JP4940734B2 - デザイン制作支援装置及びデザイン制作支援プログラム - Google Patents

デザイン制作支援装置及びデザイン制作支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、目標とするデザインの印象、実際に制作されたデザインの印象及びデザインからユーザが受ける印象に基づいてデザイン制作の支援を行うデザイン制作支援装置及びデザイン制作支援プログラムに関する。
企業のコーポレートマーク、商品、プレゼンテーション資料やウェブサイトのページ等に施されたデザインは顧客や使用者等が受ける印象(イメージ)に対して大きな影響を与える。従って、そのデザイン制作においては、企業戦略、商品販売戦略、情報提供等をする者が受け手(ユーザ)に対して与えようとする印象を的確に表現することが重要である。
例えば、商品のデザイン制作をデザイン制作者に依頼して行う場合には、図31に示すように、依頼主であるクライアントが商品やプレゼンテーション資料に必要とされる目標印象を決定し(S100)、デザイン制作者がその印象に合致するデザインの制作を行い(S102)、制作されたデザインの印象の評価を行い(S104)、必要とする印象と現実のデザインの印象との相違に基づいて依頼主はデザイン修正が必要な場合は修正を指示し、修正が必要でない場合には最終的なデザインが決定される(S106)。
このようなデザイン制作の中で、商品、プレゼンテーション資料及びウェブページ等のドキュメントの描画・着色を支援するアプリケーションソフトウェアが多数開発されている。これらの多くは、実際の着色をアプリケーションの使用者に委ねており、デザイン制作に不慣れな使用者は印象を的確に表すことが困難である。
そこで、人間の感性に基づいて処理やドキュメントの印象評価を行う方法についての研究がなされている。
特許文献1には、デザイン制作の際に目標となる印象に関する文字情報を目標イメージとして決定する目標イメージ決定工程と、実際に制作されたデザインの印象に関する文字情報をデザインイメージとして求めるデザインイメージ評価工程とを実行し、イメージに関する文字情報を表示画面の各領域に割り当てたイメージマップ画面と、イメージマップ画面の領域のうち目標イメージ情報に対応する領域に目標イメージ情報と、デザインイメージ情報に対応する領域にデザインイメージと、を重ね合わせて表示する技術が開示されている。
特開2004−102734号公報
一般的に、実際に制作されたドキュメントのデザインを見た場合、デザインを見た直後と、しばらく見続けた後では閲覧者が受ける印象が変化することが多い。しかしながら、上記従来技術において、実際に制作されたドキュメントのデザインから物理的な特徴量を抽出してデザインの印象を評価する際に、このようなデザインに対する閲覧者の印象の時間的な変化を考慮して印象を評価することができなかった。そのため、デザインが目標となる印象通りに制作されているか否かを正確に判断することができない場合があった。
本発明は、上記従来の技術の課題を鑑み、実際のデザインの印象を評価する際に、時間経過による閲覧者が受ける印象の変化を考慮してデザインの印象を評価することができるデザイン制作支援装置及びデザイン制作支援プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、ドキュメントのデザインにおける着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを第1の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第1のデザイン評価データベースと、前記着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを前記第1の時間より長い第2の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第2のデザイン評価データベースと、を記憶する記憶手段と、実際のドキュメントを取り込み、当該ドキュメントのデザインから前記特徴量のうち少なくとも1つを抽出する特徴量抽出手段と、前記第1及び第2のデザイン評価データベースに基づいて、前記特徴量抽出手段において抽出された特徴量に関連付けられている印象情報及びその重み係数をそれぞれから抽出するデザイン印象情報抽出手段と、前記デザイン印象情報抽出手段において前記第1及び第2のデザイン評価データベースからそれぞれ抽出された印象情報、及び、前記第1及び第2のデザイン評価データベースについて前記抽出された印象情報毎に重み係数に基づいて算出された評価値を表す情報を呈示する出力手段と、を備えることを特徴とするデザイン制作支援装置である。
上記本発明のデザイン制作支援装置は、ドキュメントのデザインにおける着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを第1の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第1のデザイン評価データベースと、前記着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを前記第1の時間より長い第2の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第2のデザイン評価データベースと、を記憶する記憶手段を備えるコンピュータを、実際のドキュメントを取り込み、当該ドキュメントのデザインから前記特徴量のうち少なくとも1つを抽出する特徴量抽出手段と、前記第1及び第2のデザイン評価データベースに基づいて、前記特徴量抽出手段において抽出された特徴量に関連付けられている印象情報及びその重み係数をそれぞれから抽出するデザイン印象情報抽出手段と、前記デザイン印象情報抽出手段において前記第1及び第2のデザイン評価データベースからそれぞれ抽出された印象情報、及び、前記第1及び第2のデザイン評価データベースについて前記抽出された印象情報毎に重み係数に基づいて算出された評価値を表す情報を呈示する出力手段と、として機能させることを特徴とするデザイン制作支援プログラムにより実現することができる。
ここで、前記第1のデザイン評価データベースは、予め被経験者群により前記特徴量のうちそれぞれ異なる特徴量を有する複数のドキュメントのデザインを前記第1の時間閲覧した後に受けた印象に基づいて算出された、閲覧するドキュメントのデザインが有する前記特徴量からユーザが受けるであろう印象に対応する前記印象情報の重み係数を登録したデータベースであり、前記第2のデザイン評価データベースは、予め被経験者群により前記特徴量のうちそれぞれ異なる特徴量を有する複数のドキュメントのデザインを前記第2の時間閲覧した後に受けた印象に基づいて算出された、閲覧するドキュメントのデザインが有する前記特徴量からユーザが受けるであろう印象に対応する前記印象情報の重み係数を登録したデータベースであることが好適である。
これらの2つのデザイン評価データベースを用いることによって、ドキュメントから抽出された物理的(視覚的)な特徴量から、ドキュメントのデザインを見たユーザが閲覧直後に受ける直感的な印象と、ドキュメントのデザインを見たユーザがしばらく閲覧した後に受ける理性的な印象と、の差を評価することができる。
具体的には、前記印象情報の評価値を表す情報は、前記第1及び第2のデザイン評価データベースを用いて得られた前記印象情報毎の評価値の差分値であることが好適である。また、前記印象情報の評価値を表す情報は、前記第1及び第2のデザイン評価データベースを用いて得られた前記印象情報毎の評価値のうち小さい方の値とすることも好適である。
このように抽出された印象情報毎の評価値の差を表す情報はユーザが差を把握し易い方法でユーザに呈示することが好ましい。例えば、前記出力手段は、出力画面の領域を複数の分割画面領域に分割した印象マップにおいて前記分割画面領域毎に印象情報を割り当て、前記印象情報毎の評価値を表す情報を前記分割画面領域に表示することが好適である。
より視覚的に差を表現するには、前記出力手段は、前記第1のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す情報から前記第1のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す情報へと時間的に変化させつつ表示することが好適である。例えば、前記出力手段は、前記第1のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す色味の濃さから前記第2のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す色味の濃さへと変化させて表示することが好適である。
本発明によれば、時間経過による閲覧者が受ける印象の変化を考慮してデザインの印象を評価することができる。
1.装置構成
本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援装置は、図1のように、マネジメントサーバ100、クライアントコンピュータ102a,102b・・・及びネットワーク104から構成される。マネジメントサーバ100及びクライアントコンピュータ102a,102b・・・は、ネットワーク104を介して、情報伝達可能に接続される。
マネジメントサーバ100は、図2のように、制御部10、記憶部12、入力部14、出力部16及びネットワークインターフェース部18から基本的に構成される。
