JP2007221585A - アンテナとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2段に積み重ねられ、導波管1・1の狭面1a・1aに複数のスロット2を切ることでアンテナとして動作する導波管スロットアレーアンテナ1A・1Aを備える。積重方向に隣り合う前記導波管スロットアレーアンテナ1A・1A間において、前記スロット2は、中心線Cに関して線対称に形成されており、当該両導波管スロットアレーアンテナ1A・1Aには、逆位相の電力が入力される。
【選択図】図2
Description
この導波管スロットアンテナから放射される電磁波は、前記スロットが傾斜して形成されているので、電界成分が地表面に対して垂直である垂直偏波と、同じく地表面に対して水平である水平偏波とを含むものとなっている。一方、船舶用レーダアンテナの分野においては電磁波の伝播特性の観点から、垂直偏波成分ができるだけ抑えられ、水平偏波成分を主とする電磁波が好ましいとされている。そこで従来では、垂直偏波成分を抑えることを目的とする格子部材(図14参照)などが用いられていた。
そこで特許文献1は、水平面パターン成形を行える導波管アンテナにおいて、アンテナ放射パターンを制御することを目的とした導波管アンテナを開示する。この導波管アンテナは、導波管10の広壁面12に当該導波管10の長手方向に対して所定の角度θで傾斜して形成されるスロットSL1−1と、当該スロットSL1−1と所定の距離離れた位置において、導波管10の長手方向に直交する向きに横断する横断線14Bを線対称として形成されるスロットSL1−2とを含む。これらスロットSL1−1及びSL1−2の間隔は1/2波長とされ、これにより隣り合うスロット上には逆方向の電流が流れるので、当該広壁面12ではY軸方向の電流Hが逆向きとなり互に打消されるのに対して、X軸方向に関しては足し合わされるように構成されている。これにより、導波管10を垂直に立てた場合、垂直偏波が放出されるようになっている。
そのうち水平方向のビーム幅を絞る手段としては、アンテナ長の延長や、与えられたサイドローブレベルで最小のビーム幅を生じさせる電流分布を求めるための指向性合成理論(チェビシェフアレー又はテーラーアレー)に基づいてアンテナ(スロット)素子の重み付けを行うこと等が公知となっている。
一方、垂直方向のビーム幅を絞る手段としては、上記の指向性合成理論によるものに加えて、アンテナホーン(電磁ホーン)の活用が知られている。前記指向性合成理論によるものは例えば図15に示すようにアンテナ素子を垂直方向に重ねた型式(パッチアレー)が挙げられ、またアンテナホーンの代表的な形状は図16のようなものである。
ところで、従来のアンテナホーンを備える導波管スロットアンテナのビーム幅は、図16に示される開き角αとホーン長さLによって決まるものである。例えば開き角度αが一定の場合、ホーン長さLを増やすことで、ビーム幅を絞ることができる。言い換えれば、当該ビーム幅を絞ろうとすると、必然的にアンテナ高Hが大きくなってしまう。上記アンテナホーンは通常、雨・雪などの外部環境からの保護を目的として、誘電体から成るレドームによって外部を覆われている。そこで、上記の如くビーム幅を絞るためにアンテナ高Hが大となると、上記レドームも大となる結果、風圧等の影響を大きく受けやすくなってしまう。
ところで、上記特許文献2に記載の製造方法は、構成(断面形状)が極めて簡素な導波管の製造方法のみを対象としており、適用範囲が極めて狭い。
偶数段に積重され、導波管の面に複数のスロットを切ることでアンテナとして動作する導波管スロットアレーアンテナを備え、
一の前記導波管スロットアレーアンテナに形成されるスロットパターンと、積重方向に隣り合う他の前記導波管スロットアレーアンテナに形成されるスロットパターンとは、当該両導波管スロットアレーアンテナ間の中心線に関して線対称であり、
前記両導波管スロットアンテナには、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている。
偶数段に積重され、導波管の面に複数のスロットを切ることでアンテナとして動作する導波管スロットアレーアンテナを備え、
前記複数の導波管スロットアレーアンテナの積重方向中心線から一側に設けられる前記導波管スロットアレーアンテナには、同一のスロットパターンが形成されており、
前記中心線から他側に設けられる前記導波管スロットアレーアンテナにも、同一のスロットパターンが形成されており、
前記一側の前記導波管スロットアレーアンテナのスロットパターンと、前記他側の前記導波管スロットアレーアンテナのスロットパターンは、前記中心線に関して線対称であり、
前記一側の前記導波管スロットアレーアンテナと、前記他側の前記導波管スロットアレーアンテナには、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている。
