しかしながら、特許文献1等に記載の車載警報装置では、例えば、運転者の顔向きが略正面であって且つ目を閉じている状態(=閉眼状態)から、顔向きが正面に対して予め設定された角度(例えば、15度)以上横を向いている状態(=脇見状態)に移行した場合であっても、単に脇見状態にある場合と同様に、脇見時間に応じて衝突警報の前出しが行われるため、適正なタイミングで警報が出力されない場合があった。
すなわち、前者の場合には、後者と比較して、脇見状態に先だって閉眼状態が存在するため、単に脇見状態にある場合よりも早いタイミングで衝突警報を出力することが好ましい。つまり、前者の場合には、後者と比較して、脇見状態に先だって存在する閉眼状態の継続時間(=閉眼時間)に応じて、衝突警報を更に前出しすることが好ましいのである。
また、同様に、脇見状態から閉眼状態に移行した場合にも、単に閉眼状態にある場合と比較して、閉眼状態に先だって存在する脇見状態の継続時間(=脇見時間)に応じて、衝突警報を更に前出しすることが好ましいのである。なお、以下の説明においては、運転者が脇見状態及び閉眼状態の少なくとも一方の状態にある場合に、運転者が「前方不注意状態」にあるという。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、運転者の前方不注意状態に応じて適正に警報の前出しを行うことの可能な警報制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。第1の発明は、車両に搭載され、該車両に衝突の可能性がある場合に警報の出力を制御する警報制御装置であって、該車両の衝突の可能性が予め設定された閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上であると判定された場合に、予め設定された基準タイミングで警報を出力させる警報出力手段と、運転者が脇見状態であるか否かを検出し、脇見状態が継続している時間である脇見時間を計時する脇見検出手段と、運転者が閉眼状態であるか否かを検出し、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間を計時する閉眼検出手段と、前記脇見時間及び閉眼時間に基づいて、前記警報出力手段に対して警報を出力するタイミングを規定する前出し時間を設定する時間設定手段と、前記警報出力手段に対して、前記基準タイミングを基準として前記時間設定手段によって設定された前記前出し時間だけ前のタイミングで警報を出力させるタイミング変更手段と、を備える。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記脇見検出手段によって脇見状態であると検出されている場合に、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する第1継続判定手段を備え、前記時間設定手段が、前記第1継続判定手段によって閉眼状態であったと判定された場合には、前記第1継続判定手段によって閉眼状態ではなかったと判定された場合と比較して、長い前出し時間を設定する。
第3の発明は、上記第2の発明において、前記第1継続判定手段は、前記脇見検出手段によって脇見状態であるとの判定が開始されたタイミングから、予め設定された第1判定時間だけ前のタイミングで、前記閉眼検出手段によって閉眼状態であると検出されていたか否かに基づいて、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する。
第4の発明は、上記第3の発明において、前記第1判定時間が、前記脇見検出手段が脇見状態であるか否かを判定するのに要する時間に基づいて設定されている。
第5の発明は、上記第2の発明において、脇見状態が継続している時間である脇見時間に対応付けて、警報が出力されるタイミングを、前記基準タイミングを基準として前出しする時間である第1出力時間を予め格納する第1記憶手段を備え、前記時間設定手段が、前記第1継続判定手段によって閉眼状態ではなかったと判定された場合には、前記第1記憶手段に格納され、前記脇見検出手段によって検出された脇見時間に対応する第1出力時間を、前出し時間として設定し、前記第1継続判定手段によって閉眼状態であったと判定された場合には、前記第1記憶手段に格納され、前記脇見検出手段によって検出された脇見時間に対応する第1出力時間よりも長い時間を、前出し時間として設定する。
第6の発明は、上記第5の発明において、前記時間設定手段が、前記第1継続判定手段によって閉眼状態であったと判定された場合には、該閉眼状態に対応する閉眼時間を、前記閉眼検出手段を介して取得し、取得された閉眼時間に基づいて前出し時間を設定する。
第7の発明は、上記第6の発明において、前記時間設定手段が、前記第1継続判定手段によって閉眼状態であったと判定された場合には、前記閉眼検出手段を介して取得された閉眼時間に予め設定された第1係数を乗じた積に、前記脇見検出手段によって検出された脇見時間を加算した和の脇見時間に対応し、前記第1記憶手段に格納された第1出力時間を、前出し時間として設定する。
第8の発明は、上記第7の発明において、前記第1係数が、0.5以上、且つ、1以下に設定されている。
第9の発明は、上記第1の発明又は第2の発明において、前記閉眼検出手段によって閉眼状態であると検出されている場合に、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する第2継続判定手段を備え、前記時間設定手段が、前記第2継続判定手段によって脇見状態であったと判定された場合には、前記第1継続判定手段によって脇見状態ではなかったと判定された場合と比較して、長い前出し時間を設定する。
第10の発明は、上記第9の発明において、前記第2継続判定手段が、前記閉眼検出手段によって閉眼状態であるとの判定が開始されたタイミングから、予め設定された第2判定時間だけ前のタイミングで、前記脇見検出手段によって脇見状態であると検出されていたか否かに基づいて、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する。
第11の発明は、上記第10の発明において、前記第2判定時間が、前記閉眼検出手段が閉眼状態であるか否かを判定するのに要する時間に基づいて設定されている。
第12の発明は、上記第9の発明において、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間に対応付けて、警報が出力されるタイミングを、前記基準タイミングを基準として前出しする時間である第2出力時間を予め格納する第2記憶手段を備え、前記時間設定手段が、前記第2継続判定手段によって脇見状態ではなかったと判定された場合には、前記第2記憶手段に格納され、前記閉眼検出手段によって検出された閉眼時間に対応する第2出力時間を、前出し時間として設定し、前記第2継続判定手段によって脇見状態であったと判定された場合には、前記第2記憶手段に格納され、前記閉眼検出手段によって検出された閉眼時間に対応する第2出力時間よりも長い時間を、前出し時間として設定する。
第13の発明は、上記第12の発明において、前記時間設定手段が、前記第2継続判定手段によって脇見状態であったと判定された場合には、該脇見状態に対応する閉眼時間を、前記脇見検出手段を介して取得し、取得された脇見時間に基づいて前出し時間を設定する。
