JP4937273B2 - 同軸線路スロットアレーアンテナとその製造方法 - Google Patents

同軸線路スロットアレーアンテナとその製造方法 Download PDF

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この発明は、同軸線路に複数のスロットを形成してなる同軸線路スロットアレーアンテナとその製造方法に関するものである。
同軸線路スロットアレーアンテナに関連するアンテナ方式として、一般に、導波管スロットアレーアンテナがある(例えば、特許文献1参照)。この導波管スロットアレーアンテナは、導波管と、導波管の両端部を短絡する短絡板と、導波管の幅広壁面に設けられたスロットとを組み合わせてサブアレーを構成する。そして、それらサブアレーへの給電手段として給電回路があり、サブアレーと各サブアレーに付加している給電回路を組み合わせて導波管スロットアレータイプの平面アレーアンテナを構成する。
このアンテナは、各サブアレーに付加している給電回路に信号経路を介して入力信号が一様に伝えられることで、一様に励振される。サブアレー単位である導波管スロットアレーでは、導波管の両端部が短絡板にて短絡され、管内には使用周波数にて定在波が伝搬するようにその長さが設定されている。スロットは、その長さを略1/2波長とし、定在波励振に見合った所望の間隔で配置され、それぞれ一様励振される。従って、平面アンテナ上のスロットは全て一様励振されて、高利得な放射特性を実現できる。
また、位相制御する手段を備えることで、ビームスキャンすることが可能である。なお、スロットの向きは交互に異なっており、これは管軸上に1/2λg(λgは導波管の管内波長)間隔で配置しているためである。また、使用偏波によっては、例えば、導波管シャントスロットアレータイプとして使用しても良い(例えば、特許文献2参照)。
なお、導波管スロットアレーアンテナの特徴は、スロットを励振するための導波管を伝送線路としてみた場合、マイクロストリップ線路、サスペンデット線路等、他の線路に比べて非常に低損失であることが第一に挙げられる。
同軸線路を給電に使用した例としては、同軸線路にプローブの一端を挿入し、他方端に素子アンテナを接続して、アンテナへの給電を図るものがある(例えば、特許文献3参照)。しかし、プローブを用いるということで、構造が複雑になり、プローブ長の調整も困難である。
特開昭62−210704号公報 特開2005−204344号公報 特開2000−209024号公報
導波管スロットアレーアンテナでは、前述したように、一般的にスロットは導波管の幅広壁面に構成される。ここで、導波管断面寸法は使用周波数によって決定され、通常は、遮断周波数での1/2波長より大きく、広い側の内壁間隔を設定する。このため、使用周波数の1/2波長よりも大きくなる。また、アレー化する場合には隣接導波管との壁厚も考慮するため、素子間隔としてはそれより広くならざるを得ない。
ところで、アレーアンテナにおいて、広角、例えば±60度範囲までビームスキャンする場合には、素子間隔を1/2波長程度に設定する必要がある。このため、導波管幅広壁面にスロットを設けた平面アレーアンテナでは広角までビームスキャンすることが困難である。
この課題に対して、導波管幅狭壁面にスロットを設けた導波管スロットアレーがある。標準導波管を例にとると、幅狭壁面は幅広壁面の略1/2程度の幅であるため、広壁面の場合に比べて素子間隔を狭く設定できる。しかし、導波管を立てて平面アレーアンテナを構成することとなり、アンテナサイズ(高さ)が大きくなる課題がある。
また、導波管内に誘電体を充填して管内波長短縮の効果で導波管断面サイズを小さくすることも考えられる。この場合、導波管性能が誘電体材料の特性に左右されることと、誘電体充填を考慮した製造方法に複雑さがみられ、量産性を踏まえると適当な方式とは言えない。
さらに、リッジ導波管を用いて幅広壁面寸法を狭めることも考えられるが、導波管内にリッジを設けるため、構造が複雑となり、誘電体充填の場合同様製造性に課題がある。
