本発明の請求項1記載の湿度検知回路は、電圧の出力状態と電力の吸い込み状態と高インピーダンス状態とを切替えられる第1の入出力手段および第2の入出力手段と、外部から入力される電圧値をA/D変換によりデジタル値として読み込むA/D変換読込手段と、相対湿度と温度により抵抗値が変化する感湿素子と、前記感湿素子と近似の温度抵抗特性を有する感温素子と備え、前記感湿素子と感温素子は、一端をそれぞれ前記第1の入出力手段と第2の入出力手段に接続し、他端を一つの接続点で接続して前記接続点の電位を前記AD変換読込手段で読み込む湿度センサー部を構成し、前記第1の入出力手段と第2の入出力手段の状態を前記電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて、矩形波電圧信号の出力を行い、このときに前記A/D変換読込手段にて変換されるデジタル値から相対湿度を判定する期間と、第1の入出力手段と第2の入出力手段の状態を共に、前記電圧の出力状態と電力の吸い込み状態、および高インピーダンス状態のうち一つの状態に切替える期間とを有するものである。
これにより、第1の入出力手段と第2の入出力手段から出力する状態を電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて矩形波電圧信号を出力するとともに、この出力を周期的に停止して、この出力を停止している期間においては第1の入出力手段と第2の入出力手段を電圧の出力状態と電力の吸い込み状態、および高インピーダンス状態のうち一つの状態に切替えることで、第1の入出力手段と第2の入出力手段の間に直列に接続される感湿素子と感温素子には電位差が発生せず電圧を印加しない状態にすることができ、電流が流れないこととなるために、特別にスイッチング素子を設けることなく、部品点数を増やさずに単純な構成において感湿素子の長寿命化が図れるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2記載の湿度検知回路は、第1の入出力手段と第2の入出力手段の状態を共に、電力の吸い込み状態に切替える期間を有するものである。
これにより、これにより、第1の入出力手段と第2の入出力手段から出力する状態を電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて矩形波電圧信号を出力するとともに、この出力を周期的に停止して、この出力を停止している期間においては第1の入出力手段と第2の入出力手段を電力の吸い込み状態に切替える第1の入出力手段と第2の入出力手段の間に直列に接続される感湿素子と感温素子には電圧が印加されずに電流が流れないこととなるために、部品点数を増やさずに単純な構成において感湿素子の長寿命化が図れるという効果を奏する。
また、本発明の請求項3記載の湿度検知回路は、第1の入出力手段と第2の入出力手段の状態を共に、高インピーダンス状態に切替える期間を有するものである。
これにより、これにより、第1の入出力手段と第2の入出力手段から出力する状態を電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて矩形波電圧信号を出力するとともに、この出力を周期的に停止して、この出力を停止している期間においては第1の入出力手段と第2の入出力手段を高インピーダンス状態に切替える第1の入出力手段と第2の入出力手段の間に直列に接続される感湿素子と感温素子には電圧が印加されずに電流が流れないこととなるために、部品点数を増やさずに単純な構成において感湿素子の長寿命化が図れるという効果を奏する。
また、本発明の請求項4記載の湿度検知回路は、感湿素子と感温素子の接続点とA/D変換読込手段を接続した構成において、前記接続点の部分に直流インピーダンスを低減させるインピーダンス低減手段を配置した構成にしてもよい。
これにより、感湿素子と感温素子と、およびA/D変換読込手段を接続した接続点の部分に直流インピーダンスを低減させるインピーダンス低減手段を配置しているために、接続点の部分は接続しているインピーダンス低減手段の有するインピーダンス以上の抵抗値にはならないために、外来ノイズを受けた状態においてもA/D変換読込手段にて読み込む電圧値への外来ノイズの影響を低減することができるために、外来ノイズを受ける使用状態においても、より正確な相対湿度の検知が行えるという効果を奏する。
また、請求項5記載の湿度検知回路は、電圧の出力状態と電力の吸い込み状態と高インピーダンス状態とを切替えられる第1の入出力手段および第2の入出力手段と、外部から入力される電圧値をA/D変換によりデジタル値として読み込むA/D変換読込手段と、相対湿度と温度により抵抗値が変化する感湿素子と、前記感湿素子と近似の温度抵抗特性を有する感温素子と備え、前記感湿素子と感温素子は、一端をそれぞれ前記第1の入出力手段と第2の入出力手段に接続し、他端を一つの接続点で接続して前記接続点の電位を前記AD変換読込手段で読み込む湿度センサー部を構成し、前記第1の入出力手段と第2の入出力手段の状態を前記電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて、矩形波電圧信号の出力を行い、このときに前記A/D変換読込手段にて変換されるデジタル値から相対湿度を判定する期間と、第1の入出力手段の状態を前記高インピーダンス状態に切替える期間とを有するものである。
