JP2021165169A - 熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器 - Google Patents

熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、環境負荷を低減でき、成形性及び連続生産性に優れる熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器を提供する。【解決手段】低環境負荷樹脂を含む非発泡層10と、低環境負荷樹脂を含む発泡層との少なくとも一つの含低環境負荷樹脂層を有し、前記含低環境負荷樹脂層は、界面活性剤を含む、熱可塑性樹脂シート。前記低環境負荷樹脂が生分解性樹脂を含有し、前記生分解性樹脂がポリ乳酸系樹脂である、熱可塑性樹脂シート。前記界面活性剤の含有量が前記含低環境負荷樹脂層に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して0.01〜2.0質量部である、熱可塑性樹脂シート。【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器に関する。
熱可塑性樹脂シート(樹脂シート)を成形してなる容器は、食品等の容器として汎用されている。例えば、発泡層を有する樹脂シートを成形した容器は、熱湯を注いで調理する即席麺等の食品の容器として、広く使用されている。
近年、地球環境に配慮して、環境負荷を低減できる樹脂の使用が望まれている。環境負荷を低減できる樹脂(「低環境負荷樹脂」ということがある。)としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂等の生分解性樹脂や植物由来樹脂等が知られている。
例えば、特許文献1には、生分解性樹脂であるポリ乳酸系樹脂フィルムを表面皮膜層に適用した積層発泡シートが提案されている。
特開2012−131173号公報
しかしながら、低環境負荷樹脂を樹脂シートに用いると、樹脂シートが延伸せず、成形性に劣るという問題がある。
加えて、低環境負荷樹脂を含有する樹脂シートの製造時には、樹脂劣化成分を主成分とする異物(以下、メヤニともいう。)が発生しやすいという問題がある。メヤニが発生すると、押出金型にメヤニが堆積し、樹脂シートの表面にメヤニに由来するスジが付着し、樹脂シートの外観を損ねる。
このため、押出金型にメヤニが堆積した場合、製造ラインを一時停止し、押出金型を清掃する必要があり、樹脂シートの連続生産性を著しく損ねる。
そこで、本発明は、環境負荷を低減でき、成形性及び連続生産性に優れる熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]低環境負荷樹脂を含む非発泡層と、低環境負荷樹脂を含む発泡層との少なくとも一つの含低環境負荷樹脂層を有し、前記含低環境負荷樹脂層は、界面活性剤を含む、熱可塑性樹脂シート。
[2]前記非発泡層を有し、前記非発泡層が、前記含低環境負荷樹脂層である、[1]に記載の熱可塑性樹脂シート。
[3]前記発泡層を有し、前記発泡層が、前記含低環境負荷樹脂層である、[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂シート。
[4]前記低環境負荷樹脂が生分解性樹脂を含有し、前記生分解性樹脂がポリ乳酸系樹脂である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シート。
[5]前記界面活性剤の含有量が前記含低環境負荷樹脂層に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して0.01〜2.0質量部である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シート。
[6]前記界面活性剤が、ノニオン界面活性剤である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シート。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シートが熱成形されてなる、熱可塑性樹脂容器。
[8]食品用の容器である、[7]に記載の熱可塑性樹脂容器。
本発明の熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器によれば、環境負荷を低減でき、成形性及び連続生産性に優れる。
本発明に係る熱可塑性樹脂シートの一例を示す断面図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 メヤニ発生前のTダイの先端周辺の一例を示す写真である。 メヤニ発生後のTダイの先端周辺の一例を示す写真である。 本発明に係る熱可塑性樹脂容器の一例を示す斜視図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂シートの他の一例を示す断面図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂シートの他の一例を示す断面図である。
本発明の熱可塑性樹脂シート(以下、単に「樹脂シート」ともいう。)は、低環境負荷樹脂を含む発泡層と、低環境負荷樹脂を含む非発泡層との少なくとも一つの含低環境負荷樹脂層を有する。
本発明の樹脂シートの態様としては、低環境負荷樹脂を含む非発泡層のみからなる非発泡シート、低環境負荷樹脂を含む発泡層のみからなる発泡シート、非発泡層と発泡層とを有する積層発泡シートが挙げられる。
非発泡シートは、単層でもよいし、2層以上の非発泡層からなる多層でもよい。非発泡シートが多層の場合、全ての非発泡層が含低環境負荷樹脂層でもよいし、一部の非発泡層が含低環境負荷樹脂層でもよい。
発泡シートは、単層でもよいし、2層以上の発泡層からなる多層でもよい。発泡シートが多層の場合、全ての発泡層が含低環境負荷樹脂層でもよいし、一部の発泡層が含低環境負荷樹脂層でもよい。
積層発泡シートは、例えば、発泡層と、発泡層の片面又は両面に設けられた非発泡層とを有する。あるいは、積層発泡シートは、例えば、非発泡層と、非発泡層の片面又は両面に設けられた発泡層とを有する。積層発泡シートにおいて、発泡層のみが含低環境負荷樹脂層でもよいし、非発泡層のみが含低環境負荷樹脂層でもよいし、発泡層と非発泡層との双方が含低環境負荷樹脂層でもよい。発泡層の両面に非発泡層を有する場合、双方の非発泡層が含低環境負荷樹脂層でもよし、一方の非発泡層のみが含低環境負荷樹脂層でもよい。非発泡層の両面に発泡層を有する場合、双方の発泡層が含低環境負荷樹脂層でもよいし、一方の発泡層のみが含低環境負荷樹脂層でもよい。
本発明の熱可塑性樹脂容器(以下、単に「樹脂容器」ともいう。)は、本発明の樹脂シートが熱成形されてなる。
本発明の樹脂容器は、含低環境負荷樹脂層を有する。
以下、本発明について、実施形態を挙げて説明する。
≪第一実施形態≫
[樹脂シート]
本発明に係る樹脂シートの第一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1の樹脂シート1は、低環境負荷樹脂を含む非発泡層10のみからなる単層の非発泡シートである。
樹脂シート1の厚さは、非発泡層10の厚さT10に等しい。非発泡層10の厚さT10は、樹脂シート1の用途等を勘案して決定され、食品容器用であれば、例えば、20〜1000μmが好ましく、40〜800μmがより好ましく、60〜600μmがさらに好ましい。非発泡層10の厚さT10が上記下限値以上であると、樹脂シート1を成形しやすく、成形性のさらなる向上を図れる。加えて、非発泡層10の厚さT10が上記下限値以上であると、樹脂シート1の表面平滑性のさらなる向上を図れる。非発泡層10の厚さT10が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。
非発泡層10の厚さT10は、以下の方法で求められる値である。樹脂シート1のTD方向(幅方向)の任意の10点の厚さをマイクロゲージで測定する。10点の測定値を平均して、非発泡層10の厚さT10とする。
本第一実施形態の樹脂シート1は、単層構造であるが、本発明はこれに限定されず、二層以上の多層構造でもよい。
樹脂シートを多層構造とする場合、全ての層が同じ樹脂組成でもよいし、互いに異なる樹脂組成でもよい。
樹脂シート1は、無延伸シート、弱延伸シート、1軸延伸シート、及び、2軸延伸シートのいずれであってもよい。樹脂シート1の成形性を高めやすい観点から、樹脂シート1は、無延伸シートが好ましい。
<非発泡層>
非発泡層10は、低環境負荷樹脂を含む熱可塑性樹脂で構成され、実質的に気泡が形成されていない層である。加えて、非発泡層10は、実質的に発泡剤を含有しない層である。本第一実施形態において、非発泡層10は、含低環境負荷樹脂層である。本明細書において、「低環境負荷樹脂」とは、環境負荷を低減できる樹脂のことをいう。
非発泡層10に含まれる低環境負荷樹脂は、生分解性樹脂及び植物由来樹脂の双方又はいずれか一方であることが好ましい。
低環境負荷樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
低環境負荷樹脂のZ平均分子量は、80万以下が好ましく、10万〜50万がより好ましく、15万〜45万がさらに好ましく、15万〜40万が特に好ましい。低環境負荷樹脂のZ平均分子量が上記数値範囲内であると、樹脂シート1の成形性をより高められる。
Z平均分子量の測定方法は後述する。
生分解性樹脂としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂(PLA)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との直鎖状ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリル酸、エチレン−一酸化炭素共重合体、脂肪族ポリエステル−ポリアミド共重合体、脂肪族ポリエステル−ポリオレフィン共重合体、脂肪族ポリエステル−芳香族ポリエステル共重合体、脂肪族ポリエステル−ポリエーテル共重合体、澱粉と変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイ、澱粉とポリエチレンとのポリマーアロイ、コハク酸エステル等が挙げられる。耐油性を高められる観点から、生分解性樹脂としては、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
ポリ乳酸系樹脂は、乳酸がエステル結合によって重合した樹脂である。ポリ乳酸系樹脂は、ポリエステル系樹脂に分類され、生分解性樹脂の一種である。
ポリ乳酸系樹脂は、具体的には、D−乳酸及びL−乳酸の双方又は一方を含むモノマー成分から生成された重合体である。
ポリ乳酸系樹脂は、好ましくは、D−乳酸及びL−乳酸(モノマー成分)の双方又は一方のみからなるモノマー成分の重合体である。この場合には、D−乳酸及びL−乳酸のうち、一方の含有割合が他方の含有割合に比べて高いことが好ましい。具体的には、以下の組成(I)及び組成(II)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分が挙げられる。
・組成(I)
全乳酸(モノマー成分)におけるD−乳酸の含有割合の上限値は、例えば、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。D−乳酸の含有割合の下限値は、例えば、0質量%以上であり、0質量%超が好ましい。また、全乳酸(モノマー成分)におけるL−乳酸の含有割合の下限値は、例えば、95質量%以上が好ましく、96質量%以上がより好ましく、97質量%以上がさらに好ましい。L−乳酸の含有割合の上限値は、例えば、100質量%以下であり、100質量%未満が好ましい。
・組成(II)
