JP4936613B2 - スパッタリングターゲット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリングターゲット、それから成膜された反強磁性体膜、その反強磁性体膜、それを具備する磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果型ランダムアクセスメモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以前より、高密度磁気記録における再生用ヘッドとして、磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドの研究が進められている。
【0003】
現在、この磁気抵抗効果素子材料としては、80原子%Ni−20原子%Fe(通称:パーマロイ)合金薄膜が一般に使用されている。
【0004】
さらに、近年このパーマロイに代わる材料として、巨大磁気抵抗効果を示す(Co/Cu)n等の人工格子膜やスピンバルブ膜が注目されている。
【0005】
これらの従来の材料を用いた磁気抵抗効果膜は磁区を持つため、これに起因するバルクハウゼンノイズが実用化の上で問題となっており、磁気抵抗効果膜を単磁区化する方法が検討されている。
【0006】
その方法の一つに、強磁性体膜である磁気抵抗効果膜と反強磁性体膜との交換結合を利用して磁気抵抗効果膜の磁区を特定方向に制御する方法がある。この方法を適用した反強磁性体膜としては、例えば米国特許第4103315号あるいは米国特許第5315468号に記載されているようなγ−FeMn合金膜が従来から知られている。
【0007】
さらに、近年ではスピンバルブ膜の磁性膜の磁化をピン止めするために、反強磁性体膜と強磁性体膜との交換結合を利用する技術も普及している。この反強磁性体膜としてもγ−FeMn合金膜が使用されている。
【0008】
また、反強磁性体膜として、米国特許第4103315号には、PtMnあるいはPhMn合金などγ−FeMn合金以外の他のγ−Mn系合金膜を用いた例が記載されている。
【0009】
さらに、米国特許第5315468号には、面心立方晶系の結晶構造を有するNiMn合金などのθ−Mn系合金で反強磁性膜を形成すると、高温域でも反強磁性体膜と強磁性体膜との結合力が低下しないことが示されている。
【0010】
さらに、近年FeMn合金膜の耐食性を改善する材料として、IrMn合金膜も提案されるようになってきた。このIrMn合金反強磁性膜は、優れた交換結合力と耐食性を持ち合わせており、注目されている。
【0011】
また、このような磁気抵抗効果膜を用いたトンネル磁気抵抗効果素子(以下「TMR素子」という)は、不揮発、高速書き込み、高速読み出しおよび大容量のメモリとしての磁気抵抗効果型ランダムアクセスメモリ(以下「MRAM」という)への適用が注目を集めている。従来からランダムアクセスメモリは、DRAM等の半導体記憶装置により構成されているが、磁気効果を使って構成されることも可能である。
【0012】
このようなTMR素子においても、強磁性体膜に反強磁性体膜を積層した構造とすることにより、強磁性体膜の磁化をピン止めして外部磁化により反転しないようにしてある。
【0013】
上記各反強磁性体膜性膜の形成は、一般にスパッタリング法が採用されており、各合金膜を構成する元素よりなるスパッタリングターゲットを用いて基板上にスパッタすることにより成膜されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の反強磁性体スパッタリングターゲットはスパッタ時に2μm以上のダストが多く発生し、それを用いて形成された反強磁性体膜は、基板の中央と端部での組成ズレが生じ、歩留りの低下と組成ずれによる素子の特性劣化が生じる場合があった。
【0015】
本発明は、上記従来の欠点を解決し、ダストの発生を抑え、基板上の組成ずれの少ない反強磁性体膜を形成可能なスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、本発明のスパッタリングターゲットを使用することにより、信頼性の高い安定した反強磁性体膜、それを具備する磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果型ランダムアクセスメモリを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明のスパッタリングターゲットは、請求項1に記載の通り、実質的に、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イリジウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、銅、銀、金、ルテニウム、オスミウム、クロム、モリブデン、タングステンおよびレニウムから選ばれる少なくとも1種の元素と、マンガンとからなり、スパッタされる表面1cm当たりの欠陥数が10個以下であること、を特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の第2の発明の反強磁性体膜は、請求項4に記載の通り、上記本発明のスパッタリングターゲットを用いて成膜されたものであること、を特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の第3の発明の磁気抵抗効果素子及び第4の発明のトンネル磁気抵抗効果素子は、請求項5および請求項6にそれぞれ記載の通り、上記反強磁性体膜を具備すること、を特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の第5の発明の磁気ヘッド及び第6の発明のMRAMは、請求項7及び請求項8にそれぞれ記載の通り、上記磁気抵抗効果素子またはトンネル磁気抵抗効果素子を具備すること、を特徴とするものである。
【0021】
本発明においては、上記第1の発明によりダストの発生が少なく、形成される膜の組成ずれが少ないスパッタリングターゲットを得ることができる。
【0022】
また、本発明の第2乃至第6の発明により、信頼性の高い反強磁性体膜、それを用いた磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果素子、さらには、磁気ヘッド及びMRAMを得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
<スパッタリングターゲット>
本発明によるスパッタリングターゲットにおいて、マンガン(Mn)の量は10原子%以上であることが好ましい。このMn量があまり少ないと高い交換結合力が得られないため好ましくない。好ましいMn量は10〜98原子%であり、さらに好ましくは40〜95原子%である。特に、スパッタリングターゲットが、下記に示すMn以外の成分の中でイリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)を含有するものである場合には、Mn含有量が高含量側で高い交換結合力が得られるため、そのMn量は20〜98原子%が好ましい。より好ましくは60〜95原子%である。
【0024】
本発明によるスパッタリングターゲットを構成するマンガン以外の成分としては、先ず、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびレニウム(Re)から選ばれる少なくとも1種の元素を挙げることができる。
【0025】
