JP4936777B2 - ドーム状建築物 - Google Patents

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Description

本発明は、ドーム状建築物に関し、更に詳しくは、構造を比較的単純にして施工を比較的容易にしつつも、十分な強度を発揮するドーム状建築物に関する。
従来から、同一の球に内接する多数の三角形で構成される、ジオデシックドーム(あるいはフラードーム)と呼ばれるドームが知られている。ジオデシックドームは、正二十面体を構成する各正三角形を更に小さい複数の三角形に分割して生成される。また、正二十面体を構成する各正三角形の分割方法として、オルタネート分割と呼ばれる方法が知られている。オルタネート分割について、以下に簡単に説明する。
まず、正二十面体を構成する各正三角形の各辺をn等分(n≧2)に分割する。次に、各辺の分割点同士を線で結ぶ。そうすると、各正三角形の内側に更に小さい複数の正三角形ができる。次に、分割により生成された複数の正三角形の各頂点を、正二十面体の外接球に投影する。具体的には、正二十面体の外接球の中心と、分割により生成された複数の正三角形の各頂点とを線で結ぶ。これらの線と、正二十面体の外接球との交点が、投影点となる。そして、投影点同士を線で結ぶ。そうすると、外接球の内側に沿って新たに複数の三角形ができる。このようにして、同一の球に内接する多数の三角形で構成される、ジオデシックドームを生成できる。なお、外接球の内側に沿って新たに生成される複数の三角形は、正三角形ではない。
また、オルタネート分割でn=3とすると、180個の三角形で構成されるジオデシックドームができる。このジオデシックドームは、上から3/8のところと、上から5/8のところに、平坦なラインを有する。これらの平坦なラインは、基礎などとの接合面として利用しやすい。このため、オルタネート分割でn=3として生成されるジオデシックドームは、ドーム状建築物に利用されることが多い。
具体的には、オルタネート分割でn=3として生成されるジオデシックドームを、上から5/8のラインでカットすると、105個の三角形から構成される、下端面が平坦なドームができる。このドームの下端面は、十五角形となる。具体的には、最上部の第1構造部が、5個の三角形から構成され、その下の第2構造部が、15個の三角形から構成され、その下の第3構造部が、25個の三角形から構成され、その下の第4構造部が、30個の三角形から構成され、その下の第5構造部が、30個の三角形から構成されるドームができる。また、第5構造部の下端面は、平坦であり、かつ、十五角形である。そして、第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形の各辺に相当する位置に、それぞれ、フレーム部材を設けるとともに、第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形の各頂点に相当する位置に、それぞれ、フレーム部材の端部同士を連結するコネクタを設けることにより、下端面が平坦な、ドーム状のトラス骨格を構築できる。三角形の基本骨格からなる、ドーム状のトラス骨格は、構造的に強い特長を有しており、これにより、軽量で高強度のドーム状建築物を得ることができる。
ところで、ドームの直径を15メートルとすると、上から3/8の平坦なラインと上から5/8の平坦なラインとの間隔は、約2.6メートルとなる。このため、上から5/8の平坦なラインでドームをカットし、この上から5/8の平坦なラインを基礎との接合面とするとともに、この上から5/8の平坦なラインのところに1階の床を設けても、上から3/8の平坦なラインのところに2階の床を設けることができる。
しかし、ジオデシックドームでは、上から3/8の平坦なラインと上から5/8の平坦なラインとの間隔は、ドームの直径(あるいは半径)に依存する。厳密には、ジオデシックドームでは、外接球の半径を1とすると、上から3/8の平坦なラインと上から5/8の平坦なラインとの間隔は、0.344となる。また、上から3/8の平坦なラインあるいは上から5/8の平坦なラインで外接球をカットすると、その切断面に現れる円の半径は、0.985となる。
例えば、ドームの直径を10メートルとすると、上から3/8の平坦なラインと上から5/8の平坦なラインとの間隔は、約1.7メートルとなる。このため、上から5/8の平坦なラインでドームをカットし、この上から5/8の平坦なラインを基礎との接合面とするとともに、この上から5/8の平坦なラインのところに1階の床を設けると、上から3/8の平坦なラインのところに2階の床を設けることができなくなってしまう。このため、直径10メートル程度の2階建てドームをつくりたい場合には、従来では、例えば、高さ1メートル程度の十五角形の布基礎を構築し、その上にドーム状のトラス骨格を設置し、布基礎内に1階の床を設けるとともに、ドームの上から3/8の平坦なラインのところに2階の床を設けることがあった(特許文献3参照)。また、例えば、基礎の上に、十五角形の筒状構造物を軸組みあるいはパネルで構築し、その上にドーム状のトラス骨格を設置し、筒状構造物内に1階の床を設けるとともに、ドームの上から3/8の平坦なラインのところに2階の床を設けることもあった(特許文献2参照)。
なお、本件出願人は、ドーム状建築物に関し、下記の特許文献1ないし3に開示されている発明について特許を取得している。
特許第2601725号公報 特許第2756894号公報 特公平7−91864号公報
しかし、十五角形の布基礎は、その施工がきわめて煩雑である。
また、十五角形の筒状構造物を軸組みあるいはパネルで構築し、その上にドーム状のトラス骨格を設置したのでは、施工が煩雑になる上に、構造的に弱くなってしまい、軽量かつ高強度のドームの特長が十分に生かしきれない。
そこで、本発明は、最上部に位置し、5個の三角形を五角錐状に組み合わせた形状の第1構造部と、その下に連設され、15個の三角形を環状に組み合わせた形状の第2構造部と、その下に連設され、25個の三角形を環状に組み合わせた形状の第3構造部と、その下に連設され、30個の三角形を環状に組み合わせた形状の第4構造部と、その下に連設され、30個の三角形を環状に組み合わせた形状の第5構造部とを基本構造とするドーム状建築物であって、開口部内に位置する辺および頂点を除き、第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形の各辺に相当する位置に、フレーム部材を設けるとともに、第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形の各頂点に相当する位置に、フレーム部材の端部同士を連結するコネクタを設け、これらによりドーム状のトラス骨格を構築し、このドーム状のトラス骨格を構造躯体とし、更に第1構造部、第2構造部、第3構造部および第4構造部を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材および各コネクタを形成することにより、直径が例えば10メートルと比較的小さくても、第5構造部の高さが例えば2.6メートルと比較的高い、ドーム状のトラス骨格を得ることができるようにし、ひいては2階建てにするにあたって十五角形の布基礎や筒状構造物を構築しなくても済むようにして、施工を比較的容易にしつつも、軽量かつ高強度のドームの特長が十分に発揮されるようにしたドーム状建築物を提供することを目的とする。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、最上部に位置し、5個の三角形を隙間なく五角錐状に組み合わせた形状の第1構造部11と、第1構造部11の下側に第1構造部11とは隙間なく連設され、15個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第2構造部12と、第2構造部12の下側に第2構造部12とは隙間なく連設され、25個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第3構造部13と、第3構造部13の下側に第3構造部13とは隙間なく連設され、30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第4構造部14と、第4構造部14の下側に第4構造部14とは隙間なく連設されかつ基礎に接合され、30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第5構造部15とを基本構造とするドーム状建築物10であって、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する辺および頂点を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられているフレーム部材20と、これらのフレーム部材20の端部同士を連結するためのものであって第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられているコネクタ30とから構成されるドーム状のトラス骨格40を備え、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるフレーム部材20を、ビームフレーム部材21とし、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるコネクタ30を、ビームコネクタ32とし、トラス骨格40の中心に立設され、かつ、上端が少なくとも第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さまで至るように形成されている中心柱部材50と、中心柱部材50における、第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに対応する位置からビームフレーム部材21の中間位置まで至る長さに形成され放射状に架け渡される複数の第1梁部材81と、中心柱部材50における、第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに対応する位置からビームコネクタ32まで至る長さに形成され放射状に架け渡される複数の第2梁部材82とを備えるとともに、第1構造部11、第2構造部12、第3構造部13および第4構造部14を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部15を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成したことを特徴とする。
ここで、本発明に係るドーム状建築物10は、最上部に位置し、隙間なく五角錐状に組み合わせた5個の三角形から構成される第1構造部11と、第1構造部11の下側に第1構造部11とは隙間なく連設され、隙間なく環状に組み合わせた15個の三角形から構成される第2構造部12と、第2構造部12の下側に第2構造部12とは隙間なく連設され、隙間なく環状に組み合わせた25個の三角形から構成される第3構造部13と、第3構造部13の下側に第3構造部13とは隙間なく連設され、隙間なく環状に組み合わせた30個の三角形から構成される第4構造部14と、第4構造部14の下側に第4構造部14とは隙間なく連設されかつ基礎に接合され、隙間なく環状に組み合わせた30個の三角形から構成される第5構造部15とを基本構造とするものである。
