JP4947935B2 - 開栓性に優れた生分解性キャップ及び生分解性キャップ付容器 - Google Patents

開栓性に優れた生分解性キャップ及び生分解性キャップ付容器 Download PDF

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Description

本発明は、生分解性を有するキャップに関し、より詳細には、開閉操作の際に生分解性樹脂に由来する粉の発生が有効に防止され、開栓性、密封性、成形性に優れた生分解性を有するキャップ、及びこのキャップを用いてなる生分解性キャップ付容器に関する。
プラスチック廃棄物の理想的解決法として、自然環境で消滅する分解性プラスチックが注目されており、中でもバクテリヤや真菌類が体外に放出する酵素の作用で崩壊する生分解性プラスチックが包装容器の分野等で従来より使用されている。
しかしながら、この生分解性プラスチックは、生分解性など環境との調和の点では優れているものの、実際のプラスチック成形品の用途においては、未だ解決しなければならない問題点も有している。
例えば、生分解性樹脂の中でも、脂肪族ポリエステル硬質系から軟質系まで各種樹脂が存在するが、特に環境にやさしい植物原料から作られる樹脂は硬質で、代表的な樹脂としてポリ乳酸が挙げられる。しかし、このような硬質系樹脂は、例えば樹脂キャップなどの用途においては、より柔軟性、クッション性、ゴム状弾性等を有することが要求され、その適用に限界がある。
プラスチックに柔軟性を付与するために種々の提案がなされており、例えば乳酸を主成分とする重合体(A)と、脂肪族ジカルボン酸及び鎖状分子ジオールを主成分とする脂肪族ポリエステル(B)との混合組成物からなるポリ乳酸組成物が提案されている。この方法によれば、生分解性を損なうことなく柔軟性を付与できるという利点があるが、達成される粘弾性範囲が不十分であり、樹脂物性も未だ不十分であるという問題が生じていた。
このような問題を解消するものとして本発明者等により、軟質系生分解性ポリエステル樹脂と硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂から成る生分解性樹脂組成物及びかかる樹脂組成物から成る蓋材も提案されており、かかる樹脂組成物から成る成形品においては生分解性と優れた柔軟性及び耐衝撃性を得ることができる。
特開2000−191895号公報 特開2003−301096号公報
しかしながら、上記先行技術に用いられているような柔軟性の高い蓋材を、ポリ乳酸のような非常に剛性の高い硬質系脂肪族ポリエステル樹脂からなる容器に適用すると、開閉操作の際に、容器口部とキャップ内面に生じる摩擦によりキャップ材の表面が削れ、樹脂粉が生じてしまうという問題が生じる。
従って本発明の目的は、生分解性を有する樹脂のみを用いて成り、ポリ乳酸のような剛直な生分解性樹脂から成る容器に適用された場合にも、開閉操作に際して、樹脂粉が発生することが有効に防止されていると共に、密封性及び成形性にも顕著に優れた生分解性を有するキャップを提供することである。
本発明の他の目的は、容器及びキャップの全てが生分解性を有する環境性に優れたキャップ付容器を提供することである。
本発明によれば、硬質の生分解性ポリエステル樹脂から成る容器のための生分解性を有するキャップであって、前記キャップが、頂板部及びスカート部から成るキャップシェルと、該キャップシェル頂板部内面に施されるライナー材から成り、前記キャップシェルが硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)と軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)がA:B=20:80〜80:20の重量比で配合されている樹脂組成物から成り、前記ライナー材が、軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)から成る層を基材樹脂層としてキャップシェル頂板部内面側に位置させ、容器口部と接する面に硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)から成る表面層を積層した積層体から成るものであることを特徴とする生分解性を有するキャップが提供される。
本発明のキャップによれば
1.軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)から成る基材樹脂層の厚みが100乃至900μmであり、前記硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)から成る表面層の厚みが20乃至100μmであること、
2.硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)がポリ乳酸であること、
3.軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)がポリブチレンサクシネートであること、
が好適である。
