JP4936906B2 - 原子力システム - Google Patents

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本発明は、原子力発電所から発生する使用済み核燃料に含まれる有用な核燃料物質及び有害な放射性核分裂生成物を回収し、それらを原子力発電所にリサイクルすることにより核燃料物質を有効利用し、かつ有害な放射性核分裂生成物をシステム外に排出されないように構成した自己整合性を有する原子力システムに関する。
原子力エネルギの持続的な利用・発展のためには、核燃料資源の確保(すなわち、燃料生産)や超長期に及ぶ放射性廃棄物の処理処分の課題解決のみならず、安全性、更には核拡散の問題に関し、長期的視点を含めたリサイクルシナリオや具体的な解決方策を提示することが求められている。
このような観点から、究極の原子力システムの姿として、「自己整合性を有する原子力システム」(以下、SCNES(Self-Consistent Nuclear Energy System)という。)が提唱されている(非特許文献1参照)。
ここでSCNESとは、以下の(1)〜(4)の科学的概念として定義されている。
(1)電気や水素エネルギのような良質なエネルギを生み出す(エネルギ生産)
(2)プルトニウムのような長期にわたる燃料資源を確保する(燃料増殖)
(3)放射能を隔離消滅する(放射能消滅)
(4)安全を確保する(安全確保)
この科学的概念では、(1)のエネルギ生産は中性子による核燃料物質の核分裂反応により得られ、(2)の燃料資源確保は親核分裂性物質の中性子捕獲反応により生成される。また、(3)の放射能の消滅は放射性物質の中性子捕獲反応により短半減期あるいは安定な物質に変換するため、核分裂時に発生する中性子と上記各反応に必要な中性子の数の収支(以下、中性子バランスという)により科学的な成立性を評価することができる。また、(1)のエネルギ生産が第1の目的であるため、全体のエネルギ収支がプラスであることも必須である。
すなわち、原子力システムにおける目標の成立性評価を科学的に行う物理的な尺度として、「中性子バランス」と「エネルギ収支」の2つの考え方を用いている。
「中性子バランス」は、原子炉が連続的に運転していくための物理的条件である。核分裂の維持のために必要な燃料物質の濃縮度や装荷量などを調整し、中性子バランスの式「中性子の発生=中性子吸収+中性子もれ」が成り立つ範囲で、炉心燃料や各種構成要素が配置される。この中性子バランスの式が成立することを確認することにより、原子炉システムが運転可能なことの証を示すことができる。以下では、この物理的条件を満たすとき、「中性子バランスが成立する」または「中性子バランスを満たす」と表記する。
「エネルギ収支」は、核分裂により発生するエネルギ(約200MeV/核分裂)をもとに核分裂エネルギを熱輸送して、発電を行い、このエネルギの一部で発電プラント運用と本原子力システム全体の各サブシステムの運用を行う。したがって、この原子力システム全体で使用するエネルギを差し引いた上で、外部にエネルギ供給できなければ自己整合性をもつシステムとは言えない。すなわち、エネルギ収支は取り出しエネルギが正であることが必須であり、その値は発生するエネルギに可能な限り近いことが求められる。
現在、世界に普及している軽水炉を中心とする原子力システムでは、エネルギ生産、プラントの安全確保への配慮が行われており、その目標はほぼ達成されているが、将来的には、経済性の改善、向上を図る研究、開発、実現努力が行われている。燃料増殖は実現されていない。
また、ウラン燃料を軽水炉で燃焼させエネルギを取り出したあとに発生する使用済み燃料の湿式再処理法は、ウラン(U)及びプルトニウム(Pu)のみを回収・リサイクルすることが前提のシステムである。
従来の原子力システムでは、原子力発電所から発生する使用済み核燃料は、それに含まれる有用な核燃料物質のうち、U及びPuのみが回収・再利用される。ネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)等のマイナーアクチニド(MA)は核燃料物質として再利用できるのにも関わらず、核分裂生成物(fission product:FP)とともに廃棄物としてシステム外に排出するものであった。
この場合、核燃料物質の有効利用が充分でないばかりでなく、MA及び放射性核分裂生成物が廃棄物としてシステム外に排出されるため、原子力利用に伴う放射性廃棄物問題として社会的に懸念が指摘されている。特に、MA及び放射性核分裂生成物には放射性物質としての半減期が1万年以上で、かつ人体への毒性が強い元素が含まれるため、このような超長期にわたる放射性廃棄物による地球環境や廃棄物処分に関する負荷が懸念されている。
これらの課題に対し、U及びPuとともにMAも核燃料物質としてリサイクル利用する概念として、高速中性子を利用する高速炉に基づく概念が知られている(非特許文献2参照)。
また、使用済み燃料から主要な29核種の放射性核分裂生成物に関し、全てを回収し原子炉にリサイクルして核燃料物質の核分裂時に発生する中性子をこれらの放射性核分裂生成物にあてて中性子核反応を起こすことにより、放射性でない安定核種あるいは短半減期放射性核種に変換できることが原理的に知られている(非特許文献3参照)。
藤家洋一著、"リサイクル文明が求める原子力 その全体像と長期展望"、(社)日本電気協会、1998年 Y. I. Chang、"Integral Fast Reactor"、Nuclear Technology、Vol.88,No.2, 1989 M. Igashira and T. Osaki, "Neutron Economy and Nuclear Data for Transmutation of Long-lived Fission Products", Progress in Nuclear Energy, Vol.40, No.3-4, pp.555-560, 2002
高速中性子を利用する高速炉に基づく概念では、(1)のエネルギ生産及び(2)の燃料増殖の同時達成が可能であるが、放射性核分裂生成物の原子力発電所へのリサイクルは示されておらず、(3)の放射能消滅、すなわち放射性核分裂生成物の廃棄物問題は解決されていない。