第14の発明は、上記第13の発明において、前記時間設定手段が、前記第2継続判定手段によって閉眼状態であったと判定された場合には、前記脇見検出手段を介して取得された脇見時間に予め設定された第2係数を乗じた積に、前記閉眼検出手段によって検出された閉眼時間を加算した和の閉眼時間に対応し、前記第2記憶手段に格納された第2出力時間を、前出し時間として設定する。
第15の発明は、上記第14の発明において、前記第2係数が、0.5以上、且つ、1以下に設定されている。
上記第1の発明によれば、警報出力手段によって、車両の衝突の可能性が予め設定された閾値以上であるか否かが判定され、閾値以上であると判定された場合に、予め設定された基準タイミングで警報が出力される。そして、運転者が脇見状態であるか否かが検出され、脇見状態が継続している時間である脇見時間が計時される。また、運転者が閉眼状態であるか否かが検出され、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間が計時される。更に、脇見時間及び閉眼時間に基づいて、警報出力手段に対して警報を出力するタイミングを規定する前出し時間が設定され、警報出力手段を介して、基準タイミングを基準として、設定された前出し時間だけ前のタイミングで警報が出力されるため、運転者の前方不注意状態に応じて適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、警報出力手段を介して、基準タイミングを基準として、脇見時間及び閉眼時間に基づいて設定された前出し時間だけ前のタイミングで警報が出力されるため、例えば、脇見状態から閉眼状態に移行した場合に、閉眼状態に先だって存在する脇見状態の継続時間(=脇見時間)に応じて、適正な前出し時間を設定することができるので、運転者の前方不注意状態に応じて適正に警報の前出しを行うことができるのである。
上記第2の発明によれば、脇見状態であると検出されている場合に、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であったか否かが判定され、閉眼状態であったと判定された場合には、閉眼状態ではなかったと判定された場合と比較して、長い前出し時間が設定されるため、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
上記第3の発明によれば、脇見状態であるとの判定が開始されたタイミングから、予め設定された第1判定時間だけ前のタイミングで、閉眼状態であると検出されていたか否かに基づいて、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かが判定されるため、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かの判定を簡素な構成で適正に行うことができる。
上記第4の発明によれば、第1判定時間が、脇見状態であるか否かを判定するのに要する時間に基づいて設定されているため、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かの判定を更に簡素な構成で適正に行うことができる。
すなわち、例えば、脇見状態であるか否かを、運転者の顔向きが正面に対して予め設定された閾値角度(例えば、15度)以上である(=以下、この状態を「非正面状態」という)か否かに基づいて判定する場合には、運転者の正常な短時間の確認動作(例えば、標識確認、左折時の左側後方確認等)と区別するために、非正面状態が予め設定された第1継続時間閾値(例えば、2秒)以上継続した場合に脇見状態であると判定するが、この場合には、第1判定時間を略第1継続時間閾値(=第1継続時間閾値+α(=顔向きを識別する画像処理に要する時間)+β(=余裕時間))に設定することによって、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かの判定を更に簡素な構成で適正に行うことができるのである。
上記第5の発明によれば、脇見状態が継続している時間である脇見時間に対応付けて、警報が出力されるタイミングを、基準タイミングを基準として前出しする時間である第1出力時間が予め第1記憶手段に格納されており、閉眼状態ではなかったと判定された場合には、第1記憶手段に格納され、検出された脇見時間に対応する第1出力時間が、前出し時間として設定され、閉眼状態であったと判定された場合には、第1記憶手段に格納され、検出された脇見時間に対応する第1出力時間よりも長い時間が、前出し時間として設定されるため、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態ではなかった場合には、第1記憶手段に格納され、検出された脇見時間に対応する第1出力時間が、前出し時間として設定されるため、第1記憶手段に適正な第1出力時間を格納しておくことによって、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
上記第6の発明によれば、閉眼状態であったと判定された場合には、この閉眼状態に対応する閉眼時間が取得され、取得された閉眼時間に基づいて前出し時間が設定されるため、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であった場合に、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
上記第7の発明によれば、閉眼状態であったと判定された場合には、取得された閉眼時間に予め設定された第1係数を乗じた積に、検出された脇見時間を加算した和の脇見時間に対応し、第1記憶手段に格納された第1出力時間が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であった場合に、検出された脇見時間に、取得された閉眼時間(=脇見時間の直前の閉眼時間)に予め設定された第1係数を乗じた積を加算した和の脇見時間に対応する第1出力時間が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
上記第8の発明によれば、第1係数が0.5以上、且つ、1以下に設定されているため、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であった場合に、脇見時間の直前に存在する閉眼時間の影響を、前出し時間に適正に反映することができるので、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
上記第9の発明によれば、閉眼状態であると検出されている場合に、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であったか否かが判定され、脇見状態であったと判定された場合には、脇見状態ではなかったと判定された場合と比較して、長い前出し時間が設定されるため、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
上記第10の発明によれば、閉眼状態であるとの判定が開始されたタイミングから、予め設定された第2判定時間だけ前のタイミングで、脇見状態であると検出されていたか否かに基づいて、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かが判定されるため、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かの判定を簡素な構成で適正に行うことができる。