本発明のキャップにおいては、キャップシェルが硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)及び軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)から成る樹脂組成物から成ることにより、キャップの成形の際の無理抜き成形加工を行ってもキャップが破損することもなく、成形性に優れている。またキャップシェルに別途ライナー材を設けることにより、ポリ乳酸のような硬質の生分解性樹脂から成る容器に適用しても、開閉操作の際のキャップと容器の摩擦による樹脂粉の発生を有効に防止することができると共に、適度に柔軟性を有するライナー材によって優れた密封性をも付与することが可能となる。また勿論、キャップシェル及びライナー材の両方が生分解性を有する材料から成っているので、キャップ全体としての生分解性にも優れている。
本発明のキャップ付容器は、上記生分解性に優れたキャップをポリ乳酸などの生分解性樹脂からなる容器に適用してなるため、包装容器全体として生分解性を有し、優れた環境性を有している。
また、上述した本発明のキャップに用いられるライナー材を容器口部にシール材として用いることによっても、開栓操作に伴うキャップシェルと容器口部との摩擦による樹脂粉の発生を有効に防止することができ、しかもキャップシェルが適用される前に、予め容器口部にシール材がヒートシールにより密封されていることにより、容器の密封性をより向上させることが可能となる。更に容器口部のシール材と共に、キャップシェルに上述したライナー材が形成されていることにより、シール材を取外し一旦開封した後リシールした場合にも、上述したキャップの開閉操作に伴うキャップと容器口部の摩擦による樹脂粉の発生が防止できると共に、リシール後のキャップの密封性をも確保することが可能となる。
本発明のキャップは、頂板部及びスカート部から成るキャップシェルと、該キャップシェル頂板部内面に施されるライナー材から成るものであり、キャップシェルが硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)と軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)がA:B=20:80〜80:20の重量比で配合されている樹脂組成物から成ること、及びライナー材が生分解性を有するものであることが重要な特徴である。
射出成形や圧縮成形によるキャップの成形においては、生産性等の点から成形型からの成形品の取出しは一般的には無理抜きにより行われているが、ポリ乳酸に代表される硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)は前述した通り剛性が高いため無理抜き成形加工を行うと、成形品が破損してしまうという問題があった。
本発明においては、このような観点からキャップシェルを構成する樹脂として硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)と共に、軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)を用い、これによりキャップシェルの成形型からの無理抜き成形加工を可能にし、生産性を向上させている。
一方、軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)を配合することにより、キャップシェルの硬度は硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)単独から成る成形品に比して低いため、ポリ乳酸から成る容器のように硬質系生分解性ポリエステル樹脂から成る容器にこのままの状態で適用した場合には、開閉操作における容器口部とキャップ内面との摩擦により、キャップが削れて樹脂粉が発生してしまうおそれがあるが、本発明においては、かかるキャップシェルの頂板部内面に別途形成されたライナー材が設けられているため、容器口部先端とキャップシェル頂板部内面が直接接触することがなく、樹脂粉の内容物への混入等のおそれの多い箇所での樹脂粉の発生を有効に防止することが可能となるのである。また生分解性を有するライナー材を別途形成し設けることにより、キャップ全体の生分解性を担保できると共に、キャップの密封性も向上することが可能となる。
本発明のこのような効果は実施例の結果からも明らかである。すなわち硬質系脂肪族ポリエステル樹脂であるポリ乳酸に上記範囲よりも少ない量で軟質系脂肪族ポリエステル樹脂であるポリブチレンサクシネートを配合して成る樹脂組成物からキャップシェルを成形した場合には、成形型から無理抜き成形加工を行うとキャップシェルが割れてしまい(比較例2)、また上記範囲よりも軟質系脂肪族ポリエステル樹脂が多い場合には、無理抜き成形加工を行うとキャップシェルのスカート部がめくれてしまい(比較例3)、何れの場合にもキャップシェルを成形することができなかったのに対し、硬質系脂肪族ポリエステル樹脂であるポリ乳酸と軟質系脂肪族ポリエステル樹脂であるポリブチレンサクシネートを上記範囲内で配合して成る樹脂組成物から成る本発明のキャップは、無理抜き成形加工を行ってもキャップの破損が生じることがないのである(実施例1〜4)。
本発明のキャップにおいては、用いるライナー材が生分解性を有するものであることも重要な特徴であり、これによりキャップ全体として生分解性を有していると共に、キャップの密封性を向上させることが可能となる。
