JP4935759B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
ここで、上記指定先の移行により、回転体の回転方向における像形成位置同士の間隔が大きく変化することがあり、画像品質への悪影響を十分に抑制できない場合があり得る。そこで、本発明では、移行直後の像形成位置に形成すべき像の濃度及び像幅の少なくとも一方を、移行により指定された補正用パラメータと、当該移行が実行されないとした場合に指定されるはずであった補正用パラメータとの差分に応じて調整する。これにより、上記移行により像形成位置同士の間隔が大きく変化することによる悪影響を抑制できる。
移行直前の像形成位置に像形成を行わないのであれば、移行により像形成位置同士の間隔が大きく変化することによる悪影響はほとんど生じず、むしろ、上記調整対象の調整を実行しない方がよい場合もある。そこで、本発明では、移行直前の像形成位置について像形成を行う場合に限り、調整対象の調整を実行するようにした。
例えば移行後、1つの像形成位置についてのみ調整対象の調整を行う構成でもよいが、その場合、調整量によってはこれ以降の他の像形成位置の像との間に違和感が生じるおそれがある。そこで、本発明のように、複数の像形成位置について調整対象の調整を行うことが好ましい。
本発明のように、調整量を複数の像形成位置間で徐々に低減させることで、これ以降の他の像形成位置の像との違和感を、より効果的に抑制できる。
本発明によれば、露光装置の露光強度を調整する方法により調整対象の調整を実現できる。
複数の感光体を有する場合、それぞれに異なる回転むらがある。このため、感光体ごとに本発明の処理を実行することが好ましい。
複数の感光体により像形成を行う場合には、各感光体からの像同士の重ね合わせを行うため、調整対象の調整を実行して精度のよい像を形成する必要があるが、1つの感光体により像形成する場合には、像同士の重ね合わせが不要なので、それほど高い精度の像を形成しないでもよい場合がある。この場合には、本発明のような構成が好ましい。
着色剤の色特性によって同じ調整量であっても画像品質に対する影響が異なる。そこで、本発明のように、各感光体ごとの調整量を、着色剤の色特性に応じた量にすることが好ましい。
視認性の低い色については移行による画像品質への影響が比較的に目立ちにくい。そこで、本発明のように、視認性の低い色画像用の感光体に対しては調整対象の調整を実行しないようにして処理負担を軽減することが好ましい。
(プリンタの全体構成)
図1は、本実施形態のプリンタ1(画像形成装置の一例)の概略構成を示す側断面図である。なお、以下の説明では、図1の紙面右方向がプリンタ1の前方向であり、各図ではF方向として示してある。また、プリンタ1は4色(ブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローY)のトナーによりカラー画像を形成するカラープリンタであり、色ごとに対応した複数の構成部品を有する。以下、各構成部品を色ごとに区別する場合には、その構成部品の符号末尾に各色を意味するK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)を付すものとする。
図2は、感光体33を回転駆動する駆動ユニット61の内部構造を簡略化して示した斜視図である。駆動ユニット61は感光体33の一端側に配置されている。駆動ユニット61は、各感光体33に対応する4つの駆動ギア63(63K,63C,63M,63Y)が設けられている。各駆動ギア63は、それに対応する感光体33と同軸上で回転可能に設けられ、カップリング機構によって互いに連結される。具体的には、各駆動ギア63には同軸上に嵌合部65が突出形成されており、この嵌合部65が、上記感光体33の端部に形成された凹所67に嵌合し、駆動ギア63の回転駆動に対して感光体33が一体的に回転する。なお、各嵌合部65は、図2に示す嵌合位置と感光体33から離間した離間位置との間で移動可能となっており、例えばプロセスユニット25を交換する際には、嵌合部65が離間位置に移動することによりプロセスユニット25をケーシング3から取り外すことが可能になる。
図3はプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
