JP4944429B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンター等の画像形成装置に搭載される定着装置に関する。
従来、電子写真方式の複写機、プリンター等の画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)として、ヒータと、このヒータに接触しつつ回転する可撓性の定着フィルムと、定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものがある。ヒータとして、セラミックス製の基板上に発熱体を有するものが用いられる。特許文献1、2にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー像を担持する記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像は記録材に加熱定着される。この定着器は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。したがって、この定着器を搭載するプリンターは、プリント指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:first printout time)を短く(クイックスタート)出来る。またこのタイプの定着器は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
また、定着フィルムとしてSUS等の高熱伝導性を有する薄肉の金属スリーブを採用することで、従来のポリイミド等を基層とする樹脂フィルムよりも定着性能を向上させ、画像形成装置の高速化にも対応が可能な定着装置も提供されている(特許文献3)。
上記のようなフィルム加熱方式の定着装置では、金属スリーブからなる定着フィルムの内周をバックアップする端部フランジにより定着フィルムの左右両端の端面を受け止めることで、定着フィルムのスラスト方向への寄り移動を規制している。しかし、端部フランジで定着フィルム端面を受け止める構成では、定着フィルムは平坦なヒータ面を密着しながら回転し、屈曲を繰り返しながら該端面に寄った状態で回転してしまうため、定着フィルム端面から亀裂が生じやすい。すなわち、熱容量を抑えるためにできる限り薄く形成された定着フィルムは、端部フランジに接触する際にラッパ状に端部外径を広げられるような外力を受けてしまうのである。特に、定着フィルムは内面より端部フランジでバックアップされる構成となっているため、外周面方向への変形は規制がなく、スラスト方向への寄り力が強い場合には、より顕著にラッパ状に変形させられてしまう。さらに定着フィルム端部と端部フランジとの摺擦により、定着フィルムの端部は負荷を絶えず受けている状態になるため、端部から亀裂が生じやすくなってしまうのである。
そこで、定着フィルム端部の亀裂を防止するため、定着フィルム端部をラッパ形状に変形させないように、定着フィルム内周をバックアップする構成から、定着フィルムの外周面を支持する構成が提案されている(特許文献4、5)。一方、市場からは消費電力の低減とともに、画像形成装置の高画質化やカラー化対応も望まれている。定着器として高画質化やカラー化対応を行なうためには、トナーの定着性を充分に満足し、かつ定着ムラも防止することが必要である。
そこで、記録材上の未定着トナー像に対し定着フィルムにより熱を包み込むように伝達させるために、定着フィルムを複数の層で構成したフィルム加熱方式の定着装置が提案されている。この定着装置によれば、定着フィルムは、ポリイミドやSUS等からなる基層とフッ素樹脂等からなる離型層との間に、シリコーンゴム等からなる弾性層を有している。
特開昭63−313182号公報 特開平4−44075号公報 特開2003−45615号公報 特開2002−323821号公報 特開2004−157442号公報
定着フィルムの基層として高熱伝導性の金属スリーブを使用し、この金属スリーブを覆うように弾性層を設けた場合において、定着フィルム端部の亀裂を防止するため、端部フランジにより定着フィルムの外周面を支持する構成を採用したとする。この場合、定着フィルムは柔らかく弾性を有する弾性層の外周面(表面)が端部フランジに摺擦しながら回転することになる。一方で、定着フィルムは加圧ローラにより従動回転され、かつ端部フランジにより表面が規制されながら回転するため、端部フランジと摺擦する定着フィルム表面部は局所的に大きな力が加わっている。そのため、弾性層を設けた定着フィルムにおいて、端部フランジと摺擦する定着フィルム表面部に力が加わるとその表面部が弾性変形してしまい、端部フランジ内での回転が不安定になってしまうことがあった。
また、弾性層は金属スリーブよりも厚く、膜厚ムラも大きい。さらに、弾性層の硬度ムラにより、定着フィルムの左右両端で端部フランジとの摺擦による弾性変形の具合も変わってしまう。そのため、定着フィルムは左端と右端で端部フランジ内での回り方に差が生じ、定着フィルムとしての回転挙動が不安定になってしまうことがあった。
このように、定着フィルムの回転が不安定になると、定着フィルムの回転トルクが上昇して、記録材がニップ部を通過する時に、記録材と定着フィルムの間でスリップが発生して画像を乱したり、紙詰まりになったりする現象が発生しやすくなるのである。
