JP4940890B2 - コンデンサ素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンデンサ素子およびその製造方法に関し、特に誘電体の誘電緩和を用いてその高周波特性を向上させたコンデンサ素子およびその製造方法に関するものである。
近年の技術の発展に伴い、機器の動作周波数が上昇している。それに伴い、機器に使用されるコンデンサ素子に対しても高周波に対応することが求められている。
一般に、コンデンサは図8に示す等価回路で表現される。同図に示されるように、コンデンサには、本来のキャパシタンスC(F)の外に、寄生の要素として、等価直列抵抗(equivalent series resistance)ESR(Ω)と寄生インダクタンスL(H)がある。そのため、コンデンサのインピーダンスZ(Ω)は(1)式で与えられる。
Figure 0004940890
ただし、jは虚数単位、ωは角周波数(rad/s)である。角周波数ωは周波数f(Hz)の2π倍(ω=2πf)。
ここで、キャパシタンスCの含まれる1/jωCの項は、用いられる周波数(角周波数ω)が上昇すればするほど、小さくなっていく。逆に、寄生インダクタンスLが含まれる項jωLは、周波数が上昇すればするほど大きくなっていく。そのため、周波数が低く、ωL<1/ωCとなるときには、キャパシタンスCに関する項が大きいため、キャパシタンスCの影響の方が大きい。したがって、キャパシタンスCの動作、つまり、コンデンサとして動作する。しかし、周波数が上昇すると、キャパシタンスの項1/jωCに比べ、寄生インダクタンスの項jωLが大きくなる。したがって、キャパシタンスの影響より寄生インダクタンスの影響の方が大きくなるため、コンデンサとして動作しなくなる。また、jωL=−1/jωCとなれば、キャパシタンスCと寄生インダクタンスが打ち消しあう。この周波数のときに、インピーダンスZCは最小となり、キャパシタンスCと寄生インダクタンスLの共振となる。この周波数は、コンデンサの自己共振周波数ωCである。この自己共振周波数ωCはωL=1/ωCとなる周波数であり、(2)式で示される。
Figure 0004940890
そのため、従来、この直列共振によりコンデンサの使用可能な帯域が制限を受けていた。この点に対処するものとして、一つのコンデンサ内に2素子を作り込んで、コンデンサの使用可能帯域を拡大することが試みられていた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1にて提案されたコンデンサでは、上・下電極による平行平板コンデンサの一平面に別のコンデンサを並列に形成し、上電極をワイヤボンディングにて基板上のランドに接続するようにして、2つのコンデンサの2種類の直列共振を利用して広帯域性を確保している。
特開2001−143964号公報
上述した特許文献1に記載されたコンデンサでは、二つのコンデンサを一素子内に形成しているため、素子構造が複雑で大型になり従来とは異なった構造となることによりコスト高を招くという欠点があった。また、実装にワイヤボンディングが用いられており、組立工数の増加と実装面積の増大を招くという問題もある。更に、特許文献1に記載された手法では、直列共振周波数に変わりはなく、かつ、直列共振周波数以上の帯域ではコンデンサが誘導性になるため、コンデンサ本来の機能が果たせる帯域を広げることができなかった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、素子構造を複雑化、大型化することなく、使用可能な帯域の広いコンデンサ素子を提供できるようにすることである。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子において、前記誘電体のfτ=1/2π(但し、τは該誘電体の緩和時間)を満たす周波数が、自己共振周波数より低く設定されており、かつ、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数をk、コンデンサ素子の寄生インダクタンスをL、前記周波数fより十分高い周波数における誘電体の誘電率をε H とするとき、誘電体の緩和時間τ C が、
Figure 0004940890
を満たすことを特徴とするコンデンサ素子、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子において、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数をk、コンデンサ素子の寄生インダクタンスをL、誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数より十分低い周波数における誘電体の誘電率をεL該周波数fより十分高い周波数における誘電体の誘電率をε とするとき、誘電体の緩和時間τCが、
