JP4934528B2 - 車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置 - Google Patents

車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両用ホイールを構成するホイールリムの表側ウエル部に、エアバルブを装着するためのバルブ孔を形成する車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置に関する。
車両用ホイールには、タイヤ内の空気圧を調整するためのエアバルブが取り付けられている。このエアバルブを装着するバルブ孔は、車両用ホイールを構成するホイールリムの、例えば、ドロップ部から表側ビードシート部に立ち上がる表側ウエル部に形成されている。ここで、エアバルブは、一般的に、ホイールリムの外側から内側へ突出するようにして取り付けられる。
エアバルブを装着するバルブ孔にあっては、その形成する部位が規定されている。そのため、バルブ孔の加工を行う際には、該バルブ孔を規定の部位(以下、バルブ孔穿設部位)に正しく穿設するように、バルブ孔を穿つパンチに対して、ホイールリムを所定位置に正確にセットすることが必要となっている。特に、上記したようにバルブ孔を表側ウエル部に形成する場合にあっては、表側ウエル部の幅(ホイールリムの径方向寸法)が比較的狭いことから、ホイールリムがパンチに対して僅かに位置ズレしているだけで、バルブ孔がドロップ部やビードシート部にかかってしまい、エアバルブを正しく装着できないために不具合品となってしまう。
このような不具合品の発生を防ぐために、例えば、図6のように、所定角度で傾斜したテーブルp上にホイールリム2を乗載し、当該ホイールリム2の上側内表面を、ダイスrを備えた金型mに当接することにより、ホイールリム2を所定位置に正確にセットできるようにしたものがある。詳細には、テーブルpは、該テーブルpに乗載したホイールリム2の表側ウエル部17aのバルブ孔穿設部位Xが水平方向に沿うように、該ホイールリム2を所定角度傾けた状態で支持するものである。また、金型mはその斜め上面に、ホイールリム2の表側ウエル部17aから表側ビードシート部18aに至る内表面に倣う形状とした倣い当接面部yが形成されており、該倣い当接面部yに、テーブルpに乗載したホイールリム2の内表面を当接することにより、パンチに対向するダイスr上に当該ホイールリム2のバルブ孔穿設部位Xを位置決めできるようになっている。ここで、金型mの倣い当接面部yには、テーブルpに乗載したホイールリム2の自重が作用することから、該金型mおよびテーブルpによってホイールリム2をしっかりと位置決めすることができ得る。そのため、ホイールリム2が位置ズレし難く、所定のバルブ孔穿設部位Xに正確にバルブ孔を形成することができる。
ところで、バルブ孔を形成するための装置として、例えば特許文献1にかかる装置が提案されている。この装置は、バルブ孔とエアバルブの取付座面とを連続して形成するようにしたものであり、取付座面を形成する環状の座押パンチと、該パンチの内側で進退移動可能に設けられたバルブ孔を形成する孔開パンチとを備え、座押パンチと孔開パンチとの各押圧面を整一とした状態で表側ウエル部の外側面を押圧した後に、孔開パンチを突出移動してバルブ孔を形成するようにしたものである。尚、この装置にあっても、例えば、上記したように傾斜したテーブル上にホイールリムを乗載し、ホイールリムの内表面に倣う形状の倣い当接面部を有する金型により、ホイールリムのバルブ孔穿設部位をダイス上に位置決めすることができるようにした構成が開示されている。
国際公開WO2006/120730号公報
近年、車両は、購買者の好みが多様化していることから、多くの品種が生産されており、それに伴って車両用ホイールの品種も増大している。そして、車両用ホイールは、その品種毎に、曲率や寸法形状などが異なるホイールリムから構成されており、車両用ホイールの種類に応じて多種類のホイールリムが存在する。
上述した従来の、傾斜したテーブルと倣い当接面部を有する金型とによりホイールリムのバルブ孔穿設部位を正確に位置決めするようにした構成にあっては、ホイールリムの曲率や寸法形状に応じた倣い当接面部を有する金型を必要とし、ホイールリムの品種毎に該金型を準備しなければならない。そのため、品種が増えるに従って、該金型の製造費用や購入費用が増えることとなる。そして、今後も、車両用ホイールの品種が増加する傾向にあることから、新たな品種が立ち上がる毎に、新たな金型を要し、その費用が増えることとなる。
また、倣い当接面部を有する金型を用いる場合にあって、生産現場では、ホイールリムの生産品種を変更する毎に、バルブ孔を形成するための装置で、ホイールリムの品種に応じた倣い当接面部を有する金型に取り替える作業をしなければならない。このような取り替え作業は、車両用ホイールを多品種少量生産している現場では、頻繁に行われることから、生産にかかる作業が繁雑化する一因となっていた。
本発明は、上述した問題点を解決できるものであって、品種の異なるホイールリムにバルブ孔を穿設する場合にも、予め規定されたバルブ孔穿設部位にバルブ孔を正確に形成できるようにホイールリムを位置決めすることができる車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置を提案する。
