JP4942484B2 - 改良された感度および低バックグラウンドを備えるハイブリダイゼーションによるdna検出のための蛍光プローブ - Google Patents

改良された感度および低バックグラウンドを備えるハイブリダイゼーションによるdna検出のための蛍光プローブ Download PDF

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    • Y10T436/143333Saccharide [e.g., DNA, etc.]

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年10月28日出願の米国特許仮出願第60/515523号の35USC第119条e項に基づく利益を主張するものである。この開示は、参照によって本明細書に援用される。
(米国連邦政府が支援する研究または開発のもとで成された発明に対する権利に関する主張)
非適用。
(コンパクトディスクで提出された添付の「配列表」、表またはコンピュータプログラムに関する参照)
(技術分野)
DNAプローブ類は、配列の検出および定量のために確立されたツールである。配列検出の効率性および正確さは、そのプローブのハイブリダイゼーション特異性と感度とに依存する。蛍光は、そのハイブリダイゼーション事象を検出するための最も一般的な手段の一つである。核酸検出用の蛍光プローブ類を用いる方法は、インタクトのプローブ類のハイブリダイゼーションでトリガされた蛍光に基づくもの(たとえばMolecuar Beacon類、およびリニアプローブ類、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および米国特許出願第10/165410号参照)、あるいはクエンチングされていた蛍光が、DNAポリメラーゼによるプローブの分解によって発光されることに基づくもの(たとえばTaqMan、MGB−Taqmanを用いる方法類;尚、MGBはEpoch Biosciences社の商標である)のいずれかである。TaqManおよびMGB−TaqManを用いる方法類では、接近するDNAポリメラーゼの5’−エキソヌクレアーゼがフルオロフォアとクエンチャとの間でプローブを開裂し、それによって蛍光を放出させる。これらのタイプのプローブ類は、リアルタイムDNA増幅の検出に適している。前者のプローブ類は、増幅後の配列検出検出(走査プロット解析または熱融解)、あるいは固相フォーマットにおいても適用することができる。クエンチングされた蛍光プローブ類が固定化された固相に関しては、たとえば特許文献5および特許文献6において既に開示されており、核酸標的類の検出に使用されてきている。その開示されたハイブリダイゼーションプローブ類は、バックグランドに対するシグナル比が低かったり、ハイブリダオゼーション速度が遅く(非特許文献1)、バックグランドの蛍光(ハイブリダイズしていない状態での蛍光)が不安定で温度に依存したりするため、リアルタイム増幅に適用するには不適である。
米国特許第6030787号明細書 米国特許第6214979号明細書 米国特許第5925517号明細書 米国特許第5723591号明細書 米国特許第5876930号明細書 米国特許第6596490号明細書 Xiaohong Fangら、J.Am.Chem.Soc.1999年,第121巻:2921−2922頁
本技術において必要とされるのは、配列特異性が高く、感度(バックグランドに対するシグナル比)が改善され、バックグランドシグナルが安定で(温度に依存しない)、ハイブリダイゼーション速度類が速い新規のオリゴヌクレオチドプローブ類である。またそのプローブ類を多様な天然または非天然のヌクレオチド類および蛍光標識類で容易に調整することができ、しかも様々な長さのものを調製できることも必要とされている。本発明はそのようなプローブ類、さらにそれらの製法類および使用も提供する。
(発明の要旨)
一態様によれば、本発明は3’−末端および5’−末端を有するオリゴヌクレオチド部分とそのヌクレオチド単位の少なくとも1個と連結基を介してオリゴヌクレオチドと共有結合している副溝バインダー部分とフルオロフォアおよびクエンチャとを含むオリゴヌクレオチドプローブ類を提供し、そのプローブは以下の式を持つものである。
Figure 0004942484
この式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャ、Flはフルオロフォアであり、[A−B]はn単位の核酸オリゴマーを表わし、nは5−50の整数であり、Aは各々、独立して糖リン酸エステル主鎖、修飾糖リン酸エステル主鎖、ロックされた核酸(locked nucleic acid)主鎖、ペプチド主鎖、あるいは核酸調製で用いられるそれらの変異体からなる群から選択される核酸主鎖成分を表わし、Bは各々、独立して核酸塩基、修飾塩基または塩基類縁体を表わし、Kは結合または連結基であり、Wは(i)オリゴヌクレオチドプローブが相補的配列にハイブリダイズする際に形成される二重鎖副溝内にMBが結合し、(ii)ハイブリダイズしていない形では、オリゴヌクレオチドプローブ内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、(iii)オリゴヌクレオチドプローブがその標的配列にハイブリダイズする際にFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、MBとFlと[A−B]との間に充分な空間を提供する3価の連結基である。
いくつかの実施形態ではWは、ハイブリダイズされていない形では、オリゴヌクレオチド内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の約10%未満であるように、MBとFlと[A−B]との間に間隔をあけるものである。別の実施形態ではWは、以下に示した基から選択されるメンバーである。
Figure 0004942484
式中、qは0−8の整数であり、A、AおよびAは各々、主鎖の原子数が1−50の連結基類(たとえばアリール、アルキレン、置換アルキレン、ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、およびそれらを組合わせた基類)であり、波線はMB、Qおよび[A−B]部分との結合点を示す。
それ以外の実施形態では、nは6−18の整数であって、[A−B]部分は少なくとも3個の連続したグアニンヌクレオチドを含み、そのグアニンヌクレオチド塩基類の少なくとも1個がPPGによって置換されているものがある。好ましくは[A−B]部分がDNA、RNA、キメラ体、PNAまたはロックされた核酸である。さらに別の実施形態では、nは6−18の整数であり、標的配列に相補的であり、プローブの少なくとも30%がアデニン塩基とチミジン塩基とで占め、少なくとも1個の修飾塩基をプローブ内に含み、それは少なくとも1個の修飾塩基を含まないプローブと比較して、少なくとも3℃での二重鎖形成の安定性が増大するのに充分である。ある実施形態ではプローブは、少なくとも50%がアデニン塩基およびチミジン塩基で占められる標的配列と相補的であって、修飾塩基基類を含まないプローブと比較して、少なくとも5℃での二重鎖形成の安定性が増大するのに充分な修飾塩基類を含むものである。
関連した態様によれば、本発明は本明細書に記載のプローブ類を用いる方法類およびそのためのアレイ類を提供する。
ある関連した態様によれば、本発明は以下に示すポリヌクレオチド増幅の連続モニタリング法類を提供する。
(a)標的配列を含む試料を、その標的配列領域に相補的な1種または複数のオリゴヌクレオチドプライマー類、重合反応酵素、ヌクレオチド基質類、および
Figure 0004942484
で表されるオリゴヌクレオチド結合体と混合して混合物を得る。尚、式中、MBは副溝バインダ、Qはクエンチャ、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。
(b)その混合物を、対象のポリヌクレオチドの増幅に好適な諸条件のもとで温置する。
および
(c)増幅した標的に結合体がハイブリダイズする際に産生する蛍光をモニタリングすることで連続的に増幅をモニタリングする。いくつかの好ましい実施形態では、MB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択される。別の好ましい実施形態では、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロホアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類とボディピ(bodipi)類縁体類とからなる群から選択されるものである。さらに別の好ましい実施形態では、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。また別の好ましい実施形態では、結合体のODN部分はヌクレオチドの長さが8−25である。さらに別の好ましい実施形態では、結合体のODN部分はヌクレオチドの長さが8−18であり、Kが、C、O、N、S、PおよびSiからなる群から選択される10−50の主鎖原子長を有するリンカーである。
本発明の別の態様によれば、以下の内容を含む遺伝子発現モニタリング法類が提供される。
(a)異なる配列類のオリゴヌクレオチドプローブ類のアレイを準備する。
(b)ハイブリダイズ諸条件下でそのアレイとともにポリヌクレオチド群を温置する。
(c)アレイ内のオリゴヌクレオチドプローブ類のうち、どのプローブがポリヌクレオチド群とハイブリダイズするものかを判断する。
尚、オリゴヌクレオチドプローブ類の一種以上は、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体である。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がそれのクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。いくつかの好ましい実施形態では、MB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ(bodipy)類縁体類からなる群から選択されるものであり、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。別の好ましい実施形態では、結合体は固体支持体に結合している。
別の関連した態様によれば、本発明は単一ヌクレオチドが異なるポリヌクレオチド類を識別する方法類を提供し、その方法は以下の内容を含む。
(a)少なくとも2種のポリヌクレオチド類の各々を、別々に以下の式のオリゴヌクレオチド結合体と温置する。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がそれのクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるようにMBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。また結合体がハイブリダイゼーション諸条件下で所定の配列を持ち、ポリヌクレオチド類のうちの1種がオリゴヌクレオチド結合体に完全に相補的な標的配列を持ち、ポリヌクレオチド類のそれの少なくとも1種はオリゴヌクレオチド結合体と単一ヌクレオチドミスマッチを有する標的配列を持つものである。
および
(b)ポリヌクレオチド類の各々とオリゴヌクレオチド結合体とのハイブリダイゼーション強度を測定する。前述と同様に、ある好ましい実施形態では、MB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ(bodipy)類縁体類からなる群から選択されるものであり、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。
さらに別の好ましい実施形態では本発明は、別の一種または複数のポリヌクレオチド類の混合物内に存在し、標的配列と関連性があるが同一ではないポリヌクレオチド内の標的配列を検出する方法類を提供し、その方法は以下に内容を含むものである。
(a)ポリヌクレオチド類の混合物を、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体と接触させる。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。またこの結合体は、そのODN部分に完全に相補的である標的配列とのみ安定なハイブリッドを形成し、ほかのポリヌクレオチド類のいずれとも安定なハイブリッドを形成しないものである。
および
(b)ハイブリッド形成時に産生する蛍光を測定し、ハイブリッドの形成が認められれば標的配列の存在が示されるものとする。前述で述べたものを含めた好ましい実施形態では、特にMB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ(bodipy)類縁体類からなる群から選択されるものであり、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。
さらに別の関連した態様によれば、本発明は野生型、変異型およびヘテロ接合型の標的ポリヌクレオチド類を識別する方法類を提供し、その方法は以下の内容を含む。
(a)標的ポリヌクレオチドを含有する試料を、2種類のプローブと接触させる。その第一のプローブは野生型の標的ポリヌクレオチドに特異的であり、第二のプローブは変異型の標的ポリヌクレオチドに特異的であって、それらプローブの各々は以下の式を持つものである。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がそれのクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。またこの結合体は、そのODN部分に完全に相補的である標的配列とのみ安定なハイブリッドを形成し、ほかのポリヌクレオチド類のいずれとも安定なハイブリッドを形成しないものである。
(b)ハイブリッド形成時に産生する蛍光を測定し、ハイブリッド形成が認められると野生型、変異型およびヘテロ接合型の標的ポリヌクレオチド類の存在または非存在が分かる。この態様によれば、第一および第二のプローブ類とそれらの各標的との間で生じる各々のハイブリッドに関する融解温度(T)はそれぞれについて約5℃以内であることが好ましい。ほかの選ばれた実施形態では、プローブ類の各々のODN部分は8−18個の塩基または修飾塩基を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドである。さらに好ましくは、プローブ類の各々のODN部分は10−18の塩基または修飾塩基を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドである。また別の好ましい実施形態では、プローブ類の各々のフルオロフォア部分類は、5−FAMTM、6−FAMTM、TETTM、JOETM、HEXTM、VICTM、NEDTM、TAMRATM、ROXTMとYYTMとからなる群から選択されるか、あるいは本明細書に参照文書として取り上げられている米国特許仮出願第60/601599号に記載のホスホネートフルオロホアが代わりに挙げられる。さらに別の好ましい実施形態では、プローブ類の各々のODN部分は少なくとも1個の修飾塩基を含み、その修飾塩基は好ましくは6−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4(5H)−オン、4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1H−ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−4(5H)−6(7H)−ジオン、6−アミノ−3−プロピ−1−イニル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、6−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニ)ル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、6−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、4−アミノ−3−(プロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、3−プロピ−1−イニル−4,6−ジアミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、2−(4,6−ジアミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)エチン−1−オール、3−(2−アミノエチニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、5−プロピ−1−イニル−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、6−アミノ−5−プロピ−1−イニル)−3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−アミノプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、5−[4−アミノ−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル]−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−オール、6−アミノ−1−[4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、4−(4,6−ジアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)−ブチ−3−イン−1−オール、6−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、5−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミン、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミンおよび3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミンから選択される。さらに別の実施形態では、試料を増幅諸条件下で1連のプライマー類とさらに接触させる。尚、そのプライマー類の各々は、前述の修飾塩基類から選択される1−10個の修飾塩基を含むものである。
(発明の詳細な記載)
(定義および略)
以下(および前述)の反応スキームおよびその記載において、MB、FL、Q、CPGおよびODNの略語は各々、文脈から分かるように、「副溝バインダ」、「蛍光標識」または「フルオロフォア」、「クエンチャ」、「細孔制御ガラス」(固体支持体の例として)および「オリゴヌクレオチド」部位類または分子類を指すものである。ある式において、[A−B]群は、「n」個の塩基類(B)を有し、「n」個の糖類、修飾糖類またはアミノ酸類(A)の主鎖に沿って連結しているオリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチドまたはペプチド−核酸を指すのに用いられる。「プローブ」と「結合体」との用語類は互換的に用いられ、結合した副溝バインダ、フルオロフォアおよびクエンチャを持つオリゴヌクレオチドを指すものである。
「蛍光標識」または「フルオロフォア」という用語類は、約400−900nmの最大蛍光発光波長を持つ化合物類を指す。それらの化合物類には以下のものが挙げられる。尚、その最大蛍光放出波長nmを括弧内に示す。Cy2TM(506)、GFP(Red Shifted)(507)、YO−PROTM−1(509)、YOYOTM−1(509)、Calcein(517)、FITC(518)、FluorXTM(519)、AlexaTM(520)、Rhodamine110(520)、5−FAM(522)、Oregon GreenTM500(522)、Oregon GreenTM488(524)、RiboGreenTM(522)、Rhodamine GreenTM(527)、Rhodamine 123(529)、Magnesium GreenTM(531)、Calcium GreenTM(533)、TO−PROTM−1(533)、TOTO(登録商標)−1(533)、JOE(548)、BODIPY(登録商標)530/550(550)、Dil(565)、BODIPY(登録商標)TMR(568)、BODIPY(登録商標)558/568(568)、BODIPY(登録商標)564/570(570)、Cy3TM(570)、AlexaTM546(570)、TRITC(572)、Magnesium OrangeTM(575)、Phycoerythrin R&B(575)、Rhodamine Phalloidin(575)、Calcium OrangeTM(576)、Pyonin Y(580)、Rhodamine B(580)、TAMRA(582)、Rhodamine RedTM(590)、Cy3.5TM(596)、ROX(608)、Caicium CrimsonTM(615)、AlexaTM594(615)、Texas Red(登録商標)(615)、Nile Red(628)、YO−PROTM−3(631)、YOYOTM−3(631)、R−phycocyanin(642)、C−Phycocyanin(648)、TO−PROTM−3(660)、TOTO(登録商標)−3(660)、DiD DilC(5)(665)、Cy5TM(670)、Thiadicarbocyanine(671)およびCy5.5(694)が挙げられる。それ以外のフルオロフォア類としては、参照として本明細書に全体が援用されている国際公開第03/023357号および米国特許仮出願第60/601599号で開示されたものがある。
「リンカー」という用語は、分子の種々の部分を組立てる場合か、または固体支持体に分子(またはそのいくつかの部分)を共有結合させる場合に用いられる部分のことを指す。さらに付け加えると、リンカーには線状、つまり非環状の部分類、環状部分類、芳香族環類、あるいはそれらの組合わせのものが含まれる。
「反応性基」という用語は、少なくとも1個の求核性基または少なくとも1個の求電子性(反応性)基を持つ部分を指す。いくつかの場合、「反応性基」はその両方の基を含むこともあるが、そのような場合ではその一方または両方が、典型的には所望ではない反応を抑制するために保護基でブロックされている(T. W. GreeneとP. G. Wutsの以下の文献を参照)。求核性基類の例としては、−NH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−OHまたは−SHが挙げられる。求電子性反応性基類の例としては、活性化エステル基類、アクリルアミド類、アシルアジド類、ハロゲン化アシル類、アルデヒド類またはケトン類、ハロゲン化アルキル類、スルホン酸アルキルエステル類、酸無水物類、ハロゲン化アリール類、アジリジン類、ホウ酸エステル類、カルボン酸類、カルボジイミド類、ジアゾアルカン類、エポキシド類、ハロゲン化アセトアミド類、ハロゲン化トリアジン類、イミドエステル類、イソシアン酸エステル類、イソチオシアン酸エステル類、マレイミド類、ホスホルアミダイト類、ハロゲン化シリル類、スルホン酸エステル類およびハロゲン化スルホニル類が挙げられる。
「固体支持体」という用語は、オリゴヌクレオチド類の合成に適合しているか、または対合アッセイ類(DNAアレイ類のような)にふさわしいいずれの支持体も指すものであって、たとえばガラス、細孔制御ガラス、ポリマー素材類、ポリスチレンビーズ類、表面被覆化ガラス等が含まれる。
「アルキル」という用語は、用語の前に示された数の炭素原子を持つ環状および直鎖状または分岐状の1価の飽和炭化水素基、あるいは環状および直鎖状または分岐状の1価の飽和炭化水素基類が組合わされたものを指す。たとえば(C−C)アルキルといえば、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル等が挙げられる。本明細書で定義される各々(たとえばアルキル、アルケニル、アルコキシ、アラールキルオキシ)については、アルキル部分における主鎖の炭素原子数が先頭に表示されない場合、その基または部分は8個またはそれより少ない炭素原子数の主鎖を持つものとされよう。「ヘテロアルキル」という用語は、先頭に表示された炭素原子数を持ち、炭素原子類間に配置された1−3個の複素原子類を持つ線状、分岐状、または飽和環状の1価の基、あるいは環状および線状または分岐状の1価の飽和炭化水素基類が組合わされたものを指す。