すなわち、ライナー材を設けない場合には、前述したようにキャップと容器口部との摩擦による樹脂粉が発生してしまうと共に、30℃における密封性において満足する結果が得られていないのに対し(比較例1)、ライナー材が形成されている実施例1乃至4においては、樹脂粉の発生及び密封性の何れにおいても満足する結果が得られている。
また本発明のキャップは、ポリ乳酸等の生分解性樹脂から成る容器に適用することが特に好適である。すなわち上述したように本発明のキャップは、ポリ乳酸のような硬質の生分解性樹脂から成る容器に適用した場合にも樹脂粉の発生が有効に防止されていることから、このような生分解性樹脂から成る容器に適用することにより包装容器全体として生分解性を有し、優れた環境性を具備することが可能となるのである。
また本発明のキャップ付容器の他の態様においては、硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)と軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)がA:B=20:80〜80:20の重量比で配合されている樹脂組成物から成る、頂板部及びスカート部から成るキャップシェルを、硬質系の生分解性ポリエステル樹脂から成る容器に適用して成るキャップ付容器において、前記容器は、開口部を覆うように生分解性を有するシール材がヒートシールされているものであることが重要な特徴である。
すなわち、上述した本発明のキャップに用いられるライナー材を容器口部にシール材として用いることによっても、開栓操作に伴うキャップシェルと容器口部との摩擦による樹脂粉の発生を有効に防止することができる。しかもキャップシェルが適用される前に、予め容器口部にシール材がヒートシールにより密封されていることにより、容器の密封性をより向上させることが可能となるのである。
この態様においては、キャップシェルには上述したライナー材が必ずしも必要ではないが、キャップにリシール性を付与し得る点で、ライナー材が形成されていることが好ましく、これによりシール材を取外し一旦開封した後リシールした場合にも、上述したキャップの開閉操作に伴うキャップと容器口部の摩擦による樹脂粉の発生が防止できると共に、リシール後のキャップの密封性をも確保することが可能となる。
(キャップシェル)
本発明のキャップ及びキャップ付容器に用いるキャップシェルは、前述した通り、硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)と軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)がA:B=20:80〜80:20、特に30:70〜70:30の重量比で配合されている樹脂組成物から成ることが重要である。
(A)硬質系脂肪族ポリエステル樹脂
本発明に用いる硬質系脂肪族ポリエステル樹脂として好適なものは、乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルを主体とするものであり、下記式(I)
CH
| ‖
−[−O−CH−C−]− …(I)
で表される反復単位を主体とするものである。
最も好適な硬質系脂肪族ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸から成り、特に構成単位が実質上L−乳酸から成り、光学異性体であるD−乳酸の含有量が6.0%以下のものである。
用いるポリ乳酸は、勿論これに限定されないが、10000〜300000、特に20000〜250000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有することが好ましい。また密度1.26〜1.20g/cm、融点160〜200℃、メルトフローレート(ASTM D1238,190℃)2〜20g/10分の範囲にあることが好ましい。
本発明に用いる硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)は勿論、上記のポリ乳酸に限定されず、他の硬質系脂肪族ポリエステル樹脂、例えば3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキシカプロエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシナノエート、3−ヒドロキシデカノエート、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、或いはこれらの共重合体であってもよい。
この硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)は、温度30〜50℃における貯蔵弾性率(E’)が3.20×10Pa以上であることが好ましい。
(B)軟質系脂肪族ポリエステル樹脂
本発明に用いる軟質系脂肪族ポリエステル樹脂は、脂肪族カルボン酸と脂肪族多価アルコールを縮重合して成るものを挙げることができ、これらの脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性に優れていると共に、適度な柔軟性を有していることから、硬質系脂肪族ポリエステル樹脂と共に用いることにより、成形性を損なうことなく、耐衝撃性を向上することが可能となる。