上記第11の発明によれば、第2判定時間が、閉眼状態であるか否かを判定するのに要する時間に基づいて設定されているため、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かの判定を更に簡素な構成で適正に行うことができる。
すなわち、例えば、閉眼状態であるか否かを、運転者の瞼の開度が予め設定された閾値(例えば、3mm)以下である(以下、この状態を「瞼閉状態」という)か否かに基づいて判定する場合には、運転者の瞬き等の動作と区別するために、瞼閉状態が予め設定された第2継続時間閾値(例えば、1秒)以上継続した場合に閉眼状態であると判定するが、この場合には、第2判定時間を略第2継続時間閾値(=第2継続時間閾値+γ(=瞼の開度を識別する画像処理に要する時間)+δ(余裕時間))に設定することによって、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かの判定を更に簡素な構成で適正に行うことができるのである。
上記第12の発明によれば、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間に対応付けて、警報が出力されるタイミングを、基準タイミングを基準として前出しする時間である第2出力時間が予め第2記憶手段に格納されており、脇見状態ではなかったと判定された場合には、第2記憶手段に格納され、検出された閉眼時間に対応する第2出力時間が、前出し時間として設定され、脇見状態であったと判定された場合には、第2記憶手段に格納され、検出された閉眼時間に対応する第2出力時間よりも長い時間が、前出し時間として設定されるため、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態ではなかった場合には、第2記憶手段に格納され、検出された閉眼時間に対応する第2出力時間が、前出し時間として設定されるため、第2記憶手段に適正な第2出力時間を格納しておくことによって、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
上記第13の発明によれば、脇見状態であったと判定された場合には、この脇見状態に対応する脇見時間が取得され、取得された脇見時間に基づいて前出し時間が設定されるため、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であった場合に、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
上記第14の発明によれば、脇見状態であったと判定された場合には、取得された脇見時間に予め設定された第2係数を乗じた積に、検出された閉眼時間を加算した和の閉眼時間に対応し、第2記憶手段に格納された第2出力時間が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であった場合に、検出された閉眼時間に、取得された脇見時間(=閉眼時間の直前の脇見時間)に予め設定された第2係数を乗じた積を加算した和の閉眼時間に対応する第2出力時間が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
上記第15の発明によれば、第2係数が0.5以上、且つ、1以下に設定されているため、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であった場合に、閉眼時間の直前に存在する脇見時間の影響を、前出し時間に適正に反映することができるので、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
以下、図面を参照して本発明に係る警報制御装置の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る警報制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る警報制御ECU(Electronic Control Unit)12(=警報制御装置の一部に相当する)は、画像処理ECU11、及び、周辺機器としての入力機器2、出力機器3と通信可能に接続されている。
ここで、図1を参照して、警報制御ECU12の周辺機器について説明する。まず、入力機器2について説明する。入力機器2は、カメラ21及びレーダセンサ22を備えている。カメラ21(脇見検出手段の一部、閉眼検出手段の一部に相当する)は、運転席のメーターフード内、メーターパネル内、及びステアリングコラム上等に配設されたCCD(Charge Coupled Device)カメラ等からなり、運転者の顔の画像を撮影するものである。また、カメラ21は、生成された運転者の顔の画像情報を、画像処理ECU11へ出力する。
画像処理ECU11(脇見検出手段の一部、閉眼検出手段の一部に相当する)は、カメラ21から送信された運転者の顔の画像情報に対して画像処理を施し、運転者の顔向きが正面に対してどの程度左右方向に向いているかを示す顔向き角度情報、顔向き角度が検出されているか否かを示す角度検出可否情報、運転者の瞼の開度を示す瞼開度情報、及び、瞼開度が検出されているか否かを示す開度検出可否情報を生成すると共に、生成された顔向き角度情報、角度検出可否情報、瞼開度情報及び開度検出可否情報を警報制御ECU12(ここでは、図2に示す脇見検出部121及び閉眼検出部122)へ出力するECUである。
レーダセンサ22(警報出力手段の一部に相当する)は、例えば、ミリ波レーダ等を介して、先行車両との車間距離を検出するセンサであって、警報制御ECU12(ここでは、図2に示す警報出力部127)に対して、車間距離を示す信号、又は、先行車両が検出されていない旨の信号を出力する。
次に、図1を参照して、出力機器3について説明する。出力機器3は、スピーカ31、及び、モニタ32を備えている。スピーカ31は、警報制御ECU12(ここでは、図2に示す警報出力部127)からの指示に従って、運転者に対して警報に対応する音声を出力するものである。モニタ32は、メーターパネル下方等に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、警報制御ECU12(ここでは、図2に示す警報出力部127)からの指示に従って、運転者に対して警報に対応する画像又は文字を表示するものである。
次に、図2を用いて、画像処理ECU11及び警報制御ECU12の機能構成について説明する。図2は、画像処理ECU11及び警報制御ECU12の機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理ECU11は、機能的に、顔向き検出部111、及び、瞼開度検出部112を備え、警報制御ECU12は、機能的に、脇見検出部121、閉眼検出部122、第1継続判定部123、第2継続判定部124、時間設定部125、タイミング変更部126、警報出力部127、第1記憶部128、及び、第2記憶部129を備えている。