制御部10は、記憶部12に保存されたデザイン制作支援プログラムを読み出して実行する。また、処理に必要なデータを入力部14、ネットワーク104から取り込み、記憶部12に格納する。また、処理に必要な場合には、記憶部12に保持されたデータを読み出して処理に供する。さらに、処理結果を再び記憶部12に格納し、必要に応じて出力部16又はネットワーク104に出力する。
記憶部12は、デザイン制作支援プログラム及び入力部14やネットワークから取り込まれるキーワード等の各種データを格納及び保持する。また、処理に必要とされる印象表現データベース、印象評価データベース、デザイン評価データベース、デザインデータベース、ユーザ印象情報データベース、印象マップ表示用データベース等のデータベースを格納及び保持する。各々のデータベースの内容及び使用方法については後述する。記憶部12としては、主として半導体メモリが用いられるが、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどの記憶装置を用いることもできる。
入力部14は、使用者が処理に必要なデータを入力する際に用いられる。入力部14としては、例えば、キーボード等の文字入力装置やマウス、ライトペン等のポインティングデバイスを用いることができる。また、紙などの記録媒体に作成された既存のプレゼンテーション資料等を電子データとして読み込む場合には、スキャナ等のドキュメント読取装置、音声等を入力する場合にはデジタル信号への変換が可能な音声入力装置を用いることができる。
出力部16は、処理に必要なデータの入力を促す入力画面、制御部10での処理結果を示す出力画面等を表示する。出力部16としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ等のドキュメント出力装置を用いることができる。
ネットワークインターフェース部18は、マネジメントサーバ100をネットワーク104と情報伝達可能に接続するために用いられる。
また、クライアントコンピュータ102a,102b・・・もマネジメントサーバ100と同様にコンピュータの基本構成を有する。クライアントコンピュータ102a,102b・・・においても、ネットワーク104を介することによって、マネジメントサーバ100に対して処理に必要な情報を送信したり、マネジメントサーバ100における処理結果を受信したりすることができる。また、以下に示すデザイン制作支援方法の処理の一部をクライアントコンピュータ102で実行させてもよい。
2.デザイン制作支援方法
本実施の形態におけるデザイン制作支援方法を、図3を参照して、以下に詳細に説明する。なお、本願請求項に係る発明における各手段は、以下のデザイン制作支援方法の各工程をコンピュータで処理させることによって実現される。
ここで、デザインの制作を行う者(以下、デザイン制作者という)、デザイン制作者に対してデザインの制作を依頼する者(以下、依頼主という)及び制作されたデザインの受け手となる者(以下、ユーザという)がシステムを利用するものとして説明を行う。また、デザイン制作者、依頼主及びユーザのいずれもが行うことができる作業については、一般的に操作者が操作を行うものとする。通常、デザイン制作者、依頼主及びユーザは異なる者であるが、デザイン制作者自身が制作したデザインを適切に修正するときなどは、デザイン制作者、依頼主及びユーザが同一者となる場合もある。
クライアントコンピュータ102a,102b・・・は、ネットワーク104を介して、それぞれマネジメントサーバ100と接続されて通信を行い、いずれもデザイン制作者の端末としても、依頼主の端末としても機能することができる。以下の説明においては便宜上、操作者はマネジメントサーバ100を用いて処理を行うものとする。
デザイン制作支援方法は、図3のように、ステップS10の目標印象決定工程、ステップS20のデザイン印象評価工程、ステップS30のユーザ印象取得工程及びステップS40の印象提示・修正工程を含んでなる。
これらの各工程は、コンピュータで処理可能なデザイン制作支援プログラムをマネジメントサーバ100の記憶部12に格納及び保持し、マネジメントサーバ100によってそのプログラムを実行することによって実現される。
プログラムの処理が開始されると、ステップS0において、図4のように、制御部10はメインメニュー画面1000を出力部16に表示させ、操作者に対して所望の処理を選択するように促す。ここで、メインメニュー画面1000においては、マウスポインタ5が表示され、所望の処理を示す画面位置をクリックすることによって、各処理の実行が開始される。
また、メインメニュー画面1000には、制作の対象となっているデザインの識別番号を入力するボックス15が設けられており、以下の処理において対象となるデータベース等はこのボックス15に入力された番号で識別されることとなる。
例えば、ボックス15に識別番号として“9”を入力し、目標印象決定ボタン20が表示されている位置にマウスポインタ5を移動させ、マウスをクリックすることによって、デザインの識別番号は9となり、ステップS10の目標印象決定工程に処理が移行する。同様に、ステップS20のデザイン印象評価工程、ステップS30のユーザ印象取得工程、ステップS40の印象提示・修正工程に処理を移行させる場合もそれぞれデザイン印象評価ボタン22、ユーザ印象取得ボタン24、印象提示・修正ボタン26が表示されている位置にマウスポインタ5を移動させてマウスをクリックすることによって処理を移行させることができる。
2−1.目標印象決定工程
ステップS10の目標印象決定工程では、制作対象となるデザインに必要とされる印象に関する情報(以下、目標印象情報という)が定められる。目標印象決定工程は、図5に示すフローチャートによって処理される。
まず、ステップS10aにおいて、制御部10は、目標印象入力画面1002を出力部16に表示させる。目標印象入力画面1002は、図6に示すように、デザインの印象を表現する複数の情報(選択肢)を提示して、依頼主からデザイン制作の目標となる印象にあった情報(選択肢)を選択させるものである。
ここで、デザインの印象を表現する情報(選択肢)は、デザインの印象を端的に表現する形容詞群からなる文字情報、複数の色彩を組み合わせたカラーパレット群からなる色彩情報、デザインの印象を抽象的に表現する抽象画群等を、デザイン制作の対象に応じて適宜選択して用いることが好適である。これらの情報は、印象表現データベースとして予め記憶部12に保存しておくことによって、適宜読み出して用いることができる。
本実施の形態では、まず、図7の印象表現データベースを用いてドキュメントの印象をユーザから取得する。印象表現データベースは、図8に示すような印象マップの全体を網羅する形容詞の表現を含むものである。ここで、印象マップとは、表示画面を複数の領域に分割し、各々の領域をドキュメントの印象を示す領域として割り当てたものである。印象マップには座標軸を設けて、その座標軸に沿って印象が所定の傾向で変化していくように印象を表す情報を割り当てる。例えば、図8の例では、“暖かい”から“冷たい”までのデザインの暖かさを示すX座標と、“柔らかい”から“硬い”までのデザインの硬さを示すY座標と、の二つの直交座標を設け、それぞれの印象の変化に沿って印象を表す情報が割り当てられている。なお、印象マップへの情報の割り当て方法はこれに限られるものではなく、対象とするデザインの種類に応じて座標軸の設定を変更することが好ましい。
ここでは、図6のように、印象表現データベースから読み出された形容詞が列挙表示された目標印象入力画像1002を出力部16に表示させる。
ステップS10bでは、依頼主は入力部14を用いて、デザインに要求される印象に沿った情報を選択する。ドキュメントの制作依頼主は、入力部14としてマウスを用いて目標印象入力画像1002に重ね合わせて表示されたマウスポインタ5を移動させ、デザインに要求される印象に合う形容詞に付設されたチェックボックス28にマウスポインタ5を合わせてマウスをクリックすることによって選択する。選択されたチェックボックス28には、チェックマークを表示させる。選択が終了すると、マウスポインタ5を決定ボタン29の位置に移動させ、マウスをクリックすることによって、選択された形容詞の文字情報が記憶部12に保存される。図6の例では、「あどけない」、「可憐な」及び「メルヘンの」という文字情報が選択され、記憶部12に保存される。
なお、印象を表現する情報の選択方法は、これに限られるものではなく、依頼主の入力が容易に行える方法であれば他の方法を用いても良い。
次に、ステップS10cにおいて、ステップS10bで選択された情報(形容詞)に基づいて、ドキュメントのデザイン制作における目標印象情報が定められる。目標印象情報の決定には、印象評価データベースが用いられる。印象評価データベースは、図9のように、印象マップ上の印象を表す区分に対応付けられる印象情報に対して、印象表現データベースに含まれる各情報(形容詞)、及び、各印象情報に対して関連付けられる各情報(形容詞)間のその印象情報に対する相対的な重要度を示す重み係数が関連付けられて保持されている。各情報(形容詞)にはそれぞれ1つの重み係数が関連付けられる。
制御部10は、ステップS10bにおいて選択された情報を記憶部12から読み出し、図9に示す印象評価データベースを参照することによって、読み出された情報に関連付けられた印象情報及びそれに対する重み係数を抽出する。抽出された印象情報及び重み係数は、デザインの識別番号に関連付けて記憶部12に保存される。