Figure 0004940890
を満たし、かつ、
Figure 0004940890
を満たすことを特徴とするコンデンサ素子、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子において、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数をk、コンデンサ素子の寄生インダクタンスをL、誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数より十分高い周波数における誘電体の誘電率をεとするとき、誘電体の緩和時間τCが、
Figure 0004940890
を満たし、かつ、
Figure 0004940890
を満たすことを特徴とするコンデンサ素子、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子の製造方法であって、
(1)電極および端子を含めたコンデンサ素子の形状を決定する過程と、
(2)決定されたコンデンサ素子の形状から、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数kと、コンデンサ素子の寄生インダクタンスLとを求める過程と、
(3)前記誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数が、自己共振周波数より低く、かつ、その緩和時間τ C が、
Figure 0004940890
を満たす誘電体を選定する過程と、
(4)前過程で選定された誘電体を用いてコンデンサ素子を作製する過程と、
を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子の製造方法であって、
(1)電極および端子を含めたコンデンサ素子の形状を決定する過程と、
(2)決定されたコンデンサ素子の形状から、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数kと、コンデンサ素子の寄生インダクタンスLとを求める過程と、
(3)誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数より十分低いおよび十分高い周波数における誘電体の誘電率をそれぞれεL、εHとして、緩和時間τCが、
Figure 0004940890
を満たす誘電体を選定する過程と、
(4)前過程で選定された誘電体を用いてコンデンサ素子を作製する過程と、
を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法、が提供される。
[作用]

前述したように、コンデンサの等価インピーダンスは、上記(1)式により与えられ、共振周波数以下では、1/ωC>ωLであるので、インピーダンスは容量性となりコンデンサは本来の機能を発揮できるが、共振周波数を超えた帯域では、ωL>1/ωCとなり誘導性のインピーダンスとなるため、コンデンサは本来の機能を果たし得なくなる。したがって、コンデンサとしての利用可能な帯域を広げるためには、共振周波数ωCを高周波側に変化させることが必要である。
而して、上記(2)式に示されるとおり、コンデンサのキャパシタンスCを減少させることで、自己共振周波数を高周波に遷移させることができる。しかし、低周波においては、コンデンサのキャパシタンスCを確保する必要がある。そこで、本発明では、誘電体における誘電率の周波数依存性を示す誘電分散を利用することにより、低周波ではキャパシタンスCを保ったまま、高周波においてキャパシタンスCを減少させて、自己共振周波数を高周波に遷移させるようにする。
コンデンサのキャパシタンスは誘電体の誘電率と比例関係にある。そこで、誘電体の誘電率を周波数により変化させることで、コンデンサのキャパシタンスを高周波で減少させる。そのために誘電分散の現象を利用する。例えば、塩嵜 忠 監修、「絶縁・誘電セラミックスの応用技術」、シーエムシー出版、2003年8月18日出版、pp.20-25に示されるように、誘電体の分極には、共鳴型の分極と緩和型の分極があり、そして共鳴型の分極には電子分極とイオン分極が含まれ、緩和型の分極には配向分極と界面分極が含まれる。配向分極と界面分極が緩和型であるため、これらによる誘電分散は誘電緩和とも呼ばれる。
