以下に、本発明に係る開閉装置を備えた画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(画像形成装置の全体構成)
まず、第1実施形態に係る開閉装置を備えた画像形成装置の全体構成について、図1に基づき説明する。
図1に示されるように、画像形成装置10は、装置本体12を備え、装置本体12の下部には、記録媒体の一例としての用紙Pが束状に積層されて収納される給紙トレイ14が配置されている。なお、記録媒体としては、用紙に限られず、プラスチックフィルム等のシート状部材、その他、画像が記録される媒体を用いてもよい。
給紙トレイ14の先端側(図1において右端側)の直上には、用紙Pの上面の先端側に接触して給紙トレイ14から用紙Pを送り出す給紙ロール16が配置されている。
また、装置本体12には、給紙トレイ14の先端部から延出して、緩やかに湾曲し、装置前方側(図1において右側)で上方へ向かって略垂直に延びる第1搬送路22が形成されている。この第1搬送路22に沿って、用紙搬送方向上流側(単に「上流側」という場合もある)から順に、用紙Pを挟持搬送する複数(例えば、2つ)の搬送ロール対24、画像が形成される用紙Pを静電吸着して搬送する無端状の搬送ベルト26が配置されている。
搬送ベルト26は、上方に配置された巻掛ローラ27と、下方に配置された巻掛ローラ29に巻き掛けられており、巻掛ローラ27及び巻掛ローラ29のいずれかが、所定方向(図1において、時計回り方向)へ回転駆動することにより、搬送ベルト26が所定方向(図1において、時計回り方向)へ回転(循環駆動)する。
この搬送ベルト26の用紙搬送方向上流側には、搬送ベルト26の表面上を帯電させると共に、搬送ベルト26へ静電吸着される用紙Pを搬送ベルト26へ押し当てる帯電ロール31が搬送ベルト26に隣接して設けられている。
また、第1搬送路22を間に挟んで、搬送ベルト26に対向する横方向には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した複数のプロセスカートリッジ28Y、28M、28C、28Kが、第1搬送路22に沿って、装置本体12に略垂直方向へ縦列配置されている。各プロセスカートリッジ28Y、28M、28C、28Kには、それぞれ、所定方向(図1において反時計回り方向)へ回転する感光体ドラム30が設けられている。
感光体ドラム30の周囲には、感光体ドラム30の回転方向上流側から順に、それぞれ、感光体ドラム30上を帯電させる帯電ローラ32と、帯電した感光体ドラム30を露光して感光体ドラム30上に静電潜像を形成する露光装置34と、感光体ドラム30上に形成された静電潜像へ各色のトナーを付着させて現像する現像ローラ36と、が設けられている。
感光体ドラム30に対向する横方向には、搬送ベルト26の内周側に、それぞれ、感光体ドラム30上に形成されたトナー画像を用紙Pへ所定の転写位置で転写する転写装置38が設けられている。
搬送ベルト26より用紙搬送方向下流側には、転写されたトナー画像を用紙Pへ定着させる定着装置40、用紙Pを挟持搬送する搬送ロール対42、用紙Pを排出トレイ20へ排出する排出ロール対44が、この順で配置されている。
また、片面に画像が形成された用紙Pを反転させて、再び第1搬送路22へ送り戻すための記録媒体搬送路の一例としての第2搬送路46が、搬送ベルト26を挟んで第1搬送路22に対向して形成されている。
この第2搬送路46には、用紙Pを下方へ挟持搬送する複数(例えば、3つ)の搬送ロール対48が配置されており、両面に画像を形成する際には、片面に画像が形成された用紙Pは、排出ロール対44によりスイッチバックされて第2搬送路46に導かれ、複数の搬送ロール対48によって下方へ搬送され、第1搬送路22へ送り戻される。
なお、図示を省略するが、装置本体12の図1中右側の側部に手差しトレイを設け、手差しトレイと第2搬送路46とを第3搬送路で接続してもよい。そして、第3搬送路に一対の送込ロールを設け、手差しトレイに積載される用紙Pを第2搬送路46へ送るようにしてもよい。
次に、上記のように構成された画像形成装置における画像形成動作について説明する。
