JP4937472B2 - 安全かみそり - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全かみそりに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在は2枚又は3枚の刃を有する安全かみそりが主流であり、刃には孔や切欠が打ち抜かれていて、全く同一形状の刃を装着する場合もあるが、刃の縦幅が異なる刃を組合せる場合が最も多く、あるいは種々の理由から孔又は切欠の形状又は配列の異なる刃を組合せる場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
縦幅の異なる刃を製造したり、孔や切欠の形状又は配列が異なる刃を製造するときは、新たに別の打抜き機を配備する必要があった。また、同じ打抜き機を使用するとしても孔を打ち抜くためのパンチを交換しなければならなかった。このように、打抜き機を新たに配備したりパンチを交換することは時間的なロスが生じ、また必然的にコストの上昇を招いていた。
【0004】
本発明は、新たな打抜き機の配備を必要とせず、パンチの交換も必要としないで打抜き部の形状や配列を変更して製造できる刃を用いた安全かみそりを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、長さ方向に打抜き部が並べて設けられ、且つ該打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される第一の刃と、この第一の刃の打抜き部の間にさらに打抜き部が設けられ、これらの打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される第二の刃と、を有している構成である。また、請求項2は、第一の刃が、長さ方向に同一形状の打抜き部が等間隔で並べて設けられた帯状金属板を、1単位ごとに切断することにより製造されたものであり、第二の刃は、前記第一の刃が製造されるときに帯状金属板に設けられる打抜き部に、さらにそれらの打抜き部と同一形状の打抜き部を、すべての打抜き部が等間隔で並ぶように設けた帯状金属板を、1単位ごとに切断することにより製造された構成である。
【0006】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成であって、長さ方向に打抜き部が並べて設けられ、且つ該打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される第一の刃と、この第一の刃の打抜き部の間にさらに打抜き部が設けられ、これらの打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される第二の刃と、を有している。したがって、第一の刃の設けられている打抜き部は第二の刃にも同じように設けられているから、この共通する打抜き部を天板の突起が通る構成にすれば、打抜き部の配列の異なる複数の刃を安全かみそりに装着することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1の刃と図2の刃は孔のピッチが異なるものであって、2枚以上の刃を有する安全かみそりにそれらを適宜組合せて使用することができる。ここでは、図1の刃が上刃25として使用され、図2の刃が下刃27として使用される場合について説明する。上刃25は孔28のピッチが小さいものであり、下刃27の孔29は孔28のピッチの2倍である。また、孔28と孔29の縦幅は同一であり上刃25と下刃27の縦幅も同一である。刃の材料となる帯状金属板は非常に長いものであってロ−ル状に巻かれている。また、最初にロ−ル状に巻かれている状態において孔などは存在せず、単なる細長い金属板そのものである。
【0008】
ロ−ル状に巻かれていた帯状金属板は、上刃25を製造するときは製造ラインの途中で刃の横幅の長さである1単位の中に6つの孔28が存在するように、同一形状の孔28が等間隔に設けられる。1単位の孔の数がこれに限定されないことは勿論である。
【0009】
帯状金属板は、製造ラインの途中で刃付けされて刃先縁が形成される。そして所定の位置で切断して上刃25が製造される。所定の切断位置は孔28の中心を横切る線に限定されないことは勿論であって、孔の片方に寄った位置でもよい。また、孔28とその隣の孔28の間の板部分であってもよい。さらに、切断位置の間隔を変更することによって刃の横幅を変更することができる。
【0010】
孔28はすべて同一形状でなくてもよいし、等間隔でなくてもよい。また、打抜き部は孔に限定されるものでなく切欠であってもよい。また、刃の打抜き部は孔と切欠の組合せであってもよい。
【0011】
下刃27は、各孔29のピッチを上刃25の孔のピッチの2倍としたものである。下刃27の製造方法は上刃25と同じである。ここで、上刃25と下刃27の孔を設けるための打抜き機は同じものを使用することができる。例えば、孔を打ち抜くためのパンチのピッチを図1の上刃25と同じものとし、これによって上刃の孔28を設けることができる。次に、図2の下刃27のピッチで孔29を打ち抜くときは上刃25のときに稼働したパンチをひとつ置きに稼働しないように設定すればよい。残りのパンチにより製造された下刃の孔29,29は図1に示した上刃の中央寄りの2つの孔28,28と重なるのである。この結果、安全かみそりにこの2種類の刃を重ねたときに、天板の底面から突出する突起を孔28,29に挿通することができる。