そして、本発明のスパッタリングターゲットは、さらにベリリウム(Be)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、亜鉛(Zn)、カドニウム(Cd)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)および窒素(N)から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましい。これらBe、Ti、Zr、Hf、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、SnおよびNから選ばれる少なくとも1種の元素は、耐食性の向上のため含有されるものである。これらのさらに含有される元素の好ましい含有量は、40原子%以下であり、さらに好ましくは30原子%以下である。
【0026】
また、本発明によるスパッタリングターゲットは、1cm当たりの欠陥の数が10個以下であるものである。
【0027】
本発明でいう欠陥とは、スパッタリングターゲットのスパッタ面に存在する空孔、酸化物粒子その他の粒子等、本発明のスパッタリングターゲットの母材とは異なるものを意図している。
【0028】
1cm当たりの欠陥の数が10個以上あると、その部分に電荷が集中することで、異常放電が頻繁に発生しパーティクルが発生し、反強磁性膜中に分散しやすくなり、特性が劣化すると共に、歩留まり悪化の原因となる。より好ましい欠陥個数は5個以下であり、さらに好ましくは欠陥3個以下である。
【0029】
ここで、欠陥数は下記の測定方法によって得られた値とする。
【0030】
すなわち、図1に示すように、例えば円盤状のスパッタリングターゲットの中心部(位置1)と、この中心部を通り円周を均等に分割した4本の直線上の中心から90%(中心を0%、半径の長さを100%とする)の距離にある点(位置2〜9)、および中心から50%(上記と同様に、中心を0%、半径の長さを100%とする)の距離にある点(位置10〜17)から、それぞれ長さ15mm、幅15mmの試験片を合計17個採取する。採集された試験片を#1000まで研磨し、更にバフ研磨を行って、表面をダイアモンド研磨して鏡面にする。この鏡面研磨された試験片について、走査型電子顕微鏡(SEM)1000倍で観察し、2μm以上の欠陥数をカウントしたものの平均値とする。
【0031】
また、本発明のスパッタリングターゲットは、酸素含有量が200ppm以下でありかつスパッタされる面の場所により酸素含有量のばらつきが20%以内であることが好ましい。これは、酸素含有量が200ppmを越えている場合、欠陥部に酸化物を形成しやすくなり、酸化物の部分に電荷が集中することで、異常放電が頻繁に発生しパーティクルが発生し、反強磁性膜中に分散しやすくなり、特性が劣化すると共に、歩留まり悪化の原因となるため、酸素含有量は200ppm以下が好ましいとした。好ましい酸素含有量は150ppm以下であり、さらに好ましい酸素量は100ppm以下である。
【0032】
また、スパッタリングターゲットの酸素量のばらつきが20%を超えている場合、ターゲットにかかる単位面積当たりの電圧、電流にばらつきが生じ、スパッタ条件が変化し、膜組成のばらつきの原因となるため、酸素含有量のばらつきは20%以内が好ましいとした。好ましい酸素含有量のばらつきは10%以内であり、さらに好ましくは5%以内である。
【0033】
ここで、酸素含有量は、記述の図1で示す17のサンプルについて、不活性ガス融解−熱伝導度法で測定した平均値とする。
【0034】
また、酸素含有量のばらつきは、同じく図1で示す17のサンプルを測定して得られた17の酸素含有量のうちの最大値および最小値から
{ (最大値−最小値)/(最大値+最小値) } × 100
の式に基づいて求めた値の平均値を、単位(%)により表すものとする。
【0035】
本発明によるスパッタターゲットは、スパッタされる表面1cm当たりの欠陥数が10個以下という要件が満たされるのであれば、任意の方法によって製造することができる。例えば、スパッタリングターゲットの原料である金属粉末を混合し、成形した後に、例えば常圧焼結、ホットプレス(HP)法、熱間静水圧プレス(HIP)法などを実施することからなる粉末冶金法によって製造することができる。
【0036】
以下、その一例を詳細に説明する。
【0037】
本発明によるスパッタリングターゲットは、前記の通り酸素含有量が200ppm以下であることが好ましいことから、原料粉末は、スパッタリングターゲットの酸素含有量が前記のものとなるように、酸素含有量が低いものが好ましい。従って、本発明では、低酸素雰囲気、例えば不活性ガス雰囲気中で、原料金属の粉末化が行われるRDP(Rotating disk process)法およびREP(Rotating electrode process)法などによって得られた金属粉末あるいは合金粉末を使用することが好ましい。ここで、RDP法またはREP法で粉末を製造する際に、各法で使用される冷却体の回転数を5000回転以上とすることにより、粉末の酸素汚染を防止でき、かつ粉末同志の酸素含有量のばらつきを抑制することが可能となる。特に、これらの方法でMnと他の元素を合金化した合金粉末を使用することが、Mnと他の元素の個々の粉末を混合する場合に比較し、酸素の増大の要因を低減することができ好ましい。なお、この原料粉末において直径50μm以下の小さい粒子は比表面積が増大しスパッタリングターゲットの酸素量を増加させる傾向があり、一方直径が500μm以上の過度に大きい粒子にはスパッタリングターゲットの酸素含有量のばらつきを増大させる傾向さらには焼結性を低下させる傾向が認められる。このため、得られた粉末に対し、篩分けなどを行い粒度分布毎に選別して、過度に粒径が小さい粒子あるいは大きい粒子は積極的には使用しないことが好ましい。好ましい粒径の範囲は50〜150μmである。特に、焼結性を向上する為に、粒径が大きい粉末と小さい粉末を所定の比率で再混合して使用することが好ましい。
【0038】
そして、これらの粉末をホットプレス法などの手段により焼結し、焼結体を得る。特にホットプレス法を採用する場合、真空中(例えば真空度5×10−4 torr以下)で所定時間加熱して脱ガス処理を行うが、その脱ガス処理が終了するまで予備加圧を付加しないことにより、粉末表面上の吸着ガス成分を十分に除去することで焼結性を向上することが可能となり、その結果、最終的に得られるスパッタリングターゲットの欠陥を低減することが可能となる。
【0039】
得られた焼結体を、表面研磨などの常法の表面処理を施し、スパッタリングターゲットを得る。
【0040】
従って、本発明では、▲1▼不活性ガス雰囲気中でRDP法またはREP法などによって所定の回転数の冷却体で冷却して得られた合金粉末を、▲2▼粒度分布毎に選別して、粒径が過度に大きい粒子および小さい粒子を除去した後、あるいは、粒度分布毎に選別して得られた異なる粒径の粒子を所定の比率で再混合し、▲3▼この混合物を成形した後に、▲4▼予備加圧なしで脱ガス処理を施して焼結を行う、粉末冶金法によって製造することが好ましい。
【0041】
具体的製造条件および製造方法等は、スパッタリングターゲットの具体的用途、目的、原料粉末の組成、酸素含有量、欠陥の発生などに状況に応じて適宜決定することができる。粒子の選別を省略すること及び直径100μm以下の小粒子、500μm以上の大粒子を使用することも本発明の趣旨に反しない限りにおいて行うこともできる。
【0042】
なお、特開平11-264070号公報に開示されているような溶解法の場合には、例えばPt-Mn合金を製造する場合にPtが40原子%以下になると溶解、鋳造が困難になって鋳造欠陥の多いターゲットとなってしまう場合があり、そして、酸素量を200ppmに抑えるために粉末の粒径を大きくしなければならず、酸素量のばらつきが大きくて焼結性が劣化し、欠陥が多くなる傾向が認められる。
【0043】
このような本発明で規定するスパッタリングターゲットは、ダストの発生を抑え、基板上の組成ずれの少ない反強磁性体膜を形成することができるものである。
【0044】
<反強磁性体膜>
本発明による反強磁性体膜は、上記の本発明のスパッタリングターゲットを用いて成膜されたものである。
【0045】
本発明の反強磁性体膜は、パーティクルが少なく、基板上に成膜された際に極めて組成ずれが少ないものである。したがって、この反強磁性体膜が形成された基板を分割し、各種用途に使用した場合においても、分割された個々の基板の特性のばらつきを小さく抑えることができる。
