JP2015141069A - 高速炉の炉心 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉炉心の安全設計上必須で、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果を増大させることができる高速炉の炉心を提供する。【解決手段】本発明に係る高速炉の炉心は、核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有するものである。この高速炉の炉心は、約1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素、またはこの天然元素を組み合せた物質を前記金属燃料に希釈材として添加したことを特徴とする。【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、プルトニウム(Pu)を含むTRU燃料を効率よく燃焼させ、炉心の安全性を確保することができる高速炉の炉心に関する。
一般的な高速炉の炉心1は、図11に示すように構成され、核分裂性物質を多く含む炉心燃料集合体2と、核分裂性親物質を多く含む径ブランケット燃料集合体3と、核分裂反応を制御する制御棒集合体4等により構成される。炉心燃料集合体2は内側炉心燃料集合体2aと外側炉心燃料集合体2bとに区分される。
また、炉心燃料集合体2は、図12に示すように筒状のラッパ管5内にステンレス鋼等の金属材料からなる被覆管を有する燃料要素6が多数装荷される。燃料要素6は、上部軸ブランケット燃料7a、炉心燃料8、下部軸ブランケット燃料7bおよびガスプレナム9により構成された構造となっている。
ラッパ管5の上部には、炉心燃料集合体2の把持部を構成するハンドリングヘッド6aが設けられる。ラッパ管5の下部には炉心燃料集合体2を固定支持するエントランスノズル6bが設けられ、このエントランスノズル6bの側壁に冷却材流入口10が設けられる。
炉心燃料集合体2は炉心1に装荷されるもので、その平断面構造を図13に示す。炉心燃料集合体2に組み込まれる燃料ピンとしての燃料要素6の平断面は図14に示される。
高速炉の炉心1を構成する炉心燃料およびブランケット燃料は、軽水炉(LWR)の使用済燃料再処理施設から抽出されるプルトニウム(Pu)と、ウラン濃縮施設から副産物として生成される劣化ウランとから混合酸化物燃料が製造され、再利用に供される。
使用済燃料の再処理廃棄物には、数万年以上のオーダに亘る半減期を有するマイナアクチニド(MA)や数千年から万年オーダの半減期を有する長半減期核分裂生成物(LLFP)を含むことから高レベル放射性廃棄物(HLW)として深地層処分される計画がある。しかし、数万年のオーダに亘る半減期を有するために、HLWの処分は大変な困難性を伴う。
原子力の持続的利用のための技術的検討のなかで、Puを含む超ウラン元素(TRU)を核分裂により燃焼し、消滅させる一方、LLFPは中性子核変換により安定あるいは短半減期核種に変換する検討が進められている。従来からTRUやLLFPを消滅(核変換)させるための検討が行なわれており、TRU・LLFP燃焼には高速炉を利用して、燃料にはウランとTRUを含むU−TRU燃料が用いられる。
しかし、高速炉の炉心に装荷したU−TRU燃料は、燃焼と同時にUから新たにTRUが生成されるため、TRUの正味の燃焼量は少ない。例えば、転換比1の原子炉(LWR)の場合、1tのTRU装荷量に対し、1tのTRU取出量となるため、LWRからのTRUを燃料に取り込めるのは初装荷時だけになってしまう。
したがって、LWRを完全に高速炉に置き換えなければ、LWRからのTRUを処理することはできない。LWR主流の時代においては、LWRで発生するTRUが蓄積することなく、燃焼処理するためには、燃焼施設(高速炉)のTRU燃焼量を極大化することが必要である。
TRU燃焼量を極大化するためには、当該燃焼施設において、新たなTRU発生が無いように、Uを用いない燃料とする方法が考えられる。また、燃料形態としては、TRUの核分裂捕獲反応の比率が混合酸化物燃料(MOX燃料)に比較して金属燃料が高いために、MOX燃料炉心より金属燃料炉心の方が核分裂による燃焼効率が優れている。さらに、MOX燃料では、UをゼロにしたU無燃料を原子炉で使用することは、燃料製造と再処理の観点から困難である。
Uを用いないTRU燃料から構成される炉心において、同一の炉出力密度のもとで多くのTRUを受け入れることを目標とする場合、炉心の中性子スペクトルは硬い高速スペクトル炉型とすることが有効である。また、TRU燃料形態とする炉心では、炉心燃料を物質密度の高い金属形態とすることが、他の酸化物や窒化物形態の炉心燃料の場合よりも、多くのTRUを燃料内に受け入れられる可能性が大きい。