【0012】
図3乃至図13は上刃25と下刃27を用いた3枚刃安全かみそりのカ−トリッジに関する図である。3枚刃カ−トリッジの刃の支持構造は天板1と刃台2とから成る。天板1は両側面部3,3の間に刃押え部4が延在し、両側面部3,3の両前端の間にガ−ド部本体5が前記刃押え部4との間に開放口6を介して延在している。開放口6から刃の刃先縁が露出する。また、刃押え部4の上面に設けた凹部50内にシェ−ビングエイド49が固着されている。凹部50の底には2本の突条が設けられているのでシェ−ビングエイド49は強固に固着される。本発明がカ−トリッジに限定されることはなく、刃台とハンドルが一体形成された安全かみそりであってもよいことは勿論である。
【0013】
図3及び図4に示したように、刃支持部は階段状に形成されている。図6は天板1の底面図であって、この図に示されている通り第一の刃支持部7が刃押え部4の底面に4つ並べて設けられている。また、第二の刃支持部8が両側面部3,3の底面であって第一の刃支持部7よりも前寄りの位置に2つ設けられている。前述した通り刃支持部は階段状に形成され、階段は上段と下段の2段を有している。第一の刃支持部7は上段9が前寄りで下段10が後寄りである。第二の刃支持部8も上段11が前寄りで下段12が後寄りである。後述するように、各刃支持部7,8の上段及び下段が各刃の非重合部に当接して刃を支持する作用をなす。
【0014】
符号13は第一の刃支持部の上段9から突出する突起であって、刃及び刃台の孔に挿通して刃を刃台と天板1との間に固定するためのものである。また、符号14はガ−ド部本体5の底面に設けられた突起であって刃台の孔に挿通して刃台2と天板1とを結合するためのものである。また、ガ−ド部本体5の表面にシェ−ビングエイド33が存在するのでヒゲ剃りを円滑に行うことができる。
【0015】
図10は刃台2の上面図であって、この図に示されている通り第三の刃支持部16が上面の中ほどに4つ並べて設けられている。また、第四の刃支持部17が上面の後端部に沿って4つ並べて設けられている。前述した第一及び第二の刃支持部7,8と同様に第三及び第四の刃支持部16,17も階段状に形成され、階段は上段と下段の2段を有している。第三の刃支持部16は上段18が後寄りで下段19が前寄りである。第四の刃支持部17も上段20が後寄りで下段21が前寄りである。
【0016】
符号22は孔であって、上述した天板の突起13を挿通させるためのものである。また、符号23は刃台のガ−ド基部24に設けられた孔であって、上述した天板の突起14を挿通させるためのものである。ガ−ド基部24の先端に沿ってエラストマ−部31が立ち上がるように設けられている。符号52はエラストマ−部31のはみ出し部であって、このはみ出し部が刃台2の溝に係合することによってエラストマ−部31は刃台2に強固に固着される。ガ−ド基部24とエラストマ−部31とで形成される溝32内に天板のガ−ド部本体5が嵌合されることによって、ガ−ド部の表面はエラストマ−部31の表面とシェ−ビングエイド33の面が平行に隣接して延在するように形成される。
【0017】
カ−トリッジに使用される刃は2種類であって図1に示した刃は上刃25及び中間刃26として使用される。上刃25及び中間刃26は5つの孔28が並べて設けられ、両端に切欠30,30が設けられている。図2に示した刃は下刃27として使用される。下刃27は2つの孔29が並べて設けられ、両端に切欠43,43が設けられている。
【0018】
図12は、本発明の組立て方法を示したものである。図のように天板1は逆さに置かれ、まず上刃25が天板1の底面15(図12では上側の面)に置かれる。このときに、上刃の5つの孔28の中の、中央の両隣に設けられた孔28,28に突起13及び第一の刃支持部7が挿通される。
【0019】
次に、中間刃26が上刃25よりもやや前方へずらした状態で置かれる。中間刃26をずらしたことによって、上刃の孔の内周後縁部34と中間刃の孔の内周後縁部35とが全部重ならずに非重合部分が生じる。非重合部が存在することによって、孔28を挿通するのは突起13と第一の刃支持部の上段9であって、下段10は中間刃の内周後縁部35に阻止されて中間刃を支持する作用をなす。すなわち、中間刃の内周後縁部35は第一の刃支持部の下段10に支持される。このような支持は、両端の切欠30,30の内周後縁部36,36と天板の両側面部3,3の底面に設けた第一の刃支持部7,7との間でも行われる。
【0020】
中間刃26をずらしたことによって、さらに、上刃の前縁部37と中間刃の前縁部38とが全部重ならずに非重合部分が生じる。非重合部が存在することによって、中間刃の前縁部38の両端は第二の刃支持部の下段12に支持される。
【0021】
中間刃26を上述したように置いた後、下刃27が中間刃26よりもやや前方へずらした状態で置かれる。下刃27をずらしたことによって、中間刃の孔の内周後縁部35と下刃の孔の内周後縁部42とが全部重ならずに非重合部分が生じる。非重合部が存在することによって、孔29を挿通するのは突起13のみであって、上段9は下刃の内周後縁部42に阻止されて下刃27を支持する作用をなす。すなわち、下刃の内周後縁部42は第一の刃支持部の上段9に支持される。このような支持は、両端の切欠43,43の内周後縁部36,36と天板の両側面部3,3の底面に設けた第一の刃支持部7,7との間でも行われる。