本発明は、ホイールリムの表側ウエル部にエアバルブを装着するバルブ孔を穿設する孔開パンチと、該孔開パンチに対向して設けられた孔開ダイスとを備えた車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置において、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位が水平方向に沿うように、該ホイールリムを支持するリム支持手段を備えると共に、孔開ダイスに対して水平方向に前後移動可能に配設され、前記リム支持手段により支持されたホイールリムの内表面に当接する当接先端部を孔開ダイスの左右両側位置に夫々備えた位置調整体と、該位置調整体を、孔開ダイスに対して前後移動させる調整体移動手段とを具備するダイス加工型を備えてなり、調整体移動手段により所定の前後位置とした位置調整体の当接先端部に、リム支持手段により支持されたホイールリムの内表面を当接することによって、当該ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めするようにしたものであることを特徴とする車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置である。
かかる構成にあっては、調整体移動手段により位置調整体を前後移動して、リム支持手段により支持されたホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めできる所定の前後位置に移動調整することができるようにしたものである。すなわち、曲率や寸法形状の異なるホイールリムにバルブ孔を穿設する場合にあっては、各ホイールリムに応じた所定の前後位置に位置調整体を移動調整することによって、ホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めできる。これにより、ホイールリムには、その表側ウエル部のバルブ孔穿設部位に正確にバルブ孔を形成することができる。このように本発明のバルブ孔加工装置は、多品種のホイールリムを生産する場合にあって、ホイールリムの品種切り換えの際に、ダイス加工型の位置調整体を所定の前後位置に移動する作業を実施することによって、所望のバルブ孔穿設部位にバルブ孔を正確に形成できるものあり、一つのダイス加工型で各ホイールリムのバルブ孔を形成する工程に適宜対応することができる。したがって、本発明のバルブ孔加工装置は、上述した従来構成のように各品種に応じた倣い当接面部を有する金型を用いる必要がないから、この従来構成に比して、ホイールリムの品種切り換えに伴う作業を簡略化でき、その作業時間を短縮できる共に、金型の製造又は購入費用を低減することができる。
また、本発明にあって、位置調整体は、その当接先端部をホイールリムの内表面に当接して位置決めするものであるから、ホイールリムに当接した際に、当接先端部およびホイールリムの両方または一方が変形しないように、ホイールリムと同レベルの剛性を有する材料から構成するものが好適に用い得る。これにより、ホイールリムを一層正確に位置決めすることが可能である。
このような車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置にあって、ダイス加工型が、調整体移動手段により移動する位置調整体の前後移動位置を検出する前後位置検出ゲージを備えている構成が提案される。
かかる構成にあっては、ダイス加工型の位置調整体の前後移動位置を、前後位置検出ゲージにより検出できることから、該前後位置検出ゲージに従って位置調整体を正確かつ安定して移動調整することができる。そして、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上とする位置調整体の所定の前後位置を、前後位置検出ゲージの検出値として明確に把握することができる。そのため、曲率や寸法形状などの異なるホイールリム毎に、前記所定の前後位置を前後位置検出ゲージの示す検出値により夫々設定することによって、位置調整体を該前後位置検出ゲージに従って所定の前後位置に正確に移動調整することができる。したがって、本構成のバルブ孔加工装置によれば、品種の異なるホイールリムにあっても夫々のバルブ孔穿設部位にバルブ孔を精度良くかつ安定して形成することができる。
また、前後位置検出ゲージとしては、位置調整体の移動位置を基準位置からの変位として検出するものが好適に用い得る。そして、前後位置検出ゲージは、位置調整体の移動位置を直接的に検出するように配設しても良いし、他の部材を介して位置調整体を間接的に検出するように配設しても良い。
このような車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置にあって、ダイス加工型は、孔開ダイスが設けられたダイスホルダーを備え、該ダイスホルダーに、位置調整体を孔開ダイスに対して水平方向に前後移動可能に保持する調整体保持部を備えているものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、位置調整体を、孔開ダイスを設けたダイスホルダーの調整体保持部に保持するようにした構成であるため、該調整体保持部によって、位置調整体は孔開ダイスに対して正確かつ安定して水平方向に前後移動することができ得る。したがって、位置調整体を、前後位置検出ゲージに従って所定の前後位置に一層高い精度で移動調整することができ、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に精度良く位置決めするという、本発明の作用効果がさらに向上する。
このような車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置にあって、調整体移動手段が、位置調整体に螺合した、回動操作により該位置調整体を前後方向に移動させるアジャストボルトを配設してなるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、アジャストボルトの回転運動を、位置調整体の前後移動に変換するようにしたものであるから、該アジャストボルトを回動操作することによって、該位置調整体の前後移動を比較的精密に調整することができ、位置調整体を所定の前後位置に高精度で停止することができる。そのため、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を、孔開ダイス上に位置決めする精度が一層向上する。