なお、画像処理ECU11は、画像処理ECU11の適所に配設されたマイクロコンピュータに、画像処理ECU11の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、顔向き検出部111、瞼開度検出部112等の機能部として機能させる。また、警報制御ECU12は、警報制御ECU12の適所に配設されたマイクロコンピュータに、警報制御ECU12の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、脇見検出部121、閉眼検出部122、第1継続判定部123、第2継続判定部124、時間設定部125、タイミング変更部126、警報出力部127、第1記憶部128、第2記憶部129等の機能部として機能させる。
顔向き検出部111(脇見検出手段の一部に相当する)は、カメラ21から送信された運転者の顔の画像情報に対して画像処理を施し、運転者の顔向きが正面に対してどの程度左右方向に向いているかを示す顔向き角度情報、及び、顔向き角度が検出されているか否かを示す角度検出可否情報を生成すると共に、生成された顔向き角度情報及び角度検出可否情報を脇見検出部121へ出力する機能部である。
瞼開度検出部112(閉眼検出手段の一部に相当する)は、カメラ21から送信された運転者の顔の画像情報に対して画像処理を施し、運転者の瞼の開度(=上下の瞼の間隔)を示す瞼開度情報、及び、瞼開度が検出されているか否かを示す開度検出可否情報を生成すると共に、生成された瞼開度情報及び開度検出可否情報を閉眼検出部122へ出力する機能部である。
脇見検出部121(脇見検出手段の一部に相当する)は、顔向き検出部111から入力された顔向き角度情報及び角度検出可否情報に基づいて、運転者が脇見状態であるか否かを検出し、脇見状態が継続している時間である脇見時間を計時する機能部である。具体的には、脇見検出部121は、顔向き検出部111から入力された顔向き角度θが閾値角度θ1(例えば、15度)以上である非正面状態(図3参照)が、予め設定された第1継続時間閾値(例えば、2秒)以上継続した場合に脇見状態であると判定する。
このように、脇見検出部121によって、非正面状態が第1継続時間閾値TSH1(例えば、2秒)以上継続した場合に脇見状態であると判定されるため、運転者の正常な短時間の確認動作(例えば、標識確認、左折時の左側後方確認等)が脇見状態であると誤って判定されることを防止することができる。
閉眼検出部122(閉眼検出手段の一部に相当する)は、瞼開度検出部112から入力された瞼開度情報及び開度検出可否情報に基づいて、運転者が閉眼状態であるか否かを検出し、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間を計時する機能部である。具体的には、閉眼検出部122は、瞼開度検出部112から入力された瞼開度が予め設定された閾値(例えば、3mm)以下である瞼閉状態が、予め設定された第2継続時間閾値(例えば、1秒)以上継続した場合に閉眼状態であると判定する。なお、ここでは、便宜上、脇見検出部121によって脇見状態にあると判定される場合(=顔向き角度θが閾値角度θ1(例えば、15度)以上である非正面状態である場合)には、閉眼検出部122は、閉眼状態であるか否かの検出が不可能であるものとする。
このように、閉眼検出部122によって、瞼閉状態が第2継続時間閾値(例えば、1秒)以上継続した場合に閉眼状態であると判定されるため、運転者の瞬き等の動作が閉眼状態であると誤って判定されることを防止することができる。
第1継続判定部123(第1継続判定手段に相当する)は、脇見検出部121によって脇見状態であると検出されている場合に、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する機能部である。具体的には、第1継続判定部123は、脇見検出部121によって脇見状態であるとの判定が開始されたタイミングTM1から、予め設定された第1判定時間ΔT1だけ前のタイミングTM2で、閉眼検出部122によって閉眼状態であると検出されていたか否かに基づいて、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する(図3参照)。
第2継続判定部124(第2継続判定手段に相当する)は、閉眼検出部122によって閉眼状態であると検出されている場合に、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する機能部である。具体的には、第2継続判定部124は、閉眼検出部122によって閉眼状態であるとの判定が開始されたタイミングTM3から、予め設定された第2判定時間ΔT2だけ前のタイミングTM4で、脇見検出部121によって脇見状態であると検出されていたか否かに基づいて、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する(図3参照)。
図3は、第1継続判定部123及び第2継続判定部124の処理の一例を示す説明図である。図3(a)は、第1継続判定部123及び第2継続判定部124において判定される運転者の動作の一例を示す概念図である。図3(b)は、第1継続判定部123及び第2継続判定部124が、それぞれ、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否か、及び、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否か、を判定するタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図3(a)に示すように、顔向き角度θが閾値角度θ1(ここでは、15度)未満である正面状態から顔向き角度θが閾値角度θ1以上である非正面状態に移行する動作M1を運転者が行う。その後、脇見検出部121によって脇見状態であると検出された場合に、図3(b)に示すように、第1継続判定部123は、脇見状態であるとの判定が開始されたタイミングTM1から、予め設定された第1判定時間ΔT1だけ前のタイミングTM2で、閉眼検出部122によって閉眼状態であると検出されていたか否かに基づいて、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったと判定する。
このようにして、脇見状態であるとの判定が開始されたタイミングTM1から、予め設定された第1判定時間ΔT1だけ前のタイミングTM2で、閉眼状態であると検出されていたか否かに基づいて、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かが判定されるため、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かの判定を簡素な構成で適正に行うことができる。
ここで、第1判定時間ΔT1は、脇見検出部121が脇見状態であるか否かを判定するのに要する時間(≒第1継続時間閾値TSH1)に基づいて設定されている。具体的には、例えば、第1判定時間ΔT1は、次の(1)式によって設定されている。
第1判定時間ΔT1=第1継続時間閾値TSH1+α1+β1 (1)
ここで、α1=顔向きを識別する画像処理に要する時間(例えば、0.1秒)、β1=余裕時間(例えば、0.2秒)である。