脂肪族カルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、リノレイン酸等を挙げることができ、また脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等を挙げることができる。
具体的には、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンアジペート、ポリヘキシルアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンテレフタレートアジペート等を挙げることができるが、特に生分解性の点で、ポリブチレンサクシネートを用いることが好ましい。
この脂肪族系ポリエステル樹脂は、30〜50℃における貯蔵弾性率(E’)が、1.20×10Paより大きく3.20×10Paより小さい範囲にあることが好ましい。
本発明のキャップシェルの成形に用いる樹脂組成物においては、樹脂組成物の溶融物性を改善し、溶融成形性を向上させると共に、熱処理時の形状安定性を向上させるために、樹脂組成物100重量部当たり0〜20重量部、特に0.1〜10重量部の量の無機充填剤を含有させることができる。
このような無機充填剤としては、タルク、カオリン、クレー及びカオリナイト等を挙げることができ、特にSiOを50重量%以上含有するものを好適に使用することができる。かかる無機充填剤は、平均粒径が0.1乃至50μmの範囲にあるものを好適に使用することができる。
また本発明のキャップシェルの成形に用いる樹脂組成物には、その用途に応じて、それ自体公知の各種配合剤、例えば、滑剤、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、安定剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤等を、公知の処方に従って配合することができる。
本発明のキャップシェルに用いる樹脂組成物は、上記各成分を従来公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、V- ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で乾式混合する方法、あるいはこのような方法で混合して得られた混合物を、さらに一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練することによって得ることができる。
キャップシェルの形状は、頂板部及びスカート部から成る従来公知の形状を採用することができ、開閉操作に伴うキャップシェル及び容器口部の摩擦による樹脂粉の発生を防止するという観点からは、スカート部に螺子が形成されたキャップシェル形状に効果的であるが、容器口部に係合突起により係合固定するキャップシェルにも適用できる。
キャップシェルは、射出成形、圧縮成形等従来公知の成形方法により成形することが可能であり、本発明においては、キャップシェルが無理抜き成形加工が可能であり、割型を用いることなく成形できるので、生産性に優れている。
(ライナー材)
本発明に用いるライナー材は、生分解性を有すると共に、ポリ乳酸からなる容器のように硬質な容器口部との摩擦によって樹脂粉が発生しないこと、及び密封性と成形性を有していることが重要である。
好適なライナー材としては、紙に生分解性樹脂がコーティングされたライナー材や、生分解性樹脂から成るライナー材を挙げることができる。
紙に生分解性樹脂をコーティングして成るライナー材の場合、紙の少なくとも容器口部と接触する面に溶融した生分解性樹脂を塗布乾燥することによりライナー材を成形することができる。
紙にコーティングする生分解性樹脂としては、上述した硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)を挙げることができ、特にポリ乳酸であることが好ましく、ポリ乳酸から成る層を20乃至100μmの厚みに紙上に形成する。
生分解性樹脂から成るライナー材の場合には、容器口部と接する面が硬質系脂肪族ポリエステル樹脂又は硬質系脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とする組成物から成ることが摩擦による樹脂粉の発生を防止する上で重要である。一方硬質系脂肪族ポリエステル樹脂単独では、後述する比較例4から明らかなように、成形性に劣ると共に密封性を得ることが困難であることから、上述した軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)から成る層を基材樹脂層としてキャップシェル頂板部内面側に位置させ、容器口部と接する面に硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)から成る表面層を積層した積層体から成るライナー材とすることが好適である。
この積層体においては一般に、軟質系脂肪族ポリエステル樹脂(B)が100乃至900μm、硬質系脂肪族ポリエステル樹脂(A)が20乃至100μmの厚みにあることが密封性及び成形性の点から好ましい。
また単独でライナー材を形成可能な生分解性樹脂としては、ポリ乳酸系樹脂(C)とポリブチレンテレフタレートアジペート系樹脂(D)がC:D=10:90〜90:10の重量比で配合されている樹脂組成物を好適に用いることができる。