例えば、選定された文字情報が「あどけない」であった場合、図9の印象評価データベースの例では、印象情報として「プリティ」が抽出され、その「プリティ」に対する重み係数として0.500が抽出される。また、「可憐な」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として1.000が抽出される。さらに「メルヘンの」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として0.500が抽出される。
制御部10は、選ばれた印象情報毎に重み係数の和を評価値として算出する。そして、印象情報毎の評価値が最も大きい値である印象情報を目標印象情報として設定する。
上記例では、印象情報毎の評価値は、それぞれ「プリティ」が0.500、「ロマンチック」が1.500となる。したがって、評価値が最も高い「ロマンチック」が目標印象情報として選ばれる。
なお、評価値が最も高い印象情報、二番目に高い印象情報、三番目に高い印象情報をそれぞれドキュメントの中のメイン領域、サブ領域及びアクセント領域のデザインの目標となる目標印象情報とすることも好適である。
なお、一人の依頼主のみの情報選択に基づいて目標印象情報を定めるものとしたが、上記工程を繰返すことによって複数の者から得られた情報に基づいて目標印象情報を定めることも好適である。例えば、企業内の複数の役員から企業のコーポレートカラーの目標印象情報を抽出したり、複数の商品開発担当者から商品デザインの目標印象情報を抽出したりする場合に非常に有効である。
依頼主毎に、形容詞を選択させ、印象情報を抽出し、抽出された印象情報毎に重み係数の和を積算値として算出する。さらに、印象情報毎に複数の依頼主に対する印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、評価値が最も大きい印象情報を目標印象情報とする。
また、一人の依頼主が時間を空けて上記工程を繰返すことによって、依頼主の求めるデザインの印象の時間的な変化を考慮して目標印象情報を定めることも好適である。
一人の依頼主が上記処理を行う毎に抽出された印象情報毎に重み係数の和を積算値として算出し、印象情報毎に印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、その評価値が最も大きい印象情報を目標印象情報とする。
なお、本実施の形態では、評価値は印象情報毎の重み係数の和としたがこれに限定されるものではない。例えば、印象情報毎の重み係数の積とする等、所定の関数によって重み係数に基づいて評価値を算出するものとすればよい。
本実施の形態では、各情報に関連付けられている重み係数は、それぞれの印象情報に対する各情報の重要度に基づいて設定されているので、目標印象情報はデザイン制作の目標となる印象の傾向を明確に示すものとなる。
<変形例>
上記実施の形態では、それぞれの印象情報に対する各情報の重要度に基づいて設定された重み係数を用いて処理を行う。本変形例では、各印象情報が均等に評価されるように重み係数を設定して処理を行う。
ステップS10cにおいて、ステップS10bで選択された情報(形容詞)に基づいて、ドキュメントのデザイン制作における目標印象情報が定められる。ここでは、図10に示す印象評価データベースを用いて処理が行われる。この印象評価データベースでは、各印象情報に対応付けられている情報(形容詞)の重み係数の和が等しくなるように各情報(形容詞)の重み係数が設定されている。各情報(形容詞)にはそれぞれ1つの重み係数が関連付けられる。
制御部10は、ステップS10bにおいて選択された情報を記憶部12から読み出し、図10に示す印象評価データベースを参照することによって、読み出された情報に関連付けられた印象情報及びそれに対する重み係数を抽出する。抽出された印象情報及び重み係数は、デザインの識別番号に関連付けて記憶部12に保存される。
例えば、選定された文字情報が「あどけない」であった場合、図10の印象評価データベースの例では、印象情報として「プリティ」が抽出され、その「プリティ」に対する重み係数として0.143が抽出される。また、「可憐な」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として0.188が抽出される。さらに「メルヘンの」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として0.063が抽出される。
制御部10は、選ばれた印象情報毎に重み係数の和を評価値として算出する。そして、印象情報毎の評価値が最も大きい値である印象情報を目標印象情報として設定する。
上記例では、印象情報毎の評価値は、それぞれ「プリティ」が0.143、「ロマンチック」が0.251となる。したがって、評価値が最も高い「ロマンチック」が目標印象情報として選ばれる。
なお、一人の依頼主のみの情報選択に基づいて目標印象情報を定めるものとしたが、上記工程を繰返すことによって複数の者から得られた情報に基づいて目標印象情報を定めることも好適である。例えば、企業内の複数の役員から企業のコーポレートカラーの目標印象情報を抽出したり、複数の商品開発担当者から商品デザインの目標印象情報を抽出したりする場合に非常に有効である。
依頼主毎に、形容詞を選択させ、印象情報を抽出し、抽出された印象情報毎に重み係数の和を積算値として算出する。さらに、印象情報毎に複数の依頼主に対する印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、評価値が最も大きい印象情報を目標印象情報とする。
また、一人の依頼主が時間を空けて上記工程を繰返すことによって、依頼主の求めるデザインの印象の時間的な変化を考慮して目標印象情報を定めることも好適である。
一人の依頼主が上記処理を行う毎に、抽出された印象情報毎に重み係数の和を積算値して算出し、印象情報毎に印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、その評価値が最も大きい印象情報を目標印象情報とする。
なお、本変形例では、評価値は印象情報毎の重み係数の和としたがこれに限定されるものではない。例えば、印象情報毎の重み係数の積とする等、所定の関数によって重み係数に基づいて評価値を算出するものとすればよい。
本実施の形態では、各情報に関連付けられている重み係数は、それぞれの印象情報が等しく評価されるように設定されているので、デザイン制作の目標となる印象を印象情報間で比較したり、他の印象の評価結果と比較したりする場合に適している。
また、図9及び図10に示した印象情報データベースの両方を記憶部12に格納しておき、必要に応じていずれか一方を適宜選択して参照させてもよい。例えば、ステップS10cにおいて、いずれの印象情報データベースを参照するかユーザに選択させて、ユーザが選択したデータベースを参照して処理を行うことが好適である。これにより、デザイン制作の目標となる印象の傾向を明確に示す目標印象情報を抽出するか、又は、他の印象情報との比較が明確となるように目標印象情報を抽出するかを選択することができる。
2−2.デザイン印象評価工程
ステップS0において、デザイン印象評価ボタン22がクリックされると、ステップS20のデザイン印象評価工程に処理が移行される。
ステップS20のデザイン印象評価工程においては、ドキュメントのデザインの印象に関する情報(以下、デザイン印象情報という)が抽出される。デザイン印象評価工程は、図11のフローチャートに沿って処理される。
まず、ステップS20aにおいて、実際のドキュメントデータを取り込み、記憶部12に格納及び保持する。制御部10は、図12のように、デザイン取込画面1004を出力部16に表示して、デザイン制作者に対して評価対象となるデザインに関するドキュメントの入力を促す。
例えば、デザイン制作者はウェブページをデザインし、それを予めネットワーク104上にアップロードしておく。次に、デザイン取込画面1004のURL入力ボックス30にそのウェブページのURLを入力し、デザイン取込画像1004上に表示されたマウスポインタ5をウェブデザイン取込ボタン32に移動させて、マウスをクリックすることによって、デザイン印象評価の対象となるウェブページの取得先を指定する。制御部10は指定を受けると、ネットワーク104を介して、指定されたURLからウェブページのドキュメントデータを取り込む。取り込まれたドキュメントデータは、図13のように、ドキュメントデータの識別情報(例えばURL)と関連付けられてデザインデータベースとして記憶部12に順次蓄積される。
なお、デザインの識別番号に対して、未だデザインデータベースが生成されていない場合には、デザインの識別番号に関連付けて新たなデザインデータベースを生成する。一方、既にデザインの識別番号に対するデザインデータベースが存在している場合には、既存のデザインデータベースに対してドキュメントデータの識別情報及びドキュメントデータが付加的に蓄積される。
また、制作したウェブページのみならず、例えば、競合他社のウェブページのURLを指定することによって、それらのウェブページのドキュメントデータを取り込んで評価することも可能である。
なお、デザイン制作の対象がプレゼンテーション資料、新商品又は企業のブランドロゴ等である場合には、スキャナ等の読取装置を用いて、ドキュメントデータを取り込むことも好適である。この場合、デザイン取込画面1004のドキュメント取込ボタン34をクリックすることによって、既存のドキュメント読取ツールを起動するようにすることが好ましい。