このような車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置にあって、ダイス加工型の位置調整体の当接先端部が、前方に突出する半球状をなすものである構成が提案される。
位置調整体の当接先端部にあっては、曲率や寸法形状などの異なるホイールリムの内表面に当接する際に、該ホイールリムと当接先端部との当接する部位が夫々に異なる。そのため、本構成のように半球状の当接先端部とすることにより、様々な品種のホイールリムにあっても、それぞれ孔開ダイスの左右両側位置で安定して当接でき、該孔開ダイス上にホイールリムのバルブ孔穿設部位を適正に位置決めする作用に優れる。また、ホイールリムの内周面を、孔開ダイスの左右両側位置に配した各当接先端部に均等に当接し易いことから、左右一方に片当たりすることを防ぎ、バルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に精度良く位置決めするという作用を安定して発揮でき得る。
このような車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置にあって、リム支持手段は、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位が水平方向に沿うように該ホイールリムを所定角度傾けた状態で支持する傾斜支持面部を備えたリム傾斜支持部材により構成されてなるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、リム傾斜支持部材の傾斜支持面部によりホイールリムを支持するだけで、該ホイールリムを、その表側ウエル部のバルブ孔穿設部位が水平方向に沿うように配することができる。そして、傾斜支持面部により支持したホイールリムの内表面を、所定の前後位置とした位置調整体の当接先端部に当接することによって、当該ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を、孔開ダイス上に精度良く位置決めできる。本構成によれば、ホイールリムを、その表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に配するように位置決めする作業を比較的容易かつ安定して実施することができ、上述した本発明の作用効果を適正に発揮することができ得る。ここで、ホイールリムは、傾斜支持面だけで支持されている状態では自重によって該傾斜支持面に沿って降下し易くなっているが、位置調整体の当接先端部に当接することによって自重によって位置決めされて保持される。
尚、リム傾斜支持部材としては、傾斜支持面を平面板状とするテーブル形状のものや、傾斜支持面をレール状としてホイールリムの下面や側面などを支持するもの等を好適に用い得る。また、リム傾斜支持部材は、傾斜支持面の傾斜角を変更可能な構成とすれば、ホイールリムの表側ウエル部の、ホイールリムの軸方向に対する角度が異なるものにあっても、傾斜支持面の傾斜角を適宜調整することにより該表側ウエル部のハブ孔穿設部位を水平方向に沿うようにすることができ得る。
本発明は上述したように、孔開ダイスに対して水平方向に前後移動可能に配設された位置調整体を、調整体移動手段により所定の前後位置とし、当該位置調整体の当接先端部に、リム支持手段によりバルブ孔穿設部位を水平方向に沿うように支持されたホイールリムの内表面を当接することによって、当該ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めするようにしたものである。このバルブ孔加工装置によれば、品種の異なるホイールリムにバルブ孔を形成する場合には、各ホイールリムに応じた所定の前後位置に位置調整体を移動調整することにより、ホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に精度良く位置決めでき、該バルブ孔穿設部位に正確にバルブ孔を形成することができ得る。そのため、多品種のホイールリムを生産する場合にあって、ホイールリムの品種切り換えに伴う作業を簡略化でき、その作業時間を短縮できると共に、上述した従来構成のように各品種に応じた金型を必要としないため、該金型に要する費用を低減することができる。したがって、車両用ホイールの製造に要する時間の短縮化と製造コストの低減を実現し得る。
上記したダイス加工型が、調整体移動手段により移動する位置調整体の前後移動位置を検出する前後位置検出ゲージを備えている構成にあっては、ホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めできる所定の前後位置に、前後位置検出ゲージに従って一層精度良くかつ安定して位置決めすることができる。そして、曲率や寸法形状などの異なるホイールリム毎に、夫々のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めできる所定の前後位置を予め設定しておくことにより、ホイールリムの品種切り換えの際に、前後位置検出ゲージに従って位置調整体を所定の前後位置に正確に移動調整する作業の作業性が向上する。
上記したダイス加工型が、孔開ダイスが設けられたダイスホルダーを備え、該ダイスホルダーに、位置調整体を孔開ダイスに対して水平方向に前後移動可能に保持する調整体保持部を備えている構成にあっては、位置調整体が調整体保持部によって正確かつ安定して前後移動することができるため、前後位置検出ゲージに従って所定の前後位置に一層精度良く移動調整でき、バルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めする精度がさらに向上する。
また、上記した調整体移動手段が、位置調整体に螺合した、回動操作により該位置調整体を前後方向に移動させるアジャストボルトを配設してなる構成にあっては、アジャストボルトの回転運動を位置調整体の前後移動に変換するようにしていることから、該位置調整体を所定の前後位置に一層精密に移動調整できるため、バルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めする精度がさらに向上する。