プリンタ1は、CPU77、ROM79、RAM81、NVRAM83(メモリの一例)、操作部85、表示部87、既述の画像形成部19、ネットワークインターフェイス89、原点センサ73等を備えている。
以下の説明で登場する一部の用語の意味は次の通りである。図4は各用語の関係を説明するための図である。なお、実際には感光体33と転写ローラ43との間の転写位置において感光体33の表面移動速度と被記録媒体7の搬送速度とが相違することがあり、この相違を考慮して後述する露光タイミングを補正する必要があるが、本実施形態では説明を簡単にするために、転写位置において感光体33の表面移動速度と被記録媒体7の搬送速度とは同じである前提とする。
(a)「ライン番号(N)」:駆動ギア63が原点位相から1周期分回転するまでに順次形成する走査ラインの番号をいう。原点位相の検出タイミングから最初に形成される走査ラインのライン番号が「1」であり、1周期内の最終の走査ラインのライン番号が「M」である。
(b)「書き出し時間間隔T1」:露光ユニット23によって感光体33上に形成される各走査ラインの書き出しタイミングの時間差をいい、書き出し時間間隔T1(N)は、ライン番号(N−1)の走査ラインと、ライン番号(N)の走査ラインとの書き出しタイミングの時間差を意味する。
(c)「初期時間間隔DS」:後述する補正処理の開始時から最初の走査ラインが形成されるまでの時間差をいう。なお、初期時間間隔DSは、駆動ギア63の回転速度が上記規定速度に等しく、且つ、上記規定ライン間隔で光走査するのに要する書き出し時間間隔(以下、規定時間間隔という。)に一致しない場合もあるが、本実施形態では、説明を簡単にするために一致するものとする。
(d)「走査ライン間隔」:転写後の被記録媒体7における走査ライン同士の副走査方向における距離(本実施形態では、上記前提の下、光走査によって感光体33に形成される各走査ライン間の、感光体33の周方向(副走査方向)における距離と一致)をいう。なお、副走査方向における各走査ラインの書き出し位置が像形成位置の一例である。
(e)「規定ライン間隔」:解像度などの印刷条件によって定まる、正規の走査ライン間隔をいう。換言すれば、走査ライン間隔をこの規定ライン間隔に一律に等しくことができれば、上記印刷条件を満たす像を形成することができる。
(f)「規定速度」:設計上、規定された速度であり、これは印刷速度、解像度、被記録媒体7の材質等の印刷条件によって変更されることがある。
(g)「補正量D(N)」:各位相での走査ライン間隔を規定ライン間隔に補正するのに要する書き出し時間間隔の補正量(補正用パラメータの一例)をいう。
(h)「補正差分量ΔD(N)」:1つの前の書き出し時間間隔T1(N−1)の補正量D(N−1)に対する、現在の書き出し時間間隔T1(N)の補正量D(N)の相対差である。
[式1]
D(N)=(ΔD(1)+ΔD(2)+・・・+ΔD(N))
そして、任意の書き出し時間間隔T1(N)は、次の式2で求まる。
[式2]
T1(N)=DS+D(N)=T1(N−1)+ΔD(N)
本実施形態では、図7,8に示す走査ライン間隔の補正処理は、単一のプロセスユニット25(例えばブラックのプロセスユニット25K)によるモノクロ印刷時には行われず、複数のプロセスユニット25によるカラー印刷時に行われる。感光体33の回転速度むらに起因するライン間隔のずれの影響は、特に複数色の画像を組み合わせて形成するカラー画像において色ずれとして顕著に現れるからである。また、走査ライン間隔の補正処理は、それぞれの色ごとに用意された上記変化特性情報に基づき個別に行う。以下、例えばシアン画像に対する走査ライン間隔の補正処理を例に挙げて説明する。
CPU77は、後述する移行処理の実行前までは、上記変化特性情報に基づき、各ライン番号Nに対応する複数の補正差分量ΔD(N)を時系列順に指定していく。このときCPU77は指定手段として機能する。
例えば外部のコンピュータからの印刷データをネットワークインターフェイス89で受信したり、操作部85で印刷指示の操作がされたりすると、CPU77は、感光体33、ベルト31等の回転駆動を指示すると共に、図7,8に示す補正処理を実行する。なお、CPU77は内部クロックによって書き出し時間間隔T1等の時間をカウントする。また、当初、各ライン番号Nを指定するための指定ライン番号Eは「1」になっている。