この発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、低損失、低姿勢でありつつ、広角範囲に亘ってビームスキャンできるような狭い素子間隔を設定できるスロットアレーによる平面アンテナを構成する同軸線路スロットアレーアンテナとその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る同軸線路スロットアレーアンテナは、内導体とその外周を取り囲むように設けた外導体とから構成され、両端部を短絡してなる同軸線路と、前記同軸線路を励振させるための給電手段と、前記同軸線路の管軸方向に対してある角度をなして前記外導体上に設けられた概略共振長を持つ複数のスロットとを備え、前記同軸線路を方形同軸線路とし、前記複数のスロットを前記方形同軸線路の管軸方向に平行な任意の一側面に設けて、前記方形同軸線路、前記給電手段及び前記複数のスロットで一個単位のサブアレーを構成し、サブアレーを平面上に複数配列して2次元アレーアンテナを構成したものである。
また、この発明に係る同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法は、内導体とその外周を取り囲むように設けた外導体とから構成され、両端部を短絡してなる方形同軸線路と、前記方形同軸線路の管軸方向に平行な任意の一側面に設けられた複数スロットと、前記方形同軸線路を励振させるための給電手段とで一個単位のサブアレーを構成し、サブアレーを平面上に複数配列して2次元アレーアンテナを構成する同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法であって、前記方形同軸線路の管軸方向に平行で、かつ、前記スロットの設けられている外導体の側面にも平行となるように分割スライスしたプレート状の各部位を、複数の金属導体板をそれぞれ個別に切削する工程と、各部位が切削された複数の金属導体板を圧着にて積層する工程とを備えたものである。
この発明によれば、低損失、低姿勢でありつつ、広角範囲に亘ってビームスキャンできるような狭い素子間隔を設定できるスロットアレーによる平面アンテナを構成することができる。
この発明の実施の形態1に係る同軸線路スロットアレーアンテナの構成を示す斜視図である。 図1のAA断面図である。 同軸線路の管軸方向に配置された複数のスロットの配置例を示す図である。 両端部をT分岐状にしたスロットの説明図である。 外導体からはみ出したスロット端部もスロット外形(側面)を形成したスロットの説明図である。 スロット4側の内導体2に凸部21と凹部22を設けた1サブアレーの断面図である。 スロット4近傍の外導体1に凸部23を設けた1サブアレー7の断面図である。 同軸線路内に誘電体材料31を充填した同軸線路スロットアレーを示す図である。 誘電体材料の充填とは異なる手法にて同軸線路管内波長を短縮するために内導体2を蛇行状に構成した1サブアレーの断面図である。 同軸線路の先端短絡部分の管内波長を短縮する効果を得る構造を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法を説明するための断面およびアンテナ一部分の断面分解図である。 図11の断面分解図を立体的に示した模式図である。
以下に説明する実施の形態では、送信にも受信にも対応できるアンテナ構造を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る同軸線路スロットアレーアンテナの構成を示す斜視図である。図1において、方形同軸線路でなる同軸線路3は、外導体1と内導体2とで構成され、放射面を構成する外導体1の壁面上にスロット4が設けられる。
また、図2は、図1のAA断面図である。図2に示すように、同軸線路3の両端面は短絡板5により短絡されており、同軸線路3には結合孔6が設けられて給電手段(ここでは、導波管を想定)から給電されるようになっている。前記同軸線路3、スロット4、短絡板5、および給電手段に繋がる給電用の結合孔6とで一個単位の同軸線路スロットアレーアンテナが構成される。以後、これをサブアレー7と表記する。前記の通り、各サブアレー7下部には導波管により構成した給電手段としての給電回路8が設けられており、その幅狭壁面に結合孔6を設けている。このサブアレー7が図1に示すように平面上に複数配列されて2次元アレーアンテナを構成している。
次に動作について送信系を想定して説明する。給電回路8に入力された信号は、回路内に等分配されて各サブアレー7下部に伝搬し、結合孔6を介して同軸線路スロットアレー(サブアレー)7に電磁結合により伝達される。そして、同軸線路3内を伝搬してスロット4から放射される。この際、サブアレー7内の各スロット4では一様励振される。また、給電回路8に接続されている各サブアレー7(一列分)も一様励振される。さらには、左右方向に隣接したサブアレー列7(図1参照)間も図示していないが給電回路8の下段に構成される給電手段によって一様に給電される。従って、図1に示す平面アレーアンテナは、その素子である全スロット4が等振幅、等位相にて励振されるため、高利得な放射特性が得られる。