また、リサイクル対象の29核種の放射性核分裂生成物において中性子バランスを成立させるために、これらの放射性核分裂生成物に同伴する安定な同位体核種を原子炉に装荷する前に除去する必要がある。しかし、この同位体分離処理には多くのエネルギが必要であり、原子炉も含めたシステム全体のエネルギ収支がプラスにならない懸念がある。また、工学的観点からは、29核種を処理するためには原子力システムや各処理工程が複雑になるという課題があった。
また、高速炉により燃料増殖を行う場合、炉心周辺部に親核分裂性物質を主成分としたブランケット燃料領域を設け、そこでの親核分裂性物質の中性子捕獲により核分裂性物質を生成させる概念が通例である。親核分裂性物質としてU238を主成分としたブランケット燃料を用いる一般的なやり方では、生成される核分裂性物質はU238の中性子捕獲により生成されるPu239が主成分となり、生成されたPuの中のPu239が占める割合は、通常、95wt%以上となる。しかし、核拡散防止対策上、このような組成のPuを生成・利用するのは好ましくない。
上記課題を解決するために、工学的な実現性や経済性を確保しつつ、燃料生産や原子力利用に伴う放射性廃棄物の処理処分問題、安全性、及び核不拡散の問題を同時に解決できる、自己整合性を有する原子力システムを提供することを目的とする。
今後、地球規模でエネルギ需要は増大していくと考えられ、原子力の平和利用を拡大できる技術体系が存在することを社会に示すことは、原子力の維持・発展のために極めて有意義である。
発明に係る原子力システムは、請求項に示すように、核燃料物質を核分裂させエネルギを得る原子炉施設と、前記原子炉施設において使用した使用済み核燃料から核燃料物質及び長半減期の核分裂生成物質を回収する再処理施設と、前記再処理施設にて回収した長半減期の核分裂生成物質の一部の同位体濃度を高める同位体濃縮施設と、前記再処理施設にて回収した核燃料物質と前記同位体濃縮施設にて同位体濃度が高められた核分裂生成物質の一部を合わせて前記原子炉施設にリサイクルするために加工する燃料製造施設と、前記再処理施設にて回収した核分裂生成物質のうち同位体濃縮施設に移送していない部分、及び同位体濃縮施設にて回収処理した核分裂生成物質の一部を前記原子炉施設に再装荷するために加工する核分裂生成物質ターゲット製造施設と、前記原子炉施設にて核分裂生成物質を中性子照射核変換した核分裂生成物質ターゲットを中間処理して安定あるいは短半減期化された核分裂生成物質を分離除去するための核分裂生成物質ターゲット処理施設と、から構成され、前記核燃料物質がU、Pu、Np、Am、Cmの金属燃料であるとともに、前記リサイクルする核分裂生成物質がI、Tc、Cs、Zr、及びSnであることを特徴とする。
本発明に係る原子力システムによると、核燃料物質のリサイクル利用により天然ウラン資源の利用効率を大幅に向上、ひいては半永久的なエネルギ確保が可能で、かつ、原子力利用に伴う放射性廃棄物の万年オーダにわたる処分問題を解決でき、更に、Pu利用に伴う核拡散の懸念の解消が同時に達成可能な原子力システムの提供が可能になる。
特に、放射性廃棄物の処分については、万年オーダの問題解決が1000年オーダの現実的な時間スケールでの対応で済むことになり、今後の原子力利用に対する社会受容性の大幅な向上が可能になるとともに、放射性廃棄物の処分が簡素化できるために、経済性の大幅な向上が可能になる。
また、ウラン利用可能期間が超長期にわたり維持でき、エネルギ生産の結果残される廃棄物として、従来の原子力システムで発生する「高レベル廃棄物」区分を不必要にすることは、拡大するエネルギ需要に対して、社会公衆の不安を解消し原子炉システムの展開に有効である。
本発明に係る原子力システムの実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る原子力システム100の全体概念図である。
原子力システム100は、核燃料物質を核分裂させエネルギを得る高速炉施設1(原子炉施設)と、高速炉施設1において使用された使用済み核燃料から核燃料物質及び長半減期の核分裂生成物質を回収する再処理施設2と、再処理施設2にて回収した長半減期の核分裂生成物質の同位体濃度を高めるための同位体濃縮施設3と、再処理施設2にて回収した核燃料物質と同位体濃縮施設3にてZr93を濃縮したZr(ジルコニウム)をあわせて高速炉施設1にリサイクルするために加工する燃料製造施設4と、再処理施設2及び同位体濃縮施設3にて回収処理した核分裂生成物質を高速炉施設1にリサイクルし中性子照射核変換するために加工するFP(核分裂生成物)ターゲット製造施設5と、高速炉施設1にて核分裂生成物質を中性子照射核変換した核分裂生成物質ターゲットを中間処理して安定あるいは短半減期化された核分裂生成物質等を分離除去するためのFPターゲット中間処理施設6とから構成される。
使用済み燃料に含まれる核燃料物質のU(ウラン)、Pu(プルトニウム)、MA(Np(ネプツニウム)、Am(アメリシウム)、Cm(キュリウム)等のマイナーアクチノイド)、及び核分裂生成物質のI(ヨウ素)、Tc(テクネチウム)、Cs(セシウム)、Zr(ジルコニウム)、及びSn(スズ)は再処理施設2にて回収される。回収された核分裂生成物質の内、Cs、Zr及びSnは、同位体濃縮施設3において同位体濃縮処理されることにより、Cs135、Zr93、及びSn126の同位体割合は、それぞれ約26wt%、約15wt%、約31wt%から50wt%以上に増加される。
回収されたU、Pu、MA、及びZrの一部は、燃料製造施設4においてZr合金金属燃料に加工され、高速炉施設1に装荷される。また、再処理施設2において回収された核分裂生成物質のI、Tc、及び、同位体濃縮施設3において同位体濃縮されたCs、Sn、及びZrの一部は、FPターゲット製造施設5において中性子照射核変換用に加工された後に高速炉施設1に装荷される。
高速炉施設1にて中性子照射された核分裂生成物質ターゲットは、一旦、高速炉施設1から取り出される。そして核分裂生成物質ターゲットは、FPターゲット中間処理施設6において安定あるいは短半減期化された核分裂生成物質を分離除去することによりリサイクル対象物質の濃度を上げた上で、FPターゲット製造施設5を介して、高速炉施設1に再装荷される。