「アルキレン」という用語は、先頭に表示された炭素原子数を持つ飽和線状の2価の炭化水素基または飽和分岐状の2価の炭化水素基を意味するものである。たとえば(C−C)アルキレンとはメチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン等を含めるという意味である。「ヘテロアルキレン」という用語は、鎖内に1−5個の複素原子類(たとえばO,N,S,PおよびSi)が割り込んだ、表示された炭素原子数を持つアルキレン基のことを指す。
「アルケニル」という用語は、先頭に表示された炭素原子数を持ち、少くなくとも1個の二重結合を含んだ線状の1価の炭化水素基または分岐状の1価の炭化水素基を指す。たとえば(C−C)アルケニルとはエテニル、プロペニル等が含まれるという意味である。
「アルキニル」という用語は、先頭に表示された炭素原子数を持ち、少なくとも1個の三重結合を含んだ線状の1価の炭化水素基または分岐状の1価の炭化水素基を指す。たとえば(C−C)アルキニルとはエチニル、プロピニル等が含まれるという意味である。
アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレンおよびヘテロアルキレン基類に対して存在する場合の置換基類には様々なものがあって、ハロゲン、オキソ、チオノ、−OR’、−OC(O)R’、−NR’R’’、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R’’−C(O)R’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、ペルフルオロ(C−C)アルコキシおよびペルフルオロ(C−C)アルキルから選択され、その置換基数は1−4個である。尚、前述のR’、R’’およびR’’’は独立して、H、(C−C)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換化アリ−ルおよびヘテロアリール、(非置換アリール)−(C−C)アルキル、および(非置換アリール)オキシ−(C−C)アルキルから選択される。
「アリール」という用語は、非置換または独立した1−6個の置換基を持つ6−14員環の1価または2価(たとえばアリーレン)の、単環、二環または三環の芳香族炭化水素基を意味し、置換基を持つ場合は1,2または3個が好ましく、以下に挙げた基類から選択されるものが良い。また「アリール」という用語は、前述の基類の芳香性を残しながらもその環を構成する炭素原子類が1個または複数の複素原子類または複素原子官能基類で置き換わった基類も含めた意味を持ち、たとえばピリジル、キノリニル、キナゾリニル、チエニル等が挙げられる。さらに特定の意味では、「アリール」という用語は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、チエニルおよびベンゾチアゾリル、アクリジニル、およびそれらの置換型を含めるものであるが、必ずしもそれらに限定されない。
アリール基類に対する置換基類には様々なものがあって、ハロゲン、−OR’、−OC(O)R’、−NR’R’’、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R’’−C(O)R’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NH−C(NH)=NH、NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−N、−CH(ph)、ペルフルオロ(C−C)アルコキシおよびペルフルオロ(C−C)アルキルから選択され、その芳香環系での置換基数は、0からその開殻の原子価の数までである。尚、前述のR’、R’’およびR’’’は独立して、H、(C−C)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換化アリ−ルおよびヘテロアリール、(非置換アリール)−(C−C)アルキル、および(非置換アリール)オキシ−(C−C)アルキルから選択される。
そのアリール環またはヘテロアリール環の隣接した原子類における置換基類のうちの2個は、式−T−C(O)−(CH−U−の置換基と置き換わる場合もあり、その式中のTおよびUは独立して−NH−、−O−、−CH−または単結合であって、qは0−2の整数である。あるいはアリール環またはヘテロアリール環の隣接した原子類における置換基類のうちの2個が、式−A−(CH−B−の置換基と所望により置き換わるものがあり、その式中のAおよびBは独立して−CH−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−または単結合であって、rは1−3の整数である。そのように形成された新たな環の単結合類のうちの1個は、所望により二重結合と置き換わる場合もある。あるいはアリール環またはヘテロアリール環の隣接した原子類における置換基のうちの2個が、式−(CH−X−(CH−の置換基と所望により置き換わるものがあり、その式中、sおよびtは独立して0−3の整数であって、Xは−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−S(O)NR’−である。尚、その−NR’−および−S(O)NR’−中の置換基R’は、ハロゲンまたは非置換(C−C)アルキルから選択されるものである。その上さらに、アリ−ル環類(以下のArおよびAr)のうちの1個がさらに別の置換化アリール基で置換されてその芳香系の共鳴能を拡張させることもでき、それによって波長の最大吸光度が増大する。尚、その場合の置換化は直接なされるか、あるいは−(CR’=CR’)−および−(C≡C)−のような基類を介して成され得るものであって、その式中のnは0−5の整数である。
置換基を記載する際に用いられる先頭に付く「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、−F、−Cl、−Brおよび−Iを指す。
本発明のある化合物類またはオリゴヌクレオチド類は、塩の形で存在する場合もある。そのような塩類には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、またはマグネシウム塩、あるいは同様な塩のような塩基付加塩類が含まれる。本発明の化合物類または修飾オリゴヌクレオチド類が比較的塩基性が強い官能基類を含有する場合、その酸付加塩類は、そのもとの中性型の化合物を充分な量の所望の酸と直接または適当な不活性溶媒中で接触させて得ることができる。許容される酸付加塩類の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、重炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などのような無機酸類から得られる塩類、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等のような有機酸類から得られる塩類が挙げられる。またアルギニン塩等のようなアミノ酸類の塩類も含まれ、グルクロン酸またはガラクツロン酸等のような有機酸類の塩類も含まれる(たとえばBerge,S.M.ら、”Pharmaceutical Salts,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1−19参照)。本発明のある特定の化合物類には、その塩基付加塩類または酸付加塩類のいずれかに変換することが可能な塩基性官能基および酸性官能基の両方を含有するものもある。
それら化合物類の中性型類は、その塩を塩基または酸と接触させ、その親化合物を通常の手段で単離して再生させる場合もある。その親化合物の型は、極性溶媒類中での溶解性のような物理諸特性においては種々の塩型類とは異なるものではあるが、そのほかの全ての点では、それら塩類は本発明の目的にとってその親の型の化合物と同等なものである。
本発明のある化合物類は、非溶媒和物類の状態で、並びに水和物類を含めた溶媒和物の状態でも存在することができる。一般に溶媒和の状態のものは、非溶媒和物の状態のものと同等であって本発明の範囲内に含まれるものである。本発明のある化合物類は、多結晶または無定形の状態で存在する場合がある。一般に本発明が目的とする使用では、全ての物理的形態類は同等であり、本発明の範囲内にあるものとする。
本発明のある化合物類は、不斉炭素原子類(光学活性中心)または二重結合類を持ち、それらラセミ体類、ジアステレオ異性体類、幾何異性体類および個別の異性体類は、本発明の範囲に全て含まれるものである。異性体類立体の化学的測定法類および分離法類は、当業者によく知られている(“Advanced Organic Chemistry”, 4th edition J. March, John Wiley and Sons, New York, 1992の第4章内の議論部分を参照)。
本発明の化合物類は、その化合物類を構成する1個または複数の原子類において原子の同位体比類が天然の場合とは異なるものを含有する場合もある。たとえば化合物類がトリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)のような放射性同位元素で放射性標識化される場合もある。本発明の化合物類の全ての同位体性変異体類は、放射活性がある場合または無い場合(たとえばH)でも、本発明領域内に含まれるものである。
「保護性基」または「その保護された基」とは、分子マスク内の活性基に結合するとその反応性を低下させるか、または防ぐ原子群のことを指す。保護性基類の例としては、T. W. Greene and P. G. Wuts, “Protective Groups in Organic Chemistry”, (Whiley, 2nd ed. 1991)およびHarrison and Harrisonら、Compendium of Synthetic Organic Methods, Vols. 1−8(John Whiley and Sons. 1971−1996)に見出すことができる。代表的なアミノ酸保護性基類には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、t−ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル(TMS)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換化トリチル基類、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ニトロ−ベラチルオキシカルボニル(NVOC)等が含まれる。代表的なヒドロキシ保護性基類には、ヒドロキシ基がアシル化されるかまたはアルキル化される場合のもの、たとえばベンジルおよびトリチルエーテル類、並びにアルキルエーテル類、テトラヒドロピラニルエーテル類、トリアルキルシリルエーテル類およびアリルエーテル類、が含まれる。一般に好ましい保護性基類は、酸性の諸条件または塩基性の諸条件のもとで除去可能なもの、あるいは特別な光源(たとえば「感光性」保護性基類)の使用によって除去可能なものである。さらに加えて、適切な保護性基の選択はその分子におけるほかの機能を考慮して行われるもので、それによって保護性基の着脱によるその分子の残り部分への干渉またはそれ以外の重大な影響がなくなる。
前述の定義の部分で用いられた「所望の」または「所望により」とは、そのあとに説明される事象または状況が生じるのに必ずしも必要ではないことを意味し、その事象または状況が生じる場合、あるいは生じない場合の事例を含めた記述を意味するものである。たとえば「アリールが、所望によりアルキル基と共に、1個または2個置換した」とは、アルキル基の存在が必ずしも必要ではないという意味であって、アルキル基と共にアリール基が1個または2個置換した諸状況、およびアリール基がアルキル基と共には置換しない諸状況を含めた記述を意味する。
本発明の実施には、別に示す場合を除いて、有機化学、生化学、オリゴヌクレオチドの合成および修飾、バイオ結合体化学、核酸対合、分子生物学、微生物学、遺伝学、組換えDNA、および本分野の技術中に存在するような関連領域における従来技術を用いることになろう。これらの技術類については、文献で充分に説明されている。たとえばSambrook, Fritsch & Maniatis, “MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL”, 2nd. Ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989); Ausubelら、“CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY”, John Wiley & Sons (1987, 1988, 1989, 1990, 1991, 1992, 1993, 1994, 1995, 1996); Gait(ed.), “OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS: A PRACTICAL APPROACH”, IRL Press (1984); Eckstein(ed.), “OLIGONUCLEOTIDES AND ANALOGUES: A PRACTICAL APPROACH”, IRL Press (1991)を参照のこと。
「EclipseTMプローブ」という用語は、一般的にはMB−Q−5’−ODN−Flプローブのことを指す。そのMBリガンドとは、ジヒドロピロロインドール−カルボン酸トリアミドのことである。これに対して、「TaqMan(登録商標) MGBTMプローブ」とは、MB−Q−3’−ODN−Flプローブのことである。EclipseTMおよびMGBTMは、Epoch Biosciences, Inc., Bothell, WAの商標であり、TaqMan(登録商標)は、Applied Biosystems, Inc., Foster City, CAの登録商標である。
(全般)
副溝バインダ・オリゴヌクレオチド結合体類(または「プローブ類」)は、最近になって記載された(国際公開第99/51621号参照)。これらの結合体類は、相補的なDNAと超安定化二重鎖を形成するものである。特に短いMBプローブ類の配列特異性は、PCRのような高温での諸適用に優れている。国際公開第03/062445号で開示された5’−副溝バインダ−クエンチャ−オリゴヌクレオチド−フルオロホア(MB−Q−5’−ODN−Fl)プローブ類は、7桁の大きさのダイナミックレンジを示し、リアルタイムPCR増幅反応類において、試料あたり5コピー超の最終感度を持つものである。大変驚きべきことに、一方の末端に副溝結合性フルオロホア基を、およびもう一方の末端にクエンチャを含有するプローブ類は、国際公開第03/062445号のプローブ類と比較して感度が改善され、バックグランドシグナル(非対合状態のプローブの蛍光)が有意に低下し、特に蛍光原性2’−リボデオキシヌクレオチド類を用いるアッセイ法類に有用であることが認められる。これらのプローブ類は、図1に示されるように、相補的な標的に対合すると蛍光を発し、国際公開第03/062445号に記載のプローブ類(図3)と比較してバックグランドシグナルが1/10−1/50の低さである。さらに本発明のプローブ類は、国際公開第03/062445号に記載のプローブ類(図4参照)と比較して(温度依存性の)バックグランドシグナルの安定性が有意に高い。この特性は、PCR後の一塩基多型解析のような融解プロフィール解析に伴う適用に特に有用であるものである。
5’−MB−クエンチャ基が均一増幅中にTaqポリメラーゼによる5’−ヌクレアーゼ消化を防ぐということは、以前から知られていたことである。本新規プローブ類は、MB−Fl−が5’末端で結合すると、同様な5’−ヌクレアーゼ抵抗性を持つものである。それゆえ本新規プローブ類は、5’−ヌクレアーゼ抵抗性が必須であるアッセイ類で用いることができる。3’−MB−Flプローブ類は、シグナル生成のためにはプローブの部分的または完全な分解が必要とされるTaqManのようなアッセイで用いることができる。5’−および3’−MB−Fl−ODN−Qのいずれも、非リアルタイム/ポストPCRアッセイ類で用いることもできる。さらに固相ベースのアッセイ類(DNAアレイ類のような)にも、本発明のプローブ類は適用される(図2)。
本発明のMB−Fl−ODN−Qプローブ/結合体類は、プローブが非対合状態では少なくとも1種の一本鎖高次構造で存在するように構築されているものである。非対合状態のランダムコイル型においては、クエンチャとMBとは、フルオロホアの蛍光を失わせるのに充分なほどフルオロフォアに近づいている。本プローブ類は、副溝バインダ(図5a)とクエンチャ(図5b)との両方が蛍光クエンチングに関係するようにも構築されるものである。
本プローブ/結合体類には、標的ポリヌクレオチド対合時に、MBがDNAの副溝内に隠れ、クエンチャがフルオロフォアの蛍光をクエンチングするのに充分なほどにはフルオロフォアに接近して配置できないような高次構造が採用されている。これらの対合および非対合の高次構造を採用することによって、本プローブは、ハイブリダイズした状態とハイブリダイズしていない状態とで実質的に異なる蛍光シグナル強度類を示すものである。その結果として、本プローブがその蛍光強度の変化に基づいて対合状態なのか、または非対合状態なのかを決定することができ、そのようなプローブ類の使用によって、均一系アッセイ類(PCR増幅反応のような)または不均一系アッセイ類(DNAアレイ類のような)における核酸標的類の標的検出が可能になる。
本発明の副溝バインダ−フルオロホア−オリゴヌクレオチド−クエンチャの結合体類は、線状の配列(式MB−Fl−ODN−Qで提示されるように)、あるいは分岐状の配列で存在することが可能であり、後者ではフルオロホアと副溝バインダとが、ODN、FlおよびMBを連結させる1個の連結基に結合しているものである。それら配列類の各々は、線状状態の略号(MB−Fl−ODN−Q)が用いられる場合を含めた意味を持つ。さらに、MB部分とFl部分とがオリゴヌクレオチド末端の一方に結合る場合に、クエンチャ部分はもう一方の末端に結合することができるか、あるいは本結合体のクエンチング機構が干渉されないような長さでオリゴヌクレオチドの内部に連結配置される。一般的にこれは適した連結基(以下の実施例参照)の使用、あるいは5−アミノプロピルウリジンのような塩基リンカー類の使用によって達成することができる。その結果、本発明は、ODNとQとの間の連結基類がクエンチャとフルオロホアとの間の適当な分離距離類を提供するように選択される一方で、オリゴヌクレオチド部分の対合能類も損わない、いくつかの好ましい実施形態類を提供する。
前に示したように、本発明の結合体類(またはプローブ類)は、対合に基づく多様な検出アッセイ類に有用であるが、PCRを介してしばしば実施されるオリゴヌクレオチド増幅の「リアルタイム」検出において特に有用性が見出されるものである。さらには、本発明のプローブ類および結合体類は、標的オリゴヌクレオチド類の増幅後の検出にも有用である。
(実施形態の説明)
(プローブ類および結合体類)
前述の見解では、本発明は、最も一般的にはMB−Fl−ODN−Qで示されるプローブ類または結合体類、一面ではオリゴヌクレオチドプローブ類(またはオリゴヌクレオチド結合体類、以後本明細書では「プローブ類/結合体類」「プローブ類」または「結合体類」と記す)ともいえる、を提供するものである。前述のように、プローブ類の線状での表記は、副溝バインダおよびフルオロホアまたは蛍光放出化剤がオリゴヌクレオチド部分の一方の末端に結合し、クエンチャがオリゴヌクレオチド部分のもう一方の末端に結合していることを示すことを意味するものである。これらの共有結合したいずれの部分類についても、接続は直接か、連結基を介してのどちらも可能である。多くの実施形態では連結基類は、提供するものが好ましい。また相互作用性部分類(たとえばフルオロホアおよびクエンチャ)間、あるいは反応性部分類(たとえばプローブが標的配列に対合することによって形成される副溝内に、非共有結合する意味での副溝バインダ類)の間に充分な空間を提供するものが好ましい。
プローブ類および結合体類に関する本明細書に記載の成分類の大部分は、関連出願類(たとえば米国特許第6339147号、第6486303号および第6472153号、並びに国際公開第01/64958号および国際公開第03/062445号参照)に既に記載されているものであるが、本発明に有益な効果がもたらされるのに用いられる組立て順および連結基類は、空間的な関係および柔軟性に対する新たな基準を示すものである。
それにより、一群の実施例ではMB−Fl−ODN−Qプローブまたは結合体は、以下の式で表される。
Figure 0004942484
式中のMBは副溝バインダ、Qはクエンチャ、Wは三価の連結基、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾化オリゴヌクレオチド、Kは結合または連結基、およびFlはフルオロフォアである。
さらに特別の場合では、Kが連結基である場合、一般的にはC,O,N,S,PおよびSiから選択される1−50個の主鎖原子類(連続的なライン内に加わるODN成分とQ成分との間の原子類のみを、但し全ての環原子類、を含め、側鎖の原子類または基類を除いて、数える)を持つものであろう。連結基Wは一般には、C,O,N,S,PおよびSiから選択される主鎖原子の数が約3−100の三価のリンカーを示すものであろう。さらにWは、分岐状脂肪族鎖、ヘテロアルキル鎖、1個または複数の置換化環構成体、あるいはそれらの組合わせを含むことができる。いくつかの実施形態ではWは、分岐状の官能基含有の連結基類を持つか、あるいは持たないアミノ酸のような三官能性部分のことを示す。したがって、Wが連結基として提供されても、いくつかの実施形態ではWは、Flの一部とみなされる場合がある基であろう。その連結基類の各々は、ほかの成分類と同じく、以下においてさらに詳細に議論されるであろう。
さらに好ましい一群の実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブ/結合体は以下の式を有するものである。
Figure 0004942484
式中、MB、W、KおよびFlは前述の意味を持つものであり、[A−B]は核酸オリゴマー(たとえばDNA、RNA、PNAまたはそれらのいずれかを組合わせたものであって、修飾塩基類または修飾糖類を持つものも含める)を示し、そのAは核酸調製の際に用いられる糖リン酸エステル主鎖、修飾糖リン酸エステル主鎖、ロックされた核酸主鎖、ペプチド性主鎖またはそれらの変異体を示し、Bは以下でさらに詳しく述べるような核酸塩基、修飾塩基または塩基類縁物質を示す。下付きのnは約3−約100の整数、好ましくは6−約50の整数、さらに好ましくは8−約25の整数である。
式IIに戻って、Qは式Ar−(U=U−Ar−N=N−Arのことである。そのAr、ArおよびArは、アリール基類を示す。Qはアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等のような少なくとも1種の強力な電子供与基、とニトロ、シアノ、カルボニル、カルボキシ、スルホニル、トリフルオロメチル等のような少なくとも1種の強力な電子吸引基とを持つものである。Ar、ArおよびArについては、さらにアルキル、シクロアルキル、アリール、置換化アリールやハロゲンが置換したものも含めることができる。下付きのzは0または1、好ましくは0である。zが1である時、Uは独立して、CH、C(R)とNとから選択され、そのRは(C−C)アルキル基である。またKは、直接または置換基類を介してAr、ArまたはArのうちの1個と接続する。Ar、ArおよびArの各々に対応するアリール基類は、好ましくはフェニル基類である。
さらになお好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブ/結合体は以下の式を持つものである。
Figure 0004942484