このように、第1判定時間ΔT1が、脇見検出部121が脇見状態であるか否かを判定するのに要する時間(≒第1継続時間閾値TSH1)に基づいて設定されているため、脇見状態であると判定される直前に略連続して閉眼状態であったか否かの判定を更に簡素な構成で適正に行うことができる。すなわち、脇見検出部121によって、非正面状態が第1継続時間閾値TSH1(例えば、2秒)以上継続した場合に脇見状態であると検出されるため、現実には閉眼状態と脇見状態とが連続して発生している場合であっても、閉眼状態と脇見状態とは、略第1継続時間閾値TSH1だけ離間して検出されるのである。
また、図3(a)に示すように、顔向き角度θが閾値角度θ1(ここでは、15度)以上である非正面状態から顔向き角度θが閾値角度θ1未満である正面状態に移行する動作M2を運転者が行う。その後、閉眼検出部122によって閉眼状態であると検出された場合に、図3(b)に示すように、第2継続判定部124は、閉眼状態であるとの判定が開始されたタイミングTM3から、予め設定された第2判定時間ΔT2だけ前のタイミングTM4で、脇見検出部121によって脇見状態であると検出されていたか否かに基づいて、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったと判定する。
このようにして、閉眼状態であるとの判定が開始されたタイミングTM3から、予め設定された第2判定時間ΔT2だけ前のタイミングTM4で、脇見状態であると検出されていたか否かに基づいて、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かが判定されるため、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かの判定を簡素な構成で適正に行うことができる。
ここで、第2判定時間ΔT2は、閉眼検出部122が閉眼状態であるか否かを判定するのに要する時間(≒第2継続時間閾値TSH2)に基づいて設定されている。具体的には、例えば、第2判定時間ΔT2は、次の(2)式によって設定されている。
第2判定時間ΔT2=第2継続時間閾値TSH2+α2+β2 (2)
ここで、α2=瞼開度を検出する画像処理に要する時間(例えば、0.1秒)、β2=余裕時間(例えば、0.2秒)である。
このように、第2判定時間ΔT2が、閉眼検出部122が閉眼状態であるか否かを判定するのに要する時間(≒第2継続時間閾値TSH2)に基づいて設定されているため、閉眼状態であると判定される直前に略連続して脇見状態であったか否かの判定を更に簡素な構成で適正に行うことができる。すなわち、閉眼検出部122によって、閉眼状態が第2継続時間閾値TSH2(例えば、1秒)以上継続した場合に閉眼状態であると検出されるため、現実には脇見状態と閉眼状態とが連続して発生している場合であっても、脇見状態と閉眼状態とは、略第2継続時間閾値TSH2だけ離間して検出されるのである。
再び、図2に戻って、警報制御ECU12の機能構成について説明する。第1記憶部128(第1記憶手段に相当する)は、脇見状態が継続している時間である脇見時間TAに対応付けて、警報が出力されるタイミングを、基準タイミングT0を基準として前出しする時間である第1出力時間TXを予め格納する機能部である。また、第1記憶部128に格納された第1出力時間TXは、時間設定部125によって読み出される。
図5(a)は、第1記憶部128に格納される脇見時間TAと第1出力時間(前出し時間)TXとの関係の一例を示すグラフである。図に示すように、横軸に脇見時間TA、縦軸に第1出力時間(前出し時間)TXをとった場合に、脇見時間TAが予め設定された時間TA1から時間TA2の間において、グラフが下に凸の曲線であって、単調増加関数となるように第1出力時間(前出し時間)TXが設定されている。
再び、図2に戻って、警報制御ECU12の機能構成について説明する。第2記憶部129(第2記憶手段に相当する)は、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間TBに対応付けて、警報が出力されるタイミングを、基準タイミングT0を基準として前出しする時間である第2出力時間TYを予め格納する機能部である。また、第2記憶部129に格納された第2出力時間TYは、時間設定部125によって読み出される。
図5(b)は、第2記憶部129に格納される閉眼時間TBと第2出力時間(前出し時間)TYとの関係の一例を示すグラフである。図に示すように、横軸に閉眼時間TB、縦軸に第2出力時間(前出し時間)TYをとった場合に、閉眼時間TAが予め設定された時間TB1から時間TB2の間において、グラフが単調増加関数(ここでは、時間TB1側で下に凸な関数から、時間TB2側で上に凸な関数)となるように第2出力時間(前出し時間)TYが設定されている。
再び、図2に戻って、警報制御ECU12の機能構成について説明する。時間設定部125(時間設定手段に相当する)は、脇見時間及び閉眼時間に基づいて、警報出力部127に対して警報を出力するタイミングを規定する前出し時間を設定する機能部である。図4は、時間設定部125により前出し時間が設定される方法を場合分けして説明する説明図である。図4(a)は、場合分けの一例を示すタイミングチャートである。図4(a)に示すように、ケース1は、脇見検出部121によって、脇見時間T2だけ脇見状態であると検出され、脇見時間T2の前には、略連続した閉眼状態はない場合を示している。ケース2は、脇見検出部121によって、脇見時間T2だけ脇見状態であると検出され、脇見時間T2の前に、略連続した閉眼時間T1が存在する場合を示している。第1継続判定部123は、ケース1であるかケース2であるかを判別する機能部である。
また、図4(a)に示すように、ケース3は、閉眼検出部122によって、閉眼時間T4だけ閉眼状態であると検出され、閉眼時間T4の前には、略連続した脇見状態はない場合を示している。ケース3は、閉眼検出部122によって、閉眼時間T4だけ閉眼状態であると検出され、閉眼時間T4の前に、略連続した脇見時間T3が存在する場合を示している。第2継続判定部124は、ケース3であるかケース4であるかを判別する機能部である。
また、時間設定部125は、ケース2の場合(=第1継続判定部123によって閉眼状態であったと判定された場合)には、ケース1の場合(=第1継続判定部123によって閉眼状態ではなかったと判定された場合)と比較して、長い前出し時間を設定する。更に、時間設定部125は、ケース4の場合(=第2継続判定部124によって脇見状態であったと判定された場合)には、ケース3の場合(=第2継続判定部124によって脇見状態ではなかったと判定された場合)と比較して、長い前出し時間を設定する。
図4(b)は、図4(a)に示すケース1〜ケース4の場合に、それぞれ、前出し時間を決定するために、時間設定部125によって設定される評価時間(ここでは、脇見時間TA及び閉眼時間TBを総称して「評価時間」という)を説明する図表である。時間設定部125は、図4(b)に示す評価時間に対応する第1出力時間TX(又は第2出力時間TY)を前出し時間として設定する(図5参照)。
