JP4520610B2 - マーケティング分析支援システム - Google Patents
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Classifications
-
- G06F19/00—
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マーケティング分析支援システム、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、一般的に知られているPOSシステムは、各商品の購買データを迅速に収集/分析して購買状況を把握することができ、ヒット商品/不人気商品、性別/世代別の購買傾向等を掴むことができ、より効率的/有効な生産計画/販売戦略をサポートするものである。
【0003】
例えば特公平8−16950号の発明では、商品それぞれについて商品分類、価格帯分類、対象年齢分類、売り方分類等の商品関連特性が格納されているテーブル、商品ごとの在庫数量が格納されているテーブル、商品ごとの原材料構成、数量等が格納されているテーブル等を備え、各販売店のPOS端末から送られてくる販売量データに即応して、その都度、商品ごとの生産必要数量、その原材料を求め、「売れるときに売れるものを売れる分だけ生産する」ことができる生産システムを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば上述したPOSシステムやPOSを利用する生産システムでは、タイムリーに商品の売上データ等を収集することにより、各商品の購買状況を迅速に掴むことができ、更にこれに基づいて効率的な生産/販売を可能にしているが、商品が売れる(あるいは逆に売れない)理由/背景等を統計的に検証し、新商品開発、MD(マーチャンダイジング)、需要予測等に役立てることは出来なかった。あるいは、多少は出来たとしても、その精度は高いとは言い難かった。すなわち、従来では商品をハードとしてのみ捉らえているが、実際には、消費者が、ある商品を選択/購買する理由には、様々な心理的要因が絡んでくる。その為、POSデータ等を分析しても、何故ユーザがその商品を選択したのか、選択した商品からどのような心理的満足を求めているのかまでは分らないので、購買理由と直結せず、新商品開発、MD(マーチャンダイジング)、需要予測といったことには、必ずしも結びつかず、よって精度(分析精度、予測精度等)が低かった。
【0005】
このようなことは、従来では、アンケート調査等に基づいて、商品開発担当者/商品企画担当者等の感性/推定により行われていた。しかしながら、このような手作業の経験/勘等に頼る方法では、定量的/定性的な裏付けがなく、その担当者の裁量次第で結果が左右される度合いが大きい。よって、例えば需要予測する際でも、予測精度にばらつきが生じ、(正確に客観的に)安定して精度良く予測を行うことは期待できなかった。また、上記手作業の経験/勘等に頼る方法では、余計な手間/時間が掛る可能性が大きい。
【0006】
本発明の課題は、商品と消費者をつなぐ評価因子(心理的因子)を設定し、また消費行動を説明する様々な次元の項目を統合的に分析できるようにしたことにより、より精度良い分析/予測が可能になり、また担当者等の商品開発/需要予測の作業が効率的に行われるように支援するマーケティング分析支援システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるマーケティング分析支援システムは、情報処理装置によって実現されるマーケティング分析支援システムであって、少なくとも物理的視点から要素分解されて成る各評価因子と心理的視点から要素分解されて成る各評価因子とが格納される評価因子格納手段と、各評価対象のデータを格納する評価対象格納手段と、前記評価因子格納手段から各評価因子を読み出すと共に前記評価対象格納手段から各評価対象を読み出して、該読み出した各評価対象と各評価因子を一覧表示して、該各評価対象毎に任意の1以上の評価因子を選択入力させることで、各評価対象毎に任意の1以上の評価因子を対応付けた評価表を作成させる評価表作成支援手段と、該評価表作成支援手段によって作成された前記評価表が適正か否かをチェックし、適正ではないと判定した場合には警告または再検討を促すメッセージを表示する評価表チェック手段と、前記評価表チェック手段によってチェック済みの評価表のデータを用いて、少なくとも数量化III類解析処理を実行して、評価因子相互の関係を示す因子マップまたは/及び評価対象相互の関係を示す商品マップを作成して、該因子マップまたは/及び商品マップを表示する解析/表示手段とを有し、前記評価表チェック手段における前記評価表が適正か否かを判定する処理は、以下の(a)〜(c)の全て、あるいは少なくとも1つ以上を実行するものである
(a)前記各評価因子毎に、その評価因子に対応付けられた評価対象の個数を算出して該算出結果に基づいて当該評価因子が適正か否かを判定する処理;
(b)各評価因子間の相関係数を算出し、該相関係数に基づいて各評価因子が適正か否かを判定する処理;
(c)前記各評価対象毎に、その評価対象に対応付けられた評価因子の個数を計算して該個数に基づいて適正か否かを判定する処理;
【0008】
上記マーケティング分析支援システムによれば、物理的視点から要素分解されて成る各評価因子と心理的視点から要素分解されて成る各評価因子を用いて各種解析処理を実行させて例えばマップ表示(因子マップ、商品マップ等)等を行うことにより、例えば評価因子相互間または商品相互間の相対的な位置関係や商品の位置付けがどのような評価因子によって決定されているか等を、視覚的に把握し易くなる。また商品の空白域、競合度合い、商品分布、商品群構成等を視覚的に把握することができるようになる。これより、より精度良いマーケティング分析/予測が行われることが期待できる。
【0009】
また、上記マーケティング分析支援システムによれば、評価表チェック手段が、作成された評価表が適正か否かをチェックし、適正ではないと判定した場合には警告または再検討を促すメッセージを表示する。これによって、評価表を修正させること等ができる。
【0010】
このようなチェック機能を備えることにより、不適切な評価因子は取り除くことができ、適切な評価因子を用いて上記解析処理等が実行されるので、解析結果(表示内容)がより適正なものとなることが期待でき、これより、更に精度良いマーケティング分析/予測が行われることが期待できる。
【0012】
また、例えば、前記解析/表示手段は、更に、実際の販売データまたは該実際の販売データの時系列的推移を前記因子マップ上または商品マップ上にマッピング表示する。
【0013】
これより、例えば、因子マップ上での上記時系列的な推移の表示を見れば、次に求められる評価因子の方向性を視覚的に把握することができ、今後の商品開発の方向性を推測するのに非常に役立ち、またその精度(正確さ)も高いものとなることが期待できる。あるいは、例えば商品マップ上では、市場分布、市場規模等や、売れ筋エリアや売れ筋エリアの変遷等を視覚的に把握し易くなる。
【0014】
また、例えば、前記評価因子格納手段に格納される各評価因子には各々ユニークな因子番号が割り当てられている。
このようにすることにより、上記物理的視点から要素分解されて成る各評価因子と上記心理的視点から要素分解されて成る各評価因子とのような、異なる次元の評価因子を、データ解析上で同様に扱うことができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態によるマーケティング分析/予測支援システム全体の構成を概略的に示す図である。
【0016】
同図に示すマーケティング分析/予測支援システム1は、評価因子データベース(評価因子辞書)2、商品データベース3、評価表作成/編集部4、解析/表示部5、解析履歴データベース7等を有し、更に販売データ格納部8に接続している(あるいは備えている)。
【0017】
上記マーケティング分析/予測支援システム1については、詳細な説明は後に行うものとし、ここでは図2も参照しながら概略的に説明する。図2は、マーケティング分析/予測支援システム1における処理の流れの概略イメージ図である。まず、評価因子データベース2には、商品分析/予測等に用いられる各種評価因子データが分類されて格納される。これは、分析/予測対象の商品に関して、例えば市場調査により得られるデータや、既存メディア(新聞、雑誌、TV等)より得られるデータ、何等かの形で公開されたデータ等、それまでに(過去に)様々な形で得られる市場データ11に基づいて、その商品特性を様々な視点から要素分解して得られる各種評価因子であり、各々にユニークな因子番号を付したテーブル形式で格納されている。尚、この評価因子データベース2に格納される評価因子のデータは、「評価項目」のデータであると言える。