以下の説明では、例として図14のウェブページのドキュメントが取り込まれたものとする。
ステップS20bでは、取り込まれたドキュメントデータが人間に与える印象の評価を行う。
まず、制御部10は被評価ドキュメントの画像データを記憶部12から読み出し、図14のように領域分割する。領域分割には、既存の画像領域分割ツールを用いることができる。次に、面積、位置、大きさ、色平均、他の領域との色差等の物理的特徴量を分割された領域毎に抽出する。なお、ドキュメントを分割せずに、そのまま物理的な特徴量を抽出するものとしてもよい。また、物理的特徴量は、特に視覚的な特徴量であることが好ましい。
ここで、各領域は、RGB色空間からL色空間に変換した後に視覚的な特徴量を抽出することが好適である。通常、コンピュータで利用されるドキュメントデータは、不均等色空間であるRGB色空間によって表現されていることが多く、人の感覚に近い分析ができない。そこで、不均等色空間であるRGB色空間から均等色空間であるL色空間に変換することによって、より人の感性に近い印象として分析・評価することができる。また、L空間はドキュメントのダイナミックレンジを表現できる点からも好適である。勿論、ドキュメントデータが既にL色空間で表現されている場合には変換をする必要はない。
また、物理的な特徴量とは、着目領域の面積、着目領域の幅w及び高さh、左上の位置x,y、着目領域全体の色平均、L成分の平均値、a成分の平均値、b成分の平均値、ドキュメント全体の色平均と着目領域全体の色平均の色差ΔL、着目領域と近接する領域との色平均の色差Δ、背景と着目領域との色平均の色差Δ、着目領域内における色の分散、同色数などの特徴をいう。また、ドキュメントデータの背景領域、背景領域を除く最も大きな領域を持つメイン領域及びメイン領域に対してアクセントとなるアクセント領域から平均色を抽出して特徴量としてもよい。
一方、物理的特徴量の組み合わせに対して、デザインの印象を表す区分である印象情報、及び、物理的な特徴量と印象情報との関係の強さを示す重み係数を関連付けてデザイン評価データベースとして記憶部12に格納及び保持する。本実施の形態では、2つのデザイン評価データベースを準備する。第1のデザイン評価データベースは、平均的な母集団を構成する被経験者群によりそれぞれ異なる物理的特徴量を有する複数のドキュメントのデザインを見た直後に受けた印象に基づいて数量化3類統計分析手法により生成されたデータベースである。第1のデザイン評価データベースは、ドキュメントのデザインをパッと見たときに感じる直感的な印象を評価するためのデータベースとして参照される。第2のデザイン評価データベースは、平均的な母集団を構成する被経験者群によりそれぞれ異なる物理的特徴量を有する複数のドキュメントのデザインを所定時間(少なくとも第1のデザイン評価データベースを生成する際よりも長い時間)見た後に受けた印象に基づいて数量化3類統計分析手法により生成されたデータベースである。第2のデザイン評価データベースは、ドキュメントのデザインをじっくりと観察した後に感じる理性的な印象を評価するためのデータベースとして参照される。
例えば、図15(a)及び図15(b)のように、背景領域、背景領域を除く最も大きな領域を持つメイン領域及びメイン領域に対してアクセントとなるアクセント領域の各領域の色彩(図中ではハッチングで示す)の組を生成し、それらの色彩の組から人間が受ける印象を表すデザイン印象情報及びその重み係数を関連付けて保存しておく。
そして、実際のドキュメントデータの背景領域、メイン領域及びアクセント領域から平均色を抽出し、その平均色の組み合わせに基づいて、第1及び第2のデザイン評価データベースのそれぞれから印象情報及びその重み係数を抽出する。各デザイン評価データベースについて印象情報毎に重み係数に基づいて評価値を算出する。抽出された印象情報及び評価値は、図13のように、ドキュメントデータの識別番号及び評価対象となったドキュメントデータと関連付けられてデザインデータベースとして記憶部12に格納及び保持される。
このようにして、被評価対象となったドキュメントから抽出された物理的な特徴量に基づいて、被評価対象となったドキュメントを見たユーザが直感的に受ける印象と理性的に受ける印象との両方が求められる。
例えば、図14のドキュメントデータの背景領域、メイン領域及びアクセント領域の各領域から平均色を抽出すると、図15(a)の第1のデザイン評価データベースに基づいて、印象情報「ロマンチック」と重み係数1.000、印象情報「カジュアル」と重み係数0.250・・・が抽出される。また、図15(b)の第2のデザイン評価データベースに基づいて、印象情報「ロマンチック」と重み係数0.200、印象情報「カジュアル」と重み係数1.500、印象情報「プリティ」と重み係数0.005・・・が抽出される。これらのデータが印象情報及び印象情報毎の評価値としてデザインデータベースに登録される(図13中、ハッチングで示す)。
ドキュメントを分割して、それぞれから特徴量を抽出して印象の評価を行う場合、1つのドキュメントの各分割領域に対して抽出された印象情報の重み係数を各デザイン評価データベースについて印象情報毎に足し合わせて評価値として算出し、印象情報毎の評価値をデザインデータベースに登録するものとしてもよい。例えば、1つのドキュメントを画像領域1及び2に分割し、画像領域1について第1のデザイン評価データベースに基づいて印象情報「ロマンチック」と重み係数1.000、第2のデザイン評価データベースに基づいて印象情報「カジュアル」と重み係数0.500、画像領域2について第1のデザイン評価データベースに基づいて印象情報「ロマンチック」と重み係数0.200、第2のデザイン評価データベースに基づいて印象情報「カジュアル」と重み係数0.400が抽出された場合、第1のデザイン評価データベースについて印象情報「ロマンチック」の評価値は1.200となり、第2のデザイン評価データベースについて印象情報「カジュアル」の評価値は0.900となる。これらのデータがデザインデータベースに登録される。
なお、本実施の形態では、評価値は印象情報毎の重み係数の和としたがこれに限定されるものではない。例えば、印象情報毎の重み係数の積とする等、所定の関数によって重み係数に基づいて評価値を算出するものとすればよい。
なお、印象に関する情報を抽出するために用いることができる特徴量は、領域の面積、領域の幅w及び高さh、左上の位置x,y、領域全体の色平均、L成分の平均値、a成分の平均値、b成分の平均値、全体の色平均と着目領域全体の色平均の色差ΔL、着目領域と近接する領域との色平均の色差Δ、背景と着目領域との色平均の色差Δ、着目領域内における色の分散、同色数を用いてもよい。
また、これらの特徴量を組み合わせた条件とドキュメントの印象に関する表現情報とを関連付けた多次元の表現情報データベースを用いてもよい。このように、出来る限り多くの特徴量を組み合わせることにより、ドキュメントが人間に与える印象をより詳細なものとすることができる。特に、ドキュメント領域間の色差など、異なるドキュメント領域間の特徴量の差異を含んだ条件を用いることにより、被評価ドキュメントの中で強いコントラストを持つ箇所等から受ける印象を表す表現情報を抽出することも可能となる。
デザイン印象が選定されると、デザイン印象評価工程を終了し、制御部10は、ステップS0に制御を戻す。
2−3.ユーザ印象取得工程
ステップS0において、ユーザ印象取得工程ボタン24がクリックされると、ステップS30のユーザ印象取得工程に処理が移行される。
ステップS30のユーザ印象取得工程では、ステップS20で取り込まれたドキュメントデータについてユーザが持つ印象(以下、ユーザ印象情報という)の取得を行う。ユーザ印象取得工程は、図16に示すフローチャートによって処理される。
まず、ステップS30aにおいて、制御部10は、ドキュメントデータ選択画面1006Aを出力部16に表示させ、ステップS20で取り込まれたドキュメントデータのうち印象取得の対象となるドキュメントデータの選択を促す。
ドキュメントデータ選択画面1006は、図17のように、記憶部12のデザインデータベースに保持されているドキュメントデータに関する情報を画面上に列挙して表示し、いずれのドキュメントデータに対するユーザ印象情報を取得するか、を選択させるものが好適である。ただし、ドキュメントデータ選択画面1006の態様はこれに限られるものではなく、デザインデータベースに保持されているドキュメントデータの選択が可能であれば良い。
ドキュメントデータに対する印象の入力を行うユーザは、マウス等の入力部14を用いて、ドキュメントデータ選択画面1006のドキュメントデータ(画像データ)に関する各情報に設けられたチェックボックス40へマウスポインタ5を移動させ、マウスをクリックすることによって情報を選ぶ。次に、選択決定ボタン42にマウスポインタ5を移動させてマウスをクリックすることにより、ドキュメントデータの選択を決定する。
ステップS30bでは、制御部10は、ユーザ印象入力画面1008を出力部16に表示させ、ドキュメントデータを見たユーザが受ける印象の入力を促す。
ユーザ印象入力画面1008は、図18のように、選択されたドキュメントデータの内容を表示する領域43と、デザインの印象を表現する情報を列挙表示する領域44とに分割される。
制御部10は、記憶部12に保持されているデザインデータベースから、ステップS30aで選択されたドキュメントデータを読み出し、そのドキュメントデータをドキュメントデータ表示領域43に画像形成して表示する。例えば、ウェブページのドキュメントデータが選択された場合、図18のように、デザインデータベースからそのドキュメントデータのURLを読み出し、そのURLからそのドキュメントデータを取り込んでディスプレイ上に表示する。