したがって、燃焼施設をUを用いないU無金属燃料高速炉の炉心とすることにより、新たなTRUの発生がなく、Puを含むTRUを効率よく核分裂により燃焼させることができる。
一般に、原子炉の安全設計では、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度として、炉心燃料による中性子の吸収割合が増加して反応度が低下するドップラ効果が期待されている。ドップラ効果は、原子炉の安全性に係わる重要な核特性であり、ドップラ効果により負の反応度が生じて核的逸走に至るのが防止される。このドップラ効果は、主に燃料中のU−238による共鳴吸収反応が増大していることに起因している。
特開平07−294676号公報
Nadia MESSAOUDI and Jean TOMMASI;Fast Burner Reactor devoted to Minor Actinide Incineration,Nuclear Technology,Vol.137,Feb.,2002,pp84−96
特許文献1に記載の発明では、核分裂性物質(FP)として少なくともウランを含むU−TRU燃料とTRUのみからなるTRU燃料とを組み合せた炉心燃料を備えた高速炉の炉心が記載されている。
しかし、この高速炉の炉心では、炉心燃料にU−TRU燃料として、ウランとプルトニウムからなる混合酸化物(MOX)燃料が用いられるため、炉心に装荷したTRU燃料の燃焼と同時に新たにTRU(超ウラン元素)が生成され、TRUの正味の燃料量を多くとることができない。このため、炉心に装荷される炉心燃料からTRUの核分裂/捕獲反応の比率を高くとることは困難である。
また、Uを用いない酸化物燃料高速炉に対しては、非特許文献1に核分裂生成物(FP)テクネチウム99(Tc99)やタングステンWを燃料に混合することにより負のドップラ効果確保のための検討例が公表されている。
しかし、Uを用いない酸化物燃料の高速炉の炉心は、核分裂による燃焼効率が金属燃料炉心より劣る。非特許文献1では、核分裂生成物テクネチウム99(Tc99)やタングステンWを燃料に混合させた場合の負のドップラ効果の検討例が示されているだけであり、他の酸化物形態の燃料を混合させた場合の酸化物燃料高速炉における有効なドップラ効果対策はとられていない。
さらに、Uを用いない燃料の場合は、炉心の臨界量から燃料体積比を少なくし、冷却材や構造材を多くしたり、あるいは希釈材を添加する必要があるが、この金属燃料高速炉の炉心には、燃料にU−238が存在しないため、ドップラ効果が小さくなり、負のフィードバック反応度が低下する問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、原子炉炉心の安全設計上必須で、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果を増大させることができる高速炉の炉心を提供することを目的とする。
本発明に係る高速炉の炉心は、上述した課題を解決するために、核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、1keV以上の中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素、またはこの天然元素を組み合せた物質を前記金属燃料に希釈材として添加したことを特徴とするものである。
また、本発明に係る高速炉の炉心は、上述した課題を解決するために、核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、1keV以上の中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物元素を前記金属燃料に希釈材として添加したことを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る高速炉の炉心は、上述した課題を解決するために、核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、1keV以上の中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素、もしくはこの天然元素を組み合せた物質と、前記高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいは前記ジルコニウムに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物元素とを、前記金属燃料に希釈物として添加したことを特徴とするものである。
