せのうち、有効ライン8a〜8eに対してその表示を許容する図柄の組合せの種別を特定するデータであるともいえ、例えば、その内容が「BB3」である場合、BB3に係る図柄の組合せの表示が許容されることとなる。また、例えば、その内容が「特殊ベル+ベル」である場合、特殊ベル及びベルのそれぞれに係る図柄の組合せの表示が許容されることとなる。遊技者は、これらのうちの何れかの表示を停止操作によって選択することが可能となる。尚、許容するとは、遊技者による停止操作の検出に基づいて、有効ラインにその表示が行われるようにリールの回転が停止する位置を決定することを意味する。データポインタが「0」のとき、その内容が「ハズレ」となるが、これは、何れの入賞に係る図柄の組合せの表示も許容されないことを示す。
図10は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタ「0」〜「15」のそれぞれに応じて、図示する内容の当たり要求フラグを規定する。図11は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナス用データポインタ「0」〜「3」のそれぞれに応じて、図示する内容の当たり要求フラグを規定する。
ここで、前述した一般遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜16に対して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタの何れにも、「0」を超える値を規定している。従って、これらの当籤番号に対応する各データポインタが取得されたときには、何れについても当たり要求フラグがハズレ以外のものとなる。具体的には、メダルの払い出しに係る当たり要求フラグと、ボーナスゲームの作動に係る当たり要求フラグとがともに決定される。図12は、前述の一般遊技状態用内部抽籤テーブルの構成をイメージ化した図である。図示のように、一の乱数値の抽出による抽籤の結果に基づいて、入賞に係る複数の図柄の組合せの表示が許容されうる構成であることがわかる。
次に、図13を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
本実施の形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと一致する場合に、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった所定の利益が遊技者に対して付与される(これらを含めて入賞と称す)。図柄組合せテーブルは、入賞に係る予め定められた複数種類の図柄の組合せと、当該図柄の組合せの種別に応じた入賞作動フラグ、格納領域加算データ、及び払出枚数とを規定する。入賞作動フラグは、後述のそれぞれ1バイトからなる表示役1格納領域、表示役2格納領域、及び表示役3格納領域の何れかに格納されるデータである。格納領域加算データは、入賞作動フラグが格納される表示役格納領域の種別を規定する。本実施の形態では、後述の表示役格納領域に格納されるデータを説明の便宜上「表示役」と称す。入賞作動フラグのデータ構成は、前述の当たり要求フラグのデータ構成と対応する。尚、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定される図柄の組合せの何れにも一致しない場合には、入賞作動フラグとして「ハズレ」が決定される。
例えば、図13に示すとおり、左リール3Lの図柄「赤7」、中リール3Cの図柄「リプレイ」、及び右リール3Rの図柄「桃チェリー」が一の有効ラインに沿って表示されると、入賞作動フラグとして「赤リプレイ」が決定される。また、左リール3Lの図柄「スイカ」、図柄「羽」、図柄「コンドル」、図柄「青7」、図柄「BAR」の何れか、中リール3Cの図柄「リプレイ」、及び右リール3Rの図柄「リプレイ」が一の有効ラインに沿って表示されると、入賞作動フラグとして「特殊リプレイ1〜5」の何れかが決定される。また、各リール3L,3C,3Rの図柄「リプレイ」が一の有効ラインに沿って表示されると、入賞作動フラグとして「通常リプレイ」が決定される。入賞作動フラグとして、赤リプレイ、青リプレイ、特殊リプレイ1〜5、及び通常リプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。この結果、これらが決定されたときの投入枚数と同数のメダルが、次回において、遊技者による投入操作に基づかずに自動的に投入されるので、遊技者は次回において所有するメダルを消費しなくて済む。尚、本実施の形態では、遊技者にとって相対的に有利なRT1遊技状態及びRT3遊技状態において、特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せが表示されると、遊技者にとって相対的に不利なRT4遊技状態に移行するようにしている。この特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せは、遊技者にとって有利なリプレイタイムの作動終了に係る特定の図柄の組合せに相当する。
各リール3L,3C,3Rの図柄「ベル」が一の有効ラインに沿って表示されると、入賞作動フラグとして「ベル」が決定される。また、左リール3Lの図柄「BAR」、中リール3Cの図柄「赤7」、及び右リール3Rの図柄「青7」が一の有効ラインに沿って表示されると、入賞作動フラグとして「特殊ベル」が決定される。ベル及び特殊ベルが決定されたとき、払出枚数として「10」が決定される。尚、特殊ベルに係る図柄の組合せは、第1の図柄の組合せに相当し、ベルに係る図柄の組合せは、第2の図柄の組合せに相当する。
次に、図14を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲームの作動が決定されたときに、RAM33の作動中フラグ等の格納領域に格納されるデータを規定する。作動中フラグは、作動が行われているボーナスゲーム(BB1〜BB3、RB1、RB2)の種別を特定するためのデータである。ボーナス終了枚数カウンタは、BBの作動中において遊技者に対して払い出されるメダルの総数を管理するためのデータである。遊技可能回数カウンタは、RBの作動中において開始操作の検出が行われた回数(即ち、遊技回数)を管理するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RBの作動中において入賞に係る表示役が決定された回数を管理するためのデータである。
次に、図15を参照して、リール停止初期設定テーブルについて説明する。
リール停止初期設定テーブルは、内部当籤役に応じて、特殊停止テーブル、通常停止テーブル、制御変更テーブル、及びライン変更要求チェックテーブル(以下、特殊停止テーブル等という)を規定する。具体的な構成については後述するが、特殊停止テーブル等は、滑り駒数の決定、即ち、リールの回転を停止する位置の決定に用いられる。詳しくは後述するが、本実施の形態では、第1停止操作の検出が行われたストップボタンの種別が左ストップボタンであるとき(これを順押しという)と、第1停止操作の検出が行われたストップボタンの種別が中ストップボタン及び右ストップボタンであるとき(これを変則押しという)とに応じて、選択した特殊停止テーブル等のうち参照するテーブルを使い分けるようにしている。具体的に、第1停止操作の検出が行われたときに、順押しであるときには、特殊停止テーブルを参照し、変則押しが行われたときには、通常停止テーブルを参照する。
ここで、滑り駒数について説明すると、本実施の形態では、基本的に、ストップスイッチ7Sにより停止操作の検出が行われた後、190msec以内にリール3L,3C,3Rの回転が停止するようになっている。具体的には、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置(即ち、リールの回転の停止が開始される図柄位置であり、これを「停止開始位置」という)に、いわゆる滑り駒数と称される予め定められた数値範囲「0」〜「4」のうちの何れかを加算した図柄位置を、リールの回転の停止が可能な図柄位置(これを「停止予定位置」という)として決定することが可能となっている。つまり、滑り駒数は、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから対応するリールの回転が停止する迄のリールの回転量であり、言い換えれば、ストップスイッチ7Sにより停止操作の検出が行われてから該当するリールの回転が停止する迄の期間において、該当する表示窓の中段を通過する図柄の数である。これは、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから更新された図柄カウンタの値により把握される。
以下では、まず、図16〜図25を参照して、内部当籤役として「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+赤リプレイ」が決定されたときに選択される特殊停止テーブルC−1等、及び、内部当籤役として「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+青リプレイ」が決定されたときに選択される特殊停止テーブルD−1等について説明する。以下で説明する特殊停止テーブルC−1等は、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内であるとき、通常リプレイに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示する一方、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内でないとき、特殊リプレイ1〜5の何れかに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示するように停止予定位置が決定される構成を有するものである。特殊停止テーブルD−1等は、左リール3Lの停止開始位置が青7範囲内であるとき、通常リプレイに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示する一方、左リール3Lの停止開始位置が青7範囲内でないとき、特殊リプレイ1〜5の何れかに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示するように停止予定位置が決定される構成を有するものである。
まず、図16及び図17を参照して、特殊停止テーブルについて説明する。特殊停止テーブルは、左リール3Lの停止開始位置「0」〜「20」に応じて、停止データ用滑り駒数及びテーブル選択番号を規定する。テーブル選択番号は、順押しが行われた場合に第2停止操作の検出及び第3停止操作の検出が行われたときに参照する通常停止テーブルの決定に係るデータである。
図16に示す特殊停止テーブルC−1は、テーブル選択番号として、停止開始位置が赤7範囲内であるときは「0」を規定する一方、赤7範囲内でないときは「1」を規定する。図17に示す特殊停止テーブルD−1は、テーブル選択番号として、停止開始位置が青7範囲内であるときは「0」を規定する一方、青7範囲内でないときは「1」を規定する。このように、テーブル選択番号は、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内であるか否かを識別するデータであるとも言える(尚、赤7範囲内でなければ青7範囲内であるといえるので、青7範囲内であるか否かを識別するデータであるとも言える)。
特殊停止テーブルC−1に基づいて決定される可能性のある停止予定位置は、「4」、「9」、「13」、「15」、及び「20」の何れかである。図2を参照すると、これらのうち、停止予定位置「13」にて左リール3Lの回転が停止される場合、特殊リプレイ1に係る図柄の組合せを構成する図柄「スイカ」が左表示窓4Lの上段に表示され、通常リプレイに係る図柄の組合せを構成する図柄「リプレイ」が左表示窓4Lの下段に表示される。これに対して、他の停止予定位置にて左リール3Lの回転が停止される場合、通常リプレイに係る図柄の組合せを構成する図柄「リプレイ」が左表示窓4Lの上段に表示され、特殊リプレイ1、2、5に係る図柄の組合せを構成する図柄「スイカ」、図柄「羽」、又は図柄「青7」が左表示窓4Lの下段に表示される。尚、特殊停止テーブルD−1に基づいて決定される可能性のある停止予定位置は、特定停止テーブルC−1と同様である。
次に、図18及び図19を参照して、制御変更テーブルについて説明する。
制御変更テーブルは、テーブル選択番号毎に、前述の停止予定位置に応じた通常停止テーブルを規定する。即ち、制御変更テーブルを用いて、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内であるか否か、及び、左リール3Lの停止予定位置に基づいて、第2・第3停止操作用の通常停止テーブルの種別が決定される。
図18に示す制御変更テーブルC−1は、テーブル選択番号が「0」のとき、停止予定位置「13」に対して通常停止テーブルC−3を規定し、それ以外の停止予定位置に対して通常停止テーブルC−2を規定する。これに対して、テーブル選択番号が「1」のとき、停止予定位置「13」に対して通常停止テーブルC−2を規定し、それ以外の停止予定位置に対して通常停止テーブルC−3を規定する。尚、図19に示す制御変更テーブルD−1の構成は、制御変更テーブルC−1の構成と同様である。
尚、上記の通常停止テーブルの構成については後述するが、制御変更テーブルC−1及び制御変更テーブルD−1は、テーブル選択番号が「0」のとき、通常リプレイに係る図柄の組合せが表示可能となるように、中リール3C及び右リール3Rの停止予定位置が規定されている通常停止テーブルの種別を規定する一方、テーブル選択番号が「1」のときでは、特殊リプレイに係る図柄の組合せが表示可能となるように、中リール3C及び右リール3Rの停止予定位置が規定されている通常停止テーブルの種別を規定するものである。
次に、図20を参照して、ラインマスクデータテーブルについて説明する。
ラインマスクデータテーブルは、停止操作の検出が行われたストップボタン(これを作動ストップボタンという)の種別に応じてラインマスクデータを規定する。ラインマスクデータは、1バイトからなり、左ストップボタン7Lに対しては「10000000」、中ストップボタン7Cに対しては「00010000」、及び右ストップボタン7Rに対しては「00000010」が規定されている。ラインマスクデータは、後述の通常停止テーブルを使用して停止予定位置を決定する場合に使用される。
次に、図21〜図23を参照して、通常停止テーブルについて説明する。
通常停止テーブルは、図柄位置「0」〜「20」に応じて、1バイトからなる停止データを規定する。停止データの内容を具体的に説明すると、ビット7が「左リールAライン」に対応し、ビット6が「左リールBライン」に対応する。また、ビット5が「中リールライン変更」に対応し、ビット4が「中リールAライン」に対応し、ビット3が「中リールBライン」に対応する。そして、ビット2が「右リールライン変更」に対応し、ビット1が「右リールAライン」に対応し、ビット0が「右リールBライン」に対応する。
詳しくは後述のフローチャートを用いて説明するが、作動ストップボタンに対応するラインマスクデータ(或いは、ラインマスクデータに加工が施された場合はその結果)と、作動ストップボタンに対応するリールの停止開始位置から最大滑り駒数の範囲までの各図柄位置に対応する停止データとの論理積がとられ、その結果が0とならない図柄位置までの差分が停止データ用滑り駒数として決定される。前述のラインマスクデータテーブルに規定されるラインマスクデータは、基本的に、各リール3L,3C,3RのAラインに対応するビットがオンとなるように規定されている。
前述したように、通常停止テーブルは、図柄位置(換言するならば、停止開始位置)「0」〜「20」のそれぞれに応じて1バイトの停止データを規定しており、この各停止データは、それ自身が対応付けられている図柄位置が、リールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を有している。そして、この停止データは、対応する図柄位置がリールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を、「Aライン」に対応するビット及び「Bライン」に対応するビットを割り当てることによって2種類有しており、また、この2種類の情報のうち何れを採用すべきかの情報を、「ライン変更」に対応するビットを割り当てることによって規定している(尚、このような構成は、情報の圧縮化を目的としている)。
尚、具体的には後述するが、Aラインに対応するビットが参照されてリールの回転が停止する場合と、Bラインに対応するビットが参照されてリールの回転が停止する場合とは、遊技者によって採用された押し順や、ストップボタンが押されたタイミングなどに応じて選択され、同じ図柄の組合せが表示されるのであっても、それが揃う有効ラインの種別が異なる場合が生じるようにしている。尚、何れが選択された場合であっても、基本的には、予め定められた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるようにリールの回転が停止することを目的としている。
図21は、通常停止テーブルC−2及び通常停止テーブルD−2を示し、図22は、通常停止テーブルC−3及び通常停止テーブルD−3を示す。これらの通常停止テーブルは、順押しが行われた場合であって第2停止操作及び第3停止操作が行われたときに使用されるものである。図21に示す通常停止テーブルC−2及び通常停止テーブルD−2を参照すると、「中リールAライン」に対応するデータに基づいて決定される停止予定位置は、「2」、「5」、「10」、「14」、及び「18」の何れかである。また、「右リールAライン」に該当するデータに基づいて決定される停止予定位置は、「1」、「5」、「9」、「13」、及び「18」の何れかである。図2を参照すると、これら「Aライン」に基づいて決定される停止予定位置にて中リール3C及び右リール3Rの回転が停止されるとき、クロスダウンライン8eに沿って図柄「リプレイ」が表示される可能性がある。これに対して、「Bライン」に基づいて決定される停止予定位置にて中リール3C及び右リール3Rの回転が停止されると、トップライン8bに沿って図柄「リプレイ」が表示される可能性がある。
図22に示す通常停止テーブルC−3及び通常停止テーブルD−3を参照すると、Aラインに基づいて決定される停止予定位置にて中リール3C及び右リール3Rの回転が停止されるとき、クロスアップライン8aに沿って図柄「リプレイ」が表示される可能性がある。これに対して、Bラインに基づいて決定される停止予定位置にて中リール3C及び右リール3Rの回転が停止されると、ボトムライン8dに沿って図柄「リプレイ」が表示される可能性がある。
ここで、例えば、内部当籤役が「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+赤リプレイ」であり、左リール3Lの停止予定位置が「20」であるときを例にとると、制御変更テーブルC−1では、テーブル選択番号が「0」、即ち、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内であるとき、通常停止テーブルC−2が決定される。このとき、左表示窓4Lの上段には図柄位置「0」の図柄「リプレイ」が表示されていることから、トップライン8b又はクロスダウンライン8eに沿って通常リプレイに係る図柄の組合せが表示されるようになる。これに対して、テーブル選択番号が「1」、即ち、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内ではないとき、通常停止テーブルC−3が決定される。このとき、左表示窓4Lの下段には図柄位置「19」の図柄「羽」が表示されていることから、クロスアップライン8a又はボトムライン8dに沿って特殊リプレイ2に係る図柄の組合せが表示されるようになる。