また、例え前記導波管スロットアレーアンテナを4段以上積重したとしても、隣り合う前記導波管スロットアレーアンテナ間において位相を反転させなければならないのは一箇所のみとなるので、隣り合う前記導波管スロットアレーアンテナ間において位相を反転させることが困難な場合には端給電方式を適用することができる。
また、当該アンテナホーン4や前記アレーアンテナ1A・1Aなどは、図略の樹脂製レドームにより外部が覆われており、外部環境から保護されるようになっている。
また、前記スロット2は、前記アレーアンテナ1A・1Aの長手方向に垂直な線Dから所定の傾斜角θだけ所定の方向へ傾斜して形成されている。当該傾斜角θは、アレーアンテナ1A・1Aの中央に近づくにつれて大であり、端部に近づくにつれて小となっている(本図において|θ1|<|θ2|)。このようにアレーアンテナ1A・1Aの長手方向に沿ってスロット2を適宜に傾斜させることにより、各スロット2から放射される電磁波に重み付けが付されるので(指向性合成理論)、水平方向のビーム幅が効率よく絞られている。なお、複数の前記スロット2が前記垂直線Dから傾斜する方向は、原則、アレーアンテナ1A・1Aの長手方向で隣り合うもの同士間で逆方向となっているが、本実施形態のように長手方向中央部において給電する型式(中央給電)においては、当該中央部に最も近い一対の前記スロット2のみ、同一方向へ傾斜されている。これに対し、長手方向端部において給電する型式(端給電)においては、当該一対の前記スロット2も、互いに逆方向へ傾斜される(端給電型式のものを示す図19(b)及び図20(b)参照)。
また、本図に示すように、前記複数のスロット2は、前記両アレーアンテナ1A・1Aの間を通る中心線Cに関して線対称に形成されている。換言すれば、一の前記アレーアンテナ1Aに形成されるスロットパターンと、積重方向に隣り合う他の前記アレーアンテナ1Aに形成されるスロットパターンとは、当該両アレーアンテナ1A・1A間の中心線Cに関して線対称に形成されている。
さらに、当該両アレーアンテナ1A・1Aには、等振幅で且つ互いに逆位相の電力が前記の給電部を介して入力されるように構成されている。
一般的な導波管スロットアレーアンテナでは、導波管内において電磁波がTE10モードで伝搬し、側面(E面またはH面)に流れる管壁電流がスロットによって切られることで当該管壁電流がスロットを共振させ、これにより生じる電界によって、電磁波が外部に放射されるようになっている。
そこで、本実施形態では前述の如く各アレーアンテナ1A・1Aには逆位相の電力が入力されるので、本図において破線矢印で示すように互いに逆向きの電流が管壁を流れるようになっている。言い換えれば、導波管内壁に生じる表面電流の分布は、前記中心線Cに関して線対称となっている。また、前述の如く各入力電力は等振幅とされており、前記スロット2も前記中心線Cに関して線対称に形成されているので、結果として本図においてベクトル表示される電界E1及びE2が生じるようになっている。
具体的に電界E1及びE2は、大きさが等しく、方向およびベクトル基点が前記中心線Cに関して線対称に形成される。これにより、以下の効果を奏する。
一方、電界E1の水平偏波成分EH1と電界E2の水平偏波成分EH2は同一方向に発生するので、これらは重畳されることとなる。
即ち、偶数段(本実施形態:2段)に積重され、導波管1の狭面1aに複数のスロット2を切ることでアンテナとして動作するアレーアンテナ(導波管スロットアレーアンテナ)1A・1Aを備える(図2参照)。
また、一の前記アレーアンテナ1Aのスロットパターンと、積重方向に隣り合う他の前記アレーアンテナ1Aのスロットパターンとは、前記中心線Cに関して線対称となるように形成される。
また、前記両アレーアンテナ1A・1Aには、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている。
なお、水平偏波成分を主とする電波は、伝播特性の観点から、船舶用レーダアンテナに好適とされている。
即ち、前記複数のアレーアンテナ1A・1Aの積重方向中心線(中心線C:図2参照)から積重方向に等しく離れた位置に設けられる一対の前記アレーアンテナ1A・1Aには、等振幅の電力が入力可能に構成されている。
これにより、上述した、垂直偏波成分が互いに打消し合う、という効果がより効果的に奏される。即ち、上記の、互いに打消し合うとされる各垂直偏波成分EV1・EV2が共に等しい大きさで発生することとなるので、より確実に当該垂直偏波成分EV1・EV2が相殺されるのである(図3参照)。
図19(a)に示すように本変形例において前記レーダアンテナ100Aは、6段に積重されたアレーアンテナ1A・1A・1A・・・を備えており、各アレーアンテナ1Aには、その長手方向中央部において給電されるように構成されている。