以下、図4(b)及び図5を参照して、時間設定部125が前出し時間を設定する方法について具体的に説明する。ケース1の場合には、時間設定部125は、評価時間(ここでは、脇見時間TA)として、脇見時間T2を設定し(図4(b)参照)、第1記憶部128に格納され、脇見時間T2に対応する第1出力時間TX1を、前出し時間として設定する(図5(a)参照)。ケース2の場合には、時間設定部125は、評価時間(ここでは、脇見時間TA)として、閉眼時間T1に予め設定された第1係数αを乗じた積に脇見時間T2を加算した和(=T2+T1×α)を設定し(図4(b)参照)、第1記憶部128に格納され、脇見時間TA(=T2+T1×α)に対応する第1出力時間TX2を、前出し時間として設定する(図5(a)参照)。ここで、第1係数αは、0.5以上、且つ、1以下(ここでは、α=0.8)に設定されている。
ケース3の場合には、時間設定部125は、評価時間(ここでは、閉眼時間TB)として、閉眼時間T4を設定し(図4(b)参照)、第2記憶部129に格納され、閉眼時間TB(=T4)に対応する第2出力時間TY1を、前出し時間として設定する(図5(b)参照)。ケース4の場合には、時間設定部125は、評価時間(ここでは、閉眼時間TB)として、脇見時間T3に予め設定された第2係数βを乗じた積に閉眼時間T4を加算した和(=T4+T3×β)を設定し(図4(b)参照)、第2記憶部129に格納され、閉眼時間TB(=T4+T3×β)に対応する第2出力時間TY2を、前出し時間として設定する(図5(b)参照)。ここで、第2係数βは、0.5以上、且つ、1以下(ここでは、β=0.8)に設定されている。
再び、図2に戻って、タイミング変更部126(タイミング変更手段に相当する)は、警報出力部127に対して、基準タイミングT0を基準として時間設定部125によって設定された前出し時間だけ前のタイミングで警報を出力させる機能部である。
警報出力部127(警報出力手段に相当する)は、車両の衝突の可能性が予め設定された閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上であると判定された場合に、予め設定された基準タイミングT0で、図1に示すスピーカ31及びモニタ32に対して、警報を出力させる機能部である。ただし、警報出力部127は、タイミング変更部126からタイミングを変更する旨の指示を受けた場合には、指示に従って、基準タイミングT0を基準として前出し時間だけ前のタイミングで警報を出力させる。
図6は、図2に示す警報制御ECU12の動作の一例を示すフローチャートである。まず、時間設定部125等によって前出し時間を設定する処理である時間設定処理が行われる(S1)。そして、警報出力部127等によって警報を出力する処理である警報出力処理が行われる(S2)。ステップS2の処理が終了されると、処理がステップS1に戻され、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
図7、図8は、図6に示すフローチャートのステップS1において実行される時間設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。なお、ここでは、便宜上、第1記憶部128に脇見時間TAに対応付けて第1出力時間TXが予め格納され、第2記憶部129に閉眼時間TBに対応付けて第2出力時間TYが予め格納されている場合について説明する。まず、脇見検出部121によって、運転者が脇見状態であるか否かの判定が行われる(S101)。脇見状態であると判定された場合(S101でYes)には、図8に示すステップS121に処理が進められる。
脇見状態ではないと判定された場合(S101でNo)には、閉眼検出部122によって、運転者が閉眼状態であるか否かの判定が行われる(S103)。閉眼状態ではないと判定された場合(S103でNo)には、前出し時間がクリアされ(=前出し時間が設定されていない状態にされ)(S119)、処理が図6に示すステップS2にリターンされる。閉眼状態であると判定された場合(S103でYes)には、閉眼検出部122によって、閉眼時間T4がカウントされる(S105)。そして、第2継続判定部124によって、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であったか否かが判定される(S107)。略連続して脇見状態ではなかったと判定された場合(S107でNo)には、評価時間(ここでは、閉眼時間TB)として、ステップS105においてカウントされた閉眼時間T4がセットされ(S113)、処理がステップS115に進められる。
略連続して脇見状態であったと判定された場合(S107でYes)には、時間設定部125によって、脇見検出部121を介して脇見時間T3が取得される(S109)。そして、時間設定部125によって、評価時間(ここでは、閉眼時間TB)として、ステップS109において取得された脇見時間T3に予め設定された第2係数β(例えば、0.8)を乗じた積に、ステップS105においてカウントされた閉眼時間T4が加算された和(=T4+β×T3)がセットされる(S111)。ステップS111又はステップS113の処理が終了した場合には、時間設定部125によって、ステップS111(又はステップS113)において設定された評価時間(ここでは、閉眼時間TB)に対応する第2出力時間TY2(又は、第2出力時間TY1)が第2記憶部129から読み出される(S115)。そして、時間設定部125によって、ステップS115において読み出された第2出力時間TY2(又は、第2出力時間TY1)が前出し時間として設定され(S117)、処理が図6に示すステップS2にリターンされる。
ステップS101でYesの場合には、図8に示すように、脇見検出部121によって、脇見時間T2がカウントされる(S121)。そして、第1継続判定部123によって、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であったか否かが判定される(S123)。略連続して閉眼状態ではなかったと判定された場合(S123でNo)には、評価時間(ここでは、脇見時間TA)として、ステップS121においてカウントされた脇見時間T2がセットされ(S129)、処理がステップS131に進められる。
略連続して閉眼状態であったと判定された場合(S123でYes)には、時間設定部125によって、閉眼検出部122を介して閉眼時間T1が取得される(S125)。そして、時間設定部125によって、評価時間(ここでは、脇見時間TA)として、ステップS125において取得された閉眼時間T1に予め設定された第1係数α(例えば、0.8)を乗じた積に、ステップS121においてカウントされた脇見時間T2が加算された和(=T2+α×T1)がセットされる(S127)。ステップS127又はステップS129の処理が終了した場合には、時間設定部125によって、ステップS127(又はステップS129)において設定された評価時間(ここでは、閉眼時間TB)に対応する第1出力時間TX2(又は、第1出力時間TX1)が第1記憶部128から読み出される(S131)。そして、時間設定部125によって、ステップS131において読み出された第1出力時間TX2(又は、第1出力時間TX1)が前出し時間として設定され(S133)、処理が図6に示すステップS2にリターンされる。