端部フランジで定着フィルムの内周をバックアップする構成を採用すれば、端部フランジに対し硬い定着フィルム内面(金属スリーブ)が摺擦しながら回転するため、定着フィルムとしての回転は安定化する。しかしながら、上述したように、定着フィルムの端部外径の広がりからフィルム端面の亀裂に発展しやすくなるという弊害があるため、特に加熱装置の高速化や長寿命化を狙う場合は、採用は難しい。
本発明の目的は、弾性層が形成されたフィルムを用いることによる定着性とフィルムの回転安定性を両立できるようにした定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る定着装置の構成は、可撓性を有し、金属の基層の上に弾性層が形成されているフィルムと、前記フィルムの内周面と接触するヒータと、前記フィルムを介して前記ヒータと共にニップ部を形成する加圧部材と、前記フィルムの記録材搬送方向に直交する方向の端部の外周面を受ける内周面を有する外周規制手段と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、トナー像を記録材に定着する定着装置において、前記フィルムは記録材搬送方向に直交する方向の端部に前記弾性層が形成されていない部分を有し、前記フィルムの前記弾性層が形成されている部分の外周面は前記外周規制手段の前記内周面と接触せず、前記フィルムの前記弾性層が形成されていない部分の外周面は前記外周規制手段の前記内周面と接触することを特徴とする。
本発明によれば、弾性層が形成されたフィルムを用いることによる定着性とフィルムの回転安定性を両立できるようにした定着装置の提供を実現できる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
(1)画像形成装置例
図2は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンターである。
1は像担持体としての感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。
感光ドラム1は矢印の時計方向に所定の周速度をもって回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって所定の極性・電位に一様帯電される。
次に、その一様帯電処理面に対して、レーザスキャナ3により、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームによる走査露光3aが施され、静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像装置4でトナー像として現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された被加熱材としての記録材P上に感光ドラム1上より転写される。
ここで、感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材Pの先端の書き出し位置が合致するようにセンサ8にて記録材Pの先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5間で挟持搬送される。
このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置6へと搬送され、トナー像は永久画像として記録材P上に加熱定着される。
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。これにより感光ドラム1は再度の画像形成に供される。
(2)加熱定着装置6
図3は加熱定着装置6の横断面模型図、図4は途中部分省略・一部切り欠き正面模型図である。
10は加熱部材としての定着部材(加熱アセンブリ)である。20は加圧部材としての弾性加圧ローラである。この定着部材10と加圧ローラ20を加圧した状態に接触させることによりニップ部としての定着ニップ部Nを形成させている。
定着部材10は、加熱体としてのヒータ11、保持部材としてのフィルムガイド12、加熱回転体としての定着フィルム13、外周規制手段としての端部フランジ(以下、定着フランジと記す)15等からなる。
ヒータ11はフィルムガイド12の下面に固定して配置してある。定着フィルム13はフィルムガイド12に対してルーズに外嵌させて配置してあり、定着フィルムの周方向に伸びたフィルムガイドリブ12aに対して、定着ニップ部N近傍以外は充分なクリアランスが設けてある。
定着フランジ15は、フィルムガイド12の長手方向両端部側に装着されて、定着フィルム13の両端部を規制する役目をする。すなわち、定着フランジ15は、定着フィルム13の長手方向への移動を規制する規制部材である。
弾性加圧ローラ20は、芯金21と、芯金21の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層23を形成してあってもよい。