これにより、第1の入出力手段と第2の入出力手段から出力する状態を電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて矩形波電圧信号を出力するとともに、この出力を周期的に停止して、この出力を停止している期間においては第1の入出力手段を高インピーダンス状態に切替えることで、第1の入出力手段に一端が接続される感湿素子は電圧を印加しない状態にすることができ、感湿素子には電流が流れないこととなるために、特別にスイッチング素子を設けることなく、部品点数を増やさずに単純な構成において感湿素子の長寿命化が図れるという効果を奏する。
また、請求項6記載の湿度検知回路は、電圧の出力状態と電力の吸い込み状態と高インピーダンス状態とを切替えられる第1の入出力手段および第2の入出力手段および第3の入出力手段と、外部から入力される電圧値をA/D変換によりデジタル値として読み込むA/D変換読込手段と、相対湿度と温度により抵抗値が変化する感湿素子と、前記感湿素子と近似の温度抵抗特性を有する感温素子と、所定の抵抗値を有する分圧抵抗とを備え、前記感湿素子と感温素子と分圧抵抗は、一端をそれぞれ前記第1の入出力手段と第2の入出力手段と第3の入出力手段に接続し、他端を一つの接続点で接続して前記接続点の電位を前記AD変換読込手段で読み込む湿度センサー部を構成し、前記第2の入出力手段を高インピーダンス状態として、かつ前記第1の入出力手段と第3の入出力手段の状態を前記電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて、矩形波電圧信号の出力を行い、このときに前記A/D変換読込手段にて変換されるデジタル値から相対湿度を判定する期間と、前記第1入出力手段を高インピーダンス状態として、かつ前記第2の入出力手段と第3の入出力手段の状態を前記電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を逆にして切替えて、直流電圧信号の出力を行い、このときに前記A/D変換読込手段にて変換されるデジタル値から温度を判定する期間とを有するものである。
これにより、第2の入出力手段と第3の入出力手段から出力する状態を電圧の出力状態と電力の吸い込み状態を交互に逆にして切替えて矩形波電圧信号を出力するとともに、この出力を周期的に停止して、この出力を停止している期間においては第2の入出力手段と第3の入出力手段から合成電圧が直流となる電圧の出力を行うこととなり、第1の入出力手段を信号の検出入力の状態としているために、第1の入出力手段に接続される感湿素子には高インピーダンス状態の接続により電流が流れないこととなるために、特別にスイッチング素子を設けることなく、単純な構成において感湿素子の長寿命化が図れるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示しているように、相対湿度と温度によって抵抗が変化する感湿素子1と、この感湿素子1と同等の温度抵抗特性を有する感温素子2を直列に接続して、図上、一点鎖線で囲んで示した湿度センサー部3を構成し、この湿度センサー部3を相対湿度を測定したい空間に暴露させる構成としており、また感湿素子1の一端は第1の入出力手段4aと接続し、感温素子2の一端は第2の入出力手段4bと接続し、さらに感湿素子1と感温素子2の接続点3aはノイズフィルター構成5を介してA/D変換読込手段6と接続している。
また、第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bは一般的な1チップマイクロコンピューター7が備えているCMOS構造の入出力端子の機能を活用し、またA/D変換読込手段6も1チップマイクロコンピューター7が備えているアナログ電圧値を入力として同電圧値をデジタル値に変換して取り込み、1チップマイクロコンピューター7が有するアルゴリズムにより演算処理を可能とするアナログ・デジタル変換端子を活用して構成しており、この1チップマイクロコンピューター7は電力の供給源となる電源8と接続して、この電源8から供給される電力により動作しているものである。
ここで、活用する1チップマイクロコンピューター7は、あらかじめ設定したアルゴリズムを有し、このアルゴリズムによる演算結果を保存するROM、およびRAM、また前記アルゴリズムの実行を行うCPUを搭載したものである。
次に、図2から図5に基づいてこのような1チップマイクロコンピューター7が備えているCMOS構造の入出力端子の構成と動作について説明する。
図に示しているように、1チップマイクロコンピューター7のCMOS構造の入出力端子はPチャンネルFET7a(図2上PCh記載)とNチャンネルFET7b(図2上NCh記載)を直列に接続して、この接続部分を入出力端子部4として、PチャンネルFET7a側を電源8の正極と接続し、さらにNチャンネルFET7b側を電源8のGNDと接続した構成である。