尚、同位体濃縮施設3において同位体濃縮処理されたCs、Zr、SnはFPターゲット中間処理施設6において中間的に貯蔵される。この際、Cs、Zr、Snの同位体のうち、短寿命核種がベータ崩壊などにより異なる元素に変換した核種は、FPターゲット中間処理施設6において分離除去される。
原子力システム100では、以上に示した核燃料物質と核分裂生成物質のリサイクルを繰り返し行う。使用済み燃料に含まれる核燃料物質のU、Pu、Np、Am、Cm、及び核分裂により生成した核分裂生成物質のI、Tc、Cs、Zr、及びSnを回収してリサイクル処理をするため、これらの元素は廃棄物としてシステム外に排出されない。これにより、原子力システム100外に排出される廃棄物中の長半減期で毒性が強い放射性物質の量は大幅に削減され、原子力利用に伴う放射性廃棄物問題が解消される。
図2は、高速炉施設1における炉心構成を示す炉心19の横断面概念図であり、図3は、炉心19の縦断面概念図である。
炉心19の冷却材は代表的な液体金属のナトリウムであり、燃料形態はU−TRU−10wt%Zr合金で構成される金属燃料である。高速炉施設1で用いる核燃料物質に金属燃料を用いることにより、核分裂反応が生ずる炉心領域での中性子の有効利用が図られ、燃料の増殖や放射能の消滅のための中性子反応に供することができる中性子をより多く確保することが可能になる。すなわち、現状、一般に用いられている酸化物燃料に対し、金属燃料にすることにより、炉心領域の中性子エネルギスペクトルが高エネルギ側にシフトし、炉心領域における冷却材や構造材の中性子の無駄な吸収が大幅に削減されるため、燃料の増殖や放射能の消滅が達成しやすくなる。
炉心構成は、図2に示すように、最外周部分にターゲット集合体30(図2の「T」)が装荷され、その内側に高富化度燃料集合体31が装荷される。また、炉心19の中央部には低富化度燃料集合体32が装荷され、この低富化度燃料集合体32と高富化度燃料集合体31の間の領域には、中富化度燃料集合体33が装荷される。この中富化度燃料集合体33が装荷される領域には、所定の位置に制御棒34(図2の「C」)、炉停止棒35(図2の「B」)、及びターゲット集合体30が配置される。
また、核燃料物質U、Pu、MAを含有する燃料領域は、図3に示すように、PuとMAとを合わせたTRUの含有濃度(TRU富化度)が10wt%未満の第1の低富化度領域20及び第2の低富化度領域21、10wt%〜20wt%の中富化度領域22、20wt%以上の高富化度領域23により構成される。
リサイクル対象の核分裂生成物質であるI、Tc、Cs、Zr、及びSn(以下、これらを総称してLLFPとも表記)の内、ZrはZr合金金属燃料を形成するための合金化材料として全燃料領域に核燃料物質とともに配置される。その他のLLFPは、それぞれ図3におけるNaI領域24、Tc領域25、CsO領域26、及びSnO領域27に配置される。
例えば、各燃料領域のTRU富化度は以下の通りである。
・第1の低富化度領域20:4wt%
・第2の低富化度領域21:9wt%
・中富化度領域22:17.6wt%
・高富化度領域23:21.3wt%
燃料組成(金属燃料高速炉平衡条件)は、高速炉スペクトルにおける平衡に対応し、以下のようになる。
・Pu:MA=96:4 (wt%)
・Pu238:Pu239:Pu240:Pu241:Pu242
=1.0:59.0:32.3:4.7:3.1 (wt%)
すなわち、TRU中のMAの比率は4〜5wt%であり、軽水炉使用済み燃料のTRUのMA/Pu割合約10wt%に比べて半減していること、Pu同位体組成中ではPu239割合が低下し、Pu240割合が増大していることが特徴である。金属燃料高速炉の硬い中性子スペクトルでは、Cmの蓄積は少なく、MA組成の高次化が生じないという特徴を活用している。尚、高速炉の電気出力を300MWe、熱出力を780MWt、炉心19の運転サイクル長さを2年、燃料交換を5バッチ分散方式、燃料領域の有効高さを90cmとした。
燃料集合体は、集合体ピッチ19.5cm、271本燃料ピン、高照射量対応被覆管材を想定し、燃料体積比50.2vоl%、冷却材体積比27.0vоl%、構造材体積比22.7vоl%とした。TRU富化度によらず炉心19内を共通の断面仕様としている。
LLFPを含むターゲット集合体は、燃料集合体と同一形状の被覆材に封入する構成とした。ターゲット集合体に装荷するLLFPの化学形態は以下の通りである。
・I:NaI
・Tc:金属
・Cs:Cs
・Zr:金属
・Sn:SnO
各LLFPの同位体組成は以下の通りである。
・IにおけるI129の割合:73.5 (wt%)
・TcにおけるTc99の割合:100 (wt%)
・CsにおけるCs135の割合:64.0 (wt%)
・ZrにおけるZr93の割合:51.1 (wt%)
・SnにおけるSn126の割合:59.4 (wt%)
尚、I及びTcは、使用済み燃料から回収した状態のままの組成である。Csは、同位体濃縮施設3においてCs135が57.3wt%まで濃縮されたCsを30年間減衰待ち貯蔵した後、Cs137から崩壊したBa137を除去したCsに対応する組成である。Zr及びSnは、同位体濃縮施設3において各々51.1wt%、59.4wt%まで濃縮された状態の組成である。
高速炉施設1の炉心領域における中性子バランスの評価結果を表1に示す。
Figure 0004936906
尚、表1に示された数値は1回の核分裂あたりで消費される各反応の中性子の数を示したものであるが、同時に各反応により消費あるいは生成される核種の数でもある。
原子力システム100では、核分裂性Puの核分裂と中性子の捕獲により、1回の核分裂あたりで、0.75+0.14=0.89個/核分裂の核分裂性Puが消費されるのと同時に、核分裂性Puは0.91個/核分裂だけ生成する。したがって、燃料増殖が成立していると言ってよい。
また、放射能消滅の対象であるI129、Cs135、Zr93、Tc99、及びSn126による中性子の捕獲は0.19個/核分裂であり、一方、核分裂により生成するこれら5つの核分裂生成核種は0.19個/核分裂であることがわかっているため、核分裂で生成した長半減期の核分裂生成核種は自らの炉心19内で放射能消滅処理ができている。