30は定着装置のメインフレームである。このメインフレーム30に加圧ローラ20や定着部材10を装着して保持させている。すなわち、メインフレーム30に設けた嵌合用溝31に、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂よりなる軸受け32、あるいはベアリングを装着している。そしてこの軸受け32の溝に加圧ローラ20の芯金21の端部を嵌合させたことで、加圧ローラ20を回転自在に配置し、該加圧ローラ20の上側において定着部材10が配置してある。
そして、定着部材10の両端部において、定着フランジ15の加圧部15dと不動のバネ受け部材40との間に加圧バネ17を縮設させている。この加圧バネ17により定着部材10を所定の加圧力をもって加圧ローラ20の上面に対して、定着フィルム13の有する後述の弾性層13bの弾性と加圧ローラ20の弾性に抗して押圧させて、所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
定着ニップ部Nにおいては、定着部材10の加圧ローラ20に対する加圧により、定着フィルム13がヒータ11と弾性加圧ローラ20との間に挟まれてヒータ11の下面の扁平面に倣って撓む。これにより定着フィルム13の内面がヒータ11の下面の扁平面に密着した状態になる。
Gは加圧ローラ20の芯金21の一端部に固着して配置した駆動ギアである。この駆動ギアGに駆動部Mから回転力が伝達されて、図3のように、加圧ローラ20が矢印の反時計方向に所定の回転速度にて回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動に伴って、定着ニップ部Nにおける該加圧ローラ20と定着部材10側の定着フィルム13との摩擦力で定着フィルム13に回転力が作用する。そして、定着フィルム13がその内部にあるヒータ11の下面と密着、そして摺動しながら図3のように、フィルムガイド12の外回りを時計方向に、加圧ローラ20の回転に従動することで回転状態になる(加圧ローラ駆動式)。
定着フィルム13は内部のヒータ11及びフィルムガイド12と摺擦しながら回転するため、ヒータ11及びフィルムガイド12と定着フィルム13の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため、ヒータ11及びフィルムガイド12の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させてある。また、定着フィルム13の回転時に、フィルムガイド12の摩耗量を抑えるために、定着フィルム13はフィルムガイドリブ12aに対して、定着ニップ部N近傍以外は充分なクリアランスが設けてある。これらにより、定着フィルム13はスムーズに回転することが可能となる。
ヒータ11は、記録材P上のトナー像Tを溶融、定着させる定着ニップ部Nの加熱を行なう。
加圧ローラ20の回転により定着フィルム13が回転し、ヒータ11に対する通電により該ヒータの温度が所定の温度に立ち上がって温調される。この状態において、未定着トナー像Tを担持した記録材Pが、耐熱性の定着入口ガイド24に沿って定着ニップ部Nの定着フィルム13と加圧ローラ20との間に搬送される。そして、その記録材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されることで、未定着トナー像Tが定着フィルム13を介してヒータ11の熱で加熱されて記録材P上に熱定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは、定着フィルム13の外面から分離して、不図示の耐熱性の定着排紙ガイドに案内されて、不図示の排出トレイ上に排出される。
a)ヒータ11
ヒータ11は、例えば、アルミナ(酸化アルミ)、AlN(窒化アルミ)等の高絶縁性の細長いセラミックス基板や、ポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板を有する。そしてこの基板の表面に、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の発熱ペースト層を印刷した発熱体と、この発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガラスコート層等を順次形成したものである。基板として熱伝導性の良好なAlN等を用いた場合は、発熱ペースト層とガラスコート層を基板に対して、定着ニップ部Nと反対側に形成してあっても良い。
ヒータ11上の発熱ペーストへの給電は、不図示の給電部から不図示のコネクタを介してなされる。ヒータ基板の背面には、発熱ペーストの発熱に応じて昇温したヒータ11の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子14が配置されている。この温度検知素子14の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から発熱ペーストに印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ部N内での温調温度を略一定に保つ。これにより、ヒータ11は定着フィルム13を介して記録材P上の未定着トナー像Tを定着するのに必要な加熱を行なう。温度検知素子14から不図示の温度制御部へのDC通電は、不図示のDC通電部及びDC電極部を介して不図示のコネクタにより達成している。