また、各FETのゲート入力は1チップマイクロコンピューター7の内部の主要構成であるソフトウェアーの規定に従い動作するロジック構成7cにより同時に駆動され、また入出力端子部4の電圧状態は高入力インピーダンスのバッファー構成7d(図2上BFU記載)を介してソフトウェアーの規定に従いロジック構成7cの内部に読み込まれて1チップマイクロコンピューター7のソフトウェアーで規定される動作判定の元とするように一般的に構成されている。
ここで、CMOS構造の入出力端子は例えば、図3に示したようにPチャンネルFET7aがON状態、NチャンネルFET7bがOFF状態になるようにロジック構成7cにてゲート駆動されると、図上、太い矢印線で示したように入出力端子部4からは電源8の電圧が直接的に出力され、電源8からの電力が取り出せる状態となる。
また、図4に示したようにPチャンネルFET7aがOFF状態、NチャンネルFET7bがON状態になるようにロジック構成7cにてゲート駆動されると、図上、太い矢印線で示したように入出力端子部4は電源8のGNDとON状態のNチャンネルFET7bにより直接的に接続されるために、入出力端子部4に印加される外部からの電力を吸い込みGNDに通過させる状態となる。
さらに、図5に示したようにPチャンネルFET7aとNチャンネルFET7bが共にOFF状態になるようにロジック構成7cにてゲート駆動されると、図上、太い矢印線で示したように入出力端子部4は外部からバッファー構成7dにのみ接続された状態となり電流の入出力がほぼ無いバッファー構成7dの持つ高入力インピーダンスの状態となる。
なお、一般的な1チップマイクロコンピューター7が備えているバッファー構成7dの入力インピーダンスは通常4MΩ程度以上の高抵抗である。
よって、一般的な1チップマイクロコンピューター7が備えているCMOS構造の入出力端子はアルゴリズムの実行により電圧の出力状態と電力の吸い込み状態と高インピーダンス状態のいずれかに切替えることができる。ここで、1チップマイクロコンピューター7には電源8から直流電力を供給しているが、この電源8は詳細な説明は省くが、例えば商用電源を降圧して直流平滑し定電圧化する一般的なDC安定化電源回路で構成するものである。
この、電源8から供給される電力をソフトウェアーの記述により1チップマイクロコンピューター7を動作させて第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bの機能を切替ええることで湿度センサー部3を構成する感湿素子1と感温素子2に電力を供給し、感湿素子1と感温素子2の接続点3aに分圧電圧を生じさせ、この分圧電圧をA/D変換読込手段6でデジタル値に変換して1チップマイクロコンピューター7の内部に取り込み、このデジタル値に変換された感湿素子1と感温素子2の接続点3aに生じた分圧電圧値からソフトウェアーにて記述した判定処理により相対湿度の値を判断する構成としている。
ここで、感湿素子1は例えば、有機系高分子系の抵抗値変化型の一般的な湿度センサーである。
有機系高分子系の抵抗値変化型の湿度センサーは相対湿度が高くなれば抵抗値は小さくなり、また相対湿度が低くなれば抵抗値は対数的に非常に大きくなる特性を一般的に有するが、温度の変化に対しても抵抗値が変化する特性も有している。
次に、このような抵抗値変化型の湿度センサーの特性を図6に基づいて説明する。
図6は横軸を周囲の温度変化とし縦軸を抵抗値の変化として、各相対湿度の状態における湿度センサーの抵抗値の変化を示したものである。
抵抗値変化型の湿度センサーは図6に示しているように一般的に相対湿度、および温度の変化に対する依存性を有し、同一の相対湿度の状態であれば周囲の温度が高くなれば湿度センサーの抵抗値は対数的に小さくなる特性となり、その抵抗値の範囲は例えば周囲温度が10℃で相対湿度が20%RHのときであれば10MΩ程度の非常な高抵抗となり、また周囲温度が40℃で相対湿度が90%RHのときであれば2kΩ程度の比較的低い抵抗値となる。
この湿度センサーの温度の変化に対する抵抗の変化は、負特性感温素子であるところの、いわゆるサーミスターと近似の変化特性を有している。
また、抵抗値変化型の湿度センサーは2つの櫛歯状の電極を非接触状態に近接させてセラミック等の絶縁板に密着させて配置し、その全体を含有する水分において抵抗値が変化する含水性の高いポリスチレンスルフォン酸、アルギン酸、ポリアクリル酸、セルロース系などの高分子樹脂で覆った構造が一般的であり、この構造から等価回路は抵抗成分と容量成分が並列接続された構成に置き換えることが可能である。
このような、湿度センサーに直流電圧が印加されると電極を覆う樹脂の内部において含水した水分に基づいてイオン移動による電気分解が非可逆的に進行し、初期状態に有している相対湿度に対する抵抗変化の特性が変化するために、湿度センサーへの印加する電圧波形は正弦波や矩形波の交流波形とすることで一方的な電気分解が生じ難いように駆動することが一般的であり、相対湿度に対する抵抗の値は、予め規定する一定の周波数の正弦波や矩形波(デューティ比が50%)の交流電圧を印加した状態に測定されるインピーダンスの値で規定されている。
よって、湿度センサーの実際の使用においても規定した一定の周波数の正弦波や矩形波の交流電圧を印加して駆動することで長期的に精度の高い相対湿度の測定が行えるようにしている。