原子力システム100では、中性子のエネルギの主成分が高速エネルギである高速炉をベースとしており、更に、金属燃料を使用している。これにより、その他の中性子消費である各中性子捕獲数(表1の第5項の「5.その他」の欄)は大幅に削減され、燃料増殖や放射能消滅に中性子が有効に活用されている。中性子エネルギが低い軽水炉の場合や、酸化物燃料を用いた高速炉であった場合、その他の中性子消費が大きくなるため、燃料増殖と放射能消滅の同時達成は困難である。
また、原子力システム100では、消滅対象のZr93を金属燃料の合金基材として用いていることにより、炉心領域への天然Zrの添加量が削減されているために、表2、第5項の構造材等による中性子捕獲数が削減されており、この点についても中性子の有効活用が可能になっている。
更に、原子力システム100では、再処理施設2において回収されたCs、Zr、及びSnは同位体濃縮施設3において同位体濃縮処理され、Cs135、Zr93、及びSn126の同位体割合をそれぞれ、約36wt%、約15wt%、約31wt%から50wt%以上に増加させているため、CsにおけるCs135以外の同位体、ZrにおけるZr93以外の同位体、SnにおけるSn126以外の同位体が炉心19に装荷される量が低減されている。その結果、表2、第5項の「上記以外のFP捕獲数」が低減されており、この点についても中性子の有効活用が図られている。
次に、本実施例における使用済み燃料に含まれるPu組成の核拡散抵抗性について説明する。
U238を主成分とするUからなる従来の高速炉のブランケット燃料では、そこで生成されるPuはPu239が支配的であるため、Pu239/Pu重量比は0.95以上になるのが一般的である。米国とロシア間で結ばれている米露余剰プルトニウム処分協定の第1条では、「兵器級プルトニウムとはPu239に対するPu240の同位体比が0.10を越えないプルトニウム」と定義されている。
原子炉内でのPuの生成は主としてU238の中性子捕獲によるものであるため、まずU238からPu239が生成され順次、高次の質量数を有するPu同位体が生成される。したがって、Puの主成分はPu239とPu240となるのが通常であることから、上記米露余剰プルトニウム処分協定を参考にすれば、兵器級でないPu、すなわち核兵器への転用に適さないPuの目安は、Pu全体に対するPu239の重量比率(Pu239/Pu比)が0.90以下のPuと考えることができる。
表2に、Pu同位体の自発核分裂中性子発生率と崩壊熱との関係を示す。
Figure 0004936906
表2に示すように、Pu同位体の中で質量数が偶数のPu236、Pu238、Pu240、及びPu242は崩壊熱あるいは自発核分裂中性子数がPu239に比べて格段に多く、これらのPu同位体が多く存在することが望ましい。したがって、新燃料の組成を調整して、これらの偶数の質量数を持つPu同位体を多く生成させるようにすればよい。
表3に、Pu236、Pu238、Pu240、及びPu242を生成する主要な親核種と、それらの生成反応を示す。
Figure 0004936906
表3より、新燃料にNp237、Np237とAm241、Pu239とAm243、及びPu241とAm241を予め添加することによりPu236、Pu238、Pu240、及びPu242の生成量を増やすことにより、Pu239/Pu重量比を0.9以下にすることができる。
表4に、例えば、U238を主成分とした燃料を原子炉で照射した場合に生成するPuのPu239/Pu重量比を0.9以下にするために必要な新燃料への添加必要量を評価した例を示す。尚、これは一例であり、添加必要量は当該燃料が照射される場の中性子スペクトルなどにも依存する。
Figure 0004936906
また、軽水炉や高速炉の炉心燃料から取り出されたPuはPu239/Pu重量比は通常0.5〜0.7であり、Pu240やPu242が数10wt%程度含まれるため、このような軽水炉や高速炉の炉心燃料から取り出されたPuを新燃料に添加しておくことも、予めPu240やPu242を加えておく観点から効果がある。これらの対策は、特に、ブランケット燃料のように、U238を主成分とした燃料において、重要となる。
原子力システム100では、以上に示した考えに基づき、あらゆる燃料領域にTRU燃料を調整添加したものであり、Uで構成された従来の高速炉のブランケット燃料領域は設けていない。この結果、原子力システム100における使用済み燃料中に含まれるPu組成は次のとおりであり、Pu239/Pu重量比は最高の領域でも0.71となっている。
・第1の低富化度領域20:
Pu238:Pu239:Pu240:Pu241:Pu242
=1:71:23:3:2 (wt%)
・第2の低富化度領域21:
Pu238:Pu239:Pu240:Pu241:Pu242
=1:69:25:3:2 (wt%)
・中富化度領域22:
Pu238:Pu239:Pu240:Pu241:Pu242
=1:58:33:4:4 (wt%)
・高富化度領域23:
Pu238:Pu239:Pu240:Pu241:Pu242
=1:57:34:4:5 (wt%)
すなわち、原子力システム100では、仮に再処理工程など本システムからPuが盗難された場合でも、このPuを核兵器に転用することは困難であり、核拡散抵抗性が格段に強化されている。
次に、本発明に係る原子力システム100による再処理方法について説明する。
図4に、再処理施設2における再処理の際の機能ブロック図を示す。
原子力システム100では、燃料の形態はZr合金金属燃料であるため、再処理は溶融塩電解法による金属燃料の乾式再処理(金属電解法)に基づいている。すなわち、金属燃料乾式再処理プロセスをベースにリサイクル対象とした核分裂生成物質のI、Cs、Zr、Tc、及びSnを回収する。
最初に、燃料集合体を解体・剪断した後に燃料を100℃前後にてCs等低融点元素を分離した上で(工程0)、1000℃程度に加熱してCs(融点28℃、沸点678℃)を揮発回収する(工程1)。この際、揮発物にはLLFP以外の一部の揮発性FPが混在する可能性があるため、第1の分離トラップ7を介してCs単体として回収する(工程2)。