【0046】
このような本発明による反強磁性体膜は、公知の磁気抵抗効果素子及びトンネル型磁気抵抗効果素子に形成可能なものである。例えば、この磁気抵抗効果素子は、本発明の反強磁性体膜と公知の強磁性体膜との交換結合膜を具備した磁界検出用センサーや再生用磁気ヘッド、更にはこのトンネル型磁気抵抗効果素子は、本発明の反強磁性体膜と公知の強磁性体膜との交換結合膜を具備したMRAMなどに使用することができる。
【0047】
【実施例】
<実施例1、比較例1〜3>
原料となるPt板と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Pt40原子%、Mn60原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数を3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてPt−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。
【0048】
これらの結果を表1に示す。
【0049】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0050】
比較例1として、上記実施例1においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例1と同様の製法により、比較例1のターゲットを製造し、実施例1と同様の膜を製膜し、同様の評価を行った。
【0051】
また、比較例2および3として、Pt粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例2)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例3)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0052】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0053】
<実施例2、比較例4〜6>
原料となるIr粉末と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ir22原子%、Mn78原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてIr−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼100μm〜150μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1350℃×240分、圧力400Kg/cm(29.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0054】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0055】
比較例4として、上記実施例2においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例2と同様の製法により比較例4のターゲットを製造し、実施例2と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0056】
また、比較例5および6として、Ir粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例5)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例6)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0057】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0058】
<実施例3、比較例7〜9>
原料となるRhと電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Rh20原子%、Mn80原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてRh−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10−4Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0059】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0060】
比較例7として、上記実施例3においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例3と同様の製法により比較例7のターゲットを製造し、実施例3と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0061】
また、比較例8および9として、Rh粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例8)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例9)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0062】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0063】
<実施例4、比較例10〜12>
原料となるNi板と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ni20原子%、Mn80原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてNi−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼100μm〜150μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0064】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0065】
比較例10として、上記実施例4においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例4と同様の製法により比較例10のターゲットを製造し、実施例4と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0066】
また、比較例11および12として、Ni粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例11)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例12)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0067】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0068】
<実施例5、比較例13〜15>
原料となるIr、Rhと電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ir18原子%、Mn77原子%、Rh5原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてIr−Rh−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0069】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0070】