【0018】
上記様々な視点とは、図1に示すように、主として“プロダクトハードスペック”、“購買行動”、“コミュニケーション”、“業界トレンド”、“社会トレンド”の5つの視点である。
【0019】
図1には、評価対象の商品として“腕時計”を例にして示してあり、この例では、“プロダクトハードスペック”は、更に「中分類」として“本体外形”、“針”、“目盛”に分類され、同様に、「中分類」として、“購買行動”は“商品イメージ”等、“コミュニケーション”は“企業イメージ”等、“業界トレンド”は“デザイン”等、“社会トレンド”は“社会要求”等に分類される。そして、図1に示すように、“腕時計”の例は、例えば“プロダクトハードスペック”の視点からは、“本体外形”として“円”、“楕円”、“方形”等、“針”として“2針”、“3針”等、“目盛”として“アラビア数字”、“ローマ数字”、“ドット・ライン”、“図形・記号”等といった各種評価因子に要素分解される。そして、各評価因子には、因子番号が付加される。例えば、図1に示すように、“円”には因子番号1、“楕円”には因子番号2、・・・というように、各評価因子毎に固有の因子番号(例えば通し番号)が付加される。この因子番号は、後の処理(例えば、図2におけるデータ解析(数量化III 類等)14の処理を行う際、データ解析(数量化I類等)19の処理を行う際等)に用いられるものであり、この因子番号を用いることによって、例えばチェック済み評価表13に対し数量化III 類の処理を行う際に、“円”、“楕円”といったプロダクトハードスペックの評価因子と、例えば“なごみ”、“エコロジー”といった社会トレンドの評価因子とのように、これまで同一次元では分析し難かった異なる次元の評価因子を、データ解析上で同様に扱うことができるようになり、各評価因子間の関係性を把握できる点で便利である。
【0020】
同様に、図1に示す例では、“購買行動”の視点からは“商品イメージ”として“都会的・先進的”、“硬質感”、“幾何学的”等、“コミュニケーション”の視点からは“企業イメージ”として“信頼性”、“伝統”、“一流”等、“業界トレンド”の視点からは“デザイン”として“スプーン”、“カラフル”、“スケルトン”等、“社会トレンド”の視点からは“社会要求”として“なごみ”、“エコロジー”、“アウトドア”等の各種評価因子に要素分解される。そして、各評価因子には、因子番号が付加される。尚、図1に示す例は、実際の物の一部を開示しているのであり、他にも、例えば“プロダクトハードスペック”の中分類として“文字盤色”、“ガラス”、“バンド”、“ベゼル”、“付加機能”等があり、“業界トレンド”の中分類として“機能”等が考えられる。
【0021】
本発明では、評価対象商品の商品特性を要素分解して各種評価因子を求めるが、その際、主として上記“プロダクトハードスペック”、“購買行動”、“コミュニケーション”、“業界トレンド”、“社会トレンド”の5つの視点から行うことを特徴の1つとする。
【0022】
このように、本発明では、商品を、外形、色等のハードウェア・スペックの複合体としてのみ捉らえるのではなく、心理的因子の複合体としても捉らえることを特徴とし、更に両者をデータ解析上で同様に扱うことができるようにしたことを特徴としており、このような特徴に基づいて後述する各種処理を行ってマップ表示することにより、後述する様々な効果が得られるようになる。
【0023】
また、“プロダクトハードスペック”(ハードウェア・スペック)の視点と、他の4つの心理的な視点から見た評価因子を用いていることで、例えば後述する解析結果としてのマップ表示を見て、例えば心理的因子である“なごみ”が商品の売れる重要なファクターであると分った場合、例えば“なごみ”に通じる外形は“方形”よりも“円”、“楕円”のほうがよいとか、“文字盤色”は原色よりも淡色のほうがよいといったように、ハードウェア・スペックに反映させる判断を行うことができるようになり、より売れる商品の開発に貢献できるようになる。
【0024】
尚、本発明は、必ずしも上記5つの視点に限るものではなく、更に他の視点(商品因子N等)が加わってもよい。
商品データベース3には、自社商品、他社商品を問わず、様々な商品に関するデータ(少なくとも商品名)が格納されている。これは「評価対象」のデータとなる。ここでは、自社、及び他社の腕時計に関するデータが格納されているものとする。
【0025】
そして、詳しくは後述するが、評価表作成/編集部4は、上記評価因子データベース2と商品データベース3に格納されているデータに基づいて、評価表12を作成し、これを当該マーケティング分析/予測支援システム1を実現するコンピュータシステム等に備えられているディスプレイ等の表示部に表示する。
【0026】
ユーザ等は、ディスプレイ等に表示された評価表上で、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力部を操作して、後述するような評価表の作成作業を行う(商品への評価因子付け21)。これより、例えば図3に示すような評価表が作成される。また、これも詳しくは後述するが、作成/編集された評価表の内容が適切なものであるか否かを自動的にチェックして、不適切な場合にはアラーム等を発するようにしているので(評価表チェック処理22)、ユーザ等は不適切な内容について再検討して、場合によっては削除する等の編集を行っていくことより、より適切な(精度の良い結果が期待できる)評価表が作成されるようになる。
【0027】
次に、解析/表示部5は、チェック済みの評価表13のデータに基づいて、後述する数量化III 類(または主成分分析・因子分析)等のデータ解析処理14を実行し、解析結果の1つであるカテゴリースコア(因子負荷量)より、評価したい次数軸の組み合せ空間に、評価因子をマッピング表示し、また商品に関するサンプルスコアをマッピング表示する(前者を因子マップ15、後者を商品マップ16という)。この表示された因子マップ/商品マップ等をユーザ(商品企画担当者等)が見れば、評価因子相互間または商品相互間の相対的な位置関係を視覚的に把握することができる。また、これら因子マップと商品マップとを相互に参照する(重ね合わせる)ことによって、あるいは、同じ軸の因子マップと商品マップを重ね合わせ透過表示することにより、商品の位置付けがどのような評価因子によって決定されているのかを、視覚的に把握できるようになる。また、要因分析(マップ上のある商品と評価因子の関係を分析すること)、ポジショニング分析(商品特性の違いや複数商品の市場における位置付け、あるいはある商品がマップ上の座標のどの位置にあるかによって、それがどういった意味を持つのかを分析すること(例えば、マップの中心にあるならば、市場の中で標準的なものであるという意味になる等))等を実施して、商品の空白域、競合度合い、商品分布、商品群構成等を視覚的に把握することができるようになる。
【0028】
尚、上記数量化III 類や、後述する数量化I類、クラスター分析等の多変量解析手法は、既知の解析手法であり、例えば“「多変量解析」杉原敏夫・藤田渉著;牧野書店”、“「多変量解析のはなし」有馬哲・石村貞夫著;東京図書刊”、“「やさしいマーケティング分析のための多変量解析」清水功次著;産能大学出版部刊”等に記載されている。
【0029】
また、解析/表示部5は、商品マップ15や因子マップ16と、例えば後に販売データ格納部8に随時に(または定期的に)入力/更新される売上データ17とに基づいて、商品・評価因子・売上の合成データ18を作成して、この合成データ18に基づいてマッピング表示する。すなわち、商品マップ/因子マップと重ね合わせて、個々の商品の販売データ(POSデータ等の実際の販売実績データ、消費者ニーズ等)のポジションやその時系列的な推移をマッピング表示する(商品・評価因子の時系列推移20)。時系列的な推移とは、例えばある時点T1、T2、T3等の売上データをそれぞれマップ上に表示すると(売上データに基づいて判断される各時点での売れ筋商品のマップ上の座標位置(または領域)に、それを示す何等かの表示をすると)、その推移(変化)が見てとれるので、これは様々な予測/推測等が精度良く行われるようにするのに非常に役立つ。
【0030】
例えば、解析/表示部5は、上記商品マップ15上に実際の商品の販売データ(一例として、上記販売データ格納部8に格納されるPOSデータ等)をマッピング表示する。これより、ユーザ等は、市場分布、市場規模等の検討が行え、またPOSデータが表示される位置より売れ筋エリアを視覚的に把握できる。例えば、売れ筋エリア内に表示されている商品マップの商品名が、「有力商品」と評価できる。あるいは逆に所謂“死に筋”商品が把握できる。更に、“死に筋”商品に関しては、“死に筋”商品名の表示座標と売れ筋エリアとの相対的な距離や、評価因子の差異等が、その商品の改廃検討に有効な判断材料となる。また時間を追ってのPOSデータの変移を表示することで、売れ筋エリアの変遷が視覚的に把握できる。