またさらに、本発明に係る高速炉の炉心は、上述した課題を解決するために、核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、前記炉心の中央部に前記金属燃料を装荷した中央炉心領域が構成され、この中央炉心領域の上部にガスプレナム領域を介して上部反射体領域が構成され、前記中央炉心領域の下部に下部反射体領域が構成され、前記炉心中央領域、上部反射体領域および下部反射体領域の外周側に径反射体領域が構成され、前記中央炉心領域には、1keV以上の中性子エネルギ領域に中央共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素またはこの天然元素を組み合せた物質を前記金属燃料に添加した炉心燃料が用いられることを特徴とするものである。
本発明に係る高速炉の炉心は、原子炉炉心の安全設計上必須な、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果の増大が図れ、炉心の安全性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る高速炉の炉心例を示す縦断面図。 本発明の実施形態に係る高速炉の炉心例の縦断面構造を示す構成図。 本発明の実施形態に係る高速炉の炉心例の平断面構造を示す構成図。 本発明の実施形態に係る高速炉の炉心例に装荷される炉心燃料集合体を示す縦断面図。 図4に示された炉心燃料集合体の平断面構造を示す図。 図5の炉心燃料集合体に収容される燃料要素(燃料ピン)の平断面図。 酸化物燃料、金属燃料炉心およびPuZrのU無金属燃料炉心におけるドップラ反応度解析例を示す図。 本発明の実施形態に係るU無金属燃料高速炉に希釈材を添加した場合の希釈材とドップラ反応度の相対関係を示す図。 本発明の実施形態に係るU無金属燃料高速炉に希釈材を添加した場合の希釈材割合とドップラ反応度の相対関係を示す図。 ZrとMoの天然元素と核分裂生成物(FP)であるFP−Zr,FP−Moにおける中性子捕獲断面積の温度変化(273K〜1100K)量のエネルギ依存性解析例を示す図。 従来の高速炉の炉心の平断面構造を示す図。 従来の高速炉の炉心燃料集合体を示す縦断面図。 図12の炉心燃料集合体を示す平断面図。 図13の炉心燃料集合体に収容される燃料要素(燃料ピン)を示す平断面図。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、液体金属を冷却材として用いるループ型高速炉の一例を示す縦断面図である。この高速炉20は、原子炉容器21内に炉内構造物22が設けられ、この炉内構造物22上に炉心23を支持する炉心支持板24が設置される。炉心支持板24の下部にはコアキャッチャ25が配置される。
炉心23の上方には、炉心上部機構26が配置される一方、冷却材入口配管27から原子炉容器21内に流入した(一次)冷却材28は、炉心支持板24を通過して炉心23内に案内される。冷却材28が炉心23を通る際に加熱されて上昇し、冷却材出口配管29に導かれ、原子炉容器21外に設置された中間熱交換器(図示せず)で二次冷却材と熱交換され、冷却されるようになっている。これらの炉心23、炉心支持板24、炉心上部機構26および冷却材配管27,29等は原子炉容器21内に格納されている。
また、原子炉容器21の頂部は遮蔽プラグ30で覆われている。遮蔽プラグ30は固定プラグ31と回転プラグ32とから構成される。固定プラグ31上に、炉内中継装置駆動装置33が設けられる一方、回転プラグ32上に制御棒駆動機構34が設置される。
[第1の実施形態]
高速炉の炉心23は原子炉容器21内に格納されており、図2および図3に示す炉心構造を有する。図2は、高速炉の炉心23の縦断面構造を示し、図3は炉心23の平断面構造を示すものである。
高速炉の炉心23は、図2に示すように、その中央部に中央炉心領域35が構成される。中央炉心領域35は中心部に内側炉心領域36が形成され、この内側炉心領域36の外周側に外側炉心領域37が形成される。中央炉心領域35の上部にガスプレナム領域38が形成され、このガスプレナム領域38の上方に上部反射体領域39が設けられる。中央炉心領域35の下部には下部反射体領域40が設けられる。さらに、上部反射体領域39、ガスプレナム領域38、外側炉心領域37および下部反射体領域40の外周側に径反射体領域41が設けられる。
また、高速炉の炉心23は、中央炉心領域35に設けられる炉心燃料56にプルトニウム(Pu)を含みウラン(U)より重い核分裂物質のネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)等の超ウラン元素(TRU)の燃料物質が用意され、この燃料物質にはウラン不使用で母材(希釈材)にジルコニウム(Zr)を使用する棒状のU無金属燃料を用いた金属燃料炉心である。U無金属燃料の高速炉の炉心23は、図3に示すように中央炉心領域35に多数の炉心燃料集合体45が装荷される。