ここで、1サブアレー内での各スロット4が一様励振される原理を以下に説明する。同軸線路3の両端部が短絡板5にて短絡され、管内には使用周波数にて定在波が伝搬するようにその長さが設定されている。同軸線路3内はTEM波が基本モードとして伝搬するので、その管内波長λgは自由空間波長λ0と等しい。このため、同軸線路3の長さは略波長λ0の整数倍とする。スロット4の長さは略λ0/2の共振長とする。サブアレー内両側端部のスロット位置は短絡板5からそれぞれ略λ0/2離し、その他のスロットは隣接スロット間隔が略λ0となるように配置する。
図3にその配置例を示す。図3において、9は外導体1上で定在波の腹の位置に流れる電流の向きを表している。また、スロット間間隔dは波長λ0となる。これにより、定在波の腹の位置では電流最大となるので、そこにスロット4を配置することで、一様励振され、かつ効率良く放射することが可能となる。
さて、前記のように同軸線路3はTEM波が伝搬する。このTEM波のみ伝搬し、他の高次モードは発生しないようにするには、同軸線路3の内導体径aと外導体径bには制限がある。遮断周波数での波長をλcとすると、
λc≒π(a+b) (1)
の関係が成り立ち、λcより長い波長の電磁波を用いることで、TEM波のみ伝搬させることが可能となる。
すなわち、理想的には、a、bの寸法より十分長い波長の電磁波も伝搬できるということになるので、同軸線路3の寸法を使用周波数の波長に対して十分小さく設定できる。以上より、導波管スロットアレーアンテナよりも、狭い間隔でスロットアレーを隣接配置でき、広角範囲でのビームスキャンが可能となる利点がある。
また、同軸線路3は、マイクロストリップ線路、サスペンデット線路等の他の線路に比べて低損失である特徴もある。さらに、製造する金属材料によっては導波管での損失に匹敵する特性も得ることが可能である。
さらに、同軸線路スロットアレーへの給電手段として、ここでは導波管を使用した場合を述べたが、同軸線路による給電でもかまわない。この場合は、導波管の場合(同軸線路3へは導波管幅狭壁面に設けた結合孔6を介して給電するので、導波管を立てて配置する場合)に比べて、アンテナ高さを低く抑えることが可能である。また、この場合、結合孔の形状は導波管の場合とは異なる。
図3に示すように、スロット4は同軸線路3の管軸方向に平行な任意の一側面に管軸に対して角度α回転して配置している。電流の向き9を鑑みると角度範囲は制限され、0より大きく180度未満となる。α=0(あるいは180度)ではスロット4は励振しない。なお、この角度αの調節によって偏波を変えることが可能である。
図4と図5には、スロット4の形状が異なる場合を示している。図4は、両端部をT分岐状にしたスロット10を示し、図5は、外導体1からはみ出したスロット端部11もスロット外形(側面)を形成したスロットを示している。前記のようにビームスキャン領域を拡大するべく同軸線路の外導体径を波長に対して小さく設定するので、スロットを共振長程度に設けることが困難である。
そこで、図4のスロット10では、両端部をT分岐状に構成して交差偏波成分を発生させずに共振長を満たすことが可能となる。これは、電流の向きに対してT分岐部分が平行となるためである。
一方、図5では、スロットを管軸に対して回転させて配置しているので、スロット10のようにT分岐を設けると、電流の流れに対して平行とはならずに交差偏波成分が発生する恐れがある。
そこで、スロットを設けている導体面には共振長を持つスロットを掘り込んでその側面を構成するが、外導体径からはみ出した端部11はスロット穴が塞がれた構成とする。これにより、外導体上に設けられた穴の開いたスロット部分の長さは共振長に満たないものの、その部分のスロット外形は構成しているので、スロット自体の特性は共振時のものに相当するものが得られる特徴がある。
平面アレーアンテナでは、その用途によって、低サイドローブ化を満たす必要が求められる場合がある。この場合、スロットアレーにおいて所望の開口分布を実現する必要がある。
図6は、1サブアレー7の断面図を表している。図6に示すように、スロット4側の内導体2には凸部21と凹部22が設けられている。同軸線路3内では内導体2と外導体1との間に電位を生じる。この電位を変えることでスロット4への電磁結合状態が変化し、スロット4の励振振幅が変わる。