図23は、通常停止テーブルC−1及び通常停止テーブルD−1を示す。これは、前述したように変則押しが行われた場合に使用される。この通常停止テーブルでは、左リール3Lも含めた各リール3L,3C,3Rの停止予定位置が規定されている。図23を参照すると、Aラインに基づいて決定される停止予定位置にて各リール3L,3C,3Rの回転が停止される場合、左リール3Lの図柄「リプレイ」が左表示窓4Lの上段に表示され、中リール3Cの図柄「リプレイ」が中表示窓4Cの中段に表示され、且つ、右リール3Rの図柄「リプレイ」が右表示窓4Rの下段に表示されて、クロスダウンライン8eに沿って通常リプレイに係る図柄の組合せが表示される可能性がある。これに対して、Bラインに基づいて決定される停止予定位置にて各リール3L,3C,3Rの回転が停止される場合、左リール3Lの図柄「鳥」、図柄「スイカ」、図柄「BAR」、図柄「羽」、又は図柄「青7」の何れかが左表示窓4Lの上段に表示され、中リール3Cの図柄「リプレイ」が中表示窓4Cの中段に表示され、且つ、右リール3Rの図柄「リプレイ」が右表示窓4Rの下段に表示されて、クロスダウンライン8eに沿って特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せが表示される可能性がある。
次に、図24及び図25を参照して、ライン変更要求チェックテーブルについて説明する。
ライン変更要求チェックテーブルは、上記の通常停止テーブルC−1及び通常停止テーブルD−1が使用される場合において、左ストップボタン7Lに対する停止操作の検出が行われたときに使用される。ライン変更要求チェックテーブルは、左リール3Lの停止開始位置に応じてライン変更要求フラグを規定する。ライン変更要求フラグは、決定された内部当籤役が許容する図柄の組合せを表示する有効ラインの種別を決定するためのデータである。より具体的には、ライン変更要求フラグがオフであるとき、前述の図23に示す通常停止テーブルにおける「Aライン」に基づいて停止予定位置が決定される一方で、ライン変更要求フラグがオンであるとき、「Bライン」に基づいて停止予定位置が決定される。
図24に示すライン変更要求チェックテーブルC−1は、ライン変更要求フラグを、停止開始位置が赤7範囲内のときオフに規定し、赤7範囲内ではないときオンに規定する。これに対して、図25に示すライン変更要求チェックテーブルD−1は、ライン変更要求フラグを、停止開始位置が青7範囲内のときオフに規定し、青7範囲内ではないときオンに規定する。ライン変更要求フラグは、左リール3Lの停止開始位置が赤7範囲内であるか否かを識別するデータであるとも言える。従って、ライン変更要求フラグがオフのときは、前述の通常停止テーブルにおける「Aライン」が参照され、通常リプレイに係る図柄の組合せがクロスダウンライン8eに沿って表示されるようになる一方で、ライン変更要求フラグがオンに更新されると、通常停止テーブルにおける「Bライン」が参照されるので、特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せがクロスダウンライン8eに沿って表示されるようになる。
このように、本実施の形態では、RT1及びRT3の作動中において特殊リプレイ1〜5を含む内部当籤役が決定されたとき、これとともに含まれているのが赤リプレイであれば、左リール3Lの赤7範囲内に停止開始位置が含まれるように停止操作を行う一方、青リプレイであれば、左リール3Lの青7範囲内に停止開始位置が含まれるように停止操作を行うことによって、特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せの表示を回避することができる。この結果、RT4の作動を回避して、遊技者にとって有利なRT1及びRT3の作動を長引かせることが可能となる。また、遊技者は、リールの表面においておよそ半分を占める範囲内に停止開始位置が含まれるように停止操作を行えばよいことから、遊技者が停止操作のタイミングを計る負担を軽減することができ、リプレイタイムの作動終了を回避することの容易化を図ることが可能となっている。
次に、図26〜図31を参照して、内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定されたときに選択される特殊停止テーブルL−1等について説明する。以下で説明する特殊停止テーブルL−1等は、順押しが行われた場合では、停止開始位置にかかわらず、ベルに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示するように停止予定位置が決定されるのに対して、変則押しが行われた場合では、各リール3L,3C,3Rの停止開始位置が特定の停止開始位置であるとき、特殊ベルに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示する一方、上記特定の停止開始位置とは異なる停止開始位置であるとき、ベルに係る図柄の組合せを所定の有効ラインに表示するように停止予定位置が決定される構成を有するものである。
図26は、特殊停止テーブルL−1を示す。特殊停止テーブルL−1に基づいて決定される可能性のある停止予定位置のうち、停止予定位置「14」にて左リール3Lの回転が停止される場合、ベルに係る図柄の組合せを構成する図柄「ベル」が左表示窓4Lの上段に表示され、他の停止予定位置にて左リール3Lの回転が停止される場合、図柄「ベル」が左表示窓4Lの下段に表示される。尚、特殊停止テーブルL−1では、停止開始位置にかかわらず、テーブル選択番号として「0」が決定される。即ち、内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定されたときは、停止開始位置が赤7範囲内であるか否かは問題とされない。
図27は、制御変更テーブルL−1を示す。制御変更テーブルL−1は、停止予定位置「14」に対して通常停止テーブルL−3を規定し、それ以外の停止予定位置に対しては通常停止テーブルL−2を規定する。
図28は、通常停止テーブルL−2を示す。通常停止テーブルL−2では、「Aライン」に基づいて決定される停止予定位置にて中リール3C及び右リール3Rの回転が停止されるとき、ボトムライン8dに沿って図柄「ベル」が表示される可能性がある。図29は、通常停止テーブルL−3を示す。通常停止テーブルL−3では、「Aライン」に基づいて決定される停止予定位置にて中リール3C及び右リール3Rの回転が停止されるとき、トップライン8bに沿って図柄「ベル」が表示される可能性がある。尚、通常停止テーブルL−2及び通常停止テーブルL−3は、「ライン変更」及び「Bライン」に対応するデータとして「0」を規定しており、「Bライン」に基づいて停止予定位置が決定されることはない。従って、内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定された場合に、順押しが行われたときは、左リール3Lの停止予定位置が「14」であればトップライン8bに沿ってベルに係る図柄の組合せが表示される一方で、その他の停止予定位置であればボトムライン8dに沿ってベルに係る図柄の組合せが表示されるようになる。
図29は、通常停止テーブルL−1を示す。これは、変則押しが行われた場合に使用される。通常停止テーブルL−1において、「中リールAライン」に基づいて決定される停止予定位置は、「1」、「6」、「11」、「12」、「15」、及び「19」の何れかである。これら停止予定位置のうち、「12」を除いた停止予定位置にて中リール3Cの回転が停止されると、基本的に、図柄「ベル」が中表示窓4Cの中段に表示される可能性がある。そして、停止予定位置「11」にて中リール3Cの回転が停止されるとき、特殊ベルに係る図柄「赤7」が中表示窓4Cの上段に表示される可能性がある。この停止予定位置「11」は、停止開始位置が「7」〜「11」の何れかであるときに決定され、停止開始位置「7」〜「11」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。
また、停止予定位置「12」にて中リール3Cの回転が停止されると、図柄「赤7」が中表示窓4Cの中段に表示され、且つ、図柄「ベル」が中表示窓4Cの下段に表示される可能性がある。この停止予定位置「12」は、停止開始位置が「12」であるときに決定され、停止開始位置「12」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。そして、停止開始位置が「12」のとき、ライン変更が有効となり、他のリールについて参照されるデータが「Aライン」から「Bライン」へと変更される。尚、前述の特定の停止開始位置は、特定の停止開始位置とは異なる停止開始位置よりもその数が少ない。
通常停止テーブルL−1において、「中リールBライン」に基づいて決定される停止予定位置は、「2」、「7」、「12」、「16」、及び「20」の何れかである。これら停止予定位置にて中リール3Cの回転が停止されると、基本的に、図柄「ベル」が中表示窓4Cの下段に表示される可能性がある。そして、前述したように、停止予定位置「12」にて中リール3Cの回転が停止されるとき、特殊ベルに係る図柄「赤7」が中表示窓4Cの中段に表示される可能性がある。「中リールBライン」において、停止予定位置「12」は、停止開始位置が「8」〜「12」の何れかであるときに決定され、停止開始位置「8」〜「12」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。
通常停止テーブルL−1において、「右リールAライン」に基づいて決定される停止予定位置は、「2」、「3」、「6」、「10」、「15」、及び「19」の何れかである。これら停止予定位置のうち、「3」を除いた停止予定位置にて右リール3Rの回転が停止されると、基本的に、図柄「ベル」が右表示窓4Rの中段に表示される可能性がある。そして、停止予定位置「2」にて右リール3Rの回転が停止されるとき、特殊ベルに係る図柄「青7」が右表示窓4Rの上段に表示される可能性がある。この停止予定位置「2」は、停止開始位置が「20」、及び「0」〜「2」の何れかであるときに決定され、停止開始位置「20」及び「0」〜「2」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。また、停止予定位置「3」にて右リール3Rの回転が停止されると、図柄「青7」が右表示窓4Rの中段に表示され、且つ、図柄「ベル」が右表示窓4Rの下段に表示される可能性がある。この停止予定位置「3」は、停止開始位置が「3」であるときに決定され、停止開始位置「3」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。そして、停止開始位置が「3」のとき、ライン変更が有効となり、他のリールについて参照されるデータが「Aライン」から「Bライン」へと変更される。
通常停止テーブルL−1において、「右リールBライン」に基づいて決定される停止予定位置は、「3」、「7」、「11」、「16」、及び「20」の何れかである。これら停止予定位置にて右リール3Rの回転が停止されると、基本的に、図柄「ベル」が右表示窓4Rの下段に表示される可能性がある。そして、前述したように、停止予定位置「3」にて右リール3Rの回転が停止されるとき、図柄「青7」が右表示窓4Rの中段に表示される可能性がある。「右リールBライン」において、停止予定位置「3」は、停止開始位置が「0」〜「3」の何れかであるときに決定され、停止開始位置「0」〜「3」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。
通常停止テーブルL−1において、「左リールAライン」に基づいて決定される停止予定位置は、「2」、「4」、「9」、「10」、「15」、及び「20」の何れかである。これら停止予定位置のうち、「10」を除いた停止予定位置にて左リール3Lの回転が停止されると、基本的に、図柄「ベル」が左表示窓4Lの中段に表示される可能性がある。そして、停止予定位置「10」にて左リール3Lの回転が停止されるとき、特殊ベルに係る図柄「BAR」が左表示窓4Lの上段に表示され、且つ、図柄「ベル」が左表示窓4Lの下段に表示される可能性がある。この停止予定位置「10」は、停止開始位置が「10」であるときに決定され、停止開始位置「10」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。
通常停止テーブルL−1において、「左リールBライン」に基づいて決定される停止予定位置は、「0」、「3」、「5」、「10」、「11」、及び「16」の何れかである。これら停止予定位置のうち、「11」を除いた停止予定位置にて左リール3Lの回転が停止されると、基本的に、図柄「ベル」が左表示窓4Lの下段に表示される可能性がある。そして、停止予定位置「11」にて左リール3Lの回転が停止されるとき、図柄「BAR」が左表示窓4Lの中段に表示される可能性がある。この停止予定位置「11」は、停止開始位置が「11」であるときに決定され、停止開始位置「11」は、前述の特定の停止開始位置に相当する。
このように、変則押しが行われた場合に使用される通常停止テーブルL−1では、「Aライン」が参照されて各リール3L,3C,3Rの回転が停止する場合、基本的に、各リール3L,3C,3Rの停止開始位置が、前述した、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示可能となる停止予定位置が決定される特定の停止開始位置であれば、特殊ベルに係る図柄の組合せがトップライン8bに沿って表示される一方で、前述の特定の停止開始位置とは異なる停止開始位置であれば、ベルに係る図柄の組合せがセンターライン8cに沿って表示される可能性がある。また、「Bライン」が参照されて各リール3L,3C,3Rの回転が停止する場合、基本的に、各リール3L,3C,3Rの停止開始位置が前述の特定の停止開始位置であれば、特殊ベルに係る図柄の組合せがセンターライン8cに沿って表示される一方で、前述の特定の停止開始位置とは異なる停止開始位置であれば、ベルに係る図柄の組合せがボトムライン8dに沿って表示される可能性がある。
次に、図32を参照して、優先順位テーブルについて説明する。
優先順位テーブルは、予め定められた優先順位(即ち、優先順位1〜3)に応じた引込データを規定する。優先順位は、入賞に係る図柄の組合せの種別間(内部当籤役の種別間とも言える)で優先的に引き込みが行われる順位を規定するものである。引き込みは、停止開始位置から滑り駒数として予め定められた数値の範囲内にある図柄を所定の有効ライン上に表示させることをいう。引込データは、前述の内部当籤役及び表示役とビットパターン等の構成が対応している。優先順位テーブルは、優先順位3に対して「小役(メダルの払い出しに係るもの)」、優先順位2に対して小役よりも遊技者にとっての有利さの度合いが高い「ボーナス(ボーナスゲームの作動に係るもの)」、優先順位1に対して「リプレイ(再遊技の作動に係るもの)」のそれぞれに対応する引込データを規定する。
次に、図33を参照して、検索順序テーブルについて説明する。
検索順序テーブルは、滑り駒数として予め規定する数値の範囲(即ち、0〜4)の中から適用可能な数値を検索していく順序(以下検索順序)を規定するものである。詳細は後述するが、この検索順序テーブルでは、検索順序「5」から「1」までの順に各数値の検索を行っていき、検索の結果、検索順序「1」に対応する数値から優先的に適用されるようにしている。また、検索順序テーブルは、前述の特殊停止テーブル等に従って取得される滑り駒数(即ち、停止データ用滑り駒数)に基づいて、その検索順序を規定している。即ち、停止データ用滑り駒数に該当する数値が最も上位となるように検索順序が規定されており、この結果、特殊停止テーブル等に基づいて取得された滑り駒数は他の滑り駒数よりも優先的に決定されるので、特殊停止テーブル等の開発の際に意図されていた図柄の表示を優先させることが可能となっている。
以下では、図34〜図39を参照して、主制御回路71のRAM33に設けられる各種格納領域について説明する。まず、図34を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。尚、RAM33には表示役格納領域も設けられており、この構成は内部当籤役格納領域の構成と同様の内容である。
図34の(1)は、内部当籤役1格納領域(表示役1格納領域)を示す。当該格納領域のビット0〜7のそれぞれは、赤チェリー、桃チェリー、コンドル、特殊コンドル、羽、スイカ、ベル、及び特殊ベルのそれぞれに対応している。図34の(2)は、内部当籤役2格納領域(表示役2格納領域)を示す。当該格納領域のビット0〜7のそれぞれは、青リプレイ、赤リプレイ、特殊リプレイ5、特殊リプレイ4、特殊リプレイ3、特殊リプレイ2、特殊リプレイ1、及び通常リプレイのそれぞれに対応している。図34の(3)は、内部当籤役3格納領域(表示役3格納領域)を示す。当該格納領域のビット0は特殊7に対応し、ビット5〜7のそれぞれは、BB3、BB2、及びBB1のそれぞれに対応している。尚、これら各格納領域に格納されるデータが0のとき、内部当籤役(又は表示役)はハズレとなる。
次に、図35を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
当たり要求フラグとしてBB1、BB2、又はBB3が取得されると、持越役格納領域に格納される。持越役格納領域は、前述の内部当籤役3格納領域と同様の構成を採用しており、ビット5〜7のそれぞれは、BB3、BB2、及びBB1のそれぞれに対応している。後述するが、持越役格納領域に格納された当たり要求フラグ「BB1」〜「BB3」は、対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるまで保持される構成である。これは、いわゆる「持ち越し」と称されるものであり、本実施の形態では、保持手段である持越役格納領域に格納された当たり要求フラグ「BB1」〜「BB3」を「持越役」と称す。持越役格納領域に当たり要求フラグ「BB1」〜「BB3」が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、これが内部当籤役3格納領域に格納され、内部当籤役として決定されるようになっている。
次に、図36を参照して、有効ストップボタン格納領域の構成について説明する。
有効ストップボタン格納領域は、1バイトからなり、押圧操作が有効な(即ち、押圧操作の検出が受け付け可能な状態にある)ストップボタンの種別を示すデータが格納される。ビット0〜2のそれぞれは、左ストップボタン、中ストップボタン、及び右ストップボタンのそれぞれに対応している。
次に、図37を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。
作動ストップボタン格納領域は、1バイトからなり、押圧操作の検出が行われたストップボタンの種別を示すデータが格納される。ビット0〜2のそれぞれは、左ストップボタン、中ストップボタン、及び右ストップボタンのそれぞれに対応している。
次に、図38を参照して、図柄格納領域の構成について説明する。
図柄格納領域には、各有効ライン8a〜8eに位置する各リールの図柄に係る図柄コードが格納される。例えば、センターライン8cであれば、左表示窓4Lの中段に位置する左リール3Lの図柄に係る図柄コードと、中表示窓4Cの中段に位置する中リール3Cの図柄に係る図柄コードと、右表示窓4Rの中段に位置する右リール3Rの図柄に係る図柄コードと、が格納される。尚、ROM32には、図2に示す各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄の配列をデータとして示すものであり、各図柄位置データに応じた図柄コードを規定する図柄配置テーブルが記憶されている。図柄コードは、1バイトのデータであり、赤7(図柄61)〜羽(図柄70)の各図柄の種別に応じて、「1(00000001B)」〜「10(00001010B)」のそれぞれが割り当てられている。尚、図38に示す格納例は、各リール3L,3C,3Rの図柄位置が「3」である場合のものである。
次に、図39を参照して、表示役予想格納領域の構成について説明する。
表示役予想格納領域は、それぞれ1バイトからなる左リール用表示役予想格納領域、中リール用表示役予想格納領域、及び右リール用表示役予想格納領域から構成され、各リール3L,3C,3Rの図柄位置「0」〜「20」に応じて決定された優先引込ステータスが格納される。優先引込ステータスは、「005H(00000101B)」が「リプレイ」、「003H」が「ボーナス」、「002H」が「小役」、「001H」が「停止可能」、及び「000H」が「停止禁止」に対応している。