この炉心燃料集合体45は内側炉心領域36に装荷される内側炉心燃料集合体46と外側炉心領域37に装荷される外側炉心燃料集合体47とから構成される。外側炉心燃料集合体47の外周側に径反射体集合体48が複数列配列される。なお、符号49は、中性子吸収物質を多く含み、核分裂反応を制御する制御棒集合体である。
炉心燃料集合体45は、図4に示す縦断面構造を有し、六角筒状のラッパ管50内に多数の燃料要素(燃料ピン)51が束ねられて装荷される(図5参照)。燃料要素51は、ステンレス鋼等の金属材料製の被覆管53の上部にガスプレナム54上部に配置し、上部反射体55、炉心燃料56および下部反射体57を装荷して構成され、両端部が上部端栓58および下部端栓59で閉塞される。
炉心燃料集合体45を構成する内側炉心燃料集合体46と外側炉心燃料集合体47は、ラッパ管50、被覆管53の形状寸法、材質、燃料要素(燃料ピン)51の形状寸法および冷却材流路面積をそれぞれ同じくする。内側炉心燃料集合体46と外側炉心燃料集合体47の相違は、炉心燃料56を構成するPuおよびTRUの燃料物質と母材(希釈材)との混合割合の点である。炉出力分布平坦化のために、外側炉心燃料集合体47の方が、内側炉心燃料集合体46よりPuを含むTRUの燃料物質の割合が多く含まれるように配慮される。
また、炉心燃料集合体45は、図4に示すように、ラッパ管50の上部に、炉心23に装荷したりあるいは炉心23から取り出す際の把持部を構成するハンドリングヘッド60が設けられる。ラッパ管50の下部には炉心燃料集合体45を固定支持するエントランスノズル61が設けられ、このエントランスノズル61の側壁に冷却材流入口62が設けられる。
冷却材入口配管27から原子炉容器21内に流入された液体金属の冷却材28は冷却材流入口62から炉心燃料集合体45内に案内されて冷却材流路63を上昇し、炉心23を通る際に加熱される。加熱された冷却材28は続いて冷却材流出口64から冷却材出口配管29に案内され、原子炉容器21外に設置の中間熱交換器(図示せず)で二次冷却材を加熱して冷却され、再び原子炉容器21内に戻されるように循環する。
ところで、炉心燃料集合体45内に収容される燃料要素(燃料ピン)51は、図5および図6に示す平断面構造を有する。燃料要素51はPuを含むTRUの燃料物質とU不使用の母材(希釈材)のジルコニウムとを用いた棒状のU無金属燃料66で構成される。燃料要素51は、被覆管53とU無金属燃料66の燃料ペレットとの間にボンド材67が設けられる。炉心燃料56にU無金属燃料66を用いた場合、燃料融点が約1200℃と低いために、冷却効果(熱伝導)を向上させる目的でボンド材67として熱伝導が大きなナトリウムが充填される。
また、炉心燃料集合体45は、U無金属燃料66の燃料棒(炉心燃料56)と被覆管53との間にボンド材67としてナトリウムが充填されるために、ガスプレナム領域38は図2および図4に示すように、炉心燃料56の上方に設けられる。
一方、ウラン・プルトニウムを燃料とする熱中性子炉から取り出される使用済燃料中には、ネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)等のアクチノイド核種と同時にプルトニウム(Pu)や残留ウラン(U)等が含まれている。これらの核種は核燃料リサイクルプロセスで回収され、再利用される。
第1の実施形態では、核燃料リサイクルプロセスで回収されるPuを含むUより重い核分裂物質のNp,Am,Cm等の超ウラン元素(TRU)を燃料物質とし、さらに、ウラン不使用で母材(希釈材)にジルコニウムZrを用いたU無金属燃料を有する高速炉の炉心23を対象とするものである。なお、実際のU無金属燃料には、回収される混合TRUに移行した少量のUも含まれることになるが、各実施形態の効果への影響は小さい。すなわち、各実施形態の「ウラン不使用」の燃料、「U無金属燃料」、「U無TRU燃料」等の用語は、リサイクルプロセスでウランの分離工程を経た後のTRUを主な燃料物質とする燃料のことを指しており、リサイクルプロセスでのウランの分離工程を経ても分離し切れなかったウランを含有するものも「ウラン不使用」の燃料、「U無金属燃料」、「U無TRU燃料」に含まれる。
この金属燃料高速炉の炉心23では、炉心燃料集合体45に装荷される燃料要素51にウラン(U)不使用の金属燃料66が炉心燃料56として用いられる。このU無金属燃料66は、例えば1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子吸収断面積があり、中性子吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムより大きい天然元素が希釈材として添加されたものである。