つまり、本発明に係るドーム状建築物10は、105個の三角形を第1構造部11から第5構造部15までの5段構造(5層構造)にして隙間なく組み合わせた形状を基本構造とするものである。
また、本発明では、「第1構造部11」は、最上部に位置する。また、第1構造部11は、5個の三角形から構成されている。また、第1構造部11を構成する5個の三角形は、五角錐状に組み合わされている。また、第1構造部11では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第1構造部11を構成する5個の三角形は、隙間なく組み合わされている。また、第1構造部11を構成する5個の三角形が、五角錐状に組み合わされていることから、第1構造部11を構成する5個の三角形の頂点は、第1構造部11の中心の一点に集まっている。この中心の点が、ドーム状建築物10の頂点となる。また、第1構造部11の下端面は、五角形である。
また、本発明では、「第2構造部12」は、第1構造部11の下側に連設されている。また、第2構造部12は、15個の三角形から構成されている。また、第2構造部12を構成する15個の三角形は、環状に組み合わされている。また、第2構造部12では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第2構造部12を構成する15個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第2構造部12の上端面は、五角形であり、また、第2構造部12の下端面は、十角形である。また、第1構造部11の下端面と第2構造部12の上端面とは、同一形状である。また、第1構造部11を構成する5個の三角形と、第2構造部12を構成する15個の三角形のうちの5個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第1構造部11と第2構造部12とは、隙間なく連設されている。
また、本発明では、「第3構造部13」は、第2構造部12の下側に連設されている。また、第3構造部13は、25個の三角形から構成されている。また、第3構造部13を構成する25個の三角形は、環状に組み合わされている。また、第3構造部13では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第3構造部13を構成する25個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第3構造部13の上端面は、十角形であり、また、第3構造部13の下端面は、十五角形である。また、第2構造部12の下端面と第3構造部13の上端面とは、同一形状である。また、第2構造部12を構成する15個の三角形のうちの10個と、第3構造部13を構成する25個の三角形のうちの10個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第2構造部12と第3構造部13とは、隙間なく連設されている。
また、本発明では、「第4構造部14」は、第3構造部13の下側に連設されている。また、第4構造部14は、30個の三角形から構成されている。また、第4構造部14を構成する30個の三角形は、環状に組み合わされている。また、第4構造部14では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第4構造部14を構成する30個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第4構造部14の上端面は、十五角形であり、また、第4構造部14の下端面は、十五角形である。また、第3構造部13の下端面と第4構造部14の上端面とは、同一形状である。また、第3構造部13を構成する25個の三角形のうちの15個と、第4構造部14を構成する30個の三角形のうちの15個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第3構造部13と第4構造部14とは、隙間なく連設されている。
また、本発明では、「第5構造部15」は、第4構造部14の下側に連設されている。また、第5構造部15は、基礎に接合される。すなわち、第5構造部15は、最下部に位置する。また、第5構造部15は、30個の三角形から構成されている。また、第5構造部15を構成する30個の三角形は、環状に組み合わされている。また、第5構造部15では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第5構造部15を構成する30個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第5構造部15の上端面は、十五角形であり、また、第5構造部15の下端面は、十五角形である。また、第4構造部14の下端面と第5構造部15の上端面とは、同一形状である。また、第4構造部14を構成する30個の三角形のうちの15個と、第5構造部15を構成する30個の三角形のうちの15個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第4構造部14と第5構造部15とは、隙間なく連設されている。
また、例えば、第5構造部15に玄関95を設ける場合には、第5構造部15を構成する各三角形よりも大きな開口部96を設ける必要がある。この場合、例えば、3個の三角形を省略して大きな開口部96を形成し、そこに玄関95を設ける。そうすると、第5構造部15を構成する三角形は、30個ではなく、27個となる。「基本構造とし」とは、このように三角形が省略される場合を含むことを意味するものである。
また、本発明では、「フレーム部材20」は、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する辺を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられるものである。
つまり、フレーム部材20は、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられる。ただし、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには、当該開口部96内に位置する辺については、フレーム部材20は設けない。
また、本発明では、「コネクタ30」は、フレーム部材20の端部同士を接合するためのものであって、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する頂点を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられるものである。
つまり、コネクタ30は、フレーム部材20の端部同士を接合するためのものであって、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられる。ただし、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには、当該開口部96内に位置する頂点については、コネクタ30は設けない。
そして、本発明に係るドーム状建築物10は、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する辺および頂点を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置に、それぞれ、フレーム部材20を設けるとともに、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置に、それぞれ、フレーム部材20の端部同士を連結するコネクタ30を設け、これらにより「ドーム状のトラス骨格40」を構築し、このドーム状のトラス骨格40を構造躯体とするものである。
そして、本発明では、第1構造部11、第2構造部12、第3構造部13および第4構造部14を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部15を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材20および各コネクタ30が形成されている。
具体的には、第5構造部15の下端から斜め上方へ向けて延びて第5構造部15の上端(第4構造部14の下端)まで至る各フレーム部材20の長さを、従来のジオデシックドームのものよりも長くする。また、これらのフレーム部材20の長さを長くすると、これらのフレーム部材20同士のなす角度も変化する。このため、この角度変化にあわせて、第5構造部15の下端および第5構造部15の上端(第4構造部14の下端)に設けられる各コネクタ30の形状も変更する。そうすると、第5構造部15の高さを、従来のジオデシックドームのそれよりも高くすることができる。
また、背景技術で説明したように、ジオデシックドームは、同一の球に内接する複数の三角形で構成したものであるが、本発明に係るドーム状建築物10は、同一の球に内接する75個の三角形と、同一の円柱に内接する30個の三角形とを組み合わせたものである。つまり、本発明に係るドーム状建築物10は、第1構造部11から第4構造部14までについては、同一の球に内接することから、ジオデシックドームであるが、第5構造部15については、第1構造部11から第4構造部14までを構成する各三角形が内接する球には内接しないことから、全体としては、ジオデシックドームではない。本発明に係るドーム状建築物10は、ジオデシックドームのように見えるものの、ジオデシックドームではない。
また、「R」は、定数を意味する。
また、「A」は、0.344よりも大きい定数を意味する。
特に、3.0≦R≦7.0とし、かつ、(2.5÷R)≦A≦(3.0÷R)とするのが好ましい。3.0≦R≦7.0とし、かつ、(2.5÷R)≦A≦(3.0÷R)とすると、2階建てに最適なドーム状建築物10を得ることができる。
具体的には、例えば、R=4.8(メートル)とし、A=0.554とする。そうすると、R×0.985=4.728となり、R×A=2.6592となる。そして、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成し、これらを組み立てる。そうすると、直径が約9.5メートル、第5構造部15の高さが約2.7メートルのドーム状のトラス骨格40を得ることができる。そして、このドーム状のトラス骨格40を構造躯体としてドーム状建築物10を建てると、第5構造部15の下端を基礎との接合面とするとともに、第5構造部15の下端の位置に1階の床を設けても、第5構造部15の上端(第4構造部14の下端、あるいは、第5構造部15と第4構造部14との境界)の位置に2階の床を設けることができる。つまり、直径が約9.5mの2階建てのドーム状建築物10を建てることができる。
