JP4945859B2 - 遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送風機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送風機、特に、回転軸を中心として回転する円形の主板と、回転軸を中心として環状に配置され一端が主板の外周部分に固定されて回転軸に沿って延びる複数の翼とを備え、少なくとも主板と複数の翼とが樹脂材料から一体成形される遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】
気体清浄機やエアコンなどの気体調和機(以下、空調機という。)においては、送風を行うために、シロッコファン等の遠心送風機が用いられている。従来例として、図1〜図3に、シロッコファンの一例を示す。ここで、図1は、シロッコファンの側面図を示し、図2は、シロッコファンの羽根車の斜視図を示し、図3は、シロッコファンの羽根車の上面図を示している。
【0003】
シロッコファン10は、羽根車13、羽根車13を覆うケーシング11、羽根車13を回転するためのモータ14等から構成されている。羽根車13は、円板状の主板31の外周縁に多数枚の翼33の一端が固定され、それらの翼33の他端が環状の側板32で結ばれている。ケーシング11には、気体の吹出口11aと、ベルマウス12により囲われる気体の吸込口11bとが形成されている。吸込口11bは、羽根車13の側板32に対向している。また、吹出口11aは、羽根車13の回転軸O−Oに対して略直交する向きに気体を吹き出すように、吸込口11bに直交する方向に形成されている。
【0004】
モータ14を回転させシロッコファン10を作動させると、羽根車13が、ケーシング11に対して、図3に示す回転方向Rの向きに回転する。これにより、羽根車13の各翼33が内周側の空間から外周側の空間へと気体を掻き出し、吸込口11bから羽根車13の内周側の空間に気体が吸い込まれるとともに、羽根車13の外周側に押し出された気体が吹出口11aを通って送出される。すなわち、シロッコファン10は、吸込口11bから気体を吸い込み、吹出口11aから気体を送出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなシロッコファンは、製造コストの低減を重視する場合、上下一対の2つの金型によって樹脂材料からの一体成形が可能となるように、翼の断面形状が各位置で概ね同一となるように設計される。すなわち、上型及び下型だけで成形できるように、翼に傾斜をつけたり翼を折り曲げたりすることは行っていない(図2及び図3の翼33参照)。しかしながら、このような翼形状は、気体の流出入の量が翼の各位置で異なるという状態を生みだしており、騒音発生の一因となっている。
【0006】
このような騒音の低減策としては、翼を適当な位置で傾斜させる等の対策を採ることが有効であるが、そうするだけでは上型及び下型だけによる一体成形ができない翼形状になってしまい羽根車の製作コストが大幅にアップする。すなわち、翼の傾斜部を成形するためにスライドを使った樹脂成形作業が必要となり、金型の数量が増えるなど製造コストがアップするとともに、成形時間も長くなってしまう。
【0007】
本発明の課題は、低コストで騒音の小さい遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送風機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る遠心送風機の羽根車は、円形の主板と複数の翼とを備えており、少なくとも主板と複数の翼とが樹脂材料から一体成形されるものである。主板は、回転軸を中心として回転する。複数の翼は、回転軸を中心として環状に配置されており、それぞれの一端が主板の外周部分に固定され、回転軸に沿って延びている。また、複数の翼は、第1翼と、第1翼に隣接する第2翼とを含んでいる。第1翼は、第2翼側に傾斜する傾斜部を有している。傾斜部は、回転方向前方への傾斜が、内周側で大きく外周側で小さくなっている。そして、主板は、少なくとも第1翼の傾斜部の投影部分が切り欠かれている。主板には、第1翼の傾斜部の投影部分が切り欠かれたことによって、切り欠きが形成され、その切り欠きは、傾斜部を回転軸に沿って主板に投影した投影部分を含み、内周端の幅寸法を保ったまま外周縁に達するような形状である。
【0009】