比較例13として、上記実施例5においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例5と同様の製法により比較例13のターゲットを製造し、実施例5と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0071】
また、比較例14および15として、Ir粉末、Mn粉末とRh粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例14)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例15)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0072】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0073】
<実施例6、比較例16〜18>
原料となるIr、Niと電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ir19原子%、Mn76原子%、Ni5原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてIr−Ni−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0074】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0075】
比較例16として、上記実施例6においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例6と同様の製法により比較例16のターゲットを製造し、実施例6と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0076】
また、比較例17および18として、Ir粉末とNi粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例17)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例18)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0077】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0078】
<実施例7、比較例19〜21>
原料となるPt板と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Pt22原子%、Mn78原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてPt−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。
【0079】
これらの結果を表1に示す。
【0080】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0081】
比較例19として、上記実施例7においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例7と同様の製法により比較例19のターゲットを製造し、実施例7と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0082】
また、比較例20および21として、Pt粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例20)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例21)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0083】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0084】
<実施例8、比較例22〜24>
原料となるIr粉末と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ir30原子%、Mn70原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてIr−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼100μm〜150μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1350℃×240分、圧力400Kg/cm(29.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0085】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0086】
比較例22として、上記実施例2においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例8と同様の製法により比較例22のターゲットを製造し、実施例8と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0087】
また、比較例23および24として、Ir粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例23)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例24)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0088】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0089】
<実施例9、比較例25〜27>
原料となるRuと電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ru35原子%、Mn65原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてRu−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0090】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0091】
比較例25として、上記実施例3においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例9と同様の製法により比較例25のターゲットを製造し、実施例9と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0092】
また、比較例26および27として、Ru粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例26)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例27)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0093】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0094】
<実施例10、比較例28〜30>
