JP4932074B2 - 分散液組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散液組成物及びその製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、有機溶剤に不溶な粒状物質を分散して利用する技術分野、例えば、粒状物質としての顔料や染料を分散して利用する塗料、印刷インキ、液体現像剤(湿式トナー)やインクジェットインキ分野、粒状物質として医薬品を分散して利用する分野、粒状物質として触媒や重合開始剤等を分散して利用する分野等に利用できる分散液組成物とその製造方法に関するものである。また、本発明は、乾燥することにより粒状物質を高分子化合物に包含した色材、例えば乾式トナーや粉体塗料、プラスチック等の分野にも利用できる分散液組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機溶剤に不溶な粒状物質である顔料や染料を分散して利用する分野では、それらの分散粒径を微細にし、かつ、保存安定性の改良が種々なされてきている。例えば、英国特許第2001083号公報には、特定のポリエステルアミンを塗料やインキ中の顔料分散剤として使用することが記載されている。
【0003】
更に、特開平8−30040号公報には、顔料や染料を内包したウレタン系のマイクロカプセル化した着色樹脂粒子を非水系溶媒中に分散した液体現像剤が記載されている。
【0004】
また、特開平3−160464号公報には、高絶縁性担体液中で自己分散して粒子を形成する自己分散型のグラフト共重合体と顔料染料の混合物からなる固体状自己分散型着色体が記載され、シリコーン系グラフトポリマーの使用が記載されている。
【0005】
しかし、一般的な分散安定剤や上記英国特許第2001083号公報に示される顔料分散剤を用いた分散液組成物では、有機溶剤や顔料の種類が限定される。また樹脂の立体反発により顔料の分散安定化が図られてはいるが、顔料表面の電荷発生量が少ないため希薄な顔料分散液では長期に保存しておくと沈降を起こし、分散安定性に欠けていた。
【0006】
さらに、ウレタン系のマイクロカプセル化した着色樹脂粒子あるいは自己分散型のグラフト共重合体を用いた固体状自己分散型着色体は液体現像剤やインクジェットインクに用いた場合、分散粒径が大きく長期の保存において沈降の問題を有している。
【0007】
また、重合トナーは反応性シリコーンモノマー、イソシアネート及び着色剤を分散した後、重合させたものから得られるため粒径が大きく、分散性向上の目的で使用しているシリコーン含有重合体はインク中の有機溶媒に溶解し、インク中のトナー粒子の沈降が見られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、粒状物質の分散安定性を高め、沈降の問題を解決し、有機溶剤や不溶性の粒状物質の種類を広げ、利用範囲の広いとりわけ静電気力を利用した液体現像剤やジェットインクに有用な分散液組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、有機溶媒に粒状物質を分散してなる分散液組成物において、前記粒状物質の外表面の少なくとも一部分に、グラフト鎖がポリシロキサンとアルキレン基とからなるグラフト共重合体(以下、「グラフト共重合体A」という)を吸着させることにより解決される。
【0010】
本発明者らの研究によれば、粒状物質の外表面の少なくとも一部分に、グラフト共重合体Aを吸着させることにより、粒状物質の微粒子化と、さらに粒状物質表面への電荷の発生を行うことができ、粒状物質同士の立体反発力を高め、粒状物質の沈降を防止し分散安定性を高められることが発見された。
【0011】
本発明におけるグラフト共重合体Aは、或るホモポリマーの幹(主鎖)に他のホモポリマーの枝(グラフト鎖)が生えたような形式の共重合体である。このグラフト鎖がポリシロキサンとアルキレン基とから構成されている。ポリシロキサンとは、シロキサン結合(−Si−O−)の連鎖のことである。アルキレン基を介してポリシロキサンを結合させることにより、ポリシロキサンの部分が有機溶媒、とりわけ電気抵抗率が10Ω・cm以上の有機溶媒(例えば脂肪族炭化水素やシリコーン溶媒)に対して十分に広がり、粒状物質を微細に、かつ安定的に保つことができる。また、顔料表面にグラフト共重合体Aが粒状物質を覆うように吸着するため、電荷の発生を行うことができる。
【0012】
更に、本発明の分散液組成物は、0.01〜1μmの範囲内の平均粒径を有するグラフト共重合体を用いて、粒状物質を該グラフト共重合体が溶解する有機溶媒中に分散した分散液と、該グラフト共重合体が溶解しない有機溶媒とを混合することにより、該グラフト共重合体を析出させて、前記粒状物質の外表面の少なくとも一部分に吸着させることにより製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の分散液組成物において、粒状物質に吸着しているグラフト共重合体Aは、グラフト幹(主鎖)に結合するグラフト鎖がポリシロキサンとアルキレン基からなることが必須要件となる。また、ポリシロキサンがアルキレン基を介して主鎖に結合している構造がさらに好ましい。ポリシロキサンとアルキレン基からなるグラフト鎖の構造は下記の一般式で示される。