ここで、感温素子2は前記の感湿素子1である湿度センサーの有する周囲の温度に対する抵抗値変化の特性と近似の特性(B定数および標準抵抗値)を有した図6上に太点線で示したような温度に対する負特性の抵抗変化特性を持つ、いわゆるサーミスターを使用するものである。
以上のような湿度センサーであるところの感湿素子1とサーミスターであるところの感温素子2を直列接続した湿度センサー部3の構成の状態において、その両端に電圧を印加すると接続点3aには図7に示したように湿度センサーの有する周囲温度に対する抵抗値変化の影響がほぼ除かれた相対湿度に応じた抵抗分圧比で分圧された分圧電圧が生じることとなり、この分圧電圧から相対湿度を判断することが可能となる。
なお、図7においては相対湿度が55%における湿度センサーの温度に対する抵抗値の変化特性にB定数(および標準抵抗値)を合わせたサーミスターを用いて温度補正を実施した時の抵抗分圧比の結果の一例を示している。
ここで、ノイズフィルター構成5は、接続点3aに生じた分圧電圧を安定させA/D変換読込手段6が読み込む電圧値の外来ノイズ等の低減するための抵抗、およびコンデンサーで構成した一般的なCRフィルターである。
なお、ノイズフィルター構成5は相対湿度を測定するために必要な基本的な構成ではないために接続点3aとA/D変換読込手段6を直接的に接続してノイズフィルター構成5を削除することも可能である。
次に、図8と図9に基づいて第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bから出力して湿度センサー部3に印加する駆動電圧と接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7内部に読み込み相対湿度を判断するソフトウェアーにて記述する判定処理の一連の制御内容を説明する。
ここで、図8は時間を部分的に区切り、一定時間の間の第1の入出力手段4a(図上IO1と表記)と第2の入出力手段4b(図上IO2と表記)の電圧出力の状態を電圧出力状態を5V、電力の吸い込み状態をOVと表現して示したものであり、図9は更に時間を部分的に拡大してA/D変換読込手段6(図上A/Dinと表記)に印加される接続点3aに生じる分圧電圧の状態も付加した図である。
図8に示しているように、あるPa時点において第1の入出力手段4aを電圧出力の状態のまま、第2の入出力手段4bを電圧出力から電力の吸い込みの状態に予め規定する期間taの時間の間、変化させて、まず、感湿素子1側を高電位として感温素子2の方向に電流を流す。
次に、第1の入出力手段4aを電圧出力から電力の吸い込み状態に変化させて、同時に第2の入出力手段4bを電力の吸い込み状態から電圧出力の状態に再度ta時間の間変化させて、感温素子2側を高電位として感湿素子1の方向に電流を流す。
以上のta時間毎に反転する湿度センサー部3への電圧の印加を1サイクルとして繰り返すことで、湿度センサー部3には交流となる矩形波電圧を印加するようにしている。
次に、この湿度センサー部3への矩形波電圧の印加を予め規定する期間tbの時間の間繰り返し(図8においては矩形波電圧の6サイクル分)、図9に示したように期間tb経過前の第1の入出力手段4aを電圧出力から電力の吸い込み状態に変化させる直前のPb時点(図示)において接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込み、この読み込んだデジタル値から湿度センサー部3で検知した湿度の値を1チップマイクロコンピューター7の内部において判定処理を行うようにしている。
次に、期間tb(第1の期間)経過後、図8に示しているように、予め規定する期間tc(第2の期間)の間は、第1の入出力手段4a、および第2の入出力手段4bとも共に電圧出力の状態として湿度センサー部3の両端に同位の電圧を印加することで、感湿素子1に電流を流さないようにする湿度検知の休止期間を設けている。
以上の、期間tb(第1の期間)の間の湿度センサー部3への矩形波電圧の印加とPb時点の相対湿度の値の判断、および期間tcの湿度検知の休止期間を1サイクルとして繰り返すようにアルゴリズムを構成することで、連続的な相対湿度の検知が1チップマイクロコンピューター7で行えることとなる。
ここで、1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込んだ接続点3aに生じた分圧電圧の値は、前述したように感湿素子1である湿度センサーの有する周囲温度に対する抵抗値変化の影響がほぼ除かれた相対湿度に対する抵抗値変化に応じたの分圧電圧が生じることとなり、この分圧電圧から例えば1チップマイクロコンピューター7の内部ROM上に分圧電圧のデジタル値と相対湿度の一義的関係を定めた図10に示したような湿度変換のデーターテーブルを持たせて、読み込んだ分圧電圧のデジタル値をこのデーターテーブルと照らし合わせることで湿度センサー部3で検知した実際の相対湿度の値を1チップマイクロコンピューター7の内部で判断することとなる。