またヒータ11の定着ニップ部N側の表面には、定着フィルム13の外周面(表面)との摺擦に耐えることが可能な薄層のガラスコート、フッ素樹脂層、ポリイミド層等の保護層を設けている。
b)フィルムガイド12
フィルムガイド12は、ヒータ11を支持する役目、加圧部材の役目、定着ニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐための断熱部材の役目等をしている。このフィルムガイド12は、剛性・耐熱性・断熱性の部材であり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されている。
また、定着フィルム13の周方向に伸びたフィルムガイドリブ12aの外径は、径Lgにて配置されている。
c)端部フランジ15
図5の(a)は定着フランジ15の外観斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A線に沿う縦断面図である。
図5の(c)に示すように、定着フィルム13は、その端部外周面に、定着フランジ15に設けられた挿入部(外周規制手段)15aの内周面15a1と接触する部位(幅De)を有する。
定着フランジ15は、PPS、液晶ポリマー、フェノール樹脂等の耐熱樹脂より形成されている。この定着フランジ15は、その外周縁部に定着フィルム13の端部外周面Deが挿入可能な、定着フィルム13の外径Lfより大きい内径Lcを有する挿入部15aを有する。すなわち、定着フィルム13の端部外周面De部は定着フィルム13の外径Lfよりも大きい内径Lcを有する挿入部15aに挿入され、定着フィルム13の端面は定着フランジ15の突き当て部15bに突き当たる。また、定着フランジ15の内側には、定着フィルム13の変形を規制するための変形規制部位(変形規制手段)15cが設けられている。この変形規制部位15cの外径Lsは、フィルムガイドリブ12aの外径Lgよりも大きく、かつ定着フィルム13の外径Lfよりも小さくなるように設定されている。これにより、定着フィルム13の回転駆動中、変形規制部位15cと定着フィルム13の内周面との接触は無い。もし定着フィルム13が何らかの外力によって変形規制部位15cと接触しても、変形規制部位15cは定着フィルム13が破損、または永久変形を起こさないような外径に設定してある。上記挿入部15aの内径Lcと、変形規制部位15cの外径Lsと、フィルムガイドリブ12aの外径Lgの大きさの関係はLc>Ls>Lgとなっている。
また、定着フランジ15は、定着ニップ部N相当部に切り欠き部15e(図3)を有する。この切り欠き部15eには、ヒータ11を支持したフィルムガイド12と、このフィルムガイド12と一体の保持ステイ12bの長手端部が配置される(図4)。ヒータ11はフィルムガイド12に支持されるため、定着フランジ15と干渉することはない。そして、図6に示すように、定着フランジ15に設けられた保持筐体嵌合部15fをメインフレーム30の嵌合溝31に挿入することによって、定着部材10の端部がメインフレーム30により保持される。
定着部材10をメインフレーム30に保持させた状態において、定着フランジ15で定着フィルム13のスラスト方向への移動を規制するとともに、定着フランジ15の挿入部15aと突き当て部15bで、定着フィルム13の端部の外周面Deと端面を受けている。定着フィルム13の回転中において、定着フランジ15の挿入部15aの内周面に定着フィルム13の端部外周面の部位(幅De)を接触させて抑え込むことにより、定着フィルム端面がラッパ状に広がることを防止している。これにより定着フィルム13端部からの破損を防止できる。
d)定着フィルム13
定着フィルム13は、図1に示すように、少なくとも、小熱容量で可撓性を有する金属スリーブからなる基層13aと、この基層13aを覆うように基層13aの外周に設けられた弾性を有する弾性層13bと、を有する2つの層から構成される。
基層13aは、クイックスタートを可能にするために膜厚は200μm以下の厚みで耐熱性、高熱伝導性を有するステンレス、Al、Ni、Cu、Zn等の金属部材を単独、あるいは合金部材からなり、可撓性も有している。一方で、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた基層13aとして、膜厚は20μm以上の厚みが必要である。また、ヒータ11と接触する基層13aの内面に、潤滑性の高いフッ素樹脂層、ポリイミド層、ポリアミドイミド層等を形成してあっても良い。
弾性層13bは、高画質化やカラー化対応として、トナーの定着性を充分に満足し、かつ定着ムラも防止するよう、記録材P上の未定着トナー像Tに対し、熱を包み込むように伝達させるため、シリコンゴム等からなる耐熱性の弾性体からなる。熱の包み込み効果による高画質化やカラー化対応のために、膜厚は50μm以上の厚みが必要である。一方で、クイックスタートを可能にするために、膜厚は500μm以下の厚みが必要である。また、熱伝導率を向上させるために、熱伝導性フィラー等の添加材を含有しても良い。さらに、弾性層13bを覆うように、離型性と耐摩耗性を有する離型層を形成してあっても良い。