【0031】
また、例えば因子マップ16上での上記時系列的な推移の表示を見ると、次に求められる評価因子の方向性を視覚的に把握することができ、今後の商品開発の方向性を推測するのに非常に役立ち、またその精度(正確さ)も高いものとなることが期待できる。あるいは、上記表示を見れば、評価因子のライフサイクル(今後求められる(あるいは逆に求められなくなる)であろう評価因子が何であるか)を把握することが容易に出来るようになり、より理論的、正確な、製品計画や流通業のMD(マーチャンダイジング)を考えることが容易にできるようになる。市場動向を「因子マップ」、「商品マップ」上で時系列的に捉らえることができるので、今後の新商品開発、新商品企画、コミュニケーション企画、プロモーション企画、MD(マーチャンダイジング)ミックス等を行うのに際し、ユーザ等の意志決定を支援し、安定して精度良い結果が得られることが期待できる。
【0032】
また、解析/表示部5は、商品・評価因子・売上の合成データ18に基づいて、後述する数量化I類(あるいは重回帰分析)、数量化II類(あるいは判別分析)、クラスター分析、相関分析等の中から、目的に応じたデータ解析処理19を実行する。これは、例えば「商品−評価因子−売上間の関係性23」を明確にするのに役立つものであり、これよりユーザ等が、例えば売れる商品の要因を把握すること等が可能となる。
【0033】
解析履歴データベース7には、例えば後述する棒グラフ、デンドログラム、因子マップ、商品マップ、因子スコア、商品スコア等のような、解析過程の表示データまたは解析結果としての各種データが格納される。
【0034】
上述したマーケティング分析/予測支援システム1について、以下、より詳細に説明していく。
まず、評価表作成/編集部4について、詳細に説明する。
【0035】
図3は、評価表12の作成/編集画面の一例を示す図である。
評価表12の作成/編集は、例えばEXCEL(登録商標)を用いる。
評価表12は、上述してあるように評価因子データベース2と商品データベース3に格納されているデータに基づいて作成されるものであり、例えば、特に図示しないが、まずディスプレイにメニュー画面が表示されており、ここには例えば「評価因子選択」、「商品選択」等のボタンが表示されている。ユーザ等がマウス等で「評価因子選択」ボタンをクリックすると、評価因子データベース2より読み出された各種評価因子名が一覧表示される。ユーザ等は、一覧表示された各種評価因子名の中から必要な評価因子名を選択指定する。同様に、ユーザ等がマウス等で「商品選択」ボタンをクリックすると、商品データベース3より読み出された各商品名が一覧表示される。ユーザ等は、一覧表示された各商品名の中から必要な商品名を選択指定する。
【0036】
尚、本実施形態の説明における“ユーザ等”とは、主に商品開発担当者/商品企画担当者等のように、マーケティング分析に関する相応の知識を有する者のことである。
【0037】
このようにして、ユーザ等が分析/予測等に必要と考える評価因子名、商品名を選択し、「評価表作成」のコマンドを入力すると、横軸が評価因子名31、縦軸が商品名32の評価表作成/編集画面30が表示される。
【0038】
次に、評価表作成/編集画面30における評価表設定領域33内の各セルに対して、ユーザ等が、マウス等を操作して、ある商品を評価因子で評価したとき、あてはまる場合は「○」をセル内に埋める作業を行う。後のデータ解析時に、この「○」は数値‘1’に、空白セルは数値‘0’に置換され、計算が進められることになる(この「○」の設定の仕方によって、後述する数量化III 類プログラムによる計算結果が変わり、算出される因子スコア、商品スコアの値が違ってくる)。尚、ここでは、“あてはまる”・“あてはまらない”を‘1’と‘0’の2値で表現したが、これに限るものではなく、“あてはまる”・“あてはまらない”に、例えば5段階の段階を設けたり、長さ・重さ・価格等の量的なデータを扱うことも可能である。
【0039】
上記“「○」をセル内に埋める作業”とは、例えば評価表設定領域33においては、マウスのポインタが指しているセルをクリックする毎に「○」と「空白」が交互に切り換え表示されるようになっており、ユーザ等は、各商品に関して、例えばその“本体外形”が何であるか判断し、対応するセルをクリックして「○」を表示させる。同図では例えば自社商品−1,−2,−3,−4等の“本体外形”が何であるかをユーザ等が評価したとき、あてはまるものは“円”であり、ユーザが上記操作することで、対応するセルに「○」が表示された例を示してある。
【0040】
そして、全ての商品−全ての評価因子の組み合わせに関して上記判断及びマウス操作を行って、例えば図3に示すような評価表を作成すると、次に、作成した評価表の編集作業を行う。これは、ユーザ等が例えば画面上に表示される不図示の「評価表チェック」ボタンをマウス等でクリックして、上記の様に作成した評価表が適切か否かのチェックを行わせる。
【0041】
このチェック処理は種々あり、以下の(a)〜(c)の全て、あるいは少なくとも1つ以上を実行する。
(a)評価因子の項目数がM個(i=1、2、3、・・・M)、商品名の項目数がN個(j=1、2、3、・・・N)とすると、1番目からM番目までの各評価因子について、それぞれ、その評価因子に該当する(セルに「○」が表示された)商品の個数を計算する。これは、上記の通り「○」が‘1’、「空白」が‘0’としているので、「i番目の評価因子−j番目の商品名」に対応するセルの値(0/1)をKijで表すものとすると、各評価因子毎に、それに該当する商品の個数Qi (表の縦方向の「○」の合計値)を、
【0042】
【数1】
【0043】
の算出式により計算する。
そして、例えばQi の値が0またはNとなった評価因子が存在した場合、その評価因子を削除するように警告するメッセージを表示する。Qi の値が0またはNであるということは、全ての商品がその評価因子に該当しない、あるいは全ての商品が該当するということであり、その評価因子は各商品間の区別を与えるものとはなっていないからである。
【0044】
また、例えばQi の値が0またはNに近い値となった評価因子が存在した場合、その評価因子について再検討を促すメッセージを表示する。これは、予めユーザ等が適切と思う値(0に近い)の閾値α(0≦α≦1で、例えばα=0.1)を設定しておき、
(Qi /N)<α
または(Qi /N)>(1−α) ・・・(2)
となった評価因子について再検討を促すメッセージを表示する。
(b)評価因子間で各商品の評価が全く同じもの、全ての評価が逆転しているもの、或いはこれに近い状況となっているものは、評価因子が独立ではないということになるので、いずれか一方の評価因子を削除するように警告する。これは、例えば、各評価因子i’−i”間(i’、i”は1〜Mのどれか)の相関係数Rを計算し(全ての組み合わせについて計算)、Rが1または−1の場合、すなわち完全相関となっている場合、それら評価因子のいずれか一方を削除するように警告するメッセージを表示する。尚、相関係数Rの算出方法については、よく知られているので、ここでは特に説明しないが、例えば一例として、上記「○」「空白」の‘1’‘0’を、そのまま量データとして見做し、ピアソンの積率相関係数(よく知られている)を適用する。
【0045】
また、完全相関にはなっていなくても、それに近い場合には、いずれか一方の評価因子を削除することが望ましい旨のメッセージを表示する。これは、予めユーザ等が、1に近い適切と思う値の閾値β(0≦β≦1で、例えばβ=0.8)を設定しておき、
|R|>β ・・・(3)
となる評価因子i’、i”があった場合には、いずれか一方を削除することが望ましい旨のメッセージを表示する。
(c)各商品名について、その商品が該当する評価因子の数が0またはMである場合は、その商品を特徴付ける評価因子が不十分であると考えられるので、新たな評価因子を追加するように警告する。これは、評価表の各行毎に、その行の「○」(‘1’)の合計値Pj を計算し、Pj が0またはMの場合、その商品について上記警告をメッセージ表示等でユーザに知らせる。
【0046】
また、例えばPj の値が0またはMに近い値となった商品が存在した場合、新たな評価因子を追加することについて再検討を促すメッセージを表示する。これは、予めユーザ等が0に近い適切と思う値の閾値γ(0≦γ≦1で、例えばγ=0.02)を設定しておき、
(Pj /M)<γ
または(Pj /M)>(1−γ) ・・・(4)
となる商品がある場合、上記再検討を促すメッセージを表示する。
【0047】