Figure 0004932074
(式中、Xはウレタン基、アミド基及びエステル基からなる群から選択される一つ以上を含んだ結合基であり、RはC1〜C18のアルキレン基であり、RはC1〜C4のアルキル基であり、RはH又はCHであり、nは5〜200の整数である。)前記アルキレン基はC1以上であれば特に限定されないが、一般的に、C1〜C18のアルキレン基が好ましい。C18超のアルキレン基はグラフト共重合体の有機溶媒への溶解度が高くなり、自己分散化しにくくなるため好ましくない。更に、C1〜C12のアルキレン基が好ましい。
また、ポリシロキサンとしては公知一般的なポリジメチルシロキサンが好ましく、分子量としては、粒状物質へのグラフト共重合体の吸着を考慮すると300〜15000の範囲が好ましい。
また、特開平6−160464号公報に示されている一般的なポリシロキサンだけからなるグラフト鎖のグラフト共重合体の場合、有機溶媒へのグラフト部の広がりに欠け、粒状物質の分散粒径が大きくなり、ジェットインク等に調整した場合沈降してしまう。
【0014】
本発明の分散液組成物において、グラフト共重合体Aは、0.01μm〜1μmの範囲内の粒径を有する。粒径が1μmより大きいと粒状物資の分散安定性を改善することが困難となり、0.01μmより小さいと粒状物資を覆うことができなくなる。粒径のより好ましい範囲は、0.015μm〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.015μm〜0.25μmである。更に微細で非常に安定な分散液組成物を得るために、粒径は0.015〜0.09μmの範囲内にあることが好ましい。
【0015】
この明細書で使用されている“自己分散化”という用語は、有機溶媒に溶解せずグラフト共重合体Aのみで分散していることを意味する。例えば、グラフト共重合体Aを溶解する有機溶媒に溶解させた後、この溶液と該グラフト共重合体Aを溶解しない有機溶媒とを混合した時に大きな塊とならず粒状に分散する現象である。特開平3−160464号公報に挙げられている自己分散は、固体状のグラフト共重合体を、担体液に加えるだけで起こるものを示しており、本発明の自己分散とは異なった現象である。また、本発明のグラフト重合体は、固体状にした場合、担体液に加えるだけでは自己分散しなかった。グラフト共重合体Aの平均粒径は、一般的な公知の粒度分布測定装置、例えば、レーザー方式の粒度分布計や遠心沈降式粒度分布計等で測定できる。
【0016】
さらに、グラフト共重合体Aは、粒状物質を微細に分散する上で、また粒状物質に電荷を付与し分散安定性を向上させる上で、極性基を有していることが好ましい。このような目的に適する極性基としては、特に限定されないが、塩基性基や酸性基、水酸基等が挙げられるが、特に粒状物質を微細に分散する上で、また、架橋反応させる上で酸性基と水酸基が好ましい。塩基性基としては、特に限定されないが、1級、2級、3級、4級アミノ基等が挙げられる。酸性基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等が挙げられるが、分散液組成物の凝集を起こしにくいことや、架橋反応の反応速度等から酸強度が弱いカルボキシル基が特に好ましい。
【0017】
グラフト共重合体Aの酸価としては、5〜200KOHmg/gの範囲が好ましい。酸価が5KOHmg/g未満では、粒状物質との親和性が弱く微細な分散液組成物を得ることができなかったり、粒状物質の電荷が小さくなる。また、200KOHmg/gを超えるとグラフト共重合体Aの酸強度が強くなり、グラフト共重合体Aの有機溶媒への広がりが小さくなり粒状物質への吸着が起こりにくくなる。
【0018】
グラフト共重合体Aの水酸基価としては、5〜200KOHmg/gの範囲が好ましい。水酸基価が5KOHmg/g未満では、粒状物質との親和性が弱く微細な分散液組成物を得ることができなかったり、粒状物質の電荷が小さくなる。また、200KOHmg/gを超えるとグラフト共重合体Aの極性が高くなり、グラフト共重合体Aの有機溶媒への広がりが小さくなり粒状物質への吸着が起こりにくくなる。
【0019】
グラフト共重合体Aのアミン価としては、5〜200KOHmg/gの範囲が好ましい。アミン価が5KOHmg/g未満では、粒状物質との親和性が弱く微細な分散液組成物を得ることができなかったり、粒状物質の電荷が小さくなる。また、200KOHmg/gを超えるとグラフト共重合体Aの極性が高くなり、グラフト共重合体Aの有機溶媒への広がりが小さくなり粒状物質への吸着が起こりにくくなる。
【0020】