ここで、定着フランジ15の項で説明したように、定着フィルム13はその端部外周面に、図5(c)に示すように、定着フランジ15の挿入部15aの内周面15a1と接触する部位(幅De)を有している。この定着フィルム13の端部外周面De部は、図1に示すように、基層13a上に弾性層13bが設けられておらず、基層13aが露出している。そのため、定着フィルム13の外径は、記録材Pと接触する弾性層13bの部位(幅Dc)に比べて、定着フランジ15の内周面15a1と接触する端部外周面De部の方が小さい。また、定着フィルム13の外周面において接触面Dc部は弾性層13bを有している。これに対し定着フィルム13の端部外周面De部は基層13aのみであるため、端部外周面De部の表面硬度を接触面Dc部に比べて飛躍的に高くすることができる。
これにより、定着フランジ15の内周面15a1に対し、硬く硬度ムラも少ない基層13aの端部外周面De部を摺擦させながら定着フィルム13を回転させることができる。
定着フィルム13の端部外周面De部と接触面Dc部以外の部位については、弾性層13bの有無は問わない。しかし、その部位に弾性層13bを設ける場合は、加圧ローラ20と形成する定着ニップ部Nの形状の適正化、及び加圧ローラ20による定着フィルム13の従動回転の安定化のため、接触面Dc部の膜厚と同等もしくはそれ以下とすることが好ましい。
(3)比較実験
図1に示す本実施例の定着フィルム13と、図10に示す従来例の定着フィルム50と、図11に示す比較例の定着フィルム51と、について、各々の定着フィルム13・50・51を加熱定着装置6に組み込み、プリンターで30万枚の通紙耐久を実施した。図10に示す従来例の定着フィルム50は、基層50a全域に弾性層50bを均一な膜厚で配置したものである。図11に示す比較例の定着フィルム51は、弾性層51bの膜厚を記録材Pとの接触面Dc部で固定とし、定着フランジ15の内周面15a1と接触する端部外周面De部で薄くしたものである。そして、各々の定着フィルム13・50・51の回転トルク測定と、記録材Pが定着ニップN通過時に発生する記録材Pのスリップに起因するジャムの評価を行なった。
具体的には、本実施例の定着フィルム13と、従来例の定着フィルム50において、基層13a・50aはともにSUS製のスリーブである。このスリーブの膜厚は35μmである。弾性層13b・50bはともにシリコーンゴム製である。このシリコーンゴムの膜厚は200μmである。そして外径はともに30mmである。また比較例の定着フィルム51は、端部外周面De部の弾性層51bの膜厚のみ100μm、50μm、10μmと振った定着フィルムを使用した。通紙耐久は、最大通紙幅がA4/LTRサイズで、プリント速度がA4サイズで52PPMであるプリンターを用いて、23℃/50%RHの環境下で、坪量80gのA4サイズ紙で行なった。定着フィルム13・50・51の回転トルクは、初期と通紙耐久10万枚毎に、加圧ローラ20の芯金21上にかかる安定時のトルクを測定することで代用した。
その結果を表1に示す。なお、表中のジャムの結果を表す記号として、○はジャムの発生無し、×はジャムの発生有り、を示す。
表1の結果に示すように、本実施例の定着フィルム13を使用することにより、通紙耐久30万枚を通じて安定したトルクで定着フィルム13は回転しており、記録材のスリップに起因するジャムの発生も無かった。
一方、従来例の定着フィルム50を使用した場合は、初期から回転トルクが高めであり、通紙耐久10万枚に達する前に記録材のスリップに起因するジャムが発生してしまい、その時の回転トルクは初期から約20%上昇していた。
また、比較例の定着フィルム51を使用した場合は、端部外周面De部の弾性層の膜厚を薄くしていくことで、回転トルクの上昇は低減し、記録材のスリップに起因するジャムの発生時期も延びる傾向にあった。
以上の結果から、定着フィルム13における定着フランジ15の内周面15a1と接触する端部外周面De部は、弾性層13bを配置しないことで定着フィルム13の回転が安定化でき、加熱定着装置として長寿命化を実現できることが分かった。さらに、端部外周面De部は弾性層13bを有していたとしても、その膜厚が記録材Pとの接触面Dc部と比べて充分に薄ければ端部外周面De部の表面硬度は高く維持することができ、回転トルクも安定することが分かった。すなわち、定着フィルム13の端部外周面De部の外径が、記録材Pと接触する弾性層13bの接触面Dc部の外径よりも小さく設定されていることが重要である。
本実施例の定着フィルム13によれば、定着フィルム13において少なくとも定着フランジ15と摺擦する箇所は弾性力を小さくする、或いは弾性層13bを設けないことで、定着フィルム13の回転を安定化でき、回転トルクの上昇を低減できる。これによって記録材Pの定着ニップ部N通過時のスリップに起因するジャムの発生も低減できる。
また、上記定着フィルム13を備える加熱定着装置は、プリンターのクイックスタート、高速化、高画質化、カラー化等に対応可能であり、耐久性も向上する。
本実施例では、定着フィルムの他の実施例を説明する。本実施例においては、実施例1と共通する層、部分には同一部号を付して再度の説明を省略する。実施例3においても同様とする。