また、上記したダイス加工型の位置調整体の当接先端部が、前方に突出する半球状をなすものとする構成にあっては、曲率や寸法形状の異なるホイールリムにあっても、半球状の当接先端部と安定して当接できるため、該ホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めする作用に優れる。また、孔開ダイスの左右両側位置の各当接先端部にホイールリムの内表面が均等に当接し易く、ホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に精度良く位置決めするという作用を安定して生じ得る。
また、上記したリム支持手段は、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位が水平方向に沿うように該ホイールリムを所定角度傾けた状態で支持する傾斜支持面部を備えたリム傾斜支持部材により構成されている場合にあっては、リム傾斜支持部材の傾斜支持面部によりホイールリムを支持するだけで、当該ホイールリムのバルブ孔穿設部位を適正に水平方向に沿うようにすることができる。そのため、ホイールリムの内表面を位置調整体の当接先端部に当接して、当該ホイールリムのバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めする作業を行い易く、総じて作業時間を短縮することができ得る。
本発明の実施例を添付図面を用いて詳述する。
図1は、スチール板から成形されたホイールリム2とホイールディスク3とを嵌合してなる、所謂2ピースタイプのスチール製自動車用ホイール1の断面図である。この自動車用ホイール1は、ホイールリム2のドロップ部15の内周面に、ホイールディスク3の外周縁に形成されたディスクフランジ部11を嵌め合わせた後、アーク溶接、スポット溶接、レーザー溶接等の溶接方法によって、該ディスクフランジ部11とドロップ部15とを接合することにより、ホイールリム2とホイールディスク3とを一体化してなるものである。
このような自動車用ホイール1の生産ラインとしては、ホイールリム2とホイールディスク3とをそれぞれ別の成形工程で成形した後に両者を溶接する接合工程を行うようになっている。ホイールディスク3は、略正方形状のスチール製板材を、プレス加工することにより成形される(図示省略)。このプレス加工により、中央にハブ孔12を備えたハブ取付部13が形成され、その外側にディスクフランジ部11が形成される。
一方、ホイールリム2は、略長方形状のスチール製の板材を、その短辺同士を突合せ溶接することにより円筒形状とした後、これを回転しつつ、所定の金型を当該円筒の内外両側から挟圧させるロール加工により成形される(図示省略)。このロール加工により、両側の開口縁にタイヤのビードを側方から支持するリムフランジ部16a,16bを形成すると共に、該リムフランジ部16a,16bと夫々連成したタイヤのビードを着座させるビードシート部18a,18bと、タイヤ装着時にタイヤのビードを落とすためのドロップ部15とを形成する。尚、自動車用ホイール1の意匠面側となる表側ビードシート部18aは、表側ウエル部17aを介してドロップ部15と連成しており、裏側ビードシート部18bは、レッジ部19と裏側ウエル部17bとを介してドロップ部15と連成している。
上記したホイールリム2には、タイヤを装着した場合に、該タイヤ内の空気圧を調整するエアバルブ5が取り付けられる。このエアバルブ5を取り付けるバルブ孔7が、上記したロール加工後に、ホイールリム2の表側ウエル部17aに形成される(図5参照)。エアバルブ5は、バルブ孔7のリム外周側から内周側へ貫いて内周側に突出するようにして、該バルブ孔7に固定されて装着される。尚、このバルブ孔7は、上記した長方形状の板材の短辺同士を溶接した部位から周方向に所定角度離れた部位に形成される。
本実施例にあって、自動車用ホイール1が車両用ホイールであり、ホイールリム2が、所謂車両用ホイールリムである。
次に本発明の要部にかかる、上記したバルブ孔7を形成するためのバルブ孔加工装置20について説明する。尚、このバルブ孔加工装置20が、本発明にかかる車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置である。
バルブ孔加工装置20は、上述したロール加工を実施した後のホイールリム2に、バルブ孔7を形成するためのものである。このバルブ孔加工装置20は、図2のように、ホイールリム2を乗載するリム傾斜支持テーブル21と、鉛直方向に作動してバルブ孔7を穿設する孔開パンチ25と、該孔開パンチ25に対向する孔開ダイス31を設けたダイス加工型30とを備えている。尚、本実施例にあっては、ダイス加工型30の斜め下方にリム傾斜支持テーブル21が配設されており、該リム傾斜支持テーブル21の上端がダイス加工型30に近接するように設けられている。
ここで、リム傾斜支持テーブル21は、その上面にホイールリム2を乗載する傾斜支持面部22を備えており、該傾斜支持面部22の傾斜角を変更可能とすると共に、傾斜支持面部22の上下方向高さ位置を変更可能としている。そして、傾斜支持面部22を所定の傾斜角と高さ位置とに固定して保持する固定手段(図示省略)を備えている。このリム傾斜支持テーブル21は、その傾斜支持面部22の傾斜角と高さ位置とを適宜調整することにより、ホイールリム2をその表側リムフランジ部16aを下にして乗載した際に、当該ホイールリム2の表側ウエル部17aの、ダイス加工型30の孔開ダイス31上に位置する部位(バルブ孔7を穿設するバルブ孔穿設部位X)が、水平方向に沿うようにする。
尚、本実施例にあっては、リム傾斜支持テーブル21に、その傾斜支持面部22の傾斜角と高さ位置とを定量的に把握することができるように、該傾斜角を検出するゲージ(図示省略)と高さ位置を検出するゲージ(図示省略)とを配設している。これにより、リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22の傾斜角と高さ位置とを、各ゲージにより数値管理できるようにしている。