このように、ユーザ等が最初に評価表作成の為に選択した評価因子、商品名では不適切である場合にも、不適切な部分を自動的に検出して、ユーザ等に適切なアドバイスを与えるので、このアドバイスに従って評価表を編集(項目の削除、追加等)していけば、比較的誰でも適切な(精度良い)評価表を作成できるようになることが期待できる。
【0048】
次に、上記のように作成/編集作業を行うことで、ほぼ適切な内容となった評価表(評価済み評価表)を用いて、商品マップ、因子マップを作成/表示する処理について、図4のフローチャートを参照しながら以下に詳細に説明する。
【0049】
図4は、解析/表示部5による処理の一例を説明する為のフローチャート図である。
尚、以下の説明では、既存の多変量解析プログラムを利用するものとし、例えばSPSS上の数量化I類〜III 類プログラム等を起動して処理を行わせるものとして説明するが、これに限るものではない。
【0050】
まず、上述したように作成/編集した評価表のデータを、SPSSデータ形式に変換しておく処理を実行する。これは例えば上述したように作成/編集した評価表から、その商品名と評価値である「○」を‘1’に、「空白」を‘0’に変換し、SYLKファイル名を獲得して、SYLKファイルを作成する。また、評価因子名を使用して、SPSSシンタックスファイルを作成する。そして、例えばメニュー画面上に表示される「解析起動」ボタンをクリックして、SPSSを起動してSPSSのビューア・ウィンドウを表示し、そこにSYLKファイルをインポートして、SPSSの入力を完成する(SPSSデータ形式でファイルに保存する)(ステップS1)。尚、SPSS(Statistical Package for the Social Science;統計パッケージ:コンピュータ用ソフトウェア)、SYLK(symboric link;Multiplanと他のソフトウェアとの間でデータ交換するためのフォーマット)である。
【0051】
続いて、上記SPSSデータ形式に変換された評価表のデータを用いて、数量化III 類を実行し(ステップS2)、商品スコア(サンプルスコア)、因子スコア(カテゴリースコア)を得て、これをファイルに保存する(ステップS3)。数量化III 類は、多変量解析の1手法として既によく知られているので(例えば上記「多変量解析のはなし」等参照)、ここでは特に詳細には説明しないが、数量化III 類の解析プログラムによる解析結果として、商品毎、評価因子別に解析指定次数毎のサンプルスコア、カテゴリースコアがそれぞれ算出され、これにより、解析次数空間の相対的な座標値が求められる。
【0052】
このような解析結果として、図5(a)に示すテキスト形式の因子スコアがビューア・ウィンドウ内に表示されるので、これを読み込んで図5(b)に示すような形式の因子スコアファイルを作成し、これを保存する。また、上記因子スコアファイル作成と同様にして、商品スコアとしてのファイルが作成され、保存される。
【0053】
尚、図5(a)は、実際に数量化III 類解析プログラムを用いてコンピュータ処理され表示されたものを示している為、図3との対応関係が分かり難くなっているので、ここで一応説明しておく。図5(a)において、まず、“VARIABLE”は、図3における“評価因子”のことである(図5(b)においてAD1に円、AD2には楕円が対応付けて示されている)。また、“VARIABLE”において○、“VALUE”において‘1’となっていることの意味は、「○が1に対応する(○=1)」ということである。また、“COUNT”は、図3における各評価因子の○の数である。これより、例えば楕円(AD2 )については○の数は2個であることを示している。
【0054】
上述したようにして、商品スコア、因子スコアのファイルを作成/保存すると、例えば図6に示すような評価因子解析ウィンドウ40が表示される。この評価因子解析ウィンドウ40上には、例えば同図に示すように、「相関係数表示」41、「棒グラフ表示」42、「クラスタ分析」43、「クラスタ保存」44、「因子マップ表示」45、「再解析実行」46、「商品スコア切替」47等の処理選択ボタンが表示され、ユーザ等がいずれかのボタンをマウス等でクリックすると(ステップS4)、そのボタンに割り当てられている機能の処理実行を開始する。
【0055】
尚、最初は、強制的に以下に説明する順番で処理実行を行わせるようにし、その後、必要に応じて上記いずれかのボタンを選択して、その機能の処理を行わせるようにしてもよい。また、尚、「相関係数表示」41、「棒グラフ表示」42、「クラスタ分析」43、「クラスタ保存」44は、必ず行わなければならないというものではなく、ユーザの判断等により必要に応じて行うようにしてもよい。後述する商品解析ウィンドウ60においても同様である。
【0056】
まず、上記「相関係数表示」ボタン41がクリックされると、上記因子スコアファイルを開き、例えば図7(a)に示すようなデータエディタを表示する。尚、図7(a)におけるcol1〜col5は軸(第1軸〜第5軸)の事である。
【0057】
また、上記解析結果としての固有値、相関係数、及び全分散に対する累積比(累積寄与率と同じ意味;全固有値を合計したもので、各軸番号に対応した固有値を除し、これらを1軸から順番に足し合わせたもの)を、別ウィンドウ(図7(b))で表示する(ステップS5)。このような表示内容をユーザ等が参照することで、適切か不適切かの評価を行うことができる。そして、評価した結果、例えば不適切であると思われる場合には(ステップS9,YES)、上記評価表を修正し(ステップS10)、再度ステップS2の解析処理を行って評価し直す等の対応ができ、より精度のよい結果が得られるようになることが期待できる。
【0058】
上記ステップS9における、適切か不適切かの判断は、図7(b)における主に「固有値」を参照して行う。ここで、「固有値」は、図3の評価表のデータの要約度、集約度を意味する指数となる。例えば、図7(c)に示すように、「固有値」が、1軸において高い数値を示し且つ軸番号(次元)が大きくなるに従って急激に低くなるようであれば、「適切な」分析が行われたと評価できる。すなわち、ここでいう「適切さ」とは、分析前の評価データ(図3)を如何に少ない次元の軸で説明できているか、ということと同義となる。
【0059】
このように、本例では、何度か評価表を修正して解析処理を行うことで(または最初から複数の評価表を作成してもよい)、より適切な(すなわち、データの要約度が高い)評価表を得ることができ(または、複数作成した評価表のうちのどれが一番適切かを知ることができ)、より適切な評価表に基づいて作成される因子マップ、商品マップを参照して、各種マーケティング分析/判断を行うことができるようになる。 尚、上記「固有値」の1軸での値やそこからの低減の度合いが、どの程度ならば「適切」と判断するのか、という基準は一般化されてはいないので、実際にはある程度は分析者の主観に委ねられる。
【0060】
また、棒グラフ表示を行わせる場合、ユーザ等がまず図6に示す「棒グラフ表示」ボタン42の下に表示される軸の選択/指定領域において第1軸〜第5軸の中から所望の軸を選択/指定し、「棒グラフ表示」ボタン42をクリックすると、因子スコアファイルのデータから選択された軸のデータを読み出し、これを並べ替えて(例えば、値が小さいものから順に)、例えば図8に示すような棒グラフを作成/表示する(ステップS6)。
【0061】
尚、上記第1軸〜第5軸の各軸の解釈は、ユーザ等に委ねられることになる。そして、ビューア・ウィンドウ上で上記棒グラフの軸に名称を付けることも可能であり、これは変数のラベルに反映され、後述する因子マップの軸の名称に反映される。例えば、図8は上記ステップS6において第1軸を選択/指定した場合の表示例であり、最初は同図に示すように図7(a)における“col1”が表示されるが、これを上記各軸の解釈結果に応じた名称に変えることにより、棒グラフの意味が分り易くなり、また因子マップの意味も分り易く表示されるようになる。
【0062】
このように棒グラフが表示されることにより、ユーザ等は、不適切な評価因子がある場合には容易に見つけることができる。すなわち、例えば他と比べて極端に大きな値(棒)が表示されれば、一目で不適切な評価因子であることが分る。そして、不適切な評価因子があった場合には(ステップS9,YES)、その評価因子を削除してから、「再解析実行」ボタン46をクリックすることで(ステップS10)、再度上述したステップS2の解析を実行させ、新たな(改良版の)因子スコア(カテゴリースコア)、商品スコア(サンプルスコア)を作成する等の対応を行うことで、より精度のよい結果が得られるようになることが期待できる。また、尚、軸の選択が上記の様に第1軸〜第5軸までとなっているのは、単にSPSSプログラムの制約上の問題であり、これに限るものではない。これは「因子マップ表示」45、「階層クラスタ分析」43における軸指定においても、同様である。
