JP4941599B2 - シールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法 - Google Patents
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Description
長尺な金属板に円孔を形成するピアス加工工程と、
前記素材の前記円孔の周囲を全周に亘って折り曲げて、円筒状部を形成するバーリング加工工程と、
前記円筒状部の外周面を拘束した状態で、前記円筒状部を軸方向に圧縮し、前記円筒状部の外径及び軸方向寸法を規制した、第一中間円筒状素材とする寸法規制工程と、
前記第1中間円筒状素材の外周面を拘束した状態で、内径側に前記シールリングの内径寸法と一致する外径寸法を有する扱きパンチを押し込むことで、内向フランジ状の余肉鍔部を有する第二中間円筒状素材とする扱き工程と、
前記シールリングの内径寸法と一致する外径寸法を有する打ち抜きパンチを挿入することにより、前記余肉鍔部を除去して前記シールリングを得る余肉除去工程と、
前記バーリング加工工程後のいずれかの工程の前に行われ、前記第一または第二中間円筒状素材若しくは前記シールリングを前記金属板から切り離す工程と、
前記いずれかの工程の後に行われ、前記切り離された前記第一または第二中間円筒状素材若しくは前記シールリングを前記金属板に嵌め戻して、次の加工工程に送る嵌め戻し工程と、
を有することを特徴とするシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法。
(2) 前記シールリングの軸受断面高さが1〜2.5mmであることを特徴とする(1)に記載のシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法。
(3) 前記シールリングは、前記ピアス加工工程、バーリング加工工程、寸法規制工程、扱き工程、余肉除去工程、切り離し工程、嵌め戻し工程によって、熱処理を行わずに成形されることを特徴とする(1)または(2)に記載のシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法。
この加工方法の場合には、先ず、図2の(A)に示す様な、素材となる、軟鋼板、ステンレス鋼板等の金属板1にピアス加工を施して、図2の(B)に示す様な、円孔2を有する第一予備中間素材3を得る。次いで、この第一予備中間素材3に、この円孔2の周囲を上記金属板1に対し直角に、全周に亙って折り曲げるバーリング加工を施す事により、図2の(C)に示す様な、円筒状部4を有する第二予備中間素材5とする。この円筒状部4の容積、特に軸方向長さは、造るべきシールリングの容積、特に軸方向長さよりも大きくしている。
この様にして、上記金属板1から切り離した、上記第一中間円筒状素材6には、続いて、内径寸法を適正値(得るべきシールリングの内径寸法)にまで拡げる、扱き加工を施す。この扱き加工を施す工程では、上記第一中間円筒状素材6の外周面を、外径が拡がらない様に拘束しつつ、この第一中間円筒状素材6の内径側に適切な(得るべきシールリングの内径寸法に一致する)外径寸法を有する扱きパンチを、軸方向一端側{図2の(F)の上側}から押し込む。この様な扱きパンチの押し込みにより、上記第一中間円筒状素材6の内周面部分に存在する余肉を軸方向他端側{図2の(F)の下側}に集めて、図2の(F)に示す様な、この軸方向他端部内周面に内向フランジ状の余肉鍔部7を有する、第二中間円筒状素材8とする。
尚、このシールリング34の加工作業は、上記図2の(G)の段階で終了する事もできるが、この図2の(G)の段階で、上記シールリング34の内周面の内径或いは性状を所望通りにする事が難しければ、図2の(H)に示す様に、上記シールリング34の内周面を扱き治具により擦る、再扱きを行なっても良い。
図3〜7は、第2例の加工方法を示している。本例の場合、図3の(A)→(G)に示す工程を順次行なう事で、金属板1をシールリング34に加工する。この工程に就いては、第1例の加工方法の場合と実質的に同じである。又、本例の場合も、上述した図2の(H)に示した様な、再扱き工程を行なう事もできる。本例の特徴は、上記金属板1として、図示しないアンコイラから送り出されて、やはり図示しないリコイラに巻き取られる、長尺なものを使用し、上記図3の(A)→(G)に示す工程を、順送により行なえる様にした点にある。即ち、上記長尺な金属板1を、加工の進行に同期させて、各工程を行なう為に隣接して配置した加工装置同士の間隔に見合うピッチで(間隔/ピッチ=整数)間欠的に送りつつ、上記図3の(A)→(G)に示す工程を順次行なう様にしている。