このリム傾斜支持テーブル21が、本発明にかかるリム傾斜支持部材であり、傾斜支持面部22を備えたリム傾斜支持テーブル21により、リム支持手段が構成されている。
一方、上記したダイス加工型30は、図3,4のように、孔開ダイス31がダイスホルダー32に設けられており、該孔開ダイス31を上記した孔開パンチ25に対向するように配設している。このダイスホルダー32には、孔開ダイス31の後側に位置し、後方へ開口する調整体保持部33が形成されている。この調整体保持部33は、孔開ダイス31の左右両側で前方に開口しており、その開口形状を円形状としている。さらに、調整体保持部33は、その底面を水平方向に沿った水平面としている。
このようなダイスホルダー32の調整体保持部33には、コ字状の位置調整体40が前後方向へ移動可能とするように保持されている。ここで、コ字状の位置調整体40は、調整体保持部33の水平面上を摺動する基体部41と、該基体部41の左右両端から前方へ突出する円柱状の突出側片42,42とから構成されている。そして、左右両側の突出側片42,42が、調整体保持部33の各前方開口から夫々突出して、孔開ダイス31の左右両側位置に配されている。これにより、突出側片42,42の移動方向が調整体保持部33の前方開口により制限されることから、位置調整体40は、孔開ダイス31に対して水平方向に沿った前後方向に移動するように、調整体保持部33によって保持されている。
尚、位置調整体40は、その突出側片42,42の高さ位置が、孔開ダイス31の上方開口部より低位置となるように設けられている(図4参照)。また、突出側片42,42の先端形状を、前方へ突出する半球状としており、本発明にかかる当接先端部43,43を構成している。
また、ダイスホルダー32の後端には、図3,4のように、プレート基体35が固結されており、該プレート基体35にアジャストボルト45が回転可能で且つ前後方向に移動不能に設けられている。詳細には、プレート基体35を水平方向に沿って前後に貫通する貫通孔36に、アジャストボルト45が回転可能で且つ前後方向に移動不能に支持され、該アジャストボルト45のネジ部46がプレート基体35の前方に突出し、上記した位置調整体40の基体部41に螺合されている。そして、アジャストボルト45の操作部47が、プレート基体35の後方に突出するように配されている。このアジャストボルト45は、その操作部47を回動操作することによって、ダイスホルダー32に支持されている位置調整体40を水平方向に沿って前後方向に移動させることができる。ここで、位置調整体40の前後移動は、プレート基体35が固結されたダイスホルダー32の孔開ダイス31に対して移動するようになっている。
ここで、位置調整体40の前後移動は、アジャストボルト45の回転運動を直線運動に変換して実施している。そのため、位置調整体40の変位を比較的精密に調整することができ、該位置調整体40を所定の前後位置に精度良く停止保持することができる。
また、上記したダイス加工型30には、位置調整体40の前後移動位置を検出するための前後位置検出ゲージ50が、プレート基体35に着脱可能とするように設けられている。ここで、本実施例に用いた前後位置検出ゲージ50としては、長手方向に進退可動する進退部51を有し、該進退部51の先端を接点52としており、この進退部51が可動することによってその接点52の変位を検出してデジタル出力するものである。すなわち、所謂ダイヤルゲージと同じ機能を有している。そして、この前後位置検出ゲージ50は、進退部51の接点52の変位をデジタル出力する本体53と、該本体53に固定されて進退部51が進退可動に伴って入出する筒部54とを備えてなる。
前後位置検出ゲージ50は、その筒部54が着脱体55に固定され、進退部51が該着脱体55の前方で進退可動できるようにしている。この着脱体55の前端部には、該着脱体55をプレート基体35に着脱可能とするための磁石56が固着されている。そして、プレート基体35には、水平方向に沿って前後に貫通した挿通孔37が形成されており、該挿通孔37に前後位置検出ゲージ50の進退部51を挿通するようにして、着脱体55がその磁石56の磁力によってプレート基体35に装着される。尚、本実施例にあって、プレート基体35は磁石56と磁着する鉄製としている。
このように前後位置検出ゲージ50が着脱体55と共にプレート基体35に装着された状態で、前後位置検出ゲージ50の進退部51は、その接点52が位置調整体40の基体部41の後面部に当接する。ここで、進退部51は、進出方向(伸びる方向)に付勢されており、位置調整体40が前方へ移動しても該進退部51が追従して可動するようにしている。そして、前後位置検出ゲージ50をプレート基体35に装着した状態で、位置調整体40を移動すると、該位置調整体40に追従して進退部51が進退可動するため、前後位置検出ゲージ50により、位置調整体40の前後移動による変位を検出することができる。そして、位置調整体40の前後移動による変位をデジタル出力することによって、位置調整体40の前後移動した位置を定量的に把握することができ得る。
このようなダイス加工型30は、位置調整体40の当接先端部43に、上記したリム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22に乗載したホイールリム2の表側ビードシート部18aの上側内表面を当接することによって、当該ホイールリム2を位置決めするものである(図2参照)。ここで、位置調整体40の前後移動位置を変えることによって、該位置調整体40の当接先端部43に当接して位置決めされるホイールリム2の前後方向位置を変えることができる。
