JP5300626B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
図22は上記特許文献1に記載された従来のアンテナ装置を示す断面図である。
図22において、導波管101の側壁にはスロット102が設けられ、スロット102の開放(放射)方向には、導体板により構成されるフレア103が設けられている。
フレア103は、スロット102のビーム幅をEl方向に関して狭くする効果がある。
図22のように構成されたアンテナ装置によれば、アレーに直交するEl方向のビーム幅を狭くしつつ、円偏波を発生することが可能である。
以下、図1〜図7を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るアンテナ装置を示す斜視図である。
図1において、アンテナ装置は、地導体1と、導波管2と、スロット3と、短冊状導体4とにより構成されている。
スロット3は、円偏波を発生するために、たとえば図示したような十字形状に形成されている。
図1内の十字形状のスロット3からの放射パターンは、直交する2つのスロットからの放射パターンの合成として考えることができる。
図3は図2内のB−B’線による断面図、図4は図2内のC−C’線による断面図であり、それぞれ、スロット3aの放射パターン(E面パターン、H面パターン)を示している。
図4において、H面パターン(破線参照)における偏波は、図面に直交する方向になる。H面パターンは、地導体1のスロット3aが設けられた面の鉛直方向に指向性を有し、C方向およびC’方向での放射レベルは低くなっている。
図6は図5内のD−D’線による断面図であり、図2内のB−B’線方向のスロット3bからのH面パターン(破線参照)と、C−C’線方向のスロット3aからのE面パターン(2点鎖線参照)とを合成した放射パターンを示している。
これにより、地導体1のスロット3が設けられた面の鉛直方向に円偏波が放射される。
図7は図1内のA−A’線による断面図であり、短冊状導体4の長さを適切に選定した場合の放射パターンを示している。
一方、短冊状導体4の長手方向は、H面パターン(破線)の偏波とは直交する方向に配置されているので、H面パターンには影響しない。
また、図7ように、E面パターン(2点鎖線)のビーム幅を狭く設定することにより、円偏波としてのビーム幅も狭くすることが可能となる。
また、前述(図22参照)の広い面積のポラライザ104が不要となるので、低コスト化を実現することができる。
また、図1においては、短冊状導体4として長方形を羅列した形状を用いたが、この形状に限定されるものではなく、地導体1側で短絡され、他端側で開放された形状であれば任意の形状を適用可能であり、同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
また、地導体1の表面にスロット3を設けたアンテナ装置を想定したが、円偏波発生機構を導波管2内部に保持するスロットアンテナであってもよい。
さらに、単一素子についてのみ説明したが、図1と同構成の素子を導波管2の管軸方向に並べたアレーアンテナに適用しても同様の作用効果を生じる。
なお、上記実施の形態1(図1)では、円偏波を放射する放射素子として、2つのスロット3a、3bからなる十字形状のスロット3を用いたが、図8および図9に示すように、スロット3aとダイポール5との組み合わせ構造を用いてもよい。
図8、図9において、前述(図1〜図7参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
ダイポール5は、地導体1のスロット3aが設けられた面の鉛直方向に、スロット3aから所定距離を隔てて配置されており、スロット3aは、線状スロットからなる。
図8、図9のように、スロット3aとダイポール5とを組み合わせた円偏波素子を用いた場合も、前述と同様の作用効果を奏する。
ダイポール5は、スロット3aに対して所定の角度傾けて、かつスロット3aに対して所定距離を隔てて配置されている。これにより、ダイポール5は、スロット3aとの電磁結合により給電され、導波管2の管軸方向に沿った偏波を主に放射する。
図10および図11は図9内のE−E’線による断面図であり、それぞれ、前述(図2〜図6)と同様に、短冊状導体4を省略した場合の放射パターン例を示している。
図10はスロット3aの放射パターン(E面パターン)を示し、図11はダイポール5の放射パターン(H面パターン)を示している。
図11において、ダイポール5のH面パターンは、前述(図4参照)と同様に破線で示されており、その偏波は図面に直交する方向となる。
図10、図11から明らかなように、スロット3aおよびダイポール5を組み合わせた放射パターンは、前述(図6)と同様になる。
また、前述(図22)のポラライザ104が不要となるので、低コスト化を実現することができる。
なお、上記実施の形態2(図8、図9)では、短冊状導体4およびダイポール5の支持部材について考慮しなかったが、図12および図13に示すように、それぞれ第1および第2の誘電体基板6、7を用いて支持してもよい。
図12、図13において、前述(図8、図9参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
複数の短冊状導体4は、第1の誘電体基板6上に形成され、ダイポール5は、第2の誘電体基板7上に形成されている。
なお、図12、図13においては、短冊状導体4およびダイポール5の実際の支持構造の一例を示しており、他の支持構造を適用可能なことは言うまでもない。
なお、上記実施の形態3(図12、図13)では、第2の誘電体基板7の支持構造について考慮しなかったが、図14および図15に示すように、地導体1の両側面に突設された台状部分8を用いて支持してもよい。
図14、図15において、前述(図12、図13参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