全乳酸(モノマー成分)におけるL−乳酸の含有割合の上限値は、例えば、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。L−乳酸の含有割合の下限値は、例えば、0質量%以上であり、0質量%超が好ましい。また、全乳酸(モノマー成分)におけるD−乳酸の含有割合の下限値は、例えば、95質量%以上が好ましく、96質量%以上がより好ましく、97質量%以上がさらに好ましい。D−乳酸の含有割合の上限値は、例えば、100質量%以下であり、100質量%未満が好ましい。
組成(I)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分の場合において、D−乳酸の含有割合が上記した上限値以下であれば、容器等の成形体の結晶性がより優れたものとなる。組成(II)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分の場合において、L−乳酸の含有割合が上記した上限値以下であれば、容器等の成形体の結晶性がより優れたものとなる。生産性及び汎用性の観点から、あるいは耐油性や成形性を高められる観点から、ポリ乳酸系樹脂のモノマー成分としては、組成(I)が好ましい。
また、ポリ乳酸系樹脂を生成するモノマー成分は、乳酸以外の共重合性モノマーを含有することができる。共重合性モノマーとしては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、例えば、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の2価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシ−脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。ラクトンとしては、例えば、カプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトンが挙げられる。これらのモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、ポリ乳酸系樹脂は、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等の鎖延長剤を微量含有することもできる。
生産性及び汎用性の観点から、あるいは耐油性や成形性を高められる観点から、好ましいポリ乳酸系樹脂としては、例えば、REVODE190(海正生物材料社製)、HV−6250H(ユニチカ(株)製)、Ingeo8052D(NatureWorks社製)、Ingeo4032D(NatureWorks社製)等が挙げられる。Ingeo4032D(NatureWorks社製)は、L乳酸98.7質量%及びD乳酸1.3質量%を含有するモノマー成分から生成されたポリ乳酸系樹脂である。
植物由来樹脂としては、例えば、サトウキビ、トウモロコシ等の植物原料を由来とするポリマーが挙げられる。「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたポリマーが挙げられる。また、例えば、「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたモノマーが重合されたポリマーが挙げられる。「植物原料から合成され又は抽出されたモノマー」には、植物原料から合成され又は抽出された化合物を原料とし合成されたモノマーが含まれる。植物由来樹脂は、モノマーの一部が「植物原料を由来とする」ものを含む。
植物由来樹脂としては、いわゆるバイオPET、バイオPE、バイオPP等、植物由来のポリエステル系樹脂、植物由来のポリエチレン系樹脂、植物由来のポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
植物由来樹脂について、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンフラノエート樹脂(PEF)を例にして説明する。
PETの合成反応を(1)式に示す。nモルのエチレングリコール(EG)とnモルのテレフタル酸(Benzen−1,4−dicarboxylic Acid)との脱水反応によって、PETが合成される。この合成反応における化学量論上の質量比は、エチレングリコール:テレフタル酸=30:70(質量比)である。PETの主鎖の両末端は水素原子である。
Figure 2021165169
[(1)式中、nは化学量論係数(重合度)であり、250〜1100の数である。]
エチレングリコールは、エチレンを酸化し、水和することで、工業的に製造される。また、テレフタル酸は、パラキシレンを酸化することで、工業的に製造される。
ここで、図2に示すように、植物由来のエタノール(バイオエタノール)の脱水反応によりエチレンを得、このエチレンから合成されたエチレングリコール(バイオエタノール由来のエチレングリコール)と、石油化学品由来のテレフタル酸からPETを合成する場合、製造されるPETは、植物由来30質量%のPETである。
また、図3に示すように、植物由来のイソブタノール(バイオイソブタノール)の脱水反応によりパラキシレンを得、このパラキシレンから合成したテレフタル酸と、バイオエタノール由来のエチレングリコールとからPETを合成する場合、製造されるPETは、植物由来100質量%のPETである。
PEFの合成反応を(2)式に示す。nモルのエチレングリコールと、nモルのフランジカルボン酸(2,5−Furandicarboxylic Acid)との脱水反応によって、PEFが合成される。この合成反応における化学量論上の質量比は、エチレングリコール:フランジカルボン酸=33:67(質量比)である。PEFの主鎖の両末端は水素原子である。
Figure 2021165169
[(2)式中、nは化学量論係数(重合度)であり、250〜1100の数である。]
フランジカルボン酸(FDCA)は、例えば、植物由来のフルクトースやグルコース等の植物由来の糖類の脱水反応によってヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を得、HMFを酸化して得られる。
図4に示すように、FDCA及びエチレングリコールの双方が植物由来の場合、製造されるPEFは、植物由来100質量%のPEFである。
低環境負荷樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、90質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下が特に好ましく、40質量%以下が最も好ましい。低環境負荷樹脂の含有量が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。低環境負荷樹脂の含有量の下限値は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、例えば、3質量%が好ましい。
ただし、低環境負荷樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、100質量%であってもよい。
非発泡層10が生分解性樹脂を含む場合、生分解性樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、3〜90質量%が好ましく、5〜75質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、15〜50質量%が特に好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。生分解性樹脂の含有量が上記下限値以上であると、環境負荷をより低減しやすい。生分解性樹脂の含有量が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。
非発泡層10が植物由来樹脂を含む場合、植物由来樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、3〜90質量%が好ましく、5〜75質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、15〜50質量%が特に好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。植物由来樹脂の含有量が上記下限値以上であると、環境負荷をより低減しやすい。植物由来樹脂の含有量が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。
非発泡層10の樹脂は、低環境負荷樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、非発泡層任意樹脂ともいう。)を含んでもよい。非発泡層任意樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、石油化学品由来のポリオレフィン系樹脂(石油由来ポリオレフィン)、石油化学品由来のポリエステル系樹脂(石油由来ポリエステル)等が挙げられる。
非発泡層10の樹脂は、低環境負荷樹脂と非発泡層任意樹脂との混合物が好ましい。非発泡層10の樹脂が混合物であれば、環境負荷を低減しつつ、成形性を高められる。樹脂シート1の成形性や耐衝撃性をより高める観点から、非発泡層任意樹脂としては、ポリスチレン系樹脂が好ましい。
低環境負荷樹脂と非発泡層任意樹脂との混合物としては、生分解性樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物がさらに好ましい。ポリスチレン系樹脂には、ハイインパクトポリスチレン樹脂が含まれることが好ましい。
非発泡層任意樹脂は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
非発泡層10が非発泡層任意樹脂を含有する場合、非発泡層任意樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、例えば、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましく、60質量%以上が最も好ましい。非発泡層任意樹脂の含有量が上記下限値以上であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。非発泡層任意樹脂の含有量の上限値は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、例えば、97質量%が好ましい。
非発泡層任意樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、0質量%であってもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体;スチレン系モノマーを主成分(50質量%以上)とし、スチレン系モノマーとこれに重合可能なビニルモノマーとの共重合体:スチレン系モノマーとブタジエン等のゴム分との共重合体や、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーとビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体である、いわゆるハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS);等が挙げられる。
スチレン系モノマーと重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の二官能性モノマー等が挙げられる。これらのビニルモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」と「メタクリレート」の一方又は双方を表し、「(メタ)アクリロニトリル」は、「アクリロニトリル」と「メタクリロニトリル」の一方又は双方を表す。
ジエン系のゴム状重合体としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