またライナー材は、生分解性樹脂の発泡体とすることにより、密封性の向上を図ることが可能となり、硬質系脂肪族ポリエステル樹脂であるポリ乳酸の発泡体によれば硬質系脂肪族ポリエステル樹脂単独でのライナーの成形が可能になる。
脂肪族ポリエステル樹脂の発泡体としては、例えば、ポリスチレン等の非晶性樹脂を配合したり、必要により発泡剤を配合するなど、脂肪族ポリエステル樹脂の発泡体の従来公知の製法により成形することができる。
更に、生分解性樹脂がガスバリヤー性を有するものであることにより、キャップのガスバリヤー性を向上させることもできる。これによりキャップを通してのガスの透過が防止され、外部からの酸素透過による内容物の保存性等が保持されるという利点もある。ガスバリヤー性を有する生分解性樹脂としてはポリグリコール酸を挙げることができる。
ライナー材の形状は、頂板部内面の形状に打ち抜かれた平板状のものであってもよいし、容器口部に形状に対応するインナーリング及び/又はアウターリングがプレス成形等により賦形されたもの等、従来公知のライナー材の形状の全てを採用することができる。
尚、ライナー材にインナーリングを設けた場合、或いはキャップシェルにタンパーエビデントバンドが形成されている場合には、ライナー材は、キャップシェルに接着固定されていないことが好ましい。
すなわち、後述する図2に示すようにインナーリングが形成されたライナー材の場合には、容器口部とインナーリングの密着により密封性が確保されるため、キャップの開閉操作に伴うキャップシェルの旋回にライナー材が追従すると、初期の開栓トルクが上昇し、開栓性に劣るようになるからである。またタンパーエビデントバンドが形成されている場合には、スカート部下端とタンパーエビデントバンドの間の弱化部が破断された後に、容器の密封性が解除されることがタンパーエビデント性を確実にする上で好ましいことから、開封操作の初期の段階においては、ライナー材がキャップシェルの上昇に追従することなく、弱化部が破断された後にライナー材がキャップシェルに追従して上昇することが好ましい。従ってこのような場合には、ライナー材は、スカート部内面の上部に形成された係合突起やネジ部の上方ネジ山等で保持されて、キャップシェル頂板部内面との間に間隙を形成しつつキャップシェルとの一体性を保つことが好ましい。
(キャップ)
本発明のキャップは、上述したキャップシェル及び生分解性を有するライナー材の組み合わせから成る以外は従来公知のプラスチックキャップと同様に種々の形態をとることができる。
図1は、本発明のキャップの一例を示す図であり、全体を1で表す本発明のキャップは、頂板部3及び頂板部3の周縁から垂下するスカート部4から成るキャップシェル2、及びキャップシェル2の頂板部3内面に設けられる生分解性ライナー材5から成る。
図1に示す具体例においては、頂板部3の内面には、ライナー材5と頂板部3内面との接触面積を少なくするためにコンタクトリング6が形成されている。またキャップシェル2のスカート部4の内面には、容器口部(図示せず)と螺合するネジ部7が形成されている。またスカート部4内面の頂板部3に近い上部には、環状突起8が形成されており、この環状突起8によりライナー材5が保持されている。
また図2は、本発明のキャップの他の一例を示す図であり、この具体例においては、より密封性を高めるために、ライナー材5にはインナーリング9が形成されており、また、キャップシェル2のスカート部4の下端に、破断可能な弱化部10を介してタンパーエビデントバンド11が一体的に形成されている。このタンパーエビデントバンド11には、下端から上方に向かって延びるフラップ片12が複数個形成されており、開封に際してかかるフラップ片12が容器口部(図示せず)に形成された係合突起と係合することにより、弱化部10が破断されて弱化部10よりも上方のキャップのみが上昇して、タンパーエビデントバンド11が容器口部に残ることにより、一旦開封されたものであることが一目で分かるようになる。
図1及び図2に示したキャップにおいては、ライナー材はキャップシェルとは別に成形されて、キャップシェル内の環状突起又はネジ部で保持されるように嵌め込まれてキャップシェルと一体化されているが、ライナー材は別途成形された後キャップシェル頂板部内面に接着剤等により接着することもできる。
またキャップシェル頂板部内面にライナー材を形成する生分解性樹脂の溶融塊を直接施し、これを圧縮成形することによりライナー材の成形とキャップシェル内への設置を同時に行うこともできる。
なお、キャップシェルとライナー材の接触部は、キャップシェル頂板部内面とライナー材の接触面積を小さくする形状を任意に選定できる。例えば、キャップシェル頂板部に突起(コンタクトリング)を設け、キャップシェル頂板部内面とライナー面の接触を少なくすることにより、キャップシェルとライナー材の接触面を最小限とし、キャップの最終的な締め工程(締め角、締めトルク)の段階までに、不必要なトルクや摩擦をかけることなくキャップを閉めることができるようになる。このように、キャップシェルの形状を選択することにより、キャップ開閉性が更に向上する。
本発明のキャップは、硬質の容器に適用されても、開閉操作における容器口部とライナー材の摩擦によるライナー材の樹脂粉の発生がないため、ポリ乳酸のような硬質系脂肪族ポリエステル樹脂から成る容器に有効に適用することができ、これによりキャップを含めた容器全体が優れた生分解性を有する包装容器を提供することが可能となる。