電子分極は、電界印加により電子雲の中心が原子核の重心に対し変位する分極であって紫外領域での現象である。イオン分極は、正負イオンが電界により相対的に変位する分極であり、赤外領域での現象である。配向分極は、永久双極子が電界により配向する分極であり、無線周波における現象である。界面分極は、荷電粒子が不均一に分布した誘電体においてその電荷が電界印加によって界面に集積する分極であり、可聴周波における現象である。これらの分極の内、界面分極は、均等な誘電体においては無視することができ、また高周波帯域では消失するので、コンデンサの高周波帯域での動作を問題とする場合には、無視して差し支えない。よって、以下、界面分極以外の分極の挙動についてのみ更に説明する。図1は、分極を周波数の関数として表示した図である。ここで、配向分極による分極をPo、イオン分極による分極をPi、電子分極による分極をPeとすると、誘電体に交流電界を印加するとき、低周波帯域では、全ての分極が電界変化に追随できるので、分極Pは、Po+Pi+Peとなる。周波数が高周波帯域のある値(例えば10Hz)を超えると配向分極は電界変化に追随できなくなり消失する。よって、分極Pは、Pi+Peとなり、これにより誘電率は大きく低下する。更に周波数を上げると、イオン分極が消失し、分極PはPeのみとなり、誘電率は更に低下する。紫外領域に至ると、電子分極も消失して、分極Pは0となる。
配向分極が消失することによる誘電緩和による誘電率の変化は、(3)式にて近似される(例えば、前掲書参照)。
Figure 0004940890
ここで、ε(F/m)は誘電緩和が発生する周波数より十分高い周波数での誘電率、ε(F/m)は誘電緩和が発生する周波数より十分低い周波数での誘電率、τは緩和時間(s)(誘電緩和の時定数、誘電率の変化する速度)である。これらの値は、誘電体の材質によって決まる。(3)の式において、ωτが1に近い場合に誘電率の変化が大きい。したがって、角周波数ωが誘電緩和時間の逆数に近い値となる場合に誘電率が大きく変化する。つまり、誘電体は、ωτ≒1の周波数付近において誘電緩和により誘電率が周波数の上昇とともに大きく減少する。そのため、角周波数ω≒1/τとなる周波数付近において誘電率の減少に伴いコンデンサのキャパシタンスCも大きく減少する。
本発明においては、誘電体の誘電緩和をコンデンサの自己共振周波数より低い周波数で発生するように材料を調整する。たとえば、誘電体を形成する際に他の物質を混入したり、誘電体の焼結条件を変更したりすることで誘電緩和が自己共振周波数より低い周波数で発生するように調整する。これにより、共振周波数より低周波で、周波数の上昇とともに誘電率の減少が発生し、それに伴い、コンデンサのキャパシタンスが減少する。共振周波数はキャパシタンスの1/2乗に反比例するため、キャパシタンスが減少すれば、共振周波数が高周波に変化する。また、誘電緩和の影響の出ない低い周波数においては、誘電率は従来のコンデンサと同等のため、低周波での動作は変化しない。したがって、誘電緩和により誘電率が減少する周波数を、自己共振周波数以下の適切な値に設定することで、コンデンサの利用可能な帯域が増加する。
また、本発明のコンデンサにおいては、誘電緩和により高周波での誘電率が低下し、コンデンサのキャパシタンスが減少する現象を用いることで、周波数により異なるキャパシタンスのコンデンサとして動作させることができる。
本発明によれば、自己共振周波数以下の周波数において誘電体の誘電緩和が起こるので、誘電緩和により低下したキャパシタンスにて自己共振の周波数が決定され、したがって自己共振周波数を高くすることが可能になり、コンデンサの使用可能な周波数帯域を広帯域にすることができる。つまり、容量性の素子として用いられるコンデンサにおいて、高周波側に変化した自己共振周波数まで容量性の特性を維持できる範囲が広がり、電圧安定などに用いられる低インピーダンスの素子として利用できる範囲が広がる。
また、本発明は、コンデンサの広帯域対応を二つのコンデンサを一つの素子内に作り込むことによって達成するものではないので、素子構造が複雑となったり実装面積が増大したりすることがなく、構造および製造工程は従来法をそのまま適用することができ、高性能素子を安価に提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について数式および図面を参照して詳細に説明する。
誘電体の分極の緩和時間をτとし、誘電体のωτ≪1のとき、つまり、配向分極による分極が存在するときの誘電率をεL、ωτ≫1のとき、つまり、誘電緩和により配向分極による分極が失われた後の誘電率をεとするとき、誘電体の誘電緩和による複素誘電率の実部ε′の変化は(3)式で表される。また、このときの誘電率の変化を実線にて図2に示す。同図においてεは真空の誘電率である。
Figure 0004940890
コンデンサのキャパシタンスは誘電体の誘電率と比例するため、ωτ≪1となる低周波域でのキャパシタンスは、C=kεLとなり、ωτ≫1となる高周波域でのキャパシタンスは、C=kεとなる。つまり、コンデンサのキャパシタンスは、周波数の上昇とともに、kεから、kεへと減少していくことになる。ここで、kはコンデンサの大きさや形状で決定される定数であって、コンデンサ定数と呼ばれる。また、寄生インダクタンスLもコンデンサの大きさや形状で決定される。