これらのポリスチレン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリスチレン系樹脂は、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)、市販されているポリスチレン系樹脂、懸濁重合法等の方法で新たに調製されたポリスチレン系樹脂等、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂でもよいし、リサイクル原料のポリスチレン系樹脂でもよい。
リサイクル原料は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体である。リサイクル原料は、食品包装用トレー、魚箱、家電緩衝材等を回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したもの等である。また、使用できるリサイクル原料は、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレット化したものでもよい。
ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量は、例えば、80万以下が好ましく、10万〜65万がより好ましく、15万〜60万がさらに好ましく、15万〜55万が特に好ましい。ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が上記数値範囲内であると、流動性が高まり、低環境負荷樹脂をより均一に分散できる。低環境負荷樹脂をより均一に分散するためには、ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量は、低環境負荷樹脂のZ平均分子量よりも大きいことがより好ましい。
Z平均分子量の測定方法は後述する。
非発泡層10がポリスチレン系樹脂を含む場合、ポリスチレン系樹脂の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、10〜97質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましく、50〜85質量%が特に好ましく、60〜80質量%が最も好ましい。ポリスチレン系樹脂の含有量が上記下限値以上であると、樹脂シート1の成形性をより高められる。ポリスチレン系樹脂の含有量が上記上限値以下であると、より多くの低環境負荷樹脂を配合でき、環境負荷をより低減しやすい。
石油由来ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体や、オレフィン系モノマーを主成分とし、オレフィン系モノマーとこれに重合可能なビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの石油由来ポリオレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非発泡層10が石油由来ポリオレフィンを含む場合、石油由来ポリオレフィンの含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、10〜97質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましく、50〜85質量%が特に好ましく、60〜80質量%が最も好ましい。石油由来ポリオレフィンの含有量が上記下限値以上であると、樹脂シート1の成形性をより高められる。石油由来ポリオレフィンの含有量が上記上限値以下であると、より多くの低環境負荷樹脂を配合でき、環境負荷をより低減しやすい。
石油由来ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合体、及びこれらの混合物並びにこれらとこれら以外の樹脂との混合物等が挙げられる。これらの石油由来ポリエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非発泡層10が石油由来ポリエステルを含む場合、石油由来ポリエステルの含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量に対して、10〜97質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましく、50〜85質量%が特に好ましく、60〜80質量%が最も好ましい。石油由来ポリエステルの含有量が上記下限値以上であると、樹脂シート1の成形性をより高められる。石油由来ポリエステルの含有量が上記上限値以下であると、より多くの低環境負荷樹脂を配合でき、環境負荷をより低減しやすい。
非発泡層10の樹脂が非発泡層任意樹脂を含む場合、樹脂シート1の成形性や樹脂容器の耐衝撃性をより高められる観点から、非発泡層任意樹脂としては、汎用ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂が好ましく、ハイインパクトポリスチレン樹脂がより好ましい。
非発泡層10の低環境負荷樹脂としては、生分解性樹脂が好ましく、樹脂容器の耐油性を高められる観点から、ポリ乳酸系樹脂がより好ましい。
非発泡層10の樹脂は、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であることが好ましい。
非発泡層10の樹脂が、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物の場合、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との質量比は、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=3:97〜90:10が好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=5:95〜75:25がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=10:90〜60:40がさらに好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=15:85〜50:50が特に好ましく、20:80〜40:60が最も好ましい。
非発泡層10の樹脂がポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む場合、非発泡層10の樹脂は、さらにポリオレフィンや澱粉を含んでもよい。この場合、ポリオレフィンは、植物由来樹脂でもよいし、石油由来ポリオレフィンでもよい。
非発泡層10の樹脂のZ平均分子量は、80万以下が好ましく、10万〜65万がより好ましく、15万〜60万がさらに好ましく、15万〜55万が特に好ましい。非発泡層10の樹脂のZ平均分子量が上記数値範囲内であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。
Z平均分子量は、以下の測定方法で求められる。
≪Z平均分子量(M)の測定方法≫
試料を、スライサー又は剃刀で樹脂シート1から採取する。この試料について、下記測定条件のもと、前処理によって低環境負荷樹脂を試料から分離し、低環境負荷樹脂のZ平均分子量(M)を測定する。試料は、縦5mm、横5mmの正方形の形状に切り出して使用する。
<測定条件>
(前処理)
(i)試料100mgを50mL遠沈管に量り取り、20mLのメチルエチルケトン(MEK)を加えて、24時間攪拌する。
(ii)攪拌後の分散液を3500rpmにて30分間、遠心分離機で分離し、上澄み液を50mLビーカーに取り分ける。
(iii)上記の遠沈管にMEK5mLを加え、超音波洗浄器にて5分間洗浄し、よく混合する。
(iv)この混合液を3500rpmにて30分間、遠心分離機で分離し、上澄み液を除去する。
(v)上記(iii)〜上記(iv)を2回繰り返し、その後、200メッシュの金網で濾過し、不溶物を得る。
(vi)得られた不溶物を室温(25℃)で蒸発乾固させる。
(vii)蒸発乾固させた不溶物を20mg量り取り、クロロホルム2.5mLを加えて、浸漬時間6.0±1.0hrで、分散させる。その後、この分散液を非水系0.45μmシリンジフィルター((株)島津ジーエルシー製)で濾過する。
上記前処理で得られた濾液を用いて、下記測定条件のもと、下記測定装置で低環境負荷樹脂のZ平均分子量を測定する。
(測定装置)
GPC装置:東ソー(株)製、HLC−8320GPC(RI検出器・UV検出器内蔵)。
ガードカラム:TOSOH TSK ガードカラム HXL−H(6.0mmI.D.×4cm)×1本。
カラム(リファレンス):抵抗管(内径0.1mm×2m)×2本。
カラム(サンプル):TOSOH TSKgel GMHXL(7.8mmI.D.×30cm)×2本。
(測定条件)
カラム温度:40℃。
検出器温度:40℃。
ポンプ注入部温度:40℃。
溶媒:クロロホルム。
流量(リファレンス):0.5mL/min。
流量(サンプル):1.0mL/min。
実行時間:28min。
データ集積時間:10〜28min。
データ間隔:500msec。
注入容積:50μL。
検出器:RI。
(検量線用標準ポリスチレン試料)
検量線用標準ポリスチレン試料は、昭和電工(株)製の製品名「STANDARD SM−105」及び「STANDARD SH−75」から、質量平均分子量Mが5,620,000、3,120,000、1,250,000、442,000、131,000、54,000、20,000、7,590、3,450、1,320のものを用いる。
上記検量線用標準ポリスチレンをA(5,620,000、1,250,000、131,000、20,000、3,450)及びB(3,120,000、442,000、54,000、7,590、1,320)にグループ分けする。Aを秤量(2mg、3mg、4mg、4mg、4mg)した後、クロロホルム30mLに溶解する。Bを秤量(3mg、4mg、4mg、4mg、4mg)した後、クロロホルム30mLに溶解する。
標準ポリスチレン検量線は、作成した各A及びB溶解液を50μL注入して、測定後に得られる保持時間から較正曲線(三次式)を作成することにより得る。その検量線を用いてZ平均分子量を算出する。
非発泡層10は界面活性剤を含有する。非発泡層10が界面活性剤を含有すると、メヤニの発生を抑制でき、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。
ここで、メヤニとは、樹脂劣化成分のことをいう。メヤニは、樹脂組成物と押出金型(例えば、Tダイやサーキュラーダイ等)のスリットとの間の摩擦によって発生する。メヤニは、樹脂シート1を製造する際の非発泡層10の原料となる樹脂を押出金型により押し出す際に、時間とともに押出金型の先端に堆積する。押出金型の先端にメヤニが堆積すると、樹脂シート1に接触して、樹脂の押し出し方向(流れ方向)に帯状のスジが付着して、樹脂シート1の外観を損ねる。非発泡層10が界面活性剤を含有すると、樹脂組成物と押出金型のスリットとの間の摩擦を低減できるため、メヤニの発生を抑制できる。このため、樹脂シート1の連続生産性を高められる。
図5及び図6に、メヤニ発生前後のTダイの先端周辺の一例を示す写真を示す。
図5に示すように、Tダイ30は、樹脂シート1に接触して位置している。Tダイ30の先端32には、メヤニの発生は認められない。