また、グラフト共重合体Aの数平均分子量は1000〜50000の範囲が好ましい。数平均分子量1000未満では、粒状物質を微細に分散することが困難となり、粒状物質の沈降を引き起こす。また、50000を超えると溶媒に溶解しにくくなり分散液組成物の粘度が著しく高くなる。より好ましい範囲は3000〜30000である。
【0021】
本発明の分散液組成物中の粒状物質の粒度分布は、0.01μm〜1.0μmの範囲が好ましく、粒状物資の沈降の点から0.01μm〜0.5μmより好ましく、さらに好ましくは0.01μm〜0.25μmの範囲である。粒状物質の粒度分布は、例えば、粒状物質をボール等の粉砕媒体と共にボールミルなどで乾式粉砕する方法、粒状物質を溶媒中でボールなどの粉砕媒体と共に湿式粉砕する方法や、粒状物質を特定の溶媒に溶解後析出する方法(例えば、硫酸に溶解後、水を加えるか、水中に加えるかして析出させる方法)等により、0.01μm〜1.0μmの範囲内に制御することができる。
【0022】
本発明の分散液組成物中のグラフト共重合体Aが吸着した粒状物質は、特に限定はされないが、分散安定性の観点から電荷を有していることが好ましい。例えば、粒状物質の電荷として、ζ電位の絶対値が、10mV以上が好ましく、15mV以上がより好ましい。
【0023】
グラフト共重合体Aは、粒状物質に吸着する主骨格と有機溶媒に親和する部分が主骨格とアルキル基を介してポリシロキサンに結合している構造を有することにより粒状物質への吸着力と有機溶媒中への樹脂の広がりを保っている。さらに、酸性基と塩基性基をともに有する両性の高分子化合物でも問題はない。
【0024】
グラフト共重合体Aの製造方法は特に限定されない。例えば、グラフト鎖用の、ポリシロキサンとアルキレン基からなるシリコーン系マクロモノマーを必須成分とし、他の重合しうる主鎖用モノマーとを、非反応性溶媒中、触媒の存在下又は不存在下で反応させことにより本発明のグラフト共重合体Aを得ることができる。特に、シリコーン系マクロモノマーと、極性基を有する主鎖用モノマーとを共重合させたものが好ましい。また、反応性基を有するアクリル系高分子を合成後、反応性シリコーンと反応させグラフト化させる方法も好ましい。本発明のグラフト共重合体Aの製造において、主鎖用モノマーは1種類でもよく、又は2種類以上併用することもできる。
【0025】
本発明において、ポリシロキサンとアルキレン基からなるグラフト鎖用のシリコーン系マクロモノマーとしては、下記一般式が挙げられる。
R”−(Si(CHO)−Si(CH−R−X−CR’=CH(式中、RはC1〜C18アルキレン基であり、R’はH又はCHであり、R”はC1〜C4のアルキル基であり、nは5〜200の整数であり、Xはウレタン基、アミド基及びエステル基からなる群から選択される一つ以上の結合基である。)
具体的には、信越化学社製のX−22−174DX、
CH(CH−(Si(CHO)61−Si(CH−C−OCO−CCH=CH
X−24−8201、
CH(CH−(Si(CHO)151−Si(CH−C−OCO−CCH=CH;又は
X−22−2426、
CH−(Si(CHO)26−Si(CH−C−OCO−CCH=CH
などの市販の既製品を使用する他、
CH−(Si(CHO)−Si(CH−C−CHOH−CHOCO−CCH=CH
CH−(Si(CHO)−Si(CH−C−NHCO−CCH=CH;又は
CH−(Si(CHO)−Si(CH−C−OCOCONH(CHNHCOOCO−CCH=CH
などを当業者に公知の方法により合成したものを使用することもできる。
【0026】
本発明のグラフト共重合体Aのグラフト幹(主鎖)部分を形成するために使用される極性基含有アクリルモノマーの中で、酸性基を極性基として有するモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸、アクロイルオキシエチルフタレート、アクロイルオキシサクシネート等の如きカルボキシル基を有するモノマー、アクリル酸2−スルホン酸エチル、メタクリル酸2−スルホン酸エチル、ブチルアクリルアミドスルホン酸等の如きスルホン酸基を有するモノマー、メタクリル酸2−ホスホン酸エチル、アクリル酸2−ホスホン酸エチル等の如きホスホン酸基を有するモノマーが挙げられ、水酸基としてはアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられ、なかでもカルボキシル基や水酸基を有するモノマーが好ましい。
【0027】
また、塩基性基を有するモノマーとしては、アクリル酸アミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピルの如き第1級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチルアミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル等の如き第2級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノプロピル、等の如き第3級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩等の如き第4級アミノ基を有するモノマー等が挙げられる。