ここでは、第1翼に傾斜部を設けているため、翼の各位置で気体の流出入の量の差を小さく抑えることができるようになり、送風効率の向上や騒音低下を図ることが容易となる。また、第1翼に傾斜部を設けるとともに、主板を切り欠いて第1翼の傾斜部の投影部分から干渉物(主板)を取り除いている。このため、主板及び第1翼を含む複数の翼を、一対の型により樹脂材料から一体成形することができる。すなわち、主板の切り欠き部分から入り込んで傾斜部の内面を形作る型と、その反対側から傾斜部の外面を形作る型とにより、従来一体成形ができなかった傾斜部を有する第1翼が成形できるようになっている。
【0010】
このように、ここでは第1翼の傾斜部の投影部分について主板を切り欠くことによって一対の型によって羽根車を一体成形可能な構造としているが、従来においては、主板を切り欠くということは、一方では遠心送風機の性能を低下させることのように感じられるため、今までに試さることがなかった。しかし、本願の発明者は、種々の観点から羽根車を見直し、上記のように第1翼の傾斜部の投影部分について主板を切り欠いても送風機の性能(効率や騒音性)が殆ど低下せず、傾斜部の存在による性能向上がメリットとなることを認識するに至った。この知見を基にして本請求項に係る羽根車が生み出されており、この羽根車では、従来よりも送風効率が向上するとともに騒音が抑えられている。
【0011】
請求項2に係る遠心送風機の羽根車は、請求項1に記載の羽根車であって、複数の翼は、それぞれ傾斜部を有している。また、主板は、少なくとも複数の翼の傾斜部の投影部分が切り欠かれている。
【0012】
ここでは、各翼がそれぞれ傾斜部を有する構造であるため、翼の各位置で気体の流出入の量の差をより小さく抑えることが容易となる。そして、各翼の傾斜部の投影部分について主板を切り欠いているため、一対の型により主板及び各翼を樹脂材料から一体成形することができる。
【0013】
請求項3に係る遠心送風機の羽根車は、請求項2に記載の羽根車であって、複数の翼の傾斜部は、回転方向前方側に傾斜している。また、主板は、各翼の回転方向前方部分が切り欠かれている。
【0014】
ここでは、翼の傾斜部を回転方向前方に傾斜させ、各翼の回転方向前方部分について主板が切り欠かれる構造としている。このように主板を切り欠くことにより、羽根車は、切り欠かれていない場合に対し、単に性能が維持されるだけではなく、性能が向上する。これは従来では想像できなかったことであるが、主板に衝突して外周側に流れる気体に含まれる乱れ渦が切り欠かれた部分から軸方向に逃げることから、騒音が小さくなるという性能向上が生み出されている。これにより、本請求項の羽根車では、翼の傾斜部の存在による性能向上以外に、主板を切り欠くこと自体による騒音低下のメリットも享受することができる。
【0015】
請求項4に係る遠心送風機の羽根車は、請求項1から3のいずれかに記載の羽根車であって、複数の翼の他端を結ぶ環状の側板をさらに備えている。
【0016】
ここでは、羽根車が主板及び複数の翼に加えて側板を備えている。例えば遠心送風機がシロッコファンであれば、環状の翼の外側に側板を配置することで、側板を含めて羽根車を一体成形することが可能である。また、遠心送風機がターボファンであれば、側板であるシュラウドを、一体成形した主板及び複数の翼に対して装着することになる。
【0017】
請求項5に係る遠心送風機は、請求項4に記載の羽根車と、主板を回転させる駆動手段と、ケーシングとを備えている。ケーシングは、吸込口と、吹出口とを有している。吸込口は、側板の内周側の開口部に対向している。吹出口は、羽根車の外周側に設けられており、回転軸に略直交する方向に気体を送出する。
【0018】
本請求項に係る遠心送風機は、主板及び第1翼を含む複数の翼を一対の型により樹脂材料から一体成形することができ且つ騒音の小さな羽根車を用いるため、低コストで低騒音となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
<遠心送風機の構成>
本発明の一実施形態に係るシロッコファンは、図1〜図3に示す従来のシロッコファン10の羽根車13を、図4及び図5に示す羽根車113に置き換えたものである。
【0020】
(羽根車の構成)
羽根車113は、金型によって樹脂材料から一体成形される樹脂製品であり、図5に示すように、主板131と、側板132と、複数の翼133とから構成されている。主板131は、円形であり、モータ14によって回転軸O−O(図1参照)を中心として回転させられる。主板131には中心孔131aが設けられており、この中心孔131aにモータ14の回転シャフトが装着される。複数の翼133は、回転軸O−Oを中心として環状に配置され、回転軸O−Oに沿って延びている。各翼133の一端は、主板131の外周部分に固定されている。側板132は、環状の部材であり、主板131の外径と同じ又は若干大きい内径を有している。この側板132は、複数の翼133の他端において、それらの翼133の外周縁とつながっている。