図10は1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値(図上は読み込んだ電圧値を1024段階に変換して10進値にて表現)に変換して読み込んだ接続点3aに生じた周囲温度に対する抵抗値変化の影響がほぼ除かれたの相対湿度に対応する分圧電圧と実際の相対湿度の対応を一義的に規定した湿度変換データーテーブルの一例であり、図10においては読み込んだ分圧電圧が58の値であれば35%の相対湿度を判断し、また750の値であれば75%の相対湿度を判断するものである。
なお、ここでは相対湿度の実値の求め方の一例として湿度変換データーテーブルと照合する方式を示したが、相対湿度に対応する分圧電圧の値と相対湿度の対応の演算式を求めておき、A/D変換読込手段6にて読み込まれた相対湿度に対応する分圧電圧のデジタル値から前記演算式を用いて演算することで相対湿度の実値を求める方式や、読み込まれた相対湿度に対応する分圧電圧のデジタル値そのものを1チップマイクロコンピューター7の内部処理にて相対湿度の実値に変換することなく、読み込んだデジタル値そのものを相対湿度と同意と扱う方式でもかまわない。
以降、この判断した相対湿度の実値を基に予め規定する動作を実施することができることとなる。
ここで、湿度センサー部3に電圧印加する最小時間である期間taは任意の値であってもかまわないが、上記に述べた湿度センサーが等価回路的に有するコンデンサー成分の湿度センサー部3に矩形波電圧を印加した際の接続点3aに生じる分圧電圧の安定時間への影響を考慮すると、電圧が安定した時点で相対湿度の値を判断する方が、より安定した高精度の相対湿度の検知判定が可能となるために、実際に使用する湿度センサーの特性にもよるが、例えば0.5〜3.0msに設定することが望ましい。
ここで、湿度センサー部3に矩形波電圧を印加する期間tb(第1の期間)は任意の値であってもかまわないが、感温素子2である湿度センサーは一般的に通電の開始において流れる電流の影響によりインピーダンスが僅かに変化するために、より安定した相対湿度の検知を考慮するならば、比較的長めの時間を設定する方が精度の高い相対湿度の検知判定が可能となることから、実際に使用する湿度センサーの特性にもよるが、例えば5ms以上に設定することが望ましい。
ここで、感湿素子1に電流を流さない休止期間である期間tc(第2の期間)の長さは任意の値であってもかまわないが、感湿素子1である湿度センサーにイオン移動を生じさせる電流をできるだけ流さない時間を多く設けることが湿度センサーの特性劣化の抑制に有利であることから、実際の使用においては搭載される機器において要求される相対湿度の検知の応答性を考慮して、例えば20msから1s程度を設定するものである。
また、感湿素子1に電流を流さない休止期間である期間tcについては、例えば図11のチャート図に示したように第1の入出力手段4a、および第2の入出力手段4bとも共に電力の吸い込み状態とすることで湿度センサー部3の両端を同位の電圧(電位差零)とすることで実現することもできる。
ここで、図11も時間を部分的に区切って一定時間の間の第1の入出力手段4a(図上IO1と表記)と第2の入出力手段4b(図上IO2と表記)の電圧出力状態を5V、電力の吸い込み状態をOVと表現して示したチャート図である。
なお、第1の入出力手段4a、および第2の入出力手段4bとも共に電力の吸い込み状態として休止状態を設ける場合には、矩形波印加の開始時点となるPa時点においては図11に示しているように第2の入出力手段4bを電力の吸い込みの状態から電圧出力の状態に変化させて、期間tbの後の矩形波電圧を印加している最終時点において、第1の入出力手段4aを電圧出力の状態から電力の吸い込みの状態に変化させる直前の、図上Pb時点の接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込むものである。
また、感湿素子1に電流を流さない休止期間である期間tc(第2の期間)については、例えば図12に示したように第1の入出力手段4a、および第2の入出力手段4bとも共に高入力インピーダンス状態とすることで湿度センサー部3の両端を他の構成から電気的にほぼ分離することで同位の電圧状態とすることで実現することもできる。
また特に、上記において、少なくとも第1の入出力手段4aを高入力インピーダンス状態とすることで、感湿素子1に電圧が印加されない状態を実現し、電流が流れないようにすることができる。
ここで、図12も時間を部分的に区切って一定時間の間の第1の入出力手段4a(図上IO1と表記)と第2の入出力手段4b(図上IO2と表記)の電圧出力の状態を電圧出力状態を5V、電力の吸い込み状態をOVと表現し、さらに高入力インピーダンスの状態をHizとして追加して示した図である。
なお、第1の入出力手段4a、および第2の入出力手段4bとも共に高入力インピーダンスの状態とすることで休止状態を設ける場合には、矩形波印加の開始時点となるPa時点においては、図12に示しているように第2の入出力手段4bを高入力インピーダンスの状態から電圧出力の状態に変化させ、同時に、第1の入出力手段4aを高入力インピーダンスの状態から電力の吸い込みの状態に変化させて、期間tb(第1の期間)の後の矩形波電圧を印加している最終時点において、第1の入出力手段4aを電圧出力の状態から高入力インピーダンスの状態に変化させる直前の、図上Pb時点の接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込むものである。
