JP4939150B2 - ヒンジ装置 - Google Patents
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Description
上記の調整作業は、扉と装着されたヒンジ装置1をいったん取り外してから多角形孔3cに対する多角形突起4bの向きを変えた後、ピボット軸10の位置をずらして偏心孔4aに嵌着してなされ、偏心位置は嵌着する多角形の位置に対応した段階毎に変えようとしたものである。
さらに、前後方向の調整を行おうとして基板4を回転させると、この回転によって左右方向の調整に影響を与えてしまい、それらの調整が互いに干渉してしまうという欠点がある。
なお、図1に示す枠体50の左右方向Xを幅方向、前後方向Zを奥行き方向、また、上下方向Yを高さ方向ともいう。
枠側ヒンジ部Cは、図4に示すように、枠用取付部材70、枠用ベース80、第一のねじ部材である調整ねじ90、枠用調整体100、ブッシュ110、及び枠用カバー120を主要の構成としたものであり、それらの詳細は次のとおりである。
垂直取付け部72には、図示しない木ねじを挿入するための円形孔72aと所要の長さにした横長孔72b、横長孔72cと円形孔72dとが互いに所定の間隔をおき、また、上下二段にして形成されている。
このガイド溝81の底面81a上に、詳細を後述する調整ねじ90を正逆回転自在に保持するねじ保持部84が形成されているとともに、開口縁部に嵌合用片81b,81cを内方に突出形成している。
ねじ位置決め片85は、調整ねじ90の円柱状連結部91の幅と一致し、かつ、上端面85aを中央溝部91と一致する半径の凹曲面にして形成されている。
外周壁80cには、中心軸線D3に一致する対向位置に、後述する枠側カバー120の係止突起122,122を係止するための係止片87,87が形成されている。なお、88は、ストッパーピン89を挿入するためのピン挿入孔である。
この枠用調整体100の上半部には後述するブッシュ110の挿入部111を挿入支持するための円筒形の支持凹部101が形成されているとともに、下半部には、下向きU字形の溝102が側面100a,100b間にわたり形成されており、その溝102の半円形にした上壁部分に、上述した調整ねじ90の雄ねじ部92,92に螺合する雌ねじ103を螺刻している。
また、側壁100c,100dには、枠用ベース80のガイド溝81に摺動自在に嵌合する突出片103,103が形成されている。
周壁121の内面121aであって互いの対向位置には、枠用ベース80の係止片86,86に係止するための係止片122,122が内方に突出して形成されている。
周壁121には、枠用カバー120を枠用ベース80に係着したときに、調整ねじ90の端面93,93に対向する位置に、調整ねじ90の正逆回転操作を許容するための下向きU字形の開口123,123(一方は図示していない)が形成されている。
また、上壁124には、前記した左右方向、すなわち、枠用調整体100の移動方向に細長い長穴125が形成されている。
まず、枠用取付部材70の水平取付け部71に形成した孔71d,71eと、枠用ベース80の円形孔82,83にリベット40,40を挿入してカシメることにより、枠用取付部材70に枠用ベース80を固定する。
上記した調整ねじ90をドライバ等により正逆回転させると、調整ねじ90の正逆回転に従って枠用調整体100が左右方向(X方向)で摺動する。
扉側ヒンジ部Dは、図3,6,7に示すように、扉用取付部材200、扉用ベース210、第二のねじ部材である調整ねじ220、扉用調整体230、ガイド部材240、軸250、ツマミ260、付勢部材であるコイルスプリング270及び扉用カバー280からなり、これらの詳細は次のとおりである。
水平取付け部201の一端側半部201aには円形孔202,203が、互いに所要の間隔をあいて対角線上に穿設されている。
起立部201cには、木ねじ(図示しない)を挿入するための円形孔206が形成されている。
ベース部211は平面視略コ字形のガイド溝219が形成されており、このガイド溝218の側壁213の中央には、下記の調整ねじ220を正逆回転自在に保持するねじ保持部214が形成されている。
ねじ保持部214は、側壁213上であって中心軸線D4に一致して突設したねじ位置決め片215の両側に、調整ねじ220の雄ねじ部222に一致する半径の凹曲面に形成した載置部216,216を突設した構成になっている。