ここで、本実施形態では、感光体33(より正確には感光体33の回転運動)の位相が上記原点位相になっていることは原点センサ73によって直接検出できるが、この原点位相以外の他の位相については直接検出できない。当該他の位相の到来時点は、CPU77が、上記検出タイミングを基準として、各書き出し時間間隔T1を内部クロックにより時間カウントして推定している。
そこで、CPU77は、推定位相を修正するための移行処理(図8のS123以降の処理)を行う。上記原点位相の検出タイミングは、感光体33の実際の位相を唯一検出可能なタイミングであるから、この検出タイミングを利用すれば、補正量D(N)(書き出し時間間隔T1)を実際の位相に対応した、適切な値にして推定位相を修正することができる。
図9は移行前後の補正量変化を説明するためのグラフであり、図10は移行の有無による書き出し時間間隔T1の相違を説明するための図である。上記移行処理を実行すると次のような問題が生じ得る。即ち、原点位相付近の補正量D(N)変化が急勾配の場合には、上記移行前後で補正量D(N)が大きく変わるため、走査ライン間隔が急激に変わってしまい、画像品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
[式3]
T1'=T1(M−4)+ΔD(1)
一方、仮に移行処理がされなかった場合の書き出し時間間隔T0は次の式4で表すことができる。
[式4]
T0=T1(M−4)+ΔD(M−3)
そこで、本実施形態では、図8のS133で、上記走査ライン間隔の急激な変化による画像品質への悪影響を抑制するために調整処理を行うようになっている。このときCPU77は調整手段として機能する。この調整処理は、上記移行直後の走査ライン間隔H2に応じて、移行直後の走査ラインL(1)の画像濃度を調整する処理である。即ち、走査ライン間隔H2が狭いほど露光ユニット23の露光強度を弱くして移行直後の走査ラインL(1)を相対的に低い濃度で形成し、走査ライン間隔H2が広いほど露光ユニット23の露光強度を強くして移行直後の走査ラインL(1)を相対的に高い濃度で形成する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。特に、各実施形態の構成要素のうち、最上位の発明の構成要素以外の構成要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。
(1)「画像形成装置」として、上記実施形態ではLEDプリンタを示したが、これ以外の電子写真方式のプリンタ(例えばレーザプリンタ)にも適用できる。また、直接転写方式でなくても、例えば中間転写方式のプリンタ等にも適用することができ、さらにはインクジェット方式やサーマル方式のプリンタにも適用することができる。また、着色剤を2色、3色或いは5色以上有するプリンタであってもよい。
7...被記録媒体
33...感光体(回転体)
73...原点センサ(センサ)
77...CPU(指定手段、補正手段、移行手段、調整手段)
83...NVRAM(メモリ)
SA...検出信号
Claims (10)
- 回転体を有し、当該回転体に、或いは、前記回転体の回転に伴って移動する被記録媒体に像を形成する形成手段と、
前記回転体が基準位相から1周期分回転するまでに前記形成手段により前記回転体或いは前記被記録媒体上に順次形成されるラインの順位と、当該ラインからそれより1つ前のラインまでの間隔を規定間隔にするための、前記1つの前のラインの形成から前記ラインの形成までの時間間隔との対応関係が記憶されるメモリと、
前記回転体の回転位相が前記基準位相に達したときに検出信号を出力するセンサと、
前記時間間隔のいずれかが指定されると、その指定された時間間隔を内部クロックによりカウントし、その後、当該指定された時間間隔に対応する順位のラインの書き出しを前記形成手段に指示する指示手段と、
前記メモリに記憶された前記対応関係から、前記指示手段が次に書き出しを指示すべきラインの順位に対応する時間間隔を特定し、その特定した時間間隔を前記指示手段に指定する指定手段と、
前記センサから前記検出信号が出力された際、その後、前記指定手段による最初の指定先を、前記対応関係において前記順位が先頭のラインに対応する時間間隔に移行させる移行手段と、