また、例えば、R=6.0(メートル)とし、A=0.434とする。そうすると、R×0.985=5.91となり、R×A=2.604となる。そして、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成し、これらを組み立てる。そうすると、直径が約12メートル、第5構造部15の高さが約2.6メートルのドーム状のトラス骨格40を得ることができる。これにより、直径が約12mの2階建てのドーム状建築物10を建てることができる。
また、例えば、R=4.0(メートル)とし、A=0.65とする。そうすると、R×0.985=3.94となり、R×A=2.6となる。そして、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成し、これらを組み立てる。そうすると、直径が約7.9メートル、第5構造部15の高さが2.6メートルのドーム状のトラス骨格40を得ることができる。これにより、直径が約7.9mの2階建てのドーム状建築物10を建てることができる。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、第1構造部、第2構造部、第3構造部および第4構造部を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材および各コネクタを形成したことから、直径が例えば10メートルと比較的小さくても、第5構造部の高さが例えば2.6メートルと比較的高い、ドーム状のトラス骨格を得ることができ、これにより、2階建てにするにあたって十五角形の布基礎や筒状構造物を構築しなくても済むことから、施工を比較的容易にすることができ、また、構造躯体がすべて三角形の基本骨格で構成されることから、軽量かつ高強度のドームの特長が十分に発揮されるドーム状建築物を提供できる。
図1ないし図22は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、ドーム状建築物10の正面図、図2は、ドーム状建築物10の平面図、図3は、トラス骨格40の斜視図、図4は、中心柱部材50、中心梁受部材60、第1梁受部材71、第2梁受部材72、第1梁部材81および第2梁部材82の配置を示す正面図、図5は、中心柱部材50、中心梁受部材60、第1梁受部材71、第2梁受部材72、第1梁部材81および第2梁部材82の配置を示す平面図、図6および図7は、ベースコネクタ31の斜視図、図8は、ビームコネクタ32の斜視図、図9は、5アームコネクタ33の斜視図、図10は、6アームコネクタ34の斜視図、図11は、中心柱部材50の正面図(A)およびA−A線断面図(B)、図12は、中心梁受部材60の平面図(A)およびB−B線断面図(B)、図13は、第1梁受部材71の平面図(A)、側面図(B)および正面図(C)、図14は、図4のA部拡大図であって、第1梁受部材71の使用状態を示す側面図、図15は、第2梁受部材72の平面図(A)、側面図(B)および正面図(C)、図16は、図4のB部拡大図であって、第2梁受部材72の使用状態を示す側面図、図17は、中心柱部材50、中心梁受部材60、第1梁受部材71、第2梁受部材72、第1梁部材81および第2梁部材82の配置の変形例を示す平面図、図18は、中心梁受部材60の変形例を示す平面図、図19は、中心柱部材50、中心梁受部材60、第1梁受部材71、第2梁受部材72、第1梁部材81および第2梁部材82の配置の変形例を示す平面図、図20は、中心梁受部材60の変形例を示す平面図、図21は、玄関95を設けたドーム状建築物10の正面図、図22は、開口部96を設けたトラス骨格40の斜視図である。
(ドーム状建築物10)
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るドーム状建築物10は、最上部に位置し、5個の三角形を隙間なく五角錐状に組み合わせた形状の第1構造部11と、第1構造部11の下側に第1構造部11とは隙間なく連設され、15個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第2構造部12と、第2構造部12の下側に第2構造部12とは隙間なく連設され、25個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第3構造部13と、第3構造部13の下側に第3構造部13とは隙間なく連設され、30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第4構造部14と、第4構造部14の下側に第4構造部14とは隙間なく連設されかつ基礎に接合され、30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第5構造部15とを基本構造とするものである。
つまり、本実施の形態に係るドーム状建築物10は、105個の三角形を第1構造部11から第5構造部15までの5段構造(5層構造)にして隙間なく組み合わせた形状を基本構造とするものである。
(第1構造部11)
図1および図2に示すように、第1構造部11は、最上部に位置する。また、第1構造部11は、同一形状の5個の三角形を隙間なく五角錐状に組み合わせた形状に形成されている。また、第1構造部11では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第1構造部11を構成する5個の三角形は、隙間なく組み合わされている。また、第1構造部11を構成する5個の三角形が、五角錐状に組み合わされていることから、第1構造部11を構成する5個の三角形の頂点は、第1構造部11の中心の一点に集まっている。この中心の点が、ドーム状建築物10の頂点となる。また、第1構造部11の下端面は、五角形である。
(第2構造部12)
図1および図2に示すように、第2構造部12は、第1構造部11の下側に連設されている。また、第2構造部12は、所定形状の15個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状に形成されている。また、第2構造部12では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第2構造部12を構成する15個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第2構造部12の上端面は、五角形であり、また、第2構造部12の下端面は、十角形である。また、第1構造部11の下端面と第2構造部12の上端面とは、同一形状である。また、第1構造部11を構成する5個の三角形と、第2構造部12を構成する15個の三角形のうちの5個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第1構造部11と第2構造部12とは、隙間なく連設されている。
(第3構造部13)
図1および図2に示すように、第3構造部13は、第2構造部12の下側に連設されている。また、第3構造部13は、所定形状の25個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状に形成されている。また、第3構造部13では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第3構造部13を構成する25個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第3構造部13の上端面は、十角形であり、また、第3構造部13の下端面は、十五角形である。また、第2構造部12の下端面と第3構造部13の上端面とは、同一形状である。また、第2構造部12を構成する15個の三角形のうちの10個と、第3構造部13を構成する25個の三角形のうちの10個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第2構造部12と第3構造部13とは、隙間なく連設されている。
(第4構造部14)
図1および図2に示すように、第4構造部14は、第3構造部13の下側に連設されている。また、第4構造部14は、所定形状の30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状に形成されている。また、第4構造部14では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第4構造部14を構成する30個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第4構造部14の上端面は、十五角形であり、また、第4構造部14の下端面は、十五角形である。また、第3構造部13の下端面と第4構造部14の上端面とは、同一形状である。また、第3構造部13を構成する25個の三角形のうちの15個と、第4構造部14を構成する30個の三角形のうちの15個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第3構造部13と第4構造部14とは、隙間なく連設されている。
(第5構造部15)
図1および図2に示すように、第5構造部15は、第4構造部14の下側に連設されている。また、第5構造部15は、基礎に接合される。すなわち、第5構造部15は、最下部に位置する。また、第5構造部15は、所定形状の30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状に形成されている。また、第5構造部15では、隣り合う2つの三角形は、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第5構造部15を構成する30個の三角形は、隙間なく環状に組み合わされている。また、第5構造部15の上端面は、十五角形であり、また、第5構造部15の下端面は、十五角形である。また、第4構造部14の下端面と第5構造部15の上端面とは、同一形状である。また、第4構造部14を構成する30個の三角形のうちの15個と、第5構造部15を構成する30個の三角形のうちの15個とは、同じ長さの一辺を共有している。これにより、第4構造部14と第5構造部15とは、隙間なく連設されている。
なお、図21に示すように、例えば、第5構造部15に玄関95を設ける場合には、第5構造部15を構成する各三角形よりも大きな開口部96を設ける必要がある。この場合、例えば、3個の三角形を省略して大きな開口部96を形成し、そこに玄関95を設ける。そうすると、第5構造部15を構成する三角形は、30個ではなく、27個となる。「基本構造とし」とは、このように三角形が省略される場合を含むことを意味するものである。また、開口部96を設ける位置は、第5構造部15に限られるものではない。つまり、第4構造部14に、第4構造部14を構成する各三角形よりも大きな開口部96を設け、そこに大きな窓を設けることもできる。また、開口部96は、複数設けることもできる。つまり、第5構造部15の所定位置に、第1の開口部96を設け、そこに玄関95を設けるとともに、第5構造部15における第1の開口部96とは反対側に、第2の開口部96を設け、そこに大きな窓を設けることもできる。