優先引込ステータスは、その値が大きいほど優先順位が高く、当該優先引込ステータスを参照することにより、リールの表面に配された各図柄間での優先順位の相対的な評価が可能となる。この結果、内部抽籤の結果をリールの回転を停止する位置の決定に適正に反映させることができるようになる。また、優先引込ステータスとして最も大きい値が決定されている図柄が最も優先順位の高い図柄となる。即ち、優先引込ステータスとは、リールの表面に配される各図柄間の順位を示すものと言え、後述する通り、内部当籤役に影響を受けて決定されるものである。尚、優先引込ステータスの大きさが等しい図柄が複数存在する場合、前述の検索順序テーブルが規定する検索順序に従って一の図柄が決定される。
以下では、図40〜図47を参照して、副制御回路72の制御ROM82に記憶されている各種テーブルについて説明する。
詳細な説明は後に行うが、副制御回路72では、BB1〜BB3の作動が行われている場合において、ベルに係る図柄の組合せが表示されたときと、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されたときとに応じた数値を予め定めておき、何れかが表示されたことを条件に該当する数値を取得し、取得した数値をポイントとして加算してゆく特定演出状態(以下、ポイント加算ゲームという)の作動を行い、当該ポイントの合計に基づいて、遊技者に有利な情報の提供が行われる状態(以下、アシストタイムと称し、「AT」と略記する)の作動を行うか否かを決定するようにしている。また、ベルに係る図柄の組合せが表示されたときは、そのときの第1停止操作及び第2停止操作のそれぞれに対応する停止開始位置がともに前述の特定の停止開始位置であったか否かの判定の結果をも加味して、該当する数値が取得されるようにしている。そして、副制御回路72では、RT1又はRT2の作動中において特殊リプレイ1〜5を含む内部当籤役が決定されたとき、ATの作動が行われていることを条件として、液晶表示装置5において特定の映像を表示し、特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せの表示を回避するタイミングで停止操作を行うことを遊技者に対して示唆するようにしている。以下で説明するテーブルは、主として、上記ポイント加算ゲームの実行及びATの作動の決定を行う際に使用されるものである。
まず、図40を参照して、演出選択用初期設定テーブルについて説明する。演出選択用初期設定テーブルは、サブCPU用遊技状態に応じて演出選択テーブル選択テーブルを規定する。サブCPU用遊技状態は、主制御回路71にて管理されている遊技状態に応じて、映像の表示や音及び光の出力等による演出を実行するために参照されるデータである。主制御回路71のCPU31により送信される各種コマンドに基づいて副制御回路72のサブCPU81によりその更新等の管理が行われ、主制御回路71で管理されている遊技状態を副制御回路72においても管理することが可能となっている。具体的には、一般遊技状態、RT1〜RT4の4種類のRT遊技状態、及びBB1〜BB3の3種類のBB遊技状態が設けられている。
次に、図41及び図42を参照して、演出選択テーブル選択テーブルについて説明する。
演出選択テーブル選択テーブルは、主制御回路71により決定される内部当籤役に応じて演出選択テーブルを規定する。図41に示す演出選択テーブル選択テーブルAは、一般遊技状態又はRT4遊技状態であるときに選択される。図42に示す演出選択テーブル選択テーブルJは、BB1遊技状態、BB2遊技状態、及びBB3遊技状態(以下、BB1〜BB3遊技状態)であるときに選択される。各演出選択テーブル選択テーブルでは、内部当籤役に応じて規定する演出選択テーブルの種別が異なる。演出選択テーブル選択テーブルJでは、内部当籤役が「特殊ベル+ベル」であるとき、他の内部当籤役とは異なる演出選択テーブル「79」が決定される。
次に、図43を参照して、演出選択テーブルについて説明する。
演出選択テーブルは、演出番号とこれに応じた抽籤値とを規定する。前述の演出選択用初期設定テーブル、演出選択テーブル選択テーブル、及び演出選択テーブルに基づいた演出番号の決定は、開始操作の検出を契機として行われる。前述の演出選択テーブル選択テーブルJは、BB1〜BB3遊技状態において選択されることから、これが規定する演出選択テーブルは、BB1〜BB3遊技状態において実行される演出番号を規定しているといえる。即ち、内部当籤役が「特殊ベル+ベル」であるときに選択される演出選択テーブル「79」は、前述のポイント加算ゲームの実行に係る演出番号を規定するものである。具体的には、演出選択テーブル「79」は、他の内部当籤役であるときに選択される演出選択テーブル「78」には規定されていない特定の演出番号「28」、「29」、「30」、及び「31」を規定している。
次に、図44を参照して、演出構成テーブルについて説明する。
演出構成テーブルは、演出番号に応じて演出データを規定する。演出データは、液晶表示装置5により表示する映像の態様、スピーカ21L,21Rにより出力する音の態様、及びLED101により出力する光の態様を規定するデータである。尚、図40では、映像の態様についてのみ図示したが、音の態様及び光の態様についても同様のテーブルが設けられているものである。演出番号が決定されると、これに対応付けられた演出データが取得されることから、演出番号の決定と演出データの決定とは等価の関係であるといえる。
演出データは、開始操作の検出(図中のスタート)、第1停止操作の検出(図中の第1停止)、第2停止操作の検出(図中の第2停止)、第3停止操作の検出(図中の第3停止)、全リールの回転停止による図柄の組合せの表示(図中の表示役)、及び、投入操作の検出(図中のメダル投入)というように、基本的に遊技者による操作の検出が行われるタイミングに応じて規定されており、それぞれに応じて取得される。図示したものからも明らかなとおり、開始操作等の遊技者による操作の検出に応じて、映像の表示に係る各演出データが選択されて実行されることによって、それぞれのタイミングにて液晶表示装置5において該当する映像の表示が行われることとなり、これら一連の映像の表示によって所定の物語が展開されていく様子を遊技者に対して表示する構成となっている。
ここで、前述の演出番号「28」及び「29」では、「スタート」時に演出データ「マーク回転」が取得され、「表示役」決定時に演出データ「犬で停止」が取得される。前述の演出番号「30」及び「31」では、「スタート」時に演出データ「マーク回転」が取得され、「表示役」決定時に演出データ「美女で停止」が取得される。
次に、図45を参照して、目押しチェックテーブルについて説明する。
目押しチェックテーブルは、遊技者による停止操作の検出が受付可能な状態にあるストップボタン(即ち、有効ストップボタン)の中で、停止操作の検出が行われたストップボタン(即ち、作動ストップボタン)の種別に応じて、停止開始位置の種別を規定する。目押しチェックテーブルが規定する停止開始位置は、前述した特定の停止開始位置、つまり、前述した通常停止テーブルL−1において特殊ベルに係る図柄の組合せが表示可能となる停止予定位置が決定される停止開始位置に対応させたものである。目押しチェックテーブルは、BB1〜BB3遊技状態において内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定された場合において、第1停止操作及び第2停止操作のそれぞれの検出が行われたときに使用されるものである。
従って、本実施の形態では、BB1〜BB3遊技状態において内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定された場合に、第1停止操作及び第2停止操作のそれぞれの検出が行われると、その検出が行われたストップボタンの種別に対応するリールの停止開始位置と、目押しチェックテーブルにより規定された停止開始位置とが一致するか否かの判定を行い、これにより、第1停止操作及び第2停止操作のそれぞれの検出が行われたときの停止開始位置が、特定の停止開始位置であるか否かを判定するようにしている。言い換えると、目押しチェックテーブルを参照することにより、遊技者により行われた第1停止操作及び第2停止操作が、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されるタイミングでの停止操作(以下これを「特殊ベルの目押し」という)であったか否かがわかるようになる。
尚、図示するとおり、目押しチェックテーブルでは、有効ストップボタンが2つの場合(即ち、第2停止操作の検出が行われるとき)は、既に行われた第1停止操作の検出に基づいて決定された停止予定位置に応じて、各作動ストップボタンに応じた特定の停止開始位置が規定されている。このようにしたのは、前述の通常停止テーブルL−1では「Aライン」又は「Bライン」の何れのデータが参照されるかによって、前述した特定の停止開始位置が異なる場合がある為であり、特殊ベルの目押しが行われた否かに関してより正確な判定を行う為である。
次に、図46を参照して、AT遊技数選択データ選択テーブルについて説明する。
AT遊技数選択データ選択テーブルは、特定停止操作監視フラグ及び演出番号の種別に応じて、表示役「ベル」が決定されたとき及び表示役「特殊ベル」が決定されたときのそれぞれに対応するAT遊技数選択データを規定する。AT遊技数選択データは、後述のAT遊技数の選択に用いられるデータであり、「0」又は「1」の何れかの数値が採用されている。詳しくは後述するが、AT遊技数選択データ選択テーブルにより取得されたAT遊技数選択データは、SDRAM83のポイントカウンタに加算され、このポイントカウンタに記憶されている数値の多寡に基づいた確率にて予め定めた複数種類の数値の中から何れかをAT遊技数として決定するものである。
特定停止操作監視フラグは、第1停止操作及び第2停止操作それぞれの検出が行われたときの停止開始位置と、目押しチェックテーブルにより規定された特定の停止開始位置とが一致するものであったか否かの判定結果、言い換えると、第1停止操作及び第2停止操作において特殊ベルの目押しが成功したか否かの判定結果を示すデータであり、特殊ベルの目押しに成功したと判定されたときに「オン」、特殊ベルの目押しが失敗したと判定されたときに「オフ」となるよう管理される。また、AT遊技数選択データ選択テーブルにより規定されている演出番号の種別は、前述の演出選択テーブル79により選択される演出番号の種別と対応する。
従って、特定停止操作監視フラグがオンである場合に表示役として「ベル」が決定されたときは、第1停止操作及び第2停止操作において特殊ベルの目押しが成功していたにもかかわらず、第3停止操作においてこれに失敗した結果、ベルに係る図柄の組合せが表示されたことがわかる。これに対して、特定停止操作監視フラグがオフである場合に表示役として「ベル」が決定されたときは、第1停止操作又は第2停止操作といった早い段階で特殊ベルの目押しに失敗したか、或いは、もともと特殊ベルの目押しを行う意思が遊技者になかったことがわかる。尚、表示役として「特殊ベル」が決定されたときは、特定停止操作監視フラグは必ず「オン」である。
ここで、AT遊技数選択データ選択テーブルを参照すると、表示役として「特殊ベル」が決定された場合と、特定停止操作監視フラグが「オフ」であるときに表示役として「ベル」が決定された場合と、特定停止操作監視フラグが「オン」であるときに表示役として「ベル」が決定された場合と、の3つのケースに応じて、各演出番号28〜31に応じたAT遊技数選択データが規定されていることがわかる。以下では、各演出番号ごとに、上記3つのケースに応じて取得される数値の大きさ等について比較する。
まず、演出番号が「28」のときでは、上記3つのケースの何れであっても、AT遊技数選択データとして「0」が取得される。また、演出番号が「30」のときでは、上記3つのケースの何れであっても、AT遊技数選択データとして「1」が取得される。
次いで、演出番号が「29」のときでは、特定停止操作監視フラグのオン及びオフにかかわらず表示役として「ベル」が決定された場合であれば「0」が取得される一方、表示役として「特殊ベル」が決定された場合であれば「1」が取得される。従って、表示役として「ベル」が決定された場合よりも、表示役として「特殊ベル」が決定された場合の方が、AT遊技数選択データとしてより大きな数値が決定される構成となっている。
尚、特定停止操作監視フラグが「オン」のときにおいて、表示役「ベル」が決定されたときに各演出番号に規定されているAT遊技数選択データと、表示役「特殊ベル」が決定されたときに各演出番号に規定されているAT遊技数選択データとを比較すると、表示役「特殊ベル」が決定されたときでは、4つの演出番号のうち3つの演出番号で「1」が決定されるのに対し、表示役「ベル」が決定されたときでは、4つの演出番号のうち1つの演出番号で「1」が決定されることから、表示役「特殊ベル」が決定されたときは、表示役「ベル」が決定されたときと比較して、同じ数値がより高い確率にて選択されるといえる。
次いで、演出番号が「31」のときでは、表示役として「特殊ベル」が決定された場合であれば「1」が取得される。これに対して、表示役として「ベル」が決定された場合、特定停止操作監視フラグが「オフ」であれば「1」が取得される一方、特定停止操作監視フラグが「オン」であれば「0」が取得される。従って、表示役として同様に「ベル」が決定された場合であっても、最終停止操作で特殊ベルの目押しに失敗した場合よりも、早い段階で目押しに失敗したか或いは特殊ベルの目押しを行う意思が遊技者にない場合の方が、AT遊技数選択データとして大きな数値、即ち、表示役「特殊ベル」が決定されたときと同じ数値が決定される構成となっている。このように、表示役として「特殊ベル」が決定された場合、演出番号が29でない限り、AT遊技数選択データとして「1」が取得されるが、最終停止操作で特殊ベルの目押しに失敗してしまうと、最初からそれを狙わなかったとき等であれば取得されていたはずの数値「1」よりも少ない数値「0」が取得されてしまうことから、遊技者に対して、自己に有利となるポイントを獲得する為にはそれなりのリスクを背負わせるという内容の遊技性を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、表示役「ベル」が決定されたときにおいて、特定停止操作監視フラグが「オフ」のときに各演出番号に規定されているAT遊技数選択データと、特定停止操作監視フラグが「オン」のときに各演出番号に規定されているAT遊技数選択データとを比較すると、特定停止操作監視フラグが「オフ」のときでは、4つの演出番号のうち2つの演出番号で「1」が決定されるのに対し、特定停止操作監視フラグが「オン」のときでは、4つの演出番号のうち1つの演出番号で「1」が決定されることから、特定停止操作監視フラグが「オン」のときは、特定停止操作監視フラグが「オフ」のときと比較して、同じ数値がより低い確率にて選択されるといえる。
尚、AT遊技数選択データ選択テーブルでは、開始操作の検出時に決定される演出番号ごとに、特定停止操作監視フラグ及び表示役に応じて予め規定されている数値が異なり、AT遊技数選択データの決定が多様なものとなるようにしている。このAT遊技数選択データ選択テーブルは、演出番号ごとにその性格が異なるテーブルを一のテーブルとして含む構成であるともいえる。
次に、図47を参照して、AT遊技数抽籤テーブルについて説明する。
AT遊技数抽籤テーブルは、予め定められた期間において選択されたAT遊技数選択データの累積であるポイントカウンタに格納されている数値に応じて、AT遊技数カウンタに格納する複数種類の数値とその決定に係る抽籤値とを規定する。AT遊技数カウンタは、ATの作動が継続する遊技回数(AT遊技数)を管理するためのデータであり、言い換えれば、遊技者にとって有利な情報の提供を行うことが可能となる回数を管理するためのデータであるといえる。本実施の形態では、基本的に、RT1の作動及びRT3の作動が行われている場合において、AT遊技数カウンタに格納されている数値が0を超えるものであることを条件に、演出番号「21」又は「22」に基づいた映像を液晶表示装置5において表示することによって、特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せが表示されないタイミングでの停止操作を行うことを示唆し、RT1の作動及びRT3の作動の終了を回避するための情報を遊技者に提供するようにしている。AT遊技数抽籤テーブルでは、ポイントカウンタに格納されている数値が大きいほど、予め定められた複数種類の数値の中から相対的に大きい数値(例えば、図中の「110」〜「2100」といった数値)がAT遊技数として決定される確率が高い構成となっている。言い換えれば、上記ポイント加算ゲームにおいて、ベルに係る図柄の組合せが表示された回数よりも、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示された回数の方が多いほど、相対的に大きな数値がAT遊技数として決定される確率が高いということができる。
より具体的に述べれば、ポイントカウンタが「2」のときと、ポイントカウンタが「3」のときを比較すると、ポイントカウンタが「3」のときは、ポイントカウンタが「2」のときと比較して、複数種類の数値の中でより大きい数値(例えば「1100」)が選択されるか、又は、複数種類の数値の中で同じ数値(例えば「210」)がより高い確率にて選択される構成となっている。即ち、表示役として「特殊ベル」が決定されたときは、表示役として「ベル」が決定されたときと比較して、複数種類の数値の中でより大きい数値が選択されるか、又は、複数種類の数値の中で同じ数値がより高い確率にて選択されるといえる。尚、このように、前述のAT遊技数選択データが選択されると、これに基づいてAT遊技数が選択されることから、AT遊技数選択データの選択と、AT遊技数の選択とは、等価の関係にあるといえる。AT遊技数選択データは、選択データに相当する。また、AT遊技数は、情報提供可能回数に相当する。
次に、図48〜図65に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が実行する各処理の内容について説明する。
先ず、図48を参照して、主制御回路71のCPU31により行われるリセット割込処理について説明する。この処理は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより行われるリセット割込の発生に基づいて実行される。電源が投入されると、初めに、CPU31は、遊技終了時初期化用のアドレスを指定する(ステップS1)。次に、CPU31は、指定されたアドレス以下の格納領域をクリアする(ステップS2)。これによって、RAM33の内部当籤役格納領域等に格納されたデータが初期化される。次に、CPU31は、後で図49を参照して説明するボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。これは、BB1〜BB3の作動中において、RB1又はRB2の作動を行うか否かを監視する処理である。
次に、CPU31は、後で図50を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。この処理は、遊技者による投入操作の検出に基づいて投入するメダルの多寡を決定する投入操作検出手段、開始操作検出手段を構成する。次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS5)。次に、後で図51及び図52を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS6)。この処理は、内部当籤役決定手段を構成する。次に、CPU31は、後で図53を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(ステップS7)。この処理では、内部当籤役格納領域に基づく特殊停止テーブル等の決定や、各リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄についての優先引込ステータスの決定等の処理が行われる。
次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS8)。スタートコマンドには、内部当籤役等の各種データが含まれている。次に、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)。また、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、作動ストップボタン格納領域に「000H」を格納し、自動停止タイマに「35865」を格納する。尚、全リールの回転開始が要求されると、1.1173msecの周期毎に定期的に発生させている割込処理においてリールの回転を開始する処理が行われる。この処理は、リール回転手段を構成する。また、この割込処理では自動停止タイマを1減算する処理も行われる。次に、CPU31は、リールの回転の定速待ちを行う(ステップS10)。