式中、Ar、Ar、W、K、Fl、A、Bおよび下付きのnは、前に挙げた意味を持つものであり、R,R,R,R,RおよびRは、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、OR、N(R、N(R、SR、COR、CO、CON(R、(CH0−6SO 、(CH0−6CO 、(CH0−6OPO −2およびNHC(O)(CH0−6CO 、およびそれらのエステル類並びに塩類から選択される置換基類を示し、各々のRは独立して、Hまたは(C−C)アルキルである。またRはH、またはC,N,O,PとSとから選択される1−30個の原子類を持つ環状、非環状またはそれらを組合わせた基(典型的には固相合成で用いられる連結基の足跡部分)であって、可能な価数を満たす付加ハロゲン原子類を持つものである。またQは前述の意味を持つものである。
またさらになお好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブ/結合体は以下の式を持つものである。
Figure 0004942484
式中、W,K,Fl,A,Bは前述の意味を持つものであり、R、RおよびRは電子吸引基を示し、RおよびRはH、またはハロゲン、アルキル、オキシアルキル、アルキルオキシを示し、Rはアルキルまたはヒドロキシアルキルを示し、下付きのnは1−20の整数である。特に好ましい実施形態では、R=NO;R=Cl;R=R=R=H;R=CH;およびY=5である。
特に好ましい一群の実施形態では、WとKとのリンカー類は以下の式を持つものである。
Figure 0004942484
式中、a、b、c、dおよびeは各々、MBリガンド、フルオロホア、ODN両末端およびクエンチャに対する連結点である。
前述の基類について、ある好ましい実施形態では、KおよびWはプローブ/結合体に対して特に蛍光が増強するように選択され、プローブのオリゴヌクレオチド部分の長さに依存するであろう。よって18員またはそれ以上のヌクレオチド類(修飾ヌクレオチド類または類縁体類を含めての)を有するプローブ類に対しては、Kは単結合または約20原子長までの連結基であり得る。さらに好ましくは、Kはプロリノールである。特に好ましい実施形態では、Kは式IVcのような置換プロリノールリンカーである。約18員未満のヌクレオチド類(修飾ヌクレオチド類または類縁体類を含めての)を有するオリゴヌクレオチド結合体類に対しては、さらに長い(たとえば15,20,30,40またはそれ以上の主鎖原子長)の基が好ましい。
また式Iで挙げたように、Wは三官能性の連結基を示す。よって5員またはそれ以上のヌクレオチド類(修飾ヌクレオチド類または類縁体類を含めての)を有するプローブ類に対しては、ODN、FlとMBとの間に適当な結合、Wには柔軟性および間隔設定を提供するための多様な構造体類が含まれ得る。Wは、C,N,S,P,SiおよびOから選択される約100原子長までの連結基であり得、可能な価数を満たす付加水素原子類を含むものである(以下にさらに詳しく議論する)。
それ以外の好ましいプローブ類または結合体類は、式I,II,IIIa、およびIIIb、並びにIVの各々において、そのODN部分が3個またはそれ以上の連続したグアニン塩基類から選択され、そのグアニン塩基類の少なくとも1個が修飾塩基、好ましくはPPGに置き換わった場合のものである。なおいっそう好ましくは、ODN部分はRNA,キメラ体、PNAまたはロックされた核酸である。
さらにそれ以外の好ましいプローブ類または結合体類は、式I,II,IIIaおよびIIIb、並びにIVの各々において、そのODN部分がAとTとの塩基類を30%またはそれ以上持つ標的配列に相補的なものから選択され、そのODNが少なくとも約3℃での二重鎖(プローブ/標的対合体)の安定性を増大させるのに充分な少なくとも1個の修飾塩基を含有する場合のものである。さらに好ましくは、そのOND部分がAとTとの塩基類を50%またはそれ以上持つ標的配列に相補的なものから選択され、そのODNが少なくとも約5℃での二重鎖(プローブ/標的対合体)の安定性を増大させるのに充分な修飾塩基類を含有する場合である。なおさらに好ましくは、ODN部分がDNA、RNA、キメラ体、PNAまたは固定化核酸である場合である。
本発明のプローブ類および結合体類は、当業者に知られた固相法類を用いて一般的には調製されるものである。その組立ては、5’側から3’側への方向、あるいは3’側から5’側への方向のいすれかで行なうことができ、たとえばODNモノマー類、フルオロフォア類、クエンチャ類および副溝バインダ類を結合させるのに適したホスホルアミダイト試薬類を用いて行なうことができる。別な組立て法類には、たとえばエステル結合類、アミド結合類、ジスルフィド結合類、エーテル結合類、チオエーテル結合類等を調製するためのよく知られた官能基縮合反応法が含まれる。一般的に出発物質類は市販されているものであるか、あるいはそれらから、たとえばMarchら、“ADVACED ORGANIC CHEMISTRY−Reactions, Mechanisms and Structures”, 4th ed., John Wiley & Sons, New York, NY, (1992)に記載の、適当な官能基操作類を用いるなどする、簡単な方法で調製することができるものである。
本発明のプローブ類/結合体類についてのさらに一般的な規定に立ち戻ると、以下の議論は、本明細書で用いることが可能なタイプのオリゴヌクレオチド類、クエンチング剤類またはクエンチャ類、副溝バインダ類、フルオロフォア類および連結基類を例示するものである。
(オリゴヌクレオチド類および修飾オリゴヌクレオチド類)
オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよび核酸という用語類は相互互換的に、修飾ヌクレオチド類または非天然に生じるヌクレオチド類を含有するポリマー類を含めた一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNA(またはその両方)ポリマー類のことを指すのに用いられるか、あるいはそれらを含めたDNAまたはRNAと安定な塩基対を形成することが可能なそのほかのいずれものタイプのポリマー類のことを指すのにも用いられるが、それらに限定されることなく、さらにNielsenらがScience 254: 1497−1500(1991)に発表したペプチド核酸類、ビシクロDNAオリボマー類(Bolliら、Nucleic Acids Res. 24:4660−4667(1996))およびそれらの関連構造体類も指す場合がある。本発明の結合体類の一つの実施形態では、MB部分とフルオロホアとはオリゴマーの5’末端で結合していて、クエンチング剤類は3’末端で結合している。
本発明において好ましいのは、一本鎖であって長さが100ヌクレオチド類またはそれ以下、より好ましくは50ヌクレオチド類またはそれ以下、さらになお好ましくは30ヌクレオチド類またはそれ以下、最も好ましくは20ヌクレオチド類またはそれ以下の長さであって下限が約5ヌクレオチド類の長さであるDNAオリゴヌクレオチド類である。
フルオロフォア/クエンチャ含有のオリゴヌクレオチド結合体類と副溝バインダとを組合わせたものは、天然に生じる塩基類であるアデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルに加えて、一種または複数の修飾塩基類も含む場合がある。修飾塩基類とは、1個または複数の官能基類の付加または欠失、複素環構造の違い(即ち複素原子による炭素原子の置換、またはその逆)および/または塩基への1個または複数のリンカーアーム構造体類の結合によって、天然に生じる塩基類とは異なる塩基類とみなされるものである。好ましい修飾ヌクレオチド類は、ピリミジン構造またはプリン構造をベースとするものであり、後者の場合さらに好ましくは7−デアザプリン類およびそれらの誘導体類、並びにピラゾロピリミジン類(国際公開第90/14353号に記載)であって、米国特許第6127121号に記載のものも挙げられる。ユニバーサルおよび非識別性の塩基類は、共同出願中の米国特許出願第60/508792号(全面的に参照文献に編入)に記載されている。
本発明において用いるのに最も好ましい修飾塩基類には、グアニン類似体である6−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4(5H)−オン(ppGまたはPPG、Super Gとも略される)、およびアデニン類似体である4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(ppAまたはPPAと略される)が含まれる。またキサンチン類似体である1H−ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−4(5H)−6(7H)−ジオン(ppX)も用いることができる。3−プロピ−1イニルピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、(NHPPPA、も本発明で用いるのに好ましい別の修飾塩基として示される。これらの塩基類似体類は、オリゴヌクレオチド内に存在すると、対合反応を強化し、識別ミスマッチを改善するものである。天然に生じる塩基類、修飾塩基類および塩基類似体類の全ての互変異性型類は、本発明のオリゴヌクレオチド結合体類に含まれる場合があるものである。本発明において有用なそのほかの修飾塩基類には、6−アミノ−3−プロピ−1−イニル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、PPPG;6−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロキシピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、HOPPPG;6−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1イニル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、NHPPPG;4−アミノ−3−(プロピ−1−イニル)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、PPPA;4−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、HOPPPA;4−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、NHPPPA;3−プロピ−1−イニルピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、(NHPPPAOH;3−(2−アミノエチニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、(NHPPPANH;5−プロピ−1−イニル−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、PU;5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、HOPU;6−アミノ−5−プロピ−1−イニル−3−ジヒドロピリミジン−2−オン、PC;6−アミノ−5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−アミノプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、HOPC;6−アミノ−5−(3−アミノプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、NHPC;5−[4−アミノ−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル]−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−オール、CHOPPPA;6−アミノ−1−[4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、CHOPPPG;4−(4,6−ジアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)−ブチ−3−イル−1−オール、Super A;6−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;5−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、Super T;3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン((NHPPAI);3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン((NHPPABr);3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン((NHPPACl);3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミン(PPAI);3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミン(PPABr);および3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミン(PPACl)が挙げられる。いくつかの実施形態では、前記の修飾塩基にはユニバーサル塩基類も含まれる場合がある。ユニバーサル塩基については、いずれも参考文献に取り上げられているが、Loakes, Nucl. Acids Res., 29: 2437−2447(2001); Wuら、JACS, 22:7621−7632(2000)およびSeelaら、Nucl. Acids Res.、28:3224−3232(2001)で公表されたものが含まれる場合がある。
別の好ましい一群の実施形態では修飾塩基類は、ブローブ内に直接、または式VおよびVIを有するホスホルアミド類のうちの1種を用いて間接的に導入して用いられる。
Figure 0004942484
式中、Aは、フルオロフォア類、クエンチャ類または副溝バインダ類を含めた基から選択されるリガンドである。RおよびRは各々独立して、H,NHおよび保護化アミノ基からなる群から選択され、RはH,FおよびORmlからなる群から選択される構成メンバーであって、そのRmlはH,(C−C)アルキルおよびヒドロキシ保護性基とからなる群から選択される構成員である。またRはHと(C−C)アルキルからなる群から選択される構成メンバーであるか、あるいは所望によりO,SおよびNからなる群から選択される1−3個の複素原子類を有する5−7員環を形成するようにRと結合しているものである。RはOH、保護化ヒドロキシ基およびO−Pからなる群から選択される構成員であって、そのPはホスホルアミダイトまたはH−ホスホネート基である。またRはOH、保護化ヒドロキシ基およびO−Pからなる群から選択される構成員であって、そのPはホスホロアミダイト、H−ホスホネート、モノホスフェート、ジホスフェートまたはトリホスフェートである。またRは、C,H,N,O,SおよびPから選択される主鎖原子数約2−30のリンカーであって、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルキニルおよびアリール基類を単独または組合わせて含有することも可能なものである。
前記の修飾塩基類に付け加えて、本発明のオリゴヌクレオチド類は、全てのヌクレオチド間結合類が天然に生じるホスホジエステル結合類である糖主鎖すなわちグリコシド部分類、好ましくは2−デオキシリボフラノシド類を含むことができる。しかしながら代替の実施形態では、2−デオキシ−β−D−リボフラノース基類がほかの糖類、たとえばβ−D−リボフラノースに置き換わっている。さらにβ−D−リボフラノースは、そのリボース部分の2位のOHがC1−6アルキル基またはC2−6アルケニル基ででアルキル化された状態(2−(O−C1−6アルキル)リボースまたは2−(O−C2−6アルケニル)リボース)、あるいはフルオロ基に置き換わった状態(2−フルオロリボース)で存在する場合もある。本発明において有用な関連するオリゴマー形成性糖類には、「ロック化」したもの、即ち4’位のC、と2’位のCにある酸素原子との間にメチレン架橋を持つものが挙げられる。オリゴヌクレオチドの対合に適合性のあるそのほかの糖部類については当業者に知られており、α−D−アラビノフラノシド類、α−2’−デオキシリボフラノシド類または2’,3’−ジデオキシ−3’−アミノリボフラノシド類が挙げられるが、それらに限定されない。α−D−アラビノフラニシド類を含有するオリゴヌクレオチド類は、米国特許第5177196号の記載にあるような方法で調製することができる。2’,3’−ジデオキシ−3’−アミノリボフラノシド類を含有するオリゴヌクレオチド類については、ChenらによってNucleic Acids Res, 23: 2661−2668 (1995)に記載されている。ロックされた核酸類に関する合成手順類(Singhら、Chem. Comm., 455−456(1998); Wengel J., Acc. Chem. Res., 32:301−310 (1998))および2’−ハロゲン化−2’−デオキシリボ−フラノシド類含有のオリゴヌクレオチド類に関する合成手順類(Palissaら、Z. Chem., 27: 216(1987))も既に記載されているものである。本明細書に記載の修飾オリゴヌクレオチド類のリン酸エステル主鎖についても、ホスホロチオエート結合類および/またはメチルホスホネート類および/またはホスホロアミデート類を含有するオリゴヌクレオチド類のように修飾することができる(Chenら、Nucl. Acids Res., 23: 2662−2668(1995))。オリゴヌクレオチド結合類を組合わせたものも、本発明の企図するものである。さらに別の主鎖の修飾についても、当業者に知られている。
別の一群の実施形態では、本明細書に記載の修飾塩基類は、T類のバランスをとり、識別ミスマッチが改善された修飾オリゴヌクレオチド類を提供するために、PNAおよびDNA/PNAキメラ体類内に取り込まれるものである。DNAおよびDNA類似体類の種々の修飾型類は、プローブ類およびプライマー類としてのDNA分子類の使用の際の不都合点のいくつかを克服する目的でこれまで用いられてきた。それらの中にペプチド核酸類(PNA類、ポリアミド核酸類としても知られる)がある。Nielsenら、Science 254: 1497−1500 (1991)。PNA類は、DNAおよびRNAに見られるような複素環塩基単位類を含み、それら塩基単位類はDNAおよびRNAで特徴的な糖−リン酸エステル主鎖のかわりにポリアミド主鎖によって連結している。PNA類は相補的なDNAおよびRNA標的配列類に対合することができ、対応する核酸プローブよりも実際には強くハイブリダイズするものである。PNAオリゴマー類およびそれらの合成に用いられる反応性モノマー類の合成については、米国特許第5539082号、第5714331号、第5773571号、第5736336号および第5766855号に既に記載されている。PNAおよびDNA/PNAキメラ体の合成およびPNA用モノマー類の合成への代替手順については、既に要約がある。Uhimannら、Angew. Chem. Int. Ed. 37: 2796−2823 (1998)。したがってDNA、PNAまたはDNA/PNAキメラ体のTのバランスをとるために通常の塩基類、非置換ピロロ[3,4−d]ピリミジン塩基類(たとえばPPGおよびPPA)、3位置換ピロロ[3,4−d]ピリミジン類、修飾プリン類、修飾ピリミジン類、5位に置換ピリミジン類、ユニバーサル/識別塩基類、糖修飾、主鎖修飾あるいは副溝バインダを、どのように組合わせて用いても、本発明の企図するものである。核酸、PNAおよびPNA/DNAキメラ体類の合成に要求される修飾塩基モノマー単位類の合成に必要な合成法類は、当業者が利用できるものであり、本明細書中の方法類およびUhlmannら、Angew. Chem.Int.Ed.37:2796−2823(1998)が参照される。
本明細書に記載の使用類に関しては、前記のようにオリゴヌクレオチド類および修飾オリゴヌクレオチド類が、5−100個の塩基を持つものが好ましく、より好ましくは5−50個の塩基、さらに好ましくは5−30個の塩基、なお好ましくは5−20個の塩基をもつものである。いくつかの実施形態では、プローブ類/結合体類のオリゴヌクレオチド部類は、5−15個の塩基を持つことになろう。またいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド部類は6,7,8,9,10,11,12,13または14個の塩基または修飾塩基類を持つことになろう。
熱力学的諸特性に基づき、修飾塩基類、副溝バインダ類、フルオロホア類および/またはクエンチャ類を直接用いるかまたは組合わせることを可能にするアルゴリズムを用い、予測どおりにプローブ類およびプライマー類が設計できることは、共同出願中の米国特許出願第10/032307号、2001年12月21日提出、で既に記載されている。したがって核酸、PNAまたはDNA/PNAキメラ体との対合生成物のT値のバランスをとるため、通常の塩基類、非置換のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン塩基類(たとえばPPGおよびPPA)、3位置換基化ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン類修飾プリン類、修飾ピリミジン類、5位置換基化ピリミジン類、ユニバーサル/識別塩基類、糖修飾、主鎖修飾あるいは副溝バインダを、どのように組合わせて用いても、本発明の企図するものである。
(副溝バインダ類)
本発明のプローブ類/結合体類は、共有結合した副溝バインダ(MB)を持つことも可能であろう。種々の適当な副溝バインダ類については、既に文献に記載されている。たとえばKutyavinら、米国特許第5801155号; Wemmer, D.E.およびDervan P. B., Current Opinion in Structural Biology, 7: 355−361 (1997); Walker, W. L.,Kopka, J. L.およびGoodsell, D. S.,Biopolymers, 44:323−334 (1997); Zimmer, C & Wahnert, U.Prog. Biophys. Molec. Bio. 47: 31−112 (1986)、並びにB. S. P., Dondhi, S. M.,およびLown, J. W., Pharmacol. Therap., 84: 1−111 (1999)を参照のこと。
リンカー類を介してオリゴヌクレオチド類に副溝バインダ類(以下に述べるフルオロホア類およびクエンチャ類のようなレポータ群類も同じく)を結合させる適当な方法類は、たとえば米国特許第RE38416号、第5512677号、第5419966号、第5696251号、第5585481号、第5942610号および第5736626号に記載されている。
MBは一般には内部塩基に結合しているか(米国特許第RE38416号および第6084102号]、あるいは適当な連結基を介してオリゴヌクレオチド部分の5’末端または3’末端に結合している。5’末端での結合には、対合物が安定であるという利点ばかりでなく、増幅反応類中のヌクレアーゼによるプローブの分解を抑制するという利点も存在する。
MB−オリゴヌクレオチド結合体内のMBの配置は、その結合体の識別特性類にも影響する可能性がある。二重鎖内の対にならない領域は、誤った対を形成した塩基(類)の近位で副溝の形態に変化をもたらすであろう。MBは完全にマッチしたDNA二重鎖の副溝内に最もうまく嵌るので、副溝内の形状の変化をもたらす不正対合類は、MBの不正対合含有領域への結合強度を減少させることになろう。それゆえその対合物に対するMBの安定化能が低下することで、MBの、完全にマッチした二重鎖からの不正対合識別能が上がるであろう。他方で、MB−オリゴヌクレオチド結合体に相補的な領域の外側で不正対合が存在する場合は、長さが同じ非結合体化オリゴヌクレオチドおよびMB−結合体化オリゴヌクレオチドの識別能については、ほとんど同じと予想される。オリゴヌクレオチドプローブの一塩基対不正対合類識別能は、その長さに依存するため、不正対合類を識別するには長さが短いオリゴヌクレオチド類の方がより有効である。これに関連してMB−オリゴヌクレオチド結合体類を使用することの一義的な利点は、従来法で用いられるオリゴヌクレオチド類(即ち20員またはそれ以下)と比較してさらに短く、識別力類がより強いオリゴヌクレオチド類を用いることが可能である事実にあり、それはMBと結合体することの著しい安定化効果によるものである。
一群の実施形態では、MBはCC1065、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]デンゾジアゼピン類似体類からなる群から選択される。