本実施例の定着フィルム13は、図7に示すように、金属スリーブからなる基層13aの外周に弾性を有する弾性層13b設け、この弾性層13bの外周に表層として離型性と耐摩耗性を有する離型層13cを設けたものである。すなわち本実施例の定着フィルム13は、基層13aと、弾性層13bと、離型層13cと、を有する3つの層から構成されている。
離型層13cは、オフセット防止や記録材の分離性、及び耐摩耗性を確保するために、フッ素樹脂や、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱性樹脂を混合ないし単独で被覆してなるものである。フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)などが用いられる。或いはETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)などが用いられる。
被覆の方法としては、離型層13cをディッピングや粉体スプレー等により弾性層13b表面に塗布する方式、チューブ状に形成されたものを弾性層13b表面に覆うように被せる方式、等が挙げられるが、もちろんその被覆方式に制限は無い。
また、離型層13cとしての耐摩耗性を維持するために、膜厚は5μm以上の厚みが必要である。一方で、クイックスタートを可能にするために、膜厚は50μm以下の厚みが必要である。なお、熱伝導率を向上させるために、熱伝導性フィラー等の添加材を含有しても良い。
ここで、この定着フィルム13の端部外周面De部は、図7に示すように、基層13a上に弾性層13bが設けられておらず、離型層13cが基層13aを覆っている。そのため、定着フィルム13の外径は、記録材Pと接触する離型層13cの接触面(幅Dc)部に比べて、定着フランジ15の内周面15a1と接触する端部外周面De部の方が小さい。また、定着フィルム13の外周面において接触面Dc部は、基層13a上の弾性層13bの外周に離型層13cを有する層構成である。これに対し定着フィルム13の端部外周面De部は、基層13aの外周に離型層13cを有する層構成である。このため、端部外周面De部の表面硬度を接触面Dc部に比べて飛躍的に高くすることができる。
本実施例の定着フィルム13においても、定着フランジ15の内周面15a1に対し、硬く硬度ムラも少なく、滑り性も良い離型層13cの端部外周面De部を摺擦させながら回転させることができる。このため、定着フィルム13の回転を安定化することができる。
さらに、定着フィルム13の外周面全域が離型層13cによって覆われているため、次のような効果も得ることができる。
加熱定着装置においては、市場からの要望である画像形成装置の高速化に応えるため、メインモータの出力を大きくして加圧ローラや定着フィルム等の回転速度を高速化させている。また、この高速化により定着ニップ部での滞留時間が短縮された記録材に充分な熱エネルギーを供給するため、定着温度アップ、定着ニップ幅の拡大、ヒータ基板や定着フィルムの材質の熱伝導性アップ等の改良を行なっている。
しかしながらこれら改良の実施により、定着ニップ部における記録材上の未定着トナー像の弊害が生じやすくなる。すなわち、図8に示す加熱定着装置のように、定着ニップ導入部の直前において、記録材P上の未定着トナー像Tのトナーが部分的に記録材搬送方向の上流側に吹き飛ばされるような現象(以下、後方トナー飛び散り現象)が生じやすくなる。この現象はプリント速度を高速にすればするほど悪化する傾向にある。図8は改良した加熱定着装置に生じる後方トナー飛び散り現象の説明図である。図8においては定着フィルム13と加圧ローラ20は説明の便宜上、簡略的に記載してある。
ここで、後方トナー飛び散り現象の発生メカニズムについて説明する。
記録材に含まれる水分は定着ニップ部における加熱により水蒸気となる。そして、高速化に伴って定着温度をアップすると水蒸気の発生量も多くなり、逃げ場を求めた水蒸気が定着ニップ部の前後方向に強く吹き出るようになる。同時に記録材の搬送速度も速くなっているため、定着ニップ導入部において、記録材上の未定着トナー像には定着ニップ部から吹き出す水蒸気の速度に記録材の搬送速度を合成した風速で水蒸気が吹き付けられる。このため、記録材に対する付着力が弱く、水蒸気流の影響を受けやすいトナー像の一部が、水蒸気の風圧によって吹き飛ばされたと考えられる。この現象は記録材の電気抵抗や表面性等で大きく左右されるが、特に横線のように記録材の搬送方向に垂直なパターンのトナー像で最も発生しやすい。
この現象の抑制対策としては、トナーTの記録材Pに対する静電的な付着力をアップさせる方法が効果的である。すなわち、定着フィルム13表面、或いは加圧ローラ20表面の少なくともどちらか一方を導電化する。そして、外部からのバイアス印加やダイオード付加によるセルフバイアス等によって、定着フィルム13表面と加圧ローラ20表面との間に電位差を形成し、電界の力によってトナーを記録材P上に保持させることで後方トナー飛び散り現象を抑制できるのである。
このように、上記現象を抑制するためには、例えば定着フィルム13の表層が絶縁の離型層13cで被覆されていた場合、定着フィルム13表面と加圧ローラ20表面との間に電位差を形成させるために、加圧ローラ20表面側を導電化する必要がある。