本発明においては、共振は誘電体の誘電緩和が発生する周波数以上の周波数で発生するようになされる。したがって、その共振周波数ωCHは、(4)式で表される。
Figure 0004940890
一方、従来例の場合のように誘電緩和の起こる周波数より低い周波数で共振するものとすると、その共振周波数ωCLは、(5)式で表される。
Figure 0004940890
したがって、本発明のコンデンサ素子の共振周波数は、従来例の場合にくらべ√(εL)倍になる。
また、誘電率がεとならないまでも、誘電緩和が発生する近辺で共振するようにτを調整することで共振周波数を高周波に遷移させ、高周波の誘電率を減少させることができる。(3)式によれば、ωτ≪1となる周波数においては、誘電緩和により誘電率が減少することはないが、ωτが1に近づくと誘電率が減少し始める。したがって、誘電緩和により誘電体の誘電率が減少する周波数より、高周波に共振周波数が来るようにτを調整する。これにより、誘電緩和による誘電率の減少によって共振周波数が高周波に遷移する。ここで、ωτ<1/3となる周波数において考えると、誘電率ε′は(εL−ε)の10%程度しか変化していない。共振周波数の遷移は誘電率の1/2乗に反比例するため、共振周波数は5%未満の変化しかなく、大きな効果はない。したがって、ωτ<1/3となる周波数以下で共振する場合は、ωτ≪1となる周波数で共振が起こる従来のコンデンサの場合に比べ、共振周波数があまり変化せず、誘電緩和を使う効果が少ない。そこで、共振周波数が5%以上高くなるように、すなわち誘電率ε′が10%以上低くなるように、共振周波数ω、緩和時間τCをωτ≧1/3と設定すると、τ≧1/(3ω)となる。ここで、ωを(5)式により近似すると、τは(6)式を満たすものとなる。
Figure 0004940890
したがって、誘電緩和を効果的に利用するためには、緩和時間は(6)式のように設定することが望ましい。これにより、共振点の誘電率ε′をεLより(εL−ε)の10%以上低い値に下げることができ、その分コンデンサ素子の使用可能範囲を広げることができる。
また、τが十分以上に大きい場合は、低周波におけるキャパシタンスも減少してしまう。コンデンサの低周波でのキャパシタンスが減少することは、コンデンサとしての機能が損なわれることになるため、コンデンサとして高い特性を出すためには、できるだけ高い周波数まで、誘電体の誘電緩和の影響が少ない方がよい。
高い周波数まで、誘電体の誘電緩和の影響が出ないようにするには、自己共振周波数において、誘電体の誘電率が配向分極の消失により十分に減少するように緩和時間τを設定すればよい。すなわち、それよりさらに低い周波数で配向分極が消失するような、緩和時間τは有効でない。本発明によれば、コンデンサ素子の自己共振周波数において誘電体の誘電率が、配向分極が完全に消失したときの誘電率εに十分近づくように、緩和時間τを設定することで、有効な緩和時間を設定できる。
そこで、(3)式右辺第2項が、(εL−ε)の1/1000以下とはならない周波数で、すなわち、(1+ωτ)が1000以下となる周波数で共振するように誘電体を選択、調整する。このとき、共振周波数ω、緩和時間τは、ωτ≦31.6を満たしており、緩和時間τは、τ≦31.6/ω、すなわちτ≦31.6√(Lkε)となる(εは共振周波数での誘電率)。ここで、共振周波数での誘電率εはεに近似しているので、上式にεを代入すると、誘電体の緩和時間τは(7)式で示されるものとなる。
Figure 0004940890
このように、ωτ≦31.6とすると、共振点での誘電率は、εとεLの差の1/1000程度にまで変化するが、これ以上τを大きくしても、共振周波数はほとんど高周波に遷移しない。そのため、共振周波数を高くしてコンデンサ素子の利用可能周波数範囲を最大限に拡大しつつ、低周波側の特性劣化を抑えることができる。
したがって、コンデンサの誘電体を、緩和時間τCを(8)式を満たす値になる誘電体を選択、調整することで、コンデンサの自己共振周波数を高周波にシフトし、より広帯域で使用可能なコンデンサを実現できる。
Figure 0004940890
(8)式を元にシミュレーションを実施した結果を図3に示す。シミュレートしたのは、1mm×1mmの平行平板型コンデンサで、誘電体の厚みが1μm、寄生インダクタンスはL=0.32nH、比誘電率(εL)はεrL=9.2である。図3に従来のコンデンサの特性を点線にて示す。このコンデンサに対し、誘電緩和により比誘電率(ε)がεrH=1.9に変化する誘電緩和時間1.6nsの誘電体を用いた場合の特性を実線にて示す。