次に、CPU31は、後で図58を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。この処理は、リール停止手段を構成する。次に、CPU31は、後で図55を参照して説明する表示役検索処理を行う(ステップS12)。この処理は、全てのリールの回転が停止された結果、図柄表示手段により入賞に係る図柄の組合せが表示されたか否かを決定する入賞決定手段を構成する。次に、CPU31は、イリーガルヒットのチェックを行う(ステップS13)。つまり、決定された内部当籤役が許容する図柄の組合せと一致しない表示役が決定される場合の誤入賞のチェックが行われる。次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS14)。表示役コマンドには、表示役などのデータが含まれている。次に、CPU31は、メダルの払い出しを行う(ステップS15)。具体的には、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー40の駆動制御やクレジットカウンタの更新が行われる。この処理は、遊技媒体付与手段を構成する。
次に、CPU31は、払出枚数カウンタに基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS16)。具体的には、ボーナス終了枚数カウンタが0になるまで、ボーナス終了枚数カウンタから払出枚数として決定された数値を減算する。次に、CPU31は、BB1〜BB3作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS17)。CPU31は、BB1〜BB3作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図63を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS18)。この処理は、ボーナスゲームの作動を終了するボーナスゲーム終了手段を構成する。CPU31は、ステップS17においてBB1〜BB3作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図65を参照して説明するRT制御処理を行う(ステップS19)。この処理は、リプレイタイムの作動を行うリプレイタイム作動手段を構成する。CPU31は、ステップS18の後、又は、ステップS19の後、後で図64を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS20)。この処理は、ボーナスゲーム作動手段を構成する。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
次に、図49を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、BB1〜BB3作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS31)。CPU31は、BB1〜BB3作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了し、BB1〜BB3作動中フラグはオンであると判別したときには、RB1〜RB2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS32)。CPU31は、RB1〜RB2作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了し、RB1〜RB2作動中フラグはオンではないと判別したときには、BB1〜BB2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS33)。CPU31は、BB1〜BB2作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB1作動時処理を行う(ステップS34)。CPU31は、BB3作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB2作動時処理を行う(ステップS35)。この処理が終了すると、ボーナス作動監視処理を終了する。
次に、図50を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS51)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(ステップS52)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。CPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(ステップS53)。次に、CPU31は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS54)。
CPU31は、ステップS52の後、又は、ステップS54の後に、メダル通過が検出されたか否かを判別する(ステップS55)。CPU31は、メダルの通過が検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは3であるか否かを判別する(ステップS56)。CPU31は、投入枚数カウンタは3ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(ステップS57)。次に、CPU31は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS58)。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS59)。メダル投入コマンドには、投入枚数のデータ等が含まれる。
CPU31は、ステップS56において投入枚数カウンタは3であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS60)。CPU31は、ステップS55においてメダルが通過していないと判別したとき、ステップS59の後、又は、ステップS60の後に、メダルの通過途中であるか否かを判別する(ステップS61)。CPU31は、メダルの通過途中ではないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(ステップS62)。ベットスイッチ11S,12S,13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタが更新される。
CPU31は、ステップS61においてメダルの通過途中であると判別したとき、又は、ステップS62の後に、投入枚数カウンタは3であるか否かを判別する(ステップS63)。投入枚数カウンタは3ではないと判別したときには、ステップS55に移る。CPU31は、投入枚数カウンタは3であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS64)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS55に移り、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(ステップS65)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わず、メダルのメダル払出口15からの排出を促す。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図51及び図52を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、遊技状態に基づいて内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(ステップS81)。尚、遊技状態は、RB1作動中フラグがオンであればRB1遊技状態、RB2作動中フラグがオンであればRB2遊技状態、RT1遊技状態フラグがオンであればRT1遊技状態、RT2遊技状態フラグがオンであればRT2遊技状態、RT3遊技状態フラグがオンであればRT3遊技状態、RT4遊技状態フラグがオンであればRT4遊技状態、これらのいずれもオフであれば一般遊技状態となる。
次に、CPU31は、持越役格納領域は0であるか否かを判別する(ステップS82)。CPU31は、持越役格納領域は0ではない、即ち、当たり要求フラグ「BB1」〜「BB3」が格納されていると判別したときには、抽籤回数を29に変更する(ステップS83)。当たり要求フラグ「BB1」〜「BB3」が重ねて決定されないようにするためである。CPU31は、持越役格納領域は0であると判別したときには、抽出された乱数値を判定用乱数値としてセットする(ステップS84)。以下では、判定用乱数値の加工を行い、乱数値格納領域に格納されている乱数値自体の加工は行わない。
次に、CPU31は、抽籤回数を当籤番号としてセットする(ステップS85)。次に、CPU31は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(ステップS86)。次に、CPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(ステップS87)。次に、CPU31は、桁かりが生じたか否かを判別する(ステップS88)。CPU31は、桁かりが生じていないと判別したときには、抽籤回数を1減算する(ステップS89)。次に、CPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(ステップS90)。CPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、ステップS85に移り、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(ステップS91)。CPU31は、ステップS88において桁かりが生じたと判別したときには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(ステップS92)。
CPU31は、ステップS91の後、又は、ステップS92の後に、小役・リプレイ用データポインタは5未満であるか否かを判別する(ステップS93)。CPU31は、小役・リプレイ用データポインタは5未満であると判別したときには、内部当籤役2格納領域のアドレスを指定する(ステップS94)。CPU31は、小役・リプレイ用データポインタは5未満ではないと判別したときには、小役・リプレイ用データポインタは15であるか否かを判別する(ステップS95)。CPU31は、小役・リプレイ用データポインタは15ではないと判別したときには、内部当籤役1格納領域のアドレスを指定する(ステップS96)。CPU31は、小役・リプレイ用データポインタは15であると判別したときには、内部当籤役3格納領域のアドレスを指定する(ステップS97)。CPU31は、ステップS94の後、ステップS96の後、又は、ステップS97の後に、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて当たり要求フラグを取得する(ステップS98)。次に、CPU31は、取得された当たり要求フラグを、アドレスがセットされている内部当籤役格納領域に格納する(ステップS99)。
次に、CPU31は、持越役格納領域は0であるか否かを判別する(ステップS100)。CPU31は、持越役格納領域は0であると判別したときには、ボーナス用データポインタは0であるか否かを判別する(ステップS101)。CPU31は、ボーナス用データポインタは0ではないと判別したときには、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて当たり要求フラグを取得し、持越役格納領域に格納する(ステップS102)。次に、CPU31は、RT遊技状態フラグ及びRT遊技数カウンタをクリアし、RT2遊技状態フラグを格納する(ステップS103)。CPU31は、ステップS100において持越役格納領域は0ではないと判別したとき、ステップS101においてボーナス用データポインタは0であると判別したとき、又は、ステップS103の後に、持越役格納領域に格納されているデータと内部当籤役3格納領域に格納されているデータとの論理和をとり、その結果を内部当籤役3格納領域に格納する(ステップS104)。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図53を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部当籤役格納領域を参照し、リール停止初期設定テーブルに基づいて特殊停止テーブル等を選択し、格納する(ステップS121)。このとき、内部当籤役3格納領域のBB1〜BB3に対応するビット5〜7がマスクされ、それ以外との一致不一致が判定される。尚、本実施の形態では、内部当籤役3格納領域にBB1〜BB3が含まれている場合とそうでない場合とで特殊停止テーブル等の共通化を図るようにしたが、内部当籤役3格納領域にBB1〜BB3が含まれているか否かや、又は、その種別に応じて、異なる特殊停止テーブル等を備えるようにしても良い。
次に、CPU31は、各図柄格納領域に回転中を示す識別子「0FFH(11111111B)」を格納する(ステップS122)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納する(ステップS123)。ストップボタン未作動カウンタは、押圧操作の検出が行われていないストップボタンの数を計数するためのデータである。次に、CPU31は、後で図54を参照して説明する表示役予想格納処理を行う(ステップS124)。この処理では、各リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄に応じた優先引込ステータスを決定する。この処理が終了すると、リール停止初期設定処理を終了する。
次に、図54を参照して、表示役予想格納処理について説明する。
初めに、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを検索回数としてセットし、格納する(ステップS141)。次に、CPU31は、ストップボタンチェックデータとして「008H(00001000B)」をセットする(ステップS142)。次に、CPU31は、ストップボタンチェックデータを右へローテートする(ステップS143)。例えば、「008H(00001000B)」であれば、「004H(00000100B)」となる。次に、CPU31は、ストップボタンチェックデータと有効ストップボタン格納領域に格納されているデータとの論理積は0であるか否かを判別する(ステップS144)。CPU31は、論理積は0であると判別したときには、ステップS143に移り、論理積は0ではないと判別したときには、検索回数に応じた回数を実行したか否かを判別する(ステップS145)。この処理では、RAM33に格納されている検索回数をレジスタに予め転送しておき、当該レジスタを減算した結果、0になったか否かを判別するようにしている。即ち、RAM33に格納されている検索回数自体の減算はここでは行わない。
CPU31は、ステップS145において検索回数に応じた回数を実行していないと判別したときには、ステップS143に移り、検索回数に応じた回数を実行したと判別したときには、ストップボタンチェックデータに応じたリールを検索対象リールとして決定し、この検索対象リールに応じた表示役予想格納領域のアドレスをセットする(ステップS146)。この処理では、ストップボタンチェックデータが「001H」、「002H」、及び「004H」のとき、それぞれに応じて、検索対象リールとして左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rを決定し、該当する表示役予想格納領域の先頭アドレス(即ち、図柄位置0)をセットする。次に、CPU31は、図柄位置データとして「0」をセットし、図柄チェック回数として「21」をセットする(ステップS147)。
次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて、図柄格納領域に図柄コードを格納する(ステップS148)。次に、CPU31は、後で図55を参照して説明する表示役検索処理を行う(ステップS149)。この処理では、各リールの表面に配された各図柄に応じて、有効ラインに沿って遊技者に対して表示され得る図柄の組合せを検索する。次に、CPU31は、後で図56及び図57を参照して説明する優先引込ステータス取得処理を行う(ステップS150)。この処理では、上記表示役検索処理により特定された図柄の組合せと優先順位テーブルとに基づいて、優先引込ステータスを決定する。
次に、CPU31は、図柄位置データに基づいて、表示役予想格納領域に優先引込ステータスを格納する(ステップS151)。次に、CPU31は、表示役予想格納領域のアドレス及び図柄位置データをそれぞれ1加算し、図柄チェック回数を1減算する(ステップS152)。次に、CPU31は、図柄チェック回数は0であるか否かを判別する(ステップS153)。CPU31は、図柄チェック回数が0ではないと判別したときには、ステップS148に移り、図柄チェック回数が0であると判別したときには、検索回数を1減算する(ステップS154)。次に、CPU31は、検索回数は0であるか否かを判別する(ステップS155)。CPU31は、検索回数が0であると判別したときには、表示役予想格納処理を終了する。
CPU31は、ステップS155において検索回数が0ではないと判別したときには、全図柄格納領域に回転中を示す識別子を格納する(ステップS156)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは3であるか否かを判別する(ステップS157)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは3であると判別したときには、ステップS142に移り、ストップボタン未作動カウンタは3ではないと判別したときには、作動ストップボタンに対応するリールを検索対象リールとして決定する(ステップS158)。次に、CPU31は、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(ステップS159)。次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて、図柄格納領域に図柄コードを格納する(ステップS160)。この処理が終了すると、ステップS142に移る。
次に、図55を参照して、表示役検索処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄格納領域の先頭アドレスをセットする(ステップS181)。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットする(ステップS182)。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている3個の図柄コードとを比較する(ステップS183)。次に、CPU31は、回転中を示す識別子を除いて一致するか否かを判別する(ステップS184)。一致すると判別したときには、入賞作動フラグと格納領域加算データを取得する(ステップS185)。次に、CPU31は、表示役1格納領域のアドレスをセットし、格納領域加算データに基づいてアドレスを加算する(ステップS186)。次に、CPU31は、入賞作動フラグと、指定された表示役予想格納領域との論理和を当該表示役予想格納領域に格納する(ステップS187)。次に、CPU31は、検索回数は0であるか否かを判別する(ステップS188)。CPU31は、検索回数は0であると判別したときには、払出枚数を取得し、払出枚数カウンタに加算する(ステップS189)。