さらに、制御部10は、記憶部12に保持されている印象表現データベースからデザインの印象を表現する情報を読み出し、印象表現表示領域44に表示させる。印象表現データベースに含まれる印象を表現する情報は、ステップS10の目標印象決定工程と同様、デザインの印象を表現する複数の形容詞、色彩の組からなるカラーパレットを含む色彩情報、デザインの印象を抽象的に表現する抽象画群等からドキュメントデータの種類に応じて適宜選択して用いることが好適である。
本実施の形態では、図7の印象情報データベースから複数の形容詞群からなる文字情報を読み出して印象表現表示領域44に表示させる。
次に、ステップS30cにおいて、ユーザは、ドキュメントデータ表示領域43に表示されたドキュメントのデザインを見たときに感ずる印象に合った情報を入力部14を用いて選択する。
例えば、図18のように、形容詞が列挙された印象表現表示領域44にマウスポインタ5を表示しておき、ユーザはマウスを用いて、デザインから受ける印象に合致する形容詞に設けられたチェックボックス46にマウスポインタ5を移動させ、マウスをクリックして選択する。選択されたチェックボックス46にはチェックマークを表示させる。スクロールボタン48上にマウスポインタ5を移動させ、マウスをクリックすることにより形容詞の表示を適宜変更することができる。形容詞の選択が終了すると、マウスポインタ5を決定ボタン47の位置まで移動させてマウスをクリックすることによって、選択された形容詞の文字情報が記憶部12に保存される。例えば、「子供らしい」及び「甘美な」及び「ういういしい」という文字情報が選択され記憶部12に保存される。
ユーザの印象を取得する方法はこれに限られるものではない。すなわち、ユーザがドキュメントデータのデザインに対する印象を容易に入力できるものであれば良い。
ステップS30dでは、ステップS30cで選択された情報に基づいて、ユーザ印象情報が定められる。ユーザ印象情報の決定には、ステップS10の目標印象決定工程で用いられた印象評価データベースが使用される。
制御部10は、ステップS30cにおいて選択された情報(形容詞)を記憶部12から読み出し、図9に示す印象評価データベースを参照することによって、読み出された情報(形容詞)に関連付けられた印象情報及びそれに対する重み係数を抽出する。
例えば、選定された文字情報が「子供らしい」であった場合、図9の印象評価データベースの例では、印象情報として「プリティ」が抽出され、その「プリティ」に対する重み係数として1.000が抽出される。また、「甘美な」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として1.000が抽出される。さらに「ういういしい」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として0.500が抽出される。
制御部10は、選ばれた印象情報毎に重み係数の和である評価値を算出する。そして、印象情報毎の評価値が最も大きい値である印象情報をユーザ印象情報として設定し、図19に示すように、デザインの識別番号毎にドキュメントとユーザ印象情報とを関連付けてユーザ印象情報データベースとして記憶部12に保存する。
上記例では、印象情報毎の評価値は、それぞれ「プリティ」が1.000、「ロマンチック」が1.500となる。したがって、評価値が最も高い「ロマンチック」がユーザ印象情報として選ばれる。
なお、一人の依頼主のみの情報選択に基づいてユーザ印象情報を定めるものとしたが、上記工程を繰返すことによって複数の者から得られた情報に基づいてユーザ印象情報を定めることも好適である。例えば、企業を紹介するウェブページを制作した場合、複数の閲覧者から実際のドキュメントのデザインから受けた印象を示す形容詞を選択してもらい、印象情報を抽出し、抽出された印象情報毎に重み係数の和である積算値を算出する。さらに、印象情報毎に複数の閲覧者に対する印象情報の積算値を足し合わせて評価とし、その評価値が最も大きい印象情報をユーザ印象情報とする。
また、一人の依頼主が時間を空けて上記工程を繰返すことによって、閲覧者が実際のドキュメントのデザインから受けた印象の時間的な変化を考慮してユーザ印象情報を定めることも好適である。
一人の閲覧者が処理を行う毎に抽出された印象情報毎に重み係数の和である積算値を算出し、印象情報毎に印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、その評価値が最も大きい印象情報をユーザ印象情報とする。
なお、本実施の形態では、評価値は印象情報毎の重み係数の和としたがこれに限定されるものではない。例えば、印象情報毎の重み係数の積とする等、所定の関数によって重み係数に基づいて評価値を算出するものとすればよい。
本実施の形態では、各情報に関連付けられている重み係数は、それぞれの印象情報に対する各情報の重要度に基づいて設定されているので、上記の目標印象決定工程と同様に、ユーザ印象情報は実際のドキュメントのデザインの傾向を明確に示すものとなる。
なお、ユーザ印象決定工程の処理は、これに限られるものではない。例えば、デザインの対象がプレゼンテーション資料、ウェブページ、新商品の外観又は企業のブランドロゴ等のように複数の色彩が施されたものである場合、複数の色彩の組み合わせであるカラーパレット群や人に対して異なる印象を与える複数の抽象画を印象表現データベースとして登録しておき、それらをユーザ印象入力画面に列挙表示して、依頼主に選択させることによって、選択されたカラーパレットに関連付けられた印象情報を選定することもできる。
<変形例>
上記実施の形態では、それぞれの印象情報に対する各情報の重要度に基づいて設定された重み係数を用いて処理を行う。本変形例では、各印象情報が均等に評価されるように重み係数を設定して処理を行う。
ステップS30dにおいて、ステップS30cで選択された情報に基づいて、実際のドキュメントのデザインからユーザが受けた印象を示すユーザ印象情報が定められる。ここでは、図10に示す印象評価データベースを用いて処理が行われる。
制御部10は、ステップS30cにおいて選択された情報を記憶部12から読み出し、図10に示す印象評価データベースを参照することによって、読み出された情報に関連付けられた印象情報及びそれに対する重み係数を抽出する。抽出された印象情報及び重み係数は、デザインの識別番号に関連付けて記憶部12に保存される。
例えば、選定された文字情報が「子供らしい」であった場合、図10の印象評価データベースの例では、印象情報として「プリティ」が抽出され、その「プリティ」に対する重み係数として0.286が抽出される。また、「甘美な」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として0.188が抽出される。さらに「ういういしい」が選択されていた場合、印象情報として「ロマンチック」が抽出され、その「ロマンチック」に対する重み係数として0.063が抽出される。
制御部10は、選ばれた印象情報毎に重み係数の和である評価値を算出する。そして、印象情報毎の評価値が最も大きい値である印象情報をユーザ印象情報として設定する。
上記例では、印象情報毎の評価値は、それぞれ「プリティ」が0.286、「ロマンチック」が0.251となる。したがって、評価値が最も高い「プリティ」がユーザ印象情報として選ばれる。
なお、一人の依頼主のみの情報選択に基づいてユーザ印象情報を定めるものとしたが、上記工程を繰返すことによって複数の者から得られた情報に基づいてユーザ印象情報を定めることも好適である。例えば、企業を紹介するウェブページを制作した場合、複数の閲覧者から実際のドキュメントのデザインから受けた印象を示す形容詞を選択してもらい、印象情報を抽出し、抽出された印象情報毎に重み係数の和である積算値を算出する。さらに、印象情報毎に複数の閲覧者に対する印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、その評価値が最も大きい印象情報をユーザ印象情報とする。
また、一人の依頼主が時間を空けて上記工程を繰返すことによって、閲覧者が実際のドキュメントのデザインから受けた印象の時間的な変化を考慮してユーザ印象情報を定めることも好適である。この場合、処理を行う毎に抽出された印象情報毎に重み係数の和である積算値を算出し、印象情報毎に印象情報の積算値を足し合わせて評価値とし、その評価値が最も大きい印象情報をユーザ印象情報とする。
なお、本変形例では、評価値は印象情報毎の重み係数の和としたがこれに限定されるものではない。例えば、印象情報毎の重み係数の積とする等、所定の関数によって重み係数に基づいて評価値を算出するものとすればよい。
本実施の形態では、各情報に関連付けられている重み係数は、それぞれの印象情報が等しく評価されるように設定されているので、デザイン制作の目標となる印象を印象情報間で比較したり、他の印象の評価結果と比較したりする場合に適している。
また、目標印象決定工程と同様に、図9及び図10に示した印象情報データベースの両方を記憶部12に格納しておき、必要に応じていずれか一方を適宜選択して参照させてもよい。例えば、ステップS30dにおいて、いずれの印象情報データベースを参照するかユーザに選択させて、ユーザが選択したデータベースを参照して処理を行うことが好適である。これにより、実際のデザインから受けた印象の傾向を明確に示すユーザ印象情報を抽出するか、又は、他の印象情報との比較が明確となるようにユーザ印象情報を抽出するかを選択することができる。