【0063】
次に、因子マップ作成/表示について説明する。
上記の通り、SPSSの数量化III 類プログラムでは、第1軸〜第5軸までの解析を行うので、図6に示すように、「因子マップ表示」45ボタンの下には第1軸〜第5軸までの全ての軸の組み合わせ(10通り)が表示されており、ユーザ等はその中から所望の軸の組み合わせを選択/指定し、「因子マップ表示」ボタンをクリックする。これより、因子スコアファイルのデータより、評価因子に関する2次元散布図である因子マップ(選択/指定された軸のマップ)が、例えば図9の例のように表示される(ステップS7)。換言すれば、ユーザ等は解析次元数を選択/指定するのであり、これに応じて、上記数量化III 類解析処理により評価因子毎に算出された解析次元別のカテゴリーマップを次元毎の固有値を参考に次元軸を組み合わせて「因子マップ」を作成/表示する。尚、因子マップ(及び商品マップ)は必ずしも“2次元”に限るものではなく、“3次元”で表示してもよい。
【0064】
本発明では、上述してある通り、外形、色等のハードウェア・スペックの評価因子だけではなく、購買行動、コミュニケーション等の心理的な評価因子をも用い、両者をデータ解析上で同様に扱うことができるようにしており、これより、例えば図9に示すようなハードウェア・スペックの評価因子(例えば、針/三針、目盛/ローマ等)と心理的な評価因子(例えば都会的、色っぽい等)とが混在する因子マップが作成/表示される。
【0065】
尚、上記棒グラフ作成において軸に名称を付けている場合には、図9に示すcol1、col2の代わりに、付けられた名称が表示されることになり、因子マップの解釈がし易くなる。
【0066】
このような因子マップが表示されることにより、ユーザ等は、不適切な評価因子がある場合には容易に見つけることができる。そして、不適切な評価因子があった場合には(ステップS9,YES)、その評価因子を削除してから、「再解析実行」ボタン46をクリックすることで(ステップS10)、再度上述したステップS2の解析を実行させ、新たな(改良版の)因子スコア、商品スコアを作成する等の対応を行うことで、より精度のよい結果が得られるようになることが期待できる。
【0067】
続いて、クラスタ分析について説明する。クラスタ分析は、多変量解析の1手法として知られている分析手法であり、例えば属性値による類似性(相関係数、ユークリッド距離等)をもとに対象をグルーピングする方法である。尚、属性とは、各対象が共通して持つ特性である。クラスタ分析には、階層型と非階層型とがあり、ここでは階層型のクラスタ分析手法を用いるものとし、デンドログラム(樹状図)によって階層状態を表示する。
【0068】
図6において、ユーザ等が、第1軸〜第3軸、第1軸〜第4軸、または第1軸から第5軸のいずれかを選択して、「クラスタ分析」ボタン43をクリックすると、因子スコアのデータを使用して、上記選択された第1軸から第3、第4、または第5軸までのクラスタ分析処理を実行し、デンドログラムを求め、これをビューア・ウィンドウに表示する(ステップS8)。軸数を変えたクラスタ分析を行いたい場合には、再度、上記軸の選択をして「クラスタ分析」ボタン43をクリックする。
【0069】
クラスタ分析を行う上で、各因子間の類似性は、各軸の因子スコアを座標とする多次元空間のユークリッド距離またはマハラノビスの汎距離により定義する。距離の定義に用いる軸(次元)は、図6において選択された第1軸から第3、第4、または第5軸(3次元から5次元)までである。何軸まで指定するかは、図7(b)の「固有値」の大きさにより判断する。尚、第5軸までというのは、一例に過ぎない。何軸(次元)であっても、距離を定義し、分析することは可能である。但し、一般的には、6軸以上は「固有値」が低いので、距離計算には加えないほうが良い、ということが知られている。
【0070】
分類の方法としては、最短距離法、最長距離法、群平均法、ウォード法等、種々の方法が知られており、いずれを用いても構わないが、多くの場合に妥当な分類結果を与えることから、ウォード法が標準の分類法とされている。
【0071】
続いて、図6の「クラスタ保存」ボタン44をクリックすると、図10に示すようなクラスタの分割位置の操作用ウィンドウ50が表示される。このウィンドウ50内には、上記デンドログラムとクラスタ平均表が表示される。このようなクラスタ分析やデンドログラムについては、例えば上記「やさしいマーケティング分析のための多変量解析」に記載のように、よく知られているものであるので、具体的な処理内容については特に説明しない。
【0072】
ユーザ等は、このクラスタ分割位置操作用ウィンドウ50内のデンドログラム上で、クラスタ分割位置を入力する。例えば、図10に示す分割位置設定用バー51は、図上の左右に移動可能であり、ユーザ等はこの分割位置設定用バー51を適切と思われる位置に動かして、分割位置を決定する。このとき、分割位置はクラスタの分割数に一意に対応する。分割した各クラスタのうち、クラスタを構成する因子数が他のクラスタと比較して多い等の理由で、そのクラスタだけ更に2つのクラスタに分けたい場合がある。そのような処理をする為の分割可能部に、例えば図10右側に示すような「○」(評価表の「○」と区別する為、分割可能部表示用「○」52と呼ぶ)を表示する。
【0073】
分割可能部は、次のような処理により自動的に求める。
バー51とデンドログラム横線との交点を求め、その交点より左にあるデンドログラムの分岐点を分岐候補点とする。これより、例えば図10のデンドログラムにおいて上側に示すように分岐候補点となった分岐点に分割可能部表示用「○」52が表示される。
【0074】
また、例えば図10のデンドログラムの左側に表示されるクラスタ平均表においては、デンドログラムによって区分されたクラスタ毎にその平均値を計算して表示する。この平均値とは、例えば商品毎にあるクラスタを指定したときに、各々のクラスタ内における因子の○(1)の値(図3で設定した○の数)を合計し、この合計値をそのクラスタ内における全因子の数で割った値である。
【0075】
これにより、ユーザ等がクラスタの特徴を把握し易くなる。すなわち、上記平均値は、各商品が因子を分割した各クラスタにどれだけ適合しているかの割合を示すものであり、‘1’に近いほど、その商品がそのクラスタの特徴を代表する商品であることを示す。
【0076】
このようにして、最終的なクラスタ分割位置が決定されると、各評価因子をそれが属するクラスタ(以下、所属クラスタという)毎に分類し、例えば図11に示すように、因子スコアデータ中に上記クラスタの分類データを追加作成する(ステップS8)。図11に示す例では、例えば、方形、2針、及び硬質感が同一クラスタ(クラスタ番号;3)に属することになる。
【0077】
次に、このようにクラスタ分類データが追加された因子スコアデータを用いて、因子マップを作成する(ステップS7)。
この因子マップの表示の形態は、図6の「因子マップ表示」ボタンの右側に示すように、「標準」、「クラスタ重心」、「クラスタ別シンボル」、「クラスタ別色分」等、様々な表示の形態を選択でき、ユーザ等の希望に応じたより分り易い表示が行える。
【0078】
例えば、「クラスタ重心」を選択すると、例えば図12に示すように、各クラスタの重心点(同じクラスタ番号に属する因子のcol.1,col.2,col.3,col.4,col.5の各々のスコアの平均値を求め、これを重心とする:クラスタ毎の重心をcol.1-col.2平面に投影プロットしたものが図12である)を円の中心点とし、そのクラスタに属する評価因子数に応じた半径を持つ円が表示される。このように表示されることにより、1目でクラスタの位置やその規模が分るようになる。すなわち、単に各評価因子名をマップ上(各々が位置付けられる座標点)に表示させた場合、同じクラスタに属する各評価因子名の座標点が広範囲に拡散する場合には、そのクラスタの中心や規模が視覚的に捉ら難い(分りにくい)が、上記のように表示することで、非常に分り易くなる。
【0079】
また、「クラスタ別シンボル」を選択した場合は、各評価因子のマーカのクラスタ別シンボル(形状;○、△、◇等)が、その所属クラスタ毎に決められて表示され、「クラスタ別色分」を選択した場合は、上記マーカが所属クラスタ毎に色分けされて表示される。
【0080】