また、上記実施形態と同様に、一の前記アレーアンテナ1Aに形成されるスロットパターンと、積重方向に隣り合う他の前記アレーアンテナ1Aに形成されるスロットパターンとは、当該両アレーアンテナ1A・1A間の中心線(例えば、本図符号Ca)に関して線対称となるように構成されている。
また、上記実施形態と同様に、又は表1に示す通り、前記両アレーアンテナ1A・1Aには、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている。換言すれば、複数段に積重されたアレーアンテナ1A・1A・1A・・・は、その最上段から最下段に向かって、入力される電力が交互に位相が反転するように構成されている。
例えば、表1に示すパターンAのように、アレーアンテナ1A・1A・1A・・・の夫々に入力される電力の振幅(P1〜P6)は、互いに異なるものであってもよい。この場合でも、上記の「垂直偏波成分が打消し合う」という作用効果は奏される。
しかし、より好ましくは、パターンBのように、前記複数のアレーアンテナ1A・1A・1A・・・の積重方向中心線(図19(a)符号Cb)から積重方向に等しく離れた位置に設けられる一対の前記アレーアンテナ1A・1Aには、等振幅の電力が入力可能に構成されているとよい。これによれば、当該中心線Cbに関して線対称に、大きさが等しく方向が反対の一対の垂直偏波成分が出力されることとなるから、上記の「垂直偏波成分が打消し合う」という作用効果がより効果的に奏されることになる。
なお、パターンCのように、すべてのアレーアンテナ1A・1A・1A・・・に、等振幅の電力が入力可能に構成されていても勿論よい。
図19(b)に示す通り、上記のレーダアンテナ100Aは、その給電型式を、中央給電に代えて、端給電としてもよい。この場合、各アレーアンテナ1Aに設けられるスロット2のスロットパターンが図19(a)で示したものと若干相違する。具体的には、各アレーアンテナ1Aに設けられる前記複数のスロット2は、その傾斜方向が、常に、長手方向で隣り合うもの同士間で逆方向となるように形成される。
図20(a)に示すように本変形例において、前記アレーアンテナ1A・1A・1A・・・の積重方向中心線Ccから一側に設けられる前記アレーアンテナ1A(i)・1A(ii)・1A(iii)には、同一のスロットパターンが形成されており、当該中心線Ccから他側に設けられる前記アレーアンテナ1A(iv)・1A(v)・1A(vi)にも、同一のスロットパターンが形成されている。
また、前記一側の前記アレーアンテナ1A(i)・1A(ii)・1A(iii)のスロットパターンと、前記他側の前記アレーアンテナ(iv)・1A(v)・1A(vi)のスロットパターンは、前記中心線Ccに関して線対称となるように構成されている。
また、表2に示すとおり、前記一側の前記アレーアンテナ1A(i)・1A(ii)・1A(iii)と、前記他側の前記アレーアンテナ1A(iv)・1A(v)・1A(vi)には、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている。
例えば、表2に示すパターンAのように、アレーアンテナ1A・1A・1A・・・の夫々に入力される電力の振幅(P1〜P6)は、互いに異なるものであってもよい。この場合でも、上記の「垂直偏波成分が打消し合う」という作用効果は奏される。
しかし、より好ましくは、パターンBのように、前記複数のアレーアンテナ1A・1A・1A・・・の積重方向中心線(図20(a)符号Cc)から積重方向に等しく離れた位置に設けられる一対の前記アレーアンテナ1A・1Aには、等振幅の電力が入力可能に構成されているとよい。これによれば、当該中心線Ccに関して線対称に、大きさが等しく方向が反対の一対の垂直偏波成分が出力されることとなるから、上記の「垂直偏波成分が打消し合う」という作用効果がより効果的に奏されることになる。
なお、パターンCのように、すべてのアレーアンテナ1A・1A・1A・・・に、等振幅の電力が入力可能に構成されていても勿論よい。
図20(b)に示す通り、上記のレーダアンテナ100Bは、その給電型式を、中央給電に代えて、端給電としてもよい。この場合も、各アレーアンテナ1Aに設けられるスロット2のスロットパターンが図20(a)で示したものと若干相違する。
ところで、本変形例では表2からも判る通り、隣り合う前記アレーアンテナ1A・1A間において位相を反転させなければならないのは、一箇所のみである。即ち、アレーアンテナ1A(iii)と1A(iv)の間においてのみである。
従って、本変形例のように例え前記アレーアンテナ1Aを4段以上積重したとしても、隣り合う前記導波管スロットアレーアンテナにおいて位相を反転させなければならないのは一箇所のみとなるので、隣り合う前記アレーアンテナ1Aにおいて位相を反転させることが困難な場合には端給電方式を適用することができる。