図1に示されるように、画像形成装置10において、用紙Pへ画像を形成する場合は、まず給紙トレイ14から取り出された用紙Pが、複数の搬送ロール対24によって第1搬送路22を上方へ搬送され、搬送ベルト26へ送り込まれる。搬送ベルト26へ送り込まれた用紙Pは、帯電ロール31によって搬送ベルト26へ押し当てられると共に、帯電する搬送ベルト26に静電吸着されて、上方へ搬送され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した所定の転写位置へ順次送り込まれる。
所定の転写位置へ送り込まれた用紙Pは、感光体ドラム30上に形成された各色のトナー画像が転写装置38によって転写され、フルカラー画像が形成される。さらに定着装置40へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置40により定着される。
用紙Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、用紙Pは排出ロール対44により排出トレイ20へ排出される。
一方、用紙Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、用紙Pは、排出ロール対44でスイッチバックされ、反転して第2搬送路46へ送り込まれる。さらに、第2搬送路46から再び第1搬送路22へ送り込まれ、画像が記録されていない反対面に、上記と同様に画像が形成されて用紙Pの両面へ画像が形成され、排出ロール対44により排出トレイ20へ排出される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
(開閉装置)
次に、第1実施形態の画像形成装置10に備えられた開閉装置について説明する。
図1及び図2に示されるように、画像形成装置10には、第2搬送路46を開閉させる開閉装置50が配設されている。開閉装置50は、装置本体12に開閉可能に設けられた外側開閉部の一例としての開閉カバー52を備えている。
この開閉カバー52は、装置下部に配置された第1ヒンジの一例としての開閉カバー用ヒンジ部54によって装置本体12に回転可能に支持されており、装置本体12側から装置外側へ(図2及び図3等における矢印A方向へ)回転して、開放位置へ傾倒することにより装置本体12に対して開放される。開閉カバー52は、図示しないストッパー等により、図3に示す開放位置で止まるように構成されている。また、開閉カバー52は、開放された状態から装置本体12側へ(図3等における矢印B方向へ)回転して、閉止位置へ縦立することにより装置本体12側へ閉止される(閉鎖又は閉じられる)。
また、開閉装置50は、開閉カバー52の内側(装置本体12と対向する側)に開閉可能に設けられた内側開閉部56を備えている。この内側開閉部56は、開閉カバー52の内側下部に配置された第2ヒンジの一例としての内側開閉部用ヒンジ部58によって開閉カバー52に回転可能に支持されており、開閉カバー52側から装置本体12側へ(図3及び図6等における矢印C方向へ)回転して、開放位置へ傾倒することにより開閉カバー52に対して装置本体12側へ開放される。内側開閉部56は、図示しないストッパー等により、図3に示す装置本体12側の開放位置で止まるように構成されている。
図2及び図3に示されるように、開閉装置50は、開閉カバー52が開放された状態で、内側開閉部用ヒンジ部58の支点(回転中心)が開閉カバー用ヒンジ部54の支点(回転中心)に対して装置本体12と反対側に配置されており、また、開閉カバー52を閉じた状態で、内側開閉部用ヒンジ部58の支点が開閉カバー用ヒンジ部54の支点よりも装置本体12側に配置されている。図3に示されるように、開閉カバー52を閉じる過程で内側開閉部用ヒンジ部58の支点が通る軌跡66は、開閉カバー用ヒンジ部54の支点の上方側で最大高さとなる頂点66Aを通り、開閉カバー52を閉じた状態で上記頂点66Aより下方側の閉止位置66Bに至るように構成されている。