図9は、図6に示すフローチャートのステップS2において実行される警報出力処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、警報出力部127によって、車両の衝突の可能性の有無が判定される(S201)。衝突の可能性が無いと判定された場合(S201でNo)には、処理が図6に示すステップS1にリターンされる。衝突の可能性が有ると判定された場合(S201でYes)には、警報出力部127によって、衝突の可能性が予め設定された閾値以上であるか否かの判定が行われる(S203)。閾値未満であると判定された場合(S203でNo)には、処理が図6に示すステップS1にリターンされる。閾値以上であると判定された場合(S203でYes)には、警報出力部127によって、基準タイミングT0が設定される(S205)。
そして、タイミング変更部126によって、時間設定部125により前出し時間が設定されているか否かの判定が行われる(S207)。前出し時間が設定されていないと判定された場合(S207でNo)には、処理がステップS215に進められる。前出し時間が設定されていると判定された場合(S207でYes)には、タイミング変更部126によって、時間設定部125により設定された前出し時間TX(又は、前出し時間TY)が取得される(S209)。そして、タイミング変更部126によって、警報を出力させるタイミングが、ステップS205において設定された基準タイミングT0から、ステップS209において取得された前出し時間TX(又は、前出し時間TY)だけ前のタイミングTPに変更される(S211)。
次に、警報出力部127によって、タイミングTPに到達したか否かの判定が行われる(S213)。タイミングTPに到達したと判定された場合(S213でYes)には、処理がステップS217に進められる。タイミングTPに到達していないと判定された場合(S213でNo)には、処理が図6に示すステップS1にリターンされる。ステップS207でNoの場合には、警報出力部127によって、ステップS205において設定されたタイミングT0に到達したか否かの判定が行われる(S215)。タイミングT0に到達したと判定された場合(S215でYes)には、処理がステップS217に進められる。タイミングT0に到達していないと判定された場合(S215でNo)には、処理が図6に示すステップS1にリターンされる。ステップS213でYes、又は、ステップS215でYesの場合には、警報出力部127によって、スピーカ31及びモニタ32を介して、警報が出力され(S217)、処理が図6に示すステップS1にリターンされる。
このようにして、脇見時間及び閉眼時間に基づいて、警報出力部127に対して警報を出力するタイミングを規定する前出し時間が設定され、警報出力部127を介して、基準タイミングT0を基準として、設定された前出し時間だけ前のタイミングTPで警報が出力されるため、運転者の前方不注意状態に応じて適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、警報出力部127を介して、基準タイミングT0を基準として、脇見時間及び閉眼時間に基づいて設定された前出し時間だけ前のタイミングTPで警報が出力される。従って、例えば、脇見状態から閉眼状態に移行した場合に、閉眼状態に先だって存在する脇見状態の継続時間(=脇見時間)に応じて、適正な前出し時間を設定することができる。つまり、運転者の前方不注意状態に応じて適正に警報の前出しを行うことができるのである(図4のケース4、図5参照)。
また、脇見状態であると検出されている場合に、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であったか否かが判定され、閉眼状態であったと判定された場合には、閉眼状態ではなかったと判定された場合と比較して、長い前出し時間が設定されるため、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる(図4のケース1、ケース2、図5参照)。
更に、脇見状態が継続している時間である脇見時間TAに対応付けて、警報が出力されるタイミングを、基準タイミングT0を基準として前出しする時間である第1出力時間TXが予め第1記憶部128に格納されている。そして、閉眼状態ではなかったと判定された場合には、第1記憶部128に格納され、検出された脇見時間TAに対応する第1出力時間TXが、前出し時間として設定され、閉眼状態であったと判定された場合には、第1記憶部128に格納され、検出された脇見時間TAに対応する第1出力時間TXよりも長い時間が、前出し時間として設定される。従って、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態ではなかった場合には、第1記憶部128に格納され、検出された脇見時間TAに対応する第1出力時間TXが、前出し時間として設定されるため、第1記憶部128に適正な第1出力時間TXを格納しておくことによって、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
加えて、閉眼状態であったと判定された場合には、取得された閉眼時間T1に予め設定された第1係数αを乗じた積に、検出された脇見時間T2を加算した和(=T2+T1×α)の脇見時間TAに対応し、第1記憶部128に格納された第1出力時間TX2が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であった場合に、検出された脇見時間T2に、取得された閉眼時間T1(=脇見時間の直前の閉眼時間T1)に予め設定された第1係数αを乗じた積を加算した和(=T2+T1×α)の脇見時間TAに対応する第1出力時間TX2が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
また、第1係数αが0.5以上、且つ、1以下に設定されているため、脇見状態であると検出される直前に略連続して閉眼状態であった場合に、脇見時間T2の直前に存在する閉眼時間T1の影響を、前出し時間に適正に反映することができるので、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
更に、閉眼状態であると検出されている場合に、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であったか否かが判定され、脇見状態であったと判定された場合には、脇見状態ではなかったと判定された場合と比較して、長い前出し時間が設定されるため、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる(図4のケース3、ケース4、図5参照)。
加えて、閉眼状態が継続している時間である閉眼時間T4に対応付けて、警報が出力されるタイミングを、基準タイミングT0を基準として前出しする時間である第2出力時間TYが予め第2記憶部129に格納されている。そして、閉眼状態ではなかったと判定された場合には、第2記憶部129に格納され、検出された閉眼時間T4に対応する第2出力時間TY1が、前出し時間として設定され、脇見状態であったと判定された場合には、第2記憶部129に格納され、検出された閉眼時間T4に対応する第2出力時間TY1よりも長い時間が、前出し時間として設定される。したがって、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態ではなかった場合には、第2記憶部129に格納され、検出された脇見時間T4に対応する第2出力時間TY1が、前出し時間として設定されるため、第2記憶部129に適正な第2出力時間TYを格納しておくことによって、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