(キャップ付容器)
本発明のキャップ付容器は、上述したキャップ(キャップシェル内にライナー材が設けられたもの)を硬質系の生分解性ポリエステル樹脂から成る容器に適用するか、或いは図3及び図4に示すように上述したキャップシェル又はキャップを、開口部にシール材がヒートシールされた硬質系の生分解性ポリエステル樹脂から成る容器に適用することにより形成される。
図3は、本発明のキャップ付容器の一例を示す側断面図である。キャップシェル20は、頂板部21及び頂板部21の周縁から垂下するスカート部22から成り、キャップシェル20のスカート部22の内面には、容器口部30に形成されたネジ部31と螺合するネジ部23が形成されている。また容器口部30の開口部先端32には、シール材40がヒートシールされている。このシール材40には、その周縁の一部に開封のためのタブ41が形成されている。
また図4は、本発明のキャップ付容器の他の一例を示す側断面図であり、キャップシェル20にライナー材50が施されている以外は、図3と同様である。ライナー材50は、キャップシェル20のスカート部22内面の上部に設けられた環状突起24によりキャップシェル20内に一体的に保持されている。この態様によれば、シール材40を剥がして一旦開封した後、リシールした場合にも、密封性が確保されると共に、キャップシェル20の頂板部21と容器口部30の開口部先端32が直接接することがないため、開閉操作に伴うキャップシェルと容器口部の摩擦による樹脂粉の発生が有効に防止される。
容器の開口部にヒートシールされるシール材としては、容器の開口部にヒートシールし得る限り、上述したライナー材と同様のものを用いることができるが、これ以外にも、ガスバリヤー材に生分解性樹脂がコーティングされた積層体から成るシール材を好適に用いることができる。これにより内容物の保存性を向上させることが可能になる。
ガスバリヤー材としては、上述したポリグリコール酸などの生分解性樹脂から成るものの他、アルミニウム等の軽金属の箔や、或いはエチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂等のガスバリヤー性樹脂等を用いることができる。かかるガスバリヤー材は、生分解性の点では好ましくないが、シール材は、最初の開封の際に、容器或いはキャップとは別に廃棄されること、及び一般に生分解性を有する包装容器には、全材料の1%未満の非生分解性材料の使用が許容されており、本発明のキャップ付容器においては、キャップシェル、ライナー材及び容器の全てが生分解性材料から成っているので、シール材としてかかるガスバリヤー材を使用することもできる。
シール材として、紙又はガスバリヤー材にコーティングすべき生分解性樹脂としては、ライナー材で上述したようにポリ乳酸であることが好適であり、ライナー材の場合と同様に、紙又はガスバリヤー材の少なくとも容器口部と接触する面に溶融した生分解性樹脂を塗布乾燥することによりシール材を成形することができる。コーティング層の厚みはライナー材の場合と同様に、20乃至100μmの範囲にあることが好ましい。
本発明のキャップ付容器の容器に用いられる硬質系の生分解性ポリエステル樹脂としては、キャップシェルの材料として例示した硬質系脂肪族ポリエステル(A)を挙げることができ、特にポリ乳酸から成ることが好ましい。
硬質系の生分解性ポリエステル樹脂からなる容器は、射出成形、押出成形、圧空成形、ダイレクトブロー成形、二軸延伸ブロー成形等、従来公知の成形法により成形することができるが、生分解性ポリエステル樹脂、特にポリ乳酸は延伸成形により材料強度が向上することから、二軸延伸ブロー成形等による延伸成形容器であることが好ましい。
尚、硬質系生分解性ポリエステル樹脂には、溶融成形性を向上させると共に、熱処理時の形状安定性を向上させるために、キャップシェルの成形と同様に、樹脂100重量部当たり0〜20重量部、特に0.1〜10重量部の量の無機充填剤を含有することが好ましい。
次に、実施例をもって本発明を説明する。
[実施例1]
(キャップシェル)
光学活性異性体量が3%で、重量平均分子量190000のポリ乳酸樹脂55重量%に対し、ポリブチレンサクシネート樹脂45重量%と脂肪族アミド系潤滑剤を0.3重量%含有した樹脂組成物を二軸押出機で、220℃で溶融混合し、ストランド成形後、ペレタイジングした。上記樹脂を、射出成形機にて200℃で溶融させ、スクリューキャップ形状に射出成形した。射出成形品は、従来の射出成形技術を適用し、無理抜き成形加工法で金型から製品を取り出した。次に、室温冷却後、3日室温放置し、キャッピング試験に用いた。
(キャップライナー材)
エクストリュードキャスト装置を用い、280μm厚のバージン100%原紙片面に溶融ポリ乳酸樹脂を30μm厚にキャストすることで、ポリ乳酸積層シートを作成した。次に、このポリ乳酸積層シートを36mmφ径の円径に打ち抜き、ポリ乳酸樹脂層を内容品側面とし、キャップシェル天面に装着した。
(ボトル)
光学活性異性体量が1.5%で、重量平均分子量が190000のポリ乳酸を用い、射出成形機にて、230℃で有底プリフォームに射出成形した。次に、ブロー成形機を用い、射出成形プリフォームを加熱後、ブロー金型内に有底プリフォームを装填し、金型を閉じた後、ストレッチロッドと高圧ガスでボトル形状に延伸ブローした(満注内容積240ml、口内径32mmφ、口外径35mmφの円柱ボトル)。