図2〜図4に示されるように、開閉カバー52は、装置本体12側(開閉カバー52の内側)に第2搬送路46の一方の搬送面を構成する凹状の湾曲面からなる外側搬送面52Aを備えている。内側開閉部56は、外側搬送面52Aに沿って配置された湾曲形状の板状部材からなり、内側開閉部56の外側(装置本体12と反対側)に第2搬送路46の他方の搬送面を構成する凸状の湾曲面からなる内側搬送面56Aを備えている。
内側開閉部56の先端部(内側開閉部用ヒンジ部58と反対側)には、装置本体12と対向する面に、内側開閉部56を開放する際に把持される取っ手57が設けられている。取っ手57は、装置本体12側に突出する左右一対の側部57Aと、側部57Aに略水平に架け渡された板状部材57Bと、を備えている。そして、板状部材57Bを把持することで内側開閉部56が装置本体12側に開放される。板状部材57Bは、内側開閉部用ヒンジ部58側の開口が大きくなるように内側開閉部56の壁面に対して傾斜して設けられている。
図5に示されるように、装置本体12は、開閉カバー52と対向する位置に、搬送ベルト26等が配設されたトランスユニット72を備えている。本実施形態では、トランスユニット72は装置本体12に対して着脱可能に取り付けられている。トランスユニット72の装置上方側の中央部には、内側開閉部56の取っ手57と対向する位置に、内側開閉部56側に突出する補助ガイド突起の一例としての一対のリブ74を備えている。トランスユニット72の上端部には、装置本体12側に後退するように上部傾斜面72Aが形成されており、一対のリブ74は、上部傾斜面72Aに上下方向に沿って略平行に配置されている。また、一対のリブ74の上端部の角部は円弧状に形成されている。
一対のリブ74は、内側開閉部56を装置本体12側に開放した状態で開閉カバー52を閉じるときに、内側開閉部56に設けられた取っ手57の板状部材57Bが接触して内側開閉部56をガイドすると共に、取っ手57がトランスユニット72の上端部に引っ掛からない方向(図7等における矢印D方向)に押されるように構成されている。
図2及び図3に示されるように、装置本体12の上部におけるトランスユニット72の上方側には、定着装置40(図1参照)を構成する筐体76が設けられており、筐体76の上方側には、搬送される用紙Pをガイドするためのガイド部材78が設けられている。ガイド部材78の用紙搬送方向下流側の端部は、筐体76の外壁面より開閉カバー52側に突出するように設けられている。
図5に示されるように、トランスユニット72の幅方向両側には、内側開閉部56と対向する位置に、内側開閉部56側に突出するガイド突起の一例としての左右一対のガイド突起80が設けられている。ガイド突起80は、略十字状に形成されており、先端部よりもトランスユニット72側の根元部の幅が大きくなるように形成されている。図2及び図3等に示されるように、内側開閉部56の幅方向両側には、左右一対のガイド突起80と対向する位置に、トランスユニット72側に突出する左右一対の突出部60が設けられている。突出部60の下部側には、上部側がトランスユニット72側に突出するように傾斜する傾斜面が形成されている。
一対のガイド突起80は、内側開閉部56を装置本体12側に開放した状態で開閉カバー52を閉じるときに、内側開閉部56の板状部材57Bとトランスユニット72のリブ74との接触が外れた後に内側開閉部56の突出部60が接触することにより、内側開閉部56が開閉カバー52に近づく方向(内側開閉部56が開閉カバー52側に閉まる方向)に押されるように構成されている。言い換えると、内側開閉部56を装置本体12側に開放した状態で開閉カバー52を閉じるときに、ガイド突起80と内側開閉部56の突出部60とが接触する前に、内側開閉部56の板状部材57Bとトランスユニット72のリブ74とが接触し、板状部材57Bとリブ74との接触が外れた後に、内側開閉部56の突出部60とトランスユニット72のガイド突起80とが接触するように構成されている。
図3及び図4等に示されるように、内側開閉部56の突出部60には、開閉カバー52を装置本体12側に閉じた状態でガイド突起80が嵌合されることにより、内側開閉部56が位置決めされる嵌合穴62が設けられている。嵌合穴62は、ガイド突起80の外形よりも若干大きく形成された略円形状の凹部から構成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