第1の実施形態の高速炉の炉心23では、炉心燃料集合体45にプルトニウムを含みU無TRU燃料の金属燃料66が用いられる。U無TRU金属燃料66の高速炉の炉心23において、同一の炉出力密度のもとで多くのPuを含むTRUのU無金属燃料66を受け入れるためには、炉心の中性子スペクトルは硬い高速スペクトル炉とすることが好ましい。
図7は、高速スペクトルの炉心において、ウランとプルトニウムの酸化物燃料(UO+PuO)を使用する酸化物燃料炉心と、母材(希釈材)にジルコニウム(Zr)を使用する金属燃料(PuZr+UZr)の金属燃料炉心と、ウランを用いないで母材(希釈材)としてジルコニウム(Zr)を使用したU無金属燃料炉心とのドップラ反応度の相対値を比較して示すものである。これらの炉心は、燃料物質のTRU物質としてPuのみを用いたものである。
UとTRUを使用する酸化物燃料(PuO+UO)では、燃料全体の70−80%を占めるU238が負のドップラ効果の要因である。母材(希釈材)としてZrを使用するPu+U+Zrの金属燃料についても同様にU238が負のドップラ効果の主要因であるが、母材Zr(10wt%=約29atomic%)も負のドップラ効果をもたらしている。TRUがプルトニウム(Pu)のみの内、核分裂性PuであるPu239、Pu241については注意をはらう必要がある。ドップラ効果の要因である中性子吸収反応(absorption)は中性子捕獲(capture)と核分裂反応(fission)の2種類の反応からなるので、中性子吸収反応のドップラ効果は中性子捕獲capture量の増加にともなう中性子数を減少する作用を与える部分と核分裂fissionの増加による中性子発生数の増加(核分裂あたりν(約2.9個/fission)発生)とのバランスにより決まり、核分裂反応が大きくなる低エネルギ側の共鳴吸収においては、Pu239,Pu241のドップラ効果は正となることが知られている(熱中性子スペクトル領域含む)。
また、ウラン不使用金属燃料炉心(PuZr)では、Puを燃料物質とし、母材(希釈材)に約70wt%のZrを有するもので、このような燃料物質組成と中性子スペクトルの影響を含めた総体的な適切化により負のドップラ効果が確保される。このU無金属燃料は、燃料元素と合金などの形態として均質的に混合する母材(希釈材)元素の温度上昇も、核分裂反応の増加による燃料元素の温度上昇と即時的に追随し母材(希釈材)元素の温度上昇が生ずるので、ドップラ効果の要因となる。
図7に示すU無金属燃料(PuZr)の高速炉の炉心は、U238がないのでドップラ効果が小さくなり、Zrとマイナーアクチニド(Np,Am,Cmなど)の中・高速エネルギ領域の共鳴吸収反応の影響により負のフィードバック反応度を有するが、その大きさは低下しているという課題がある。
しかし、第1の実施形態の高速炉の炉心23では、燃料要素(燃料ピン)51中のU無金属燃料66は、核燃料リサイクルプロセスで回収されたPuを含むNp,Am,CmのTRUを燃料物質とし、ウラン(U)と混合せずU不使用の母材(希釈材)を有するU無金属燃料66を対象とするものである。この炉心燃料56は、高い中性子エネルギ領域(約1keV以上)に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等或いはジルコニウムに比べて大きい天然元素を前記燃料の希釈材として添加したU無金属燃料66から構成されている。
炉心燃料56は、U無燃料物質に添加される希釈材には、図8に示すように、知己や断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウム(Zr)より大きい天然元素としてクロム(Cr),鉄(Fe),ニッケル(Ni),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb)またはモリブデン(Mo)等があり、さらに、これらの天然元素を組み合せた物質例としてSUS316等がある。これらの天然元素やSUS316の組み合せた物質を希釈材としてプルトニウム(Pu)を含むTRU元素の燃料物質に添加したU無金属燃料66が炉心燃料56として用いられる。
第1の実施形態では、原子炉をウラン不使用で母材(希釈材)にジルコニウムを用いたU無金属燃料66を高速炉の炉心23に備えることにより、Uを用いないので新たなTRUの発生がなく、Puを含むTRUを効率よく核分裂により燃焼させることができる。
また、高速炉の炉心23に装荷される炉心燃料集合体45の炉心燃料56には、核燃料リサイクルプロセスで回収されたPuを含むTRU、具体的には、Pu,Am,CmのTRUの一部または全部の元素を混合状態に回収された混合TRUを燃料物質とし、ウラン(U)と混合せずU不使用でジルコニウム(Zr)を母材(希釈材)としたU無金属燃料66が用いられる。