さらに好ましい副溝バインダ類としては、以下の式類のものから選択される。
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式中、下付きのmは2−5の整数、下付きのrは2−10の整数であって、RおよびRは各々独立して、オリゴヌクレオチドに(直接またはフルオロフォアを介して間接的に)連結する基、H,−OR、−NR,−COORまたは−CONRであって、そのRおよびRは各々、H,(C−C12)ヘテロアルキル、(C−C12)ヘテロアルケニル、(C−C12)ヘテロアルキニル、(C−C12)アルキル、(C−C12)アルケニル、(C−C12)アルキニル、アリール(C−C12)アルキルおよびアリールから選択される。但し、RおよびRのうち一方は、ODNまたはFlに連結する基を表す。環部類の各々には、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、OR、N(R、N(R、SR、COR、CO、CON(R、(CH0−6SO 、(CH0−6CO 、(CH0−6OPO −2およびNHC(O)(CH0−6CO 、並びにそれらのエステル類および塩類から選択される1個または複数の置換基類が置換することも可能であって、そのRは各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルである。
特に好ましくは副溝バインダ類には、1,2−ジヒドロ−(3H)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキサミド(CDPI)のトリマー、N−メチルピロール−4−カルボキシ−2−アミド(MPC)のペンタマー、および不正対合識別性が増大するそれ以外の副溝バインダ類が含まれる。本発明の実施において有用性が見出されるであろうそのほかのMB部類については、特許権共同所有の米国特許第5801155号および米国特許第6727356号に開示されている。ある実施形態では、MB類は、結合した水溶性増大性基類(たとえば糖類、アミノ酸類、カルボン酸置換基類、またはスルホン酸置換基類等)を持つことも可能である。共同出願中の米国特許出願第10/507267号(PCT/US03/07467に基づく)を参照のこと。
(クエンチャ類)
近年開発された検出方法類には、プローブ対合を検出するための蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)法の方が、蛍光強度直接検出法よりもむしろ繁用されている。このタイプのアッセイ、すなわちFRETとは、クエンチャ分子の吸収スペクトルがドナー側であるフルオロフォアの発光スペクトルと重なり、その二つの分子が接近した位置にある際に、ドナーフルオロフォア(レポータ)とアクセプタ分子(クエンチャ)との間に生じるものである。ドナーフルオロホアの励起状態のエネルギーは、共鳴双極子で誘導された双極子相互作用によって隣接するアクセプタに転移される。そのアクセプタ分子がフルオロホアである場合では、その蛍光は時には増大する場合がある。ドナー分子とアクセプタ分子との間のエネルギー転移効率は、それらの分子間の距離に大きく依存する。この関係を記述する方程式類は既知である。フォースタ距離(R)とは、エネルギー転移効率が50%である場合のドナー分子とアクセプタ分子との間の距離として記述されるものである。衝突・荷電転移クエンチングのような、蛍光クエンチングの別のメカニズム類も知られている。クエンチャとフルオロホアとの組合わせ類、およびそれらのオリゴヌクレオチド類への結合の選択に関する本技術領域の広範な指標(Haugland, R.P.,“HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH CHEMICALS”, 6th.Ed.、Molecular Probes,Eugene,OR,1996; 米国特許第3996345号および第4351760号 等)が存在する。好ましいクエンチャ類には、本明細書に参考文書として取り上げられている、特許権共同所有の米国特許第6727356号に記載されているものがある。さらに特に、刊行物類(たとえばThielら、J. fur prakt.Chemie,328: 497−514 (1986); 米国特許第4324721号および第4054560号; Timm, Melliand Textilberichte,9: 1090−1096 (1969); Hallas, J.S.D.C. 285−294(1979); Beyerら、J. Prakt. Chem. 24: 100−104(1964); Hutchingsら、Chem. Europ. J. 3: 1719−1727 (1997)並びにMorleyら、J. Phys. Chem. A., 102: 5802−5808(1998); Haakら、J. Chem. Res. Miniprint 10: 2701−2735(1998)およびRuggliら、Helv. Chim. Acta, 26: 814−826 (1943)を参照)から引用される既知の化学反応類に基づき、プローブ類内に導入するための適当な官能基類を持つ構造体類へ容易に修飾することができるクエンチャ類の構造類類が、以下の表1に挙げられる。種々の位置で置換基類の異なる組合わせ類を有する追加構造体類(モノアゾ色素類およびビスアゾ色素類)も表1の化合物類、および色素化学領域で既知の方法類(the Color Index, Issue3 on CDD ROM, pp. 4009−4324; Society of Dyers and Colourists, Bradford, England;http://www.sdc.org.ukに要約があり、並びに本明細書に参考文書として取り上げられている国際公開第01/86001号および米国特許第6790945号も参照)に基づき調製することができる。
Figure 0004942484
Figure 0004942484
前述のクエンチャ類は、約400−800nmの波長領域をカバーするもので、それらの多くはMB−Fl−ODN−Q結合体に結合した時に、改善されたクエンチングを示す。またそれらを改変した考えものには、オリゴヌクレオチド類または固体支持体にクエンチャを結合させるのに用いるのに好ましい連結基として−NH(CHCHOH)で表されるものがあるが、別の適したリンカー類の例も当業者に知られているか、または本明細書で提供されるものであり、あるいは表1中のようなクエンチャ誘導体類からさらに調製可能なものである。
本明細書において本発明の企図する各々に好適なクエンチャ類は、前記表中のものから選択されるが、並びにビスアゾクエンチャ類(米国特許第6790945号)およびBiosearch Technologies, Inc.から提供される色素類(Black HoleTMクエンチャ類:BH−1、BH−2およびBH−3として)、Dabcyl、TAMRAおよびカルボキシテトラメチルローダミンからも選択される。
(フルオロフォア類)
本発明において有用なフルオロホア類は、三官能性リンカーW(式II中)に結合させるために誘導化済みの一般的な有機蛍光色素類である。当業者の一部には、それ自体が典型的には有機色素でもあり、蛍光性である場合またはそうでない場合のクエンチャとの組合せて、適したフルオロフォア類が選択されることが分かるであろう。
特別なプローブ類に適したフルオロフォア−クエンチャ対類を選択するための、文献中で利用できる多くの実際上の指標となるものが存在する。たとえばCleggの論文(前述); Wuらの論文(前述); Pesceらが編集した“FLUORESCENCE SPECTROSCOPY”(Marcel Dekker、New York、1971); Whiteらの“FLUORESCENCE ANALYSIS:A PRACTICAL APPROACH”(Marcer Dekker、New York、1970)等を参照のこと。文献には、蛍光性および色素原性(クエンチング)分子類の網羅的なリスト類、並びにそれらのフルオロフォア−クエンチャ対類選択に関連性がある光学特性類を提供する参照文献類、たとえばBerlmannの“HANDBOOK OF FLUORESCENCE SPECTRA OF AROMATIC MOLECULES”、2nd. Ed.(Academic Press、New York,1971); Griffiths,“COLOUR AND CONSTITUTION OF ORGANIC MOLECULES”(Academic Press,New York,1976); Bishop編集のINDICATORS(Pergamon Press、Oxford、1975); Hauglandの“HANDBOOK OF Fluorescent PROBES AND RESEARCH CHEMICALS”(Molecular Probes、Eugene、1992); Pringsheimの“FLUORESCENCE AND PHOSPHORESCENCE”(Interscience Publishers、New York、1949)など、も含まれる。さらに加えて、一般的な反応性基類を介して共有結合させるための、フルオロフォア類およびクエンチャ類の誘導化法類もよく知られている。たとえばHauglandの著書(前述); Ullmanらの米国特許第3996345号; Khannaらの米国特許第4351760号等を参照のこと。
好ましいフルオロホア類には、キサンチン色素類をベースとするものがあり、直接またはリンカー基を介してオリゴヌクレオチドに結合させるのに役立つ置換基類を持つ、多様なものが市販されている。別のグループの蛍光性化合物類には、α位またはβ位にアミノ基を持つナフチルアミン類がある。そのようなナフチルアミノ化合物類の中には、1−ジメチルアミノナフチル−5−スルホネート、1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネートおよび2−p−トルイジニル−6−ナフタレンスルホネ−トが含まれる。別の色素類には、3−フェニル−7−イソシアナトクマリン、9−イソチオシアナトアクリジンおよびアクリジンオレンジのようなアクリジン類、N−(p−(2−ベンズオキサゾリル)フェニル)マレイミド、ベンズオキサジアゾール類、スチルベン類、ピレン類等が含まれる。さらに別の適するホスホロホア類には、レゾルフィン色素類、ローダミン色素類、シアニン色素類およびBODIPY色素類が含まれる。
これらの色素類、およびオリゴヌクレオチド類に結合させるのに適した連結方法論類については、多くの参照文献類、たとえばKhannaらの特許(前述); MarshallのHistochemical J.,7: 299−303(1975); Menchenらの米国特許第5188934号; Menchenらの欧州特許出願第87310256.0号;およびBergotらの国際出願PCT/US90/05565、に記載されている。
さらに特別には、本明細書に記載のフルオロフォア類は、たとえば化学法または酵素法を用いてオリゴヌクレオチド部分類に結合させることができる。例としては、反応性の化学基類を特異的な部位でオリゴヌクレオチド類内に組込む方法類が、当業者によく知られている。特異的な部位に配置された反応性化学基を含有するオリゴヌクレオチド類は、標識の結合に補完的な反応性基に結合した標識と共に、化学的技法類によってプローブに化合させることができる(たとえば求核性の反応性基を含有するオリゴヌクレオチドは、求電子性の反応性基に結合した標識と反応することが可能である)。標識類およびオリゴヌクレオチドに標識を結合させる方法類の例については、たとえば米国特許第5824796号、米国特許第5210015号、Kessler(編)の“Nonradioactive Labeling and Detection of Biomolecules”, Springer−Verlag,Berlin,1992; Kricka(編)の“Nonisotopic DNA Probe Technique”,Academic Press,SanDiego,1992; Howard(編)の“Methods in Nonradioactive Detection”,Appleton & Lange,Norwalk,1993、に記載されている。オリゴヌクレオチドを非特異的に化学標識化するには、たとえばヌクレオチド塩基の特別な官能基と反応する化学物質にオリゴヌクレオチドを化合させ、同時にまたは引続いてそのオリゴヌクレオチドを標識と反応させて行なうことができる。たとえばDraperら、(1980)Biochemistry 19: 1774−1781を参照のこと。オリゴヌクレオチド内に標識を酵素によって組込むには、標識化前駆体類を用いてオリゴヌクレオチドを酵素で修飾するかまたは重合させるか、あるいは既存のオリゴヌクレオチドに酵素で標識を付加して行なうことができる。たとえば米国特許第5449767号を参照のこと。修飾用の酵素類の例としては、DNAポリメラーゼ類、逆転写酵素類、RNAポリメラーゼ類等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。既存のオリゴヌクレオチドに標識を付加させることが可能な酵素類の例としては、キナーゼ類、末端転移酵素類、リガーゼ類、グリコシラーゼ類等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
本発明の各観点に対して好ましいフルオロホア類は、Cy色素類、BODIPY類似体類、5−FAMTM、6−FAMTM、TETTM、JOETM、HEXTM、VICTM、NEDTM、TAMRATM、ROXTM、Bothell BlueTMおよびYakima YellowTM(YY)から選択される。これらのフルオロホア類は、Glen Research、Sterling、VA、Molecular Probes、Eugene、OR;Applied Biosystems Inc.、Foster City、CAおよびEpoch Biosciences,Inc.,Bothell,WAから一般に入手することができるものである。
(連結基)
オリゴヌクレオチド類の5’末端または3’末端に、フルオロフォア類、クエンチャ類および副溝バインダ類を結合させるための種々の連結基類およびその連結法類は、当業者に知られている。たとえばEckstein著の“OLIGONUKUREOTIDE AND ANALOGUES:A PRACTICAL APPROACH”(IRL Press,Oxford,1991); Zuckermanら、Nucleic Acids Research,15:5305−5321(1987); Sharmaら、Nucleic Acids Research,19:3019[1991]; Giusiら、PCR Methods and Applications,2:223−227(1993); Fungら、米国特許第4757141号; Stabinsky,米国特許第4739044号; Agrawalら、Tetrahedron Letters,31:1543−1546(1990); Sproatら、Nucleic Acids Research,15:4837(1987); Nelsonら、Nucleic Acids Research17:7187−7194(1989)等を参照のこと。さらにそのほかにも、合成の際にオリゴヌクレオチドに結合可能な市販の連結基類、たとえばGlen Researchから市販されているもの、も使用することができる。オリゴヌクレオチド部分にフルオロホアを結合させる別の方法論類には、ホスホルアミダイト部分で誘導化された色素類を用いて固相合成を終了させるホスホルアミダイト化学の使用が含まれる。たとえばWooら、米国特許第5231191号; Hobbs,Jr.,米国特許第4997928号; Reedら、国際公開第01/42505号;米国特許第6653473号および米国特許出願第10/026374号を参照のこと。
多くの一般的な方法類を用いることができるが、オリゴヌクレオチドの長さ、副溝バインダ類、フルオロフォア−クエンチャ対類等のような別の因子類と組合わせてある連結基類を選択する場合には、その選択は本発明の考えを構成するものになる。
本発明のプローブ類および結合体類は、一般には一つまたは二つのタイプの連結基を持つであろう。式1の場合では、文字Kは二価の連結基を表し、一方、Wは三価の連結基を表す。特別な連結基類としては、それらの合成のしやすさ、固相合成における有用性、プローブの構築および使用の際の安定性をもって一般に選択され、その物理学的パラメータ類の各々は、そのフルオロフォアとクエンチャとの間に適切な間隔を空けるような、あるいはプローブが対合する際に形成される副溝に副溝バインダが非共有的に相互作用できるような適当な長さの連結鎖を提供するようなプローブまたは結合体に与えられるものである。
より特別には、Kはそのプローブ/結合体部分のクエンチャとオリゴヌクレオチドとの間の直接結合であるか、あるいはC,O,N,S,PおよびSiから選択される1−30個の主鎖原子を有する二価の連結基である。Kの好ましい構造は、以下の式で表されるものがある。
Figure 0004942484
この式中、Qは前述に挙げた意味を持つクエンチャ部分を表わし、波線はプローブまたは結合体の残余部分との結合点を示す。
三価の連結基Wには、ODN、FlおよびMBの間に適した結合と柔軟性とを提供するための種々の構造類が含まれ得る。ある群の実施形態では、Wは以下の式を有する三価の官能基である。
Figure 0004942484
式中、ZはC,N,S,P,SiおよびOから選択される1−10個の脂肪族または環状の部分、あるいはアリールであり、A、AおよびAの構成成分類は各々独立して、単結合、あるいはC,N,S,P,SiおよびOから選択される1−50個の原子類を有する連結/スペーサ部分であって、可能な原子価を満たすための付加水素原子類を持つものから選択される。さらにA、AおよびAの各々は、環状の構成成分類、非環状の(線状または分岐状の)アルキル構成成分類(不飽和アルキル成分類を含めた)、アリール構成成分類またはそれらの組合せを持つことも可能である。
(好ましい色素リンカー類)
Figure 0004942484
式中のA、AおよびAの各々は、前述に規定されたものであって、標識は一般にはクエンチャのことであり、RおよびRは、プローブまたはコンジュケートの残余部分への結合サイト類のことである。たとえばRとRとは、プローブ結合体のMB部分類およびODN(または[A−B])部類でありえる。しかしながら、本発明は、本明細書に記載のプローブ類/結合体類を調製するのに有用な試薬類にも向けられるものである。したがって、本発明のいくつかの観点において、RおよびRの各々は独立して、H,ホスホルアミダイト、PEPエステル、NHSエステル、固体支持体、およびオリゴヌクレオチド合成に影響を及ぼさない保護基でブロックされた1個の原子から選択されるものである。ある当業者には、前述の式(Wに関する)中の環部類の各々がH,ハロゲン、(C−C)アルキル、OR、N(R、N(R、SR、COR、CO,CON(R、(CH0−6SO 、(CH0−6CO 、(CH0−6OPO −2およびNHC(O)(CH0−6CO 、並びにそれらのエステル類および塩類から選択される1個または複数の置換基類で置換され得ることがわかるであろう。尚、式中の各々のRは独立して、Hまたは(C−C)アルキルである。
構造式I中で副溝バインダとODNとに接続する複数価のWリンカーは、さらに以下のような連結基を持つ場合もある。
Figure 0004942484
式中の下付きのrは、0−5の整数、好ましくは1、最も好適には2であり、Rはアルキル、好ましくはメチルである。
(合成中間体類およびオリゴヌクレオチド結合体の調製)
反応スキーム類1−8には、MB−Fl−ODN−Q結合体類の製法類、および本発明において有用な多くの合成中間体類の製法類が図説されている。それらスキーム類には、固相支持体、並びにその際に使用可能な連結性ホスホルアミダイト誘導体類の調製について説明されており、たとえばそれらは本発明のプローブ類を調製するための自動合成装置で有用なものである。
Figure 0004942484
反応スキーム1は、既知の方法類で合成されたNH−W(−Fl)−ODN−K−Q1を出発物質とするMB−W(−Fl)−ODN−K−Q 2結合体調製への合成後のアプローチを説明するものである。修飾化オリゴヌクレオチド(2)を得るために、結合体1中のW上のアミノ基を、文献(Lukhtanovら、Bioconj. Chem.,6:418−426 (1995))に記載されたような方法によってCDPIの活性化エステルで誘導化した。フルオロフォアとしてはフルオレセイン、クエンチャとしてはEclipse Quencher(Epoch Biosciences,Bothell,WA製)とした。この特別な例では、MBリガンドとフルオロホアとをDNAプローブの5’末端に配置し、クエンチャを3’末端に配置するようにした。またアミノ基を末端に持つプローブ前駆物質を合成するために5’−ホスホルアミダイト類を用いることで逆の操作も可能である。
図6は、市販のオリゴヌクレオチド合成装置上で、本発明のプローブ類(結合体類)の組立てを自動化するアプローチを説明するものである。このスキームは、反応スキーム1の場合と同一の、MBリガンド、フルオロホアおよびクエンチャに関する配向性とリンカー構造類とを有するプローブ類について説明を与えるものである。このアプローチでは、MBリガンドは開裂性リンカーを介して固体支持体(S)に結合する。MBはそのMB部分の遠位末端に、末端にジヒドロキシ基を有する第二リンカーを持つことも可能であり、その2個のヒドロキシ基類のうちの一方はDMTr(ジメトキシトリチル)で保護されており、もう一方は遊離状態またはDMTr基を脱保護化せずに取り除くことが可能な基(R)で保護されているものである。この支持体を用いると、フルオロホアはフルオロフォア・ホスホルアミダイト試薬の使用で最初に遊離の(またはDMTr保護化以外の)ヒドロキシ基で合体する。通常のオリゴヌクレオチド合成の第二段階では、市販のホスホルアミダイト塩基類を用い、既知のクエンチャ・ホスホルアミダイト試薬類でクエンチャ部分を最後に合体させる。最終の第三段階では、完全に組立てられたプローブ類を脱保護化し、標準的、またはそのために調整された脱保護条件下で固体支持体から開裂させる。
反応スキーム2および3は、図6での説明のようにMB−Fl−ODN−Qコンジゲート類の合成において用いられる開裂性リンカーでMB固体支持体を調製する一つの方法を提供するものである。さらに特別には、この二つのスキームは、ブロックされたジヒドロキシ連結基含有のMB試薬が連結反応する開裂性リンカー(反応スキーム2)を用いる固体支持体の合成を説明するものである。さらに特別には、それらのスキーム類は、自動オリゴヌクレオチド合成装置上での合成に要求される所望のMB固体支持体14の調製を説明するものである。
(反応スキーム2)の第一部分において、ペンタフルオロフェニルで活性化した固体支持体7は、コハク酸モノベンジルを出発物質として合成された。中間体3は、4−クロロ酪酸t−ブチル(4−クロロブリリル・クロリドとt−ブタノールとから調製される)との反応によってコハク酸モノベンジルから合成された(J. Org. Chem.,66:4115−4121(2001))。そのベンジル基は触媒による水素化によって取り除かれ、次に遊離カルボキシル基はトリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(PFP−TFA)と反応してPEPエステル4を提供した。このPFPエステルを用い、アミノ基で修飾された固体支持体を、t−ブチル基で保護された支持体5に変換された。最後に末端のカルボキシル基が脱保護されて固体支持体6が提供され、そのカルボキシル基はPFPエステルに変換され、PFPで活性化した支持体7が得られた。
Figure 0004942484