(フレーム部材20、コネクタ30、トラス骨格40)
図3および図22に示すように、本実施の形態に係るドーム状建築物10は、複数のフレーム部材20と、これらのフレーム部材20の端部同士を連結するためのコネクタ30とを備えている。
また、図3および図22に示すように、フレーム部材20は、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する辺を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられるものである。
つまり、図3に示すように、フレーム部材20は、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられる。ただし、図22に示すように、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには、当該開口部96内に位置する辺については、フレーム部材20は設けない。
また、図3および図22に示すように、コネクタ30は、フレーム部材20の端部同士を接合するためのものであって、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する頂点を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられるものである。
つまり、図3に示すように、コネクタ30は、フレーム部材20の端部同士を接合するためのものであって、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられる。ただし、図22に示すように、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには、当該開口部96内に位置する頂点については、コネクタ30は設けない。
そして、図3および図22に示すように、本実施の形態に係るドーム状建築物10は、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する辺を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各辺に相当する位置に、それぞれ、フレーム部材20を設けるとともに、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形よりも大きい開口部96を設けるときには当該開口部96内に位置する頂点を除き、第1構造部11ないし第5構造部15を構成する各三角形の各頂点に相当する位置に、それぞれ、フレーム部材20の端部同士を連結するコネクタ30を設け、これらにより「ドーム状のトラス骨格40」を構築し、このドーム状のトラス骨格40を構造躯体している。
ここで、第5構造部15の下端から斜め上方へ向けて延びて第5構造部15の上端(第4構造部14の下端、あるいは第5構造部15と第4構造部14との境界)まで至るフレーム部材20を、ロングフレーム部材22とする(図3参照)。
また、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるフレーム部材20を、ビームフレーム部材21とする(図3参照)。
また、第5構造部15の下端に設けられるコネクタ30を、ベースコネクタ31とする(図3参照)。
また、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるコネクタ30を、ビームコネクタ32とする(図3参照)。
また、ベースコネクタ31およびビームコネクタ32以外のコネクタ30であって、5本のフレーム部材20の端部が集まる位置(5個の三角形の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ30を、5アームコネクタ33とする(図3参照)。
また、ベースコネクタ31およびビームコネクタ32以外のコネクタ30であって、6本のフレーム部材20の端部が集まる位置(6個の三角形の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ30を、6アームコネクタ34とする(図3参照)。
また、本実施の形態では、第1構造部11、第2構造部12、第3構造部13および第4構造部14を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部15を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材20および各コネクタ30が形成されている。
具体的には、本実施の形態では、図1および図3に示すように、第5構造部15の下端から斜め上方へ向けて延びて第5構造部15の上端まで至るフレーム部材20(ロングフレーム部材22)の長さを、ジオデシックドームのそれよりも長くしている。また、これらのフレーム部材20の長さを長くすると、これらのフレーム部材20(ロングフレーム部材22)同士のなす角度も、ジオデシックドームのそれとは異なってくる。このため、この角度変化にあわせて、第5構造部15の下端に設けられるコネクタ30(ベースコネクタ31)および第5構造部15の上端に設けられるコネクタ30(ビームコネクタ32)の形状も、ジオデシックドームのそれとは異なる形状にしている。このようにして、本実施の形態では、第5構造部15の高さを、ジオデシックドームのそれよりも高くしている。
より具体的には、本実施の形態では、R=4.8(メートル)とし、A=0.554としている。そして、本実施の形態では、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成している。これらを組み立てると、R×0.985=4.728より、直径が約9.5メートル、R×A=2.6592より、第5構造部15の高さが約2.7メートルのドーム状のトラス骨格40が得られる。このため、本実施の形態では、直径が約9.5メートルを比較的小さいドーム状建築物10でありながらも、第5構造部15の下端を基礎との接合面とするとともに、第5構造部15の下端の位置に1階の床を設け、第5構造部15の上端の位置に2階の床を設けている。
(ビームフレーム部材21)
上述したように、ビームフレーム部材21は、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるフレーム部材20である(図3参照)。ビームフレーム部材21は、トラス骨格40を構成する部材として機能するとともに、図4および図5に示すように、2階の床梁を受ける横木としても機能する。この点を考慮して、本実施の形態では、ビームフレーム部材21の高さを、他のフレーム部材20の高さよりも高くしている。
また、後で詳しく説明するが、ビームフレーム部材21を2階の床梁を受ける横木としても機能させるべく、その高さを他のフレーム部材20の高さよりも高くするために、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるコネクタ30(ビームコネクタ32)の形状も、従来のドーム状建築物10のそれとは異なる形状にしている。
なお、従来のドーム状建築物10では、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるコネクタ30に、横木ハンガーと呼ばれる金物を固定し、また、第4構造部14と第5構造部15との境界線上のフレーム部材20の内側に、これと平行に横木を設けるとともに、この横木の両端を横木ハンガーでそれぞれ支え、そして、この横木で2階の床梁を受けるようにしていた(特許第2601725号公報の図20〜図29参照)。
一方、上述したように、本実施の形態では、ビームフレーム部材21は、トラス骨格40を構成する部材として機能するとともに、2階の床梁を受ける横木としても機能する。これにより、本実施の形態では、部材の簡素化を図り、また、室内に横木が突出しないようにして見栄えをよくしている。
(ベースコネクタ31)
上述したように、ベースコネクタ31は、第5構造部15の下端に設けられるコネクタ30である(図3参照)。ベースコネクタ31は、コネクタ30の端部同士を連結するための部材として機能するとともに、トラス骨格40を基礎に接合するための部材としても機能する。
図6および図7に示すように、ベースコネクタ31は、筒状のハブ30aと、ハブ30aの一方の端部に設けられた平板状の補強平板部30dと、ハブ30aの外周面から外方へ向けて放射状に突出する平板状の4枚のアーム30bとを有している。また、ベースコネクタ31は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
また、図6および図7に示すように、ハブ30aは、基礎の上面に安定して載置可能となるように、その一部を平坦にすることにより形成された底部を有している。また、ハブ30aの底部のほぼ中央には、基礎の上面から上方へ向けて突出するアンカーボルトを挿通させるためのアンカー挿通孔30eが1つ設けられている。基礎の上面から上方へ向けて突出するアンカーボルトをアンカー挿通孔30eに通し、ハブ30aの底面を基礎の上面に当接させ、この状態で、アンカーボルトにナットを螺合させる。このようにして、ベースコネクタ31を基礎に接合する。また、ナットの螺合作業は、補強平板部30dとは反対側のハブ30aの端部開口を通じて行えるようにしてある。
また、図6および図7に示すように、補強平板部30dは、ハブ30aの底部に対応する部分を除いた周縁部分がハブ30aの外周面よりも外方へ突出し、この突出する部分が鍔部となっている。また、ハブ30aと補強平板部30dとは、溶接により接合されている。
また、図6および図7に示すように、アーム30bは、ベースコネクタ31が配置される三角形の頂点に集まるフレーム部材20と同じ数だけ設けられている。ベースコネクタ31が配置される三角形の頂点には、4本のフレーム部材20が集まる。このため、アーム30bは、4枚設けられている。また、各アーム30bは、各フレーム部材20と1対1に対応する。つまり、1枚のアーム30bに、1本のフレーム部材20が接合される。また、各アーム30bは、その端部を、ハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接により接合されている。これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。また、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせた状態でアーム30bとフレーム部材20とを接合できるように、各アーム30bは、対応するフレーム部材20の軸線位置からオフセットした位置に配置されている。また、各アーム30bには、2つのボルト挿通孔が設けられているとともに、各フレーム部材20の端部付近にも2つのボルト挿通孔が設けられている。そして、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせ、アーム30bの両ボルト挿通孔とフレーム部材20の両ボルト挿通孔とを一致させ、この状態で、各ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、両ボルトにそれぞれナットを螺合させる。このようにして、各アーム30bと各フレーム部材20とを接合する。