一方、図6においては、Tダイ30の先端32に複数のメヤニ40の発生が認められる。このようにメヤニ40が発生した状態で樹脂シート1の製造を続けると、樹脂シート1の表面に、メヤニ40に起因するスジが付着して、樹脂シート1の外観を損ねる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸(炭素数8〜23)塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル(炭素数8〜18)硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキル(炭素数10〜15)ベンゼンスルホン酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、リチウム、亜鉛、アルミニウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸トリグリセリド、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールジステアレート等の多価アルコール脂肪酸(炭素数8〜18)エステル、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸(炭素数8〜23)アミド、高級脂肪酸(炭素数8〜23)ビスアミド、硬化ヒマシ油のアルキレン(炭素数1〜4)オキシド付加体、硬化油等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数8〜18)アンモニウム酢酸塩類、アルキル(炭素数8〜18)ジメチルベンジルアンモニウム塩類、アルキル(炭素数8〜18)トリメチルアンモニウム塩類、ジアルキル(炭素数8〜18)ジメチルアンモニウム塩類、アルキル(炭素数8〜18)ピリジニウム塩類、オキシアルキレン(炭素数1〜4)アルキル(炭素数8〜18)アミン類、ポリオキシアルキレン(炭素数1〜4)アルキル(炭素数8〜18)アミン類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数8〜23)ベタイン類、脂肪酸(炭素数8〜18)アミドプロピルベタイン類、アルキル(炭素数8〜23)イミダゾール類、アミノ酸類、アミンオキシド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、低環境負荷樹脂の分解を抑制でき、低環境負荷樹脂との相溶性が良好なことから、ノニオン界面活性剤が好ましく、多価アルコール脂肪酸エステルがより好ましい。低環境負荷樹脂の分解を抑制できないと、低環境負荷樹脂のZ平均分子量が低下し、樹脂シートの成形性や樹脂容器の耐衝撃性が低下する。
界面活性剤の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して0.01〜2.0質量部が好ましく、0.05〜1.5質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部がさらに好ましい。
界面活性剤の含有量は、低環境負荷樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜7質量部がより好ましく、0.3〜5質量部がさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、メヤニの発生をより良好に抑制できる。このため、樹脂シート1の連続生産性をより高められる。界面活性剤の含有量が上記上限値以下であると、後述する熱可塑性樹脂容器の耐衝撃性の低下をより良好に抑制できる。
界面活性剤の含有量は、以下の測定方法により測定できる。
≪界面活性剤の含有量の測定方法≫
試料を、スライサー又は剃刀を用いて樹脂シート1から採取する。試料は、縦5mm、横5mmの正方形の形状とし、複数個用意する。用意した試料について、以下の方法で界面活性剤の含有量を測定する。
<前処理>
(i)試料1gを前処理用の容器に入れ、下記条件のもと、下記装置で凍結粉砕を行い、試料を粉末状にする。
・凍結粉砕装置:日本分析工業(株)製 凍結粉砕装置 JFC−300。
・粉砕条件:液体窒素浸せき予備冷却時間=10min、振とう粉砕時間=30min。
(ii)得られた粉末状の試料を0.05g量り取り、THF(テトラヒドロフラン)5mLを加えて、下記超音波発生装置にて周波数38kHzの超音波を15分間あてて、界面活性剤を抽出する。その後、この抽出液を非水系0.20μmクロマトディスク(ジーエルサイエンス(株))で濾過して濾液を得る。
(超音発生波装置と抽出条件)
超音波発生装置:KAIJO CORPORATION製 卓上型超音波洗浄機 SonoCleaner 200D。
音波の周波数:38kHz。
抽出時間:15分間。
抽出温度:室温(22℃)。
<界面活性剤の含有量の測定>
上記前処理で得られた濾液を用いて、下記測定条件のもと、下記測定装置で樹脂シート1中の界面活性剤の含有量を測定する。
(測定装置)
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)装置:(株)島津製作所製、超高速液体クロマトグラフ Prominence 20A。
ガードカラム:(株)島津ジーエルシー Shim−pack GPC 800P (4.6mmI.D.×10mm)×1本。
カラム:
(株)島津ジーエルシー Shim−pack GPC 801 (8mmI.D.×300mm)×2本。
(株)島津ジーエルシー Shim−pack GPC 803 (8mmI.D.×300mm)×1本。
(株)島津ジーエルシー Shim−pack GPC 804 (8mmI.D.×300mm)×1本。
(測定条件)
カラム温度:40℃。
検出器温度:40℃。
ポンプ注入部温度:室温(25℃)。
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)。
流量:1.0mL/min。
実行時間:45min。
データ間隔:500msec。
注入容積:100μL。
検出器:RI:RID−10A。
<検量線の作成>
界面活性剤の含有量の測定には、各界面活性剤に対応する検量線が必要である。ここでは一例として、ステアリン酸トリグリセリドに関する標準液の作成について説明する。
ステアリン酸トリグリセリドの標準品は、「リケマール(登録商標)VT−50(理研ビタミン(株)製)」を用い、ステアリン酸トリグリセリド100mgをTHF20mLに溶解させ、5,000ppmの標準液を得る。
得られた標準液をさらにTHFで希釈することで、500ppm、200ppm、100ppm、50ppmの標準液を作成する。
検量線は、作成したそれぞれの濃度の標準液100μLを上記GPC装置に注入して、測定後に得られるピーク面積から、近似線を作成することにより得られる。
非発泡層10は、低環境負荷樹脂、界面活性剤、非発泡層任意樹脂以外の他の成分(以下、非発泡層任意成分ともいう。)を含有してもよい。非発泡層任意成分としては、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、消臭剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
非発泡層任意成分の種類は、樹脂シート1に求められる物性等を勘案して決定される。非発泡層任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
安定剤としては、例えば、カルシウム亜鉛系熱安定剤、スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セシウム系紫外線吸収剤、酸化チタン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化セリウム/ジルコニア固溶体、水酸化セリウム、カーボン、カーボンナノチューブ、酸化チタン、及びフラーレン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤等が挙げられる。
消臭剤としては、例えば、シリカ、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、ハイドロタルサイト焼成物等が挙げられる。
非発泡層10が非発泡層任意成分を含有する場合、非発泡層任意成分の含有量は、非発泡層10に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して、例えば、0.05〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.3〜5.0質量部がさらに好ましい。非発泡層任意成分の含有量が上記下限値以上であると、非発泡層任意成分に由来する効果を発揮できる。非発泡層任意成分の含有量が上記上限値以下であると、ダイ等への目詰まりをより良好に防止し、樹脂シート1の外観をより良好にできる。
[樹脂シートの製造方法]
樹脂シートは、従来公知の製造方法により製造される。
樹脂シート1の製造方法としては、例えば、公知の非発泡シートの製造方法を採用できる。
非発泡シートの製造方法としては、非発泡シートの原料となる樹脂ペレットを予め溶融混合し、再度ペレット(混合ペレット)とし、この混合ペレットをTダイ法又はサーキュラーダイ法に供して非発泡シートを製造してもよい。あるいは、混合ペレットを製造せずに、非発泡シートを製造してもよい。低環境負荷樹脂の分散性をより高めて、樹脂シート1の連続生産性をより高められる観点から、混合ペレットを用いて非発泡シートを製造することが好ましい。
[熱可塑性樹脂容器]
本実施形態の樹脂容器は、低環境負荷樹脂を含む非発泡層を有する。
樹脂容器としては、底壁部と、底壁部の周縁から立ち上がる側壁部とを有するものが好ましい。かかる容器としては、例えば、平面視形状が真円形、楕円形、半円形、多角形、扇形等のトレー、丼形状の容器、有底円筒状又は有底角筒状等の容器、納豆用容器等の蓋付容器等の種々の容器;容器本体に装着される蓋体等が挙げられる。
これらの樹脂容器の用途としては、例えば、食品用が好ましい。
本発明の樹脂容器の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図7に示すように、樹脂容器100は、平面視形状が真円形の丼形状の容器である。樹脂容器100は、円形の底壁110と、底壁110の周縁から立ち上がる側壁120とを有する。樹脂容器100には、側壁120の上端で囲まれた開口部130が形成されている。側壁120は上端に向かうに従い、外側に広がっている。側壁120の上端で囲まれた開口部130は、平面視真円形である。底壁110は、開口部130の方向に凸となる平面視真円形の凸部112と、凸部112を囲む円環状の凹部114とから形成されている。
樹脂容器の底壁部及び側壁部の厚さ(以下、「壁厚」ということがある。)は、用途等を勘案して決定され、例えば、20〜1000μmが好ましく、40〜800μmがより好ましく、60〜600μmがさらに好ましい。樹脂容器の壁厚が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。樹脂容器の壁厚が上記上限値以下であると、樹脂容器をより軽量にできる。
樹脂容器100は、食品用の容器として、好適に用いられる。
なお、本実施形態の樹脂容器100は、平面視で真円形であるが、本発明はこれに限定されない。樹脂容器の平面視形状は、楕円形でもよいし多角形でもよい。
[樹脂容器の製造方法]
樹脂容器の製造方法としては、例えば、樹脂シートを加熱して、これを雌型と雄型とで挟み込んで成形する方法(熱成形方法)が挙げられる。
樹脂シートを加熱する装置としては、例えば、炉内の上下にヒーターを備える加熱炉等が挙げられる。
熱成形方法では、樹脂シートを雌型と雄型とで挟み込んで、任意の形状の容器を得る。
熱成形方法における成形型の温度は特に限定されないが、例えば、50〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましい。成形型の温度が上記下限値以上であると、所望の形状の樹脂容器が得られやすい。成形型の温度が上記上限値以下であると、樹脂シートが溶融するのを防止できる。
上述の通り、本実施形態の樹脂シートによれば、低環境負荷樹脂を含有するため、環境負荷を低減できる。
加えて、本実施形態の樹脂シートによれば、界面活性剤を含有するため、製造時のメヤニの発生を抑制できる。このため、樹脂シートの成形性及び連続生産性を高められる。