前記移行手段による前記移行により指定された時間間隔と、当該移行が実行されないとした場合に指定されたはずの時間間隔との差分が大きいほど、前記移行手段による移行直後に形成すべきラインの濃度を濃くすること、及び、前記ラインの幅を太くすることの少なくとも一方を行う調整動作を実行する調整手段と、を備える画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置であって、
前記移行直前のラインについて像形成を行うかどうかを判定する判定手段を備え、
前記調整手段は、前記判定手段にて像形成を行うと判定された場合には前記調整動作を実行し、像形成を行わないと判定した場合には前記調整動作を実行しない構成である、画像形成装置。 - 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記調整手段は、前記移行直後の複数のラインについて前記調整動作の実行後に前記調整動作を終了する、画像形成装置。 - 請求項3記載の画像形成装置であって、
前記調整手段は、前記複数のラインについて前記移行手段によって移行される順位が下位になるほど、前記調整動作の調整量を、徐々に低減させる、画像形成装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記回転体は感光体であり、
前記感光体を露光する露光装置を備え、
前記調整手段は、前記露光装置の露光強度を変更することにより前記調整動作を実行する、画像形成装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記形成手段は、複数の感光体を前記回転体として有し、各感光体ごとに前記被記録媒体に像を形成する構成であり、
前記メモリには、前記複数の感光体のうち少なくとも2つの感光体それぞれに対応する前記対応関係が記憶され、
前記指定手段、前記移行手段及び前記調整手段は、前記2つの感光体それぞれに対して独立に処理を実行する、画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置であって、
少なくとも前記調整手段による調整動作は、前記複数の感光体により前記被記録媒体に像形成を行う場合に実行し、1つの感光体のみにより前記被記録媒体に像形成を行う場合に実行しない、画像形成装置。 - 請求項6または請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記複数の感光体は互いに異なる色画像形成用であり、前記調整手段による各感光体ごとの調整量は、当該各感光体に対応する色の特性に応じた量になっている、画像形成装置。 - 請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記調整手段による調整動作は、他の色に比べて視認性が低い色の少なくとも1つの色に対応する感光体について実行しない、画像形成装置。 - 回転体を有し、当該回転体に、或いは、前記回転体の回転に伴って移動する被記録媒体に像を形成する形成手段と、
前記回転体が基準位相から1周期分回転するまでに前記形成手段により前記回転体或いは前記被記録媒体上に順次形成されるラインの順位と、当該ラインからそれより1つ前のラインまでの間隔を規定間隔にするための、前記1つの前のラインの形成から前記ラインの形成までの時間間隔との対応関係が記憶されるメモリと、
前記回転体の回転位相が前記基準位相に達したときに検出信号を出力するセンサと、
前記時間間隔のいずれかが指定されると、その指定された時間間隔を内部クロックによりカウントし、その後、当該指定された時間間隔に対応する順位のラインの書き出しを前記形成手段に指示する指示手段と、
前記メモリに記憶された前記対応関係から、前記指示手段が次に書き出しを指示すべきラインの順位に対応する時間間隔を特定し、その特定した時間間隔を前記指示手段に指定する指定手段と、
前記センサから前記検出信号が出力された際、その後、前記指定手段による最初の指定先を、前記対応関係において前記順位が先頭のラインに対応する時間間隔に移行させる移行手段と、
前記移行手段による前記移行直後の前記先頭ラインと、当該先頭ラインの1つ前のラインとの距離が長いほど、前記先頭ラインの濃度を濃くすること、及び、前記先頭ラインの幅を太くすることの少なくとも一方を行う調整動作を実行する調整手段と、を備える画像形成装置。
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