CPU31は、ステップS184において一致しないと判別したとき、ステップS188において検索回数は0ではないと判別したとき、又は、ステップS189の後に、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する(ステップS190)。次に、CPU31は、エンドコードであるか否かを判別する(ステップS191)。CPU31は、エンドコードではない、即ち、図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せについて検索を行っていないと判別したときには、ステップS183に移り、エンドコードであると判別したときには、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する(ステップS192)。この処理では、RAM33に格納されている有効ラインカウンタをレジスタに予め転送しておき、当該レジスタを減算した結果、0になったか否かを判別するようにしている。即ち、RAM33に格納されている有効ラインカウンタ自体の減算はここでは行わない。CPU31は、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したと判別したときには、表示役検索処理を終了し、有効ラインカウンタに応じた回数を実行してないと判別したときには、図柄格納領域のアドレスを更新し、ステップS182に移る。
次に、図56及び図57を参照して、優先引込ステータス取得処理について説明する。
初めに、CPU31は、検索対象リールは左リールであるか否かを判別する(ステップS211)。検索対象リールは左リールではないと判別したときには、表示役1格納領域のビット0及びビット1をクリアする(ステップS212)。つまり、赤チェリーに対応するビット0及び桃チェリーに対応するビット1をクリアして、優先引込ステータスの決定に反映されないようにする。CPU31は、ステップS211において検索対象リールは左リールであると判別したとき、又は、ステップS212の後に、内部当籤役1と表示役1の排他的論理和をとり、その結果と表示役1の論理積をとる(ステップS213)。この処理によって、表示役格納領域でのみオンとなるビットが有るか否かが判明し、このことから、表示役が内部当籤役に含まれるか否か、即ち、現在のチェック対象の図柄が、決定された内部当籤役を満足するものであるか否かが判明する。
次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS214)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(ステップS215)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタが1ではないと判別したときには、ビット0又はビット1はオンであるか否かを判別する(ステップS216)。CPU31は、ステップS214において論理積は0であると判別したとき、又は、ステップS216においてビット0又はビット1はオンではないと判別したときには、内部当籤役2と表示役2の排他的論理和をとり、その結果と表示役2の論理積をとる(ステップS217)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS218)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(ステップS219)。
CPU31は、ステップS218において論理積は0であると判別したとき、又は、ステップS219においてストップボタン未作動カウンタは1ではないと判別したときには、内部当籤役3と表示役3の排他的論理和をとり、その結果と表示役3の論理積をとる(ステップS220)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS221)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(ステップS222)。CPU31は、ステップS215、ステップS219、又は、ステップS222においてストップボタン未作動カウンタは1であると判別したとき、又は、ステップS216においてビット0又はビット1は1であると判別したときには、優先引込ステータスとして「000H」をセットする(ステップS223)。この処理が終了すると、優先引込ステータス取得処理を終了する。
CPU31は、ステップS221において論理積は0であると判別したとき、又は、ステップS222においてストップボタン未作動カウンタは1ではないと判別したときには、優先順位テーブルの先頭アドレスをセットし、チェック回数として「3」、優先順位の初期値として「1」をセットする(ステップS224)。次に、CPU31は、優先引込ステータスの初期値として「000H」をセットする(ステップS225)。次に、CPU31は、内部当籤役1、表示役1、及び引込データ1の論理積をとる(ステップS226)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS227)。CPU31は、論理積は0であると判別したときには、内部当籤役2、表示役2、及び引込データ2の論理積をとる(ステップS228)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS229)。CPU31は、論理積は0であると判別したときには、内部当籤役3、表示役3、及び引込データ3の論理積をとる(ステップS230)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS231)。CPU31は、ステップS227、ステップS229、又は、ステップS231において論理積は0ではないと判別したときには、キャリーフラグをオンにする(ステップS232)。
CPU31は、ステップS231において論理積は0であると判別したとき、又は、ステップS232の後に、キャリーフラグを含めて優先引込ステータスのビットパターンを左にローテートする(ステップS233)。この処理によって、優先順位が高いほど、優先引込ステータスが大きくなる。次に、CPU31は、チェック回数を1減算し、優先順位を1加算する(ステップS234)。次に、CPU31は、チェック回数は0であるか否かを判別する(ステップS235)。CPU31は、チェック回数は0ではないと判別したときには、ステップS226に移り、チェック回数は0であると判別したときには、優先引込ステータスに1加算する(ステップS236)。「000H」を「停止禁止」として扱うためである。この処理が終了すると、優先引込ステータス取得処理を終了する。
尚、上記表示役予想格納処理が行われる時期は、リールの回転の停止が現に行われる前であれば良く、ストップボタンの押圧操作が行われた後であっても良い。この場合、停止開始位置に対応する図柄から、リールの回転方向における所定の範囲内の各図柄に対応する優先引込ステータスのみを決定し、それぞれを格納するようにしても良い。より具体的には、前述の表示役予想格納処理のステップS147において、停止開始位置を図柄位置データとしてセットし、図柄チェック回数として最大可能滑り駒数である「5」を適用するようにしても良い。また、本実施の形態では、優先引込ステータスは、値が大きいほどその優先順位が高い構成としたが、これに限られず、値が小さいほどその優先順位が高い構成とすることも可能である。
次に、図58を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(ステップS251)。CPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、自動停止タイマは0であるか否かを判別する(ステップS252)。CPU31は、自動停止タイマは0ではないと判別したときには、ステップS251に移り、自動停止タイマは0であると判別したときには、有効なストップボタンであって、最も右側のストップボタンを選択する(ステップS253)。具体的には、有効ストップボタン格納領域のビット0〜2の中でオンとなっている最も上位のビットを選択する。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(ステップS254)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは1であると判別したときには、自動停止フラグをオンにする(ステップS255)。
CPU31は、ステップS251において有効なストップボタンが押されたと判別したとき、ステップS254においてストップボタン未作動カウンタは1ではないと判別したとき、又は、ステップS255の後に、有効ストップボタン格納領域の対応ビットをリセットし、作動ストップボタンを決定する(ステップS256)。尚、このとき、押圧操作の検出が行われた際の図柄カウンタをセットする。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(ステップS257)。次に、CPU31は、自動停止フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS258)。CPU31は、自動停止フラグはオンではないと判別したときには、後で図59を参照して説明する滑り駒数決定処理を行う(ステップS259)。この処理は、特殊停止テーブル等に基づいてリールの回転を停止する位置を決定する滑り駒数決定手段を構成する。
CPU31は、自動停止フラグはオンであると判別したときには、作動ストップボタンに応じた表示役予想格納領域のアドレスをセットする(ステップS260)。次に、CPU31は、図柄カウンタに対応する優先引込ステータスは「停止可能(001H)」であるか否かを判別する(ステップS261)。CPU31は、「停止可能」ではないと判別したときには、ステップS261を繰り返す。つまり、図柄カウンタが更新されて「停止可能」に対応する図柄位置と一致するのを待つ。CPU31は、「停止可能」であると判別したときには、滑り駒数として0を決定する(ステップS262)。このようにして、自動停止フラグがオンのときは、入賞成立の回避が行われる。
CPU31は、ステップS259の後、又は、ステップS262の後に、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS263)。リール停止コマンドには、有効ストップボタン、作動ストップボタン、停止開始位置、及び停止予定位置などのデータが含まれる。次に、CPU31は、図柄カウンタと滑り駒数とに基づいて停止予定位置を格納する(ステップS264)。停止予定位置が格納されると、前述した定期的に発生する割込処理によって、当該停止予定位置に基づいてリールの回転を停止する処理が行われる。尚、滑り駒数と停止予定位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。次に、CPU31は、作動ストップボタンに対応するリールを検索対象リールとして決定する(ステップS265)。次に、CPU31は、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(ステップS266)。次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて図柄格納領域に図柄コードを格納する(ステップS267)。
次に、CPU31は、後で図62を参照して説明する制御変更処理を行う(ステップS268)。この処理では、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合に、停止開始位置及び停止予定位置に基づいて、以降の停止操作について使用する停止テーブルを決定する。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS269)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であると判別したときには、リール停止制御処理を終了し、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したときには、前述の表示役予想格納処理を行う(ステップS270)。この処理では、残りの回転中のリールの各図柄について優先引込ステータスを決定する。この処理が終了すると、ステップS251に移る。
次に、図59を参照して、滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、CPU31は、ラインマスクデータテーブルに基づいて、作動ストップボタンに対応するラインマスクデータを格納する(ステップS291)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2であるか否かを判別する(ステップS292)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2ではないと判別したときには、後で図60を参照して説明する第2・第3停止処理を行う(ステップS293)。この処理では、第2停止操作の検出及び第3停止操作の検出に基づいたリールの回転の停止が行われる。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2であると判別したときには、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(ステップS294)。CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したときには、選択された特殊停止テーブルを参照し、図柄カウンタに応じて停止データ用滑り駒数とテーブル選択番号とを取得する(ステップS295)。
CPU31は、ステップS294において作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したときには、停止テーブルの先頭アドレスをセットし、停止開始位置に基づいてアドレスを加算する(ステップS296)。次に、CPU31は、停止データ用滑り駒数の初期値として0をセットする(ステップS297)。次に、CPU31は、ラインマスクデータを左にローテートしたデータと停止データとの論理積をとる(ステップS298)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS299)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ライン変更有効フラグをオンにする(ステップS300)。CPU31は、ステップS299において論理積は0であると判別したとき、又は、ステップS300の後に、ラインマスクデータと停止データとの論理積は0であるか否かを判別する(ステップS301)。CPU31は、論理積は0であると判別したときには、停止データ用滑り駒数を1加算し、停止データのアドレスを1加算して(ステップS302)、ステップS301に移る。
CPU31は、ステップS293の後、ステップS295の後、又は、ステップS301において論理積は0ではないと判別したときには、後で図61を参照して説明する優先引込制御処理を行う(ステップS303)。この処理は、停止操作検出手段により停止操作の検出が行われたときに図柄特定手段により特定される図柄から所定範囲(例えば、最大滑り駒数「4コマ」の範囲)の図柄までの各図柄に応じた優先順位の比較を行う優先順位比較手段を構成する。この処理が終了すると、滑り駒数決定処理を終了する。
次に、図60を参照して、第2・第3停止処理について説明する。
初めに、CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(ステップS321)。CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したときには、ライン変更要求チェックテーブルの先頭アドレスをセットし、停止開始位置に応じてアドレスを加算する(ステップS322)。次に、CPU31は、ライン変更要求フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS323)。CPU31は、ライン変更要求フラグはオンであると判別したときには、ライン変更有効フラグをオンにする(ステップS324)。
CPU31は、ステップS321において作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(ステップS325)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは1であると判別したときには、有効ストップボタン格納領域のビット0は0であるか否かを判別する(ステップS326)。CPU31は、有効ストップボタン格納領域のビット0は0であると判別したときには、停止テーブルの先頭アドレスをセットし、停止開始位置に応じてアドレスを加算する(ステップS327)。次に、CPU31は、ラインマスクデータを左にローテートしたデータと停止データとの論理積をとる(ステップS328)。この処理では、RAM33に格納されているラインマスクデータをレジスタに予め転送しておき、当該レジスタを加工するようにしており、ラインマスクデータ自体の変更は行わない。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(ステップS329)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ライン変更有効フラグをオンにする(ステップS330)。
CPU31は、ステップS323においてライン変更要求フラグはオンではないと判別したとき、ステップS324の後、ステップS325においてストップボタン未作動カウンタは1ではないと判別したとき、ステップS326において有効ストップボタン格納領域のビット0は0ではないと判別したとき、ステップS329において論理積は0であると判別したとき、又は、ステップS330の後に、ライン変更有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS331)。CPU31は、ライン変更有効フラグはオンであると判別したときには、ラインマスクデータを右にローテートする(ステップS332)。
CPU31は、ステップS331においてライン変更有効フラグはオンではないと判別したとき、又は、ステップS332の後に、停止テーブルの先頭アドレスをセットし、停止開始位置に応じてアドレスを加算し、停止データ用滑り駒数の初期値として0をセットする(ステップS333)。次に、CPU31は、ラインマスクデータと停止データとの論理積は0であるか否かを判別する(ステップS334)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、第2・第3停止処理を終了する。CPU31は、論理積は0であると判別したときには、停止データ用滑り駒数を1加算し、停止テーブルのアドレスを1加算して(ステップS335)、ステップS334に移る。
次に、図61を参照して、優先引込制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、作動ストップボタンに応じて表示役予想格納領域の先頭アドレスを選択する(ステップS351)。次に、CPU31は、チェック回数として5をセットする(ステップS352)。次に、CPU31は、図柄カウンタに対応する表示役予想格納領域からチェック回数分の優先引込ステータスを比較する(ステップS353)。次に、CPU31は、最大の優先引込ステータスを表示役予想データとして決定する(ステップS354)。次に、CPU31は、検索順序テーブルの先頭アドレスをセットし、検索順序の初期値として「5」をセットする(ステップS355)。次に、CPU31は、停止データ用滑り駒数に基づいて、検索順序テーブルのアドレスを加算する(ステップS356)。
次に、CPU31は、現在の検索順序に応じた滑り駒数を取得する(ステップS357)。次に、CPU31は、取得した滑り駒数を表示役予想格納領域のアドレスに加算し、優先引込ステータスを取得する(ステップS358)。次に、CPU31は、取得した優先引込ステータスは表示役予想データと同一であるか否かを判別する(ステップS359)。CPU31は、表示役予想データと同一であると判別したときには、滑り駒数を退避する(ステップS360)。