図4によると、上記実施形態に係るレーダアンテナ100の垂直偏波成分が、水平方向・垂直方向の何れの方向でみても、比較例である従来型式のレーダアンテナのそれと比較して略一様に小さくなっている(抑制されている)ことが判る。
次に、前記アンテナホーン4に関して説明する。図5(a)は上記実施形態に係るレーダアンテナのアンテナホーンの側面模式図であり、図5(b)は図5(a)に類似する図であって、前記アンテナホーンの変形例を示す。なお、本図において前記のアレーアンテナ1A・1Aは鎖線によって略示されている。
上記実施形態において前記アンテナホーン4は、ホーン底部4a・4aとアンテナホーン本体4b・4bとから構成されていると前述したが、より詳しくは前記アンテナホーン本体4b・4bは図5(a)に示すように、アレーアンテナ1A・1Aの開口面積を拡大するためのホーン傾斜部41・41と、当該ホーン傾斜部41・41の先端に設けられ、互いに平行をなすホーン平板部42・42とから構成されている。言い換えれば、当該アンテナホーン4は、その先端に向かうにつれて開き角αが小となっており、具体的にはその先端に開き角αがゼロである平行平板(ホーン平板部42・42)が設けられている。
即ち、前述の如く上記実施形態におけるアンテナホーン4はレドームで完全に覆われている。そこで、前記の如くアンテナ高が大きくなってしまうと、アンテナホーン4を覆う図略のレドームも必然的に大となり、結果として当該レドームが風圧などの影響を受けやすくなってしまうのである。
また、別の観点から言えば、当該ビーム幅を増減させることなくアンテナ高を小さくできるので、本レーダアンテナ100をよりコンパクトとできる。
さらに、前記アンテナホーン4は、開き角αがゼロであるホーン平板部42・42(平行平板)が先端に設けられて構成されているので、上記の効果を奏するアンテナホーン4を容易に製造できる。即ち、前記アンテナホーン本体4b・4bを該当箇所で単に折り曲げさえすればよいのである。
なお、2つの面の開き角αがゼロであるとは、当該2つの面が例え仮想的に延長されたとしても決して交差することがない、即ち平行平面であることと同義である。
次に、図6及び図7に基づいて、上記実施形態に係るレーダアンテナ100の実施例に関して説明する。図6は本実施例(ホーン平板部あり)とその比較例(ホーン平板部なし)に係るアンテナホーンの各寸法と、垂直ビーム幅等を表で示す図であり、図7は本実施例とその比較例に係る垂直パターンを示す図である。
図6に現された表から判る通り、前記アンテナホーン4の形状を上述の如くとすることで、Gain及び垂直ビーム幅θvを略維持したまま、アンテナ高さHを約10%小さくできた。また図7に示す如く、3dB巾を比較すると略同一の垂直パターン特性が得られた。
次に、レーダアンテナ100の製造方法に関して説明する。図8は上記実施形態に係るレーダアンテナの側面図である。
本図に示すように上記導波管1・1(アレーアンテナ1A・1A)は、板金折り曲げ加工により形成された第1半割部5および第2半割部6から構成されている。言い換えれば、第1半割部5および第2半割部6は双方とも板金折り曲げ加工により形成されており、これら第1半割部5および第2半割部6を適宜の締結手段により固定することで前記の導波管1・1は構成されている。
前記の第1半割部5および第2半割部6は、導波管1・1の両広面1b・1bの中央を境に互いに分離可能となっている。また、すべての広面1b・1b・1b・1bの中央には、第1半割部5の第2半割部6に対する位置決め機能を発揮可能な当接部7・7・7・7が形成されている。
前記導波管1・1の中央に形成される中央導波管3は、4つの側面のうち3つが前記第1半割部5によって形成されている。
また、前記アンテナホーン4のホーン底部4a・4aは、当該第1半割部5および第2半割部6が重複する半割重複部8・8により形成されている。当該半割重複部8・8も、前記当接部7・7・7・7同様、第1半割部5の第2半割部6に対する位置決め機能を発揮できるように構成されている。
また、前記導波管1・1の広面1b・1b・1b・1bのうち、前記中央導波管3から遠い面において、前記当接部7・7と上記の半割重複部8・8との間には、前記第1半割部5が180°外側に折れ曲がって自己と当接することで二重層をなし、且つ前記第2半割部6がその外側を覆うように重複している第2半割重複部9・9が形成されている。
上記の如く、前記ホーン底部4a・4a(半割重複部8・8)と、アンテナホーン4側の狭面1a・1aとの距離を適宜に調節することで、より好ましいアンテナ特性とすることができる。
また本図に示す如く前記導波管1・1を広面1b・1bの中央を境とする完全な半割構造とすることで、後述のチョークを省略可能となっている。