図8は、第3例の加工方法を示している。本例の場合には、図8の(F)に示した扱き工程及び嵌め戻し工程で、第二円筒状中間素材8を金属板1の第二の円孔10から抜き出して再び嵌め込む方向が、この金属板1に対して、上述した第2例の加工方法の場合とは、上下逆になっている。この方向を逆にするのに伴って、図6〜7に示した加工装置の構成を異ならせる事は勿論である。その他の部分の構成に就いては、上述した第2例の加工方法と同様であるから、重複する説明は省略する。
図9は、第4例の加工方法を示している。本例の場合には、図9の(C)に示したバーリング加工工程の次に、図9の(D)に示した、切り離し工程及び戻し工程を設定している。その他の部分の構成に就いては、上述した第2例の加工方法と同様であるから、重複する説明は省略する。要するに、本発明を実施する場合に、切り離し工程は、上記バーリング加工工程の後であれば、加工作業の容易さ、加工精度の確保等を考慮して、任意のタイミングに設定できる。
本実施形態は、内周面に軌道面31a、両端部に内向きフランジ部31b,31cをそれぞれ有する外輪シェル31を使用しているが、外周面に軌道面、両端部に外向きフランジ部をそれぞれ有する内輪シェルを使用してもよく、この場合、一対のシールリングはシェルの外側で、保持器の軸方向両端面と一対の外向きフランジ部との間に設けられる。
31 シェル
31a 軌道面
31b 内向きフランジ部(フランジ部)
32 保持器
33 ニードル
34 シールリング
Claims (3)
- 内周面或は外周面に軌道面を、両端部に一対のフランジ部を、それぞれ有するシェルと、円周方向に亙って複数のポケットを有する保持器と、前記軌道面に沿って転動自在となるように、前記各ポケット内に保持される複数のニードルと、前記シェルの内側或は外側で、前記保持器の軸方向両端面と前記一対のフランジ部との間に設けられる円筒形状の一対のシールリングと、を備えるシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法であって、
長尺な金属板に円孔を形成するピアス加工工程と、
前記素材の前記円孔の周囲を全周に亘って折り曲げて、円筒状部を形成するバーリング加工工程と、
前記円筒状部の外周面を拘束した状態で、前記円筒状部を軸方向に圧縮し、前記円筒状部の外径及び軸方向寸法を規制した、第一中間円筒状素材とする寸法規制工程と、
前記第1中間円筒状素材の外周面を拘束した状態で、内径側に前記シールリングの内径寸法と一致する外径寸法を有する扱きパンチを押し込むことで、内向フランジ状の余肉鍔部を有する第二中間円筒状素材とする扱き工程と、
前記シールリングの内径寸法と一致する外径寸法を有する打ち抜きパンチを挿入することにより、前記余肉鍔部を除去して前記シールリングを得る余肉除去工程と、
前記バーリング加工工程後のいずれかの工程の前に行われ、前記第一または第二中間円筒状素材若しくは前記シールリングを前記金属板から切り離す工程と、
前記いずれかの工程の後に行われ、前記切り離された前記第一または第二中間円筒状素材若しくは前記シールリングを前記金属板に嵌め戻して、次の加工工程に送る嵌め戻し工程と、
を有することを特徴とするシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法。 - 前記シールリングの軸受断面高さが1〜2.5mmであることを特徴とする請求項1に記載のシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法。
- 前記シールリングは、前記ピアス加工工程、バーリング加工工程、寸法規制工程、扱き工程、余肉除去工程、切り離し工程、嵌め戻し工程によって、熱処理を行わずに成形されることを特徴とする請求項1または2に記載のシールリング付シェル型ニードル軸受のシールリングの製造方法。
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