【0021】
主板131から回転軸O−Oに沿って延びる複数の翼133は、図4、図5、図7及び図8に示すように途中から回転方向前方に折れ曲がり、その先端(他端)が側板132に接続されている。したがって、翼133は、図8に示すように、主板131側の本体部133aと、側板132側の傾斜部133bとから構成されることになる。
【0022】
また、主板131は、翼133の傾斜部133bを回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分が切り欠かれている。これにより、主板131には、翼133とそれに隣接する翼133との間に切り欠き131bが形成されるようになる。これらの切り欠き131bは、図6に示すように、主板131の外周縁に達する形状である。
【0023】
なお、切り欠き131bは、翼133の傾斜部133bが回転方向前方側に傾斜していることから、主板131の翼133が付いている部分の回転方向前方部分に配置される(図6及び図7参照)。
【0024】
(ケーシングの構成)
ケーシング11には、図1に示すように、空気の吹出口11aと、ベルマウス12により囲われる空気の吸込口11bとが形成されている。吸込口11bは、羽根車113の側板132に対向する。また、吹出口11aは、羽根車113の回転軸O−Oに対して略直交する向きに空気を吹き出すよう、吸込口11bに直交するように形成されている。
【0025】
<シロッコファンの動作概略>
モータ14を回すと、羽根車113が、ケーシング11に対して図4の回転方向Rの向きに回転する。これにより、羽根車113の各翼133が内周側の空間から外周側の空間へと空気を掻き出し、吸込口11bから羽根車113の内周側の空間に空気が吸い込まれるとともに、羽根車113の外周側に押し出された空気が吹出口11aを通って吹き出される。すなわち、シロッコファンは、吸込口11bから空気を吸い込み、吹出口11aから空気を送り出す。
【0026】
<シロッコファン及び羽根車の特徴>
(1)
ここでは、翼133を適切な位置で折り曲げ翼133に傾斜部133bを設けているため、翼133の回転方向O−Oに沿った各位置での空気の流出入の量の差が小さくなり、送風効率が向上するとともに騒音が抑えられている。
【0027】
また、翼133に傾斜部133bを設けるとともに、主板131に切り欠き131bを形成して傾斜部133bの投影部分から干渉物(主板)を取り除いている。このため、図9に示すように、一対の型60,70により、主板131、側板132及び翼133から成る羽根車113を樹脂材料から一体成形することができる。
【0028】
羽根車113を樹脂成形するための金型は、図9に示す上型60と下型70である。
【0029】
上型60は、翼133と翼133との間に入り込む突出部61を有している。突出部61には、翼133の本体部133aの回転方向後方の面を形作る垂直面61a、翼133の傾斜部133bの回転方向後方の面を形作る傾斜面61b、主板131の翼133が付いているほうの面を形作る水平面61c等が形成されている。
【0030】
下型70は、成形後の切り欠き131bから下方へと抜ける突出部71を有している。また、突出部71の先端部分72は、先細り形状となっている。このような下型70には、主板131の翼133が付いていないほうの面を形作る水平面70a、翼133の本体部133aの回転方向前方の面を形作る垂直面71a、翼133の傾斜部133bの回転方向前方の面を形作る傾斜面72a等が形成されている。垂直面71aは突出部71に、傾斜面72aは突出部71の先端部分72の一面である。
【0031】
このような上型60及び下型70であれば、翼133の傾斜部133bを含む羽根車113を形作り、その後両金型60,70を上下に引き抜くことが可能である。このように、主板131の切り欠き131bとなる部分から入り込んで傾斜部133bの内面を形作る下型70と、その反対側から傾斜部133bの外面を形作る上型60とにより、従来一体成形ができなかった傾斜部133bを有する翼133及び羽根車113が成形できるようになっている。
【0032】