そして、ダイス加工型30と上記したリム傾斜支持テーブル21とによって位置決めされたホイールリム2は、その表側ウエル部17aに規定されたバルブ孔穿設部位Xがダイス加工型30の孔開ダイス31上に精度良く配されることとなる。すなわち、リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22をその傾斜角や高さ位置を調整して、該傾斜支持面部22に乗載したホイールリム2を、その表側ウエル部17aのバルブ孔穿設部位Xが水平方向に沿うようにする。そして、ダイス加工型30の位置調整体40を、その前後位置を調整して、傾斜支持面部22に乗載したホイールリム2の表側ビードシート部18aの上側内表面を、位置調整体40の当接先端部43,43に当接することにより、当該表側ビードシート部18aに規定したバルブ孔穿設部位Xを、孔開ダイス31上に正確に位置決めすることができる。
ここで、位置調整体40の所定の前後位置は、該位置調整体40の当接先端部43,43に、傾斜支持面部22に乗載したホイールリム2の内表面に当接した際に、該ホイールリム2のバルブ孔穿設部位Xが孔開ダイス31上に正確に位置決めされるように、ホイールリム2の曲率や寸法形状に応じて設定している。そして、各ホイールリム2を夫々位置決めする位置調整体40の各前後位置は、上記した前後位置検出ゲージ50で表示される数値によって定量的に管理できる。このように位置調整体40の所定の前後位置を、曲率や寸法形状などの異なるホイールリム2に応じて予め測定して、定量値として定めておくことにより、様々な品種のホイールリム2にバルブ孔7を穿設する場合に、位置調整体40を所定の前後位置に移動するだけで、ホイールリム2に規定されたバルブ孔穿設部位Xに精度良くバルブ孔7を形成することができる。
尚、上記のようにホイールリム2をリム傾斜支持テーブル21とダイス加工型30とによって位置決めした状態にあっては、当該ホイールリム2の自重がリム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22に沿って下方へかかるため、該ホイールリム2が、該自重によって位置調整体40の当接先端部43,43に当接した状態で保持されることとなる。そして、ホイールリム2の自重が作用することによって、該ホイールリム2の表側ビードシート部の内表面が、左右両方の当接先端部43に均等に当接し易い。そのため、ホイールリム2が位置ズレした状態でセットされ難く、該ホイールリム2のバルブ孔穿設部位Xを孔開ダイス31上に精度良く位置決めする作業を行い易い。
また、上述したように位置調整体40の当接先端部43は、前方に突出する半球状の先端形状に形成されている。そのため、当接先端部43にあって、曲率や寸法形状などの異なるホイールリム2毎に、その表側ビードシート部18aの内表面に当接する部位が夫々に異なっても、該ホイールリム2を安定して支持することができる。そして、孔開ダイス31の左右両側位置で各当接先端部43,43が、ホイールリム2に均等に当接し易くなるため、該ホイールリム2が左右一方に片当たりすることを防ぎ得る。このように、異なる品種のホイールリム2を、そのバルブ孔穿設部位Xを孔開ダイス31上に精度良くかつ安定して配するように位置決めできるという作用に優れている。
さらにまた、本実施例にあっては、位置調整体40を、ホイールリム2のスチール材料と同類のスチール材料によって成形したものを用いている。これにより、ホイールリム2が位置調整体40の当接先端部43に当接した際に、両者又は一方が弾性変形してしまうことがなく、ホイールリム2の位置決め精度を高レベルで維持することができる。
一方、上記した孔開パンチ25は、所定の駆動装置(図示省略)により鉛直方向に上下駆動するように設けられている(図5参照)。そして、孔開パンチ25の左右両側には、鉛直方向に上下動し、ホイールリム2の表側ウエル部17aを上方から押さえる押付け部材26が夫々配設されている。この押付け部材26は、孔開パンチ25による孔開け加工の直前に、ホイールリム2の表側ウエル部17aを押さえ付け、該孔開パンチ25の孔開け加工によって、ホイールリム2が位置ズレすることを防ぎ、バルブ孔7の周縁部にバリ等の発生を抑制している。この押付け部材26は、樹脂製等のように、ホイールリム2に比して柔らかい材料から形成されており、押さえ付けた状態でホイールリム2が変形してしまうことがないようにしている。尚、この押付け部材26を上下動するための構成は、従来から用いられている構成を適用できるため、その詳細については省略する。
次に、本実施例のバルブ孔加工装置20によって、ホイールリム2の表側リムフランジ部16aにバルブ孔7を形成する過程について説明する。
バルブ孔加工装置20にあっては、事前に、上記したリム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22の傾斜角と高さ位置、およびダイス加工型30の位置調整体40の前後位置を、該ホイールリム2のバルブ孔穿設部位Xを孔開ダイス31上に配することができるように、曲率や寸法形状の異なるホイールリム2毎に測定して夫々に設定しておく。ここで、ダイス加工型30の位置調整体40の前後位置は、前後位置検出ゲージ50により検出される数値で設定され、定量的に管理される。リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22の傾斜角と高さ位置にあっても、それぞれのゲージ(図示省略)により定量的に管理される。
バルブ孔加工装置20によりバルブ孔7を穿設する際には、ダイス加工型30の位置調整体40を、前後位置検出ゲージ50の示す検出値がホイールリム2の品種に応じて設定した所定設定値となるように、アジャストボルト45を回動操作して前後移動し、所定の前後位置に位置決めする。尚、前後位置検出ゲージ50は、位置調整体40を所定の前後位置に位置決めした後に着脱体55と共に、プレート基体35から取り外すようにしている。すなわち、本実施例にあっては、前後位置検出ゲージ50を、位置調整体40の所定の前後位置を測定する場合、ホイールリム2の生産品種を変更する際に位置調整体40を移動する場合、所定の前後位置を確認する等のメンテナンスを実施する場合等で、プレート基体35に装着され、バルブ孔7を形成する生産時にはプレート35から取り外しておくようにしている。これにより、ホイールリム2をリム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22に乗載する際や該傾斜支持面部22から取り出す際に、誤ってホイールリム2を前後位置検出ゲージ50に接触してしまうことを防止できる。