(充填)
前記ボトルに、赤色インキ着色5℃水道水を220ml容充填後、前記ポリ乳酸積層紙ラミ製ライナー材付きスクリューキャップを閉トルク150Ncmでキャッピングした。
(打ち抜き)
ポリ乳酸積層シート及び単層シートを36mmφパンチで打ち抜き成形した。打ち抜き後にシート粉の生成や、割れが生じた場合、成形不良とし、×とした。一方、シート粉の生成や、割れが生じない場合は、ライナー材の打ち抜き加工性良好と判断し、○とした。
(キャップ開閉動作後の粉噴き)
所定のトルクでキャッピング後、一旦開栓し、ボトルとキャップの接触部であるキャップ頂板部、キャップ及びボトル口部のそれぞれのネジ山部に、キャップ材由来の摩耗粉が生成するか否か観察した。この場合、キャップ閉栓・開栓動作過程で、キャップ材由来の摩耗粉が噴きだした場合、粉噴きが発生したとして、×とした。一方、粉噴きが観察されない場合、粉噴きなしとして、○とした。
(密封性)
赤水充填ボトルにキャップを所定のトルクでキャッピング後、横倒しし、5℃と30℃に24時間放置した。24時間放置後、キャップを開栓し、赤水がキャップとボトル口部先端の接触部分を乗り越え、キャップのネジ部或いはボトルのネジ部にまで浸透していた場合、密封性を不良とし、×とした。一方、24時間保存後、キャップを開栓した場合、キャップとボトル口部先端の接触部分を乗り越え、キャップのネジ部或いはボトルのネジ部に赤水が到達していない場合、密封性ありと判断し、○とした。
[実施例2]
2種2層の共押出機とTダイを用い、第1の押出機にて、ポリブチレンサクシネート樹脂を200℃で溶融押出し、第2の押出機で光学活性異性体量が3%で重量平均分子量が190000のポリ乳酸樹脂を200℃で溶融押出した。Tダイで2種2層の多層シートを押出し吐出成形後、直ぐにチルロールで冷却し、巻き取った。この場合、ポリブチレンサクシネート層厚みは300μmであり、ポリ乳酸層厚みは30μm層であった。次に、このポリ乳酸積層ポリブチレンサクシネートシートを36mmφにパンチングで切り抜き、実施例1同様に成型した射出成形キャップシェル天面に、ポリ乳酸層を内容品側に装着した。このように、ライナー材を生分解性樹脂の2層構造とする以外は、実施例1同様とした。
[実施例3]
2種2層の共押出機とTダイを用い、第1の押出機で、ポリカプロラクトン樹脂を200℃で溶融押出し、第2の押出機で光学活性異性体量が3%で、重量平均分子量が190000のポリ乳酸樹脂を200℃で溶融押出した。Tダイで2種2層の多層シートを押出し吐出成形後、直ぐにチルロールで冷却し、巻き取った。ポリカプロラクトン樹脂層の厚みが300μmであり、ポリ乳酸層厚みは30μm層であった。次に、このポリ乳酸積層ポリカプロラクトン多層シートを36mmφにパンチングで打ち抜き、実施例1同様に成型した射出成形キャップシェル天面に、ポリ乳酸層を内容品側に装着した。このように、ライナー材をポリ乳酸とポリカプロラクトン樹脂の2層構造である以外は、実施例2同様とした。
[実施例4]
2種2層の共押出機とTダイを用い、第1の押出機に発泡材マスターバッチ(ポリスチレンEB106)を3重量%ドライブレンドしたポリブチレンサクシネート樹脂を205℃で溶融押出し、第2の押出機でポリ乳酸樹脂を200℃で溶融押出成形した。Tダイで2種2層の多層シートを押出成形後、直ぐにチルロールで冷却し、巻き取った。この場合も、ポリブチレンサクシネート発泡層厚は300μmであり、ポリ乳酸層は30μm層であった。次に、このポリ乳酸積層発泡シートを36mmφに打ち抜き、実施例1同様に成型した射出成形キャップシェル天面にポリ乳酸層を内容品側とし装着した。このように、ライナー材を、ポリ乳酸とポリ乳酸樹脂以外の生分解性樹脂発泡体の2層構造である以外は、実施例1同様とした。
[実施例5]
射出成形機を用い、光学活性異性体量が3%で重量平均分子量が190000のポリ乳酸樹脂とポリブチレンテレフタレートアジペートが60:40の重量比で200℃温度で、36mmφで厚さ1mmのライナー材を射出成形した。加えて、キャップシェル面と成形ライナー面の接触を削減するため、キャップシェル内面に0.5mm幅の内容品側へ凸のコンタクトリングを設けたキャップシェルを用いた以外は、実施例1同様とした。
[比較例1]
ライナー材を設けない以外は、実施例1と同様にしてキャップを成形した。この場合、キャップ射出成形は可能であったが、キャップ開栓・閉栓動作時にキャップ由来の摩擦粉が確認された。
[比較例2]
光学活性異性体量が3%で、重量平均分子量190000のポリ乳酸樹脂90重量%に対し、ポリブチレンサクシネート樹脂10重量%と、脂肪族アミド系潤滑剤を0.3重量%含有した樹脂組成物を二軸押出機で、220℃で溶融混合し、ストランド成形後、ペレタイジングした。この樹脂を、射出成形機にて200℃で溶融させ、スクリューキャップ形状に射出成形した。射出成形品は、従来の射出成形技術を適用し、無理抜き成形加工法にて金型より製品を取り出した。この場合、キャップ無理抜き成形時に射出成形したキャップ製品が割れ、キャップの射出成形そのものが出来なかった。
[比較例3]