ところで、ここでは翼133の傾斜部133bの投影部分について主板131を切り欠くことによって一対の型60,70によって羽根車113を一体成形可能な構造としているが、従来においては、主板131を切り欠くということは、一方ではシロッコファンの性能を低下させることのように感じられるため、今までに試されていなかった。しかし、ここでは、種々の観点から羽根車の構造を見直し、上記のように翼133の傾斜部133bの投影部分について主板131を切り欠いてもシロッコファンの性能(効率や騒音性)が低下せず、傾斜部133bの存在による性能向上がメリットとなることを認識するに至った。この知見を基にして本実施形態に係る羽根車113が生み出されており、この羽根車113では、従来よりも送風効率が向上するとともに騒音が抑えられている。
【0033】
(2)
ここでは、翼133の傾斜部133bの投影部分を含む主板131の切り欠き131bが、図6に示すように、主板131の外周縁に達している。したがって、一体成形のために使用される下型70は、主板131の外周縁を覆う部分と主板131の切り欠き131bから入る突出部71とが直接結ばれる構造となり、金型としての強度が確保し易くなっている。
【0034】
(3)
ここでは、翼133の傾斜部133bを回転方向前方に傾斜させ、各翼133の回転方向前方部分について主板131が切り欠かれる構造としている(図8参照)。このように主板131を切り欠くことにより、羽根車113は、切り欠き131bがない場合に対し、単に性能が維持されるだけではなく、性能が向上する。これは従来では想像できなかったことであるが、主板131に衝突して外周側に流れる気体に含まれる乱れ渦が切り欠き131bから回転軸O−O方向に逃げることから、騒音が小さくなるという性能向上が生み出されている。これにより、本実施形態の羽根車113では、翼133の傾斜部133bの存在による性能向上以外に、主板131に切り欠き131bを設けること自体による騒音低下のメリットも享受することができる。
【0035】
<翼の変形例>
(A)
図8に示す縦断面形状の翼133に代えて、図10に示す縦断面形状の翼233を用いても、一体樹脂成形が可能で低騒音の羽根車となる。
【0036】
主板131から延びる複数の翼233は、図10に示すように、全体が回転方向前方に傾斜している。
【0037】
また、主板131は、翼233全体を回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分が切り欠かれている。これにより、主板131には、翼233とそれに隣接する翼233との間に切り欠き131cが形成されるようになる。これらの切り欠き131cは、翼233が回転方向前方側に傾斜していることから、主板131の翼233が付いている部分の回転方向前方部分に配置される。
【0038】
(B)
図8に示す縦断面形状の翼133に代えて、図11に示す縦断面形状の翼333を用いても、一体樹脂成形が可能で低騒音の羽根車となる。
【0039】
主板131から延びる複数の翼333は、図11に示すように、主板131に接続される付根部分から回転方向前方に折れ曲がっており、途中で回転軸O−Oに対して平行となる。そして、側板132近傍において、再び回転方向前方に折れ曲がり、その先端が側板132に接続されている。したがって、翼333は、図11に示すように、主板131側の傾斜部333cと、側板132側の傾斜部333bと、両傾斜部333b,333cを結ぶ本体部333aとから構成されることになる。
【0040】
また、主板131は、翼333の両傾斜部333b,333cを回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分が切り欠かれている。これにより、主板131には、翼333とそれに隣接する翼333との間に切り欠き131dが形成されるようになる。これらの切り欠き131dは、翼333が回転方向前方側に傾斜していることから、主板131の翼333が付いている部分の回転方向前方部分に配置される(図11参照)。
【0041】
ここでは、翼333に複数の傾斜部333b,333cを形成するため、より極め細かく翼333の各位置での気体の流出入の量を調整することが可能となり、翼333の各位置での気体流出入の量の差をより小さくすることができるようになる。
【0042】
(C)
図8に示す縦断面形状の翼133に代えて、図12に示す縦断面形状の翼433を用いることもできる。
【0043】
主板131から回転軸O−Oに沿って延びる複数の翼433は、図12に示すように途中から回転方向後方に折れ曲がり、その先端(他端)が側板132に接続されている。したがって、翼433は、主板131側の本体部433aと、側板132側の傾斜部433bとから構成されることになる。
【0044】