あるいは、例えば図9に示す因子マップにおいて、各評価因子名の表示を、その所属クラスタ毎に色分けして表示するようにしてもよい。例えば、仮に、図9の因子マップの右上あたりに表示される「メタルバンド/一列、幾何学的、目盛/その他・図形記号、派手、文字盤/シルバー・シャイニー、及び先進的」が全て同じクラスタに属するものとした場合、これらは評価因子名は全て同じ色で表示され、これよりユーザ等は同じクラスタに属する評価因子のグループのエリアが視覚的に把握でき、またそのエリアの重心も推測し易く、これを以て例えば図13に示すように、上記評価因子のグループの方向性(矢印)やその評価(例えば同図ではアグレッシブ)を視覚的に行い易くなる。尚、図13では、他の評価因子のグループについても同様にして“ゴージャス”、“エレガンス”、“アクティブ”、“シック”等の評価を行っている様子を示してある。
【0081】
上記のように作成/更新された因子マップデータ、因子スコアデータは、所定の形式(SPSSの出力ファイル形式等)で保存しておく。
尚、ユーザ等が上記の様に表示された因子マップを参照して、不適切な評価因子を見つけた場合には、その評価因子を削除する等してから、再度、上記再解析を実行させる。
【0082】
上述したようにして、因子スコアの解析が終了すると、続いて、「商品スコア切替」ボタン47をクリックして、商品スコアの解析を行う。
まず、例えば図14に示すような商品解析ウィンドウ60が表示される。
【0083】
この商品解析ウィンドウ60上には、例えば同図に示すように、「相関係数表示」61、「棒グラフ表示」62、「クラスタ分析」63、「商品マップ表示」65、「因子スコア切替」66等のボタンが表示され、ユーザ等がいずれかのボタンをマウス等でクリックすると(ステップS11)、そのボタンに割り当てられている機能を実現する処理を実行する。
【0084】
「相関係数表示」61、「棒グラフ表示」62、「クラスタ分析」63、「商品マップ表示」65については、上記因子スコアの場合とほぼ同じであり、入力するデータが因子スコアデータではなく、商品スコアデータであるという違いがあるだけなので、ここでは特に詳細には説明しない。
【0085】
概略的には、まず、上記「相関係数表示」61がクリックされると、上記商品スコアファイルを開き、図7(a)の場合と同様に、データエディタを表示する。また、上記因子スコアの場合と同様に、解析結果としての固有値、相関係数及び全分散に対する累積比を、別ウィンドウで表示する(ステップS12)。ここで、図7(b)の解析結果は、因子スコアと同じ(共通)である。
【0086】
「棒グラフ表示」62に関しても、因子スコアの場合と同様に、ユーザ等により選択された軸のデータを(例えば最小値から最大値まで順に)並べ変えてから、これを棒グラフとして表示する(ステップS13)。
【0087】
同様に、「クラスタ分析」63に関しても、因子スコアの場合と同様に、商品スコアのデータを使用してクラスタ分析を行ってデンドログラム等を求め、求めたデンドログラムにおいてクラスタ分割位置を決定させ、これより各商品名の所属クラスタを求め、これを商品スコア中に新変数として追加する(ステップS15)。
【0088】
「商品マップ表示」65に関しても、上記ステップS3で求めた商品スコアデータを用いて、または上記のようにクラスタ分析結果を追加して成る商品スコアデータを用いて、商品マップを作成/表示する(ステップS14)。
【0089】
そして、これらステップS12〜S15の処理を少なくとも1つ以上行わせてその表示内容を参照して、ユーザは、評価表を修正すべきか否かを判断し(ステップS16)、修正必要と判断した場合には(ステップS16,YES)、評価表を修正した後、上述したステップS2の処理に戻り、再び同様にして解析処理を実行させる(ステップS17)。
【0090】
ユーザは、適正な評価表となったと納得いくまで、上述した処理を繰り返し行ってもよい。
尚、上記因子スコアの解析と商品スコアの解析の順番は、どちらが先でもよいし、途中で変えてもよい。すなわち、商品スコアの解析を先に行い、その後、因子スコアの解析を行うようにしてもよいし、因子スコアの解析の途中で商品スコアの解析に移り、また因子スコアの解析に移るといったように、ユーザの自由に行ってよい。
【0091】
上述した処理によって作成される商品スコア、棒グラフ、クラスタ分割位置操作用ウィンドウ、商品スコア中にクラスタ番号を追加した例、クラスタ分類結果を反映させた商品マップの表示例を、それぞれ、図15、図16、図17、図18、図19に示す。すなわち、図15は、商品スコアの例である。図16は、所望の軸に関する棒グラフ表示例である。図17は、クラスタ分割位置操作用ウィンドウの表示例である。図18は、商品スコアデータ中にクラスタ分類データを追加作成した例である。図19は、クラスタ分類結果を反映させた商品マップの表示方法の一例である。これら図15〜図19の各図面については、評価因子に関して同様の図面があり、説明しているので、この説明の中の「評価因子」を「商品(名)」に置き換えて考えればよいので、特に説明はしない。
【0092】
上述したようにして、本発明によれば、評価表作成/編集部4において、選択された評価項目(評価因子)/評価対象(上記実施例では商品名;その他、サービス、コミュニケーション、チャネル、顧客、競合等)の適正/不適正の自動チェック処理が行われ不適切なものは削除され、更にその後、解析/表示部5において、棒グラフ/因子マップ、商品マップを表示する等して視認により評価項目/評価対象の適正/不適正を確認して、必要に応じて不適切な評価項目/評価対象を削除することができ、その結果、精度の良い(信頼性の高い)因子マップ/商品マップが完成されることが充分に期待できる。そして、このような因子マップ、商品マップが表示されると、これをユーザ等が参照することにより、商品のポジショニング、商品と評価因子の関係性等を、非常に分り易く判断できるようになる。
【0093】
ここで、“商品のポジショニングが分る”とは、例えば各商品の商品分布や商品群構成(各クラスタ毎に属する商品が何であるか)、あるいは多変量の特性から見たときの商品の類似性や対になる商品の関係等が分ることを意味する。例えば、図20の右側に示す商品マップを参照すると、以下のような事が分かる。
【0094】
例えば、▲1▼クラスタHの右上の商品とクラスタAの最も下に位置する商品とは、商品特性上異なる点が多い。
▲2▼互いの距離が小さいクラスタ同士(そのクラスタに属する商品同士)は、商品特性が似ている。
【0095】
尚、同図において、各クラスタA〜Hを、複数の商品を円で囲って示しているが、このような表示がされるわけではなく、この表示画面を参照したユーザの判断で分類したイメージを示している。実際には、例えば上述した因子マップの場合と同様に、同じクラスタに属する商品は同じ色で表示する等して、ユーザが容易に各クラスタを分類できるようにしている。
【0096】
また、“商品と評価因子の関係性が分る”とは、例えば同じ軸を選択して作成される商品マップと因子マップを表示させることにより、例えば商品マップ上の商品の位置関係や商品分布の意味を、因子マップを参考にして解釈することができるという意味である。例えば、図20に示すように商品マップと因子マップを並べて表示すると(重ね合わせて透過表示してもよい)、上述した商品間の特性の違いが把握できる。この2枚のマップは対になっており、商品のポジショニングを決めている因子を見つけ出すことができる。例えば、同図において、商品マップ上で右上にあるクラスタHは、因子マップ上で右上に位置する評価項目(“メタルバンド一列”“幾何学的”“目盛/その他図形”等)といった商品特性を持つものが多いことを示す。
【0097】
尚、因子マップ上での各評価項目の並びに分析者が意味付けを行い、「アグレッシブ」、「ゴージャス」、「エレガンス」、「シック」、「アクティブ」といった抽象概念で商品のポジショニングを説明する、といった方法を採ることも可能である。
【0098】
更に図21に示すように、商品マップをメーカ毎に分けて、これらを並べて表示することで、例えばA社はクラスタA、Dに商品を投入していないが、クラスタHに商品を多く投入しており、しかもこのクラスタHには他社が力を入れていない(言い換えれば、A社にとって、クラスタHの領域は、“他社の弱いエリア”である)、といった各社の商品戦略や競合度合いを、非常に分かり易く且つ的確に読取ることが可能になる。
【0099】
尚、図20、図21、及び後述する図24では、商品マップは、因子マップのようにその名称(自社商品−1、A社商品−5等)を表示せずに、実際の商品画像(腕時計を例にしている)を表示しているが、これは分かり易いようにする為のイメージであり、実際には因子マップと同様に、評価表30で使われていた商品名を表示する。尚、予め各商品名に対応付けて商品の画像データを格納しておけば、このように表示させることも可能である。あるいは、商品マップ上に表示させる各商品名の中の任意の商品名の表示位置をマウス等でクリックすると、その商品の属性情報(商品紹介(文字)、静止画像、動画、音声)を呼び出して表示または音声出力させることも可能である。
【0100】