しかしながら、定着フィルム13の離型層13cが絶縁でも表面に良導電性の基層13aを露出させてしまうと、加圧ローラ20表面と基層13a間でリークが発生しやすくなる。このため、定着フィルム13表面と加圧ローラ20表面との間に安定した電位差を形成することは難しい。そのため、加圧ローラ20表面と基層13a間のリークを防止して安定した電位差を形成させるためには、定着フィルム13の全長を延ばして、基層13aの露出部と加圧ローラ20表面との距離を広く取る必要がある。この場合、プリンター本体の幅が必然的に大きくなることから、プリンターサイズが大きくなるという弊害が生じてしまう。
そこで、本実施例の定着フィルム13は、良導電性の基層13a外周面の全域が絶縁性の離型層13cで覆われている構成であるため、加圧ローラ20表面との間で安定した電位差を形成できる。
したがって、本実施例の定着フィルム13は、実施例1の定着フィルム13と同様な効果を得ることができるとともに、加圧ローラ20表面との間で安定した電位差を形成できる。よって、本実施例の定着フィルム13は現状のプリンターサイズに適合可能となるのである。
本実施例では、定着フィルムの他の実施例を説明する。
本実施例の定着フィルム13は、図9に示すように、金属スリーブからなる基層13aの外周に弾性を有する弾性層13bを設け、この弾性層13bの外周に導電性を有する導電層13dを設けている。さらにこの導電層13dの外周に表層として離型性と耐摩耗性を有する離型層13cを設けたものである。すなわち本実施例の定着フィルム13は、基層13aと、弾性層13bと、導電層13dと、離型層13cと、を有する4つの層から構成されている。
導電層13dは、弾性層13bと離型層13c、或いは基層13aと離型層13cを接着させるプライマーを兼ねていてもよい。この導電層13dは、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド及びこれらの誘導体ならびにフッ素樹脂から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む材料からなる。そして、カーボン等の導電材の添加によって導電性を付加している。また塗布ムラと接着性の点から膜厚は1μm以上の厚みが必要であり、一方、クイックスタートを可能にするために膜厚10μm以下の厚みが必要である。この導電層13dの抵抗は基層13aの抵抗よりも低くなるように設定してある。
ここで、この定着フィルム13の端部外周面De部は、図9に示すように、基層13a上に弾性層13bが設けられておらず、基層13a上に設けられた導電層13dが定着フランジ15の内周面15a1と対向している。そのため、定着フィルム13の外径は、記録材Pと接触する離型層13cの接触面(幅Dc)部に比べて、定着フランジ15の内周面15a1と接触する端部外周面De部の方が小さい。また、定着フィルム13の外周面において接触面Dc部は、基層13a上に弾性層13bを有し、この弾性層13b上に導電層13dを介して離型層13cを有する層構成である。これに対し定着フィルム13の端部外周面De部は、基層13aの外周に導電層13dを有する層構成である。このため、端部外周面De部の表面硬度を接触面Dc部に比べて飛躍的に高くすることができる。
本実施例の定着フィルム13においても、定着フランジ15の内周面15a1に対し、硬く硬度ムラも少ない導電層13dの端部外周面De部を摺擦させながら回転させることができる。このため、定着フィルム13の回転を安定化することができる。
図9では、定着フィルム13の端部外周面De部は、定着フランジ15の内周面15a1に対して導電層13dが対向している状態を示した。しかし、弾性層13bを設けていない端部外周面De部において、定着フランジ15の内周面15a1に対し、離型層13c、導電層13d、基層13aのどれが対向しても構わない。
さらに、定着フィルム13において記録材Pと接触する接触面Dc部以外の領域に、導電層13dが基層13aと対向している部分を有する。このため、次のような効果も得ることができる。
上述したように、後方トナー飛び散り現象の抑制には、定着フィルム13表面、或いは加圧ローラ20表面の少なくともどちらか一方を導電化する。そして、外部からのバイアス印加やダイオード付加によるセルフバイアス等によって、定着フィルム13表面と加圧ローラ20表面との間に電位差を形成し、電界の力によってトナーを記録材P上に保持させることが効果的である。
ここで、記録材P上の未定着トナー像Tは、その全てが適度に加熱溶融されて、記録材P表面に定着されるのが理想的である。記録材P表面に、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的に不安定な状態のトナー等が存在すると、これらトナーは記録材Pに定着されずに記録材P表面と接する側の定着フィルム13に転移することがある。さらには記録材間等で加圧ローラ20表面に転移することがある。
定着フィルム13に上記転移トナーが付着した場合、画像形成中、定着フィルム13はトナー溶融温度に加熱され、上記転移トナーは溶融状態となっている。このため、次の記録材Pが定着ニップ部Nに到達した時に、その溶融状態の転移トナーがこの記録材P表面のトナー像と混ざり合って記録材P側に持っていかれたり、記録材間等で加圧ローラ20表面へ転移したりする。そのため、継続的に定着フィルム13が転移トナーにより汚れているという状態は存在しにくい。