即ち、複雑な形状のアンテナでも容易に製造できる。この複雑な形状のアンテナとしては、例えば上記実施形態におけるレーダアンテナ100のように前記導波管1を複数備える型式のものが一例として挙げられる。
即ち、上記第2半割重複部9を形成することに代えて、例えば図9に示すように半割重複部8・8において、最寄りの広面1bから1/4管内波長離れた距離に溝深さ1/4管内波長の溝部10・10(いわゆるチョーク構造)を形成してもよい。
これにより半割重複部8・8の隙間に入射する入射波が、上記溝部10・10で生じ逆位相となる波と打消し合うこととなるので、機械的手段に基づく短絡が発揮する効果と同等の効果、即ち半割重複部8・8における損失を低減できる効果を奏することができる。
なお、当該溝部10・10を設ければ、前記導波管1・1は、図8に示すようには完全な半割構造ではなくてもよいのである。
また、図12に示すように中央導波管3を形成するための中央半割部53を前記の第1半割部5と第2半割部6との間に設けてもよい。
また、図17に示すように、前記中央半割部53を、前記第2半割部6と前記第1半割部5を挟んで反対側に設けてもよい。本図では、前記の第2半割部6及び中央半割部53が押出加工により形成されており、前記第1半割部5が板金折り曲げ加工により形成されている。
また、図18に示すように、前記中央半割部53と前記第2半割部6とが、押出加工(又は引抜加工)により一体的に形成されていてもよい。また、本図においても図11と同様に、前記第1半割部5が、第1半割部分51及び第1半割部分53とから構成されていてもよい。
また、以上図8〜12、17、18に基づいて説明した構成・製造方法は、夫々部分的に組み合わせることもできる。
また上記実施形態では、本発明に係るアンテナホーンが導波管スロットアレーアンテナに適用されている例に関して説明したが、これに限ることはなく、例えば図15に示すパッチアレーアンテナなど他の型式のアンテナにも適用できることは勿論である。
1a 狭面
1b 広面
1A アレーアンテナ
2 スロット
3 中央導波管
4 アンテナホーン
4b アンテナホーン本体
41 ホーン傾斜部
42 ホーン平板部
Claims (7)
- 偶数段に積重され、導波管の面に複数のスロットを切ることでアンテナとして動作する導波管スロットアレーアンテナを備え、
一の前記導波管スロットアレーアンテナに形成されるスロットパターンと、積重方向に隣り合う他の前記導波管スロットアレーアンテナに形成されるスロットパターンとは、当該両導波管スロットアレーアンテナ間の中心線に関して線対称であり、
前記両導波管スロットアンテナには、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている、ことを特徴とするアンテナ。 - 偶数段に積重され、導波管の面に複数のスロットを切ることでアンテナとして動作する導波管スロットアレーアンテナを備え、
前記複数の導波管スロットアレーアンテナの積重方向中心線から一側に設けられる前記導波管スロットアレーアンテナには、同一のスロットパターンが形成されており、
前記中心線から他側に設けられる前記導波管スロットアレーアンテナにも、同一のスロットパターンが形成されており、
前記一側の前記導波管スロットアレーアンテナのスロットパターンと、前記他側の前記導波管スロットアレーアンテナのスロットパターンは、前記中心線に関して線対称であり、
前記一側の前記導波管スロットアレーアンテナと、前記他側の前記導波管スロットアレーアンテナには、互いに逆位相の電力が入力可能に構成されている、ことを特徴とするアンテナ。 - 前記複数の導波管スロットアレーアンテナの積重方向中心線から積重方向に等しく離れた位置に設けられる一対の前記導波管スロットアレーアンテナには、等振幅の電力が入力可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ。
- 前記導波管は、第1半割部および第2半割部を備え、
前記の第1半割部または第2半割部のうち、少なくとも何れか一方は板金折り曲げ加工または引抜加工または押出加工により形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアンテナ。 - 利得を高めるためのアンテナホーンを備えるアンテナにおいて、
前記アンテナホーンは、その先端に向かうにつれて開き角が小となる、ことを特徴とするアンテナ。 - 前記アンテナホーンは、開き角がゼロである平行平板を先端に備える、ことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
- 請求項1〜6の何れかに記載のアンテナを備える、ことを特徴とする船舶用レーダ。
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