また、脇見状態であったと判定された場合には、取得された脇見時間T3に予め設定された第2係数βを乗じた積に、検出された閉眼時間T4を加算した和(=T4+T3×β)の閉眼時間TBに対応し、第2記憶部129に格納された第2出力時間TY2が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
すなわち、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であった場合に、検出された閉眼時間T4に、取得された脇見時間T3(=閉眼時間の直前の脇見時間T3)に予め設定された第2係数βを乗じた積を加算した和(=T4+T3×β)の閉眼時間TBに対応する第2出力時間TY2が、前出し時間として設定されるため、簡素な構成で運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができるのである。
更に、第2係数βが0.5以上、且つ、1以下に設定されているため、閉眼状態であると検出される直前に略連続して脇見状態であった場合に、閉眼時間T4の直前に存在する脇見時間T3の影響を、前出し時間に適正に反映することができるので、運転者の前方不注意状態に応じて更に適正に警報の前出しを行うことができる。
なお、本発明に係る警報制御ECUは、上記実施形態に係る警報制御ECU12に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)本実施形態においては、警報制御ECU12が、スピーカ31及びモニタ32に対して警報を出力させる場合について説明したが、警報制御ECU12が、スピーカ31及びモニタ32の一方に警報を出力させる形態でも良い。また、本実施形態においては、警報制御ECU12が、直接、スピーカ31及びモニタ32に対して警報を出力させる場合について説明したが、警報制御ECU12が、他のECUを介して、スピーカ31及びモニタ32に対して警報を出力させる形態でも良い。更に、警報制御ECU12が、スピーカ31及びモニタ32を介して運転者に警報を出力する場合について説明したが、警報制御ECU12が、その他の機器(例えば、運転者に振動を与えるバイブレータ等)を介して警報を出力する形態でも良い。
(B)本実施形態においては、警報制御ECU12が、機能的に、脇見検出部121、閉眼検出部122、第1継続判定部123、第2継続判定部124、時間設定部125、タイミング変更部126、警報出力部127、第1記憶部128、第2記憶部129等を備える場合について説明したが、脇見検出部121、閉眼検出部122、第1継続判定部123、第2継続判定部124、時間設定部125、タイミング変更部126、警報出力部127、第1記憶部128、及び、第2記憶部129の内、少なくとも1の機能部が、電気回路等のハードウェアによって構成されている形態でも良い。
(C)本実施形態においては、前方不注意状態が、脇見状態及び閉眼状態からなる場合について説明したが、前方不注意状態が、脇見状態及び閉眼状態に加えて他の不注意状態(例えば、脇見状態ではないが、前方の掲示板等を継続的に視認している状態、携帯電話で通話している状態等)含む形態でも良い。
(D)本実施形態においては、脇見検出部121によって脇見状態にあると判定される場合(=顔向き角度θが閾値角度θ1(例えば、15度)以上である非正面状態である場合)には、閉眼検出部122は、閉眼状態であるか否かの検出が不可能である場合について説明したが、閉眼検出部122が、常時、閉眼状態であるか否かの検出が可能である形態(すなわち、脇見状態と閉眼状態とを同時に検出可能な形態)でも良い。
この場合には、第1継続判定部123は、タイミングTM2(図3(b)参照)に換えて(又は、加えて)、タイミングTM1(図3(b)参照)で閉眼状態であるか否かに基づいて、脇見状態の直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する形態でも良い。また、第2継続判定部124は、タイミングTM4(図3(b)参照)に換えて(又は、加えて)、タイミングTM3(図3(b)参照)で脇見状態であるか否かに基づいて、閉眼状態の直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する形態でも良い。
(E)本実施形態においては、第1継続判定部123が、タイミングTM2(図3(b)参照)で閉眼状態であるか否かに基づいて、脇見状態の直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する場合について説明したが、第1継続判定部123が、タイミングTM2に換えて(又は加えて)他のタイミング(例えば、タイミングTM2の0.1秒前等)で閉眼状態であるか否かに基づいて、脇見状態の直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定する形態でも良い。複数のタイミングで、閉眼状態であるか否かを判定するほうが、より正確に脇見状態の直前に略連続して閉眼状態であったか否かを判定することができる。
(F)本実施形態においては、第2継続判定部124が、タイミングTM4(図3(b)参照)で脇見状態であるか否かに基づいて、閉眼状態の直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する場合について説明したが、第2継続判定部124が、タイミングTM4に換えて(又は加えて)他のタイミング(例えば、タイミングTM4の0.1秒前等)で脇見状態であるか否かに基づいて、閉眼状態の直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定する形態でも良い。複数のタイミングで、脇見状態であるか否かを判定するほうが、より正確に閉眼状態の直前に略連続して脇見状態であったか否かを判定することができる。
(G)本実施形態においては、第1継続判定部123によって閉眼状態であったと判定されたときには(=図4のケース2の場合)に、時間設定部125が、脇見時間TA(=T2+T1×α)に対応する第1出力時間TX2を、前出し時間として設定する場合について説明したが、時間設定部125が、前出し時間として脇見時間TA(=T2)に対応する第1出力時間TX1より長い時間を設定する形態であれば良い。例えば、時間設定部125が、第1出力時間TX1に予め設定された時間(例えば、1秒)を加算した和を前出し時間として設定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
(H)本実施形態においては、第2継続判定部124によって脇見状態であったと判定された場合(=図4のケース4の場合)に、時間設定部125が、閉眼時間TB(=T4+T3×β)に対応する第2出力時間TY2を、前出し時間として設定する場合について説明したが、時間設定部125が、前出し時間として脇見時間TB(=T4)に対応する第2出力時間TY1より長い時間を設定する形態であれば良い。例えば、時間設定部125が、第2出力時間TY1に予め設定された時間(例えば、1秒)を加算した和を前出し時間として設定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。