≪第二実施形態≫
[樹脂シート]
本発明に係る樹脂シートの第二実施形態について、図面を参照して説明する。
図8の樹脂シート2は、低環境負荷樹脂を含む発泡層20のみからなる単層の発泡シートである。
樹脂シート2の厚さは、発泡層20の厚さT20に等しい。発泡層20の厚さT20は、樹脂シート2の用途等を勘案して決定され、食品容器用であれば、例えば、0.3〜5.0mmが好ましく、0.4〜3.0mmがより好ましく、0.5〜2.5mmがさらに好ましい。発泡層20の厚さT20が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。発泡層20の厚さT20が上記上限値以下であると、樹脂シート2の成形性をより高められる。
発泡層20の厚さT20は、第一実施形態の非発泡層10の厚さT10と同様の方法で求められる。
本第二実施形態の樹脂シート2は単層構造であるが、本発明はこれに限定されず、二層以上の多層構造でもよい。
樹脂シートを多層構造とする場合、全ての層が同じ樹脂組成でもよいし、互いに異なる樹脂組成でもよい。
<発泡層>
発泡層20は、低環境負荷樹脂と発泡剤とを含有する発泡層樹脂組成物を発泡させて形成されたものである。本第二実施形態において、発泡層20は、含低環境負荷樹脂層である。
発泡層20に含まれる低環境負荷樹脂は、生分解性樹脂及び植物由来樹脂の双方又はいずれか一方であることが好ましい。
低環境負荷樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
低環境負荷樹脂のZ平均分子量は、80万以下が好ましく、10万〜50万がより好ましく、15万〜45万がさらに好ましく、15万〜40万が特に好ましい。低環境負荷樹脂のZ平均分子量が上記数値範囲内であると、樹脂シート2の成形性をより高められる。
Z平均分子量は、第一実施形態と同様の測定方法により測定できる。
低環境負荷樹脂としては、第一実施形態で説明した低環境負荷樹脂と同様の樹脂が挙げられる。
低環境負荷樹脂は、生分解性樹脂を含有することが好ましい。生分解性樹脂としては、第一実施形態で説明した生分解性樹脂と同様の樹脂が挙げられる。生分解性樹脂としては、耐油性を高められる観点から、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
低環境負荷樹脂の含有量の上限値は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、90質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下が特に好ましく、40質量%以下が最も好ましい。低環境負荷樹脂の含有量が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート2の連続生産性をより高められる。低環境負荷樹脂の含有量の下限値は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、例えば、3質量%が好ましい。
ただし、低環境負荷樹脂の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、100質量%であってもよい。
発泡層20が生分解性樹脂を含む場合、生分解性樹脂の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、3〜90質量%が好ましく、5〜75質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、15〜50質量%が特に好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。生分解性樹脂の含有量が上記下限値以上であると、環境負荷をより低減しやすい。生分解性樹脂の含有量が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート2の連続生産性をより高められる。
発泡層20が植物由来樹脂を含む場合、植物由来樹脂の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、3〜90質量%が好ましく、5〜75質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、15〜50質量%が特に好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。植物由来樹脂の含有量が上記下限値以上であると、環境負荷をより低減しやすい。植物由来樹脂の含有量が上記上限値以下であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート2の連続生産性をより高められる。
発泡層20の樹脂は、低環境負荷樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、発泡層任意樹脂ともいう。)を含んでもよい。発泡層任意樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、石油化学品由来のポリオレフィン系樹脂(石油由来ポリオレフィン)、石油化学品由来のポリエステル系樹脂(石油由来ポリエステル)等、非発泡層任意樹脂と同様の熱可塑性樹脂が挙げられる。
発泡層任意樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡層20が発泡層任意樹脂を含有する場合、発泡層任意樹脂の含有量の下限値は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、例えば、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましく、60質量%以上が最も好ましい。発泡層任意樹脂の含有量が上記下限値以上であると、メヤニの発生を抑制しやすく、樹脂シート2の連続生産性をより高められる。発泡層任意樹脂の含有量の上限値は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、例えば、97質量%が好ましい。
発泡層任意樹脂の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、0質量%であってもよい。
発泡層20の樹脂は、低環境負荷樹脂と発泡層任意樹脂との混合物が好ましい。発泡層20の樹脂が混合物であれば、環境負荷を低減しつつ、成形性を高められる。樹脂シート2の成形性をより高める観点から、発泡層任意樹脂としては、ポリスチレン系樹脂が好ましい。
低環境負荷樹脂と発泡層任意樹脂との混合物としては、生分解性樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物がさらに好ましい。ポリスチレン系樹脂には、ハイインパクトポリスチレン樹脂が含まれていてもよい。
発泡層任意樹脂であるポリスチレン系樹脂のZ平均分子量は、例えば、80万以下が好ましく、10万〜65万がより好ましく、15万〜60万がさらに好ましく、15万〜55万が特に好ましい。ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が上記数値範囲内であると、流動性が高まり、低環境負荷樹脂をより均一に分散できる。低環境負荷樹脂をより均一に分散するためには、ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量は、低環境負荷樹脂のZ平均分子量よりも大きいことがより好ましい。
Z平均分子量は、第一実施形態と同様の測定方法により測定できる。
発泡層20がポリスチレン系樹脂を含む場合、ポリスチレン系樹脂の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、10〜97質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましく、50〜85質量%が特に好ましく、60〜80質量%が最も好ましい。ポリスチレン系樹脂の含有量が上記下限値以上であれば、樹脂シート2の成形性をより高められる。ポリスチレン系樹脂の含有量が上記上限値以下であれば、より多くの低環境負荷樹脂を配合でき、環境負荷をより低減できる。
発泡層任意樹脂としては、樹脂シート2の成形性や樹脂容器の耐衝撃性をより高められることから、汎用ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂が好ましい。
低環境負荷樹脂としては、生分解性樹脂が好ましく、樹脂容器の耐油性を高められる観点から、ポリ乳酸系樹脂がより好ましい。
発泡層20の樹脂は、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であることが好ましい。
発泡層20の樹脂が、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物の場合、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との質量比は、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=3:97〜90:10が好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=5:95〜75:25がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=10:90〜60:40がさらに好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=15:85〜50:50が特に好ましく、20:80〜40:60が最も好ましい。
発泡層20の樹脂がポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む場合、発泡層20の樹脂は、さらにポリオレフィンや澱粉を含んでもよい。この場合、ポリオレフィンは、植物由来樹脂でもよいし、石油由来ポリオレフィンでもよい。
発泡層20が石油由来ポリオレフィンを含む場合、石油由来ポリオレフィンの含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、10〜97質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましく、50〜85質量%が特に好ましく、60〜80質量%が最も好ましい。
発泡層20が石油由来ポリエステルを含む場合、石油由来ポリエステルの含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量に対して、10〜97質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましく、50〜85質量%が特に好ましく、60〜80質量%が最も好ましい。
発泡層20は、耐衝撃性を高めるために、(メタ)アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等を発泡層任意樹脂として含んでもよい。
発泡層20は、耐熱性を高めるために、ポリフェニレンエーテル系樹脂等を発泡層任意樹脂として含んでもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられる。
発泡層20の樹脂は、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であることが好ましい。