高速炉の炉心23に用いられる燃料要素51中のU無金属燃料66は、約1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子吸収断面積があり、中性子吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がZrと同等あるいはZrに比べて大きい天然元素、例えば、Cr,Fe,Ni,Zr,NbまたはMo等を母材(希釈材)として添加した炉心燃料56が用いられる。
第1の実施形態における高速炉の炉心23では、炉心燃料集合体45に用いられる炉心燃料56としてU無金属燃料66が用いられる。U無金属燃料66の炉心燃料56は、希釈材割合の増加に伴って、図9に示すように、炉心の温度上昇に伴う負のフィードバック反応度であるドップラ効果が増大するので、炉心の安全性や燃料の健全性を確保することができる。
高速炉の炉心23は、全ての運転範囲で、固有の負の反応度フィードバック特性を持たせることにより、原子炉に急激な反応度が付加されて炉出力が上昇した場合でも、燃料ペレットである炉心燃料56の温度が急上昇したり、ドップラ効果による大きな負の反応度が発生して核的逸走に至ることなく、炉出力が自動的に抑制され、安全性が保たれる。
[第1の実施形態の効果]
第1の実施形態によれば、高速炉の炉心23にU無金属燃料66を用いて母材(希釈材)にZrよりドップラ反応度(相対値)が大きい天然元素やSUS316等の天然元素の組合せ物質を用いたので、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果を増大させることができ、炉心の安全性や燃料の健全性が確保される。
[第2の実施形態]
次に、高速炉の炉心の第2の実施形態を添付図面を参照して説明する。
第2の実施形態における高速炉の炉心の、全体的構成は、図1ないし図9に示す第1の実施形態に示された高速炉の炉心23と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡略化する。
第2の実施形態における高速炉の炉心23Aでは、炉心燃料集合体45に含まれる炉心燃料56は、その希釈材として原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物(FP)元素として添加したU無金属燃料66で構成したものである。
核分裂により生成されるFP元素の内、ZrとMoの同位体組成比は、それぞれの天然元素の同位体組成とは異なる。図10に、ZrとMoの天然元素と核分裂生成物(FP)であるFP−Zr、FP−Moの組成比を荷重とした平均組成の温度変化に伴う中性子捕獲断面積のドップラシフト値(Δσ(組成平均実効値)と温度273Kから1100Kまでの中性子エネルギ変化(増大をプラスとしている))の関係を例示している。これによると、中性子エネルギが1keV以上では、FP−Moのドップラシフト値Aは天然Moのドップラシフト値Bと同等以上の大きさを有し、FP−Zrは、符号Cで示すように、天然Zrの符号Dで示すドップラシフト値より若干少ないか、同様な大きさを有していることがわかる。これらから、リサイクル燃料中に、FP−Zr、FP−Moを混合することはドップラ効果を増大させる有効な手段であることが分かる。
第2の実施形態の高速炉の炉心23Aでは、核燃料リサイクルプロセスで回収されたPuを含むNp,Am,CmのTRUを燃料物質とし、ウラン不使用で母材(希釈材)にジルコニウムを用いたU無金属燃料66を炉心燃料56の対象とする。この炉心燃料56は約1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、中性子共鳴吸収断面積の温度依存性効果(ドップラ効果)がZrと同等あるいはZrに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれるFP元素、例えばFP−ZrやFP−Moを、希釈材として添加したU無金属燃料66から構成される。
さらに、約1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性効果(ドップラ効果)がジルコニウム(Zr)と同等あるいはジルコニウムに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物(FP)元素としてFP−ZrやFP−Moの他にFP−Nb等があり、これらのFP元素を炉心燃料56として用いたU無金属燃料で構成してもよい。
[第2の実施形態の効果]