第二部分(反応スキーム3)では、自動化されたオリゴヌクレオチド合成に要求されるMB固体支持体14は、t−Bocで保護されたDPIモノマー誘導体を出発物質として合成された。Fmocで保護されたDPIモノマー誘導体9は、DPI誘導体8からトリフルオロ酢酸を用いてそのBoc保護基を除去し、次に9−フルオロニルメトキシカルボニル・クロリド(Fmoc−Cl)と反応させて調製した。さらにその物質はPEP−TFAと、さらにDMTrで保護された2−(5−アミノペンチル)プロパン−1,3−ジオールと連続して反応してFmoc−DPIPEP−エステル10およびジオール連結化DPI誘導体11が得られた。11のFmoc基は除去され、第二のFmoc−DPIPEP−エステルと連結してFmoc−DPI中間体が得られた。さらにもう一方の脱保護化および連結によってFmocで保護されたMGBリガンド(ジヒドロシクロピロロインドール・トリアミドDPI12;尚、MGBはEpoch Biosciencesの商標である)が提供された。12のFmocを除去することでアミン含有DPIリガンド13が得られた。固体支持体7とDPI−中間体13とを反応させて開裂性リンカーを有するDPI固体支持体14が製造された。その固体支持体14は、種々のFlとQとの組合わせを有するMGB−Fl−ODN−Q結合体類を合成するのに用いられた。ある好ましい組合わせのものは、フルオロフォアとしてのフルオレセインとEclipse Dark Quencher(Glen Research,Sterling,Virginiaから購入)とを用いて合成された。
Figure 0004942484
図7は、合成装置上でMB−Fl−ODN−Q結合体類を組立てるのに特に好ましい経路をスキームを用いて示すものである。このアプローチでは、MBリガンドは、開裂性リンカーを介して固体支持体(S)に結合する。そのMBもMB部分の遠位末端で第二リンカー内に末端を持つものであり、その中のヒドロキシ基はDMTr(ジメトキシトリチル)で保護されている。第一段階では、この脱ブロック化支持体を用い、DMTrで保護されたヒドロキシ基を含む三官能性フルオロホア・フォスフォルアミダイトが結合する。第二段階では、市販のフォスフォルアミダイト塩基類を用い、既知のクエンチャ・ホスホルアミダイト試薬類を使用してクエンチャ部分を最終的に合体させることを伴う通常のオリゴヌクレオチド合成が行なわれる。最後に第三段階で、完全に組立てられたプローブ類を脱保護し、標準的またはこのために調整された脱保護条件を用いて固体支持体から開裂させる。
反応スキーム4および5は、図7で説明されるようなMB−Fl−ODN−Qの合成で用いられ、開裂性リンカーを持つMB固体支持体の好ましい製法を提示するものである。さらに特別には、これらのスキーム類は、自動オリゴヌクレオチド合成装置上で合成するのに有用な、ヒドロキシ基がブロックされた連結基20を含む含むMB試薬と反応する、開裂性リンカー(反応スキーム4)を有する固体支持体の合成を説明するものである。
最初の部分(反応スキーム)では、DMTでブロックされた固体支持体20は、DPI部分8のメチルエステルを出発物質として合成された。中間体15は、8のメチルエステルを6−O−ジメトキシトリチル−ヘキサノイル−4−ニトロフェニルエステルと反応させてDPI部分のN−末端でDMT−ヒドロキシヘキサン酸リンカーを導入することによって合成された。そのメチルエステル15をけん化し、PEP−TFAと反応させてDMTr−ヒドロキシヘキサノイル−DPIPEPエステル16が提供され、それはさらにDPIニトロフェニルエチルエステル17と反応(米国特許出願公開2002/0034754号参照)してDMTr−ヒドロキシヘキサノイル−DPINPEエステル18が得られる。そのNPE基は、1,8−ジアゾビシクル[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)を用いて除去され、遊離のカルボキシ基はPEP−TFAで活性化され、それによって適当なアミノ修飾化固体支持体に連結するのに適したDMTrヒドロキシヘキサノイル−DPIPEPエステル19が生成し、DMT−ヒドロキシヘキサノリル−DPI固体支持体20が得られる。アミノ修飾化固体支持体のこの特別な例では、MMT−アミノペンチルジグリコラート固体支持体22が、そのMMT基の脱保護化後に用いられた。ある当業者には、オリゴヌクレオチド類合成の技術分野で用いられるいずれの固体支持体、たとえば孔径が制御されたガラス、ポリスチレン、ナイロンなど、も本質的に使用可能可能なことがわかるであろう。
Figure 0004942484
第二の部分(反応スキーム5)では、MMT−アミノペンチルジグリコラート支持体22(反応スキーム4中で20を調製するのに用いられた)は、5−アミノペンタノールを出発物質として調製された。5−アミノペンタノールは、塩化モノメトキシトリチル(MMT−Cl)と反応して保護化されてMMT−アミノペンタノールとなり、次に無水ジグリコール酸と反応してMMT−アミノペンチルジグリコラート21が得られた。この合成中間体は、アミド結合形成に適したカップリング試薬類の存在下で、アミン含有固体支持体(アミノメチルポリスチレンまたは長鎖アミノアルキルCPG(孔径制御ガラス)のような)と連結反応し、要求されるMMT−アミノペンチルジグリコラート支持体22が得られた。そのMMT基を、ジクロロメタンに溶解したトリクロロ酢酸溶液で処理して除去後、反応スキーム4中、MB−PEPエステル19と反応させた。
Figure 0004942484
反応スキーム6は、蛍光原性ホスホルアミダイト31の合成法を説明するものである。5−ヒドロキシ−イソフタル酸ジメチルエステルとヘキサエチレングリコールとは、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)とトリフェニルホスフィンとの存在下で結合体を形成してヒドロキシ中間体23となった。23を塩化トシルと反応させてトシルエステル24が得られ、アジ化ナトリウムと反応させてアジ化物誘導体25が得られた。LiAlHで還元することでエステル類のヒドロキシメチル基類への還元と、アジ化物の第一級アミンへの還元とが同時に行なわれ、アミノジオール26が得られた。26のアミノ基は、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル・クロリド(FmocCl)と反応してブロック化されて27が得られ、次にそのヒドロキシル基類のうちの1個をDMTClでブロックして28が得られた。Fmoc基の脱ブロック化後に29中の遊離アミノ基を、PEP−ジピバロイルフルオレセイン−6−カルボキシレートと反応(Nucleosides & Nucleotides(1997)16(1&2),107−114)させて30が得られた。最終段階でヒドロキシ前駆物質30は、ホスホルアミダイト31に変換された。
Figure 0004942484
反応スキーム7は、好ましい蛍光原性ホスホルアミダイト41の合成について説明するものである。第一段階では、4−ヒドロキシ安息香酸メチルが、アゾジカルボン酸ジエチルとトリフェニルホスフィンとの存在下でヘキサエチレングリコールと反応してヒドロキシ中間体32が得られた。次に塩化トシルと反応してトシルエステル33が得られた。そのトシルエステルはアジ化ナトリウムと反応してアジ化物34に変換した。次に触媒による還元(H/10%Pd−C)によってアミン35が生成した。その化合物35は水酸化ナトリウムで処理され、エステル基がけん化した。続いてFmocクロリドで処理されて酸36が得られた。酸36は、PEP−TFAと反応してPEPエステル37に変換した。次にそのエステルは、DMT−ヒドロキシプロリノール38と反応してFmoc中間体39が得られた。39のアミノ基は、DBUで処理されて遊離体となり、次にペンタフルオロフェニルジピバロイルフルオレセイン−6−カルボキシレートと反応してヒドロキシ誘導体40が得られた。40のホスホルアミダイト41への変換は、ホスホルアミダイト部分の標準的な導入法に従って行なわれた。
Figure 0004942484
反応スキーム8は、固体支持体20、フルオレセインホスホルアミダイト41およびEclipse Quencherホスホルアミダイト42(Glen Research,Stirling,Virginiaから購入)を用いる、特に好ましいMB−Fl−ODN−Q結合体43の段階的な組立てについて説明するものである。
Figure 0004942484
本発明のさらに別の観点では、前述のプローブ類を組立てるには、誘導化固体支持体類、クエンチャ類、フルオロフォア類および副溝バインダ類が用いられる。とりわけ、連結基類(保護化または非保護化状態)が結合した化合物であって、溶液相または固相での組立てに用いられる、典型的にはホスホルアミダイトのような、誘導体類を提供するもの(たとえば米国特許第6790945号、米国特許第6084102号、国際公開第03/023357号および国際公開第01/64958号)が特に好ましい。
(使用方法)
関連するある態様によれば、本発明はポリヌクレオチドの増幅を連続的にモニタリングする方法類を提供するものであって、以下の内容を含む。
(a)標的配列を含む試料を、その標的配列領域に相補的な1種または複数のオリゴヌクレオチドプライマー類、重合反応酵素、ヌクレオチド基質類、および式
Figure 0004942484
で表されるオリゴヌクレオチド結合体と混合して混合物を得る。尚、この式中、MBは副溝バインダ、Qはクエンチャ、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロホアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満、さらに好ましくは5%未満、尚好ましくは2%未満、および最も好ましい実施形態では1%未満であって、およびiii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、尚好ましくは少なくとも80%、および最も好ましい実施形態では少なくとも90%であるようにMBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。
(b)その混合物を、対象のポリヌクレオチドの増幅に好適な諸条件のもとで温置する。
および
(c)増幅した標的に結合体がハイブリダイズする際に発生する蛍光をモニタリングすることで連続的に増幅をモニタリングする。いくつかの好ましい実施形態では、MB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択される。別の好ましい実施形態では、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ(bodipy)類縁体類からなる群から選択されるものである。さらに別の好ましい実施形態では、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。また別の好ましい実施形態では、結合体のODN部分はヌクレオチドの長さが8−25である。さらに別の好ましい実施形態では、結合体のODN部分はヌクレオチドの長さが8−15であり、Kが、C、O、N、S、PおよびSiからなる群から選択されて主鎖が原子数10−50の長さのリンカーである。
本発明の別の関連する態様によれば、以下の内容を含む遺伝子発現モニタリング法類が提供される。
(a)異なる配列類のオリゴヌクレオチドプローブ類のアレイを準備する。
(b)ハイブリダイゼーション諸条件下でそのアレイと、ポリヌクレオチド群を温置する。
(c)アレイ内のオリゴヌクレオチドプローブ類のうち、どのプローブがポリヌクレオチド群とハイブリダイズするのかを判断する。
尚、オリゴヌクレオチドプローブ類の一種以上は、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体である。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満、さらに好ましくは5%未満、尚好ましくは2%未満、および最も好ましい実施形態では1%未満であって、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、尚好ましくは少なくとも80%および最も好ましい実施形態では少なくとも90%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。いくつかの好ましい実施形態では、MB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ(bodipy)類縁体類からなる群から選択されるものであり、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。別の好ましい実施形態では、結合体は固体担体に結合している。
別の関連した態様によれば、本発明は単一ヌクレオチドが異なるポリヌクレオチド類を識別する方法類を提供し、その方法は以下の内容を含む。
(a)少なくとも2種のポリヌクレオチド類の各々を別々に、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体とともに温置する。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満、さらに好ましくは5%未満、尚好ましくは2%未満、および最も好ましい実施形態では1%未満であって、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がそれのクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、尚好ましくは少なくとも80%、および最も好ましい実施形態では少なくとも90%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。また結合体がハイブリダイゼーション諸条件下で所定の配列を持ち、ポリヌクレオチド類のうちの1種がオリゴヌクレオチド結合体に完全に相補的な標的配列を有し、ポリヌクレオチド類の別の少なくとも1種はオリゴヌクレオチド結合体と単一ヌクレオチドミスマッチを有する標的配列を持つものである。
および
(b)ポリヌクレオチド類の各々とオリゴヌクレオチド結合体とのハイブリダイゼーション強度を測定する。前述と同様に、ある好ましい実施形態では、MB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類とボディピ(bodipy)類縁体類とからなる群から選択されるものであり、Q部分はモノアゾ色素類およびビスアゾ色素類からなる群から選択されるメンバーである。
さらに別の関連する態様によれば、本発明は別の一種または複数のポリヌクレオチド類の混合物中に存在し、標的配列と関連性があるが同一ではないポリヌクレオチド内の標的配列を検出する方法類を提供し、その方法は以下に内容を含むものである。
(a)ポリヌクレオチド類の混合物を、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体と接触させる。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングせれていない蛍光の10%未満、さらに好ましくは5%未満、尚好ましくは2%未満、および最も好ましい実施形態では1%未満であって、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、尚好ましくは少なくとも80%、および最も好ましい実施形態では少なくとも90%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。またその結合体は、そのODN部分に完全に相補的である標的配列とのみ安定なハイブリッドを形成し、ほかのポリヌクレオチド類のいずれとも安定なハイブリッドを形成しない。
および
(b)ハイブリッド形成時に発生する蛍光を測定し、ハイブリッドの形成が認められれば標的配列の存在が示されるものとする。前述のものを含めた好ましい実施形態では、特にMB部分はCC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、Fl部分は蛍光発光波長が約400−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ(bodipy)類縁体類からなる群から選択されるものであり、Q部分はモノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである。
さらに別の関連した態様によれば、本発明は野生型、変異型およびヘテロ接合型の標的ポリヌクレオチド類を識別する方法類を提供し、その方法は以下の内容を含む。
(a)標的ポリヌクレオチドを含有する試料を、2種類のプローブと接触させる。その第一のプローブは野生型の標的ポリヌクレオチドに特異的であり、第二のプローブは変異型の標的ポリヌクレオチドに特異的であって、それらプローブの各々は以下の式を持つものである。
Figure 0004942484
式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ii)ハイブリダイズされていない形では、そのオリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満、さらに好ましくは5%未満、なお好ましくは2%未満、および最も好ましい実施形態では1%未満であって、iii)そのオリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、尚好ましくは少なくとも80%、および最も好ましい実施形態では少なくとも90%であるように、MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である。またその結合体は、そのODN部分に完全に相補的である標的配列とのみ安定なハイブリッドを形成し、ほかのポリヌクレオチド類のいずれとも安定なハイブリッドを形成しない。
(b)ハイブリッド形成時に産生する蛍光を測定し、ハイブリッド形成が認められると野生型、変異型およびヘテロ接合型の標的ポリヌクレオチド類の存在または非存在が分かる。この態様によれば、第一および第二のプローブ類とそれらの各標的との間で生じる各々のハイブリッドに関する融解温度(T)はそれぞれについて約5℃以内であることが好ましい。ほかの選ばれた実施形態では、プローブ類の各々のODN部分は8−18個の塩基または修飾塩基を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドである。さらに好ましくは、プローブ類の各々のODN部分は10−15の塩基または修飾塩基を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドである。また別の好ましい実施形態では、プローブの各々のフルオロホア部類は、5−FAMTM、6−FAMTM、TETTM、JOETM、HEXTM、VICTM、NEDTM、TAMRATM、ROXTMおよびYYTMからなる群から選択される。さらに別の好ましい実施形態では、プローブ類の各々のODN部分は少なくとも1個の修飾塩基を含む。さらに別の実施形態では、試料を増幅諸条件下で1対のプライマー類とさらに接触させる。尚、そのプライマー類の各々は、前述の修飾塩基類から選択される1−10個の修飾塩基を含むものである。
前述の実施形態類に加えて、列挙されたプローブ類および方法類で用いられる好ましい構成成分類(たとえばMB、Fl、W、ODN、KおよびQ)とは、本発明のプローブ類および結合体類に関してすでに記載された構成成分類のことである。従って、好ましいプローブ類および結合体類は、たとえば式II、IIIa、IIIb、IVa、IVbおよびIVcに提供されるものである。
(物質類および方法類)
(鋳型類)
102種の非血縁性のCentre Etude Polymorphism Humaine(CEPH)DNA試料は、Coriell医学研究所(http://locus.umdnj.edu/)から得たものである。用いた鋳型類のリストは、http://snp500cancer.nci.nih.gov.において入手可能なものである。
(オリゴヌクレオチド類)
PCRプライマー類は、標準的なホスホルアミダイト化学を用いて合成した。MB−Fl−5’−ODN−Qプローブ類は、5’→3’方向にオリゴヌクレオチドセグメント類が合成されるように設計された5’−β−シアノエチルホスホルアミダイト類(Glen Research製,ヴァージニア州)を用いて、副溝バインダで修飾されたポリスチレン支持体(スキーム4の化合物20)上で自動DNA合成によって調製した。オリゴヌクレオチドの合成は、0.02Mヨウ素溶液を用い、機器製造メーカーから供給されたプロトコールに従ってABI3900合成装置上で行なった。修飾塩基類のホスホルアミダイト類は、既に開示された方法類(国際公開第03022859号および国際公開第0164958号)に基づき合成した。MGB Eclipseプローブ類は、既に記載の方法(Afoninaら、Biotechnique,32,940−949(2002))のように合成した。6−カルボキシフルオレセイン(FAM)およびYakima YellowTMレポーター性色素類は、対応するホスホルアミダイト類(Glen Research製、ヴァージニア州、Sterling)を用いてMB Eclipseプローブ合成の最終段階で導入した。ホスホルアミダイト41は、反応スキーム8で示したように、本発明のプローブ内にフルオレセイン基を導入するのに用いた。Epoch Eclipse Quencher CPGおよび6−カルボキシフルオレセイン(Glen Research製、ヴァージニア州、Stirling)は、Molecular Beacon類の合成に用いた。標準的な5’−DMTホスホルアミダイト類をMolecular Beacon類の合成に用いた。全てのオリゴヌクレオチド類は、逆相HPLCで精製した。
[G/C]多型を示すARNT−01標的配列、設計されたプローブ類およびプライマー類を表2に示す。
Figure 0004942484
(リアルタイムPCR)
リアルタイムPCRは、ABI Prism(登録商標)7700またはABI Prism(登録商標)7900機器(Applied Biosystems製、カリフォルニア州、Foster City)のいずれかで実施した。PCRは、50℃、2分温置後に、(95℃−30秒;56℃−30秒;76℃−30秒)の3ステップを50サイクルを行い、最後に95℃で2分温置して実施した。その反応混合物には、0.25μMのMB−Fl−ODN−QまたはMB EclipseTMプローブ、そのプローブと同一鎖に相補的である100nMのプライマー、1μMの反対鎖プライマー、125μMのdATP、125μMのdCTP、125μMのdTTP、250μMのdUTP、0.25UのJumpStart DNAポリメラーゼ(Sigma製)および0.125UのAmpEraseウラシル−N−グリコシラーゼ(Applied Biosystems製)含有の1X PCR緩衝液(20mM Tris−HCl(pH8.7)、40mM NaCl、5mM MgCl)を含み、全容量10μlで反応を行なった。蛍光シグナルの上昇は、反応のアニーリング段階中に記録した。
(実施例1)
本実施例は、MB Eclipseプローブ類と比較して改善された本発明のプローブ類のバックグランド−シグナル比を説明するものである。そのために、遊離のプローブ類および合成相補体類との対合後のプローブ類の蛍光シグナルを計測した。そのプローブ類および合成相補体類の配列類を図3に示す。実験は、Varian Cary Eclipse蛍光分光測定器で行い、励起波長はFAMに関しては496nmまたはYakima Yellow(YY)に関しては530nmとし、蛍光放出波長はFAMに関しては518nmまたはYYに関しては550nmとした。また5nmの励起および放出のスリット類を用いた。バックグランドの蛍光は、0.1μMのプローブ(MB Eclipseプローブまたは本発明の新規プローブのいずれか)、40mMのNaCl、5mMのMgClおよび10mMのTris−HCl(pH8.7)を含有する溶液で記録した。二重鎖の形成については、0.5μM(最終濃度)の相補体を加えて行なった。蛍光の計測に先立ち、反応液を60℃に予備加熱し、次いで20℃に冷却した。
(実施例2)
本実施例は、本発明のプローブ類の、MGB−Eclipseプローブ類のものと比較して改善され、温度を関数とするバックグランド蛍光(非対合状態のプローブの蛍光)の安定性について説明するものである(図4参照)。その実験は、温度調整されたセルが装着されたVarian Cary Eclipse蛍光分光測定器で実施し、励起波長はFAMに対しては496nmまたはYakima Yellow(YY)に対しては530nmとし、蛍光放出波長はFAMに対しては518nmまたはYYに対しては550nmとした。また5nmの励起および放出のスリット類を用いた。溶液類としては、0.2μMのプローブ(MB Eclipseプローブまたは本発明の新規プローブ)、40mMのNaCl、5mMのMgClおよび10mMのTris−HCl(pH8.7)を含むものとした。
(プローブ配列(配列番号20〜配列番号23):)
Eclipse#1 MB−Q−5’−CAGAGACATACACCA−FAM(またはYY)
Eclipse#2 MB−Q−5’−GTATGTCTCTGACTCC−FAM(またはYY)