2−4.印象提示・修正工程
ステップS0において、印象提示・修正工程ボタン26がクリックされると、ステップS40の印象提示・修正工程に処理が移行される。
ステップS40の印象提示・修正工程は、図20に示すフローチャートに沿って実行され、ステップS10で求めた目標印象情報データベース、ステップS20で求めたデザインデータベース、及び、ステップS30で求めたユーザ印象情報データベースに基づいて、ドキュメントのデザインに関する情報をユーザに呈示する。
まず、ステップS40aにおいて、制御部10は、表示選択画面1010を出力部16に表示させ、いずれの情報の表示を行うかを操作者に選択させる。
表示選択画面1010では、図21のように、表示の対象となるデザインの識別番号を入力ボックス54に入力する。また、表示の対象となるドキュメントを示す識別子(例えばURL)を入力ボックス55に入力する。さらに、チェックボックス50を選択して、決定ボタン52をクリックすることによって、目標印象情報、デザイン印象情報、ユーザ印象情報の中から表示する情報を選択する。
次に、表示する情報の入力を受けた制御部10は、ステップS40bにおいて、印象マップ画面1012上に目標印象情報、デザイン印象情報及びユーザ印象情報のうち少なくとも1つを表示する。
印象マップ画面1012は、図22のように、複数の領域に分割されており、各々の領域に領域識別番号が付与されている。一方、記憶部12には、図23に示すように、印象表示用データベースとして、領域識別番号毎に印象を表現する情報が対応付けられて保持されている。
ここで、印象マップ画面1012に座標軸を設けて、その座標軸に沿って印象が所定の傾向で変化していくように領域識別番号を割り付けることが好適である。例えば、図22に示す印象マップ画面1012の例では、“暖かい”から“冷たい”までのデザインの暖かさを示すX座標と、“柔らかい”から“硬い”までのデザインの硬さを示すY座標と、の二つの直交座標を設け、それぞれの印象の変化に沿って印象を表す情報が割り当てられている。なお、印象マップ画面1012上への情報の割り当て方法はこれに限られるものではなく、対象とするデザインの種類に応じて座標軸の設定を変更することが好ましい。
ステップS40aにおいて目標印象情報が選択された場合、制御部10は、目標印象情報データベースを参照して、最も高い値と関連付けて保持されている印象情報を目標印象情報として抽出する。そして、図24のように、デザイン識別番号に関連付けられた目標印象情報が印象マップ画面1012に重ね合わせて表示される。
このとき、制御部10は、印象表示用データベースを参照することによって、目標印象情報に対応付けられる領域識別番号を抽出する。そして、抽出された領域識別番号が付与された印象マップ画面1012上の領域に対応する目標印象情報を表示する。
なお、目標印象情報データベースを参照して、最も高い値に関連付けられている印象情報、二番目に高い値に関連付けられている印象情報、三番目に高い値に関連付けられている印象情報をそれぞれドキュメントの中のメイン領域、サブ領域及びアクセント領域のデザインの目標となる印象として抽出してもよい。この場合、図25に示すように、それぞれの目標印象情報を印象マップ画面1012に重ね合わせて表示することが好適である。
図9の印象評価データベースを用いて目標印象情報を設定した場合、印象マップ画面1012上に表示された目標印象情報はデザイン制作の目標となる印象の傾向を明確に示すものとなる。図10の印象評価データベースを用いて目標印象情報を設定した場合、印象マップ画面1012上に表示された目標印象情報をデザイン印象情報やユーザ印象情報と客観的に的確に比較することができる。
ステップS40aにおいてデザイン印象情報が選択された場合、図26及び図27のように、デザインデータベースが参照されデザイン識別番号に関連付けられた印象情報及び評価値が印象マップ画面1012に重ね合わせて表示される。
制御部10は、デザインデータベースから出力対象として指定されたドキュメントに関連付けられた印象情報と評価値をそれぞれ読み出す。このとき、第1のデザイン評価データベースに基づいて得られた印象情報と評価値の組を読み出す。そして、印象表示用データベースを参照することによって、読み出された各印象情報に対応付けられる領域識別番号を抽出し、抽出された領域識別番号が付与された印象マップ画面1012上の領域に対応する印象情報及び評価値を表示する。
例えば、図13のデザインデータベースの例では、最上段のドキュメント(画像データA)が出力対象である場合、印象情報「ロマンチック」と評価値1.000、印象情報「カジュアル」と評価値0.250・・・の組が読み出され、図26に示すように、印象マップ画面1012に重ね合わせて表示される。このとき、評価値が0である印象情報については、対応する画面領域に何も表示しなくてもよい。
次に、所定時間経過後、第2のデザイン評価データベースに基づいて得られた印象情報と評価値の組を読み出す。そして、印象表示用データベースを参照することによって、読み出された各印象情報に対応付けられる領域識別番号を抽出し、抽出された領域識別番号が付与された印象マップ画面1012上の領域に対応する印象情報及び評価値を表示する。
例えば、図13のデザインデータベースの例では、最上段の画像データAに対して印象情報「ロマンチック」と評価値0.200、印象情報「カジュアル」と評価値1.250・・・の組が読み出され、図27に示すように、印象マップ画面1012に重ね合わせて表示される。
このとき、印象情報及び評価値を表示する画面領域を所定の色で塗り潰し、その上に印象情報及び評価値を重ね合わせて表示することが好適である。例えば、各印象情報を連想させるような色でそれぞれの画面領域を表示することが好ましい。
また、各印象情報に関連付けられた評価値の絶対値の大きさに応じて、対応する画面領域の色味の濃さに強弱をつけることも好適である。例えば、評価値の絶対値が大きくなるにつれて、対応する印象情報が関連付けられた画面領域の色をより濃くすると視覚的な効果が得られ易い。このとき、所定の時間をかけて、第1のデザイン評価データベースに基づく印象情報及び評価値を表す色味の強さから、第2のデザイン評価データベースに基づく印象情報及び評価値を表す色味の強さへと時間的に徐々に変化させることも好適である。このような出力処理を行うことによって、直感的な印象から理性的な印象への時間的な移り変わりを画像領域の色味の強さの時間的な変化として視覚的に把握し易い態様で呈示することができる。
なお、第1のデザイン評価データベースによる印象情報及び評価値と第2のデザイン評価データベースによる印象情報及び評価値との表示を切り替えるための切替ボタン等を印象マップ画面1012上に表示させ、マスウでそれがクリックされる度に印象情報及び評価値の表示を切り替えるようにしてもよい。
また、印象情報毎に第1のデザイン評価データベースから得られた評価値と第2のデザイン評価データベースから得られた評価値との差を表す情報を印象マップ画面1012上に表示させてもよい。
制御部10は、印象情報毎に第1のデザイン評価データベースから得られた評価値と第2のデザイン評価データベースから得られた評価値との差分値を求め、その差分値を印象情報に対応付けられた画面領域に表示させる。
例えば、図13のデザインデータベースの例では、最上段の画像データAに対して、印象情報「ロマンチック」には評価値1.000と評価値0.200が登録されているので、その差分値は0.800となる。同様に、印象情報「カジュアル」には評価値0.250と評価値1.250が登録されているので、その差分値は−1.000となる。同様に、他の印象情報についも評価値の差分値を算出する。制御部10は、このように算出された差分値を、図28に示すように、印象マップ画面1012に重ね合わせて表示させる。
このとき、差分値の正・負、差分値の絶対値の大きさに応じて情報の表示色等を変更させて、表示された差分値の識別を容易にすることが好ましい。例えば、差分値が正の場合、すなわち直感的な印象より理性的な印象が弱い場合、には印象マップ画面1012上のその印象情報が割り当てられた領域を赤味掛かった色で塗りつぶしてその上に差分値を表示し、差分値が負の場合、すなわち直感的な印象より理性的な印象が強い場合、には印象マップ画面1012上のその印象情報が割り当てられた領域を青味掛かった色で塗りつぶしてその上に差分値を表示する。直感的な印象が強い場合には暖色系の色を用い、理性的な印象が強い場合には寒色系の色を用いることが好適である。さらに、差分値の絶対値に応じて青味や赤味等の色味に強弱をつけてもよい。
このように、デザインの物理的な特徴に基づいて得られたデザインの印象の時間的な差を数値及び視覚的な表現として表すことによって、ユーザはデザインから得られる印象の時間的な変化についてより正確に把握することができる。
また、制御部10は、印象情報毎に第1のデザイン評価データベースから得られた評価値と第2のデザイン評価データベースから得られた評価値のうちいずれか低い値を印象マップ画面1012上に表示させてもよい。例えば、図13のデザインデータベースの例では、最上段の画像データAに対して、印象情報「ロマンチック」には評価値1.000と評価値0.200が登録されているので、低い方の値0.200が抽出される。同様に、印象情報「カジュアル」には評価値0.250と評価値1.250が登録されているので、低い方の値0.250が抽出される。制御部10は、このように算出された差分値を、図29に示すように、印象マップ画面1012に重ね合わせて表示させる。