このような構成によれば、1チップマイクロコンピューター7の有する第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bの出力の状態を切替えることで湿度センサー部3に交流となる矩形波電圧を印可させて1チップマイクロコンピューター7の有するA/D変換読込手段6で湿度センサー部3の接続点3aに生じる分圧電圧を読み込んで1チップマイクロコンピューター7の内部で相対湿度の値を判断し、さらには、一定時間の間は第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bを同位の電圧出力の状態や電力の吸い込み状態、あるいは高入力インピーダンスの状態とすることで、湿度センサー部3に電流を流さないようにして、感湿素子1に流れる電流に基づくイオン移動で生じる電気分解による非可逆的劣化を生じさせない措置を講じていることで、基本構成としては湿度センサー部3を構成する感湿素子1と感温素子2、および1チップマイクロコンピューター7の単純な構成で感湿素子の長寿命化が図れることとなる。
なお、1チップマイクロコンピューター7はソフトウェアーの記述を保存し演算結果を保存するROM、およびRAM、またデーターの演算を行うCPUも搭載した構成であるために、湿度センサー部3による相対湿度の測定と、その測定した相対湿度の値に基づいて特有の機能を実現する機器自体の動作を制御するために機器に搭載するマイクロコンピューターを活用できることは言うまでも無い。
(実施の形態2)
図13において、図1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13に示しているように、第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4b、およびA/D変換読込手段6を構成する1チップマイクロコンピューター7は電力の供給源となる電源8と接続しており、湿度センサー部3を構成する直列接続された感湿素子1と感温素子2は、感湿素子1の一端を第1の入出力手段4aと接続し、感温素子2の一端を第2の入出力手段4bと接続する。また、感湿素子1と感温素子2他端を接続した接続点3aは、インピーダンス低減手段9の一端に接続して、さらにノイズフィルター構成5を介してA/D変換読込手段6と接続している。
ここで、インピーダンス低減手段9は1チップマイクロコンピューター7が備えているA/D変換読込手段6を構成するアナログ・デジタル変換端子の電源8のGNDに対するインピーダンスを低減させる目的で配置するものであり、例えば接続点3aと電源8のGNDとの間に抵抗を配置して構成するものである。
このインピーダンス低減手段9を構成する抵抗の抵抗値は感温素子2であるところの湿度センサーが前述したように特に低温低湿度状態においては非常な高抵抗となるために、このような高抵抗な状態に湿度センサーがあっても接続点3aと接続される1チップマイクロコンピューター7のアナログ・デジタル変換端子部分の負荷インピーダンスを下げることで、外来ノイズ等の影響で1チップマイクロコンピューター7が誤動作したり、またアナログ変換値の値が揺らぐことで検知判定する相対湿度の値の精度が悪化することを低減させることを考慮して選定するものである。
このような1チップマイクロコンピューター7の誤動作の防止や検知湿度の値の安定性の向上を図るためには比較的低い抵抗値(例えば100kΩ程度)の選定が効果的である。
しかしながら、インピーダンス低減手段9の抵抗値を低く設定しすぎると低湿度域の湿度検知精度低下への影響が大きくなるために、低温低湿度状態の湿度センサーの抵抗値の1/10程度の抵抗値(例えば10℃20%RHに抵抗値が約10MΩであれば1MΩ程度)を選定することが望ましい。
このような構成によれば、感湿素子1と感温素子2の接続点3aはインピーダンス低減手段9で電源8のGNDに接続された状態でA/D変換読込手段6を構成する1チップマイクロコンピューター7が備えているアナログ・デジタル変換端子と接続していることで、このインピーダンス低減手段9により1チップマイクロコンピューター7のアナログ・デジタル変換端子部分は電源8のGNDに対するインピーダンスを低減させることができるために、誤検知が少なく長期的に安定して、さらに精度の高い連続的な相対湿度の測定が行えることとなる。つまり、実施の形態1の実施形態に加えて、インピーダンス低減手段9を設けることで、誤検知が少なく長期的に安定して、さらに精度の高い連続的な相対湿度の測定が行える。
(実施の形態3)
図14において、図1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態は、実施の形態1に対して、1チップマイクロコンピューター7が備えている第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bに加えて、もう1つの第3の入出力手段4cを備え、この第3の入出力手段4cと湿度センサー部3を構成する感湿素子1と感温素子2の接続点3aとの間に分圧抵抗10を接続して構成したものである。