新規プローブ#1 MB−FAM(またはYY)−5’−GTCAGAGACATACACC−Q
新規プローブ#2 MB−FAM(またはYY)−5’−GTATGTCTCTGACTCC−Q
尚、GはPPGであり、Aはヒドロキシブチニル−ジアミノピラゾロピリミジン修飾化塩基である。
(実施例3)
本実施例は、a)結合体した副溝バインダの蛍光クエンチ能およびb)副溝バインダとEclipseクエンチャとの両方を包含する協調化蛍光クエンチのメカニズムについて説明するものである(図5参照)。実験の諸条件は、実施例1および2に記載のものとした。
(プローブ配列(配列番号24および配列番号13):)
MB−FAM−5’−GATGTGTCCGTGTCTC−クエンチャ、またはそのクエンチャ部分のないもの
相補的配列(配列番号14)
3’−TACCTAACTACACAGGCACAGAGAAA
(実施例4)
本実施例は、2X10−7Mの一定のプローブ濃度における本発明の新規プローブの融解挙動の、MGB−Eclipseプローブのものと比較して上昇した感度について説明するものであって、相補体濃度は1X10−7Mから2.5X10−10Mの間で変えて行なった。
プローブ類および相補体配列を以下に示す。
新規プローブと相補体との配列(配列番号24および配列番号14):
MB−FAM−gATGTGTCCGTGTCTC−Q 新規プローブ
TACCTAAC−−−TACACAGGCACAGAGAAA 相補体1
MGB Eclipseプローブと相補体との配列(配列番号25および配列番号14):
MB−Q−gATGTGTCCGTGTCTC−FAM MGB Eclipse
TACCTAAC−−−TACACAGGCACAGAGAAA 相補体1
蛍光原性融解分析は、Varian Cary Eclipse蛍光分光測定器において、1XPCR緩衝液中で実施し、励起波長496nmおよび蛍光発光波長518nmを採用し、5nmの励起スリットおよび5nmの放出スリットで行なった。プローブ/相補体の異なる二重鎖類は、2X10−7Mの一定のプローブ濃度で形成させ、一方、相補体の濃度は1X10−7Mと2.5X10−10Mとの間で変えて行なった。本発明の新規プローブとMB Eclipseプローブとの挙動に関する融解曲線での比較については、図8に示す。この図は、これら2種のプローブタイプの挙動の融解曲線での比較に基づき、感度が実質的に上昇することを示すものである。
(実施例5)
本実施例は、本発明のプローブアッセイの遺伝子型判定能を説明するものである。102種の非血縁性のCetre Etude Polymorphism Humaine(CEPH)DNA試料について、ARNT−01対立遺伝子(G/C)の存在に関する遺伝子型判定を実施し、MB Eclipseプローブと本発明のプローブとのアッセイの比較を行なった。各々の不正対合に特異的な対応プローブ類を表2に示す。各試料は、前記PCRアッセイで野生型および変異型の標的に特異的なプローブ類を用いて分析した。そのDNA試料のPCR−エンドポイント−スキャッタプロットによる遺伝子型判定解析については、図9に示す。本発明のアッセイのスキャッタプロット(図9a)では、すべてのDNA試料類の正確な遺伝子型判定が成され、非鋳型対照類、野生型、ヘテロ接合体および変異型のDNA試料類間を明確に分けることができる。これに対してMB Eclipseアッセイ(図9b)では、非鋳型対照とヘテロ接合体とのDNA試料類は明確には分けられない。
(実施例6)
(本発明のプローブ類とMolecular Beacon類との対合速度論的比較)
この実施例は、本発明のプローブ類がMolecular Beacon類よりも速く各々の標的類に対合することを示すものである。新規プローブ類およびMolecular Beacon類の対合速度論は、ある温度範囲(30−55℃)を通じて、ハイスピ−ド分析用の分光光度計アクセサリ(Applied Photophysics、英国、Surrey)を用いて研究した。その際のプローブおよび標的の濃度は各々、1X10−7Mおよび2X10−7Mとした。そのプローブおよび標的の配列(配列番号26〜配列番号28)を以下に示す。
MB−FAM−gTCAGAgACATACaCC−Q(本発明のプローブ)
FAM−CGGCGAGTCAGAGACATACACCAGCCG−Q(Molecular Beaconプローブ)および
GCAGGGTGGTGTATGTCTCTGACTCCGTG(標的相補体)。
尚、基幹配列類を下線で示し、「a」および「g」は各々、Super AおよびSup
er Gである。
プローブ類は、同じ鋳型に対して同様なTs値を持つように設計されたものである。以下の表に示すように、Pleiadesプローブ類の反応速度定数類によって計測されるような対合速度は、研究した全ての温度域においてMolecular Beacon類のそれよりも実質的に速いものであった。45℃および55℃では、本発明のプローブの反応速度は、Molecular Beaconのそれよりも各々、約5倍および約3倍速いものであった。
Figure 0004942484
(実施例7)
本実施例は、PEPで活性化された固体支持体7の合成を説明するものである。
(4−クロロ酪酸t−ブチル)
エーテル(100ml)中、塩化4−クロロブチリル(93g、0.66モル)、N,N−ジメチルアニリン(80g、0.66モル)とt−ブタノール(0.66モル)との混合物を、5時間還流した。反応混合物を冷却し、エーテルで希釈し、さらに水、10%クエン酸水溶液、および飽和NaCl水溶液で順に洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた粗製生成物を減圧下(10mmHg)で蒸留した。57−58℃で気化した精製品(79g、収率67%)を採集した。H−NMR(DMSO−d6)のデータは、δ3.64(t,J=7Hz,2H),2.35(t,J=7Hz,2H),1.93(q,2H),1.41(s,9H)であった。
(3−[(t−ブチル)オキシカルボニル]プロピルフェニルメチルブタン−1,4−ジオエート 3)
DMF 100ml中に溶解した4−クロロ酪酸t−ブチル(8.9g、50ミリモル)とモノベンジルコハク酸セシウム(コハク酸モノベンジルとCsOHとから調製される)(50ミリモル)とを含む溶液を80℃で2日間加熱した。DMFを蒸発させ、シリカ上(移動相:ヘキサン−酢酸エチル)でクロマグラフィーを行い、無色液体としての2.5gの表題化合物3(収率14%)を得た。H−NMR(DMSO−d6)のデータは、δ7.35(s,5H),5.09(s,2H),3.99(t,J=7Hz,2H),2.58(m,4H),2.25(t,J=7Hz,2H),1.93(q,2H),1.41(s,9H)であった。
(3−[(t−ブチル)オキシカルボニル]プロピル−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルブタン−1,4−ジオエート 4)
化合物3(2.0g、5.7ミリモル)を、THF(100ml)中、10%Pd/C触媒0.2gの存在下、水素圧40psiで20時間、水素化した。Celiteでろ過して触媒を除去し、ろ液を濃縮した。得られた酸を無水CHCl 20mlに溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(0.88g、6.8ミリモル)を加えた後、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(1.9g、6.8ミリモル)を加えた。室温で1時間、放置後、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカ上(移動相:酢酸エチル−ヘキサン)でクロマトグラフィーを行い、粘性液状の2.2gの化合物4(収率91%)を得た。H−NMR(DMSO−d6)のデータは、δ4.05(t,J=6Hz,2H),3.04(t,J=6Hz,2H),2.72(t,J=6Hz,2H),2.26(t,J=7Hz,2H),1.78(q,2H),1.38(s,9H)であった。
(PEPで活性化された固体支持体7の調製)
25mlのDMF中に溶解した化合物4(0.53g、1.24ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(1ml)とを含む溶液に、長鎖アルキルアミン(LCAA)CPG(5.0g、500Å、124μmol/g)を加えた。CPGを30時間、渦巻き攪拌した。ピリジン(10ml)と無水酢酸(5ml)とを加え、さらにCPGを1時間渦巻き攪拌した。CPGをDMFで洗浄後、エーテルで洗浄した。減圧下で乾燥してCPG5を得た。
CPG5(5.0g)を25mlのTFA中に懸濁させた。それを1時間、渦巻き攪拌後、CHClで洗浄した。それを乾燥してCPG6を得た。
支持体6(5.0g)を25mlの無水CHCl中に懸濁させ、ジイソプロピルエチルアミン(2ml)とPEP−TFA(1ml)とで処理した。その支持体を1時間、渦巻き攪拌した。過剰量の試薬類および副生成物をろ過して除去し、CHClで洗浄した。得られたPEP活性化CPG7を乾燥した。
(実施例8)
(3−[(フルオレン−9−イルメチル)オキシカルボニル]ピロロ[3,2−e]インドリン−7−カルボン酸 9)
3−(t−ブチルオキシカルボニル)ピロロ[3,2−e]インドリン−7−カルボン酸8(0.76g、3.4ミリモル)(Bogerら、J.Org.Chem.,52:1521(1987))を、5mlのTFAで1時間処理して脱保護化した。TFAを蒸発させ、得られたトリフルオロ酢酸エステルを、11%NaCO水溶液(10ml)とTHF 5mlとの混合液に溶解した。クロロギ酸9−フルオレニルメチル(0.75g、2.9ミリモル)を加え、反応混合物を3時間、攪拌した。反応混合物を水(200ml)で希釈し、エチルエーテル(2X50ml)で抽出した。水相に1N HClを加えてpHを1−2に酸性化した。沈殿した生成物を遠心分離して収集し、水洗し、減圧下で乾燥して灰黄色の固体としての0.86gの化合物9を得た(収率83%)。
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−3−[(フルオレン−9−イルメチル)オキシカルボニル]ピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボキシレート 10)
無水DMF4mlに溶解した化合物9(0.3g、0.7ミリモル)とトリエチルアミン(0.3ml、2.1ミリモル)とを含む溶液に、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(0.3ml、1.75ミリモル)を加えた。1時間後にDMFを蒸発させ、残渣をシリカ上、2%アセトン/塩化メチレン溶離液でクロマトグラフィーを行なった。精製物含有画分を濃縮し、乾燥して黄色固体としての0.29gのPEPエステルを得た(収率70%)。
(化合物11の合成)
ピリジン20mlに溶解した化合物10(1.2g、2.0ミリモル)とモノ−O−DMT−4−アミノブチリル−1,3−プロパンジオール(1.2g、2.66ミリモル)(米国特許第5942610号参照)とを含む溶液を、室温で24時間、放置した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルに再溶解し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。粗生成物をシリカ上、酢酸エチルを溶離液としてクロマトグラフィーを行なった。溶媒を蒸発させて1.6gの所望の化合物11を得た(収率93%)。
(実施例9)
本実施例は、固体支持体20の調製を説明するものである。
(3−{6−[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]ヘキサノイル}ピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボン酸メチル 15)
Bogerらの方法(J. Org. Chem.、52:1521(1987))に従って調製したメチルピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボキシレート(2.7g、12.5ミリモル)、4−ニトロフェニル−4−[ビス(4−メトキフェニル)フェニルメトキシ]ヘキサノエート(6.9g、12.5ミリモル)とトリエチルアミン(2ml)とを無水DMF50mlに溶解した溶液を、室温で5時間撹拌した後、濃縮した。生成した油状物を室温で一晩(約15時間)放置した。その油状物を酢酸エチルと5%炭酸水素ナトリウム水溶液との間で分配させた。有機相を炭酸水素ナトリウム希薄水溶液で2回洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去して得られた粗生成物について、酢酸エチルから再結晶させた。結晶性生成物15の収量は5.9g(収率75%)であった。H NMR(DMSO−d6)のデータは、δ11.94(s,1H),8.24(d、J=9Hz,1H),7.4−7.2(m、10H),7.07(s,1H),6.87(d、J=9Hz,4H),4.16(t,J=8Hz,2H),3.87(s,3H),3.72(s,6H)、3.28(t,J=8Hz,2H),2.96(t,J=6Hz,2H),2.42(t,J=7Hz,2H),1.58(m,4H),1.41(m,2H)であった。
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−3−{6−[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]ヘキサノイル}ピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボキシレート 16)
化合物15(3.2g、5.06ミリモル)、水酸化リチウム一水和物(0.6g、14.3ミリモル)、MeOH(10ml)、THF(20ml)と水(10ml)との混合物を、45℃で12時間、撹拌した後、濃縮した。その残渣を、冷却した10%クエン酸水溶液と酢酸エチルとの間で分配させた。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、5mlのトリエチルアミンで処理し、濃縮して固体物質3.7gを得た。その固体をDMF(2X50ml)と共に蒸発させて残留水分を除去し、無水DMF40mlに再溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(1.5ml)を加えた後、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(PEP−TFA)(0.9ml、5.2ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で一晩、放置後に濃縮し、シリカ上、ヘキサン−酢酸エチル1:1で溶離させてクロマトグラフィーを行なった。精製生成物含有画分類を濃縮し、減圧下で乾燥して淡黄色、無定形固体としての2.5gの表題化合物16を得た(収率69%)。H NMR(DMSO−d6)のデータは、δ12.45(s,1H),8.36(d,J=9Hz,1H),7.51(s,1H),7.4−7.2(m,10H),6.87(d,J=9Hz,4H),4.20(t,J=8Hz,2H),3.72(s,6H),3.34(t,J=8Hz,2H),2.97(t,J=6Hz,2H),2.44(t,J=7Hz,2H),1.59(m,4H),1.42(m,2H)であった。
(2−(4−ニトロフェニル)エチル−3−({3−[(3−{6−[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]ヘキサノイル}ピロロ[4,5−e]インドリン−7−イル)カルボニル]ピロロ[4,5−e]インドリン−7−イル}カルボニル)ピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボキシレート 18)
無水DMF10mlに溶解した2−(4−ニトロフェニル)エチル−3−(ピロロ[4,5−e]インドリン−7−イルカルボニル)ピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボキシレート・トリフルオロアセテート17[DPINPEエステル、米国特許出願公開第2002/0034754号](0.91g、1.4ミリモル)とジイソプロピルエチレンジアミン(0.49ml、2.8ミリモル)とを含む溶液に、PEPエステル16(1.1g、1.4ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で24時間、放置して沈殿生成物を含む濃厚懸濁物を得た。メタノール(50ml)を加えて沈殿した生成物をろ集し、メタノールで洗浄後、エーテルで洗浄した。減圧下で乾燥して灰白色固体としての1.45gの化合物18を得た(収率91%)。H NMR(DMSO−d6)のデータは、δ11.99(s,1H),11.78(s,1H),11.70(s,1H),8.4−8.1(m,5H),7.67(d,J=8.5Hz,2H),7.5−7.2(m,12H),7.09(s,2H),7.01(s,1H),6.88(d,J=9Hz,4H),4.6(m,6H),4.16(t,J=7.5Hz,2H),3.73(s,6H),3.43(m,4H),3.31(t,J=8Hz,2H),3.23(t,J=6Hz,2H),2.97(t,J=6Hz,2H),2.41(t,J=6Hz,2H),1.59(m,4H),1.41(m,2H)であった。
(3−({3−[(3−{6−[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]ヘキサノイル}ピロロ[4,5−e]インドリン−7−イル)カルボニル]ピロロ[4,5−e]インドリン−7−イル}カルボニル)ピロロ[4,5−e]インドリン−7−カルボン酸ペンタフルオロフェニル 19)
ニトロフェニルエチルエステル18(1.39g、1.22ミリモル)を、無水DMF20ml中、6.6ミリモルのDBUで50℃、2時間、処理して脱保護化した。DMFを蒸発させ、残渣をメタノールと共に粉砕した。不溶性物質をメタノールで洗浄しながらろ集し、減圧下で一晩、乾燥した。得られた固体を20mlのDMFに再溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(1.5ml、8.6ミリモル)およびトリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(1.0ml、5.8ミリモル)で処理した。室温で2時間、攪拌後にDMFを蒸発させ、残渣をメタノールと共に粉砕した。沈殿した生成物をろ集し、メタノールで洗浄し、減圧下で乾燥して黄色固体としての1.41gの所望のPEPエステル19を得た(収率100%)。H NMR(DMSO−d6)データは、δ12.54(s,1H),11.80(s,1H),11.70(s,1H),8.43(d,J=9Hz,1H),8.30(m,1H),8.22(d,J=9Hz,1H),7.558(s,1H),7.5−7.2(m,12H),7.09(s,1H),6.97(s,1H),6.87(d,J=9Hz,4H),4.6(m,4H),4.11(t,J=7Hz,2H),3.73(s,6H),3.43(m,4H),3.28(t,J=8Hz,2H),2.97(t,J=6Hz,2H),2.37(t,J=6Hz,2H),1.57(m,4H),1.40(m,2H)であった。
N−MMT−アミノペンチル・ジグリコレートCPG22は、アミノプロピル類似体(米国特許出願公開第2002/0034754号)と同じように調製した。
(5−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルアミノ]ペンタン−1−オール)
CHCl(50ml)中に溶解した塩化モノメトキシトリチル(7.7g、24.9ミリモル)の溶液を、別の無水CHCl(50ml)中に溶解した5−アミノ−1−ペンタノール(5.2g、50ミリモル)の、冷却(氷/水)し攪拌中の溶液に添加用漏斗を経由して加えた。反応混合物を室温にまで加温し、1時間、反応させた。反応混合物を同量以上のCHClで希釈し、水で抽出した。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた粗生成物を、シリカ上(溶離液:酢酸エチル−ヘキサン)でクロマトグラフィーを行い、6.1gの5−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルアミノ]ペンタン−1−オールを得た。
(2−{[(5−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}ペンチル)オキシカルボニル]メトキシ}酢酸・トリエチルアンモニウム塩 21)
塩化メチレン20mlに、3.0g(8ミリモル)の5−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルアミノ]ペンタン−1−オールを、トリエチルアミン1.3ml(9.4ミリモル)と無水ジグリコール酸1.1g(9.5ミリモル)と共に溶解した。その混合物を一晩、撹拌後、濃縮した。残渣を、シリカ上、93%塩化メチレン−5%メタノール−3%トリエチルアミンで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。生成物類含有の画分類を合わせて、溶媒を蒸発させた。乾燥DMFと共に蒸発させて微量の残留水分を除去した。生成物の収率は、おそらく100%であった。それを24mlのDMFに溶解して最終濃度を約0.33Mとした。
(N−MMT−アミノペンチル・ジグリコレートCPG22の合成)
100ml容の丸底フラスコ内で、予めDMF(1.66ミリモル)に溶解した化合物21の0.33M溶液5mlと10gのLCAA−CPGとを化合させた。別に2.5mlのジイソプロピルエチルアミン、0.11g(0.8ミリモル)のHOBTと0.63g(1.66ミリモル)のHBTUとから成る溶液を調製し、前述のCPGに加えた。そのCPGを旋回型振とう器(150rpm)上で16時間、渦巻き攪拌した。焼結ガラス漏斗上でろ集し、DMF(2X100ml)、アセトニトリル(2X100ml)およびエーテル(2X100ml)で洗浄した。減圧下で乾燥後、CPGをピリジン40mlと無水酢酸5mlとで処理して未反応のアミノ基類にキャップをつけた。2時間、渦巻き攪拌後、CPGをろ集し、前述のように洗浄した。減圧下で一晩、乾燥後に、そのCPGの3−5mgについて、70%過塩素酸:メタノール(1:1)混液25mlで処理してMMT装填量の分析を行った。放出されたMMTカチオンの吸光度(A)は、波長472nmで記録し、以下の計算式に従ってMMT装填量を算出した。
MMT装填量(μmol/g)=A(472nm)× 液量(ml)× 14.3/CPG重量(mg)
(MGBリガンド支持体20)
4gのN−MMT−アミノペンチル・ジグリコレートCPG22を、中孔性焼結ガラス漏斗内で計量した。そのCPGを、3%TCA/DCM溶液25mlで処理して脱トリチル化した。スパチュラで簡単に攪拌後、反応混合物を5分間反応させ、ろ過した(黄変した)。この工程をろ液が透明になるまで4回繰返した。そのCPGを塩化メチレン4X40mlで洗浄した。ろ液をデカントして有機廃液とし、CPGを20%トリエチルアミン/アセトニトリル混液40mlで処理して中和化した。スパチュラで簡単に攪拌後、混合物をろ過し、アセトニトリル2X40mlおよびエ−テル2X40mlで洗浄した。微量の残留エーテル分を減圧下(オイルポンプ)で除去した。脱トリチル化したCPGは、直ちに次の固定化反応に用いた。
MGB−PEPエステル19(0.20g、180マイクロモル)を、12mlの乾燥DMSOと共に振とうした。15分後、その溶液を、4gの脱トリチル化ジグリコレートCPGに加えた(50ml容の丸底フラスコ内)。2mlのトリエチルアミンを加え、混合物を密栓して旋回型ミキサー上で14時間、渦巻き攪拌した。CPGをろ集し、2X50mlのDMSO、2X50mlのアセトニトリル、および2×50mlのエーテルで洗浄した。微量の残留エーテル分を減圧下(オイルポンプ)で除去した。そのCPGを、10mlの乾燥ピリジン、1mlの1−メチルイミダゾールと1mlの無水酢酸とで処理して未反応のアミノ基類をアセチル化した。1時間、渦巻き攪拌後にCPGをろ集し、2X50mlのDMF、2X50mlのアセトニトリル、および2X50mlのエーテルで洗浄した。微量の残留エーテル分を減圧下(オイルポンプ)で除去した。そのCPGのうち3−5mgについて、70%過塩素酸:メタノール(1:1)混液25ml中で処理してCPGのDMT装填量を分析した。放出したDMTカチオンの吸光度(A)を波長498nmで記録し、以下の計算式を用いてCPG 1g当り45μmolになるようにDMT装填レベルを算出した。