このため、凸部21や凹部22を内導体2のスロット4側に設け、内導体2の径を調整することで、すなわち、スロット4が設けられた位置の外導体1と内導体2との間隔がスロット4ごとに異なるように内導体2の径を調整することで、スロット4の励振振幅を調整し、所望の低サイドローブレベルを達成する開口分布を実現できる効果がある。
なお、凸部21ではスロットへの電磁結合が強まり、励振振幅が大きくなる。一方、凹部22ではその逆である。図6では、スロット4一つに対して凸部21や凹部22一つを対応させるように示しているが、これに限ったことではなく、複数の凸部や凹部が混在した構成してもスロット4への結合量を調整できれば問題ない。
図7は、1サブアレー7の断面図を表している。図7では、スロット4近傍の外導体1に凸部23を設けている。すなわち、スロット4が設けられた位置の外導体1と内導体2との間隔がスロット4ごとに異なるように外導体1の内径を調整するようにして、前記と同様に内導体2と外導体1との間の電位を変化させることで、スロットの励振振幅位相を調整するものである。外導体上の凸部23近傍のスロットへは結合が強まる。なお、凸部23の形状はこれに限ったものではなく、スロットへの所望の結合量となるように任意に変更してかまわない。
同軸線路の管内波長は自由空間波長と同じであるため、定在波励振にて均一開口分布を実現するべく、前記では管軸に沿って並んでいるスロットをλ0間隔に配置していた。この場合、管軸と天頂方向を含むカット面内において、その±90度方向にグレーティングローブが発生し、利得の低下が生じてしまう。そこで、管内波長を自由空間波長よりも短縮し、スロットの配置間隔をλ0よりも狭くする必要がある。
図8は、同軸線路内に誘電体材料31を充填した同軸線路スロットアレーを示している。図8において、31のハッチング部分は同軸線路の内導体と外導体の間に充填された誘電体材料である。誘電体材料31を同軸線路の内導体と外導体の間に充填することで、誘電体材料31の持つ比誘電率に起因して管内波長は短縮される効果がある。これにより、前記のようにスロット間隔をλ0よりも狭くでき、グレーティングローブの発生を抑えられる特徴がある。
図9は、誘電体材料の充填とは異なる手法にて同軸線路管内波長を短縮する効果を得る内導体2の形状を示している。図9に示すように、内導体2上に凹部32が設けられ、凹部32の集合体33は、ジグザグ構造を有する。また、内導体2の端部近傍には凹部34が設けられている。
凹部32や凹部34は、図6に示す凹部22と異なり、スロットに相対する内導体表面ではなく、それに直交する両側面に設けられている。これは、内導体2の表面に構成することでスロットへの結合量までも変化してしまうことを防ぐためである。また、凹部32や凹部34は、同様の理由で、スロット下方からずれた位置に設けている。
スロット間(距離d1)の内導体2を複数の凹部32によりジグザグ構造33とすることで、すなわち、内導体2を蛇行状に構成することで、管内波長を短縮する効果を有する。従って、これを適用することで、スロット間隔をλ0よりも狭くでき、グレーティングローブの発生を抑えられる特徴がある。
また、同軸線路スロットアレーを定在波励振するためには、端部スロットと短絡板との間隔d2もλ0/2より狭くする必要があるので、例えば、凹部34等を設ける。また、内導体全面に凹部を設けてもよい。すなわち、内導体径を一部小さくしてもかまわない。
なお、中央のスロット間にはジグザグ構造33が構成されていないが、これは、図示していないが給電手段による同軸線路への給電が中央にて成されているためで、スロット間隔をd1に設定するのみで良く管内波長の短縮は必要ない。ジグザグ構造に関しては、波長短縮量によって、凹部個数、または凹部形状そのものを任意に設定できる。もちろん、曲線構造を取ってもかまわない。
また、ジグザグ構造33はスロットに相対する面と直交する内導体側面に構成すると述べたが、スロットに相対する面上に構成して、スロットへの結合量を調整しつつ、管内波長も短縮できるのであれば問題ない。
図10は、同軸線路の先端短絡部分の管内波長を短縮する効果を得る構造を示している。図10において、先端短絡部分以外(ここでは、基本線路部分と呼ぶ)の内導体径に対し、35は径の小さい内導体であり、36は径の大きい内導体である。同軸線路の特性インピーダンスはb/aで比例するので、基本線路部分の特性インピーダンス値に対して、径の小さい内導体35は高い特性インピーダンス値を示し、径の大きい内導体36は低い特性インピーダンス値を示す。この構造のように、先端短絡部分から順に、高インピーダンス線路、低インピーダンス線路を接続することによっても管内波長を短縮することができる。なお、図10では、スロットおよび信号入力側に相対する内導体面側(内導体の厚さ方向)、かつ、それに直交する両面側(内導体の幅方向)で同時に内導体径を小さく/大きくしているが、内導体の厚さ方向のみ、あるいは、内導体の幅方向のみの寸法を小さく/大きくしても同様の効果が得られる。