画像形成装置10において、前述の画像形成動作により第2搬送路46でジャム(紙詰まり)が発生した場合、詰まった用紙Pを除去するために開閉装置50を操作する。具体的には、操作者は、開閉カバー52を開閉カバー用ヒンジ部54を中心に矢印A方向へ回転して、開閉カバー52を装置本体12(トランスユニット72)に対して装置外側へ開放する。このとき、開閉カバー52に回転可能に支持された内側開閉部56も開閉カバー52と一体となって開放される(図3参照、なお、図3ではジャム時の用紙Pは省略されている)。図3に示される開放位置では、開閉カバー52は装置本体12に対して約90°開放されている。
さらに、図6に示されるように、内側開閉部56を内側開閉部用ヒンジ部58を中心に矢印C方向へ回転して、内側開閉部56を開閉カバー52側から装置本体12側(トランスユニット72側)へ開放する。その際、内側開閉部56の取っ手57(図4参照)を把持することにより、内側開閉部56を開放する。内側開閉部56を開放した状態で、ジャム時の用紙Pを除去する。
その後、通常の操作では、内側開閉部56を装置本体12側から矢印Cと反対方向へ回転して内側開閉部56を開閉カバー52側に閉じ(図3参照)、さらに、開閉カバー52を矢印B方向に回転して装置本体12側へ閉じる。
しかし、操作者によっては、内側開閉部56を装置本体12側へ開放した状態のまま、開閉カバー52を矢印B方向に回転して装置本体12側へ閉じる場合がある。開閉装置50では、内側開閉部用ヒンジ部58の支点が通る軌跡66(図3参照)は、開閉カバー52を閉じる動作に伴って徐々に上昇していき、開閉カバー用ヒンジ部54の支点の上方側で最大高さとなる頂点66Aを通り、開閉カバー52を閉じた状態で上記頂点66Aより下方側の閉止位置66Bに至る。その際、内側開閉部56及び開閉カバー52は以下のように動作する。
図7に示されるように、開閉カバー52を矢印B方向に回転して装置本体12側(トランスユニット72側)へ閉じていくと(図7は、開閉カバー52を開放位置から装置本体12側へ約20°閉じた状態)、内側開閉部56の板状部材57Bがトランスユニット72のリブ74の縁部を滑りながら、矢印D方向へ持ち上がる。図8に示されるように、開閉カバー52を矢印B方向に更に回転して装置本体12側(トランスユニット72側)へ閉じていくと(図8は、開閉カバー52を開放位置から装置本体12側へ約40°閉じた状態)、内側開閉部56の板状部材57Bの下端部がトランスユニット72のリブ74の縁部を滑りながら、矢印D方向へ更に持ち上がる。これによって、内側開閉部56の取っ手57がトランスユニット72の上端部付近に引っ掛かることが回避される。
図9に示されるように、開閉カバー52を矢印B方向に更に回転して装置本体12側(トランスユニット72側)へ閉じていくと(図9は、開閉カバー52を開放位置から装置本体12側へ約60°閉じた状態)、内側開閉部56の板状部材57Bがトランスユニット72のリブ74を乗り越えることにより、内側開閉部56の板状部材57Bが持ち上がる方向が矢印D方向から矢印E方向に変わる。
図10に示されるように、開閉カバー52を矢印B方向に更に回転して装置本体12側(トランスユニット72側)へ閉じていくと(図10は、開閉カバー52を開放位置から装置本体12側へ約80°閉じた状態)、内側開閉部56の突出部60がトランスユニット72のガイド突起80を滑りながら、矢印F方向へ持ち上がる。すなわち、内側開閉部56とトランスユニット72の滑る場所が、板状部材57Bとリブ74から、突出部60とガイド突起80に変わり、内側開閉部56の板状部材57Bが持ち上がる方向も矢印E方向から矢印F方向に変わる。
内側開閉部56の板状部材57Bが持ち上がる方向が矢印F方向に変わることにより、内側開閉部56の先端部と装置本体12のガイド部材78とが衝突する直前で、内側開閉部56の先端部と装置本体12のガイド部材78とが干渉することが回避される。これにより、内側開閉部用ヒンジ部58の支点が、開閉カバー用ヒンジ部54の支点の上方側で最大高さとなる頂点66Aを通り、開閉カバー52を閉じた状態で上記頂点66Aより下方側の閉止位置66Bに至る場合に、内側開閉部56の先端部が装置本体12に近づいても、内側開閉部56の先端部が装置本体12のガイド部材78等と干渉することが回避される。