DMT装填量(μmol/g)=A498 × 容量(ml)×14.3÷CPG重量(mg)
(実施例10)
本実施例は、フォスホルアミダイト31の調製を説明するものである。
(5−{2−[2−(2−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトクシ)エトキシ]エトキシ}−3−(メトキシカルボニル)安息香酸メチル 23)
無水THF250mlに溶解した5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル(21g、100ミリモル)、ヘキサエチレングリコール(32g、113ミリモル)とトリフェニルホスフィン(34g、130ミリモル)とを含む溶液に、攪拌しながらアゾジカルボン酸ジエチル(22.7g、130ミリモル)を3分以上かけて加えた。2時間反応させた後、反応混合物を濃縮し、残渣をエチルエーテル200mlに懸濁した。0℃で30分冷却後、沈殿したトリフェニルホスフィン・オキシドをろ過して除去し、ろ液を濃縮した。得られた混合物をシリカ上で、第一の溶離液として酢酸エチルによってPhPOと対称性ビス置換ヘキサエチレングリコール副生成物とを分離し、第二の溶離液として5%メタノール/酢酸エチル混液によって所望のモノ置換化ヘキサエチレングリコール誘導体を溶離させてクロマトグラフィーを行った。溶媒を蒸発させ、高減圧下で乾燥して粘性油状物としての14.8gの表題化合物を得た(収率31%)。そのH NMR(DMSO−d6)データは、δ8.08(s,1H),7.70(s,2H),4.58(t,J=5.5Hz,1H),4.25(m,2H),3.90(s,6H),3.76(m,2H),3.60(m,2H),3.51(m,16H),3.40(m,2H)であった。
(5−{2−[2−(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}−3−(メトキシカルボニル)安息香酸メチル(25))
無水ピリジン100mlに溶解した化合物23(14.8g、31.2ミリモル)の溶液を冷却(氷/水浴)し、攪拌しながら塩化p−トルエンスルフォニル(7.1g、37.44ミリモル)を分割して加えた。0℃で一晩放置後に反応混合物を、加熱浴を用いずに約30mlまで濃縮し、酢酸エチル(200ml)と3N NaHSO水溶液(200ml)との間で分配させた。水相をさらに酢酸エチル(100ml)で洗浄し、有機性洗液類を合わせた後、それを飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。それを濃縮して粘性油状物としての17.8gの粗製トシルエステル体24を得た。この生成物は、さらに精製することなく次の段階で用いた。
その粗製トシルエステル体24(17.8g、28.3ミリモル)を無水DMF220mlに溶解した溶液に、アジ化ナトリウム(4.0g、61.5ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃で5時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物質を水(100ml)と酢酸エチル(200ml)との間で分配させた。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた粗製生成物を、シリカ上、酢酸エチルで溶離させるクロマトグラフィーを行なった。生成物を含む画分類を濃縮し、減圧下で乾燥して無色、油状物としての10.1gの所望のアジ化物25を得た(収率67%)。H NMR(DMSO−d6)データは、δ8.08(s,1H),7.70(s,2H),4.24(t,J=4Hz,2H),3.90(s,6H),3.78(t,J=4Hz,2H),3.59(t,J=5Hz,2H),3.51(m,16H),3.38(t,J=5Hz,2H)であった。
(N−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェノキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル](フルオレン−9−イルメトキシ)カルボキシアミド(27))
水素化リチウムアルミニウム(10.0g、263.5ミリモル)を、アルゴン中、3回に分けて無水THF250ml中に懸濁させた。その懸濁物を0℃に冷却(氷/水浴)し、予め乾燥THF100mlに溶解したアジ化物25(10.1g、20.2ミリモル)の溶液を攪拌しながら徐々に(約5分かけて)加えた。反応混合物を室温まで加温し、さらに2時間、攪拌を続けた。水(20ml)を滴加(最初は極めてゆっくりと)して過剰なLiAlH4を消失させ、反応混合物を濃縮して半固形の物質を得た。その物質から、2−プロパノールで抽出し、ろ過して所望のアミノジオール体を単離した。その固体類をさらに2−プロパノールで、洗液類中に生成物が検出されなくなるまで、洗浄(4X200ml)した。抽出液を濃縮して粗製アミノジオール26(8.2g)を得、さらに精製せずに次の段階に用いた。
DMF80mlに溶解した粗製アミン26(8.2g、19.6ミリモル)の溶液を冷却(氷/水浴)し、攪拌しながらN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.6g、20ミリモル)を加え、次に9−フルオレニルメチル・クロロホルメート(5.2g、20ミリモル)加えた。反応混合物を0℃で30分、攪拌した。DMFを蒸発させ、得られた油状物を酢酸エチル(300ml)と水(100ml)との間で分配させた。水相をさらに酢酸エチルで洗浄した。有機相類を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮した。その混合物をシリカ上、CHCl、2.5%MeOH/CHCl,5%MeOH/CHClおよび10%MeOH/CHClで順に溶離させてクロマトグラフィーを行なった。精製生成物含有の画分類を濃縮し、無色、粘性シロップ状の9.25gの化合物27を得た(収率72%)。H NMR(DMSO−d6)のデータは、δ7.89(d,J=7.4Hz,2H),7.70(d,J=7.2Hz,2H),7.42(t,J=7.4Hz,2H),7.33(t,J=7.1Hz,2H),6.86(s,1H),6.75(s,2H),5.16(t,J=5.8Hz,2H),4.45(d,J=5.8Hz,4H),4.30(m,2H),4.22(m,1H),4.06(t,J=4Hz,2H),3.72(t,J=4.7Hz,2H),3.5(m,16H),3.41(t,J=6.3Hz,2H),3.15(m,2H)であった。
(N−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(5−{[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル}−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトクシ}エチル)(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボキシアミド(28))
無水ピリジン175mlに溶解したジオール化合物27(12.6g、19.7ミリモル)の溶液を冷却(氷/水浴)し、攪拌しながら塩化ジメトキシトリチル(6.66g、19.6ミリモル)を分割して加えた。反応混合物を室温にまで加温した。室温で15時間放置後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと冷却10%クエン酸水溶液との間で分配させた。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。その混合物から、シリカゲルカラムでのMeOH(0→10%)/酢酸エチルのグラジエント溶離による精製によって所望のモノ−DMT置換化ジオール化合物28を単離した。精製生成物の画分類を濃縮し、減圧下で乾燥して高粘性のシロップ状の8.0gの表題化合物28を得た(収率43%)。H NMR(DMSO−d6)データは、δ7.89(d,J=7.4Hz,2H)、7.69(d,J=7.2Hz,2H),7.5−7.2(m,13H),6.92(d,J=8.8Hz,4H),6.89(s,1H),6.81(s,1H),6.74(s,1H),5.19(t,J=6Hz,1H),4.47(d,J=6Hz,2H),4.29(m,2H),4.21(m,1H),4.05(m,4H),3.74(s+m,8H),3.5(m,16H),3.41(t,J=6.3Hz,2H),3.14(m,2H)であった。
(5−[N−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(5−{[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル}−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)カルバモイル]−15−(2,2−ジメチルプロパノイルオキシ)−1−オキソスピロ[3−ヒドロイソベンゾフラン−3,9’−キサンテン]−12−イル−2,2−ジメチルプロパノエート(30))
無水CHCl100mlに溶解したFmoc保護化モノDMT−アミノジオール28の溶液に、攪拌しながらDBU(3ml、20ミリモル)を加えた。30分攪拌後、反応混合物を濃縮し、シリカ上、第一の溶離液としてCHClで保護基成分を分離し、第二の溶離液としてMeOH:EtN:CHCl(10:5:85)で所望の生成物を溶離させてクロマトグラフィーを行なった。溶媒を蒸発させ、残渣を減圧下で乾燥させて粘性油状物としてのアミン化合物29を得た。
CHCl30mlに溶解したアミン29(2ミリモル)とトリエチルアミン(2ミリモル)との溶液を、予め無水THF10mlに溶解したジピバロイルフルオレセイン−6−カルボン酸ペンタフルオロフェニル(NUCLEOSIDE & NUCLEOTIDE(1997)16(1&2)、107−114)の冷却(0℃)した溶液に、攪拌しながら加えた。0℃で3時間、攪拌後、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカ上、MeOH(0→5%)/酢酸エチルのグラジエントで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。精製生成物の画分類を濃縮し、乾燥して無色無定形固体としての2.1gの化合物30を得た(収率85%)。H NMR(DMSO−d6)のデータは、δ8.76(t,J=5Hz,1H),8.22(d,J=8Hz,1H),8.16(d,J=8Hz,1H),7.81(s,1H),7.45(s,1H),7.42(s,1H),7.30(m,9H),6.95(m,9H),6.80(s,1H),6.75(s,1H),5.20(t,J=6Hz,1H),4.47(d,J=6Hz,2H),4.05(m,4H),3.74(s+m,8H),3.6−3.3(m,20H),1.31(s,18H)であった。
(5−{N−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[5−{[ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル}−3−({[ビス(メチエチル)アミノ](2−シアノエトキシ)フォスフィノオキシ}メチル)フェノキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]カルバモイル}−15−(2,2−ジメチルプロパノイルオキシ)−1−オキソスピロ[3−ヒドロイソベンゾフラン−3,9’−キサンテン]−12−イル−2,2−ジメチルプロパノエート(31))
無水CHCl50mlに溶解した化合物30(3.1g、1.68ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルアンモニウム・テトラゾリド(0.43g、2.5ミリモル)を加え、続いて2−シアノエチルテトライソプロピルホスホルジアミダイト(0.76g、2.5ミリモル)を加えた。反応混合物を一晩撹拌後、濃縮し、シリカ(予めEtN+EtOAcで洗浄したもの)上、酢酸エチルで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。精製生成物の画分類を濃縮し、高減圧下で乾燥して無色の無定形固体としての1.8gの化合物31を得た(収率75%)。H NMR(DMSO−d6)のデータは、δ8.76(t,J=5Hz,1H),8.22(d,J=8Hz,1H),8.15(d,J=8Hz,1H),7.80(s,1H),7.44(s,1H),7.41(s,1H),7.30(m,9H),6.95(m,9H),6.80(s,1H),6.75(s,1H),4.66(m,2H),4.03(m,4H),3.74(s+m,8H),3.6−3.3(m,24H),2.75(t,J=6Hz,2H),1.29(s,18H),1.14(t,J=7Hz,12);および31P NMRのデータはδ148(s)であった。
(実施例1)
本実施例は、ホスホルアミダイト41の調製を説明するものである。
(化合物32の合成)
無水THF200mlに溶解した4−ヒドロキシ安息香酸メチル(15.2g、0.1モル)、ヘキサ(エチレングリコール)(32g、0.11モル)とトリフェニルホスフィン(34g、0.13モル)との溶液に、攪拌しながらアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)(20.5ml、0.13モル)を滴加した。2時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、残渣をエーテル(200ml)に懸濁してトリフェニルホスフィン・オキシドを沈殿させた。その懸濁液を冷却し、固型分をろ別した。ろ液を濃縮し、得られた油状物をシリカ上でメタノール(0→5%)/酢酸エチルのグラジエントで溶離させてクロマトグラフィーを行った。精製生成物の画分を濃縮し、減圧下で乾燥して無色のシロップ状の11.9gの化合物32を得た(収率29%)。そのH NMR(DMSO−d6)のデータは、δ7.89(d,J=8.8Hz,2H),7.05(d,J=8.8Hz,2H),4.58(t,J=5.5Hz,1H),4.17(t,J=4.5Hz,2H),3.76(t,J=4.5Hz,2H),3.65−3.35(m,20H)であった。
(化合物33の合成)
化合物32(12.9g、31.2ミリモル)を、無水ピリジン(2X100ml)と共に蒸発させて乾燥後、無水ピリジン100mlに溶解し、0−3℃(氷−水浴)に冷却した。この溶液に、攪拌しながら塩化p−トルエンスルフォニル(7.1g、37.44ミリモル)を分割して加えた。反応混合物を0℃で16時間、攪拌後、濃縮用フラスコで冷却(0−20℃)しながら濃縮した。残渣を酢酸エチル(200ml)と3N NaHSO水溶液(200ml)との間で分配させた。有機相を、飽和NaHCO水溶液、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。それを濃縮して16.1gの所望のトシルエステル33を得た。この物質は充分に純粋であり、さらに精製せずに次の反応に用いた。
(化合物34の合成)
DMF220mlに溶解した化合物33(16.1g、28.2ミリモル)の溶液に、アジ化ナトリウム(4.0g、61.5ミリモル)を加えた。その反応混合物を50℃で5時間、攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(100ml)と酢酸エチル(200ml)との間で分配させた。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた物質を、シリカ上、酢酸エチルで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。生成物含有の画分類を濃縮して無色粘性油状物としての10.5gのアジ化物34を得た(収率85%)。
(化合物35の合成)
メタノール250mlに溶解した化合物34(7.0g、15.9ミリモル)の溶液を、10%Pd/C触媒の存在下、水素圧45psiで1時間、水素化した。Celiteでろ過して触媒を除去した。溶媒を蒸発させて無色、粘性油状の6.55gのアミン35を得た(収率99%)。
(化合物36の合成)
アミン化合物35(6.5g、15.6ミリモル)を、1N NaOH32mlに溶解した。室温で1時間、放置後、50mlの水と15.6ミリモルのNaHCOとを加えた。その溶液を、氷−水浴を用いて0℃に冷却した。その溶液に、予めTHF50mlに溶解したFmoc−Cl(4.9g、18.7ミリモル)の溶液を加えた。生成したエマルションを0℃で2時間、撹拌後、濃縮し、1N HClでpH2に酸性化した。その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥した。濃縮して得られた粘性シロップ状物を、シリカ上、MeOH(0→5%)/ジクロロメタンのグラジエントで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。9.1gの所望の酸化合物36を得た(収率93%)。
(化合物37の合成)
無水ジクロロメタン150mlに溶解した化合物36(9.1g、4.6ミリモル)とピリジン(1.5ml)との溶液に、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(PEP−TFA)2.6ml(15.1ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間、放置後、濃縮した。残渣を、シリカ上、酢酸エチルで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。精製生成物の画分類を濃縮して無色粘性油状の8.5gのPEPエステル37を得た(収率73%)。H NMR(DMSO−d6)データは、δ8.10(d,J=8.8Hz,2H),7.87(d,J=7.4Hz,2H),7.68(d,J=7.4Hz,2H),7.40(t,J=7.4Hz,2H),7.31(t,J=7.4Hz,2H),7.18(d,J=8.8Hz,2H),4.25(m,5H),3.77(t,J=4.0Hz,2H),3.66−3.50(m,6H),3.49(s,10H),3.40(t,J=6.5Hz,2H),3.13(m,2H)であった。
(化合物39の合成)
ジクロロメタン100mlに、化合物37(4.0g、5.06ミリモル)、ピリジン(0.5ml)、ジイソプロピルエチルアミン(0.5ml)とDMT−ヒドロキシプロリノール(38)(N−FMOC−ヒドロキシプロリンをBHで還元し、次にその第一級ヒドロキシ基をDMTで保護して調製される)(2.5g。5.6ミリモル)とを溶解して溶液を調製した。その反応混合物を、含有するPEPエステル37がTLC分析(酢酸エチル)でほとんど検出されなくなるまで、最大50時間まで反応を継続させた。反応後の溶液を10%クエン酸水溶液、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた物質をシルカ上、メタノール(0→5%)/ジクロロメタンのグラジエントで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。精製生成物の画分類を濃縮して無定形の白色固体としての4.7gの所望の化合物39を得た(収率90%)。
(化合物40の合成)
ジクロロメタン(25ml)とトリエチルアミン(25ml)との混液に溶解した化合物39(4.6g、4.4ミリモル)の溶液を、50℃で24時間、加熱した。反応混合物を濃縮し、無水ジクロロメタン60mlに再溶解させた。ジイソプロピルエチルアミンを加え、溶液を0℃(氷−水浴)に冷却した。その冷溶液に、ジピバロイルフルオレセイン−6−カルボン酸ペンタフルオロフェニル(2.9g、4.08ミリモル)を分割して加えた。反応混合物を0℃で1時間、撹拌後、濃縮した。精製した物質をシリカ上、メタノール(0→2.5%)/ジクロロメタンのグラジエントで溶離させてクロマトグラフィーを行なった。生成物含有の画分類を濃縮して無定形の白色固体としての4.8gの化合物40を得た(収率88%)。
(化合物41の合成)
無水ジクロロメタン80mlに溶解した化合物40(4.7g、3.5ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルアンモニウム・テトラゾリド1.52gを加え、続いて2−シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(2.35g、7.8ミリモル)を加えた。3時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと5%NaHCO水溶液との間で分配させた。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄後、NaSOを通して乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた物質を少量の酢酸エチルに溶解し、2倍容の無水ヘキサン中に加えて沈殿を形成させた。それをヘキサンと共に粉砕後、ろ過し、乾燥して白色無定形固体としての4.6gの所望のホスホルアミダイト41を得た(収率86%)。
図1は、クエンチングし、相補的核酸標的にハイブリダイズする溶液状態の本発明のプローブ(MB−Fl−ODN−Q;配列番号1)の概略図を示すものであってそのフルオロフォアとクエンチャとは蛍光が可能となるように空間的に分離されている。 図2は、固体支持体に固定化された本発明の固定化プローブ(MB−Fl−ODN−Q)を図解するものである。ハイブリダイズされていないプローブの蛍光は効率的にクエンチされている。クエンチャ(Q)とフルオロホア(Fl)とは近接配置されている。プローブが相補的な核酸標的にハイブリダイズすると、QとFlとは空間的に分かれて蛍光が生じるようになる。MBリガンドは、二重鎖の副溝内に結合することで安定化する副溝バインダーである。 図3は、4種類のMGB Eclipseプローブ(配列番号3、配列番号 6、配列番号9および配列番号11)の場合と比較しての、4種類の異なる標的(配列番号2、配列番号5、配列番号8および配列番号10)にハイブリダイズした本発明の4種のプローブ(配列番号4、配列番号7、配列番号9および配列番号11)の蛍光シグナル、蛍光バックグランドおよびシグナル/バックグランド比に関するものである。 図4は、本発明の2種類のプローブ、並びにフルオレセイン(FAM)またはYakima Yellow(YY)でそれぞれ標識化した2種類のMGB Eclipseプローブの温度上昇時のバックグランドシグナルの安定性を比較したものである。プローブ類の配列は、Eclipse#1が5’−CAGAGACATACA*CCA(配列番号12)、Eclipse#2が5’−G*TATGTCTCTGACTCC(配列番号9)、新規プローブ#1が5’−G*TCAGAG*ACATACA*CC(配列番号4)、および新規プローブ#2が5’−G*TATGTCTCTGACTCC(配列番号9)であり、A*は4−(4,6−ジアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)−ブチ−3−イン−1−オールであり、G*は6−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4(5H)−オンである。 図5aは、溶液状態および相補的標的(配列番号14)に結合した状態でのMB−Fl−ODN(配列番号13)の温度に対する蛍光バックグランドの変化を示す。図5bは、溶液状態および相補的配列に結合した状態でのMB−Fl−ODNおよびMB−Fl−ODN−Qの蛍光スペクトル類を示す。 図6は、固体担体表面に本発明の結合体を分岐させて組立てる手順を概略図で示す。 図7は、固体担体表面に本発明の結合体を線状に組立てる手立てを概略図で示す。 図8は、新規プローブの挙動をMGB Eclipse Probeのそれと比較した融解曲線を示す。A.は、3種の異なる相補物濃度(a)1x10−7M、b)2x10−8M、c)4x10−9M)において、右の列のMGB Eclipse Probeと、左の列の新規プローブとを比較して各々、グラフに示すもので、プローブ濃度は一定(2x10−7M)とした。B.は、一定のプローブ濃度、2x10−7Mでの、3種の異なる相補物濃度(a)4x10−9M、b)1x10−9M、c)1.6x10−10M)における、右の列のMGB Eclipse Probeと、左の列の新規プローブとを比較するものである。注目すべきは感度が10倍上昇したことである。 図9は、102種のARNT−01DNA試料のリアルタイムエンドポイントPCR分析の遺伝子型分類用スキャッタプロット類を示す。図9aは、野生型プローブをFAMで標識化し、変異型プローブをYYで標識化した時の、本発明の新規プローブ結合体の挙動を表わす。図9bは、野生型プローブをFAMで標識化し、変異型プローブをYYで標識化した時の、MGB Eclipse Probe類の挙動を表わす。