【0028】
他の重合しうるモノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、ステアリルメタクリレート、アクリル酸ベヘニル、ベヘニルメタクリレート等の如き(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の如きスチレン系モノマー;イタコン酸ベンジル等の如きイタコン酸エステル;マレイン酸ジメチル等の如きマレイン酸エステル;フマール酸ジメチル等の如きフマール酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルの如き水酸基含有モノマー;エチルアクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の如きアミノ基含有モノマー;エチレンの如きαオレフィン等が挙げられる。
【0029】
触媒としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の如き過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等の如きアゾ化合物などの公知の重合開始剤が挙げられる。
【0030】
非反応性溶媒としては、例えばヘキサン、ミネラルスピリット等の如き脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の如き芳香族炭化水素系溶剤;酢酸ブチル等の如きエステル系溶剤;メタノール、ブタノール等の如きアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトンの如きケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジン等の如き非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤を併用してもよい。
【0031】
反応方法は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、レドックス重合等、公知一般的な方法が挙げられるが、中でも反応方法がシンプルなことから溶液重合が好ましい。
【0032】
この反応条件は、重合開始剤及び溶媒によって異なるが、反応温度が180℃以下、好ましくは30〜150℃、反応時間が30分間〜40時間、好ましくは2時間〜30時間である。
【0033】
前述したように、本発明は粒状物質にグラフト共重合体Aを吸着させ、粒状物質を微分散化及び分散安定化させかつ電荷を与えるわけであるが、種々の溶剤に対しての分散安定性の点から、グラフト共重合体を架橋させて粒状物質に吸着させておけば、より分散安定性を向上させることができる。
【0034】
架橋の結合方式は、特に限定はされないが、エステル結合、アミノ結合、ウレタン結合、エーテル結合あるいはラジカル反応によるC−C結合等が挙げられるが、反応速度や反応時間、粒状物質の分散時の安定性等から、エステル結合とアミノ結合が特に好ましい。
【0035】
グラフト共重合体Aを架橋する方法としては、架橋剤を用いる方法とグラフト共重合体Aに架橋用官能基を導入する方法が挙げられる。
【0036】
架橋剤としてはグラフト共重合体A中の極性基と反応するものであれば特に限定されないが、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂や尿素樹脂の如きアミノ樹脂、トリレンジイソシアナート系プレポリマー、多官能芳香族ポリイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートプレポリマー、キシジレンイソシアナートプレポリマーやリジンイソシアナートプレポリマー等の如きイソシアナート樹脂、ビスフェノールAやグリシジル基を有するアクリル樹脂等の如きエポキシ樹脂、Ti、Al、Zr等のキレート化合物等が挙げられる。これらの中で反応速度や反応温度等の点から、アミノ樹脂とエポキシ樹脂が特に好ましい。シリコーンアクリル共重合体が官能基を1種類しか有しないので、架橋剤を必要とすることがある。
【0037】
グラフト共重合体Aに導入される架橋用官能基としては、アミノ基、水酸基、メトキシ基、グリシジル基等が挙げられる。中でも、反応速度や反応温度の点から、水酸基、グリシジル基が特に好ましい。
【0038】
架橋用官能基を導入する方法としては、公知一般的な方法を用いることができ、例えば、酸性基を有するグラフト共重合体Aの合成時に、架橋用官能基を有するモノマー、多価アルコール、ヒドロキシアミンやポリアミン等を用いて重合や縮合する方法や、酸性基を有するグラフト共重合体Aのプレポリマーを合成した後架橋官能基を重合、縮合あるいは付加反応により導入する方法等が挙げられる。特に架橋用官能基を導入後、グラフト共重合体Aが粒状物質に吸着することは言うまでもない。
【0039】