Iは、炉心19内において金属燃料のボンド材Naと反応してNaI(融点651℃)となっている可能性が高いため、660℃程度に加熱した状態で溶融させて回収する(工程3)。
Zr、Tc、Snは、融点あるいは沸点が高いため燃料とともに溶融塩電解工程に送られる。これを通常の金属電解法で実績がある陽極溶解(約500℃)にて溶融塩中に全量溶解させる。その結果、これらのFPは塩化物形態となるため、塩化物沸点が低い塩化Tc(沸点300℃)及び塩化Sn(沸点114℃)は揮発する。その揮発物は第2の分離トラップ8を介して両者を個別に回収する(工程4)。
Uは、上記陽極溶解と同時に固体陰極に電解析出させ回収する(工程5)。U、Pu、及びMAは、その後、Cd陰極にて電解回収する(工程6)。これらの工程は、通常の金属電解法と同一である。
Zrは、上記電解時に陰極に析出しないように電位制御することにより電解槽底部に配置されたCdプール中に残留する。そこで、燃料を電解回収した後にCdプール中に固体陰極を挿入させた、いわゆるドローダウン工程により金属形態としてZrを回収する(工程7)。
以上の工程0〜工程7により、リサイクル対象の核燃料物質及び核分裂生成物質の回収が可能となる。
尚、上述の金属電解法ではCd陰極へのPu回収時にUやMAも必ず同伴するためPuの単独回収は困難であり、また、回収された核燃料物質には若干の核分裂生成物が混入するため取扱いには遠隔操作が必要となる。すなわち、使用済み燃料中のPuの核兵器転用に対し、この再処理方法自体が原理的障壁を有するため核拡散抵抗性が高いという長所を合わせ持っている。
また、原子力システム100における再処理の一例として、金属燃料を利用する場合の再処理施設2について説明したが、これに限らず、核燃料物質と核分裂生成物質が回収できるものであれば、いかなる再処理施設であっても構わない。
次に、再処理施設2により回収されたCs、Zr、Snに対して、同位体濃縮施設3により同位体濃縮処理を行う同位体濃縮方法について説明する。
表5に、リサイクル対象核分裂生成物質の使用済み燃料中の同位体組成を示す。
Figure 0004936906
前記再処理施設2にて回収される核分裂生成物質は表5に示す同位体組成となっている。この同位体組成のまま高速炉施設1にリサイクルすると、放射能消滅対象核種(I129、Tc99、Cs135、Zr93、Sn126)以外の安定あるいは短半減期の同位体核種も同伴するため、炉心領域においてこれらの核種により中性子の無駄な捕獲が多くなり、中性子バランスが成立しなくなる。
したがって、原子力システム100では、過度の同位体濃縮によるエネルギ消費や設備上の負荷を抑制しつつ、高速炉施設1の炉心領域での中性子の無駄な捕獲を低減させるために、Cs135、Zr93、及びSn126についてのみ、これらの同位体核種割合が各々57.3wt%、51.1wt%、59.4wt%となるまで同位体濃縮施設3において濃縮処理を行う。
尚、表5の元素の中で、I129は再処理施設2にて回収された段階で高い濃度組成であり、また、Tc99は再処理施設2にて回収された段階で100wt%なので、この2種の元素については同位体濃縮の対象核種からは除外する。
図5に、同位体濃縮施設3による同位体濃縮処理の説明図を示す。図5は、真空ポンプで排気された真空容器等によって実現された真空雰囲気において原子レーザ法同位体濃縮を行う場合の基本構成を示している。
ここでは特に、Cs135、Zr93、及びSn126の同位体濃縮の方法に関して説明する。尚、ここでいう同位体濃縮とは、例えばCsの場合、種々のCs同位体混合物である金属Csの中から放射能消滅対象核種であるCs135を選択的に濃縮又は除去し、Cs135の濃度を高めたCsとCs135の濃度の低くしたCsとに分けることをいう。Zr93、Sn126の場合も同様である。
先ず、表5に示したCs133、Cs135、Cs136、Cs137の混合物を対象とした同位体濃縮方法について説明する。
同位体濃縮対象物質10であるCs133、Cs135、Cs136、Cs137の混合物の金属Csが、るつぼ11内に装荷される。るつぼ11内に装荷された金属Csは、電子銃12から発射された電子ビームBにより加熱・蒸発され、Csの原子(蒸気)が発生して拡散しながら上昇する。
ここでは、Cs135が標的同位体であり、るつぼ11上部の空間上のCs原子に対して、Cs135に共鳴的に吸収される波長でスペクトル幅が狭くかつ所定の強さのレーザ光13を照射すると、Cs135の大部分が電離エネルギを得て電子を放出しCs135イオンとなる。
これは、元素によって大小の差はあるが、どの元素においても同位体によって共鳴的に吸収するレーザ光13の波長がわずかながらずれているため、標的同位体に選択的にレーザ光13のエネルギを吸収させることが可能なためである。
しかしCs原子の同位体シフト(原子が吸収するレーザ波長の同位体種によるずれ)は非常に小さいことが知られており、標的同位体の原子がレーザ光13の光軸方向に高速で運動していると標的同位体の原子が感じる光の波長がドップラ偏移し、その標的同位体の原子が共鳴する波長からずれてレーザ光13を吸収できなくなる現象が起こる。また、そのずれによって標的同位体以外の原子が共鳴する波長に近くなってレーザ光13を吸収する現象も発生する。
標的同位体を吸収させるため、図5には示していないが、Cs原子の中でレーザ光の光軸方向の速度成分の大きな原子をレーザ照射対象から除去してるつぼ11に戻す機構が必要である。これを実現するには、例えば、レーザ光13の光軸方向と直交する方向に細長い開口を持つスリット板をるつぼ11上方に配置すること、又は、このスリット板をるつぼ11からの高さを変えて2段に配置することで、実現できる。スリットはレーザ光軸方向には狭い開口しかないため、Cs原子の運動方向によって選別されてレーザ光軸方向の速度成分のばらつきが少ないCs原子のみがスリットを通過するからである。更に上下2段にスリットを配置すると、レーザ光軸方向の速度成分のばらつきをさらに小さくすることができる。