ここで、分圧抵抗10は感湿素子1の温度補正用の温度検知素子である感温素子2の標準温度(例えば25℃)における抵抗値と同等の値を設定することが望ましい。つまり感温素子2として用いるサーミスターは、25℃では10kΩから100kΩの抵抗値をゆうするものが多いことから、前記分圧抵抗10は10kΩから100kΩの抵抗値を有した抵抗を配置するものである。
次に、図15のチャート図に基づいて第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4b、および第3の入出力手段4cから出力して湿度センサー部3と分圧抵抗10に印加する駆動電圧と接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7内部に読み込み相対湿度を判断するソフトウェアーにて記述する判定処理の一連の制御内容を説明する。
ここで、図15は時間を部分的に区切って一定時間の間の第1の入出力手段4a(図上IO1と表記)と第2の入出力手段4b(図上IO2と表記)、および第3の入出力手段4c(図上IO3と表記)の状態を電圧出力状態を5V、電力の吸い込み状態をOV、および高インピーダンス状態をHizと表現して示し、またA/D変換読込手段6(図上A/Dinと表記)に印加される接続点3aに生じる分圧電圧の状態も示したチャート図である。
図に示しているように、あるPa時点の以前において第1の入出力手段4aを高入力インピーダンスの状態とし、また第2の入出力手段4bを電圧出力状態として、さらに第3の入出力手段4cを電力の吸い込み状態とする。
次に、Pa時点において第1の入出力手段4aを高入力インピーダンスから電力の吸い込み状態に変化させ、また第2の入出力手段4bを電圧出力から高インピーダンス状態に変化させて、さらに第3の入出力手段4cを電力の吸い込み状態から電圧出力状態へと変化させて、この状態を予め規定する期間taの時間の間保つことで、まず、分圧抵抗10側を高電位として感湿素子1の方向に電流を流す。
次に、第2の入出力手段4bを高インピーダンス状態に保ったまま、第1の入出力手段4aを電力の吸い込み状態から電圧出力状態に変化させて、また第3の入出力手段4cを電圧出力状態から電力の吸い込み状態へと変化させて、この状態を再度ta時間の間保つことで、感湿素子1側を高電位として分圧抵抗10の方向に電流を流す。
以上のta時間毎に反転する感湿素子1と分圧抵抗10への電圧の印加を1サイクルとして繰り返すことで、感湿素子1と分圧抵抗10には交流となる矩形波電圧が印加するものであり、このとき感温素子2には第2の入出力手段4bが高インピーダンス状態に保たれているために電流は流れないこととなる。
次に、この感湿素子1と分圧抵抗10への矩形波電圧の印加を予め規定する期間tbの時間の間繰り返し(図15においては矩形波電圧の6サイクル分)、この期間tb(第1に期間)の経過前において、第1の入出力手段4aを電圧出力から他の状態に変化させる直前の、図上Pb時点における感湿素子1側を高電位として分圧抵抗10の方向に電流を流している状態において接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込み、仮の湿度値とする。
次に、期間tb(第1の期間)経過後、予め規定する期間tc(第2の期間)の間は、第1の入出力手段4aを高インピーダンス状態とし、また第2の入出力手段4bは電圧出力状態に、さらに第3の入出力手段4cを電力の吸い込み状態へと変化させて保つことで感温素子2側を高電位として分圧抵抗10の方向に電流を流す。
なお、前述のtc時間(第2の期間)の間は感温素子2と分圧抵抗10には感温素子2側を高電位とした直流電圧が印加されることとなり、このとき第1の入出力手段4aは高インピーダンス状態を保っているために感湿素子1には電流を流さない湿度検知の休止期間となる。
次に、この感温素子2と分圧抵抗10に直流電圧を印加している期間tb(第1の期間)の経過直前であるところの図上Tb時点において接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込み、この読み込んだデジタル値から感温素子2で検知した周囲温度の値を1チップマイクロコンピューター7の内部において判定処理を行う。
以上の、期間tb(第1の期間)の間の感湿素子1と分圧抵抗10への矩形波電圧の印加とPb時点の接続点3aに生じる分圧電圧をA/D変換読込手段6による読み込みと、および期間tc(第2の期間)の湿度検知の休止期間と感温素子2と分圧抵抗10への直流電圧の印加とPc時点の温度値の判断を1サイクルとして繰り返すようにアルゴリズムを構成することで、仮の湿度値と温度値の検知が1チップマイクロコンピューター7で行えることとなる。
ここで、温度値として1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込んだ感温素子2と分圧抵抗10の接続点3aに生じた分圧電圧の値は、固定抵抗であるところの分圧抵抗10とその時点の感温素子2の有する抵抗値とで電源8の電圧が分圧された電圧値となるために、感温素子2であるところのサーミスターの有する周囲温度に応じた分圧電圧が生じることとなる。