なお、上記実施の形態4(図14、図15)では、台状部分8における電波散乱について特に考慮しなかったが、電波散乱を抑制するために、図16および図17に示すように、台状部分8に円弧コーナ部9を設けることが望ましい。
図16、図17において、前述(図14、図15参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
すなわち、円弧コーナ部9は、地導体1の両側面上に設けられた台状部分8において、スロット3a側の角部に設けられている。
したがって、台状部分8のスロット3a側に角部が存在すると、角部において電波の散乱が生じて、放射特性を乱す原因となる。
そこで、図16および図17のように、台状部分8の角部に円弧コーナ部9を設け、台状部分8のスロット3a側の角部を円弧状に形成する。
これにより、前述の作用効果に加えて、電波の散乱を低減することができ、放射特性の乱れを緩和することが可能となる。
なお、上記実施の形態5(図16、図17)では、単一の放射素子の場合を例にとって説明したが、図18および図19に示すように、スロット3aおよびダイポール5を管軸Xに沿って複数配列し、アレー構成としてもよい。
図18、図19において、前述(図16、図17参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
スロット3aおよびダイポール5は、導波管2の管軸方向に沿って複数設けられるとともに、図19に示すように、管軸Xに対して交互に配置されるように設置されている。この際、スロット3aおよびダイポール5からなる放射素子と隣り合う放射素子との相互間距離は、導波管2の管内波長の半分の長さに相当する。
図19のように、スロット3aは、導波管2の管軸Xに対してオフセット配置されており、オフセット量を変化させることにより、導波管2内の電磁界との結合量を調整可能である。
また、管軸Xに対してオフセットする方向(図19中の左右方向)を反転させると、結合の位相が反転する。
したがって、隣り合う素子同士におけるオフセット方向を交互に設定することにより、すべての素子の位相をそろえることが可能となり、地導体1のスロット3aが設けられた面の鉛直方向にビームが形成される。
上記2つのパラメータ(素子間隔、オフセット量)を選定することにより、各素子の振幅位相を調整可能であり、Az方向のビーム方向やビーム形状を任意に調整可能である。
つまり、アンテナ装置の基材部分を押し出し加工により工作することができ、コストを低減することができる。
また、いずれの場合も、同様に、アレーを構成する際にアンテナ基材が管軸方向全長にわたって同一形状を保持しているので、同様の押し出し加工により工作可能である。
なお、上記実施の形態6(図18、図19)では、特に言及しなかったが、図20および図21に示すように、複数の放射素子からなる1次放射器10に対して反射鏡11を配置してもよい。
図20、図21において、1次放射器10は、管軸Xに沿って配列された複数の放射素子(スロット3、またはスロット3aおよびダイポール5)により構成されている。
また、反射鏡11は、スロット3aおよびダイポール5の配列方向に対して直交する方向に配置されている。
反射鏡11は、1次放射器10から放射された電波(破線矢印)を、所望の進行方向に反射させる。
また、El方向のビーム形状は、反射鏡11の形状を変化させることにより調整可能である。
また、1次放射器10は、その基材部分が低コストの押し出し加工によって工作可能であり、アンテナ全体のコストを低減させることが可能である。
また、前述のように、1次放射器10には、円偏波発生機構が設けられているので、前述(図22)のポラライザ104が不要であり、低コスト化が可能である。
いずれの場合であっても、同様の放射素子として適用可能であり、図20のように、1次元に並べたアレーアンテナ装置に構成することができ、同様の作用効果を奏する。
Claims (7)
- 地導体と、
前記地導体の内部に形成された導波管と、
前記地導体の表面に設けられ、かつ前記導波管を貫通して形成されて円偏波を放射するスロットと、
前記地導体上において、前記導波管の管軸方向に対して直交する方向に所定距離を隔てて、前記スロットの両側のそれぞれに、前記管軸方向に沿って配列された複数の短冊状導体または複数の棒状導体と
を備えたことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記地導体の前記スロットが設けられた面の鉛直方向に、前記スロットから所定距離を隔てて配置されたダイポールを備え、
前記スロットは、線状スロットからなることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。 - 前記管軸方向に対して直交する方向となる前記地導体の両側面に配置された第1の誘電体基板と、
前記地導体の前記スロットが設けられた面側に配置された第2の誘電体基板とを備え、
前記複数の導体は、前記第1の誘電体基板上に形成され、
前記ダイポールは、前記第2の誘電体基板上に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。 - 前記地導体の前記両側面に台状に隆起された台状部分を備え、
前記第2の誘電体基板は、前記台状部分により支持されることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。 - 前記台状部分は円弧コーナ部を有し、前記スロット側の角部が円弧状に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記スロット、または前記スロットおよび前記ダイポールを前記管軸方向に沿って複数配列したことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記スロット、または前記スロットおよび前記ダイポールの配列方向に対して直交する方向に設けられた反射鏡を備えたことを特徴とする請求項6に記載のアンテナ装置。
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