【0022】
下刃27をずらしたことによって、さらに、中間刃26の前縁部38と下刃27の前縁部39とが重ならずに非重合部分が生じる。非重合部分が存在することによって、下刃の前縁部39の両端は第二の刃支持部の上段11に支持される。
【0023】
上述したように、逆さに置かれた天板1に上刃25、中間刃26及び下刃27をセットした後、天板1に刃台2を結合する。刃台2も逆さにして、天板の突起13を刃台の孔22に挿通し、天板の突起14を刃台の孔23に挿通し、刃台底面に突出した各突起13,14の先端をつぶして天板1と刃台2を結合する。
【0024】
天板1と刃台2が結合されたときに、刃台の上面(図12では下側の面)に設けられている第四の刃支持部の上段20が、上刃25と中間刃26との非重合部分である上刃の後縁部40及び内周後縁部34に圧接し、下段21が中間刃26と下刃27との非重合部分である中間刃の後縁部41及び内周後縁部35に圧接する。また、刃台の上面46が下刃の内周後縁部42に圧接する。
【0025】
これと同時に、第三の刃支持部の上段18が下刃の孔29と中間刃の孔28内を通過して上刃の孔の内周前縁部45に圧接し、下段19が下刃の孔29を通貨して中間刃の孔の内周前縁部47に圧接する。また、刃台の上面46が下刃の孔の内周前縁部48に圧接する。さらに、第三の刃支持部16が各刃の切欠の内周前縁部44に圧接する。
【0026】
以上のようにカ−トリッジを組立てることによって、各刃の孔の内周後縁部34,35,42は上下から圧接状態で挟まれ、各刃の前縁部37,38,39の両端も上下から圧接される。また、各刃の孔の内周前縁部45,47,48は下から圧接され、上刃の孔の内周前縁部45は刃押え部4によって上からも圧接される。このように各刃に圧接することによって、各刃は確実に固定することができる。なお、この階段式の安全かみそりは3枚刃に用いられる場合に限られず2枚刃であってもよく4枚以上の刃を有するものであってもよい。4枚以上の刃のときは刃支持部の階段の数を増やせばよいし、本発明の数種の刃を適宜組合せて用いればよい。
【0027】
図3又は図13に示したように、階段状の各刃支持部7,8,16,17の上段及び下段をやや傾斜させることによって各刃が非平行となり、各刃から刃先縁の先に延びる延長線が刃先縁の先方で交差する。また、上段及び下段の傾斜を逆にすれば、各刃の延長線が刃先縁の先方に向って開くように設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上刃及び中間刃の正面図
【図2】 下刃の正面図
【図3】 図5のB−B断面図
【図4】 図5のA−A断面図
【図5】 本発明の正面図
【図6】 天板の底面図
【図7】 天板の前面図
【図8】 天板の側面図
【図9】 図6におけるC−C断面図
【図10】 刃台の上面図
【図11】 図10におけるD−D断面図
【図12】 本発明の組立て工程の説明図
【図13】 組立て完了後の断面図
【符号の説明】
1 天板 2 刃台、 3 側面部、 4 刃押え部、 5 ガ−ド部本体、 6 開放口、 7 第一の刃支持部、 8 第二の刃支持部、 9 上段、 10 下段、 11 上段、 12 下段、 13 突起、 14 突起、 15 天板の底面、 16 第三の刃支持部、 17 第四の刃支持部、 18 上段、 19 下段、 20 上段、 21 下段、 22 孔、 23 孔、 24 ガ−ド基部、 25 上刃、 26 中間刃、 27 下刃、 28 孔、 29 孔、 30 切欠、 31 エラストマ−部、 32 溝、 33 シェ−ビングエイド、 34 孔の内周後縁部、 35 孔の内周後縁部、 36 切欠の内周後縁部、 37 前縁部、 38 前縁部、 39 前縁部、 40 後縁部、 41 後縁部、 42 孔の内周後縁部、 43 切欠、 44 切欠の内周前縁部、 45 孔の内周前縁部、 46 刃台の上面、 47 孔の内周前縁部、 48 孔の内周前縁部、 49 シェ−ビングエイド、 50 凹部、 51 突条、 52 はみ出し部
Claims (2)
- 長さ方向に打抜き部が並べて設けられ、且つ該打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される刃、を複数枚有している安全かみそりであって、
長さ方向に打抜き部が並べて設けられ、且つ該打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される第一の刃と、
該第一の刃の打抜き部の間にさらに打抜き部が設けられ、これらの打抜き部が所定の長さを1単位として規則的に繰り返すように並んでいる帯状金属板を、前記所定の長さの1単位ごとに切断することにより製造される第二の刃と、
を有していることを特徴とする安全かみそり。 - 第一の刃は、長さ方向に同一形状の打抜き部が等間隔で並べて設けられた帯状金属板を、1単位ごとに切断することにより製造されたものであり、第二の刃は、前記第一の刃が製造されるときに帯状金属板に設けられる打抜き部の間に、さらにそれらの打抜き部と同一形状の打抜き部を、すべての打抜き部が等間隔で並ぶように設けた帯状金属板を、1単位ごとに切断することにより製造されたものである請求項1記載の安全かみそり。
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