発泡層20の樹脂が、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物の場合、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との質量比は、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=3:97〜50:50が好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=5:95〜40:60がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=10:90〜35:65がさらに好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=25:75〜30:70が特に好ましい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素;テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素;二酸化炭素、窒素、空気等の無機気体等が挙げられる。中でも、発泡剤としては、ブタンが好適である。ブタンとしては、ノルマルブタン又はイソブタンがそれぞれ単独で使用されてもよいし、ノルマルブタンとイソブタンとが任意の割合で併用されてもよい。
これらの発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡剤の配合量は、発泡剤の種類や、樹脂シート2に求める見掛け密度等を勘案して決定される。発泡剤の配合量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して、例えば、1.0〜7.0質量部が好ましい。
発泡層20は界面活性剤を含有する。発泡層20が界面活性剤を含有すると、メヤニの発生を抑制でき、樹脂シート2の連続生産性をより高められる。加えて、発泡層20が界面活性剤を含有すると、所望する物性を有する発泡層を形成しやすい。
ここで、メヤニとは、樹脂劣化成分のことをいう。メヤニは、樹脂組成物と押出金型(例えば、Tダイやサーキュラーダイ等)のスリットとの間の摩擦によって発生する。メヤニは、樹脂シート2を製造する際の発泡層20の原料となる樹脂を押出金型により押し出す際に、時間とともに押出金型の先端に堆積する。押出金型の先端にメヤニが堆積すると、樹脂シート2に接触して、樹脂の押し出し方向(流れ方向)に帯状のスジが付着して、樹脂シート2の外観を損ねる。発泡層20が界面活性剤を含有すると、樹脂組成物と押出金型のスリットとの間の摩擦を低減できるため、メヤニの発生を抑制できる。このため、樹脂シート2の連続生産性を高められる。
界面活性剤としては、第一実施形態で説明した界面活性剤と同様の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して0.01〜2.0質量部が好ましく、0.05〜1.5質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部がさらに好ましい。
界面活性剤の含有量は、低環境負荷樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜7質量部がより好ましく、0.3〜5質量部がさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、メヤニの発生をより良好に抑制できる。このため、樹脂シート2の連続生産性をより高められる。界面活性剤の含有量が上記上限値以下であると、樹脂容器の耐衝撃性の低下をより良好に抑制できる。
界面活性剤の含有量は、第一実施形態と同様の測定方法により測定できる。
発泡層20は、低環境負荷樹脂、発泡剤、界面活性剤、発泡層任意樹脂以外の他の成分(以下、発泡層任意成分ともいう。)を含有してもよい。発泡層任意成分としては、例えば、気泡調整剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、消臭剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
発泡層任意成分の種類は、樹脂シート2に求められる物性等を勘案して決定される。発泡層任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
気泡調整剤としては、例えば、タルク、シリカ等の無機粉末等の混合物等が挙げられる。これらの気泡調整剤は、発泡層の独立気泡率を高め、発泡層を形成しやすい。
発泡層20が気泡調整剤を含有する場合、気泡調整剤の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して、例えば、0.01〜5.0質量部が好ましく、0.02〜3.0質量部がより好ましく、0.03〜2.0質量部がさらに好ましい。気泡調整剤の含有量が上記下限値以上であると、樹脂シート2の連続気泡率をより低減できる。気泡調整剤の含有量が上記上限値以下であると、ダイ等への目詰まりをより良好に防止し、樹脂シート2の外観をより良好にできる。
発泡層任意成分の含有量は、発泡層20に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して、例えば、0.05〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.3〜5.0質量部がさらに好ましい。発泡層任意成分の含有量が上記下限値以上であると、発泡層任意成分に由来する効果を発揮できる。発泡層任意成分の含有量が上記上限値以下であると、ダイ等への目詰まりをより良好に防止し、樹脂シート2の外観をより良好にできる。
発泡層20の連続気泡率は、20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、16%以下がさらに好ましい。発泡層20の連続気泡率が上記上限値以下であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。発泡層20の連続気泡率は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック‐連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により求められる。
発泡層20の坪量は、例えば、50〜600g/mが好ましく、90〜500g/mがより好ましく、150〜400g/mがさらに好ましい。発泡層20の坪量が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。発泡層20の坪量が上記上限値以下であると、樹脂容器をより軽量にできる。加えて、発泡層20の坪量が上記上限値以下であると、加熱成形の際の加熱時間が長くなり過ぎず、樹脂容器の生産性をより高められる。
発泡層20の坪量は、以下の方法で測定することができる。
発泡層20の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、発泡層20の坪量(g/m)とする。
発泡層20の見掛け密度は、例えば、0.050〜0.666g/cmが好ましく、0.066〜0.500g/cmがより好ましく、0.100〜0.333g/cmがさらに好ましい。発泡層20の見掛け密度が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。発泡層20の見掛け密度が上記上限値以下であると、樹脂容器をより軽量にできる。
発泡層20の見掛け密度は、JIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」に準拠して測定することによって求められる。
より具体的には、元のセル構造を変えないように切断した発泡層20の試験片について、その質量と見掛け体積とを測定し、下記式(1)により算出する。
発泡層20の見掛け密度(g/cm)=試験片の質量(g)/試験片の見掛け体積(cm)・・・(1)
発泡層20の発泡倍率は、例えば、1.5〜20倍が好ましく、2〜15倍がより好ましく、3〜10倍がさらに好ましい。発泡層20の発泡倍率が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。発泡層20の発泡倍率が上記上限値以下であると、樹脂シート2の成形性をより高められる。
発泡層20の発泡倍率は、1を「発泡層20の見掛け密度(g/cm)」で除した値である。
発泡層20の平均気泡径は、例えば、80〜450μmが好ましく、150〜400μmがより好ましく、200〜350μmがさらに好ましい。発泡層20の平均気泡径が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。発泡層20の平均気泡径が上記上限値以下であると、樹脂容器の表面平滑性をより高められる。
発泡層20の平均気泡径は、ASTM D2842−69に記載の方法に準拠して測定できる。
[樹脂シートの製造方法]
樹脂シートは、従来公知の製造方法により製造される。
樹脂シート2の製造方法としては、例えば、公知の発泡シートの製造方法を採用できる。
まず、樹脂及びその他成分を含有する原料組成物と、発泡剤とを押出機に供給して溶融し、混練して混合物とする。樹脂を溶融する温度(溶融温度:設定温度)は、例えば、180〜220℃が好ましい。溶融温度が上記下限値以上であると、樹脂と他の原料とを均一に混合できる。溶融温度が上記上限値以下であると、樹脂の分解を抑制できる。
次に、上記の混練した混合物を押出機の先端に取り付けたサーキュラーダイの吐出口から円筒状に押出発泡し、これを2枚に切り裂いて、樹脂シート2を得る。
または、上記の混練した混合物を押出機の先端に取り付けたTダイの吐出口からシート状に押出発泡し、樹脂シート2を得ることもできる。
[樹脂容器]
本実施形態の樹脂容器は、本実施形態の樹脂シートが熱成形されてなる。本実施形態の樹脂容器は、低環境負荷樹脂を含む発泡層を有する。
樹脂容器としては、第一実施形態と同様の形状、用途の樹脂容器が挙げられる。中でも、本実施形態の樹脂容器は、断熱性に優れるため、即席麺等を収納し、熱湯を注いで喫食する等の食品用の容器として、好適に用いられる。
樹脂容器の底壁部及び側壁部の厚さ(以下、「壁厚」ということがある。)は、用途等を勘案して決定され、例えば、0.3〜5.0mmが好ましく、0.4〜3.0mmがより好ましく、0.5〜2.5mmがさらに好ましい。樹脂容器の壁厚が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。樹脂容器の壁厚が上記上限値以下であると、樹脂容器をより軽量にできる。
樹脂容器における発泡層の見掛け密度は、用途等を勘案して決定され、樹脂シート2における発泡層20の見掛け密度よりも小さくなる傾向があるが、ほぼ同様である。
また、樹脂容器における発泡層の平均気泡径は、樹脂シート2における発泡層20の平均気泡径よりも大きくなる傾向があるが、ほぼ同様である。
[樹脂容器の製造方法]
樹脂容器の製造方法としては、例えば、樹脂シートを加熱して二次発泡シートとし(二次発泡工程)、これを雌型と雄型とで挟み込んで成形する(成形工程)方法(熱成形方法)が挙げられる。
二次発泡工程は、樹脂シートを加熱して、樹脂シートの発泡層をさらに発泡させて二次発泡層を形成する工程である。
二次発泡工程で樹脂シートを加熱する装置としては、例えば、炉内の上下にヒーターを備える加熱炉等が挙げられる。
二次発泡工程における加熱温度は、例えば、200〜600℃が好ましく、300〜550℃がより好ましい。加熱温度が上記数値範囲内であると、二次発泡層を所望する発泡倍率に調整しやすい。
二次発泡層の発泡倍率は、例えば、6〜20倍が好ましい。
成形工程は、二次発泡シートを雌型と雄型とで挟み込んで、任意の形状の容器を得る工程である。
成形工程における成形型の温度は特に限定されないが、例えば、50〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましい。成形型の温度が上記下限値以上であると、発泡層の表面近傍の気泡に、微細なものが多くなり、印刷特性をより高められる。成形型の温度が上記上限値以下であると、二次発泡シートが溶融するのを防止できる。