よって、感温素子2であるサーミスターの有する周囲温度に応じた分圧電圧が生じることとなり、1チップマイクロコンピューター7の内部ROM上に周囲温度に応じた分圧電圧のデジタル値と実際の温度との一義的に関係づける図16に示したような温度変換データーテーブルを持たせて、読み込んだ分圧電圧のデジタル値をこの温度変換データーテーブルの値と照らし合わせることで湿度センサー部3で検知した温度の実値を1チップマイクロコンピューター7の内部で判断することができることとなる。
なお、図16は1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値(図上は読み込んだ電圧値を1024段階に変換して10進数表現)に変換して読み込んだ接続点3aに生じた温度に対応する分圧電圧と実際の温度との対応を一義的に規定した温度変換データーテーブルの一例であり、図16においては読み込んだ分圧電圧が200の値であれば10℃の温度を判断し、また630の値であれば30℃の温度を判断するものである。
また、仮の湿度値として1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値に変換して読み込んだ感湿素子1と分圧抵抗10の接続点3aに生じた分圧電圧の値は、固定抵抗であるところの分圧抵抗10とその時点の感湿素子1の有する抵抗値とで電源8の電圧が分圧された電圧値となるために、感湿素子1である湿度センサーの有する周囲温度に対する抵抗値変化の影響を含んだ値となる。
よって、さらに、例えば1チップマイクロコンピューター7の内部ROM上に温度に対する抵抗値変化の影響を含んだ仮の湿度値と、その時の温度の実値の各デジタル値との対応から実際の相対湿度の値を一義的に関係づける図17に示したような各温度毎の湿度変換データーテーブルを配列的に持たせることで、読み込んだ仮の湿度値と温度の実値とをこの湿度変換データーテーブルと照らし合わせることで感温素子2が検知した相対湿度の実値を求めることができるようにしている。
なお、このような各温度毎の湿度変換データーテーブルに基づいて相対湿度を求める方式は、温度毎に対応する最適な相対湿度の値を規定できるために、より高精度な相対湿度の検知判定が可能となる。
以降、この判断した相対湿度の値を基に予め規定する動作を実施することができることとなる。
なお、図17は1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値(図上は読み込んだ電圧値を1024段階に変換して10進値にて表現)に変換して読み込んだ仮の湿度値の各温度範囲毎の実際の相対湿度との対応を一義的に規定した湿度変換データーテーブルの一例であり、図17においては判断した温度が12℃であり読み込んだ仮の湿度値が55の値であれば35%の相対湿度を判断し、また判断した温度が32℃であり仮の湿度値が740の値であれば75%の相対湿度を判断するものである。
このような構成によれば、1チップマイクロコンピューター7が備えている第1の入出力手段4aと第2の入出力手段4bに合わせて、もう1つの第3の入出力手段4cの出力の状態を切替えることで第3の入出力手段4cにつながる分圧抵抗10と感湿素子1の直列接続に対して交流となる矩形波電圧を印可し、また分圧抵抗10と感温素子2の直列接続に対し直流電圧を印加した状態において接続点3aに生じる分圧電圧を1チップマイクロコンピューター7の有するA/D変換読込手段6で1チップマイクロコンピューター7の内部にデジタル値として読み込むことで各温度毎により高精度に相対湿度の値を判断することができることとなり、さらに一定時間の間は第1の入出力手段4aを高入力インピーダンスの状態に保ち感湿素子1に流れる電流に基づくイオン移動で促進される電気分解による感湿素子1の非可逆的劣化を生じさせない措置を講じていることで、基本構成としては湿度センサー部3を構成する感湿素子1と感温素子2、および1チップマイクロコンピューター7と湿度センサー部3の接続点3aに接続する分圧抵抗10からなる単純な構成で感湿素子1の長寿命化を図りながら、さらに高精度な湿度の検知ができることとなる。
なお、ここで本構成に使用する感温素子2であるサーミスターは温度そのものの検知のみに利用しているために、感湿素子1である湿度センサーの有する周囲の温度に対する抵抗値変化の特性とほぼ相似のB定数を有したサーミスターでなくてもかまわない。
なお、本構成においても実施の形態1にて示した感湿素子1および感温素子2を直列接続した構成の湿度センサー部3における温度補正された相対湿度の測定を行い、この測定結果を分圧抵抗10と感温素子2の直列接続の構成から求められる温度の実値にてさらに補正する処理も可能であり、同処理を行うことで、より精度の高い相対湿度の測定が行えることは言うまでもない。
なお、本実施例は感湿素子1と感温素子2を直列接続した接続点3aに分圧抵抗10を接続した本構成において相対湿度を求める処理の一例を示したものであり、同構成において例えば、感温素子2と分圧抵抗10に直流電圧に変えて交流電圧を印加する駆動方式として温度の実値を測定するなどの異なる処理を実施しても相対湿度の測定が行えることは言うまでもない。