但し、スリットを通過したCs原子同士が衝突するとCs原子の運動方向がばらばらになってしまうため、このスリットを用いる場合には、スリットを通過したCs原子同士の衝突の頻度が十分低くなるように、るつぼから発生するCs原子の密度を低めに設定することが必要条件となる。
尚、この一枚のスリット板の細長い開口は一本とは限らず、距離をおいて複数並んだ配置となっていても有効であり、複数本の開口をもつスリット板の方がるつぼ11から蒸発したCs原子の中の多くのCs原子をスリット板上部に通過させることができ、効率的となる。
このようにしてレーザ光軸方向の速度成分のばらつきが小さくなったCs135原子は、レーザ光13の波長のドップラ偏移が小さいため、スペクトル幅が狭いレーザ光のエネルギを効率的に吸収してCs135イオンとなる。
レーザ光13によって生成されたCs135イオンはマイナスの電荷を持つ電子を放出しているので陽イオンとなっており、図5でマイナス極14であるLLFP回収板15とそれに対向するプラス極16との間に印加された電圧によって、マイナス極14側のLLFP回収板15に引き寄せられて回収される。
他のCs原子の一部はLLFP回収板15とこのLLFP回収板15に対向するプラス極16にも付着するが、その大部分はそのまま上昇し、上部に配置された安定同位体回収板17に付着する。従って、金属Csは、LLFP回収板15に付着したCs135の濃度が高くなった金属Csと安定同位体回収板17に付着したCs135の濃度が低くなった金属Csとに分けられる。
尚、Csは比較的蒸発しやすい金属であり常温においてもわずかに蒸気化するので、蒸気化の影響を避けるためには、LLFP回収板15やそれと対向するプラス極16、安定同位体回収板17などのCs蒸気が付着する部材を冷却し、回収されたCs原子が再蒸発しないような対策が合わせて必要となる。
表5に示したZr90、Zr91、Zr92、Zr93、Zr94、Zr95、Zr96の混合物を対象とした同位体濃縮方法について説明する。Csの場合と同様に図3は真空ポンプで排気された真空容器等によって実現された真空雰囲気において原子レーザ法同位体濃縮を行う場合の基本構成を示している。
同位体濃縮対象物質10であるZr90、Zr91、Zr92、Zr93、Zr94、Zr95、Zr96の混合物の金属Zrがるつぼ11内に装荷される。るつぼ11内に装荷された金属Zrは電子銃12から発射された電子ビームBにより加熱・蒸発され、Zrの原子(蒸気)が発生し拡散しながら上方に上昇していく。
ここではZr91とZr93とZr95とを標的同位体と定める。Zr93だけでなく、放射能消滅対象核種以外のZr91とZr95も標的同位体に加えたのは、以下の理由による。レーザ光13のもつ性質の中で波長だけでなく、横波である光の電磁場の振動方向を表す偏光の方向を所定の方向に制御し、原子と光の間の量子力学的選択則を利用することにより、原子を構成する核子(陽子と中性子)の数が奇数の原子のみに選択的にレーザ光を吸収させてイオン化させることが可能である。この奇数の原子のみをイオン化させる方法を使うことで、より効率的な同位体濃縮が可能となるためである。
Zr原子の同位体シフトも、Cs135の場合と同様に非常に狭いことが分かっている。したがって、レーザ光の波長をZr93に共鳴的に吸収される波長でスペクトル幅が狭いレーザ光13を照射するだけでは、るつぼ11上部にスリット板を配置することや、るつぼから発生するZr原子の密度を低めに設定する必要が生じ、発生したZr(蒸気)原子の利用率が低くなってしまう。更に、一定の同位体濃縮能力を達成するのに必要な装置が大きくなってしまう。
Zrの場合は、放射能消滅対象核種の核子数が奇数であり、かつ消滅対象核種以外の核子数が奇数の核種の組成合計は30wt%を超えることはないため、Zr93だけでなくZr91とZr95も標的同位体に加えても同位体濃縮のメリットを損なうことがない。
この方法を組み合わせることで、レーザ光13のスペクトル幅を広めに、即ちZr93原子の感じるレーザ波長のドップラ偏移のばらつきも含めるようにスペクトル幅を広く設定しても、Zr原子の核子数が偶数のZr90、Zr92、Zr94、Zr96がレーザ光13を吸収してZrイオンになることはないため、るつぼ11の上部にスリット板を配置することや、るつぼから発生するZr原子の密度を低めに設定する必要がなくなる。これにより、より効率的なイオン化が可能になる。
ここではZr93に加えてZr91とZr95を標的同位体と定めると述べたが、レーザ光13の波長はZr93が主に共鳴的に吸収するように、レーザ光13の波長のスペクトル幅をZr93のドップラ偏移のばらつきをカバーできる最低限の幅に設定し、出来る限りZr91とZr95とが共鳴的にレーザ光13を吸収する割合が低くなるようにすべきことは言うまでもない。
ここで、るつぼ11の上部の空間上のZr原子に対してZr91とZr93とZr95との中でZr93に主に共鳴的に吸収される波長でスペクトル幅が狭く、かつレーザ光13の偏光方向を核子数が奇数の原子のみが吸収するように制御された所定の強さのレーザ光13を照射すると、Zr93の大部分とZr91の一部とZr95の一部とが電離エネルギを得て電子を放出しイオンとなる。レーザ光13によって生成されたZr93を主とするイオンはマイナスの電荷を持つ電子を放出しているので陽イオンとなり、図5でLLFP回収板とそれに対向する電極との間に印加された電圧によって、マイナス極側のLLFP回収板15に引き寄せられて回収される。
他のZr原子の一部はLLFP回収板15とこのLLFP回収板15に対応するプラス極16にも付着するが、大部分はそのまま上昇し、上部に配置された安定同位体回収板17に付着する。従って、金属Zrは、LLFP回収板15に付着したZr93の濃度が高くなった金属Zrと安定同位体回収板17に付着したZr93の濃度が低くなった金属Zrに分けられる。
次に、Sn115〜Sn126の混合物を対象とした同位体濃縮方法について説明する。
同位体濃縮対象物質10であるSn115〜Sn125、Sn126の混合物の金属Snがるつぼ11内に装荷される。るつぼ11内に装荷された金属Snは、電子銃から発射された電子ビームBにより加熱・蒸発され、Snの原子(蒸気)が発生し拡散しながら上方に上昇していく。ここではSn126が標的同位体であり、るつぼ11上部の空間上のSn原子に対して標的同位体であるSn126に共鳴的に吸収される波長でスペクトル幅が狭くかつ所定の強さのレーザ光13を照射すると、Sn126がレーザ光13のエネルギを得て電子を放出しイオンとなる。