また、上記因子マップ、商品マップを参照することで、商品の競合度合い、市場動向、市場規模が明らかになる。
次に、上述したように精度良く作成した因子マップ、商品マップと、販売データとに基づく各種処理について説明する。
【0101】
尚、本実施形態においては、販売データとして、例えばPOSデータを用いるものとして説明するが、これに限るものではない。
まず、図2における「商品・評価因子の時系列的推移」20の具体例について説明する。
【0102】
まず、図22(a)に示すような「POSデータ選択」ウィンドウを表示する。「POSデータ選択」ウィンドウ内には、“地域”、“項目”、“時期”の選択/入力領域が表示され、ユーザ等は所望の設定/入力を行う。“項目”としては、例えば図22(b)に示すように、販売データ格納部8に格納されるPOSデータには各商品毎に“商品名”、“売上”、“客数”、“客単価”、“単品販売数”等の項目がある。この中から必要なデータを指定して入手する。例えば、図16に示すようなグラフを作成/表示させたい場合には、項目として“売上”を選択すると、商品マップに使われている全ての商品名をキーにして販売データ格納部8を検索して、商品名が一致する“売上”データを入手する。その際、更に検索条件を加えて(例えば“地域”、“期間”を絞って)、検索するようにしてもよい。
【0103】
図23は、上記“売上”データを用いて商品マップ上に棒グラフで表示した例である。すなわち、商品マップ平面上の各商品名の表示位置(座標位置)に、上記POSデータより得た各商品の“売上”高に応じた高さの棒グラフを、三次元座標にて表示したものである。更に、この図上に因子マップを重ね合わせることによって、商品の売上に関係する評価因子(売上データの表示位置の近辺に表示されている評価因子名)が視覚的に把握できる。
【0104】
また、更に、定期的に(または随時に、あるいはPOSデータが更新されたときに)、上記販売データ格納部8からデータを読み出して利用することで、例えば図24に示すような“売れ筋商品”の時系列的推移を表示できる。図24は、ある時点(例えばt1、t2、t3、t4とし、時間経過はt1からt4へと流れているものとする)の売れ筋商品の存在する位置を表示したものである。これは、まず、t1、t2、t3、t4の各時点において、上記販売データ格納部8から、商品マップ上に表示される各商品名の商品の“売上”データを読み出して、最も“売上”が高い商品を“売れ筋商品”と見做し、商品マップ上でこの商品の商品名が表示されている座標に、何等かのマーク等(例えば図示のように、t1〜t4のどの時点の“売れ筋商品”であるのかが分かるようなマーク)を表示する。また、これを、図示のように、因子マップ上の対応する座標にも表示させる。尚、因子マップ上においてt1→t2→t3→t4となっている矢印は、単に、時系列的な流れを矢印で表示しているだけである。尚、ここでは、最も“売上”が高い商品を“売れ筋商品”と見做すものとしたが、これに限るものではなく、例えば“単品販売数”が多いものを“売れ筋商品”と見做すようにしてもよい。
【0105】
このような表示をユーザ等が参照して、時系列的推移の先を視覚的に推測することにより、次に売れそうな商品の位置を推測して、その位置に表示されている評価因子名を、次商品開発に有力なファクターと見做す等の分析が、容易に行えるようになる。また、ユーザ等は、例えば同図に示すように「商品売れ筋エリアを視覚的に把握し易くなる。また、例えば同図に示すように「他社の弱いエリア」等も視覚的に把握し易くなる。
【0106】
図24では、1商品(“売上”、“単品販売数”が最も大きい商品のみ)のみを対象として時系列的推移を表示させたが、例えば“売れ筋商品”として複数の商品を対象としたり、あるいは商品マップ上の全商品を対象として、全体的な“売上”、“単品販売数”の時系列的推移を表示するようにしてもよい。例えば図25(a)、(b)に示すように表示させてもよい。
【0107】
図25(a)は、商品マップ上に、ある時点での全ての商品の売上高を3次元表示した例であり(この点では図23と同じものを少しなだらかな表現にしているもの)、実際には、予め任意に設定される売上高の領域毎(ある売上高以上で、ある売上高未満の領域毎)に、色分けされて表示されるが、図では、色の境界を示す等高線で表現している。また、図25(b)はこれを3次元ではなく2次元で表示した例である。同図も、実際には色分けされて表示され、例えば、売上が高い場合は赤色系、売上が低い場合は青色系で表示し、更に売上がより高い領域ほど赤色がより濃く表示されるものとする。このようにすると、最も赤色が濃い領域が売れ筋商品が多く存在する領域と見做せる(但し、同図では、色と色との境界線のみ示してある)。よって、この領域が時間の経過と共にどのように変化するかを表示させて見れば、売れ筋エリアの推移を観察できる。すなわち、図25(a)または図25(b)のような図形を、t1、t2、t3、t4の各時点においてそれぞれ作成し、これを並べて表示したり、あるいはコマ送りのように順次表示させていくことにより、売上の高い領域の時系列的推移が把握できるようになる。
【0108】
上記のように、因子マップ上でPOSデータから得られた商品の“売上”データ等の時系列的変化を表示させることにより、求められる評価因子の方向性を推測することができ、従来より高い確率で売れる商品を開発できることが充分に期待できる。更に、POSデータとして、自社商品のデータと他社商品のデータをそれぞれ用いて表示させることで、自社商品と他社商品とを比較して、自社商品、他社商品の強み/弱みを視覚的に把握することが容易にできるようになる。例えば、他社商品の弱いエリア(マップ上の領域)に新商品を開発/投入すれば、シェアを拡大することが期待できる等、様々なマーケティング活動に役立つ。
【0109】
尚、因子分析は例えば直交回転バリマックス法、クラスタ分析は例えばウォード法、ユークリッド平方距離等の手法を用いるが、これに限るものではない。具体的な分析手法はユーザ等が適宜選択できる。
【0110】
尚、上述した表示例等は、既存のプログラムやソフトウェア技術を利用すれば実現できるので、これら表示を行う処理の内容については特に説明していない。
上述したマーケティング分析支援システムは、基本的には、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置によって、上述した処理を実現する為のプログラム及びデータが記憶されたHDD等の記憶装置やFDD等の可搬記憶媒体等(まとめて、記録媒体という)から、当該プログラム及びデータを読み出して実行することにより実現される。
【0111】
図26、図27は、これら情報処理装置、記録媒体のハードウェア構成の一例を示す図である。
図26は、上記情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【0112】
同図において、情報処理装置70は、CPU71、記憶部72(可搬記憶媒体72aを含む)、メモリ73、入出力インタフェース部74等より構成される。
CPU71は、情報処理装置70全体を制御する中央処理装置である。
【0113】
記憶部72は、少なくとも、上述したマーケティング分析支援システムの各種処理機能を実現するためのプログラム及び各種データが記憶されているHDD等の記憶装置である。また記憶部72には可搬記憶媒体72a(FD、CD−ROM、メモリカード、DVD、MO)等が含まれる。
【0114】
メモリ73は、各種処理実行の際に、記憶部72に格納されているプログラム、データ等を読み出して一時的に記憶して当該プログラムをCPU71に実行させる為のRAM等である。
【0115】
入出力インタフェース部74は、上述した販売データ格納部8等の外部のデータベースに接続する為のインタフェースであり、CPU71は上述した各種処理を実行する際、必要に応じて入出力インタフェース部74を介してデータベースに格納されている各種データを読み出し、または書込む。尚、上述した評価因子データ、商品データ、解析履歴データは、外部のデータベースに格納してもよいし、記憶部72に格納してもよい。
【0116】
本発明は、マーケティング分析支援システム及びその方法に限らず、コンピュータにより使用されたときに、上述した本発明の各実施形態の機能を実現させる為のプログラムが格納されたコンピュータ読出し可能な記録媒体として構成することもできる。更に、本発明は、上記マーケティング分析支援システムに特有の効果を奏するのに役立つ上記各種評価因子データが格納されたコンピュータ読出し可能な記録媒体として構成することもできる。
【0117】