この実施の形態1において、図1に示す同軸線路スロットアレー(サブアレー)7を複数並べた平面アレーとして使用するのみでなく、サブアレー単独で使用することも用途によっては可能である。この場合、同軸線路は方形に限ったものではなく、例えば、円形同軸線路でもかまわない。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、定在波励振する同軸線路スロットアレーアンテナの構造について述べたものであるが、次に、このアンテナの製造方法を示す。
図11は、この発明の実施の形態2に係る同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法を説明するための断面およびアンテナ一部分の断面分解図を示すものである。同軸線路への給電手法として、ここでは導波管を用いるものとする。
図11に示す断面分解図は、方形同軸線路の管軸方向に平行で、かつ、スロットの設けられている外導体の側面にも平行となるように分割スライスしてプレート状になっており、各部位を、7枚の金属導体板をそれぞれ個別に切削する工程により形成している。また、図では簡略化のために一列内のサブアレー2個分についてのみ示している。そして、各部位が形成された複数の金属導体板を圧着にて積層する工程を経て同軸線路スロットアレーアンテナが製造される。
すなわち、図11に示すように、7枚の金属導体板をそれぞれ個別に切削して各部位を形成したプレートとして、スロット面プレート41、第1の同軸線路プレート42、内導体プレート43、第2の同軸線路プレート44、結合孔プレート45、第1の給電用導波管プレート46、第2の給電用導波管プレート47を有する。
ここでは、図に示すように7つのプレート部位に分割スライスした構造とする。そのため、各部位でプレート厚が異なっている。スロット面プレート41はスロットと外導体表面を構成する部位で、金属導体板からスロット部分を切削して製造される。第1および第2の同軸線路プレート42および44は、同軸線路端部の短絡板、および外導体側面を構成する部位で、金属導体板から内導体−外導体間の空間部分を切削して製造される。
内導体プレート43は、内導体および外導体側面を構成する部位で、金属導体板から内導体−外導体間の空間部分を切削して製造される。結合孔プレート45は、外導体底面および結合孔を構成する部位で、金属導体板から結合孔部分を切削して製造される。第1と第2の給電用導波管プレート46と47は、共に給電用導波管の一部を構成する部位で、金属導体板から導波路部分を切削して製造される。これらプレートを圧着積層して同軸線路スロットアレーアンテナおよびそれを給電する給電回路を一体構成することが可能である。
図12は、図11の断面分解図を立体的に示した模式図である。同軸線路寸法や導波管寸法は誇張して示してあり、実際に製造する際の寸法とは異なることに注意する。同軸線路スロットアレーへの給電手段として、導波管幅狭壁面と同軸線路とが接するように導波管を立てて配置しているため、導波管部分であるプレート46が厚くなっている。もちろん、このプレート46をさらに複数のプレートに分割スライスしてプレート数を増やしても、積層は一括で実施するので問題ない。
実施の形態1にて説明した管内波長短縮手段のための内導体ジグザグ構造は、プレート43にて切削加工できる利点がある。スロットへの結合量を調整する凹部や凸部も切削加工が可能である。
圧着積層の方法としては、拡散接合法や熱圧着法等がある。圧着する際、プレート全面に均一に圧力をかけることは困難である。しかし、方形同軸線路の場合、内導体は同軸線路両端部の短絡板に接続されているのみで、外導体内略中央にほぼ浮いた状態にて配置されている構造であるので、そのような圧力のムラにも対応できる利点がある。

Claims (10)

  1. 内導体とその外周を取り囲むように設けた外導体とから構成され、両端部を短絡してなる同軸線路と、
    前記同軸線路を励振させるための給電手段と、
    前記同軸線路の管軸方向に対してある角度をなして前記外導体上に設けられた概略共振長を持つ複数のスロットと