そして、図2に示されるように、開閉カバー52を矢印B方向に更に回転して、開閉カバー52を装置本体12側(トランスユニット72側)へ完全に閉じると(図2は、開閉カバー52を開放位置から装置本体12側へ約90°閉じた状態)、トランスユニット72のガイド突起80の先端部が内側開閉部56の突出部60に設けられた嵌合穴62に嵌り込み、内側開閉部56がトランスユニット72に対して位置決めされる。内側開閉部56を装置本体12側へ閉じたときに、ガイド突起80が内側開閉部56に対して邪魔になることはない。この状態で、開閉カバー52を装置本体12側(トランスユニット72側)へ閉じる操作が完了する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。また、画像形成装置の全体構成は、第1実施形態と同一であるので、説明を省略する。
図11に示されるように、第2実施形態に係る開閉装置90では、開閉カバー52の外側搬送面52Aの中間部に、内側開閉部56側に突出する位置決め用突起の一例としての左右一対の位置決め用突起92が設けられている。内側開閉部56の外側搬送面56Aには、開閉カバー52を装置本体12側へ閉じた状態で、位置決め用突起92が嵌合される位置決め用嵌合穴の一例としての左右一対の嵌合穴94が設けられている。嵌合穴94は、断面が略円形状に形成されており、内側開閉部56の突出部60を厚み方向に貫通するように設けられている。そして、嵌合穴94は、開閉カバー52を装置本体12側へ閉じた状態で、トランスユニット72のガイド突起80の先端部が内側開閉部56の嵌合穴94に嵌り込むように構成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図11に示されるように、開閉カバー52を装置本体12側(トランスユニット72側)へ閉じると、トランスユニット72のガイド突起80の先端部が内側開閉部56の内側から嵌合穴94に嵌り込み、内側開閉部56がトランスユニット72に対して位置決めされる。そのとき、開閉カバー52の位置決め用突起92が内側開閉部56の外側から嵌合穴94に嵌り込み、開閉カバー52が内側開閉部56に対して位置決めされる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1及び第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(画像形成装置の全体構成)
まず、第3実施形態に係る開閉装置を備えた画像形成装置の全体構成について、図12及び図13に基づき説明する。
図12及び図13に示されるように、画像形成装置100は、装置本体102のほぼ中央部に、複数のローラに巻き掛けられた中間転写ベルト104を備えており、その中間転写ベルト104の下側走行辺に沿って4個の作像ユニット110Y、110C、110M、110Kを備えている。各作像ユニット110Y、110C、110M、110Kには感光体ドラム112が設けられている。この感光体ドラム112の周りには、帯電手段、現像装置、クリーニング手段等が配置され、さらに各感光体ドラム112に対向する位置において中間転写ベルト104の内側に一次転写ローラ108が設けられている。本実施形態では、4個の作像ユニット110Y、110C、110M、110Kは、図において左からマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色順に配置されている。
作像ユニット110Y、110C、110M、110Kの下方には光書き込み装置114が設けられている。光書き込み装置114は図示はしないがポリゴンミラーやミラー群等を有しており、光変調されたレーザ光を各色作像ユニットの感光体ドラム112の表面に照射する。