この場合、「記録媒体」とは、例えば図27に示されるように、例えばCD−ROM81、フロッピィーディスク82(あるいはMO、DVD、リムーバブルハードディスク等であってもよい)等の可搬記憶媒体や、上記情報処理装置70内の記憶装置(RAM/ROM又はハードディスク等)等である。あるいは外部の装置83(サーバ等)内の記憶手段(不図示)に格納されているプログラムを、公衆回線、インターネット、何等かの専用回線等の回線84を介してダウンロードする場合も含まれる。
【0118】
尚、上述した実施形態の説明では、評価対象を「商品」として説明したが、これに限るものではない。例えば、旅行等のサービスであってもよく、マーケティング分析の対象となっているほとんど全てに適用可能である。尚、例えば旅行等に場合、上記販売データは、旅行者の人数ということになる。このように、“販売データ”の内容は、商品の販売数に限らず、評価対象に応じて様々に変わるものであり、“販売データ”はそれら全てを含む概念とする。
【0119】
また、尚、上述したマーケティング分析支援システムを応用した変形例として、例えばマーケティング分析等を行うことを依頼した顧客等のデータベースから、ネットワーク等を介して、その顧客の販売データ、商品データ等を受取り、上述した各種解析処理を実行して、その処理結果(表示)、あるいはこの処理結果(表示)に基づくマーケティング分析結果(新商品企画等)を顧客に提供すること等ができるネットワークシステムを構築することも考えられる。
【0120】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のマーケティング分析支援システムによれば、商品と消費者をつなぐ評価因子(心理的因子)を設定し、また消費行動を説明する様々な次元の項目を統合的に解析/処理できるようにしたことにより、ユーザ等が解析/処理結果の表示(マップ表示等)を参照すれば、様々なマーケティング分析/予測等を安定して精度良く行えるようになる。
【0121】
また、適切な評価因子が用いられているかを自動的に(または解析途中の表示内容を見ることにより)チェックし、不適切なものは削除できるので、上記様々なマーケティング分析/予測等の精度は更に向上する。また、評価表等の作成/編集作業やマップ表示/判断等は、ユーザ等が視覚的に捉らえ易く作業し易いようになっており、以てユーザ等の商品開発/需要予測の作業が効率的に行われるように支援できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マーケティング分析/予測支援システム全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】マーケティング分析/予測支援システムにおける処理の流れの概略イメージ図である。
【図3】評価表の作成/編集画面の一例を示す図である。
【図4】解析/表示部による処理の一例を説明する為のフローチャート図である。
【図5】(a)、(b)は各形式の因子スコアの一例を示す図である。
【図6】評価因子解析ウィンドウの一例を示す図である。
【図7】(a)、(b)は「相関係数表示」に係わる表示例であり、(a)は因子スコア、(b)は固有値、相関係数及び全分散に対する累積比である。(c)は固有値が適切な例と不適切な例を示す。
【図8】所望の軸に関する棒グラフ表示例である。
【図9】評価因子に関する2次元散布図である因子マップの表示例である。
【図10】クラスタ分割位置操作用ウィンドウの表示例である。
【図11】因子スコアデータ中にクラスタ番号を追加作成した例である。
【図12】クラスタ分類結果を反映させた因子マップの表示方法の一例である。
【図13】クラスタ分類結果を反映させた因子マップの表示の一例(具体例)である。
【図14】商品解析ウィンドウの表示例である。
【図15】商品スコアの一例を示す図である。
【図16】所望の軸に関する棒グラフ表示例である。
【図17】クラスタ分割位置操作用ウィンドウの表示例である。
【図18】商品スコアデータ中にクラスタ番号を追加作成した例である。
【図19】クラスタ分類結果を反映させた商品マップの表示方法の一例である。
【図20】因子マップ、商品マップを用いた分析/推測の仕方の一例を説明する為の図(その1)である。
【図21】因子マップ、商品マップを用いた分析/推測の仕方の一例を説明する為の図(その2)である。
【図22】(a)は「POSデータ選択」ウィンドウの表示例、(b)は販売データ格納部8に格納されるPOSデータの一例を示す図である。
【図23】売上高を商品マップ上に棒グラフで表示した例である。
【図24】因子マップ/商品マップ上にPOSデータを反映させた表示例(その1)である。
【図25】(因子マップ/商品マップ上にPOSデータを反映させた表示例(その2)であり、(a)は3次元、(b)は2次元で表現/表示させた例である。
【図26】情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【図27】「記録媒体」の形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 マーケティング分析/予測支援システム
2 評価因子データベース
3 商品データベース
4 評価表作成/編集部
5 解析/表示部
7 解析履歴データベース
8 販売データ格納部
11 市場データ
12 評価表
13 チェック済み評価表
14 データ解析(数量化III 類等)
15 商品マップ
16 因子マップ
17 売上データ
18 商品・評価因子・売上合成データ
19 データ解析(数量化I類等)
20 商品・評価因子の時系列推移
21 商品への評価因子付け
22 評価表チェック処理
30 評価表作成/編集画面
31 評価因子名
32 商品名
33 評価表設定領域
40 評価因子解析ウィンドウ
41 「相関係数表示」ボタン
42 「棒グラフ表示」ボタン
43 「クラスタ分析」ボタン
44 「クラスタ保存」ボタン
45 「因子マップ表示」ボタン
46 「再解析実行」ボタン
47 「商品スコア切替」ボタン
50 クラスタ分割位置操作用ウィンドウ
51 分割位置設定用バー
52 分割可能部表示用「○」
60 商品解析ウィンドウ
61 「相関係数表示」ボタン
62 「棒グラフ表示」ボタン
63 「クラスタ分析」ボタン
65 「商品マップ表示」ボタン
66 「因子スコア切替」ボタン
70 情報処理装置
71 CPU
72 記憶部
72a 可搬記憶媒体
73 メモリ
74 入出力インタフェース部
81 CD−ROM
82 フロッピィーディスク
83 外部の装置
84 回線
Claims (3)
- 情報処理装置によって実現されるマーケティング分析支援システムであって、
少なくとも物理的視点から要素分解されて成る各評価因子と心理的視点から要素分解されて成る各評価因子とが格納される評価因子格納手段と、
各評価対象のデータを格納する評価対象格納手段と、
前記評価因子格納手段から各評価因子を読み出すと共に前記評価対象格納手段から各評価対象を読み出して、該読み出した各評価対象と各評価因子を一覧表示して、該各評価対象毎に任意の1以上の評価因子を選択入力させることで、各評価対象毎に任意の1以上の評価因子を対応付けた評価表を作成させる評価表作成支援手段と、
該評価表作成支援手段によって作成された前記評価表が適正か否かをチェックし、適正ではないと判定した場合には警告または再検討を促すメッセージを表示する評価表チェック手段と、
前記評価表チェック手段によってチェック済みの評価表のデータを用いて、少なくとも数量化III類解析処理を実行して、評価因子相互の関係を示す因子マップまたは/及び評価対象相互の関係を示す商品マップを作成して、該因子マップまたは/及び商品マップを表示する解析/表示手段とを有し、
前記評価表チェック手段における前記評価表が適正か否かを判定する処理は、以下の(a)〜(c)の全て、あるいは少なくとも1つ以上を実行するものである
(a)前記各評価因子毎に、その評価因子に対応付けられた評価対象の個数を算出して該算出結果に基づいて当該評価因子が適正か否かを判定する処理;
(b)各評価因子間の相関係数を算出し、該相関係数に基づいて各評価因子が適正か否かを判定する処理;
(c)前記各評価対象毎に、その評価対象に対応付けられた評価因子の個数を計算して該個数に基づいて適正か否かを判定する処理;
ことを特徴とするマーケティング分析支援システム。 - 前記解析/表示手段は、更に、実際の販売データまたは該実際の販売データの時系列的推移を前記因子マップ上または商品マップ上にマッピング表示することを特徴とする請求項1記載のマーケティング分析支援システム。
- 前記評価因子格納手段に格納される各評価因子には各々ユニークな因子番号が割り当てられていることを特徴とする請求項1または2に記載のマーケティング分析支援システム。
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