従来のコンデンサの特性においては共振周波数が3.3GHzで発生しているのに対し、本発明のコンデンサ素子においては、共振周波数が6.6GHzにまで高周波に変化している。したがって、本発明の素子においては従来のコンデンサに比べ2倍の高周波までその利用可能な帯域が広げられていることになる。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法について説明する。コンデンサ、たとえば、電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサなどを製造するに際して、まず、構造を決定する。その後、電磁界シミュレータやサンプル試作などによってコンデンサの定数kと寄生インダクタンスの値Lを求める。そして、コンデンサの実現すべきキャパシタンスから誘電率を求める。
求めたkとLの値および誘電体の誘電率を用い、(6)ないし(8)式に従い、適切な緩和時間τを求める。求めた緩和時間を元に、分極の緩和時間が適切な誘電体を選択し、調整を行う。選択、調整を行った誘電体を用い、コンデンサを製作することで、本発明の誘電緩和を利用したコンデンサ素子を提供することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、素子の自己共振周波数と、ωτ=1の周波数をずらし、自己共振周波数において、誘電緩和における損失の上昇が小さくなっているような緩和時間τを持つ誘電体を用いることにより、誘電緩和の損失の上昇による影響を抑え、利用可能な周波数帯域を延ばすようにする。
その理由を説明する。自己共振周波数付近では、コンデンサのキャパシタンス成分によるインピーダンスが小さい。また、ωτ=1の周波数では、誘電緩和による損失の上昇により、損失によるインピーダンスの上昇が大きくなる。そのため、コンデンサの自己共振周波数と、ωτ=1となる周波数が近いときは、キャパシタンス成分によるインピーダンスが損失によるインピーダンスより小さくなる。そのため、キャパシタンス成分の影響より、損失による影響が強くなるため、コンデンサ素子としての動作が損なわれる。
そこで、誘電体の配向分極の消失により誘電率が微小化した後の誘電率における自己共振周波数での誘電損失が、十分小さくなるような緩和時間を有する誘電体を用いることにより、素子の共振周波数とωτ=1となる周波数をずらし、共振周波数での誘電損失の影響を少なくする。
誘電体の誘電緩和により誘電体の損失である複素誘電率の虚部が上昇する。誘電体の誘電緩和による複素誘電率の虚部ε″の変化は(9)式によって表される(例えば、前掲書参照)。また、その周波数に対する変化は図2にて点線で示される。
Figure 0004940890
複素誘電率の虚部は、誘電体での損失を表すため、複素誘電率の虚部が最大となる点において、誘電体の損失が最大となる。したがって、ωτ=1の周波数で誘電体の損失が一番大きくなり、それ以上の周波数においては、減少する。誘電体の損失が特に重大となるのは、コンデンサの共振周波数付近においてである。それは、共振周波数付近において、コンデンサのインピーダンスZが、キャパシタンス成分Cの影響と、寄生インダクタンス成分Lがそれぞれ打ち消しあって微小となるために、損失の影響が強くでるためである。逆に、共振周波数の周波数から外れると、キャパシタンス成分Cか寄生インダクタンス成分Lの影響が強くなるため、損失の影響は相対的に少なくなる。そのため、コンデンサの共振点において誘電体での損失の増加を回避することにより、複素誘電率虚部が増大する影響を少なくできる。
本実施の形態において、誘電体の損失が最大となる点より1/5以下に損失が低下する周波数ωで共振が発生するように誘電体を選択したものとすると、
ε″(ωτ)≦ε″(ωτ=1)/5
(9)式より、
ωτ/(1+ω τ )≦1/10
よって、ωτ≧10、すなわちτ≧10√(Lkε)が得られる(εは共振周波数での誘電率)。ここで、共振点での誘電率εはεに近似しているので、上式にεを代入すると、(10)式が得られる。
Figure 0004940890
誘電体の緩和時間τを(10)式を満たすように設定することにより、誘電体の誘電緩和による損失の上昇による影響を抑えることができる。すなわち、(10)式に示す値に緩和時間を設定した場合においては、共振周波数における複素誘電率虚部は、ωτ=1が共振点の場合と比較し、5分の1以下となっており、誘電損の影響を少なくできる。
本発明において、使用される誘電体材料は特に限定されず。有機材料、無機材料あるいはそれらの混合物等適宜使用することができる。例えば、さらに誘電体を、高分子化合物あるいはその混合物からなる誘電体でコンデンサを構成することができる。誘電体として、樹脂など、例えば、ポリフェニレンスルフィドなどの従来フィルムコンデンサの材料として利用されてきた高分子樹脂系材料のうち誘電分散が対象周波数帯域に生じる高分子化合物およびその混合物も利用できる。これにより、従来の製造設備を最小限の改造で流用、転用することが見込め、工業的な利点がある。また、誘電分散が対象周波数帯域に生じる材料であれば、樹脂系に限られることなく利用可能である。さらに誘電体を高分子化合物の少なくとも1つが無機高分子化合物である誘電体を利用することもできる。無機高分子化合物とすることで樹脂や有機系高分子に比べ、耐熱性の高いコンデンサを構成できる。