レーザ光13によって生成されたSn126イオンはマイナスの電荷を持つ電子を放出しているので陽イオンとなっており、図5でLLFP回収板15とそれに対向するプラス極16との間に印加された電圧によって、マイナス極14であるLLFP回収板15に引き寄せられて回収される。
他のSn原子の一部はLLFP回収板15とその対向するプラス極16にも付着するが、大部分はそのまま上昇し、上部に配置された安定同位体回収板17に付着する。
従って、LLFP回収板15に付着したSn126の濃度が高くなった金属Snと安定同位体回収板17に付着したSn126との濃度が低くなった金属Snに分けることができる。尚、Sn原子の同位体シフトは、Cs原子やZr原子同様に非常に狭いことが分かっている。
Zr93の同位体濃縮のところで説明した核子数が奇数の同位体核種を濃縮する方法をSn126の同位体濃縮において適用することについては、Sn126は核子数が偶数でありこの方法における標的同位体になれないことから、意味を持たない。従って、Cs135の同位体濃縮と同様に、るつぼ11上部にスリット板を配置することやるつぼ11から発生するSn原子の密度を低めに設定することが必須となる。
尚、Zr93の同位体濃縮のところで説明した核子数が奇数の同位体核種を濃縮する方法をCs135の同位体濃縮に適用することについては、Cs135自身は核子数が奇数であるものの、他の核子数が奇数であるCs133とCs137の組成の合計が60wt%を超えており、これをも標的同位体としてしまうと同位体濃縮にならないため、意味を持たない。
このように、原子レーザ法による同位体濃縮法は、従来の拡散分離法や遠心分離法を代表とする統計的分離法(個々の原子や分子を選択的に分離するのではなく多くの原子や分子同士の相互作用の結果として確率的・統計的に定まる一定割合の分離が行われる分離法をこう呼んでいる)と比べて、同位体濃縮に必要なエネルギが少なく効率的なだけでなく、1回の濃縮運転で格段に大きな分離係数を得ることができる。このため、放射能消滅対象核種の同位体濃縮においても同位体濃縮回数を大幅に減らすことができるとともに、放射能消滅対象核種が接する部材に付着すること等に伴う放射性廃棄物の発生量削減などの面でも大きなメリットが期待される。
尚、原子レーザ法ではなく従来の統計的分離法により放射能消滅対象核種の同位体濃縮を行うことを想定すると、多数の濃縮単位を配管で繋いで連続的に多段の同位体濃縮を行えるようにしたカスケードを構成する必要があるため、多数の濃縮単位や配管内に留まる放射性同位体核種の量が膨大になるため、それによる被爆線量も過大となり施設運転管理の面でも現実的な概念とは言えない。
表6に、本発明に係る原子力システム100におけるエネルギ収支の評価結果を示す。
Figure 0004936906
核分裂により発生するエネルギは1回の核分裂あたりで200MeV/核分裂である。これに対し、原子力システム100において消費・損失されるエネルギは127.3MeV/核分裂である。結果として、この原子力システム100によると、73MeV/核分裂の電気エネルギが得られることがわかる。すなわち、SCNESの必須条件のひとつであるエネルギ収支が成立している。これはLLFPの同位体濃縮に、エネルギ効率が悪いと言われている拡散法等の統計的分離法を用いないで原子レーザ法を用いているため、LLFP回収・濃縮施設の負荷が僅か1MeV/核分裂と極めて高い効率が確保できていることによるものである。
原子力システム100では、再処理施設2及び同位体濃縮施設3において、リサイクル対象の核燃料物質は99.9%回収され、リサイクル対象の長半減期の核分裂生成物質は99%回収され、燃料製造施設4及びFPターゲット製造施設5を介して高速炉施設1に装荷される。
また、表1にて説明したとおり、高速炉施設1では中性子バランスが成立しているために長半減期の核分裂生成物質は中性子捕獲により安定あるいは短半減期核種に変換され放射能消滅される。
更に、再処理施設2及び同位体濃縮施設3において回収されないで、この原子力システム100外に排出される廃棄物は、安定な状態を維持するためにセメントにより固化された処分体として地中処分する。この時の処分体中の廃棄物添加濃度は2wt%としている。
図6に、原子力システム100の放射能濃度低減効果を説明するための放射能濃度の時間変化図を示す。
図6の曲線Aは、再処理施設2及び同位体濃縮施設3において回収されないで、この原子力システム100外に排出される処分体の放射能濃度の時間変化を示している。原子力システム100では、再処理施設2及び同位体濃縮施設3において、リサイクル対象の核燃料物質は99.9%回収され、リサイクル対象の長半減期の核分裂生成物質は99%回収され、かつ、システム外に廃棄物を排出する処分体に含める廃棄物の濃度を2wt%としているために、処分体の放射能濃度は約1000年後には天然ウランと同等レベルとなる。
図6の曲線Bは、処分体中の廃棄物濃度を従来並みの20wt%とした場合の放射能濃度の時間変化を示している。処分体の放射能濃度が天然ウラン並みとなるのは5万年後以降となる。
図6の曲線Cは、リサイクル対象を核燃料物質のみとし、核分裂生成物質はリサイクルしないで全て廃棄物としてシステム外に排出する場合の放射能濃度の時間変化を示している。処分体の放射能濃度が天然ウラン並みとなるのは200万年後以降となる。
図6の曲線Dは、リサイクル対象を核燃料物質の内、U及びPuのみとし、MA及び核分裂生成物質をリサイクルしないで全て廃棄物としてシステム外に排出する場合の放射能濃度の時間変化を示している。曲線Cとほぼ同様、処分体の放射能濃度が天然ウラン並みとなるのは200万年後以降となる。
このように、本発明に係る原子力システム100では、放射性廃棄物、すなわち、処分体の放射能濃度は約1000年後に天然ウラン並みとなるため、処分体を地中処分する際には、社会に有害な影響を及ぼさないために、約1000年間、この放射性廃棄物を社会から隔離すれば良い。