なお、従来のドーム状建築物10では、第5構造部15の下端に設けられるコネクタ30は、2つの部材から構成され、また、2つのアンカー挿通孔30eにそれぞれ通した2本のアンカーボルトで基礎に接合されていた。また、ほぼ水平方向に突出するアーム30bの下方に、アンカーボルトが突出していたことから、基礎の上面から第5構造部15の下端のフレーム部材20までの距離が比較的大きくなっていた。また、2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合していた(特公平7−91864号公報参照)。
一方、上述したように、本実施の形態では、ベースコネクタ31は、1つの部材で構成されている。これにより、部材の簡素化を図り、また、2つの部材を組み立てなくても済むようにして、施工性を向上させている。また、本実施の形態では、ベースコネクタ31は、1本のアンカーボルトで基礎に接合される。従来のように2つのアンカー挿通孔30eの間隔にあわせて2本のアンカーボルトを基礎に設ける作業は容易ではないが、本実施の形態では、1個のベースコネクタ31につき1本のアンカーボルトを基礎に設ければよく、これにより、基礎の施工を比較的容易にし、また、ベースコネクタ31を基礎に接合する作業も比較的容易にしている。また、本実施の形態では、ハブ30a内にアンカーボルトが突出するようにし、これにより、ほぼ水平方向に突出するアーム30bの位置を下げて、基礎の上面から第5構造部15の下端のフレーム部材20までの距離を比較的小さくし、ひいてはドーム状建築物10の強度や安定性を向上させている。また、従来のように2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合する作業は容易ではないが、本実施の形態では、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせて、これらをボルトおよびナットで接合すればよく、これにより、フレーム部材20を接合する作業を比較的容易にしている。更に、本実施の形態では、各アーム30bの端部をハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接しており、これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。
(ビームコネクタ32)
上述したように、ビームコネクタ32は、第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるコネクタ30である(図3参照)。
図8に示すように、ビームコネクタ32は、円筒状のハブ30aと、ハブ30aの一方の端部に設けられた平板状の補強平板部30dと、ロングフレーム部材22を接合するためのものであって、ハブ30aの外周面から外方へ向けて突出する平板状の2枚のロング用アーム30fと、ビームフレーム部材21を接合するためのものであって、ハブ30aの外周面から外方へ向けて突出する平板状の2枚のビーム用アーム30cと、ロングフレーム部材22およびビームフレーム部材21以外のフレーム部材20を接合するためのものであって、ハブ30aの外周面から外方へ向けて突出する平板状の2枚のアーム30bとを有している。また、ビームコネクタ32は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
また、図8に示すように、補強平板部30dの周縁部分は、ハブ30aの外周面よりも外方へ突出し、この突出する部分が鍔部となっている。また、ハブ30aと補強平板部30dとは、溶接により接合されている。
また、図8に示すように、ロング用アーム30fは、ビームコネクタ32が配置される三角形の頂点に集まるロングフレーム部材22と同じ数だけ設けられている。ビームコネクタ32が配置される三角形の頂点には、2本のロングフレーム部材22が集まる。このため、ロング用アーム30fは、2枚設けられている。また、各ロング用アーム30fは、各ロングフレーム部材22と1対1に対応する。つまり、1枚のロング用アーム30fに、1本のロングフレーム部材22が接合される。また、各ロング用アーム30fは、その端部を、ハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接により接合されている。これにより、1本のロングフレーム部材22を1枚のロング用アーム30fで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。また、ロング用アーム30fの表面にロングフレーム部材22の側面を沿わせた状態でロング用アーム30fとロングフレーム部材22とを接合できるように、各ロング用アーム30fは、対応するロングフレーム部材22の軸線位置からオフセットした位置に配置されている。また、各ロング用アーム30fには、2つのボルト挿通孔が設けられているとともに、各ロングフレーム部材22の端部付近にも2つのボルト挿通孔が設けられている。そして、ロング用アーム30fの表面にロングフレーム部材22の側面を沿わせ、ロング用アーム30fの両ボルト挿通孔とロングフレーム部材22の両ボルト挿通孔とを一致させ、この状態で、各ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、両ボルトにそれぞれナットを螺合させる。このようにして、各ロング用アーム30fと各ロングフレーム部材22とを接合する。
また、図8に示すように、ビーム用アーム30cは、ビームコネクタ32が配置される三角形の頂点に集まるビームフレーム部材21と同じ数だけ設けられている。ビームコネクタ32が配置される三角形の頂点には、2本のビームフレーム部材21が集まる。このため、ビーム用アーム30cは、2枚設けられている。また、各ビーム用アーム30cは、各ビームフレーム部材21と1対1に対応する。つまり、1枚のビーム用アーム30cに、1本のビームフレーム部材21が接合される。また、ビーム用アーム30cは、ロング用アーム30fとはほぼ直交するような向きとされている。また、各ビーム用アーム30cは、その端部を、ハブ30aの外周面とロング用アーム30fとの双方に溶接により接合されている。これにより、1本のビームフレーム部材21を1枚のビーム用アーム30cで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。また、図示しないが、ビームフレーム部材21の端部には、高さ方向に延びる嵌合溝が形成されている。また、ビーム用アーム30cがビームフレーム部材21の嵌合溝内に挿入された状態でビーム用アーム30cとビームフレーム部材21とを接合できるように、各ビーム用アーム30cは、対応するビームフレーム部材21の軸線上に配置されている。また、各ビーム用アーム30cには、2つのボルト挿通孔が設けられているとともに、各ビームフレーム部材21の端部付近にも2つのボルト挿通孔が設けられている。そして、ビーム用アーム30cをビームフレーム部材21の嵌合溝内に挿入し、ビーム用アーム30cの両ボルト挿通孔とビームフレーム部材21の両ボルト挿通孔とを一致させ、この状態で、各ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、両ボルトにそれぞれナットを螺合させる。このようにして、各ビーム用アーム30cと各ビームフレーム部材21とを接合する。
また、図8に示すように、アーム30bは、ビームコネクタ32が配置される三角形の頂点に集まる、ロングフレーム部材22およびビームフレーム部材21以外のフレーム部材20と同じ数だけ設けられている。ビームコネクタ32が配置される三角形の頂点には、ロングフレーム部材22およびビームフレーム部材21以外のフレーム部材20は、2本集まる。このため、アーム30bは、2枚設けられている。また、各アーム30bは、各フレーム部材20と1対1に対応する。つまり、1枚のアーム30bに、1本のフレーム部材20が接合される。また、各アーム30bは、その端部を、ハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接により接合されている。これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。また、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせた状態でアーム30bとフレーム部材20とを接合できるように、各アーム30bは、対応するフレーム部材20の軸線位置からオフセットした位置に配置されている。また、各アーム30bには、2つのボルト挿通孔が設けられているとともに、各フレーム部材20の端部付近にも2つのボルト挿通孔が設けられている。そして、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせ、アーム30bの両ボルト挿通孔とフレーム部材20の両ボルト挿通孔とを一致させ、この状態で、各ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、両ボルトにそれぞれナットを螺合させる。このようにして、各アーム30bと各フレーム部材20とを接合する。
なお、従来のドーム状建築物10では、2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合していた(特許第2601725号公報の図21、図22および図29参照)。2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合する作業は容易ではないが、本実施の形態では、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせて、これらをボルトおよびナットで接合すればよく、これにより、フレーム部材20を接合する作業を比較的容易にしている。更に、本実施の形態では、各アーム30bの端部をハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接しており、これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。この点は、ベースコネクタ31と同様である。