原料となるRh粉末と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Rh40原子%、Mn60原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてRh−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼100μm〜150μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0095】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0096】
比較例28として、上記実施例4においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例10と同様の製法により比較例28のターゲットを製造し、実施例10と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0097】
また、比較例29および30として、Rh粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例29)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例30)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0098】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0099】
<実施例11、比較例31〜33>
原料となるNi板と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Ni30原子%、Mn70原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてNi−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼100μm〜150μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0100】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0101】
比較例31として、上記実施例11においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例11と同様の製法により比較例31のターゲットを製造し、実施例11と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0102】
また、比較例32および33として、Ni粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例32)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例33)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0103】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0104】
<実施例12、比較例34〜36>
原料となるCo粉末と電解Mnを所定量配合し、1×10- Paの高真空中でコールドハース溶解を行ない、Co50原子%、Mn50原子%の母合金を作製した。これから直径50mm、長さ150mmのREP用の電極を切り出し、REP法により回転数3000rpmと10000rpmの2種類の条件を用いてCo−Mn合金粉末を得た。これを篩い分けし、▲1▼150μm〜100μmの粉末と、▲2▼50μm〜100μmの粉末を選別し、▲1▼と▲2▼を7:3の割合で混合し、これを真空度1×10- Paの真空中で、1300℃×240分、圧力400Kg/cm(39.1Pa)の条件でホットプレスし、スパッタ面を所定寸法に機械加工することにより、直径8インチ、厚さ3mmのターゲットを2枚作製した。このうち1枚のターゲットを用い、高周波マグネトロンスパッタ装置で直径3インチの熱酸化Si基板上へ成膜を行ないダスト測定装置:WM−3により基板上のダストを測定した。また、基板の中央と端部での膜組成をEPMAにより定量分析を行ない、組成としてMn量のズレを測定した。これらの結果を表1に示す。
【0105】
もう1枚のターゲットを用い、図1の位置よりサンプルを切り出し、酸素量を不活性ガス融解−熱伝導度法(装置名:LECO社製TC−436)で測定し、欠陥の個数をSEMで観察した。
【0106】
比較例34として、上記実施例12においてホットプレス前に混合粉末を、ガス処理温度900℃×5hr、真空度:1×10−4Paの真空中で、予備圧力(20kfg/cm=2MPa)を付加する以外は、上記実施例12と同様の製法により比較例34のターゲットを製造し、実施例12と同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0107】
また、比較例35および36として、Co粉末とMn粉末を混合し、ホットプレス法により作製したターゲット(比較例35)と溶解法を用いて鋳造後、圧延して得られたターゲット(比較例36)で同様の膜を成膜し、同様の評価を行った。
【0108】
表1から判るように、本発明で得られたターゲットにより成膜された反強磁性体膜はダストおよび組成ズレが少なく、良好な結果を示した。
【0109】
【表1】
Figure 0004936613
上記本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成された反強磁性体膜を用いて磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果素子を製造すると共に、それらを用いて磁気ヘッド及びMRAMを製造したところ、信頼性の高い各素子、さらには磁気ヘッドおよびMRAMを得ることができた。
【0110】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明のスパッタリングターゲットは、スパッタ時のダストの発生が少なく、従来達成することができなかった組成均一性が高い反強磁性体膜を得ることができる。また、本発明の第2乃至第6の発明により、信頼性の高い反強磁性体膜、それを用いた磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果素子、さらには、磁気ヘッド及びMRAMを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタリングターゲットの試験片の採取箇所を示す図

Claims (3)

  1. 実質的に、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イリジウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、銅、銀、金、ルテニウム、オスミウム、クロム、モリブデン、タングステンおよびレニウムから選ばれる少なくとも1種の元素と、マンガンとからなり、スパッタされる表面1cm当たりの欠陥数が10個以下であることを特徴とする、スパッタリングターゲット。
  2. 酸素含有量が200ppm以下でありかつスパッタされる面の場所による酸素含有量のばらつきが20%以内であることを特徴とする、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. さらにベリリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、カドニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズおよび窒素から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
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