Claims (34)

  1. 3’−末端および5’−末端を有するオリゴヌクレオチド部分と、該ヌクレオチド単位の少なくとも1個連結基を介して結合された副溝バインダー部分であって、該連結基は、該副溝バインダー部分を該オリゴヌクレオチドに共有結合している副溝バインダー部分と、フルオロフォアおよびクエンチャとを含むオリゴヌクレオチドプローブであって、該プローブは以下の式を有し、
    Figure 0004942484
    式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャ、Flはフルオロフォアであり、[A−B]はn単位の核酸オリゴマーを表し、nは5−50の整数であり、Aは各々、独立して糖リン酸エステル主鎖、修飾糖リン酸エステル主鎖、ロックされた核酸主鎖、ペプチド主鎖、あるいは核酸調製で用いられるそれらの変異体から成る群から選択される核酸主鎖成分を表わし、Bは各々、独立して核酸塩基、修飾塩基または塩基類縁体を表わし、Kは結合または連結基であり、Wは(i)該オリゴヌクレオチドプローブがそれの相補的配列にハイブリダイズする際に形成される二重鎖副溝内にMBが結合し、ここで、該MBとQがともに該蛍光をクエンチングし、(ii)ハイブリダイズされていない形では、該オリゴヌクレオチドプローブ内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、(iii)該オリゴヌクレオチドプローブがその標的配列にハイブリダイズする際にFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、該MBとFlと[A−B]との間に充分な空間を提供する3価の連結基である、オリゴヌクレオチドプローブ。
  2. Wが、ハイブリダイズされていない形では、該オリゴヌクレオチドプローブ内のFlの蛍光がクエンチ化されていない蛍光の30%未満であるように、MBとFlと[A−B]との間に空間を提供する、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  3. Wが、
    Figure 0004942484
    からなる群から選択されるメンバーであり、
    式中、qは0−8の整数であり、A、AおよびAは各々、主鎖の原子数が1−50の連結基類であって、アリール、アルキレン、置換アルキレン、ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレンおよびそれらの組合せからなる群から選択される部位を伴うものであり、該波線はMB、Qおよび[A−B]部分との結合点を示す、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  4. nが6−18の整数であり、前記[A−B]部分が少なくとも3個の連続したグアニンヌクレオチドを含み、該グアニンヌクレオチド塩基類の少なくとも1個がPPGで置き換わったものである、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  5. 前記[A−B]部分が、DNA、RNA、キメラ体、PNAまたはロックされた核酸である、請求項4に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  6. nが6−18の整数であり、前記プローブが少なくとも30%のアデニン塩基およびチミン塩基を有する標的配列に相補的であり、該プローブが少なくとも1個の修飾塩基を含み、該少なくとも1個の修飾塩基は該少なくとも1個の修飾塩基を含まないプローブと比較して少なくとも3℃での二重鎖形成の安定性を増大させるのに充分である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  7. 前記[A−B]部分がDNA、RNA、キメラ体、PNAまたはロックされた核酸である、請求項6に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  8. 前記プローブが、少なくとも50%のアデニン塩基およびチミ塩基を有する標的配列に相補的であり、該プローブが少なくとも1個の修飾塩基を含み、これは該少なくとも1個の修飾塩基を含まないプローブと比較して少なくとも5℃での二重鎖形成の安定性を増大させるのに充分である、請求項6に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  9. 前記WおよびKが各々、式IVbおよび式IVcを有する、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  10. ポリヌクレオチド増幅の連続モニタリングの方法であって、
    (a)標的配列を含む試料を、その標的配列の領域に相補的な1種または複数のオリゴヌクレオチドプライマー、重合反応酵素、ヌクレオチド基質類、および
    Figure 0004942484
    で表されるオリゴヌクレオチド結合体と混合して混合物を得る工程であって、式中、MBは副溝バインダ、Qはクエンチャ、ODNは増幅された該標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)該オリゴヌクレオチド結合体が標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ここで、該MBとQがともに該蛍光をクエンチングし、ii)ハイブリダイズされていない形では、該オリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、該MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である工程と、
    (b)該混合物を、該ポリヌクレオチドの増幅に好適な諸条件のもとで温置する工程と
    (c)増幅した標的に結合体がハイブリダイズする際に産生する蛍光をモニタリングすることで連続的に該増幅をモニタリングする工程とを含む方法。
  11. 前記MB部分が、CC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記Fl部分が、蛍光発光波長が約400nm−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアがクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ類縁体類からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記Q部分が、モノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである、請求項10に記載の方法。
  14. 前記結合体の前記ODN部分が、ヌクレオチド長8−25である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記結合体の前記ODN部分が、ヌクレオチド長8−1であって、Kが、C、O、N、S、PおよびSiからなる群から選択される10−50の主鎖原子長を有するリンカーである、請求項10に記載の方法。
  16. 前記WおよびKが各々、式IVbおよび式IVcを持つ、請求項10に記載の方法。
  17. 遺伝子発現モニタリングの方法であって、
    (a)異なる配列類のオリゴヌクレオチドプローブ類のアレイを準備する工程と
    (b)ハイブリダイゼーション諸条件下で該アレイとともに、ポリヌクレオチド群を温置する工程と
    (c)該アレイ内の該オリゴヌクレオチドプローブ類のうち、どのプローブが該ポリヌクレオチド群とハイブリダイズするのかを判断する工程とを包含し、
    該オリゴヌクレオチドプローブ類の一種以上は、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体であって、
    Figure 0004942484
    式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNは増幅された標的配列一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ここで、該MBとQがともに該蛍光をクエンチングし、ii)ハイブリダイズされていない形では、該オリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、該MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基である、方法。
  18. 前記MB部分が、CC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、前記Fl部分が、蛍光発光波長が約400nm−約800nmであるフルオロフォアであり、そのフルオロフォアがクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ類縁体類からなる群から選択されるものであり、前記Q部分が、モノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記結合体が固体支持体に結合している、請求項18に記載の方法。
  20. WおよびKが各々、式IVbおよび式IVcを持つ請求項17に記載の方法。
  21. 単一ヌクレオチドが異なるポリヌクレオチド類を識別する方法であって、
    (a)少なくとも2種のポリヌクレオチド類の各々を別々に、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体とともに温置する工程であって、
    Figure 0004942484
    式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNは増幅された標的配列の一部に相補的である配列を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ここで、該MBとQがともに該蛍光をクエンチングし、ii)ハイブリダイズしていない形では、該オリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、該MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基であり、該結合体がハイブリダイゼーション諸条件下で所定の配列を持ち、該ポリヌクレオチド類のうちの1種が該オリゴヌクレオチド結合体に完全に相補的な標的配列を持ち、該ポリヌクレオチド類の別の少なくとも1種は該オリゴヌクレオチド結合体と単一ヌクレオチドミスマッチを有する標的配列を持つ工程、および
    (b)該ポリヌクレオチド類の各々と該オリゴヌクレオチド結合体とのハイブリダイゼーション強度を測定する工程を包含する方法。
  22. 前記MB部分が、CC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、前記Fl部分が、蛍光発光波長が約400nm−約800nmであるフルオロフォアであり、該フルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ類縁体類からなる群から選択されるものであり、前記Q部分が、モノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである、請求項21に記載の方法。
  23. WおよびKが各々、式IVbおよび式IVcを持つ、請求項21に記載の方法。
  24. ポリヌクレオチド内の標的配列を検出する方法であって、該ポリヌクレオチドは、別のポリヌクレオチド類の混合物中に存在し、該混合物中の該別のポリヌクレオチド類の一種以上が、該標的配列と関連性があるが同一ではない配列を含み、該方法は、
    (a)ポリヌクレオチド類の該混合物を、以下の式のオリゴヌクレオチド結合体と接触させる工程であって、
    Figure 0004942484
    式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ここで、該MBとQがともに該蛍光をクエンチングし、ii)ハイブリダイズされていない形では、該オリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、該MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基であり、該結合体は、該ODN部分に完全に相補的である標的配列とのみ安定なハイブリッドを形成し、ほかのポリヌクレオチド類のいずれとも安定なハイブリッドを形成しない工程、および
    (b)ハイブリッド形成時に産生する蛍光を測定し、ハイブリッドの形成が認められれば該標的配列の存在が示される工程を包含する方法。
  25. 前記MB部分が、CC1065類似体類、レキシトロプシン類、ジスタマイシン、ネトロプシン、ベレニル、デュオカルマイシン、ペンタミジン、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールおよびピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン類縁体類からなる群から選択され、前記Fl部分が、蛍光発光波長が約400nm−約800nmであるフルオロフォアであり、該フルオロフォアはクマリン類、レゾルフィン類、キサンテン類、ベンゾキサンテン類、シアニン類およびボディピ類縁体類からなる群から選択されるものであり、前記Q部分が、モノアゾ色素類とビスアゾ色素類とからなる群から選択されるメンバーである、請求項24に記載の方法。
  26. WおよびKが各々、式IVbおよび式IVcを持つ、請求項24に記載の方法。
  27. 野生型、変異型およびヘテロ接合型の標的ポリヌクレオチド類を識別する方法であって、
    (a)標的ポリヌクレオチドを含有する試料を、2種類のプローブと接触させる工程であって、第一のプローブは該野生型の標的ポリヌクレオチドに特異的であり、第二のプローブは該変異型の標的ポリヌクレオチドに特異的であって、それらプローブの各々は以下の式を持つものであり、
    Figure 0004942484
    式中、MBは副溝バインダー、Qはクエンチャであり、ODNはオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドであり、Kは結合または連結基であり、Flはフルオロフォアであり、Wはi)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に副溝内にMBが結合し、ここで、該MBとQがともに該蛍光をクエンチングし、ii)ハイブリダイズされていない形では、該オリゴヌクレオチド結合体内のFlの蛍光がクエンチングされていない蛍光の10%未満であり、iii)該オリゴヌクレオチド結合体が該標的配列にハイブリダイズする際に、Flの蛍光がクエンチングされていない蛍光の少なくとも50%であるように、該MBとFとODNの各成分との間に充分な間隔をあける3価の連結基であり、該結合体は、該ODN部分に完全に相補的である標的配列とのみ安定な対ハイブリッドを形成し、ほかのポリヌクレオチド類のいずれとも安定なハイブリッドを形成しない、工程、および
    (b)ハイブリッド形成時に産生する蛍光を測定し、ハイブリッド形成が認められると該野生型、変異型およびヘテロ接合型の標的ポリヌクレオチド類の各々の存在または非存在が分かる工程を含む方法。
  28. 前記第一および第二のプローブ類とそれらの各標的との間で生じる各々のハイブリッドに関する融解温度(T)はそれぞれについて約5℃以内である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記プローブ類の各々の前記ODN部分が、8−18個の塩基または修飾塩基を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドである、請求項27に記載の方法。
  30. 前記プローブ類の各々の前記ODN部分が、10−15の塩基または修飾塩基を持つオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドである、請求項27に記載の方法。
  31. 前記プローブ類の各々の前記フルオロフォア部分が、5−FAMTM、6−FAMTM、TETTM、JOETM、HEXTM、VICTM、NEDTM、TAMRATM、ROXTMおよびYYTMからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  32. 前記プローブ類の各々の前記ODN部分が、少なくとも1個の修飾塩基を含む、請求項27に記載の方法。
  33. 各修飾塩基が独立して、6−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4(5H)−オン、4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1H−ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−4(5H)−6(7H)−ジオン、6−アミノ−3−プロピ−1−イニル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、6−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、6−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、4−アミノ−3−(プロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、3−プロピ−1−イニル−4,6−ジアミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、2−(4,6−ジアミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)エチン−1−オール、3−(2−アミノエチニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、5−プロピ−1−イニル−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、6−アミノ−5−プロピ−1−イニル−3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−アミノプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、5−[4−アミノ−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル]−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−オール、6−アミノ−1−[4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、4−(4,6−ジアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)−ブチ−3−イル−1−オール、6−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、5−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミン、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミンおよび3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミンからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記試料を増幅諸条件下で1連のプライマー類とさらに接触させる工程を包含し、該プライマー類の各々が、6−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4(5H)−オン、4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1H−ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−4(5H)−6(7H)−ジオン、6−アミノ−3−プロピ−1−イニル−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、6−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、6−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、4−アミノ−3−(プロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、4−アミノ−3−(3−アミノプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、3−プロピ−1−イニル−4,6−ジアミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、2−(4,6−ジアミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)エチン−1−オール、3−(2−アミノエチニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、5−プロピ−1−イニル−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、6−アミノ−5−プロピ−1−イニル−3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−ヒドロキシプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、6−アミノ−5−(3−アミノプロピ−1−イニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2−オン、5−[4−アミノ−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル]−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−オール、6−アミノ−1−[4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−3−(3−メトキシプロピ−1−イニル)−5−ヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、4−(4,6−ジアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)−ブチ−3−イル−1−オール、6−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、5−(4−ヒドロキシ−ブチ−1−イニル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミン、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミンおよび3−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミンからなる群から選択される1−10個の修飾塩基類を含む、請求項27に記載の方法。
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