また、本実施の形態では、ビーム用アーム30cの向きを、ロング用アーム30fとはほぼ直交するような向きとし、これにより、他のフレーム部材20よりも高さが高いビームフレーム部材21を接合できるようにし、更には、高さが異なる何種類ものビームフレーム部材21に対しても設計変更することなく同一のビームコネクタ32で対応可能としている。更に、本実施の形態では、各ビーム用アーム30cの端部をハブ30aの外周面とロング用アーム30fとの双方に溶接しており、これにより、1本のビームフレーム部材21を1枚のビーム用アーム30cで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。
(5アームコネクタ33)
上述したように、5アームコネクタ33は、ベースコネクタ31およびビームコネクタ32以外のコネクタ30であって、5本のフレーム部材20の端部が集まる位置(5個の三角形の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ30である(図3参照)。
図9に示すように、5アームコネクタ33は、円筒状のハブ30aと、ハブ30aの一方の端部に設けられた平板状の補強平板部30dと、フレーム部材20を接合するためのものであって、ハブ30aの外周面から外方へ向けて突出する平板状の5枚のアーム30bとを有している。また、5アームコネクタ33は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
また、図9に示すように、補強平板部30dの周縁部分は、ハブ30aの外周面よりも外方へ突出し、この突出する部分が鍔部となっている。また、ハブ30aと補強平板部30dとは、溶接により接合されている。
また、図9に示すように、アーム30bは、5アームコネクタ33が配置される三角形の頂点に集まるフレーム部材20と同じ数だけ設けられている。5アームコネクタ33が配置される三角形の頂点には、5本のフレーム部材20が集まる。このため、アーム30bは、5枚設けられている。また、各アーム30bは、各フレーム部材20と1対1に対応する。つまり、1枚のアーム30bに、1本のフレーム部材20が接合される。また、各アーム30bは、その端部を、ハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接により接合されている。これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。また、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせた状態でアーム30bとフレーム部材20とを接合できるように、各アーム30bは、対応するフレーム部材20の軸線位置からオフセットした位置に配置されている。また、各アーム30bには、2つのボルト挿通孔が設けられているとともに、各フレーム部材20の端部付近にも2つのボルト挿通孔が設けられている。そして、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせ、アーム30bの両ボルト挿通孔とフレーム部材20の両ボルト挿通孔とを一致させ、この状態で、各ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、両ボルトにそれぞれナットを螺合させる。このようにして、各アーム30bと各フレーム部材20とを接合する。
なお、従来のドーム状建築物10では、2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合していた(特許第2601725号公報の図6および図11参照)。2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合する作業は容易ではないが、本実施の形態では、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせて、これらをボルトおよびナットで接合すればよく、これにより、フレーム部材20を接合する作業を比較的容易にしている。更に、本実施の形態では、各アーム30bの端部をハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接しており、これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。この点は、ベースコネクタ31やビームコネクタ32と同様である。
(6アームコネクタ34)
上述したように、6アームコネクタ34は、ベースコネクタ31およびビームコネクタ32以外のコネクタ30であって、6本のフレーム部材20の端部が集まる位置(5個の三角形の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ30である(図3参照)。
図10に示すように、6アームコネクタ34は、円筒状のハブ30aと、ハブ30aの一方の端部に設けられた平板状の補強平板部30dと、フレーム部材20を接合するためのものであって、ハブ30aの外周面から外方へ向けて突出する平板状の6枚のアーム30bとを有している。また、6アームコネクタ34は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
また、図10に示すように、補強平板部30dの周縁部分は、ハブ30aの外周面よりも外方へ突出し、この突出する部分が鍔部となっている。また、ハブ30aと補強平板部30dとは、溶接により接合されている。
また、図10に示すように、アーム30bは、6アームコネクタ34が配置される三角形の頂点に集まるフレーム部材20と同じ数だけ設けられている。6アームコネクタ34が配置される三角形の頂点には、6本のフレーム部材20が集まる。このため、アーム30bは、6枚設けられている。また、各アーム30bは、各フレーム部材20と1対1に対応する。つまり、1枚のアーム30bに、1本のフレーム部材20が接合される。また、各アーム30bは、その端部を、ハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接により接合されている。これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。また、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせた状態でアーム30bとフレーム部材20とを接合できるように、各アーム30bは、対応するフレーム部材20の軸線位置からオフセットした位置に配置されている。また、各アーム30bには、2つのボルト挿通孔が設けられているとともに、各フレーム部材20の端部付近にも2つのボルト挿通孔が設けられている。そして、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせ、アーム30bの両ボルト挿通孔とフレーム部材20の両ボルト挿通孔とを一致させ、この状態で、各ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、両ボルトにそれぞれナットを螺合させる。このようにして、各アーム30bと各フレーム部材20とを接合する。
なお、従来のドーム状建築物10では、2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合していた(特許第2601725号公報の図3、図4および図9参照)。2枚一組のアーム30bの間にフレーム部材20の端部を挿入し、これらをボルトおよびナットで接合する作業は容易ではないが、本実施の形態では、アーム30bの表面にフレーム部材20の側面を沿わせて、これらをボルトおよびナットで接合すればよく、これにより、フレーム部材20を接合する作業を比較的容易にしている。更に、本実施の形態では、各アーム30bの端部をハブ30aの外周面と補強平板部30dの鍔部との双方に溶接しており、これにより、1本のフレーム部材20を1枚のアーム30bで支持するのに十分な強度を発揮するようにしている。この点は、ベースコネクタ31やビームコネクタ32、5アームコネクタ33と同様である。
(中心柱部材50)
図4および図5に示すように、中心柱部材50は、トラス骨格40の中心に立設され、かつ、上端が少なくとも第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さまで至る柱部材である。
本実施の形態では、中心柱部材50の上端は、第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに位置している。つまり、本実施の形態では、中心柱部材50の高さは、第5構造部15の高さと同じ高さである。
また、本実施の形態では、中心柱部材50は、建築用の鋼管を用いて形成されている。また、図11に示すように、本実施の形態では、中心柱部材50の下端には、四角平板状のベースプレート51が溶接により接合されている。また、ベースプレート51は、図示しないが、アンカーボルトで基礎に接合される。このようにして、本実施の形態では、中心柱部材50は、トラス骨格40の中心に立設されている。
(中心梁受部材60)
図4および図5に示すように、中心梁受部材60は、中心柱部材50における、第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに対応する位置に固定される梁受部材である。
上述したように、本実施の形態では、中心柱部材50の高さは、第5構造部15の高さと同じである。このため、本実施の形態では、中心梁受部材60は、中心柱部材50の上端に固定されている。
また、本実施の形態では、中心梁受部材60は、建築用の鋼材を用いて形成されている。また、本実施の形態では、中心梁受部材60は、中心柱部材50の上端に溶接により接合されている。
また、図12(A)および(B)に示すように、本実施の形態では、中心梁受部材60は、円形平板状に形成されている円盤部61と、円盤部61の上面中心から上方へ向けて突出する円筒状の円筒部62と、円盤部61の上面に円盤部61の中心から見て放射状に設けられている台形平板状の10枚の放射フィン63とを有している。
また、円筒部62は、その下端を円盤部61の上面に溶接により接合されている。
また、各放射フィン63は、その端部を円盤部61の上面と円筒部62の外周面との双方に溶接により接合されている。また、図12(A)に示すように、10枚の放射フィン63は、等間隔で設けられている。隣り合う放射フィン63同士がなす角度は、36度である。
また、円盤部61の外周縁付近であって、各放射フィン63の両側に相当する位置には、円盤部61を上下に貫通するボルト挿通孔が設けられている。本実施の形態では、ボルト挿通孔は、合計20個設けられている。
(第1梁受部材71)
図4および図5に示すように、第1梁受部材71は、ビームフレーム部材21の中間位置に固定可能に形成される梁受部材である。
本実施の形態では、第1梁受部材71は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
また、図13(A)、(B)および(C)に示すように、本実施の形態では、第1梁受部材71は、第1梁部材81の端部を受けるための梁端受部70aと、ビームフレーム部材21に固定するためのフック部70eとを有している。