誘電体として、有機高分子化合物を使用した場合をさらに詳述すると、有機高分子化合物には、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。これらのあるいはその他の有機高分子化合物は分子量が大きく、また、その分子単位を調整することも容易なため、誘電分散の生じる周波数を自由に調整することができる。
また、誘電体として金属酸化物を用いることができる。金属酸化物として特に、ペロブスカイト型化合物若しくはその混合物を利用することもできる。ペロブスカイト型化合物として、例えば、チタン酸カルシウム銅またはその混合物、またはチタン酸塩に類する化合物およびこれらの混合物などが挙げられる。これにより、大きな誘電率を有する誘電体を使用することができ、かつ、誘電緩和による効果で高周波まで有効に機能するコンデンサ素子が実現できる。
次に、本発明をセラミックコンデンサに適用した実施例について説明する。
図4は、実施例1に係るセラミックコンデンサの斜視図である。上部電極42と下部電極43の間に誘電体41があり、コンデンサを形成している。この際、誘電体の厚みtは幅wや奥行きdにくらべ十分に小さいものとし、誘電体のふちの影響は十分に小さいものとすると、コンデンサの定数であるkはk=wd/tで求められる。ここで、幅wが300μm、奥行きdが300μm、厚みtが5μmとすると、k=0.018となる。
誘電体41に炭化珪素SiCを用いる場合、誘電緩和前の比誘電率εrLは99.9であり、誘電緩和後の比誘電率εrHは13.1となる。したがって、εLとεはそれぞれ真空の誘電率εをかけたεL=0.885×10−9、εH=0.116×10-9となる。このとき、誘電緩和前の誘電率を元に、端子44、45を含め、3次元の電磁界シミュレータによる解析で寄生インダクタンスLを求めると、0.26nHとなった。
これらの値を元に(8)式に当てはめると、目標とする緩和時間τCは2.15×10−11〜7.36×10-10となる。ここで、誘電体41に用いる炭化珪素SiCを焼結する際に、酸化ベリリウムを添加することにより、緩和時間τCは6.48×10-10に調整できる。したがって、酸化ベリリウムBeOを添加した炭化珪素SiCを誘電体に用いることによって、本発明の構成を実施できる。このときの、インピーダンスの周波数特性を図5に示す。共振周波数6.83GHzとなっており、これは酸化ベリリウムBeOを添加しない炭化珪素SiCを用いて同一構造のコンデンサを形成した場合の共振周波数2.48GHzの2.75倍となっている。したがって、仮にコンデンサの使用周波数範囲を共振周波数までとした場合、コンデンサの使用周波数範囲は2.75倍に拡大したことになる。
図6は、実施例2に係るセラミックコンデンサの斜視図である。実施例2では、2012サイズと呼ばれる、外形寸法:幅2.0mm×奥行き1.25mm×高さ0.85mm、誘電緩和の起こる前の周波数でのキャパシタンス:220nF、のセラミックコンデンサを作成する。図6に示されるように、誘電体61を挟んで第1の電極62と第2の電極63とが交互に配置され、第1の電極62は第1の端子64に接続され、第2の電極63は第2の端子65に接続されている。誘電体61の膜厚tは5μm、電極の実効的な寸法は、幅wが1.8mm、奥行きdが1.0mm、誘電体61の層数は70である(図面では実際の層数とは異なって表示されている)。このとき、誘電体の膜厚tは幅wや奥行きdにくらべ十分に小さいものとし、誘電体のふちの影響は十分に小さいものとすると、コンデンサの定数であるkはk=wd/t×70で25.2と求められる。ここで、同じ構造を持った他のセラミックコンデンサを測定したところ、寄生インダクタンスが0.53nHであった。この構造のコンデンサで220nFのキャパシタンスを実現するには誘電体の誘電緩和前の比誘電率は約1000である。ここで、誘電体の誘電緩和前の比誘電率を1000と仮定して(8)式より緩和時間の最小値を求めると、約3.6×10-9となる。上記のキャパシタンスのコンデンサを作製するため、誘電体61に高純度のCaO、CuO、TiOから合成したチタン酸カルシウム銅CaCuTi12とチタン酸カルシウムCaTiOの混合物を利用し、誘電緩和以前の比誘電率が約1000、緩和時間が3.6×10-9以上となるように調整した。この混合物における誘電緩和後の比誘電率は約10、緩和時間は約1×10-8であった。したがって、この混合物は、(8)式の条件を満たす。この混合物からなる誘電体を用いて所望のキャパシタンスのコンデンサを作製することができた。このときの、インピーダンスの周波数特性を図7に示す。