また、主板131は、翼433の傾斜部433bを回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分が切り欠かれている。これにより、主板131には、翼433とそれに隣接する翼433との間に切り欠き131eが形成されるようになる。これらの切り欠き131eは、翼433の傾斜部433bが回転方向後方側に傾斜していることから、主板131の翼433が付いている部分の回転方向後方部分に配置される。
【0045】
(D)
図7に示す傾斜部133bを有する翼133に代えて、図13に示す傾斜部533bを有する翼533を用いることもできる。
【0046】
主板131から延びる複数の翼533は、途中から回転方向前方に折れ曲がり、その先端(他端)が側板132に接続されている。したがって、翼533は、図13に示すように、主板131側の本体部533aと、側板132側の傾斜部533bとから構成されることになる。傾斜部533bは、回転方向前方への傾斜が内周側で大きく外周側で小さくなっている。
【0047】
また、主板131は、翼533の傾斜部533bを回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分が切り欠かれている。これにより、主板131には、翼533とそれに隣接する翼533との間に切り欠き131fが形成されるようになる。これらの切り欠き131fは、主板131の外周縁に達しているが、外方に抜ける部分の幅寸法は小さい。
【0048】
この切り欠き131fの外方に抜ける部分の幅寸法が小さければ羽根車を一体樹脂成形するための金型の強度の確保が難しくなるため、これを回避するように、切り欠き131fを拡充して、図14に示すような切り欠き131gを主板131に形成するようにしてもよい。切り欠き131gは、翼533の傾斜部533bを回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分を含み、内周端の幅寸法を保ったまま外周縁に達するような形状である。この切り欠き131gが形成されていれば、切り欠き131gに入り込む金型の一部分が主板131の周囲に位置する金型の本体と強固につながることになり、金型の強度の確保が容易となる。
【0049】
(E)
図7に示す傾斜部133bを有する翼133に代えて、図15に示す傾斜部633bを有する翼633を用いることもできる。
【0050】
主板131から延びる複数の翼633は、途中から回転方向前方に折れ曲がり、その先端(他端)が側板132に接続されている。したがって、翼633は、図15に示すように、主板131側の本体部633aと、側板132側の傾斜部633bとから構成されることになる。傾斜部633bは、回転方向前方への傾斜が内周側で小さく外周側で大きくなっている。
【0051】
また、主板131は、翼633の傾斜部633bを回転軸O−Oに沿って主板131に投影した投影部分が切り欠かれている。これにより、主板131には、翼633とそれに隣接する翼633との間に切り欠き131hが形成されるようになる。
【0052】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、遠心送風機の1つであるシロッコファンに本発明を適用しているが、他の遠心送風機、例えばターボファンに対しても本発明を適用することが可能である。この場合には、全体が傾斜しているターボファンの翼を回転軸に沿って主板に投影した投影部分を切り欠き、主板及び複数の翼を上下一対の金型のみによって一体樹脂成形できるように構成すればよい。なお、シロッコファンの側板に相当するシュラウドは、一体樹脂成形した主板及び複数の翼に対して装着することになる。
【0053】
このように、従来各翼に対しスライドを使った成形を行っているターボファンに本発明を適用すれば、上型及び下型だけで主板及び翼の成形が可能となるため、金型費用のコストダウンや成形時間の短縮が図られ、低コストのターボファンを提供することができるようになる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に係る発明では、第1翼に傾斜部を設けているため、翼の各位置で気体の流出入の量の差を小さく抑えることができるようになり、送風効率の向上や騒音低下を図ることが容易となる。また、第1翼に傾斜部を設けるとともに、主板を切り欠いて第1翼の傾斜部の投影部分から干渉物(主板)を取り除いているため、主板及び第1翼を含む複数の翼を、一対の型により樹脂材料から一体成形することができる。
【0055】