上述の通り、本実施形態の樹脂シートによれば、発泡層に低環境負荷樹脂を含有するため、環境負荷を低減できる。
加えて、本実施形態の樹脂シートによれば、含低環境負荷樹脂層に界面活性剤を含有するため、製造時のメヤニの発生を抑制できる。このため、樹脂シートの成形性及び連続生産性を高められる。
≪第三実施形態≫
[樹脂シート]
本発明に係る樹脂シートの第三実施形態について、図面を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態の樹脂シート3は、発泡層22と、発泡層22の片面に位置する非発泡層12とを有する。すなわち、樹脂シート3は、発泡層22の片面のみに非発泡層12を有する積層発泡シートである。
樹脂シート3の厚さTは、例えば、0.3〜5.4mmが好ましく、0.4〜3.3mmがより好ましく、0.6〜2.7mmがさらに好ましい。樹脂シート3の厚さTが上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。樹脂シート3の厚さTが上記上限値以下であると、樹脂シート3の成形性をより高められる。
樹脂シート3の非発泡層12の厚さT12は、例えば、20〜400μmが好ましく、40〜300μmがより好ましく、60〜200μmがさらに好ましい。
樹脂シート3の発泡層22の厚さT22は、例えば、0.3〜5.0mmが好ましく、0.4〜3.0mmがより好ましく、0.5〜2.5mmがさらに好ましい。
樹脂シート3の厚さT、樹脂シート3の非発泡層12の厚さT12、樹脂シート3の発泡層22の厚さT22は、第一実施形態の非発泡層10の厚さT10と同様の方法で求められる。
本第三実施形態の樹脂シート3は、単層構造の発泡層22の片面に、単層構造の非発泡層12が設けられた二層構造の積層発泡シートであるが、本発明はこれに限定されず、三層以上の多層構造でもよい。
本発明の積層発泡シートは、単層構造の発泡層22の両面に、単層構造の非発泡層12が設けられた三層構造でもよい。
本発明の積層発泡シートは、単層構造の非発泡層12の両面に、単層構造の発泡層22が設けられた三層構造でもよい。
非発泡層12を多層構造とする場合、全ての層が同じ樹脂組成でもよいし、互いに異なる樹脂組成でもよい。
発泡層22を多層構造とする場合、全ての層が同じ樹脂組成でもよいし、互いに異なる樹脂組成でもよい。
樹脂シート3の発泡層22の連続気泡率は、20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、16%以下がさらに好ましい。樹脂シート3の連続気泡率が上記上限値以下であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。樹脂シート3の連続気泡率は、第二実施形態の発泡層20の連続気泡率と同様の方法により求められる。
非発泡層12は、低環境負荷樹脂を含んでいてもよく、低環境負荷樹脂を含んでいなくてもよい。非発泡層12が低環境負荷樹脂を含む場合、非発泡層12は、含低環境負荷樹脂層である。
非発泡層12が低環境負荷樹脂を含む場合、非発泡層12の樹脂組成は、第一実施形態の非発泡層10の樹脂組成と同様である。
非発泡層12が低環境負荷樹脂を含む場合、非発泡層12は界面活性剤を含む。非発泡層12の界面活性剤の種類は、第一実施形態における非発泡層10の界面活性剤の種類と同様である。非発泡層12の界面活性剤の含有量は、第一実施形態における非発泡層10の界面活性剤の含有量と同様である。
非発泡層12が低環境負荷樹脂を含まない場合、非発泡層12の樹脂としては、第一実施形態の非発泡層任意樹脂等、低環境負荷樹脂として配合した樹脂以外の樹脂が挙げられる。
非発泡層12が低環境負荷樹脂を含まない場合、低環境負荷樹脂として配合した樹脂以外の樹脂の含有量は、非発泡層12に含まれる樹脂の総質量に対して、100質量%となる。
非発泡層任意樹脂としては、樹脂シート3の成形性や樹脂容器の耐衝撃性をより高められる観点から、汎用ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂が好ましく、ハイインパクトポリスチレン樹脂がより好ましい。
非発泡層12が低環境負荷樹脂を含有する場合、低環境負荷樹脂は、生分解性樹脂が好ましく、樹脂容器の耐油性を高められる観点から、ポリ乳酸系樹脂がより好ましい。
非発泡層12の樹脂は、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であることが好ましい。
非発泡層12の樹脂が、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物の場合、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との質量比は、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=3:97〜90:10が好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=5:95〜75:25がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=10:90〜60:40がさらに好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=15:85〜50:50が特に好ましく、20:80〜40:60が最も好ましい。
非発泡層12の樹脂がポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む場合、非発泡層12の樹脂は、さらにポリオレフィンや澱粉を含んでもよい。この場合、ポリオレフィンは、植物由来樹脂でもよいし、石油由来ポリオレフィンでもよい。
発泡層22は、低環境負荷樹脂を含んでいてもよく、低環境負荷樹脂を含んでいなくてもよい。発泡層22が低環境負荷樹脂を含む場合、発泡層22は、含低環境負荷樹脂層である。
発泡層22が低環境負荷樹脂を含む場合、発泡層22の樹脂組成は、第二実施形態の発泡層20の樹脂組成と同様である。
発泡層22が低環境負荷樹脂を含む含低環境樹脂層である場合、発泡層22は界面活性剤を含む。発泡層22の界面活性剤の種類は、第二実施形態における発泡層20の界面活性剤の種類と同様である。発泡層22の界面活性剤の含有量は、第二実施形態における発泡層20の界面活性剤の含有量と同様である。
発泡層22が低環境負荷樹脂を含まない場合、発泡層22の樹脂としては、第二実施形態の発泡層任意樹脂等、低環境負荷樹脂として配合した樹脂以外の樹脂が挙げられる。
発泡層22が低環境負荷樹脂を含まない場合、低環境負荷樹脂として配合した樹脂以外の樹脂の含有量は、発泡層22に含まれる樹脂の総質量に対して、100質量%となる。
発泡層任意樹脂としては、樹脂シート3の成形性や樹脂容器の耐衝撃性をより高められることから、汎用ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂が好ましい。
発泡層22が低環境負荷樹脂を含有する場合、低環境負荷樹脂は、生分解性樹脂が好ましく、樹脂容器の耐油性を高められる観点から、ポリ乳酸系樹脂がより好ましい。
発泡層22の樹脂は、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であることが好ましい。
発泡層22の樹脂が、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物の場合、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂との質量比は、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=3:97〜90:10が好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=5:95〜75:25がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=10:90〜60:40がさらに好ましく、ポリ乳酸系樹脂:ポリスチレン系樹脂=15:85〜50:50が特に好ましく、20:80〜40:60が最も好ましい。
発泡層22の樹脂がポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む場合、発泡層22の樹脂は、さらにポリオレフィンや澱粉を含んでもよい。この場合、ポリオレフィンは、植物由来樹脂でもよいし、石油由来ポリオレフィンでもよい。
樹脂シート3としては、環境負荷の低減と成形性とのバランスに優れることから、非発泡層12が低環境負荷樹脂を含み、発泡層22が低環境負荷樹脂を含まない積層発泡シートが好ましい。
[樹脂シートの製造方法]
樹脂シートは、従来公知の製造方法により製造される。
樹脂シート3の製造方法としては、例えば、非発泡層12となる非発泡シートと、発泡層22となる発泡シートとを各々製造し、非発泡シートと発泡シートとをこの順で重ね、これを加熱圧着する方法(熱圧着法)が挙げられる。熱圧着法において、加熱圧着する際の温度は、低環境負荷樹脂の融点以上が好ましい。
樹脂シート3の製造方法としては、非発泡シートと発泡シートとをこの順で重ね、各層を接着剤で貼り合せる方法(貼合法)が挙げられる。
非発泡シートの製造方法としては、第一実施形態と同様の製造方法が挙げられる。
発泡シートの製造方法としては、第二実施形態と同様の製造方法が挙げられる。
樹脂シート3の製造方法としては、非発泡層12の原料となる樹脂をTダイにより発泡シートの表面に押し出す方法(Tダイ法)、共押出により発泡層22に非発泡層12が設けられた積層体を得る方法(共押出法)等が挙げられる。押し出すときの含低環境負荷樹脂層の原料となる樹脂の温度は、低環境負荷樹脂の融点以上が好ましい。
[樹脂容器]
本実施形態の樹脂容器は、本実施形態の樹脂シートが熱成形されてなる。本実施形態の樹脂容器は、低環境負荷樹脂を含む発泡層と、低環境負荷樹脂を含む非発泡層との少なくとも一つの含低環境負荷樹脂層を有する。
発泡層の片面に非発泡層を設けた樹脂シートを熱成形して、樹脂容器の内面を非発泡層、樹脂容器の外面を発泡層とした樹脂容器でもよい。あるいは、樹脂容器の内面を発泡層、樹脂容器の外面を非発泡層とした樹脂容器でもよい。
また、発泡層の両面に非発泡層を設けた樹脂シートを熱成形して、樹脂容器の内面と外面の両面を非発泡層とした樹脂容器でもよい。
樹脂容器としては、第一実施形態と同様の形状、用途の樹脂容器が挙げられる。中でも、本実施形態の樹脂容器は、断熱性に優れるため、即席麺等を収納し、熱湯を注いで喫食する等の食品用の容器として、好適に用いられる。また、非発泡層が樹脂容器の内面又は外面に設けられているため、表面平滑性や印刷性に優れる食品用の容器として、好適に用いられる。
樹脂容器の底壁部及び側壁部の厚さ(以下、「壁厚」ということがある。)は、用途等を勘案して決定され、例えば、0.3〜5.4mmが好ましく、0.4〜3.3mmがより好ましく、0.6〜2.7mmがさらに好ましい。樹脂容器の壁厚が上記下限値以上であると、樹脂容器の耐衝撃性をより高められる。樹脂容器の壁厚が上記上限値以下であると、樹脂容器をより軽量にできる。
樹脂容器における発泡層の見掛け密度は、用途等を勘案して決定され、樹脂シート3における発泡層22の見掛け密度よりも小さくなる傾向があるが、ほぼ同様である。
また、樹脂容器における発泡層の平均気泡径は、樹脂シート3における発泡層22の平均気泡径よりも大きくなる傾向があるが、ほぼ同様である。
[樹脂容器の製造方法]
樹脂容器の製造方法としては、第二実施形態と同様の形状、用途の樹脂容器の製造方法が挙げられる。
上述の通り、本実施形態の樹脂シートによれば、非発泡層及び発泡層の少なくとも一方に低環境負荷樹脂を含有するため、環境負荷を低減できる。