雄ねじ部222,222の各外端面223,223には、図示しないプラスドライバ等を挿入して回転させるための十字溝224,224(一方は図示しない)が形成されている。
ねじ螺合部231は平面視略コ字形に形成されており、上記したベース部211のガイド溝219に摺動自在に嵌合する嵌合片233,233を外方に向けて突設しているとともに、嵌合片233,233の間に形成したU字形溝234の半円形部分に、上記した調整ねじ220に螺合する雌ねじ部235を形成している。
また、上壁241aには、軸250の上端部を上方に突出させるための突出用孔243が形成されている。
細径部252の上端面252aには、細径部252よりもさらに細径の円柱状突起253が突設されている。
まず、扉用取付部材200の他端側半部201bに形成したリベット挿入孔205…と、扉用ベース210のリベット挿入孔217…にリベット40…を挿入してカシメることにより、扉用取付部材200に扉用ベース210を固定する。
また、ガイド溝219に差し込んだ扉用調整体230の軸支持部232に、ガイド部材240を挿入した後、このガイド部材240にコイルスプリング270を環挿した軸250を挿入する。
この状態において、軸250は、上端をガイド部材240の上壁241aに当接し、下端を軸250の太径部251の上縁面251aに当接したコイルスプリング270によって常時下方に突出させようとする弾性力が加わるが、軸250の上端部に固定したツマミ260が扉用調整体230の上壁232aに当接することにより、一定寸法だけ突出した状態に維持される。
また、上記の軸250は、これに下方から上向きの押圧力が加わると、コイルスプリング270の弾性力に抗して上方に移動する。
まず、図5〜7に示すように、扉60の右側側壁60a下隅部に、扉側ヒンジ部Dの扉用取付部材200の垂直取付け部202の輪郭に合わせた切込み61を形成しておくとともに、扉60の右側底壁60b下隅部に、水平取付け部201の輪郭に合わせた切込み62を形成しておく。
「所要の寸法」は、ドライバ等の一般工具によって、調整ねじ220を容易に回転操作できる程度のものである。
このように、木ねじ41…を横長孔71c,72c,72bに緩く螺入した状態にして、枠側ヒンジ部Cを前後方向(Y方向)で位置決めすることにより、枠体50への固定位置を枠体50の前後方向で無段階に調整可能としている。
また、枠体50に枠側ヒンジ部Cを固着した状態では、図2,5,6に示すように、枠用ベース80に保持されている調整ねじ90は、枠体50で囲繞区画された空間部外に配置されるようになっている。換言すると、扉60の表面から前後方向(Y方向)に所要の寸法だけ離間した位置に配置されている。
「所要の寸法」は、ドライバ等の一般工具によって、調整ねじ90を容易に回転操作できる程度のものである。
前記した準備の完了後に、ヒンジ装置Aは扉60の右下隅部と枠体50の縦枠材右下隅部とを向い合わせとなるようにし、また、ヒンジ装置Bは扉60の右上隅部と枠体50の縦枠材右上隅部とを向合わせとなるようにし、扉60を枠体60で囲繞された空間部に吊り込む。
これにより、軸250がガイド部材240内に退行し、また、軸250がブッシュ110の嵌挿孔261に一致したときには、コイルスプリング270の弾性力によって伸出するので、抵抗なくヒンジ装置A,Bの軸芯を容易に合わせることができる。
これにより、枠体50の横枠材53下面と扉60の上面との間隔が「a」よりも狭い「c」になり、また、枠体50の横枠材54下面と扉60の下面との間隔が「b」よりも広い「d」になる。このとき、縦枠材52と扉60の右側面との間隔は、扉60の上方への移動調整の前後にわたり間隔eに保たれる。
なお、扉60を下方に移動させるには、調整ねじ220を上記とは逆向きにドライバ15等で回転させればよい。
この場合も、扉60の左右方向への移動調整の前後にわたり、枠体50の横枠材53下面と扉60の上面との間隔a、枠体50の横枠材54下面と扉60の下面との間隔bを保たせることができる。すなわち、扉60を左右方向に移動調整しても、その調整により扉60の上下方向の間隔を変えてしまうことがない。換言すると、左右方向への扉の移動調整と、上下方向の移動調整とを互いに独立して行うことができる。
なお、縦枠材52と扉60の右側面との間隔eを狭めるには、各調整ねじ90を上記とは逆向きにドライバ15等で回転させればよい。
また、扉用取付部材200、第二のねじ部材である調整ねじ220、扉用ベース210、扉用調整体230、軸250、及び付勢部材であるコイルスプリング270により、枠体50の上下方向で扉60を移動調整する上下方向調整手段を構成している。