一方、加圧ローラ20表面に上記転移トナーが付着した場合、加圧ローラ20は定着フィルム13と比べて温度が低いため、転移トナーは溶融しにくい状況にある。特に本実施例のフィルム加熱方式の加熱定着装置は、画像形成中以外に加圧ローラ20は加熱されず、温度が上昇しにくくいため、加圧ローラ20表面に付着した転移トナーはほとんど溶融しない。さらに、加圧ローラ20表面は記録材P表面のトナー像と接触しないため、次の記録材Pが定着ニップ部Nに到達した時に、転移トナーが記録材P側に持って行かれることは少なく、一旦、転移トナーが付着すると徐々に蓄積されてしまうことがあった。
このように、トナーが蓄積しやすい加圧ローラ20表面に、カーボン等の導電材を添加して導電化させてしまうと、さらに加圧ローラ20表面へのトナーの蓄積を助長してしまう可能性がある。このため、本実施例では、加圧ローラ20表面側を絶縁化させ、定着フィルム13表面と加圧ローラ20表面との間に電位差を形成するために、定着フィルム13表面側を導電化させている。
定着フィルム13の離型層13cは、離型性の確保のため導電材を大量に添加することができないので、導電性を有しているが抵抗は高めに設定している。そのため、離型層13cの表面全域に均一な電界を形成させるために、その下層に離型層13cよりも抵抗の低い導電層13dを配置している。
しかしながら、電界形成のために導電層13dへ外部からバイアス印加等を行なうためには、導電層13dに対し不図示の導電ブラシ等の電極と対向させる必要がある。
そのため、定着フィルム13としては、その外周面に記録材Pと接触する接触面Dc部、定着フランジ15の内周面15a1と接触する端部外周面De部の他に、導電層13dの露出部を設ける必要があり、定着フィルム15の全長を長くすることが余儀なくされる。この場合、プリンター本体の幅が必然的に大きくなることから、プリンターサイズが大きくなるという弊害が生じてしまう。
そこで、本実施例の定着フィルム13は、導電層13dよりもさらに抵抗の低い基層13aと対向し導通の取れる構成を有するため、不図示の導電ブラシ等の電極と対向させるのは導電層13dと同電位となる基層13aでも良いことになる。そのため、基層13aの内周面を電極と対向させバイアス印加等を行なうことで、加圧ローラ20表面との安定した電位差を形成することが可能となる。
したがって、本実施例の定着フィルム13も、実施例1の定着フィルム13と同様な効果を得ることができるとともに、加圧ローラ20表面との安定した電位差を形成できる。よって、本実施例の定着フィルム13も現状のプリンターサイズに適合可能となるのである。
〈その他〉
1)加熱体であるヒータ11はセラミックヒータに限られるものではなく、たとえば鉄板等の電磁誘導発熱部材等にすることもできる。
2)加圧部材の形態としては、本実施例における加圧ローラ20以外に、回動ベルト等の形態でも構わない。
3)本発明の像加熱装置は、加熱定着装置に限られず、仮定着する像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置等としても使用できる。
実施例1の定着フィルムの断面図である。 画像形成装置の概略模型図である。 加熱定着装置の横断面模型図である。 加熱定着装置の途中部分省略・一部切り欠き正面模型図である。 (a)は定着フランジの外観斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A線に沿う縦断面図である。 定着部材とメインフレームの嵌合関係図である。 実施例2の定着フィルムの断面図である。 改良した加熱定着装置に生じる後方トナー飛び散り現象の説明図である。 実施例3の定着フィルムの断面図である。 従来例の定着フィルムの断面図である。 比較例の定着フィルムの断面図である。
符号の説明
11・・・・・ヒータ、13・・・・・定着フィルム、20・・・・・加圧ローラ、15・・・・・端部フランジ、T・・・・・未定着トナー像、N・・・・・定着ニップ部、P・・・・・記録

Claims (1)

  1. 可撓性を有し、金属の基層の上に弾性層が形成されているフィルムと、前記フィルムの内周面と接触するヒータと、前記フィルムを介して前記ヒータと共にニップ部を形成する加圧部材と、前記フィルムの記録材搬送方向に直交する方向の端部の外周面を受ける内周面を有する外周規制手段と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、トナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記フィルムは記録材搬送方向に直交する方向の端部に前記弾性層が形成されていない部分を有し、前記フィルムの前記弾性層が形成されている部分の外周面は前記外周規制手段の前記内周面と接触せず、前記フィルムの前記弾性層が形成されていない部分の外周面は前記外周規制手段の前記内周面と接触することを特徴とする定着装置。
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