また、図13(A)、(B)および(C)に示すように、梁端受部70aは、鉛直方向へ向けて延びる四角平板状の背板部70bと、背板部70bの下端から水平方向へ向けて延びる四角平板状の受板部70cと、背板部70bおよび受板部70cの双方と直交し、一端を背板部70bの幅方向の中間位置に、下端を受板部70cの幅方向の中間位置にそれぞれ接合されている四角平板状の係止フィン70dとを有している。また、背板部70bと受板部70cとは溶接により接合され、また、係止フィン70dは、その端部を背板部70bおよび受板部70cの双方に溶接により接合されている。また、受板部70cにおける、係止フィン70dの両側に相当する位置には、ボルト挿通孔が設けられている。
また、図13(A)、(B)および(C)に示すように、フック部70eは、背板部70bの上端から受板部70cとは反対側の水平方向へ向けて延びる四角平板状のフック天板70fと、フック天板70fの先端から下方へ向けて延びる四角平板状のフック背板70gとを有している。また、背板部70bとフック天板70fとは溶接により接合され、また、フック天板70fとフック背板70gとも溶接により接合されている。また、フック天板70fには、2つのビス孔が横並びに設けられている。
そして、図14に示すように、フック部70eをビームフレーム部材21の中間位置に引っ掛け、この状態で両ビス孔に通したビスでフック部70eとビームフレーム部材21とを固定する。このようにして、ビームフレーム部材21の中間位置に第1梁受部材71を固定する。
(第2梁受部材72)
図4および図5に示すように、第2梁受部材72は、ビームコネクタ32に固定可能に形成される梁受部材である。
本実施の形態では、第1梁受部材71は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
また、図15(A)、(B)および(C)に示すように、本実施の形態では、第2梁受部材72は、第2梁部材82の端部を受けるための梁端受部70aと、ビームコネクタ32に固定するための連結パイプ部70hとを有している。
また、図15(A)、(B)および(C)に示すように、梁端受部70aは、鉛直方向へ向けて延びる四角平板状の背板部70bと、背板部70bの下端から水平方向へ向けて延びる四角平板状の受板部70cと、背板部70bおよび受板部70cの双方と直交し、一端を背板部70bの幅方向の中間位置に、下端を受板部70cの幅方向の中間位置にそれぞれ接合されている四角平板状の係止フィン70dとを有している。また、背板部70bと受板部70cとは溶接により接合され、また、係止フィン70dは、その端部を背板部70bおよび受板部70cの双方に溶接により接合されている。また、受板部70cにおける、係止フィン70dの両側に相当する位置には、ボルト挿通孔が設けられている。
また、図15(A)、(B)および(C)に示すように、連結パイプ部70hは、円筒状に形成されており、背板部70bにおける、係止フィン70dが設けられている面とは反対側の面からやや斜め上方へ向けて延びている。また、背板部70bと連結パイプ部70hとは溶接により接合されている。
そして、図16に示すように、第2梁受部材72の連結パイプ部70hをビームコネクタ32のハブ30a内に挿入する。図示しないが、連結パイプ部70hの所定位置には、ピン挿通孔が設けられ、また、ビームコネクタ32のハブ30aの所定位置にも、ピン挿通孔が設けられている。第2梁受部材72の連結パイプ部70hをビームコネクタ32のハブ30a内に所定の向き・角度で所定位置まで挿入すると、連結パイプ部70hに設けたピン挿通孔とハブ30aに設けたピン挿通孔とが一致する。この状態で、ピン挿通孔にピンを通し、第2梁受部材72をビームコネクタ32に固定する。
(第1梁部材81)
図4および図5に示すように、第1梁部材81は、中心柱部材50における、第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに対応する位置からビームフレーム部材21の中間位置まで至る長さに形成されている梁部材であって、一端を中心梁受部材60に、他端を第1梁受部材71に、それぞれ固定可能に形成されている梁部材である。
上述したように、本実施の形態では、中心柱部材50の高さは、第5構造部15の高さと同じである。このため、本実施の形態では、第1梁部材81は、中心柱部材50の上端からビームフレーム部材21の中間位置まで至る長さに形成されている。
また、図示しないが、第1梁部材81の中心柱部材50側の端部には、高さ方向に延びる第1柱側嵌合溝が形成され、また、第1梁部材81のビームフレーム部材21側の端部には、高さ方向に延びるビーム側嵌合溝が形成されている。
そして、第1梁部材81の第1柱側嵌合溝内に中心梁受部材60の放射フィン63を挿入しつつ、第1梁部材81の中心柱部材50側の端部を中心梁受部材60の円盤部61の上に載置し、この状態で、円盤部61の下面側から両ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、これらを第1梁部材81に留める。このようにして、第1梁部材81の一端を中心梁受部材60に固定する。
また、第1梁部材81のビーム側嵌合溝内に第1梁受部材71の係止フィン70dを挿入しつつ、第1梁部材81のビームフレーム部材21側の端部を第1梁受部材71の受板部70cの上に載置し、この状態で、受板部70cの下面側から両ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、これらを第1梁部材81に留める。このようにして、第1梁部材81の一端を第1梁受部材71に固定する。
(第2梁部材82)
図4および図5に示すように、第2梁部材82は、中心柱部材50における、第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに対応する位置からビームコネクタ32まで至る長さに形成されている梁部材であって、一端を中心梁受部材60に、他端を第2梁受部材72に、それぞれ固定可能に形成されている梁部材である。
上述したように、本実施の形態では、中心柱部材50の高さは、第5構造部15の高さと同じである。このため、本実施の形態では、第2梁部材82は、中心柱部材50の上端からビームコネクタ32まで至る長さに形成されている。
また、図示しないが、第2梁部材82の中心柱部材50側の端部には、高さ方向に延びる第2柱側嵌合溝が形成され、また、第2梁部材82のビームコネクタ32側の端部には、高さ方向に延びるコネクタ側嵌合溝が形成されている。
そして、第2梁部材82の第2柱側嵌合溝内に中心梁受部材60の放射フィン63を挿入しつつ、第2梁部材82の中心柱部材50側の端部を中心梁受部材60の円盤部61の上に載置し、この状態で、円盤部61の下面側から両ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、これらを第2梁部材82に留める。このようにして、第2梁部材82の一端を中心梁受部材60に固定する。
また、第2梁部材82のコネクタ側嵌合溝内に第2梁受部材72の係止フィン70dを挿入しつつ、第2梁部材82のビームコネクタ32側の端部を第2梁受部材72の受板部70cの上に載置し、この状態で、受板部70cの下面側から両ボルト挿通孔にそれぞれボルトを通し、これらを第2梁部材82に留める。このようにして、第2梁部材82の一端を第2梁受部材72に固定する。
(第1梁受部材71、第2梁受部材72、第1梁部材81、および第2梁部材82の配置)
図5に示すように、本実施の形態では、16個のビームコネクタ32と、16本のビームフレーム部材21と、5個の第1梁受部材71と、5個の第2梁受部材72と、5本の第1梁部材81と、5本の第2梁部材82とが備えられている。
ここで、1のビームコネクタ32を第1ビームコネクタ32とし、上から見て(平面視で)その右隣のものから時計回りに順番に、第2ビームコネクタ32、第3ビームコネクタ32、第4ビームコネクタ32、第5ビームコネクタ32、第6ビームコネクタ32、第7ビームコネクタ32、第8ビームコネクタ32、第9ビームコネクタ32、第10ビームコネクタ32、第11ビームコネクタ32、第12ビームコネクタ32、第13ビームコネクタ32、第14ビームコネクタ32、第15ビームコネクタ32、第16ビームコネクタ32とする。
また、第1ビームコネクタ32と第2ビームコネクタ32との間に設けられるビームフレーム部材21を第1ビームフレーム部材21とし、上から見て(平面視で)その右隣のものから時計回りに順番に、第2ビームフレーム部材21、第3ビームフレーム部材21、第4ビームフレーム部材21、第5ビームフレーム部材21、第6ビームフレーム部材21、第7ビームフレーム部材21、第8ビームフレーム部材21、第9ビームフレーム部材21、第10ビームフレーム部材21、第11ビームフレーム部材21、第12ビームフレーム部材21、第13ビームフレーム部材21、第14ビームフレーム部材21、第15ビームフレーム部材21、第16ビームフレーム部材21とする。
1の第2梁受部材72を、第1ビームコネクタ32に固定するとする。そうすると、残りの4の第2梁受部材72は、第4ビームコネクタ32、第7ビームコネクタ32、第10ビームコネクタ32、第13ビームコネクタ32にそれぞれ固定される。また、第1梁受部材71は、第2ビームフレーム部材21、第5ビームフレーム部材21、第8ビームフレーム部材21、第11ビームフレーム部材21、第14ビームフレーム部材21にそれぞれ固定される。
そして、図5に示すように、中心梁受部材60と各第1梁受部材71との間にそれぞれ第1梁部材81が架け渡され、また、中心梁受部材60と各第2梁受部材72との間にそれぞれ第2梁部材82が架け渡される。このようにして、第1梁部材81と第2梁部材82とが交互に、中心梁受部材60から見て放射状に、架け渡される。また、1の第1梁部材81とこれに隣接する第2梁部材82とがなす角度は、36度である。
更に、図5に示すように、本実施の形態では、第1梁部材81および第2梁部材82の上に多数の根太90を環状に架け渡している。本実施の形態では、各根太90の中間位置を1の第2梁部材82で支持し、各根太90の両端を当該第2梁部材82の両側に隣接する各第1梁部材81でそれぞれ支持するようにしている。なお、各根太90の中間位置を1の第1梁部材81で支持し、各根太90の両端を当該第1梁部材81の両側に隣接する各第2梁部材82でそれぞれ支持するようにしてもよい。そして、本実施の形態では、このように環状に架け渡した多数の根太90の上に2階の床の下地材を張り、その上に2階の床の仕上げ材を張っている。なお、図5中の開口は、階段用の吹抜97である。
(変形例)
図17に示すように、例えば、中心角が108度の扇形の吹抜97を設けたい場合には、図18に示すように、吹抜97に対応する部分を切り欠いた形状の中心梁受部材60を用いることができる。