なお、前述した参考例の実施形態において説明したものと同等のものには、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
枠側ヒンジ部Fは、枠用取付部材300、枠用ベース310、第一のねじ部材である調整ねじ90、枠用調整体100、ブッシュ110、及び枠用カバー120を主要の構成としたものであり、それらの詳細は次のとおりである。なお、調整ねじ90、枠用調整体100、ブッシュ110、及び枠用カバー120については、前述した参考例の実施形態に係るヒンジ装置において説明したものと同等のものには、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
垂直取付け部302には、図示しない木ねじを挿入するための円形孔302a,302aが上側角隅部近傍と下側角隅部近傍に形成されている。
このガイド溝311の底面311a上に、上記したものと同等の調整ねじ90を正逆回転自在に保持するねじ保持部313が形成されているとともに、開口縁部に嵌合用片311b,311bを内方に突出形成している。
ねじ位置決め片314は、調整ねじ400の円柱状連結部91の幅と一致し、かつ、上端面314aを中央溝部91と一致する半径の凹曲面にして形成されている。
外周壁には、中心軸線D2に一致する対向位置に、枠側カバー120の係止突起を係止するための係止片316,316が形成されている。
本実施形態においては、調整ねじ400が、枠体50の前後方向(Y方向)で扉60を移動調整するための第三のねじ部材である。
扉側ヒンジ部Gは、前述した扉用取付部材200と同等の構成からなる扉用取付部材360、扉用ベース320、第二のねじ部材である調整ねじ220、第一のねじ部材である調整ねじ330、扉用上下調整体340、扉用左右調整体350、ガイド部材240、軸250、ツマミ260、スプリング270及び扉用カバー280からなるものである。以下には、扉用ベース320、扉用上下調整体340、扉用左右調整体350の詳細を主として説明する。
水平取付け部361の一端側半部には円形孔361a,361aが、互いに所要の間隔をあいて対角線上に穿設されている。
起立部364には、木ねじ(図示しない)を挿入するための円形孔364aが形成されている。
垂直取付け部362には、図示しない木ねじを挿入するための2つの円形孔362a,362aが対角線上に互いに所要の間隔をおいて穿設されている。
水平板部321の一端部側には、平面視において中心軸線D3に一致してガイド溝323が形成されているとともに、中心軸線D1に一致して上下面に連通する固定用孔324が形成されているとともに、他端部側にも中心軸線D1に一致して上下面に連通する固定用孔325が形成されている
このガイド溝323の底面323a上に、上記した調整ねじ90と同等の調整ねじ330を正逆回転自在に保持するねじ保持部326が形成されている。 ねじ保持部326は、前記したねじ位置決め片と同等の構成からなるねじ位置決め片327の両側に、調整ねじ330の雄ねじ部331,331の外径に一致する半径の凹曲面に形成した載置部328,328(一方は図示しない)を突設した構成になっている。
水平板部351の一端部下面にはU字形溝353が下側を開口して形成されており、そのU字形溝353の半円形部分に、上記した調整ねじ330に螺合する雌ねじ部(図示しない)を形成している。
起立板部352には、ねじ保持部313と同様の構成からなるねじ保持部353が形成されている。
この構成によれば、上記した調整ねじ330をドライバ等により正逆回転させると、調整ねじ330の正逆回転に従って扉用左右調整体350が左右方向(X方向)で摺動する。
ねじ螺合部341は平面視略コ字形に形成されており、上記した扉用左右調整体350のガイド溝に摺動自在に嵌合する嵌合片343,343を外方に向けて突設しているとともに、嵌合片343,343の間に形成したU字形溝344の半円形部分に、上記した調整ねじ220に螺合する雌ねじ部(図示しない)を形成している。
また、第一のねじ部材である調整ねじ330、扉用ベース320、及び扉用左右調整体350により、枠体50の左右方向で扉60を移動調整する左右方向調整手段、第二のねじ部材である調整ねじ220、扉用上下調整体340、軸250、及び付勢部材であるコイルスプリング270とにより、枠体50の上下方向で扉60を移動調整する上下方向調整手段をそれぞれ構成している。