CPU31は、ステップS359において表示役予想データと同一ではないと判別したとき、又は、ステップS360の後に、チェック回数を1減算し、検索順序を1減算する(ステップS361)。次に、CPU31は、チェック回数は0であるか否かを判別する(ステップS362)。CPU31は、チェック回数は0ではないと判別したときには、ステップS357に移る。CPU31は、チェック回数は0であると判別したときには、退避された滑り駒数を復帰する(ステップS363)。この処理が終了すると、優先引込制御処理を終了する。
次に、図62を参照して、制御変更処理について説明する。
初めに、CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(ステップS381)。CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したときには、制御変更処理を終了し、作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは2であるか否かを判別する(ステップS382)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2ではないと判別したときには、制御変更処理を終了し、ストップボタン未作動カウンタは2であると判別したときには、制御変更テーブルをセットする(ステップS383)。次に、CPU31は、テーブル選択番号に基づいて制御変更テーブルのアドレスを補正する(ステップS384)。次に、CPU31は、停止予定位置に応じて停止テーブルを選択し、格納する(ステップS385)。この処理が終了すると、制御変更処理を終了する。
次に、図63を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS401)。この処理では、表示役1格納領域のビット0〜7及び表示役3格納領域のビット0の何れか1つでもオンであるか否かを判別する。CPU31は、入賞が成立したと判別したときには、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS402)。CPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行い、RT1遊技状態フラグをオンにし、RT遊技数カウンタに3000を格納する(ステップS403)。具体的に、作動時にRAM33に格納された各種データのクリアが行われる。次に、CPU31は、ボーナス終了コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS404)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
CPU31は、ステップS402においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタを1減算する(ステップS405)。次に、CPU31は、入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS406)。CPU31は、ステップS401において入賞が成立していないと判別したとき、又は、ステップS406において入賞可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、遊技可能回数カウンタを1減算する(ステップS407)。次に、CPU31は、遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS408)。CPU31は、遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する。CPU31は、ステップS406において入賞可能回数カウンタは0であると判別したとき、又は、遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(ステップS409)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図64を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はBB1〜BB3であるか否かを判別する(ステップS421)。CPU31は、表示役はBB1〜BB3であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、表示役に基づいてBB作動時処理を行う(ステップS422)。次に、CPU31は、持越役格納領域、RT遊技状態フラグ、及び、RT遊技数カウンタをクリアする(ステップS423)。次に、CPU31は、ウェイト処理を行う(ステップS424)。具体的には、BB作動時ウェイトタイマに「6000」をセットし、前述の定期的な割込処理にて当該カウンタが「0」に減算されるのを待つ。次に、副制御回路72に対してボーナス開始コマンドを送信する(ステップS425)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
CPU31は、ステップS421において表示役はBB1〜BB3ではないと判別したときには、表示役2格納領域は0であるか否かを判別する(ステップS426)。CPU31は、表示役2格納領域は0である、即ち、再遊技の作動に係る入賞作動フラグが格納されていないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する。CPU31は、表示役2格納領域は0ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写する(ステップS427)。この処理は、再遊技作動手段を構成する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図65を参照して、RT制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT1遊技状態フラグ、又は、RT4遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS441)。CPU31は、RT1遊技状態フラグ、又は、RT4遊技状態フラグはオンであると判別したときには、RT遊技数カウンタを1減算する(ステップS442)。次に、CPU31は、RT遊技数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS443)。CPU31は、RT遊技数カウンタは0であると判別したときには、RT遊技状態フラグをクリアする(ステップS444)。
CPU31は、ステップS441においてRT1遊技状態フラグ又はRT4遊技状態フラグがオンではないと判別したとき、ステップS443においてRT遊技数カウンタは0ではないと判別したとき、又は、ステップS444の後に、持越役格納領域は0であるか否かを判別する(ステップS445)。CPU31は、持越役格納領域は0であると判別したときには、RT4遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS446)。CPU31は、RT4遊技状態フラグはオンではないと判別したときには、表示役は特殊リプレイ1〜5、又は、特殊7であるか否かを判別する(ステップS447)。CPU31は、表示役は特殊リプレイ1〜5、又は、特殊7であると判別したときには、RT遊技状態フラグをクリアする(ステップS448)。この処理は、リプレイタイムの作動を終了するリプレイタイム終了手段を構成する。次に、CPU31は、RT4遊技状態フラグをオンにし、RT遊技数カウンタに「1200」を格納する(ステップS449)。
CPU31は、ステップS445において持越役格納領域は0ではないと判別したとき、ステップS446においてRT4遊技状態フラグはオンであると判別したとき、ステップS447において表示役は特殊リプレイ1〜5又は特殊7ではないと判別したとき、そして、ステップS449の後に、RT遊技状態フラグ格納領域が0か、又は、RT1遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS450)。CPU31は、RT遊技状態フラグ格納領域が0、又は、RT1遊技状態フラグがオンの何れでもないと判別したときには、RT制御処理を終了する。CPU31は、RT遊技状態フラグ格納領域が0、又は、RT1遊技状態フラグがオンの何れかであると判別したときには、表示役はベルであるか否かを判別する(ステップS451)。CPU31は、表示役はベルではないと判別したときには、RT制御処理を終了する。CPU31は、表示役はベルであると判別したときには、RT遊技状態フラグをクリアし、RT3遊技状態フラグをオンにする(ステップS452)。この処理が終了すると、RT制御処理を終了する。
次に、図66を参照して、前述の制御プログラムに従って、主制御回路71のCPU31により管理される各遊技状態間での移行等の関係について説明する。
まず、一般遊技状態において、内部当籤役としてBB1〜BB3の何れかが決定されると、RT2の作動が開始され、RT2遊技状態に移行する(図中の丸1)。RT2の作動中において、表示役として「BB1」が決定されると、RT2の作動が終了するとともに、BB1の作動が開始され、RB1遊技状態に移行する(図中の丸2)。BB1の作動中において、ボーナス終了枚数カウンタが0に更新され、遊技者に対して払い出されたメダルの総枚数が455枚を超えると、BB1の作動が終了するとともに、RT1の作動が開始され、RT1遊技状態に移行する(図中の丸3)。
RT2の作動中において、表示役として「BB2」が決定されると、RT2の作動が終了するとともに、BB2の作動が開始され、RB1遊技状態に移行する(図中の丸4)。BB2の作動中において、遊技者に対して払い出されたメダルの総枚数が455枚を超えると、BB2の作動が終了するとともに、RT1の作動が開始され、RT1遊技状態に移行する(図中の丸5)。また、RT2の作動中において、表示役として「BB3」が決定されると、RT2の作動が終了するとともに、BB3の作動が開始され、RB2遊技状態に移行する(図中の丸6)。BB3の作動中において、遊技者に対して払い出されたメダルの総枚数が150枚を超えると、BB3の作動が終了するとともに、RT1の作動が開始され、RT1遊技状態に移行する(図中の丸7)。
RT1の作動中において、表示役として「ベル」が決定されると、RT1の作動が終了するとともに、RT3の作動が開始され、RT3遊技状態に移行する(図中の丸8)。また、一般遊技状態において、表示役として「ベル」が決定されると、RT3の作動が開始され、RT3遊技状態に移行する(図中の丸9)。
RT3の作動中において、表示役として「特殊リプレイ1〜5及び特殊7」の何れかが決定されると、RT3の作動が終了するとともに、RT4の作動が開始され、RT4遊技状態に移行する(図中の丸10)。また、RT1の作動中において、表示役として「特殊リプレイ1〜5及び特殊7」の何れかが決定されると、RT1の作動が終了するとともに、RT4の作動が開始され、RT4遊技状態に移行する(図中の丸11)。尚、図示していないが、一般遊技状態において表示役として特殊7が決定されることにより、RT4遊技状態に移行する場合もある。
RT4の作動中において、RT遊技数カウンタが0に更新され、予め定めた遊技回数「1200」が消化されると、RT4の作動が終了し、一般遊技状態に移行する(図中の丸12)。また、RT1の作動中において、予め定めた遊技回数「3000」が消化されると、RT1の作動が終了し、一般遊技状態に移行する(図中の丸13)。そして、RT1、RT3、及びRT4の何れかの作動中において、内部当籤役としてBB1〜BB3の何れかが決定されると、その作動が終了するとともに、RT2の作動が開始され、RT2遊技状態に移行する(図中の丸14)。
次に、図67〜図76に示すフローチャートを参照して、副制御回路72のサブCPU81が実行する各処理の内容について説明する。まず、図67を参照して、主基板通信タスクについて説明する。
始めに、サブCPU81は、主制御回路71により送信されるコマンドの受信を行う(ステップS501)。次に、サブCPU81は、コマンドの種別を抽出する(ステップS502)。次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS503)。サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信していないと判別したときには、ステップS501に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(ステップS504)、ステップS501に移る。
次に、図68を参照して、演出登録タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS521)。次に、サブCPU81は、メッセージは有るか否かを判別する(ステップS522)。サブCPU81は、メッセージは無いと判別したときには、ステップS521に移り、メッセージが有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(ステップS523)。即ち、各コマンドに含まれる内部当籤役等の各データが複写される。次に、サブCPU81は、各種情報を更新する(ステップS524)。この処理では、例えば、サブCPU用遊技状態、内部当籤役、表示役、作動ストップボタン、有効ストップボタン、停止開始位置、停止予定位置等の情報の更新を行う。尚、各情報の履歴を管理しても良い。次に、サブCPU81は、後で図69及び図70を参照して説明する演出内容決定処理を行う(ステップS525)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出番号の決定や、決定した演出番号に基づく演出データの登録及び実行等を行う。演出内容決定処理は、情報提供手段を構成する。この処理が終了すると、ステップS521に移る。
次に、図69及び図70を参照して、演出内容決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS541)。サブCPU81は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、後で図71を参照して説明する演出抽籤処理を行う(ステップS542)。この処理では、演出番号の決定及びその登録等を行う。次に、サブCPU81は、演出構成テーブルを参照し、登録されている演出番号に基づいて、開始操作時の演出データを登録する(ステップS543)。サブCPU81は、演出データが登録されると、その実行、即ち、これに対応する映像の表示や、音及び光の出力が行われる。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS541においてスタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS544)。サブCPU81は、リール停止コマンド受信であると判別したときには、演出構成テーブルを参照し、登録されている演出番号に基づいて、停止操作時の演出データを登録する(ステップS545)。次に、サブCPU81は、後で図74を参照して説明する目押しチェック処理を行う(ステップS546)。この処理は、複数のリールのうち少なくとも一のリールを除いたリールに応じた停止操作の検出が行われると、そのときの停止開始位置が特定の停止開始位置であるか否かの判定を行う特定位置判定手段を構成する。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS545においてリール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示役コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS547)。サブCPU81は、表示役コマンド受信時であると判別したときには、演出構成テーブルを参照し、登録されている演出番号に基づいて、表示役決定時の演出データを登録する(ステップS548)。次に、サブCPU81は、後で図75を参照して説明する遊技結果演出処理を行う(ステップS549)。この処理は、第1の図柄の組合せが表示された場合、及び、第2の図柄の組合せが表示された場合、それぞれに応じて予め定められた数値を選択データとして選択し、且つ、第2の図柄の組合せが表示された場合には、特定位置判定手段により行われる判定の結果に応じて予め定められた数値を選択データとして選択する選択データ選択手段を構成する。次に、サブCPU81は、後で図76を参照して説明する各種遊技数カウンタ更新処理を行う(ステップS550)。この処理は、開始操作等の検出に基づいて、遊技者にとって有利な情報の提供が行われるATの作動が継続する回数や、ポイント加算ゲームの作動が継続する回数等を管理する回数管理手段を構成する。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS547において表示役コマンド受信時ではないと判別したときには、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS551)。サブCPU81は、メダル投入コマンド受信であると判別したときには、演出構成テーブルを参照し、登録されている演出番号に基づいて、投入操作時の演出データを登録する(ステップS552)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS551においてメダル投入コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS553)。サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信であると判別したときには、ボーナス開始時処理を行う(ステップS554)。この処理では、ミニゲーム管理カウンタに40を格納する処理等を行う。これにより、ポイント加算ゲームの作動が開始される。ミニゲーム管理カウンタは、ポイント加算ゲームの作動が継続する回数を管理するためのデータである。即ち、本実施の形態のポイント加算ゲームは、BBの作動開始後、40回の遊技回数が消化されるまで実行される。尚、ミニゲーム管理カウンタに格納する数値を固定させたが、複数種類設けるようにし、作動が行われるBBの種別に応じて異ならせるようにしても良い。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS553においてボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS555)。サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信であると判別したときには、ボーナス終了時処理を行う(ステップS556)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、図71を参照して、演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、後で図72を参照して説明する状態変更チェック処理を行う(ステップS581)。次に、サブCPU81は、演出選択用初期設定テーブルを参照し、サブCPU用遊技状態に基づいて、演出選択テーブル選択テーブルを選択する(ステップS582)。次に、サブCPU81は、演出選択テーブル選択テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて、演出選択テーブルを選択する(ステップS583)。次に、演出番号を抽籤により選択し、登録する(ステップS584)。この処理は、開始操作の検出に基づいて、複数種類の演出データから何れかを決定する演出データ決定手段を構成する。次に、サブCPU81は、後で図73を参照して説明する演出書換処理を行う(ステップS585)。この処理が終了すると、演出抽籤処理を終了する。