装置本体102の下部には2段の給紙カセット116A、116Bが配設されており、各給紙カセットに対応する給紙手段118A、118Bが設けられている。給紙手段118A、118Bはそれぞれ、呼び出しローラ、供給ローラ及び分離ローラから構成されている。給紙手段118A、118Bによって給送される用紙P(記録媒体)を搬送するために、搬送ローラ対120、120が設けられている。上側の搬送ローラ対120の上方(用紙搬送方向の下流側)にはレジストローラ対122が設けられている。そのレジストローラ対122の上方には、二次転写ローラ124が、中間転写ベルト104が掛け渡されるローラの一つである転写対向ローラ106に対向して設けられている。
二次転写ローラ124の上方側には定着装置126が設けられており、その定着装置126の上方には、用紙搬送方向を切り替えるための第1〜第3の切替爪128、129、130が配置されている。さらに、定着装置126の下流側には、搬送ローラ対132が配設されている。装置本体102の上面は排紙トレイ136として構成されており、その排紙トレイ136に用紙Pを排出するための排紙ローラ対134が、定着装置126の左上方に配設されている。
両面ユニット150内には、スイッチバック搬送路152及び再給紙路154が形成されている。スイッチバック搬送路152には第1反転ローラ対156と第2反転ローラ対158が設けられている。第1反転ローラ対156と第2反転ローラ対158は、正逆回転可能に構成されている。そして、再給紙路154をほぼ三等分する位置に、搬送ローラ対160、162が配置されている。前述の第3切替爪130は、第1反転ローラ対156のすぐ隣で、スイッチバック搬送路152から再給紙路154への進入部に位置して配置されている。
両面ユニット150の側面には手差しトレイ164が設けられている。この手差しトレイ164から用紙Pを給紙するために、呼び出しローラ、供給ローラ及び分離ローラからなる給紙手段166が設けられている。その給紙手段166の側方における装置内側に位置するように再給紙ローラ168が配設されている。再給紙ローラ168の上下両側には従動ローラがそれぞれ圧接されている。この再給紙ローラ168は正逆回転可能に構成されており、再給紙路154から用紙Pを再給紙する場合は図中反時計回りに回転駆動され、手差しトレイ164から用紙Pを給紙する場合は図中時計回りに回転駆動される。
次に、上記のように構成された画像形成装置100における画像形成動作について説明する。
上記作像ユニット110Y、110C、110M、110Kの感光体ドラム112が図中時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム112の表面が帯電手段によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体表面には、光書き込み装置114からレーザ光が照射され、これによって感光体ドラム112表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム112に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報であり、このように形成された静電潜像に現像装置から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
また、中間転写ベルト104が矢印で示すように図中反時計回りに走行駆動され、各作像ユニット110Y、110C、110M、110Kにおいて一次転写ローラ108の作用により感光体ドラム112から中間転写ベルト104に各色トナー像が順次重ね転写される。
一方、給紙カセット116A、116Bあるいは手差しトレイ164から用紙Pが選択的に給送され、レジストローラ対122によって、中間転写ベルト104上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写位置に向けて送出され、二次転写ローラ124により中間転写ベルト104表面のトナー像が用紙P上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙Pは、定着装置126を通過することにより、用紙Pにトナー像が定着される。用紙Pは、排紙ローラ対134により装置本体102の上部に構成された排紙トレイ136に排出される。