    を備え、
    前記同軸線路を方形同軸線路とし、
    前記複数のスロットを前記方形同軸線路の管軸方向に平行な任意の一側面に設けて、
    前記方形同軸線路、前記給電手段及び前記複数のスロットで一個単位のサブアレーを構成し、サブアレーを平面上に複数配列して2次元アレーアンテナを構成した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  2. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記給電手段により前記方形同軸線路を励振させて当該方形同軸線路内に定在波が発生するようにした状態で、前記管軸方向に配列された複数個のスロットを互いの間隔が自由空間での略1波長となるように設定し、かつ前記サブアレーを構成する前記方形同軸線路における短絡端部と当該短絡端部に配置されたスロットとの間隔が自由空間での略1/2波長となるように設定した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  3. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記スロットが設けられた位置の外導体と内導体との間隔がスロットごとに異なるように前記内導体の径を調整した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  4. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記スロットが設けられた位置の外導体と内導体との間隔がスロットごとに異なるように前記外導体の内径を調整した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  5. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記同軸線路内に誘電体材料を充填した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  6. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記スロット間に配置されている前記内導体の一部を蛇行状に構成した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  7. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記スロットは、両端部をT字状に分岐させた
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  8. 請求項1に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記スロットは、前記外導体の径より長いスロット長を有し、前記外導体からはみ出た端部にもスロット外形を形成した
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記同軸線路の両端部の短絡箇所と、前記短絡箇所に隣接する前記スロットとの間の前記内導体の径は、短絡箇所以外の部分の前記内導体の径に対して、短絡点から順に小さい径、大きい径である
    ことを特徴とする同軸線路スロットアレーアンテナ。
  10. 内導体とその外周を取り囲むように設けた外導体とから構成され、両端部を短絡してなる方形同軸線路と、前記方形同軸線路の管軸方向に平行な任意の一側面に設けられた複数スロットと、前記方形同軸線路を励振させるための給電手段とで一個単位のサブアレーを構成し、サブアレーを平面上に複数配列して2次元アレーアンテナを構成する同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法であって、
    前記方形同軸線路の管軸方向に平行で、かつ、前記スロットの設けられている外導体の側面にも平行となるように分割スライスしたプレート状の各部位を、複数の金属導体板をそれぞれ個別に切削する工程と、
    各部位が切削された複数の金属導体板を圧着にて積層する工程と
    を備えた同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法。
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