同様に、リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22も、夫々のゲージに従って所定の傾斜角と高さ位置とに位置決めする。
そして、ホイールリム2を、その内側にダイス加工型30を入れるようにしてリム傾斜支持テーブル21に乗載し、当該ホイールリム2の表側ビードシート部18aで上側となる内表面を、ダイス加工型30の位置調整体40の左右の当接先端部43,43に当接する。この際に、ホイールリム2の周方向位置を、該ホイールリム2の溶接部位から所定角度離れた位置がダイス加工型30の孔開ダイス31上に配されるように調整する。これにより、リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22とダイス加工型30の位置調整体40とにより支持されたホイールリム2は、その表側ウエル部17aに規定されたバルブ孔穿設部位Xが該ダイス加工型30の孔開ダイス31上に精度良く配されて位置決めされる。このようにして位置決めされたホイールリム2は、その自重によって位置調整体40の左右の当接先端部43に均等に当接して支えられている。そのため、バルブ孔穿設部位Xを孔開ダイス31上に安定して保持し得る。
図5(A)のようにホイールリム2をリム傾斜支持テーブル21とダイス加工型30とによって支持した後に、図5(B)のように、孔開パンチ25を駆動して、当該ホイールリム2の表側ウエル部17aにバルブ孔7を穿設する。孔開パンチ25による加工直前に、ホイールリム2の表側ウエル部17aのバルブ孔穿設部位Xの左右両側を、押付け部材26により押さえ、当該ホイールリム2を固持する。この際に、ホイールリム2は、上述したように、その自重によってダイス加工型30の位置調整体40に支えられていることから、位置ズレすることなく、正しい位置で押付け部材により固持される。そして、孔開パンチ25を降動して、表側ウエル部17aにバルブ孔7を穿設する。尚、この孔開パンチ25による加工時に、ホイールリム2は押付け部材26により押えられていることから、バルブ孔7の周縁部にバリ等が発生することを抑制でき得る。このようにして、ホイールリム2の表側ウエル部17aに規定したバルブ孔穿設部位Xに、バルブ孔7が正確に形成される。
本実施例のバルブ孔加工装置20によれば、ホイールリム2の表側ウエル部17aに規定されたバルブ孔穿設部位Xに精度良くバルブ孔7を形成することができる。そして、品種の異なるホイールリム2にバルブ孔7を形成する場合には、リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22を、当該品種に応じて予め設定した傾斜角と高さ位置とすると共に、同様に、前後位置検出ゲージ50をプレート基体35に装着し、前後位置検出ゲージ50に従って位置調整体40を当該品種に応じて予め設定した前後位置とする。そして、ホイールリム2を、上述したようにリム傾斜支持テーブル21とダイス加工型30とによって支持することにより、該ホイールリム2の表側ウエル部17aのバルブ孔穿設部位Xを孔開ダイス31上に配するように位置決めすることができる。これにより、当該バブル孔穿設部位にバルブ孔7を精度良く穿設することができ得る。すなわち、バルブ孔加工装置20は、曲率や寸法形状などの異なる様々な品種のホイールリム2にあっても、リム傾斜支持テーブル21の傾斜支持面部22とダイス加工型30の位置調整体40とを調整することによって、所望のバルブ孔穿設部位Xに精度良くバルブ孔7を形成することができる。したがって、上述した従来のように、ホイールリム2の品種毎に、該ホイールリム2の内表面に倣った形状の倣い当接面部を有する金型を準備する必要がないため、該金型の製造や購入にかかる費用を低減できると共に、該金型をホイールリム2の品種切り換えに応じて交換する作業を省くことができ、総じて自動車用ホイールの製造費用を低減することができ得る。
本実施例にあっては、ダイス加工型30の前後位置検出ゲージ50を、位置調整体40の前後移動による変位を検出してデジタル表示するものとした構成であるが、その他に、一般的なダイヤルゲージを用いることも可能である。また、本実施例にあっては、位置調整体40の当接先端部43を半球状の先端形状とするものとした構成であるが、その他の構成として、例えば、当接先端部を、球状の接触子を取り付けた形状とすることもできる。又は、当接先端部を、最も曲率の大きい(リム径の小さい)ホイールリム2の内表面に面接触する形状とすることも可能である。いずれの構成にあっても、異なる品種のホイールリム2の内表面に適正に当接することができ、当該ホイールリム2のバルブ孔穿設部位Xを孔開ダイス上に正確に位置決めすることができ得る。
また、本実施例にあっては、ホイールリム2を、その表側ウエル部17aのバルブ孔穿設部位Xを水平方向に保つように支持する傾斜支持面部22を有するリム傾斜支持テーブル21を備えた構成であるが、その他の構成として、例えば、ホイールリム2の表側リムフランジ部16aの下端を左右両側で夫々に支持する二本のレールを備えた構成などを適用できる。いかなる構成にあっても、ホイールリムの品種に応じて、その傾斜角や高さ位置を変更可能とし、バルブ孔穿設部位Xを水平方向に保つことができるものが好適である。
また、本実施例にあっては、前後位置検出ゲージ50を、ダイスホルダー32に固結したプレート基体35に着脱可能とするようにした構成であるが、その他の構成として、前後位置検出ゲージ50をプレート基体35に固定するようにした構成とすることもでき得る。このように前後位置検出ゲージ50をプレート基体35(ダイスホルダー32)に常時固定しておくことによって、前後位置検出ゲージ50による位置調整体40の移動変位検出に誤差が生じにくくできる。