請求項2に係る発明では、第1翼の傾斜部の投影部分を含む主板の切り欠き部分が主板の外周縁に達しているので、一体成形のために使用される型は、主板の外周縁を覆う部分と主板の切り欠き部分に入る部分とが直接結ばれるようになり、型の強度が確保され易くなる。
【0056】
請求項3に係る発明では、各翼がそれぞれ傾斜部を有する構造であるため、翼の各位置で気体の流出入の量の差をより小さく抑えることが容易となり、各翼の傾斜部の投影部分について主板を切り欠いているため、一対の型により主板及び各翼を樹脂材料から一体成形することができる。
【0057】
請求項4に係る発明では、翼の傾斜部を回転方向前方に傾斜させ、各翼の回転方向前方部分について主板が切り欠かれる構造としているため、羽根車は、切り欠かれていない場合に対し、単に性能が維持されるだけではなく、性能が向上する。
【0058】
請求項7に係る発明では、主板及び第1翼を含む複数の翼を一対の型により樹脂材料から一体成形することができ且つ騒音の小さな羽根車を用いるため、遠心送風機が低コストで低騒音となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のシロッコファンの側面図(ケーシング部分は断面図)。
【図2】 従来の羽根車の斜視図。
【図3】 従来の羽根車の上面図。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る羽根車の上面図。
【図5】 羽根車の側面図。
【図6】 図5のVI-VI矢視断面図。
【図7】 図4のVII部拡大図。
【図8】 図7のVIII-VIII矢視断面図。
【図9】 図8の断面における金型の断面図。
【図10】 翼の変形例(A)の翼の縦断面図。
【図11】 翼の変形例(B)の翼の縦断面図。
【図12】 翼の変形例(C)の翼の縦断面図。
【図13】 翼の変形例(D)の翼の拡大上面図。
【図14】 翼の変形例(D)の他の翼の拡大上面図。
【図15】 翼の変形例(E)の翼の拡大上面図。
【符号の説明】
11 ケーシング
11a 吹出口
11b 吸込口
14 モータ(駆動手段)
113 羽根車
131 主板
131b〜131h 切り欠き
132 側板
133,233,333,433,533,633 翼(第1翼,第2翼)
133b〜633b 傾斜部
333c 傾斜部
O−O 回転軸
Claims (5)
- 回転軸(O−O)を中心として回転する円形の主板(131)と、前記回転軸(O−O)を中心として環状に配置され一端が前記主板(131)の外周部分に固定されて前記回転軸(O−O)に沿って延びる複数の翼(533)とを備え、少なくとも前記主板(131)と前記複数の翼(533)とが樹脂材料から一体成形される遠心送風機の羽根車(113)であって、
前記複数の翼(533)は、第1翼と、前記第1翼に隣接する第2翼とを含み、
前記第1翼は、前記第2翼側に傾斜する傾斜部(533b)を有しており、
前記傾斜部(533b)は、回転方向前方への傾斜が、内周側で大きく外周側で小さくなっており、
前記主板(131)は、少なくとも前記第1翼の傾斜部(533b)の投影部分が切り欠かれ、
前記主板(131)には、前記第1翼の傾斜部(533b)の投影部分が切り欠かれたことによって、切り欠き(131g)が形成され、
前記切り欠き(131g)は、前記傾斜部(533b)を回転軸(O−O)に沿って主板(131)に投影した投影部分を含み、内周端の幅寸法を保ったまま外周縁に達するような形状である、
遠心送風機の羽根車(113)。 - 前記複数の翼(533)は、それぞれ前記傾斜部(533b)を有しており、
前記主板(131)は、少なくとも前記複数の翼(533)の傾斜部(533b)の投影部分が切り欠かれている、
請求項1に記載の遠心送風機の羽根車(113)。 - 前記複数の翼の傾斜部(533b)は、回転方向前方側に傾斜しており、
前記主板(131)は、前記各翼(533)の回転方向前方部分が切り欠かれている、
請求項2に記載の遠心送風機の羽根車(113)。 - 前記複数の翼(133〜633)の他端を結ぶ環状の側板(132)をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の遠心送風機の羽根車(113)。
- 請求項4に記載の羽根車(113)と、
前記主板を回転させる駆動手段(14)と、
前記側板(132)の内周側の開口部に対向する吸込口(11b)と、前記羽根車の外周側に設けられ前記回転軸に略直交する方向に気体を送出する吹出口(11a)とを有し、前記羽根車を覆うケーシング(11)と、
を備えた遠心送風機。
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