このとき、第1のデザイン評価データベースから得られた評価値と第2のデザイン評価データベースから得られた評価値のいずれが低い値であるかによって情報の表示色等を変更させることが好ましい。例えば、直感的な印象より理性的な印象が弱い場合には印象マップ画面1012上のその印象情報が割り当てられた領域を赤味掛かった色で塗りつぶしてその上に抽出された値を表示させ、直感的な印象より理性的な印象が強い場合には印象マップ画面1012上のその印象情報が割り当てられた領域を青味掛かった色で塗りつぶしてその上に抽出された値を表示させる。この場合も、直感的な印象が強い場合には暖色系の色を用い、理性的な印象が強い場合には寒色系の色を用いることが好適である。
このように、デザインの物理的な特徴に基づいて得られたデザインの印象の時間的な差を数値及び視覚的な表現として表すことによって、ユーザはデザインから得られる印象の時間的な変化についてより正確に把握することができる。
なお、デザインデータベースに各ドキュメントに関連付けられて登録されている印象情報及び評価値のうち、最も大きな値の評価値が関連付けられている印象情報をデザイン印象情報として抽出し、その印象情報を印象マップ画面1012上の対応付けられた画面領域に表示させてもよい。なお、各々のデザイン印象情報の代わりに、又は、各々のデザイン印象情報と併せて、それらに対応するドキュメントデータ自体を表示することも好適である。
ステップS40aにおいてユーザ印象情報が選択された場合、制御部10は、ユーザ印象情報データベースを参照して、最も高い値と関連付けて保持されている印象情報をユーザ印象情報として抽出する。そして、図30のように、デザイン識別番号に関連付けられたユーザ印象情報データベースに含まれるユーザ印象情報が印象マップ画面1012に重ね合わせて表示される。このとき、ユーザ印象情報データベースに含まれるドキュメントデータ毎に情報の表示色を変更する等して、表示された情報の識別を容易にすることが好ましい。
図9の印象評価データベースを用いてユーザ印象情報を設定した場合、印象マップ画面1012上に表示されたユーザ印象情報はデザイン制作の目標となる印象の傾向を明確に示すものとなる。図10の印象評価データベースを用いてユーザ印象情報を設定した場合、印象マップ画面1012上に表示されたユーザ印象情報を目標印象情報やデザイン印象情報と客観的に的確に比較することができる。
さらに、ステップS40aにおいて、目標印象情報とデザイン印象情報の両方が選択された場合、デザイン識別番号に関連付けられた目標印象情報及びデザイン印象情報の両方が印象マップ画面1012に重ね合わせて表示される。同様に、目標印象情報とユーザ印象情報の両方が選択された場合、デザイン印象情報とユーザ印象情報の両方が選択された場合、又は目標印象情報、デザイン印象情報及びユーザ印象情報の全てが選択された場合にも各々の情報を印象マップ画面1012に重ね合わせて表示する。
このように、目標印象情報、デザイン印象情報及びユーザ印象情報を1つの印象マップ画面1012に重ね合わせて表示することによって、デザイン制作者、依頼主及びユーザがデザイン制作の目標となる印象、実際のデザインが有する印象及び実際のデザインからユーザが受け取る印象を視覚的に比較しながら確認することができる。このとき、印象マップ画面1012上では、各々の情報が印象傾向を示す座標軸に沿って表示されるため、目標となる印象、実際のデザインの印象及びユーザの受け取る印象がどの程度相違するのか、その相違はどのような傾向であるのか、等を明確に把握することができる。
さらに、ステップS20において、他社のウェブページや他の商品のデザインに対してデザイン印象情報を求めておくことにより、これらの情報と目標印象情報を比較して確認することもできる。これにより、他社のウェブページや他の商品の印象と制作するデザインの目標印象との一致又は相違を把握することが容易となる。
さらに、ステップS30において、同一のデザインに対して複数のユーザからのユーザ印象情報を取得しておくことによって、印象マップ画面1012上においてユーザ印象情報の分布傾向を容易に確認することができる。また、目標印象情報やデザイン印象情報と、ユーザ印象情報の分布傾向の一致又は相違を一見して確認することができる。
なお、印象マップ画面1012上の各領域に抽象画を対応付けておき、目標印象情報、デザイン印象情報及びユーザ印象情報として形容詞の代わり、又は、形容詞と共に抽象画を目標印象情報、デザイン印象情報及びユーザ印象情報に対応する領域に表示しても良い。カラーパレットを用いた場合も同様である。
さらに、本実施の形態では、目標印象情報の修正を行うことやデザイン印象の修正に役立つ情報の提示を行うこともできる。印象マップ画面1012上の目標印象修正ボタン64又はデザイン印象修正情報提示ボタン65にマウスポインタ5を移動させてマウスをクリックすることによって、ステップS40cに処理が移行される。
目標印象情報の修正が指示されると、制御部10は目標印象情報の設定処理を開始する。
操作者は、印象マップ画面1012上に表示されたデザイン印象情報やユーザ印象情報を参照しながら、印象マップ画面1012上の領域にマウスポインタ5を移動させてマウスをクリックする。制御部10は、マウスポインタ5の位置を取得し、印象表現用データベースを参照することによって、その領域に割り当てられた印象を表現する情報を新たな目標印象情報として設定する。ここで、設定された新たな目標印象情報の確認を容易にするために、目標印象情報を表示する領域66を設けて目標印象情報を表示させることも好適である。
上記目標印象情報の設定方法を用いれば、例えば、競合他社のウェブデザインをデザイン印象情報として印象マップ画面1012上に重ね合わせて表示しておき、自社のウェブデザインの目標印象を競合他社のウェブデザインの印象と異なるものとしたいときには、競合他社のウェブデザインのデザイン印象情報が表示された領域と重複しない領域を指定することによって適切な目標印象情報を容易に設定することができる。逆に、競合他社と似通った印象を有するウェブデザインとしたい場合には、競合他社のウェブデザインのデザイン印象情報が表示された領域を指定することによって適切な目標印象情報を設定することができる。同様に、ユーザ印象情報を印象マップ画面1012上に重ね合わせて表示することによって、ユーザが受け取る印象を参考にしながら新たな目標印象情報を設定することも可能である。
また、印象マップ画面1012に設けられたデザイン印象修正情報提示ボタン65にマウスポインタ5を移動させ、マウスをクリックすることによって、操作者がデザイン印象情報の修正に必要な情報を提示することもできる。例えば、印象マップ画面1012の各領域に割り当てられた印象に相応しいデザインの背景領域、メイン領域及びアクセント領域の色彩の組み合わせを予めデータベース化しておき、目標印象情報が表示された領域に対応する色彩の組を印象マップ画面1012に重ね合わせて表示させることが好適である。デザインを表示された色彩の組み合わせに変更することで、目標印象に近づけることができる。
このように、目標印象情報の修正やデザイン修正の支援情報の提示を同一の印象マップ画面1012上において行うことによって、目標とする印象、実際のデザインの印象、ユーザが受け取る印象を視覚的に確認しながら作業を行うことができる。
すなわち、本実施の形態によれば、デザイン制作の目標となる印象、実際のデザインが有する印象及び実際のデザインからユーザが受ける印象の一致や相違を同一の印象マップ画面上で確認することができる。
それにより、依頼主やデザイン制作者はデザイン制作の目標印象設定の適否を視覚的に把握することができ、目標印象やデザイン印象の修正を容易に行うことが可能となる。また、デザイン制作の作業において依頼主とデザイン制作者との情報の擦り合わせが容易となって作業を円滑に行うことができる。
さらに、依頼主が目標とする印象や制作したデザインからユーザが受ける印象に基づいて、デザインの修正の方向性を見出すことが容易となる。
なお、上記実施の形態においては、ウェブページ、プレゼンテーション資料、商品のデザイン等の視覚的なデザインを対象としたが、コマーシャル音声等の音声データに対しても目標印象情報、デザイン印象情報及びユーザ印象情報を取得して、同一の印象マップ画面上に表示することで同様の効果を得ることができる。