用紙両面にプリントを行う場合は、用紙片面にトナー像を定着した用紙を、第1〜第3切替爪128,129、130を切り替えて第1及び第2反転ローラ対156、158を回転させることにより、スイッチバック搬送路152内に進入させる。さらに、第1及び第2反転ローラ対156、158を逆方向に回転させて用紙Pを反転させ、用紙Pを再給紙路154へと送り込む。再給紙路154内を用紙は搬送ローラ対160、162により搬送され、さらに再給紙ローラ168によりレジストローラ対122へと送られる。そして、用紙Pの裏面に中間転写ベルト104からトナー像が転写され、その裏面画像を定着装置126で定着することにより、用紙Pの裏面に画像が形成される。
(開閉装置)
次に、第3実施形態の画像形成装置100に備えられた開閉装置について説明する。
図13に示されるように、画像形成装置100には、再給紙路154を開閉させる開閉装置180が配設されている。開閉装置180は、装置本体102に開閉可能に設けられた外側開閉部の一例としての前述の両面ユニット150を備えている。
この両面ユニット150は、装置下部に配置された第1ヒンジの一例としてのヒンジ部182によって装置本体102に回転可能に支持されており、装置本体102側から装置外側へ(図13における矢印G方向へ)回転して開放位置へ傾倒することにより装置本体102に対して開放される。なお、両面ユニット150は図示しないリンク機構により装置本体102に支持され、図13に示す開放位置で止まるようになっている。
また、開閉装置180は、両面ユニット150の内側(装置本体102と対向する側)に開閉可能に設けられた内側開閉部184を備えている。この内側開閉部184は、両面ユニット150の内側下部に配置された第2ヒンジの一例としてのヒンジ部186によって両面ユニット150に回転可能に支持されており、両面ユニット150側から装置本体102側へ(図13における矢印H方向へ)回転して、開放位置へ傾倒することにより両面ユニット150に対して装置本体102側へ開放される。内側開閉部184には、二次転写ローラ124、レジストローラ対122の片方の従動側ローラ、搬送ローラ対162の片方の従動側ローラ、再給紙ローラ168の片方の従動側ローラが配設されている。
開閉装置180では、両面ユニット150を装置本体102に対して装置外側に開放した状態では、ヒンジ部182に対して内側開閉部184のヒンジ部186が装置外側に位置しており、両面ユニット150を装置本体102側へ閉じた状態では、ヒンジ部182の上方側に内側開閉部184のヒンジ部186が位置するように構成されている。
装置本体102の幅方向両側には、内側開閉部184と対向する位置に、内側開閉部184側に突出するガイド突起の一例としての左右一対のガイド突起190が設けられている。ガイド突起190は、先端部が尖状に突出するように形成されている。内側開閉部184の幅方向両側には、ガイド突起190と対向する位置に、内側開閉部184を装置本体102側に開放した状態で両面ユニット150を閉じるときに、ガイド突起190に接触可能な壁面184Aが形成されている。本実施形態では、壁面184Aは、上部側が下部側に対して装置本体102側に突出するような傾斜面となっている。ガイド突起190は、内側開閉部184を装置本体102側に開放した状態で両面ユニット150を閉じるときに、内側開閉部184の壁面184Aが接触して内側開閉部184がガイドされると共に、内側開閉部184が両面ユニット150に近づく方向(内側開閉部184が両面ユニット150側へ閉まる方向)に押されるように構成されている。
内側開閉部184の壁面184Aには、両面ユニット150を閉じた状態でガイド突起190が嵌合されて内側開閉部184が位置決めされる嵌合穴の一例としての左右一対の嵌合穴192が設けられている。嵌合穴192は、ガイド突起190の外形よりも若干大きく形成された凹部から構成されている。再給紙路154は、その一方側(装置内側)を内側開閉部184の搬送面で構成され、反対側(装置外側)を両面ユニット150の搬送面で構成され、両面ユニット150を装置本体102側へ閉じたときに再給紙路154が形成される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