また、図19に示すように、例えば、半円形の吹抜97を設けたい場合には、図20に示すように、吹抜97に対応する部分を切り欠いた半円形の中心梁受部材60を用いることができる。
このように、吹抜97の形状にあわせて種々の中心梁受部材60を設けることにより、設計の自由度をより一層向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態では、第1構造部11、第2構造部12、第3構造部13および第4構造部14を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部15を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部15を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成した。具体的には、R=4.8(メートル)とし、A=0.554とした。そして、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成した。これにより、直径が約9.5メートルと比較的小さくても、第5構造部15の高さが約2.7メートルと比較的高い、ドーム状のトラス骨格40を得ることができた。このため、2階建てにするにあたって十五角形の布基礎や筒状構造物を構築しなくても済むことから、施工を比較的容易にすることができ、また、構造躯体がすべて三角形の基本骨格で構成されることから、軽量かつ高強度のドームの特長が十分に発揮されるドーム状建築物10を得ることができた。
なお、例えば、R=6.0(メートル)とし、A=0.434とする。そうすると、R×0.985=5.91となり、R×A=2.604となる。そして、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成し、これらを組み立てる。そうすると、直径が約12メートル、第5構造部15の高さが約2.6メートルのドーム状のトラス骨格40を得ることができる。これにより、直径が約12mの2階建てのドーム状建築物10を建てることができる。
また、例えば、R=4.0(メートル)とし、A=0.65とする。そうすると、R×0.985=3.94となり、R×A=2.6となる。そして、上記の条件を満たすように、各フレーム部材20および各コネクタ30を形成し、これらを組み立てる。そうすると、直径が約7.9メートル、第5構造部15の高さが2.6メートルのドーム状のトラス骨格40を得ることができる。これにより、直径が約7.9mの2階建てのドーム状建築物10を建てることができる。
また、本実施の形態では、トラス骨格40の中心に中心柱部材50を立設し、この中心柱部材50に中心梁受部材60を設け、ビームフレーム部材21の中間位置に固定可能な複数の第1梁受部材71と、ビームコネクタ32に固定可能な複数の第2梁受部材72と、一端を中心梁受部材60に他端を第1梁受部材71に固定可能な複数の第1梁部材81と、一端を中心梁受部材60に他端を第2梁受部材72に固定可能な複数の第2梁部材82とを備えた。これにより、中心柱部材50とビームフレーム部材21の中間位置およびビームコネクタ32との間に、複数の第1梁部材81および第2梁部材82を放射状に架け渡すことができ、更には放射状に架け渡した第1梁部材81および第2梁部材82で2階の床を支えることができた。このため、1階の間取りに基づいて位置を決めた柱で2階の床梁を支えなくても済むので、中心柱部材50を移動させたり無くしたりすることはできないものの、2階の床を壊すことなく1階の間取りを自由に変更でき、更には1階の間取りと2階の床との関係が切り離され、設計の自由度を高めることができた。
本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の正面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の平面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物のトラス骨格の斜視図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心柱部材、中心梁受部材、第1梁受部材、第2梁受部材、第1梁部材および第2梁部材の配置を示す正面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心柱部材、中心梁受部材、第1梁受部材、第2梁受部材、第1梁部材および第2梁部材の配置を示す平面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物のベースコネクタの斜視図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物のベースコネクタの斜視図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物のビームコネクタの斜視図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の5アームコネクタの斜視図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の6アームコネクタの斜視図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心柱部材の正面図およびA−A線断面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心梁受部材の平面図およびB−B線断面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の第1梁受部材の3面図。 図4のA部拡大図であって、本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の第1梁受部材の使用状態を示す側面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の第2梁受部材の3面図。 図4のB部拡大図であって、本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の第2梁受部材の使用状態を示す側面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心柱部材、中心梁受部材、第1梁受部材、第2梁受部材、第1梁部材および第2梁部材の配置の変形例を示す平面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心梁受部材の変形例を示す平面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心柱部材、中心梁受部材、第1梁受部材、第2梁受部材、第1梁部材および第2梁部材の配置の変形例を示す平面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の中心梁受部材の変形例を示す平面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物の変形例を示す正面図。 本発明の実施の形態に係るドーム状建築物のトラス骨格の変形例を示す斜視図。
符号の説明
10 ドーム状建築物 11 第1構造部
12 第2構造部 13 第3構造部
14 第4構造部 15 第5構造部
20 フレーム部材 21 ビームフレーム部材
22 ロングフレーム部材 30 コネクタ
31 ベースコネクタ 32 ビームコネクタ
33 5アームコネクタ 34 6アームコネクタ
30a ハブ 30b アーム
30c ビーム用アーム 30d 補強平板部
30e アンカー挿通孔 30f ロング用アーム
40 トラス骨格
50 中心柱部材 51 ベースプレート
60 中心梁受部材 61 円盤部
62 円筒部 63 放射フィン
71 第1梁受部材 72 第2梁受部材
70a 梁端受部 70b 背板部
70c 受板部 70d 係止フィン
70e フック部 70f フック天板
70g フック背板 70h 連結パイプ
81 第1梁部材 82 第2梁部材
90 根太 95 玄関
96 開口部 97 吹抜

Claims (1)

  1. 最上部に位置し、5個の三角形を隙間なく五角錐状に組み合わせた形状の第1構造部と、第1構造部の下側に第1構造部とは隙間なく連設され、15個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第2構造部と、第2構造部の下側に第2構造部とは隙間なく連設され、25個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第3構造部と、第3構造部の下側に第3構造部とは隙間なく連設され、30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第4構造部と、第4構造部の下側に第4構造部とは隙間なく連設されかつ基礎に接合され、30個の三角形を隙間なく環状に組み合わせた形状の第5構造部とを基本構造とするドーム状建築物であって、
    第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形よりも大きい開口部を設けるときには当該開口部内に位置する辺および頂点を除き、第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられているフレーム部材と、これらのフレーム部材の端部同士を連結するためのものであって第1構造部ないし第5構造部を構成する各三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられているコネクタとから構成されるドーム状のトラス骨格を備え、
    第4構造部と第5構造部との境界線上に設けられるフレーム部材を、ビームフレーム部材とし、
    第4構造部と第5構造部との境界線上に設けられるコネクタを、ビームコネクタとし、
    トラス骨格の中心に立設され、かつ、上端が少なくとも第4構造部と第5構造部との境界線の高さまで至るように形成されている中心柱部材と、
    中心柱部材における、第4構造部と第5構造部との境界線の高さに対応する位置からビームフレーム部材の中間位置まで至る長さに形成され放射状に架け渡される複数の第1梁部材と、
    中心柱部材における、第4構造部と第5構造部との境界線の高さに対応する位置からビームコネクタまで至る長さに形成され放射状に架け渡される複数の第2梁部材とを備えるとともに、
    第1構造部、第2構造部、第3構造部および第4構造部を構成する各三角形が、半径R(Rは定数)の同一の球に内接し、かつ、第5構造部を構成する各三角形が、半径R×0.985かつ高さR×A(Aは定数、かつ、A>0.344)の同一の円柱に内接するように、各フレーム部材および各コネクタを形成したことを特徴とするドーム状建築物。
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