次に、図72を参照して、状態変更チェック処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS601)。サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態ではないと判別したときには、状態変更チェック処理を終了し、BB1〜BB3遊技状態であると判別したときには、ミニゲーム管理カウンタは0になったか否かを判別する(ステップS602)。サブCPU81は、ミニゲーム管理カウンタは0になったと判別したときには、AT遊技数抽籤テーブルに基づいて、AT遊技数を決定し、格納する(ステップS603)。即ち、ポイント加算ゲームの作動が終了すると、ポイントカウンタに格納されている数値と抽出した乱数値とに基づいて、予め定められた複数種類の数値の中からAT遊技数カウンタに格納する数値を決定する。この処理は、選択データに基づいて複数種類の数値の中から何れかを情報提供可能回数(言いかえると、ATの作動が継続する継続回数)として選択する情報提供可能回数選択手段を構成する。
次に、サブCPU81は、決定されたAT遊技数に基づいて、表示するキャラクタを選択する(ステップS604)。より具体的に説明すると、制御ROM82には、映像として表示するキャラクタ等の種別が異なる演出データをAT遊技数カウンタに応じて規定するキャラクタ決定テーブル(図示せず)が記憶されている。キャラクタ決定テーブルでは、AT遊技数カウンタを、例えば「0以上50未満」、「50以上150未満」、及び「150以上」といった予め定められた数値の範囲に区分けして、現在管理しているAT遊技数カウンタがこれらの何れに含まれるかに応じて、該当する演出データの種別を決定する。演出データが決定されると、BB1〜BB3遊技状態が終了するまでの間登録され、対応する映像が液晶表示装置5において表示される。従って、遊技者は、ミニゲーム終了後からBB遊技状態の終了までに表示される映像によってAT遊技数を予測することが可能となる。この処理は、情報提供可能回数選択手段により選択された数値を遊技者に基づいて、複数種類の演出データから何れかを決定する演出データ決定手段を構成する。この処理が終了すると、状態変更チェック処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS602においてミニゲーム管理カウンタは0ではないと判別したときには、特定停止操作監視フラグをオンにする(ステップS605)。この処理が終了すると、状態変更チェック処理を終了する。
次に、図73を参照して、演出書換処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS631)。サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態であると判別したときには、演出書換処理を終了し、BB1〜BB3遊技状態ではないと判別したときには、RT1遊技状態又はRT3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS632)。サブCPU81は、RT1遊技状態又はRT3遊技状態ではないと判別したときには、演出書換処理を終了し、RT1遊技状態又はRT3遊技状態であると判別したときには、内部当籤役は「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+赤リプレイ」であるか否かを判別する(ステップS633)。サブCPU81は、内部当籤役は「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+赤リプレイ」であると判別したときには、AT遊技数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS634)。サブCPU81は、AT遊技数カウンタは0であると判別したときには、演出書換処理を終了し、AT遊技数カウンタは0ではないと判別したときには、演出番号を21に変更する(ステップS635)。これにより、RT1及びRT3の作動終了の回避を促す映像が液晶表示装置5において表示される(後述の図77の(1)参照)。この処理が終了すると、演出書換処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS633において内部当籤役は「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+赤リプレイ」ではないと判別したときには、内部当籤役は「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+青リプレイ」であるか否かを判別する(ステップS636)。サブCPU81は、内部当籤役は「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+青リプレイ」であると判別したときには、AT遊技数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS637)。サブCPU81は、AT遊技数カウンタは0であると判別したときには、演出書換処理を終了し、AT遊技数カウンタは0ではないと判別したときには、演出番号を22に変更する(ステップS638)。これにより、RT1及びRT3の作動終了の回避を促す映像が液晶表示装置5において表示される(後述の図77の(2)参照)。この処理が終了すると、演出書換処理を終了する。
尚、演出書換処理は、リプレイタイムの作動が行われている場合において、その作動終了の契機となる特定の図柄の組合せに係る内部当籤役が決定されると、情報提供可能回数記憶手段(AT遊技数カウンタ)により所定値ではない数値(0を超える数値)が記憶されていることを条件に、前記特定の図柄の組合せの表示を回避する情報を遊技者に対して提供する情報提供手段を構成する。より具体的には、本実施の形態では、停止操作の検出が行われたときに位置特定手段(例えば、図柄カウンタ、CPU31)により特定される位置が、第1の図柄が配された位置を含む第1の範囲内のときには、前記特定の図柄の組合せとは異なる図柄の組合せが前記図柄表示手段により表示されるように、該当するリールの回転を停止する一方で、停止操作の検出が行われたときに位置特定手段により特定される位置が、第1の範囲内ではないときには、前記特定の図柄の組合せが前記図柄表示手段により表示されるように、該当するリールの回転を停止する構成を採用していることから、前記特定の図柄の組合せの表示を回避する情報の提供として、図77に示すような前記第1の図柄に応じた報知を遊技者に対して行うようにしている。
次に、図74を参照して、目押しチェック処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS681)。サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態ではないと判別したときには、目押しチェック処理を終了し、BB1〜BB3遊技状態であると判別したときには、ミニゲーム管理カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS682)。サブCPU81は、ミニゲーム管理カウンタは0であると判別したときには、目押しチェック処理を終了し、ミニゲーム管理カウンタは0ではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS683)。即ち、最終停止操作であるか否かが判別される。サブCPU81は、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したときには、目押しチェックテーブルにより規定される停止開始位置と比較する(ステップS684)。即ち、第1停止操作の検出及び第2停止操作の検出がそれぞれ行われたときの該当リールの停止開始位置と、目押しチェックテーブルにより規定される特定の停止開始位置とが一致するか否かが判定される。
次に、サブCPU81は、両者が一致するか否かを判別する(ステップS685)。両者が一致すると判別したときには、目押しチェック処理を終了し、両者が一致しないと判別したときには、特定停止操作監視フラグをクリアする(ステップS686)。この処理が終了すると、目押しチェック処理を終了する。このように、特殊ベルの目押しに成功した場合は、特定停止操作監視フラグがオンのままとなり、特殊ベルの目押しに失敗した場合に、特定停止操作監視フラグがオフに更新される。この処理が終了すると、目押しチェック処理を終了する。
尚、上記目押しチェック処理では、ステップS682においてミニゲーム管理用カウンタは0ではないと判別した後に、内部当籤役は特殊ベル+ベルであるか否かを判別するようにしても良い。そして、内部当籤役は特殊ベル+ベルではないと判別したときには、目押しチェック処理を終了する一方、内部当籤役は特殊ベル+ベルであると判別したときには、ステップS683に移るようにしても良い。また、ステップS683においてストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別した後に、変則押しであるか否かを判別するようにしても良い。変則押しであるか否かの判別は、ストップ未作動カウンタが2のときの作動ストップボタンの種別が中及び右であるか否かを判別することにより行うことができる。これにより、他の内部当籤役が決定されたときなどでの処理の無駄を省くことができる。
次に、図75を参照して、遊技結果演出処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS701)。サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態ではないと判別したときには、遊技結果演出処理を終了し、BB1〜BB3遊技状態であると判別したときには、ミニゲーム監視用カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS702)。サブCPU81は、ミニゲーム管理用カウンタは0であると判別したときには、遊技結果演出処理を終了し、ミニゲーム管理用カウンタは0ではないと判別したときには、AT遊技数選択データ選択テーブルを参照し、特定停止操作管理フラグと、演出番号と、表示役とに基づいて、AT遊技数選択データを選択する(ステップS703)。この処理は、第1の図柄の組合せが表示された場合、及び、第2の図柄の組合せが表示された場合、それぞれに応じて予め定められた数値を選択データとして選択し、且つ、第2の図柄の組合せが表示された場合には、特定位置判定手段により行われた判定の結果に応じて予め定められた数値を選択データとして選択する選択データ選択手段を構成する。次に、サブCPU81は、選択したAT遊技数選択データをポイントカウンタに加算する(ステップS704)。
次に、サブCPU81は、演出番号は29であるか否かを判別する(ステップS705)。サブCPU81は、演出番号は29であると判別したときには、AT遊技数選択データは0であるか否かを判別する(ステップS706)。サブCPU81は、AT遊技数選択データは0であると判別したときには、遊技結果演出処理を終了し、AT遊技数選択データは0ではないと判別したときには、演出番号を30に変更し、表示役決定時の演出データを変更する(ステップS707)。この処理が終了すると、遊技結果演出処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS705において演出番号は29ではないと判別したときには、演出番号は31であるか否かを判別する(ステップS708)。演出番号は31ではないと判別したときには、遊技結果演出処理を終了し、演出番号は31であると判別したときには、AT遊技数選択データは0であるか否かを判別する(ステップS709)。AT遊技数選択データは0ではないと判別したときには、遊技結果演出処理を終了し、AT遊技数選択データは0であると判別したときには、演出番号を28に変更し、表示役決定時の演出データを変更する(ステップS710)。この処理が終了すると、遊技結果演出処理を終了する。
尚、上記のように、決定されたAT遊技数選択データに基づいて演出番号の変更を行うようにしたのは、AT遊技数選択データとして決定された数値と、遊技者に対して表示する映像との整合を図るためである。具体的には、本実施の形態では、AT遊技数選択データとして「1」が決定され、これがポイントカウンタに加算される場合には、演出番号「30」、「31」に基づいた映像を表示して、その映像によってポイントカウンタに「1」が加算されたことを遊技者に対して知らせる一方で(後述の図78の(3)参照)、AT遊技数選択データとして「0」が決定され、ポイントカウンタの加算が行われない場合には、演出番号「28」、「29」に基づいた映像を表示して、ポイントカウンタの加算が行われていないことを遊技者に対して知らせるようにしている(後述の図78の(2)参照)。即ち、本実施の形態では、開始操作の検出時に演出番号を先決めし、ベルに係る図柄の組合せが表示されたときと、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されたときのそれぞれに応じてAT遊技数選択データとして取得する予定の数値を予め特定しておく構成を採用していることから、演出番号の内容と決定された数値とが相違するケースが起こる可能性があるが、このようなときには両者の整合を図ろうとするものである。
次に、図76を参照して、各種遊技数カウンタ更新処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS751)。サブCPU81は、BB1〜BB3遊技状態ではないと判別したときには、AT遊技数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS752)。サブCPU81は、AT遊技数カウンタは0であると判別したときには、各種遊技数カウンタ更新処理を終了し、AT遊技数カウンタは0ではないと判別したときには、RT1遊技状態又はRT3遊技状態であるか否かを判別する(ステップS753)。サブCPU81は、RT1遊技状態又はRT3遊技状態ではないと判別したときには、各種遊技数カウンタ更新処理を終了し、RT1遊技状態又はRT3遊技状態であると判別したときには、AT遊技数カウンタを1減算して(ステップS754)、各種遊技数カウンタ更新処理を終了する。
サブCPU81は、ステップS751においてBB1〜BB3遊技状態であると判別したときには、ミニゲーム管理カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS755)。サブCPU81は、ミニゲーム管理カウンタは0であると判別したときには、各種遊技数カウンタ更新処理を終了し、ミニゲーム管理カウンタは0ではないと判別したときには、ミニゲーム管理カウンタを1減算して(ステップS756)、各種遊技数カウンタ更新処理を終了する。
次に、図77及び図78を参照して、前述の演出データ等に基づいて液晶表示装置5において表示される映像の具体例について説明する。
図77の(1)は、前述の演出番号「21」に基づいて表示される映像の具体例を示す。図77の(1)では、液晶表示装置5において、コンドルを擬人化したキャラクタ(以下コンドル)が、「赤い」爆弾と「黒い」爆弾を持って登場し、「赤い」爆弾の導火線に点いた種火を吹き消す様子が表示されている。即ち、赤色の映像を表示することにより、その色彩の関連性によって、左リール3Lの表面における赤7範囲に含まれる図柄「赤7」に応じた報知を行うものである。これは、特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せの表示の回避、つまり、通常リプレイに係る図柄の組合せ及び赤リプレイに係る図柄の組合せの表示を行うタイミングでの停止操作を行うことを遊技者に示唆するものである。この結果、遊技者は、停止開始位置が「赤7範囲」に含まれるタイミングとなるように停止操作を行えば良いことがわかり、その停止操作を成功させることによって、遊技者にとって相対的に不利なRT4の作動を回避し、この結果、RT1及びRT3の作動の終了を回避することが可能となる。
図77の(2)は、前述の演出番号「22」に基づいて表示される映像の具体例を示す。図77の(2)では、液晶表示装置5において、コンドルが、「青い」爆弾と「黒い」爆弾を持って登場し、「青い」爆弾の導火線に点いた種火を吹き消す様子が表示されている。即ち、青色の映像を表示することにより、その色彩の関連性によって、左リール3Lの表面における青7範囲に含まれる図柄「青7」に応じた報知を行うものである。これは、青リプレイに係る図柄の組合せの表示を行うタイミングでの停止操作を行うことを遊技者に示唆するものである。この結果、遊技者は、停止開始位置が「青7範囲」に含まれるタイミングとなるように停止操作を行えば良いことがわかり、その停止操作を成功させることによって、遊技者にとって相対的に不利なRT4の作動を回避し、この結果、RT1及びRT3の作動の終了を回避することが可能となる。
図78は、前述の演出番号「28」、「29」、「30」、及び「31」に基づいて表示される映像の具体例を示す。図78の(1)は、前述の演出番号「28」、「29」、「30」、及び「31」が登録されている場合に共通して、「スタート」時の演出データに基づいて表示される映像である。図78の(1)では、液晶表示装置5において、コンドルが車を運転している姿を正面からとらえた様子が表示され、表示画面5aの右上には、楕円形のマークを表す映像(以下、マーク映像)がその縦軸を中心として横方向に回転する様子が表示されている。このマーク映像は、一方の面において犬を擬人化したキャラクタ(以下、犬)が描かれ、他方の面において美女のキャラクタ(以下、美女)が描かれているものとして表示され、半回転するごとに各キャラクタが交互に登場するように、遊技者に対して表示されるものである。
また、表示画面5aの情報には、横一列に並設された10個のランプを模した映像(以下、ランプ映像)が表示されている。10個の各ランプ映像は、前述のポイントカウンタに格納される数値に対応させたものであり、ポイントカウンタに格納されている数値に応じた個数のランプ映像を発光、点灯、及び点滅等させることによって、ポイントカウンタに格納されている数値を遊技者に対して報知するようにしている。尚、ポイントカウンタに格納されている数値に応じた映像としては、上記のものに限らず、ポイントカウンタに格納されている数値に対応する数字、文字、記号、図形、及びキャラクタ等を表示し、これによって遊技者に対してその数値を報知することもできる。
図78の(2)は、前述の演出番号「28」、「29」が登録されている場合に共通して、「表示役」決定時の演出データに基づいて表示される映像である。図78の(2)では、液晶表示装置5の表示画面5aの右上に、マーク映像の回転が停止して、犬が登場した様子が遊技者に対して表示されている。前述のように、演出「28」、「29」は、AT遊技数選択データとして「0」が決定されたときに登録されるものであるから、ランプ映像には変化がない様子が表示されている。
図78の(3)は、前述の演出番号「30」、「31」が登録されている場合に共通して、「表示役」決定時の演出データに基づいて表示される映像である。図78の(3)では、液晶表示装置5の表示画面5aの右上に、マーク映像の回転が停止して、美女が登場した様子が遊技者に対して表示されている。前述のように、演出「30」、「31」は、AT遊技数選択データとして「1」が決定されたときに登録されるものであるから、ランプ映像に変化があった様子が表示されている。図では、ポイントカウンタが「0」のときにAT遊技数選択データとして「1」が決定され、これが加算されることによって、1個のランプ映像が発光する様子が表示されている。
以上説明したように、本実施の形態では、ベルに係る図柄の組合せ及び特殊ベルに係る図柄の組合せの両方の表示を許容する内部当籤役「特殊ベル+ベル」を決定可能とし、この内部当籤役「特殊ベル+ベル」が決定された場合、変則押しが行われた際の各リールの停止開始位置が、前述の特定の停止開始位置であれば、特殊ベルに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される一方で、前述の特定の停止開始位置とは異なる停止開始位置であれば、ベルに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるようにした。また、BB1〜BB3遊技状態においてポイント加算ゲームの作動を行い、このポイント加算ゲームにおいて、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されたとき、及び、ベルに係る図柄の組合せが表示されたときのそれぞれに応じて予め規定しておいた数値をAT遊技数選択データとして取得し、これをポイントカウンタに加算するようにした。そして、ポイント加算ゲームの作動が終了されると、ポイントカウンタに格納されている数値に基づいて、抽籤を行い、予め定められた複数種類の数値の中から何れかをAT遊技数として決定するようにした。