また、本実施例にあっては、孔開ダイス31を設けたダイスホルダー32に、位置調整体40を移動可能に保持し、該ダイスホルダー32に固定したプレート基体35にアジャストボルト45を設け、前後位置検出ゲージ50を着脱可能とした構成であり、ダイス加工型30を一体的な構造体としたものである。このダイス加工型の構成としては、その他に、位置調整体、アジャストボルト、前後位置検出ゲージ50を、ダイスホルダーと別体として配設した所定部材に夫々に設ける構成とすることもできる。例えば、位置調整体を前後移動可能に支持する案内部材を配設し、該案内部材にアジャストボルトや前後位置検出ゲージを設ける構成としても良い。
また、本実施例にあっては、アジャストボルト45を手動により回動操作する構成としているが、その他の構成として、例えば、アジャストボルトにサーボモータの回転軸やステッピングモータの回転軸を連結し、該アジャストボルトを自動で回動する構成とすることもできる。このようにサーボモータやステッピングモータを連結した構成では、該サーボモータやステッピングモータの回転軸の回転角度や回転方向を正確に制御し且つ常時把握することができるため、前後位置検出ゲージ50を配設しなくとも、該回転軸の回転角度や回転方向に基づいて位置調整体40の前後移動による変位を検出することができ得る。
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、本発明の範囲内で適宜変更することは勿論可能である。
スチール製自動車用ホイール1の縦断面図である。 バルブ孔加工装置20の側面図である。 バルブ孔加工装置20のダイス加工型30の平面図である。 バルブ孔加工装置20のダイス加工型30の、図3に示すL−L断面図である。 (A)ホイールリム2をバルブ孔加工装置20に位置決めした状態と、(B)当該ホイールリム2のバルブ孔穿設部位Xにバルブ孔7を穿設する加工状態とを示す説明図である。 従来の、ホイールリム2の内表面に倣う倣い当接面部yを有する金型mを用いて、ホイールリム2を位置決めした状態を示す説明図である。
符号の説明
1 自動車用ホイール(車両用ホイール)
2 ホイールリム(車両用ホイールリム)
5 エアバルブ
7 バルブ孔
17a 表側ウエル部
20 バルブ孔加工装置(車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置)
21 リム支持傾斜テーブル(リム支持手段、リム傾斜支持部材)
22 傾斜支持面部
25 孔開パンチ
30 ダイス加工型
31 孔開ダイス
32 ダイスホルダー
33 調整体保持部
40 位置調整体
43 当接先端部
45 アジャストボルト(調整体移動手段)
50 前後位置検出ゲージ
X バルブ孔穿設部位

Claims (6)

  1. ホイールリムの表側ウエル部にエアバルブを装着するバルブ孔を穿設する孔開パンチと、該孔開パンチに対向して設けられた孔開ダイスとを備えた車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置において、
    ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位が水平方向に沿うように、該ホイールリムを支持するリム支持手段を備えると共に、
    孔開ダイスに対して水平方向に前後移動可能に配設され、前記リム支持手段により支持されたホイールリムの内表面に当接する当接先端部を孔開ダイスの左右両側位置に夫々備えた位置調整体と、
    該位置調整体を、孔開ダイスに対して前後移動させる調整体移動手段とを具備するダイス加工型を備えてなり、
    調整体移動手段により所定の前後位置とした位置調整体の当接先端部に、リム支持手段により支持されたホイールリムの内表面を当接することによって、当該ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位を孔開ダイス上に位置決めするようにしたものであることを特徴とする車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置。
  2. ダイス加工型が、調整体移動手段により移動する位置調整体の前後移動位置を検出する前後位置検出ゲージを備えているものである請求項1に記載の車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置。
  3. ダイス加工型は、孔開ダイスが設けられたダイスホルダーを備え、該ダイスホルダーに、位置調整体を孔開ダイスに対して水平方向に前後移動可能に保持する調整体保持部を備えているものである請求項1又は請求項2に記載の車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置。
  4. 調整体移動手段が、位置調整体に螺合した、回動操作により該位置調整体を前後方向に移動させるアジャストボルトを配設してなるものである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置。
  5. ダイス加工型の位置調整体の当接先端部が、前方に突出する半球状をなすものである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置。
  6. リム支持手段は、ホイールリムの表側ウエル部のバルブ孔穿設部位が水平方向に沿うように該ホイールリムを所定角度傾けた状態で支持する傾斜支持面部を備えたリム傾斜支持部材により構成されてなるものである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用ホイールリムのバルブ孔加工装置。
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