第2の実施形態によれば、高速炉の炉心23Aに核燃料リサイクルプロセスで回収されたPuを含むTRUを燃料物質とし、その希釈材として原子炉の使用済燃料に含まれるFP元素、例えばFP−Zr,FP−Mo,FP−Nb等を添加したU無金属燃料から構成される炉心燃料を用いたので、第1の実施形態に示された高速炉の炉心と同様に炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果が増大するので、炉心の安全性、燃料の健全性が確保される。
[第3の実施形態]
高速炉の炉心の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態に示された高速炉の炉心は、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合せたものであり、他の構成は、第1の実施形態および第2の実施形態に示された高速炉の炉心23(23A)と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略する。
第3の実施形態における高速炉の炉心23Bは、核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含むNp,Am,Cmの超ウラン元素を燃料物質とし、ウラン不使用でジルコニウム等を母材(希釈材)とするU無金属燃料で構成された炉心燃料を対象とする。
そして、第3の実施形態における高速炉の炉心23Bは、炉心燃料集合体45の炉心燃料56のプルトニウムを含むTRUを燃料物質とし、その希釈材として、約1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素、例えば、Cr,Fe,Ni,Nb,Moと、約1keV以上の高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物(FP)元素、例えばFP−Mo,FP−ZrをU無金属燃料に添加して炉心燃料56を構成したものである。
[第3の実施形態の効果]
第3の実施形態の高速炉の炉心23Bは、第1の実施形態および第2の実施形態の高速炉の炉心23,23Aと同様に、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果が増大するので、炉心の安全性や燃料の健全性を確保することができる。
[第4の実施形態]
高速炉の炉心の第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態に示された高速炉の炉心の全体的構成は、第1の実施形態に示された高速炉の炉心と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略する。
第4の実施形態の高速炉の炉心23Cでは、炉心燃料集合体45に含まれる燃料要素51中の炉心燃料56において、図8に示すように、ドップラ効果(ドップラ反応度)が最も大きいニオブ(Nb)を炉心燃料56の希釈材として添加した場合の希釈材割合(希釈材/(燃料+希釈材))とドップラ反応度との相対関係を図9に示すものである。
図8および図9から理解されるように、ドップラ反応度がジルコニウム(Zr)とほぼ同等となる希釈材割合は約30%である。一方、希釈材割合の最大値は炉心の臨界量から決まる。炉心が臨界となる希釈割合は約70%であり、これより多くなると炉心は核分裂連鎖反応が継続せず、未臨界となる。
したがって、第4の実施形態の高速炉の炉心23Cを構成する炉心燃料56は、高い中性子エネルギ領域(約1keV以上)に中性子共鳴吸収断面積がある天然元素、あるいはこれらの天然元素を組み合せた物質、または原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物(FP)元素は、燃料の約30%〜70%を添加したU無金属燃料66から構成される。
[第4の実施形態の効果]
第4の実施形態によれば、第1の実施形態の高速炉の炉心23と同様に、炉心の温度上昇に伴う即発的な負のフィードバック反応度であるドップラ効果が増大するので、炉心の安全性、燃料の健全性が確保される。
[その他の実施形態]
本発明の各実施形態では、高速炉の炉心にU無金属燃料で炉心燃料を構成する例を説明したが、U無酸化物燃料の高速炉の炉心に適用することも可能であると思料される。U無酸化物燃料の高速炉に対しては、これまで核分裂生成物(FP)テクネチウムTc99やタングステンWを燃料と混合して負のドップラ効果を確保する検討例が公表されているだけであり、先行例に含まれないCr,Fe,Ni,Zr,Nb,Moを酸化物形態の燃料と混合して、U無酸化物燃料を高速炉の炉心に適用しても有効なドップラ効果対策手段となることが想定される。