従って、遊技者が採用する停止操作に基づいて表示される図柄の組合せに応じて、ATの作動が行われるか否か、即ち、ATの作動が継続する回数であるAT遊技数が決定されるので、AT遊技数の決定に遊技者の技量を反映させることができる。また、AT遊技数の決定を多様なものとして遊技者の期待感に起伏を生じさせることもできることから、遊技者がATの作動の決定が行われる過程をより楽しむことができるようになる。尚、BB1〜BB3遊技状態では、特殊ベル+ベルが内部当籤役として決定される確率が相対的に最も高いので、遊技者に技量を発揮させる機会を多く設けることが可能となっている。
また、より具体的に述べれば、本実施の形態では、表示役として特殊ベル及びベルの何れかが決定されると、AT遊技数選択データ選択テーブルを参照してAT遊技数選択データを決定するようにしており、このAT遊技数選択データ選択テーブルでは、表示役として「特殊ベル」が決定された場合と、特定停止操作監視フラグが「オフ」であるときに表示役として「ベル」が決定された場合と、特定停止操作監視フラグが「オン」であるときに表示役として「ベル」が決定された場合と、の3つのケースに応じて、AT遊技数選択データを規定している。特定停止操作監視フラグは、前述したように、第1停止操作及び第2停止操作において特殊ベルの目押しが成功したか否かの判定結果を示すデータである。
従って、表示役として「ベル」が決定されたときは、第1停止操作及び第2停止操作において特殊ベルの目押しが成功していたか否か、即ち、第1停止操作及び第2停止操作の停止開始位置をも加味して、AT遊技数選択データが決定されるので、AT遊技数の決定に遊技者の技量がより反映されるようにすることができる。また、AT遊技数の決定もより一層多様なものとなるようにすることができる。
また、AT遊技数選択データ選択テーブルを参照し、その構成についてより具体的に述べると、演出番号が「29」のときでは、特定停止操作監視フラグのオン及びオフにかかわらず、表示役として「ベル」が決定された場合であれば「0」が取得される一方、表示役として「特殊ベル」が決定された場合であれば「1」が取得され、表示役として「ベル」が決定された場合よりも、表示役として「特殊ベル」が決定された場合の方が、AT遊技数選択データとしてより大きな数値が決定される構成となっている。尚、本実施の形態では、ポイントカウンタに格納されている数値が大きいほど、より大きい数値がAT遊技数として決定される確率が高くなるので、その決定が遊技者に有利に働くといえる。
即ち、表示役としてベルが決定されたときよりも、特殊ベルが決定されたときの方が、AT遊技数として相対的に大きい数値が決定される確率が高くなり、また、遊技者側からすれば、特殊ベルに係る図柄の組合せを表示させることができれば、AT遊技数として相対的に大きい数値が決定されるようにすることができる。従って、AT遊技数の決定が遊技者に有利に働くようになるかについて遊技者の技量をより反映することができる。言い換えると、AT遊技数の決定が遊技者に有利に働くようになるか否かは遊技者の技量次第となるので、単に抽籤のみで決定される場合などのように運に左右されることが多いなどの理由でAT遊技数の決定が作為的であるという印象を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができ、遊技者に自己の技量を存分に発揮するように促すことができる。この結果、有利な情報の提供が行われるか否かの決定を遊技者がより楽しめるようにすることができる。本実施の形態では、各リールにおいて、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示可能となる停止開始位置(前述の特定の停止開始位置)の方が、ベルに係る図柄の組合せが表示可能となる停止開始位置よりも少なく、その表示に係る停止操作の難易度が高くなっている。即ち、より難易度の高い図柄の組合せが表示されたときほど、AT遊技数の決定が遊技者により有利に働くようになるので、AT遊技数の決定に遊技者の技量を反映させる度合いをより高めることが可能となり、遊技者に技量を発揮しようと思わせ、その興味を喚起するのに好適となる。また、とくに、本実施の形態では、左リール3Lにおける上記特定の停止開始位置は、一箇所(即ち、20個の図柄中の1個)しか存在しないため、その表示に係る停止操作の難易度をかなり高いものとしていることから、上記効果を奏するのに一層好適となる。尚、この難易度は、対象となる図柄の組合せを表示可能となる停止予定位置が決定される停止開始位置の数を増減することにより調節可能である。
また、AT遊技数選択データ選択テーブルにおいて、演出番号が「31」のときでは、表示役として「特殊ベル」が決定された場合であれば「1」が取得される。これに対して、表示役として「ベル」が決定された場合、特定停止操作監視フラグが「オフ」であれば「1」が取得される一方、特定停止操作監視フラグが「オン」であれば「0」が取得される。即ち、表示役として同じ「ベル」が決定された場合であっても、最終停止操作で特殊ベルの目押しに失敗した場合の方が、そうでないときよりも、AT遊技数選択データとして決定される数値が小さい構成となっている。従って、いくらそれまで目押しに成功していても、最終停止操作で特殊ベルの目押しに失敗してしまうと、最初からそれを狙わなかったとき等であれば取得されていたはずの数値「1」よりも少ない数値「0」が取得されてしまうこととなる。このような構成から、遊技者に対して、AT遊技数の決定が自己に有利に働くように試みるときは、それに失敗した場合のリスクが伴うようにすることができ、AT遊技数の決定に遊技者の技量をよりシビアに反映させることが可能となる。尚、本実施の形態では、順押しを行えば、必ずベルに係る図柄の組合せが表示されるようにしているので、特定停止操作監視フラグがオンとなることを回避するのは容易となっている。つまり、前述のように、表示役がベルとして決定されても、特定停止操作監視フラグがオフであれば、特殊ベルが決定されたときと同じ数値が決定される場合も設けていることから、AT遊技数の決定がいわゆる未熟練者にとって酷となりすぎることがないようにすることが可能となっている。
尚、前述した通り、本実施の形態では、表示役が特殊ベルのときには必ずAT遊技数選択データ「1」が選択され、この結果、相対的に長いAT遊技数が選択されることにより、熟練遊技者が極端に有利となることがないように、表示役が特殊ベルのときであっても、抽籤の結果によっては、AT遊技数選択データ「0」が選択される場合が有るようにしている。より具体的には、AT遊技数選択データ「1」が選択されるためには、抽籤により演出番号29〜31の何れかが登録されていることを条件とし、後は表示役に基づいて一義的にAT遊技数選択データを規定するAT遊技数選択データ選択テーブルを参照して、AT遊技数選択データが選択されるようにした。言い換えると、演出の内容を抽籤により選択する際に、AT遊技数選択データとして選択され得る値も予め選択しておくことにより、処理の効率向上や開発作業の軽減化を図っている。勿論、本発明はこれに限られず、特殊ベルが選択された場合に専用の抽籤を行って、その結果によってAT遊技数選択データを選択するようにしても良い。
また、本実施の形態では、前述のようなポイント加算ゲームをボーナスゲームの作動中において実行するようにしたので、遊技者の興味をより一層高めることが可能となる。即ち、本実施の形態のように、ボーナスゲームの作動中において遊技者に対して払い出されるメダルが所定枚数に達したことを条件に、その作動を終了する構成を採用する場合、ボーナスゲームにおいて獲得可能となるメダルの総枚数は各遊技者間で一様なものとなるため、遊技者の期待感に起伏が生まれ難く、単調となってしまう傾向があるが、上記ポイント加算ゲームを実行することによって、この問題を解消することができ、遊技者の興味を惹きつけるのに好適となる。
また、本実施の形態では、RT1又はRT3の作動が行われている場合において、その作動終了の契機となる「特殊リプレイ1〜5」を含む内部当籤役が決定されると、AT遊技数カウンタが「0」ではないことを条件に、上記特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せが表示されないタイミングでの停止操作を行うことを示唆し、RT1又はRT3の作動終了を回避するための映像を液晶表示装置5に表示するようにしている。この結果、遊技者は特殊リプレイ1〜5に係る図柄の組合せの表示を回避するタイミングでの停止操作を行って、RT1又はRT3の作動終了を回避することができるようになり、その作動を長引かせることが可能となる。つまり、前述のように、遊技者の技術介入性が高いポイント加算ゲームの結果に基づいて、RT1又はRT3の作動終了を回避するための情報の提供を行うようにしたので、従来にない斬新な遊技性を備えた回胴式遊技機を提供することが可能となり、より一層遊技者の興味を惹きつけることができる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明の回胴式遊技機が備える、リール、図柄表示手段、開始操作検出手段、内部当籤役決定手段、リール回転手段、停止操作検出手段、リール停止手段、その他の手段などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限らず任意に変更可能である。
本実施の形態では、ポイント加算ゲームにおいてAT遊技数選択データの決定の対象とする図柄の組合せとして、特殊ベルに係る図柄の組合せ及びベルに係る図柄の組合せを採用したが、本発明はこれに限らず、他の図柄の組合せを採用しても良い。例えば、第1の図柄の組合せに相当するものとして赤リプレイに係る図柄の組合せを採用し、第2の図柄の組合せに相当するものとして通常リプレイに係る図柄の組合せを採用しても良い。尚、この場合、これらに係る内部当籤役が決定される確率が高いリプレイタイムの作動中において、上記ポイント加算ゲームを実行するようにすると、本実施の形態と同様の効果を奏するのに好適である。また、対象とする図柄の組合せの種類は、2種類に限らず、3種類以上を採用するようにしても良い。例えば、上記の場合であれば、第3の図柄の組合せとして青リプレイに係る図柄の組合せを採用するようにしても良い。
また、本実施の形態では、内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定されたとき、変則押しが行われた場合のみ特定の停止開始位置であるか否かに応じて、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されるようにしているが、本発明はこれに限らず、順押しが行われた場合であっても、特定の停止開始位置であるか否かに応じて、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されるようにしても良い。また、本実施の形態とは逆に、順押しが行われた場合のみ、特定の停止開始位置であるか否かに応じて、特殊ベルに係る図柄の組合せが表示されるようにすることもできる。これらは、特殊停止テーブル等の設計に変更を加えることにより実現することができる。
また、本実施の形態では、ポイントカウンタに格納されている数値が大きいほど、相対的に大きい数値がAT遊技数として決定される確率が高いようにしているが、本発明はこれに限らず、ポイントカウンタに格納されている数値が小さいほど、相対的に大きい数値がAT遊技数として決定される確率が高くなるように、AT遊技数選択データ選択テーブル及びAT遊技数抽籤テーブル等の構成を変更しても良い。例えば、AT遊技数選択データ選択テーブルにおいて「0」が規定されている箇所を「1」にし、「1」が規定されている箇所を「0」に変更することにより実現するようにしても良い。このように、AT遊技数選択データ選択テーブルにおいてAT遊技数選択データとして規定する数値や、AT遊技数抽籤テーブルにおいてAT遊技数として規定する数値及び抽籤値などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能であり、同様に、本実施の形態において採用するカウンタやフラグなどの他のデータについても、そのデータの持たせ方は任意に変更が可能なものである。
また、本実施の形態では、AT遊技数選択データの選択を、前述したようなAT遊技数選択データ選択テーブルに基づいて行うこととしたが、本発明はこれに限らず、AT遊技数選択データ選択テーブルを設けないようにすることもでき、CPU31により実行されるプログラム上でAT遊技数選択データを選択するようにしても良い。例えば、表示役として「特殊ベル」及び「ベル」の何れかが決定されたかの判別、特定停止操作監視フラグのオン及びオフの判別、及び、演出番号として「28」〜「31」の何れかが決定されたかの判別に基づいて、AT遊技数選択データ選択テーブルに規定した数値と同様にAT選択データを決定し、これをポイントカウンタに加算する処理を行うことができる。
また、本実施の形態では、サブCPU81が、AT遊技数抽籤テーブル(図47参照)を参照し、予め定められた期間において選択されたAT遊技数選択データを累積的に格納する領域であるポイントカウンタに格納されている数値に基づいてAT遊技数を選択するようにして、遊技者がポイント加算ゲームを複数回享受できるようにしたが、本発明はこれに限られず、サブCPU81が、特定停止操作監視フラグ及び表示役に基づいて選択されたAT遊技数選択データを累積することなく、直接これに基づいてAT遊技数を選択するようにしても良い。これは、例えば、AT遊技数抽籤テーブル(図47参照)におけるポイントカウンタを、AT遊技数選択データに置き換えることにより実現することができる(この場合、ポイントカウンタ「2」〜「10」に対応する列は不要となる)。
更に、本実施の形態では、遊技者による停止操作の結果、選択されたAT遊技数選択データが明確に判明するように、図78(1)及び図78(2)の夫々が示す映像(即ち、マーク映像及びランプ映像)を表示するようにしたが、本発明はこれに限られず、このような映像を出力することを省略し、選択されたAT遊技数選択データを遊技者に知らせないようにしても良い。本実施の形態のように、選択されたAT遊技数選択データ又は/及びその累積であるポイントカウンタに格納された数値を示す映像を表示した場合、近い将来において選択されるAT遊技数の多寡を量る指標となり得る。逆に、このような映像を表示しない場合には、ポイント加算ゲーム、又は、BB1〜BB3遊技状態が終わるまで、仮に選択されたAT遊技数が少ないものであったとしても、遊技者をして長いAT遊技数が選択されたかもと胸を躍らせることができる。
また、本実施の形態では、BB1〜BB3遊技状態において、遊技者による開始操作が検出されて内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定されると、AT遊技数選択データが「0」のときに選択される演出を含めた複数種類の演出の中から何れかを選択し、遊技者による停止操作の結果、AT遊技数選択データが「1」となった場合には、演出の内容を変更することによってAT遊技数選択データと表示される映像とが調和するようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、この代わりに、内部当籤役として「特殊ベル+ベル」が決定された場合、AT遊技数選択データが「1」のときに対応する演出番号30が必ず選択されるようにし、決定された表示役及び選択されたAT遊技数選択データに基づいて、演出番号28に変更して、表示役が決定された以後の演出を実行するようにしても良い。
また、本実施の形態では、遊技者にとって有利な情報の提供として、有利状態としてのリプレイタイムの作動終了の回避に係る情報を遊技者に対して提供したが、本発明はこれに限らず、例えば、決定された内部当籤役の種別や、特定の入賞に係る図柄の組合せの表示を可能とする押し順などの情報を提供するようにしても良い。また、遊技者が入賞に係る図柄の組合せの表示を実現する際の停止操作の補助となる情報に限らず、特定種類の表示役の決定回数などの遊技機のCPUにより管理する各種カウンタに格納されている数値や、入賞に係る内部当籤役の当籤確率に係る設定値などの情報を提供するようにしても良い。
また、本実施の形態では、演出書換処理で説明したように、RT1遊技状態及びRT3遊技状態において、「特殊リプレイ1〜5」を含む内部当籤役が決定されると、AT遊技数カウンタが0ではないことを条件に、現在の演出番号を演出番号21及び演出番号22に書き換えることによって、RT1及びRT3の作動終了の回避に係る映像を表示したが、本発明はこれに限らず、AT作動中用の演出選択テーブル選択テーブルを設けるようにしても良く、演出抽籤処理のステップS583において、これを参照することにより演出番号21及び演出番号22を選択する構成を採用することもできる。この場合に採用するAT作動中用の演出選択テーブル選択テーブルは、内部当籤役「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+赤リプレイ」に対応して、演出番号21とこれが決定される抽籤値として「128」を規定する演出選択テーブルを規定し、内部当籤役「通常リプレイ+特殊リプレイ1〜5+青リプレイ」に対応して、演出番号22とこれが決定される抽籤値として「128」を規定する演出選択テーブルを規定する構成を採用することができる。
また、本実施の形態では、AT遊技数カウンタにより記憶されている数値を、開始操作の検出に基づいて更新するようにして、一の遊技回数毎に更新されるようにしたが、本発明はこれに限らず、演出番号21及び演出番号22が決定されることを条件に更新するようにしても良い。
また、本実施の形態では、リプレイタイムの作動終了の回避に係る情報を遊技者に対して提供する手法として、図77に示すような映像を液晶表示装置5において表示するようにしたが、本発明はこれに限らず、映像、音、及び光の何れか、或いはこれらを組み合わせたものを採用することができる。例えば、音による演出であれば、音声メッセージ、特定のBGM、特定の効果音などを採用することができる。また、光による演出であれば、点灯される光の色や、点消灯のパターンなどを採用することができる。
また、本実施の形態では、遊技者にとって有利な状態の作動として、リプレイタイムの作動を行うこととしたが、本発明はこれに限らず、任意に変更可能である。例えば、決定された内部当籤役の種別やそれが許容する図柄の組合せの表示が容易となる情報を遊技者に対して提供するATの作動や、メダルの払い出しに係る内部が決定される確率が増加するボーナスゲームの作動や、抽出された乱数値にかかわらず、メダルの払い出しに係る複数種類の図柄の組合せに係る内部当籤役(例えば、「赤チェリー+桃チェリー+特殊ベル+ベル+羽+コンドル+スイカ」など)が決定される状態(いわゆるチャレンジタイム)の作動などを行うようにしても良い。
また、本実施の形態では、内部当籤役が決定されると、これに基づいて停止テーブル等を決定し、当該停止テーブル等に基づいてリールの回転を停止するようにしている。即ち、内部当籤役に「基づいて」とは、内部当籤役そのものであることに限らず、そのデータ等に加工等を施し、その結果(言い換えれば、そのデータ等から導き出されるデータ)をも含む概念である。同様に、開始操作の検出に「基づいて」とは、開始操作の検出が行われた直後であることに限らず、開始操作の検出が行われて所定の時間が経過するのを待った後(いわゆるウェイトがかかった後)であることなどをも含む。このように、他で使用される「基づいて」についても、上記と同様のことが言える場合がある。
また、本実施の形態において適用した、図1及び図2に示す装置構成、図3及び図4に示す回路構成及びその周辺装置、図5〜図33及び図40〜図47に示すテーブルの構成、図34〜図39に示すRAMの格納領域の構成、図48〜図76に示すフローチャートの構成、図77及び図78に示す液晶表示装置5における映像の表示態様などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更又は修正が可能なものである。
また、本実施の形態のようなパチスロ機の他、スロットマシン、ビデオスロット等の遊技機にも本発明を適用できる。更に、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。