従来の原子力システム100の場合、図6の曲線Dと同様になるため、処分体を地中処分する際には、地中深度が500から1000mほどの深地層に、多重の人工バリアを設けることにより、1万年以上の超長期に及ぶ隔離性ひいては安全性を確保する対策が考えられているが、本発明に係る原子力システム100の場合には、人工的には1000年間の隔離さえ確保すればよく、地層処分の大幅な合理化、経済性向上が可能になる。
図7は、放射性廃棄物の種々の処分方法について、その処分コストの比較図である。
図6の曲線Dのケースの処分コストは、図7における「地層処分(高レベル廃棄物」のコストに対応し、原子力システム100の場合、処分の合理化の結果、図7における「浅地層処分(コンクリートピット)」相当の処分コストにまで低減できる。すなわち、本発明に係る原子力システム100によると、処分コストを従来の1/100程度に低減できる。
また、1万年以上に及ぶ人工バリアの健全性については、人間社会の時間オーダに比較して大幅に長いため、社会的な受容性の観点から難点が指摘されることが従来あったが、本発明に係る原子力システム100によると、1000年という時間オーダまで大幅に短縮されるために、放射性廃棄物問題、ひいては原子力利用に対する社会受容性の大幅な向上が可能になる。
本発明に係る原子力システムの全体概念図。 本発明に係る原子力システムの高速炉施設における炉心の一例を示す横断面概念図。 本発明に係る原子力システムの高速炉施設における炉心の一例を示す縦断面概念図。 本発明に係る原子力システムの再処理施設による再処理の際の機能ブロック図。 本発明に係る原子力システムの同位体濃縮施設による同位体濃縮方法を説明するための説明図。 本発明に係る原子力システムにおける放射性廃棄物の放射能濃度低減効果を説明するための放射能濃度の時間変化図。 本発明に係る原子力システムにおける放射性廃棄物の処分コストを説明するための処分コスト比較図。
符号の説明
100 原子力システム
1 高速炉施設
2 再処理施設
3 同位体濃縮施設
4 燃料製造施設
5 FPターゲット製造施設
6 FPターゲット中間処理施設
7 第1の分離トラップ
8 第2の分離トラップ
10 濃縮対象物質
11 るつぼ
12 電子銃
13 レーザ光
14 マイナス極
15 LLFP回収板
16 プラス極
17 安定同位体回収板
19 炉心
20 第1の低富化度領域
21 第2の低富化度領域
22 中富化度領域
23 高富化度領域
24 NaI領域
25 Tc領域
26 CsO領域
27 SnO領域
30 ターゲット集合体
31 高富化度燃料集合体
32 低富化度燃料集合体
33 中富化度燃料集合体
34 制御棒
35 炉停止棒
B 電子ビーム

Claims (8)

  1. 核燃料物質を核分裂させエネルギを得る原子炉施設と、
    前記原子炉施設において使用した使用済み核燃料から核燃料物質及び長半減期の核分裂生成物質を回収する再処理施設と、
    前記再処理施設にて回収した長半減期の核分裂生成物質の一部の同位体濃度を高める同位体濃縮施設と、
    前記再処理施設にて回収した核燃料物質と前記同位体濃縮施設にて同位体濃度が高められた核分裂生成物質の一部を合わせて前記原子炉施設にリサイクルするために加工する燃料製造施設と、
    前記再処理施設にて回収した核分裂生成物質のうち同位体濃縮施設に移送していない部分、及び同位体濃縮施設にて回収処理した核分裂生成物質の一部を前記原子炉施設に再装荷するために加工する核分裂生成物質ターゲット製造施設と、
    前記原子炉施設にて核分裂生成物質を中性子照射核変換した核分裂生成物質ターゲットを中間処理して安定あるいは短半減期化された核分裂生成物質を分離除去するための核分裂生成物質ターゲット処理施設と、から構成され、
    前記核燃料物質がU、Pu、Np、Am、Cmの金属燃料であるとともに、前記リサイクルする核分裂生成物質がI、Tc、Cs、Zr、及びSnであることを特徴とする原子力システム。
  2. 前記原子炉施設で用いる金属燃料が核燃料物質とZrの合金形態であるとともに、このZrの一部もしくは全体は、前記再処理施設にて回収された核分裂生成物質のZrである請求項記載の原子力システム。
  3. 前記原子炉施設の核分裂反応が生ずるあらゆる領域において、使用済み燃料中のPuに対するPu239の重量割合が0.9以下となるように、新燃料中に添加するPu、Np、及びAmの量が調整された請求項記載の原子力システム。
  4. 前記再処理施設において、
    使用済み核燃料をCsの沸点以上で1000℃以下にて熱処理することにより前記核分裂生成物質のCsを回収する第1の工程と、
    使用済み核燃料をNaIの融点以上で700℃以下にて熱処理することにより前記核分裂生成物質のIを回収する第2の工程と、
    使用済み燃料を400℃以上に加熱した溶融塩に溶解させることにより前記核分裂生成物質のSn及びTcを回収する第3の工程と、
    使用済み燃料を溶解させた450℃以上の溶融塩電解にて主としてUを固体状陰極に析出回収する第4の工程と、
    使用済み燃料を溶解させた450℃以上の溶融塩電解にてU、Pu、Np、Am、及びCmを液体状陰極に析出回収する第5の工程と、
    使用済み燃料を溶解させた450℃以上の溶融塩電解にてZrを固体陰極に析出回収する第6の工程と、が行われる請求項記載の原子力システム。
  5. リサイクルする前記核分裂生成物質の内、Cs、Zr、及びSnは、各元素中のCs135、Zr93、及びSn126の各同位体の割合が50wt%以上になるように前記同位体濃縮施設において同位体濃縮される請求項記載の原子力システム。
  6. 前記同位体濃縮施設において、原子レーザ法によりリサイクルされる核分裂生成物質の同位体濃縮を行う請求項記載の原子力システム。
  7. 前記原子炉施設において、核燃料物質を核分裂させる領域の中性子エネルギの主成分は高速エネルギである請求項記載の原子力システム。
  8. 前記原子力システム外に排出される放射性廃棄物は、前記放射性廃棄物の濃度を2wt%以下とした処分体として処分される請求項記載の原子力システム。
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