また、本発明のいくつかの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
20…高速炉、21…原子炉容器、22…炉内構造物、23,23A,23B,23C…炉心、24…炉心支持板、25…コアキャッチャ、26…炉心上部機構、27…冷却材入口配管、28…(一次)冷却材、29…冷却材出口配管、30…遮蔽プラグ、31…固定プラグ、32…回転プラグ、33…炉内中継装置駆動装置、34…制御棒駆動機構、35…中央炉心領域、36…内側炉心領域、37…外側炉心領域、38…ガスプレナム領域、39…上部反射体領域、40…下部反射体領域、41…径反射体領域、45…炉心燃料集合体、46…内側炉心燃料集合体、47…外側炉心燃料集合体、48…径反射体集合体(中性子遮蔽体)、49…制御棒集合体、50…ラッパ管、51…燃料要素(燃料ピン)、53…被覆管、54…ガスプレナム、55…上部反射体、56…炉心燃料、57…下部反射体、58…上部端栓、59…下部端栓、60…ハンドリングヘッド、61…エントランスノズル、62…冷却材流入口、63…冷却材流路、64…冷却材流出口、66…(U無)金属燃料。

Claims (9)

  1. 核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、
    1keV以上の中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素、またはこの天然元素を組み合せた物質を前記金属燃料に希釈材として添加したことを特徴とする高速炉の炉心。
  2. 前記天然元素は、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、またはタングステン(W)である請求項1に記載の高速炉の炉心。
  3. 核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、
    1keV以上の中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物元素を前記金属燃料に希釈材として添加したことを特徴とする高速炉の炉心。
  4. 前記核分裂生成物元素は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)である請求項3に記載の高速炉の炉心。
  5. 核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、
    1keV以上の中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素、もしくはこの天然元素を組み合せた物質と、前記高い中性子エネルギ領域に中性子共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいは前記ジルコニウムに比べて大きい原子炉の使用済燃料に含まれる核分裂生成物元素とを、前記金属燃料に希釈物として添加したことを特徴とする高速炉の炉心。
  6. 前記天然元素あるいは核分裂生成物元素は、前記金属燃料の30wt%〜70wt%を希釈材として添加した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高速炉の炉心。
  7. 核燃料リサイクルプロセスで回収されたプルトニウムを含む超ウラン元素を燃料物質とし、母材(希釈材)にジルコニウムを用いた金属燃料を有する高速炉の炉心において、
    前記炉心の中央部に前記金属燃料を装荷した中央炉心領域が構成され、
    この中央炉心領域の上部にガスプレナム領域を介して上部反射体領域が構成され、前記中央炉心領域の下部に下部反射体領域が構成され、
    前記炉心中央領域、上部反射体領域および下部反射体領域の外周側に径反射体領域が構成され、
    前記中央炉心領域には、1keV以上の中性子エネルギ領域に中央共鳴吸収断面積があり、その吸収断面積の温度依存性の効果(ドップラ効果)がジルコニウムと同等あるいはジルコニウムに比べて大きい天然元素またはこの天然元素を組み合せた物質を前記金属燃料に添加した炉心燃料が用いられることを特徴とする高速炉の炉心。
  8. 前記中央炉心領域は、内側炉心領域とこの内側炉心領域の外周側の外側炉心領域とに区画され、
    前記内側炉心領域に核分裂反応を制御する制御棒集合体が分散状態で配列される請求項7に記載の高速炉の炉心。
  9. 前記中央炉心領域に設けられる炉心燃料は、内側炉心領域より外側炉心領域の方がPuを含むTRUの燃料物質の割合が大きい前記金属燃料が用いられる請求項8に記載の高速炉の炉心。
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