・上述した実施形態においては、同等の構成にした調整ねじ90,220,330,400を使用することにより、換言すると、同一の構成にした3つの調整ねじを使用することにより製造コストの低減を図っているが、これらに限るものではなく、例えば前後左右、及び上下調整を行うときに必要な力の差に従って、外径やピッチを互いに異ならせたものを採用してもよい。
・上述した実施形態においては、扉用上下調整体の軸支持部にガイド部材を嵌挿した例について説明したが、必ずしも必要なものではなく、摺動抵抗等を適宜勘案して設ければよい。
・上述した実施形態においては、軸にコイルスプリングを嵌挿したものを例として説明したが、軸内に中空部を形成しておき、この中空部に上記のものと同等のコイルスプリング等の弾性部材を挿入した構造にしてもよい。
・上述した実施形態においては、枠体への固定位置を枠体の前後方向で無段階に調整可能な枠用取付部材について説明したが、このような枠用取付部材に代えて、扉への固定位置を枠体の前後方向で無段階に調整可能な扉用取付部材を採用してもよい。
41 固定用部材(木ねじ)
50 枠体
60 扉
70,300 枠用取付部材
71c 長孔
72b 長孔
72c 長孔
80 枠用ベース
90 第一のねじ部材(調整ねじ)
94,224 回転用溝
100 枠用調整体
200 扉用取付部材
210 扉用ベース
220 第二のねじ部材(調整ねじ)
230 扉用調整体
240 ガイド部材
250 軸
270 付勢部材(コイルスプリング)
320 扉用ベース
330 第一のねじ部材(調整ねじ)
340 扉用上下調整体
350 扉用左右調整体
360 扉用取付部材
320 扉用ベース
400 第三のねじ部材(調整ねじ)
A,B,E ヒンジ装置
C,F 枠側ヒンジ部
D,G 扉側ヒンジ部
Claims (1)
- 枠体に固定する枠側ヒンジ部と、扉に固定する扉側ヒンジ部とからなるとともに、前記枠側ヒンジ部と前記扉側ヒンジ部との相対的な位置調整を行うことにより、前記枠体に対する前記扉の取付け位置を調整するヒンジ装置であって、
前記枠側ヒンジ部は、
前記枠体の前後方向で前記扉を移動調整するための第三のねじ部材と、
前記枠体に固着するための枠用取付部材と、
前記枠用取付部材に固着されているとともに、第三のねじ部材を枠体の前後方向に向けかつ正逆回転自在に保持する枠用ベースと、
前記第三のねじ部材に螺合し、かつ、前記枠用ベースに対して前記枠体の前後方向で摺動自在な枠用調整体とを有しており、
前記第三のねじ部材と前記枠用ベースと前記枠用調整体とにより前記枠体の前後方向で前記扉を移動調整するための前後方向調整手段が構成され、前記第三のねじ部材の正逆回転操作により、前記枠用調整体を前記枠体の前後方向で移動させるようにし
前記扉側ヒンジ部は、
枠体の左右方向で扉を移動調整するための第一のねじ部材と、
枠体の上下方向で扉を移動調整するための第二のねじ部材と、
前記扉に固定するための扉用取付部材と、
前記扉用取付部材に固着されているとともに、前記第一のねじ部材を前記枠体の左右方向に向けかつ正逆回転自在に保持する扉用ベースと、
前記第一のねじ部材に螺合し、かつ、前記扉用ベースに対して前記枠体の左右方向で摺動自在に支持されているとともに、前記第二のねじ部材を前記枠体の上下方向に向けかつ正逆回転自在に保持する扉用左右調整体と、
前記第二のねじ部材に螺合し、かつ、前記扉用左右調整体に対して前記枠体の上下方向で摺動自在な扉用上下調整体と、
前記扉用上下調整体を上下移動自在にし、かつ、上端部を前記扉用上下調整体に設けられた軸支持部に支持され、下端部を前記枠用調整体に保持された軸と、
前記軸の下端部が前記枠用調整体に常時保持されるように前記軸を弾性的に付勢する付勢部材とを有しており、
前記第1のねじ部材と前記扉用ベースと前記扉用左右調整体とにより枠体の左右方向で扉を移動調整するための左右方向調整手段が構成され、前記第一のねじ部材の正逆回転操作により、前記扉用左右調整体を前記枠体の左右方向で移動させるようにし、
第二のねじ部材と前記扉用上下調整体と前記軸と前記付勢部材とにより枠体の上下方向で扉を移動調整するための上下方向調整手段が構成され、前記第二のねじ部材の正逆回転操作により、前記扉用上下調整体を前記枠体の上下方向でそれぞれ移動させるようにしていることを特徴とするヒンジ装置。
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