加えて、本実施形態の樹脂シートによれば、含低環境負荷樹脂層に界面活性剤を含有するため、製造時のメヤニの発生を抑制できる。このため、樹脂シートの成形性及び連続生産性を高められる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、樹脂シートの表面には印刷層が設けられていてもよく、印刷層の表面にさらに非発泡層が設けられていてもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
[使用原料]
<低環境負荷樹脂>
・Ingeo4032D:ポリ乳酸系樹脂、NatureWorks社製、Z平均分子量31万、L乳酸98.7質量%およびD乳酸1.3質量%を含有するモノマー成分から生成されたポリ乳酸系樹脂。
(非発泡層任意樹脂)
・E641N:ハイインパクトポリスチレン樹脂、東洋スチレン(株)製。
<界面活性剤>
(ノニオン界面活性剤)
・VT−50:商品名「リケマール(登録商標)VT−50」、ステアリン酸トリグリセリド、融点66.8℃、理研ビタミン(株)製。
・EB−FF:エチレンビスステアリン酸アミド、融点141〜146℃、花王(株)製。
・EPL−6:ペンタエリスリトールジステアレート、融点50〜60℃、大日化学工業(株)製。
・EPL−8:高級脂肪酸アミドと高級脂肪酸ビスアミドとの混合物、融点145℃、大日化学工業(株)製。
・EPL−15:硬化油と高級脂肪酸ビスアミドと高級脂肪酸モノグリセリドとの混合物、融点70℃、大日化学工業(株)製。
(アニオン界面活性剤)
・ZF:ステアリン酸亜鉛、融点120〜126℃、大日化学工業(株)製。
[実施例1〜9、比較例1〜3]
<発泡シートの製造>
主原料としてメルトマスフローレート(MFR)1.8g/10minのポリスチレン系樹脂(商品名「G0002」、PSジャパン(株)製)100質量部、気泡調整剤としてタルクマスターバッチ(商品名「DSM1401A」、東洋スチレン(株)製)1.0質量部、を混合し、タンデムの押出機に入れ溶融混練した。この溶融物に所定の位置でブタンガスを圧入し、混練させた後、円筒状の発泡体を口径φ170mmのサーキュラーダイから押し出し、所定のマンドレルにて冷却し、切り裂いてシート状に成形し、巻き取りを行った。得られた発泡シートの厚さは1.75mmであり、坪量は220g/mであり、見掛け密度は0.126g/cmであった。
<非発泡層用の樹脂組成物の混合>
表1〜2に示す配合量でポリ乳酸系樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、界面活性剤を配合し、ミキシングドラムにて予備混合した。
表1〜2の混練方法で「ブレンド」と記載した例は、予備混合した状態で押出機(Tダイ)に投入したことを示す。
<樹脂シートの製造>
上記<発泡シートの製造>にて得られた発泡シートに、上記<非発泡層用の樹脂組成物の混合>にて混合した樹脂組成物を押出機(Tダイ)の表1〜2に示すスリット幅の開口部から表1〜2に示す剪断速度で吐出させ、坪量が120g/mとなるように調整し、ラミネートした。ラミネートする際は表1〜2に示すエアーギャップ(AG、Tダイの開口部から発泡シートに積層されるまでの距離)を調整し、発泡シートにラミネートされる位置より50mm、Tダイ開口部に近づいた位置の熱可塑性樹脂(フィルム)の温度を非接触式温度測定器にて測定した。
得られた樹脂シート(積層発泡シート)の厚さは1.84mm、坪量は340g/mであり、見掛け密度は0.185g/cmであった。
<樹脂容器の製造>
上記<樹脂シートの製造>で得られた樹脂シートを270℃のヒーター槽で15秒間加熱した後、クリアランス2mmに設計した雄型のプラグ型と雌型のキャビ型とにシートを密着させた。次に、プラグ型とキャビ型とを3秒間閉じて真空圧空成形し、開口部寸法φ190mm、底面寸法φ170mm、高さ50mmの平面視円形状の樹脂容器を得た。
このとき、非発泡層の表面が雄型のプラグ型に接触するように樹脂シートを設置し、樹脂容器を製造した。
各例で得られた樹脂シート及び樹脂容器について、以下の評価方法に示す給湯変形、耐油性、成形性、耐衝撃性を評価した。結果を表1〜2に示す。表中、非発泡層の樹脂配合量の欄の「−」は、その樹脂が含まれていないことを示す。表中、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤の欄の「−」は、その界面活性剤が含まれていないことを示す。
なお、各例で得られた樹脂シート及び樹脂容器について、低環境負荷樹脂(ポリ乳酸系樹脂)のZ平均分子量(M)を測定したところ、実施例1〜8及び比較例1〜3では、M=29万だったが、実施例9では、M=11.7万であった。これは、実施例9では、アニオン界面活性剤によってポリ乳酸系樹脂の分解が促進され(即ち、分解を抑制できず)、Z平均分子量が低下したためであると考えられる。
[給湯変形の評価]
各例で得られた樹脂容器に90℃の熱湯を注ぎ込み、蒸気が逃げないようにアクリル板にて蓋をした。注ぎ込む熱湯の量は、300mLとした。熱湯を注ぎ込んでから5分間経過後、注ぎ込んだ熱湯を排出し、樹脂容器の外観を目視で確認した。下記評価基準に基づいて給湯変形を評価した。
《評価基準》
5点:フランジの反りや側壁の膨れが見られない。
4点:フランジの反りはないが容器胴膨れがやや見られる。
3点:フランジの反り及び容器の胴膨れがやや見られる。
2点:フランジの反り及び容器の胴膨れがやや見られ、容器底面も膨れている。
1点:フランジの反り及び容器の胴膨れが大きく、容器底面も膨れている。
[樹脂シートの非発泡層の表面の耐油性の評価]
各例で得られた樹脂シートの非発泡層の表面に、93℃に加熱した炭素数7〜11の中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を含むMCTオイル(商品名、日清オイリオグループ(株)製)を15mL滴下し、5分間放置した後上記オイルを拭き取った。上記オイルを拭き取った後の樹脂シートの状態を目視で確認し、下記評価基準に基づいて樹脂シートの非発泡層の表面の耐油性を評価した。
《評価基準》
5点:白い斑点も非発泡層の溶けもなく、外観を維持できている。
4点:非発泡層に油がしみ込んだような白い斑点がわずかにある。
3点:非発泡層の溶けはないが、発泡層に油が染み込んでいる。
2点:非発泡層が溶け、発泡層に油が膨潤し、強度が落ちている。
1点:非発泡層及び発泡層に穴が開いている。
[樹脂容器の耐油性の評価]
各例で得られた樹脂容器の開口部をシールし、給湯部分のみ蓋を開け、炭素数7〜11の中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を含むMCTオイル(商品名、日清オイリオグループ(株)製)を15mL滴下し、90℃の熱湯を注ぎ込んだ。給湯部分を閉じてシールした後、5分間放置した。その後、注ぎ込んだ熱湯を排出し、樹脂容器の外観を目視で確認した。下記評価基準に基づいて樹脂容器の耐油性を評価した。
《評価基準》
5点:白い斑点も非発泡層の溶けもなく、外観を維持できている。
4点:非発泡層に油がしみ込んだような白い斑点がわずかにある。
3点:非発泡層の溶けはないが、発泡層に油が染み込んでいる。
2点:非発泡層が溶け、発泡層に油が膨潤し、強度が落ちている。
1点:非発泡層及び発泡層に穴が開き、内容物である熱湯が漏出した。
[耐衝撃性の評価1]
各例で得られた樹脂容器に400gの水を入れ、開口部をシールした。この容器を23℃の環境下で1.0mの高さからコンクリート面に落下させ、容器の破損の有無を目視で確認した。各例10個の樹脂容器について試験を行い、下記評価基準に基づいて、耐衝撃性を評価した。
《評価基準》
5点:破損した容器の数0〜2個。
4点:破損した容器の数3〜5個。
3点:破損した容器の数6〜7個。
2点:破損した容器の数8〜9個。
1点:破損した容器の数10個。
[耐衝撃性の評価2]
各例で得られた樹脂容器に400gの水を入れ、開口部をシールした。この容器を23℃の環境下で0.8mの高さからコンクリート面に落下させ、容器の破損の有無を目視で確認した。各例10個の樹脂容器について試験を行い、下記評価基準に基づいて、耐衝撃性を評価した。
《評価基準》
5点:破損した容器の数0〜2個。
4点:破損した容器の数3〜5個。
3点:破損した容器の数6〜7個。
2点:破損した容器の数8〜9個。
1点:破損した容器の数10個。
[耐衝撃性の総合評価]
上記[耐衝撃性評価1]及び[耐衝撃性の評価2]のいずれかのうち、点数が高い方を耐衝撃性の総合評価の点数とした。
[成形性の評価]
各例で得られた樹脂容器の外観を目視で観察し、下記評価基準に基づいて、成形性を評価した。
《評価基準》
5点:問題なく成形できている。
1点:樹脂容器の開口部の直下に裂け又は引き込み皺がある。
[メヤニ付着評価]
上記<樹脂シートの製造>において、樹脂組成物を吐出させてから(押出開始から)の経過時間ごとに、Tダイの先端にメヤニが発生し、付着しているかを目視で確認し、下記評価基準に基づいてメヤニ付着評価を行った。結果を表1〜2に示す。メヤニ付着評価が「S」、「A」又は「B」で、樹脂シートの連続生産性に優れる。
《評価基準》
S:押出開始後、8時間経過してもメヤニの付着が見られない。
A:押出開始後、4時間経過してもメヤニの付着が見られないが、8時間経過時にメヤニの付着が見られる。
B:押出開始後、2時間経過してもメヤニの付着が見られないが、4時間経過時にメヤニの付着が見られる。
C:押出開始後、1時間経過してもメヤニの付着が見られないが、2時間経過時にメヤニの付着が見られる。
D:押出開始後、30分間経過してもメヤニの付着が見られないが、1時間経過時にメヤニの付着が見られる。
E:押出開始後、30分間経過までにメヤニの付着が見られる。
Figure 2021165169
Figure 2021165169
本発明を適用した実施例1〜9は、成形性の評価が5点であった。本発明を適用した実施例1〜9は、メヤニ付着評価が「S」、「A」又は「B」であった。
一方、含ポリ乳酸系樹脂層に界面活性剤を含まない比較例1〜3は、メヤニ付着評価が「C」、「D」又は「E」であった。
これらの結果から、本発明の熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂容器によれば、環境負荷を低減でき、成形性及び連続生産性に優れることが分かった。
1,2,3 熱可塑性樹脂シート(樹脂シート)
10,12 非発泡層
20,22 発泡層

Claims (8)

  1. 低環境負荷樹脂を含む非発泡層と、低環境負荷樹脂を含む発泡層との少なくとも一つの含低環境負荷樹脂層を有し、
    前記含低環境負荷樹脂層は、界面活性剤を含む、熱可塑性樹脂シート。
  2. 前記非発泡層を有し、前記非発泡層が、前記含低環境負荷樹脂層である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂シート。
  3. 前記発泡層を有し、前記発泡層が、前記含低環境負荷樹脂層である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂シート。
  4. 前記低環境負荷樹脂が生分解性樹脂を含有し、前記生分解性樹脂がポリ乳酸系樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シート。
  5. 前記界面活性剤の含有量が前記含低環境負荷樹脂層に含まれる樹脂の総質量100質量部に対して0.01〜2.0質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シート。
  6. 前記界面活性剤が、ノニオン界面活性剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シート。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂シートが熱成形されてなる、熱可塑性樹脂容器。
  8. 食品用の容器である、請求項7に記載の熱可塑性樹脂容器。
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