画像形成装置100において、前述の画像形成動作により再給紙路154でジャム(紙詰まり)が発生した場合、両面ユニット150を図13中に示す矢印G方向に回転して装置外側へ開放する。このとき、両面ユニット150に回転可能に支持された内側開閉部184も両面ユニット150と一体となって開放される。さらに、内側開閉部184を図13中に示す矢印H方向へ回転して両面ユニット150側から装置本体102側へ開放する(図13ではジャム時の用紙Pは省略されている)。この状態で、ジャム時の用紙Pを除去する。
その後、操作者によっては、内側開閉部184を装置本体102側へ開放した状態のまま、両面ユニット150を矢印Gと反対方向に回転して装置本体102側へ閉じる場合がある。この場合、両面ユニット150を装置本体102側へ閉じていくと、内側開閉部184の壁面184Aが装置本体102のガイド突起190を滑りながら、両面ユニット150側へ持ち上がる(内側開閉部184が両面ユニット150側へ押される)。内側開閉部184が両面ユニット150側へ持ち上がることにより、内側開閉部184の中間部付近が装置本体102の中間転写ベルト104や搬送路のガイド面と干渉しない。
そして、図12に示されるように、両面ユニット150を更に回転して装置本体102側へ閉じると、装置本体102のガイド突起190の先端部が内側開閉部184の壁面184Aに設けられた嵌合穴192に嵌り込み、内側開閉部56が装置本体102に対して位置決めされる。この状態で、両面ユニット150を装置本体102側へ閉じる操作が完了する。
[上記実施形態の補足説明]
(1)第1及び第2実施形態では、トランスユニット72が装置本体12に対して着脱可能に設けられているが、トランスユニット72を装置本体12に一体に構成してもよい。すなわち、本発明の「装置本体」には、装置本体に一体に設けられた部材のほか、装置本体に着脱可能に設けられたユニット等を含む。
(2)第1〜第3実施形態では、装置本体にガイド突起80、190を設けたが、これらに限定されず、内側開閉部、又は装置本体と内側開閉部の両方にガイド突起を設けてもよい。すなわち、装置本体及び内側開閉部の少なくとも一方にガイド突起を設ける構成であればよい。また、ガイド突起80、190の形状や位置も上記実施形態に限定されず、他の構成でもよい。
(3)第1〜第3実施形態では、内側開閉部にガイド突起80、190が嵌合される位置決め用の嵌合穴62、92、192を設けたが、これらに限定されず、内側開閉部にガイド突起を設けると共に、装置本体に内側開閉部を位置決めするための嵌合穴を設けてもよい。すなわち、装置本体及び内側開閉部の一方にガイド突起を設け、装置本体及び内側開閉部の他方に、開閉カバー(外側開閉部)を閉じた状態でガイド突起が嵌合される嵌合穴を設ける構成であればよい。また、嵌合穴62、92、192の形状は上記実施形態に限定されず、他の構成でもよい。
(4)第1及び第2実施形態では、装置本体に補助ガイド突起の一例としてのリブ74を設けたが、これらに限定されず、内側開閉部、又は装置本体と内側開閉部の両方に補助ガイド突起を設けてもよい。すなわち、装置本体及び内側開閉部の少なくとも一方に補助ガイド突起を設ける構成であればよい。また、補助ガイド突起の形状や位置も上記実施形態に限定されず、他の構成でもよい。
(5)第2実施形態では、開閉カバー52に位置決め用突起92を設け、内側開閉部56に位置決め用突起92が嵌合される位置決め用嵌合穴の一例としての嵌合穴94を設けたが、これに限定されず、開閉カバー(外側開閉部)に位置決め用嵌合穴を設けると共に、内側開閉部に位置決め用突起を設けてもよい。すなわち、内側開閉部及び外側開閉部の一方に位置決め用突起を設け、内側開閉部及び外側開閉部の他方に、外側開閉部を装置本体側へ閉じた状態で位置決め用突起が嵌合される位置決め用嵌合穴を設ける構成であればよい。また、位置決め用突起及び位置決め用嵌合穴の形状や位置も上記実施形態に限定されず、他の構成でもよい。
(6)なお、本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。