誘電体の誘電分散を説明するグラフ。 誘電体の誘電緩和の際の誘電率の変化を表したグラフ。 本発明のコンデンサ素子のインピーダンス特性を示すグラフ。 本発明の実施例1のセラミックコンデンサを示す斜視図。 本発明の実施例1のセラミックコンデンサのインピーダンス特性を示すグラフ。 本発明の実施例2のセラミックコンデンサを示す斜視図。 本発明の実施例2のセラミックコンデンサのインピーダンス特性を示すグラフ。 一般的なコンデンサ素子の等価回路図。
符号の説明
41 誘電体
42 上部電極
43 下部電極
44 上部電極用端子
45 下部電極用端子
61 誘電体
62 第1の電極
63 第2の電極
64 第1の端子
65 第2の端子

Claims (5)

  1. 一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子において、前記誘電体のfτ=1/2π(但し、τは該誘電体の緩和時間)を満たす周波数が、自己共振周波数より低く設定されており、かつ、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数をk、コンデンサ素子の寄生インダクタンスをL、前記周波数fより十分高い周波数における誘電体の誘電率をε H とするとき、誘電体の緩和時間τ C が、
    Figure 0004940890
    を満たすことを特徴とするコンデンサ素子。
  2. 一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子において、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数をk、コンデンサ素子の寄生インダクタンスをL、誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数より十分低い周波数における誘電体の誘電率をεL該周波数fより十分高い周波数における誘電体の誘電率をε とするとき、誘電体の緩和時間τCが、
    Figure 0004940890
    を満たし、かつ、
    Figure 0004940890
    を満たすことを特徴とするコンデンサ素子。
  3. 一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子において、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数をk、コンデンサ素子の寄生インダクタンスをL、誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数より十分高い周波数における誘電体の誘電率をεとするとき、誘電体の緩和時間τCが、
    Figure 0004940890
    を満たし、かつ、
    Figure 0004940890
    を満たすことを特徴とするコンデンサ素子。
  4. 一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子の製造方法であって、
    (1)電極および端子を含めたコンデンサ素子の形状を決定する過程と、
    (2)決定されたコンデンサ素子の形状から、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数kと、コンデンサ素子の寄生インダクタンスLとを求める過程と、
    (3)前記誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数が、自己共振周波数より低く、かつ、その緩和時間τ C が、
    Figure 0004940890
    を満たす誘電体を選定する過程と、
    (4)前過程で選定された誘電体を用いてコンデンサ素子を作製する過程と、
    を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
  5. 一対の電極と、該一対の電極に挟まれた誘電体とを有するコンデンサ素子の製造方法であって、
    (1)電極および端子を含めたコンデンサ素子の形状を決定する過程と、
    (2)決定されたコンデンサ素子の形状から、コンデンサ素子のキャパシタンスと誘電体の誘電率との比であるコンデンサ定数kと、コンデンサ素子の寄生インダクタンスLとを求める過程と、
    (3)誘電体のfτ=1/2πを満たす周波数より十分低いおよび十分高い周波数における誘電体の誘電率をそれぞれεL、εHとして、緩和時間τCが、
    Figure 0004940890
    を満たす誘電体を選定する過程と、
    (4)前過程で選定された誘電体を用いてコンデンサ素子を作製する過程と、
    を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
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