光学活性異性体量が3%で、重量平均分子量190000のポリ乳酸樹脂10重量%に対し、ポリブチレンサクシネート樹脂90重量%と、脂肪族アミド系潤滑剤を0.3重量%含有した樹脂組成物を二軸押出機で、220℃で溶融混合し、ストランド成形後、ペレタイジングした。この樹脂を、射出成形機にて200℃で溶融させ、スクリューキャップ形状に射出成形した。射出成形品は、従来の射出成形技術を適用し、無理抜き成形加工法にて、金型より製品を取り出した。この場合、射出成形キャップを無理抜き成形法により金型から取り出す時点で、射出成形キャップがめくれを生じ、キャップの射出成形が出来なかった。
[比較例4]
単層押出機を用い、光学活性異性体量が3%で、重量平均分子量が190000のポリ乳酸樹脂を200℃で溶融押出し、300μm厚にシート成形した。次に、36mmφにパンチングで打ち抜き、実施例1と同様に成型した射出成形キャップ天面にポリ乳酸層を内容品側とする様に装着する以外は実施例1同様とした。しかし、この場合、ポリ乳酸単層シートの36mmφパンチング加工時に、シートが割れ、ポリ乳酸単層シートからのライナー材の打ち抜き加工ができなかった。
[比較例5]
単層押出機を用い、ポリブチレンサクシネート樹脂を200℃までの温度で溶融押出し、300μm厚にシート成形した。次に、36mmφにパンチングで切り出し、実施例1同様に成型した射出成形キャップ天面にポリブチレンサクシネート層を内容品側とする様に装着する以外、実施例1同様にした。この場合、キャップの開栓・閉栓動作時にキャップ由来の摩擦粉が多く発生した。
[実施例6]
(キャップシェル)
光学活性異性体量が3%で、重量平均分子量190000のポリ乳酸樹脂55重量%に対し、ポリブチレンサクシネート樹脂45重量%と脂肪族アミド系潤滑剤を0.3重量%含有した樹脂組成物を二軸押出機で、220℃で溶融混合し、ストランド成形後、ペレタイジングした。射出成形は、従来の射出成形技術を適用し、無理抜き成形加工で金型から製品を取り出した。次に、室温冷却後、3日室温放置し、キャッピング試験に用いた。
(シール材)
25μm厚のアルミ薄膜に、エクストリュードキャスト押出機を用い、装置を用い光学活性異性体量が10%で、重量平均分子量が50000の融点が140以下℃の低融点ポリ乳酸を20μ厚に製膜した。次に、タブつきの40mmφの円形状に打ち抜き、シール材とした。
(ボトル)
光学活性異性体量が1.5%で、重量平均分子量が190000のポリ乳酸を用い、射出成形機で230℃にて有底プリフォームを射出成形した。次に、ブロー成形機を用い、射出成形プリフォームを加熱後、ブロー金型内に底プリフォームを装填し、金型を閉じた後、ストレッチロッドと高圧ガスでボトル形状に延伸ブロー成形した(満注内容量240ml、口内径32mmφ、口外径35mmφの円柱ボトル)。
(充填)
前記ボトルに、赤色インキ着色5℃水道水を220ml容充填後、前記ボトル口部天面に加熱板で圧着しシール部材を熱シールした。
Figure 0004947935
本発明のキャップの一例を示す側断面図である。 本発明のキャップの他の一例を示す側断面図である。 キャップシェルを、開口部がシール材でヒートシールされた容器に適用したキャップ付容器の側断面図である。 図1に示したキャップを、開口部がシール材でヒートシールされた容器に適用したキャップ付容器の側断面図である。

Claims (4)

  1. 硬質の生分解性ポリエステル樹脂から成る容器のための生分解性を有するキャップであって、前記キャップが、頂板部及びスカート部から成るキャップシェルと、該キャップシェル頂板部内面に施されるライナー材から成り、前記キャップシェルが硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)と軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)がA:B=20:80〜80:20の重量比で配合されている樹脂組成物から成り、前記ライナー材が、軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)から成る層を基材樹脂層としてキャップシェル頂板部内面側に位置させ、容器口部と接する面に硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)から成る表面層を積層した積層体から成るものであることを特徴とする生分解性を有するキャップ。
  2. 前記軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)から成る基材樹脂層の厚みが100乃至900μmであり、前記硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)から成る表面層の厚みが20乃至100μmである請求項1記載の生分解性を有するキャップ。
  3. 前記硬質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)がポリ乳酸である請求項1又は2記載のキャップ。
  4. 前記軟質系生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(B)がポリブチレンサクシネートである請求項1乃至3の何れかに記載のキャップ。
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