本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援装置の全体構成のブロック図を示す。 本発明の実施の形態におけるマネジメントサーバの構成のブロック図を示す。 本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援方法のメインのフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態におけるメインメニュー画面を示す図である。 本発明の実施の形態における目標印象決定工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における目標印象入力画面を示す図である。 本発明の実施の形態における印象表現データベースを示す図である。 本発明の実施の形態における印象マップを示す図である。 本発明の実施の形態における印象評価データベースを示す図である。 本発明の実施の形態における印象評価データベースを示す図である。 本発明の実施の形態におけるデザイン印象評価工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態におけるデザイン印象評価画面を示す図である。 本発明の実施の形態におけるデザインデータベースを示す図である。 本発明の実施の形態におけるウェブページの例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるデザイン評価データベースを示す図である。 本発明の実施の形態におけるユーザ印象取得工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態におけるドキュメントデータ選択画面を示す図である。 本発明の実施の形態におけるユーザ印象入力画面を示す図である。 本発明の実施の形態におけるユーザ印象情報データベースを示す図である。 本発明の実施の形態における印象提示・修正工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における表示選択画面を示す図である。 本発明の実施の形態における印象マップ画面を示す図である。 本発明の実施の形態における印象表示用データベースを示す図である。 目標印象情報を重ね合わせて表示した印象マップ画面を示す図である。 目標印象情報を重ね合わせて表示した印象マップ画面を示す図である。 デザインデータベースに登録されている印象情報及び評価値を表示した印象マップ画面を示す図である。 デザインデータベースに登録されている印象情報及び評価値を表示した印象マップ画面を示す図である。 デザインデータベースに登録されている印象情報及び評価値の差分値を表示した印象マップ画面を示す図である。 デザインデータベースに登録されている印象情報及び評価値の低い方の値を表示した印象マップ画面を示す図である。 ユーザ印象情報を重ね合わせて表示した印象マップ画面を示す図である。 デザイン制作のフローチャートを示す図である。
符号の説明
5 マウスポインタ、10 制御部、12 記憶部、14 入力部、15 入力ボックス、16 出力部、18 ネットワークインターフェース部、20 目標印象決定ボタン、22 デザイン印象評価ボタン、24 ユーザ印象取得ボタン、26 印象提示・修正ボタン、28 チェックボックス、29 決定ボタン、30 入力ボックス、32 ウェブデザイン取込ボタン、34 ドキュメント取込ボタン、36 背景領域、37 メイン領域、38 アクセント領域、40 チェックボックス、42 選択決定ボタン、43 ドキュメントデータ表示領域、44 印象表現表示領域、46 チェックボックス、47 決定ボタン、48 スクロールボタン、50 チェックボックス、52 決定ボタン、54,55 入力ボックス、60 印象情報表示領域、62a X座標軸、62b Y座標軸、64 目標印象修正ボタン、65 デザイン印象修正情報提示ボタン、66 目標印象表示領域、68 ドキュメントデータの表示、100 マネジメントサーバ、102a,102b,102c クライアントコンピュータ、104 ネットワーク、1000 メインメニュー画面、1002 目標印象入力画面、1004 デザイン取込画面、1006 ドキュメントデータ選択画面、1008 ユーザ印象入力画面、1010 表示選択画面、1012 印象マップ画面。

Claims (8)

  1. ドキュメントのデザインにおける着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを第1の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第1のデザイン評価データベースと、
    前記着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを前記第1の時間より長い第2の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第2のデザイン評価データベースと、を記憶する記憶手段と、
    実際のドキュメントを取り込み、当該ドキュメントのデザインから前記特徴量のうち少なくとも1つを抽出する特徴量抽出手段と、
    前記第1及び第2のデザイン評価データベースに基づいて、前記特徴量抽出手段において抽出された特徴量に関連付けられている印象情報及びその重み係数をそれぞれから抽出するデザイン印象情報抽出手段と、
    前記デザイン印象情報抽出手段において前記第1及び第2のデザイン評価データベースからそれぞれ抽出された印象情報、及び、前記第1及び第2のデザイン評価データベースについて前記抽出された印象情報毎に重み係数に基づいて算出された評価値を表す情報を呈示する出力手段と、
    を備えることを特徴とするデザイン制作支援装置。
  2. 請求項1に記載のデザイン制作支援装置において、
    前記第1のデザイン評価データベースは、予め被経験者群により前記特徴量のうちそれぞれ異なる特徴量を有する複数のドキュメントのデザインを前記第1の時間閲覧した後に受けた印象に基づいて算出された、閲覧するドキュメントのデザインが有する前記特徴量からユーザが受けるであろう印象に対応する前記印象情報の重み係数を登録したデータベースであり、
    前記第2のデザイン評価データベースは、予め被経験者群により前記特徴量のうちそれぞれ異なる特徴量を有する複数のドキュメントのデザインを前記第2の時間閲覧した後に受けた印象に基づいて算出された、閲覧するドキュメントのデザインが有する前記特徴量からユーザが受けるであろう印象に対応する前記印象情報の重み係数を登録したデータベースであることを特徴とするデザイン制作支援装置。
  3. 請求項1又は2に記載のデザイン制作支援装置であって、
    前記印象情報の評価値を表す情報は、前記第1及び第2のデザイン評価データベースを用いて得られた前記印象情報毎の評価値の差分値であることを特徴とするデザイン制作支援装置。
  4. 請求項1又は2に記載のデザイン制作支援装置であって、
    前記印象情報の評価値を表す情報は、前記第1及び第2のデザイン評価データベースを用いて得られた前記印象情報毎の評価値のうち小さい方の値であることを特徴とするデザイン制作支援装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のデザイン制作支援装置であって、
    前記出力手段は、出力画面の領域を複数の分割画面領域に分割した印象マップにおいて前記分割画面領域毎に印象情報を割り当て、前記印象情報の評価値を表す情報を前記分割画面領域に表示することを特徴とするデザイン制作支援装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のデザイン制作支援装置であって、
    前記出力手段は、前記第1のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す情報から前記第2のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す情報へと時間的に変化させつつ表示することを特徴とするデザイン制作支援装置。
  7. 請求項6に記載のデザイン制作支援装置であって、
    前記出力手段は、前記印象情報の評価値を色味の濃さで表現し、前記第1のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す色味の濃さから前記第2のデザイン評価データベースを用いて得られた評価値を表す色味の濃さへと時間的に色味の濃さを変化させて表示することを特徴とするデザイン制作支援装置。
  8. ドキュメントのデザインにおける着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを第1の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第1のデザイン評価データベースと、
    前記着目領域の面積、前記着目領域の幅及び高さ、前記着目領域の前記ドキュメントにおける位置情報、前記着目領域の色平均、前記着目領域と前記ドキュメントにおける他の領域との色差、前記着目領域内における色の分散、前記着目領域内における同色数からなる特徴量の少なくとも1つと、前記ドキュメントを閲覧した人間が感じる印象を表す形容詞である印象情報と、前記ドキュメントを前記第1の時間より長い第2の時間閲覧したときの当該印象情報の重み係数と、を関連付けた第2のデザイン評価データベースと、を記憶する記憶手段を備えるコンピュータを、
    実際のドキュメントを取り込み、当該ドキュメントのデザインから前記特徴量のうち少なくとも1つを抽出する特徴量抽出手段と、
    前記第1及び第2のデザイン評価データベースに基づいて、前記特徴量抽出手段において抽出された特徴量に関連付けられている印象情報及びその重み係数をそれぞれから抽出するデザイン印象情報抽出手段と、
    前記デザイン印象情報抽出手段において前記第1及び第2のデザイン評価データベースからそれぞれ抽出された印象情報、及び、前記第1及び第2のデザイン評価データベースについて前記抽出された印象情報毎に重み係数に基づいて算出された評価値を表す情報を呈示する出力手段と、
    として機能させることを特徴とするデザイン制作支援プログラム。
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