グラフト共重合体Aの合成時に用いる架橋用官能基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、グリセロールモノメメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレートの如き水酸基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルの如きグリシジル基含有モノマー;メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートの如きメトキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等の如きアミノ基含有モノマー等が挙げられ、中でもグリシジル基含有モノマーが反応後水酸基を生じ、粒状物質の電荷を向上させることから好ましい。
【0040】
また、グラフト共重合体Aのプレポリマーを合成した後、架橋用官能基を重合、縮合あるいは付加反応により導入する方法において、重合、縮合あるいは付加反応により導入するための架橋用官能基を有する化合物としては、特に限定はされないが2個以上の反応性基を有していれば良く、例えば、多価アルコール、ポリアミン、ヒドロキシアミン、ビスフェノールA、ポリイソシアナート等が挙げられる。
【0041】
前記粒状物質としては、無機顔料、有機顔料、溶剤に溶解しない染料、フィラー、医薬、重合開始剤、触媒、紫外線吸収剤等、有機溶媒に溶解しなければこれらに限定されない。
【0042】
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。
【0043】
有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
【0044】
溶剤に溶解しない染料としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、フタロシアニン系、カルボニル系、キノンイミン系、メチン系、キノリン系、ニトロ系等が挙げられ、これらの中でも分散染料が特に好ましい。
【0045】
本発明の分散液組成物において、粒状物質に対するグラフト共重合体Aの吸着量は、特に限定されないが、粒状物質100重量部に対してグラフト共重合体Aが20〜3000重量部の範囲内であることが好ましい。グラフト共重合体Aの量が20重量部未満では分散安定性に欠け、また3000重量部を超すと、分散液組成物中の粒状物質の含有量が減り、例えば、塗料やインキ、トナー等に利用するには十分な粒状物質の濃度を得ることが難しくなる。本発明の分散液組成物において、粒状物質に対するグラフト共重合体Aの量のより好ましい範囲は、粒状物質100重量部に対して、30〜1000重量部の範囲である。
【0046】
粒状物質に対するグラフト共重合体Aの吸着の正確なメカニズムは未だ解明されていない。物理的吸着(例えば、グラフト共重合体Aが溶媒に不溶になり凝集する凝集力による吸着、粒状物質とグラフト共重合体Aを分散機で分散させる機械的吸着等)により、グラフト共重合体Aが粒状物質表面に吸着するものと思われる。
【0047】
粒状物質に対するグラフト共重合体Aの吸着量の測定方法は、公知で一般的に慣用されている方法より求められる。例えば、不揮発分濃度を所定濃度に調整後、分散液組成物を上澄み液が透明になるまで遠心分離を行い、上澄み液中のグラフト共重合体A濃度を測定することにより間接的に測定できる。
【0048】
本発明の分散液組成物中に用いることができる有機溶媒としては、特に限定されないが、極性が小さく、109Ω・cm以上の電気抵抗率を有するものが好ましい。このような目的に好適な有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ミネラルスピリット等の如き脂肪族炭化水素系溶剤;ジアルキルポリシロキサンや環状ポリジアルキルシロキサン等の如きシリーコーンオイル;オリーブ油、ベニバナ油、ひまわり油、大豆油やあまに油等の如き植物油;ベンゼン、トルエン、キシレン等の如き芳香族炭化水素系溶剤;酢酸ブチル等の如きエステル系溶剤;メタノール、ブタノール等の如きアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトンの如きケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジン等の如き非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は単独でも、又は2種類以上を混合して使用することもできる。これらの溶剤の中で、電荷発生を考慮すると、例えば、ヘキサン、ミネラルスピリット、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ等の如き脂肪族炭化水素系、ジアルキルポリシロキサンや環状ポリジアルキルシロキサン等の如きシリーコーンオイル、オリーブ油、ベニバナ油、ひまわり油、大豆油やあまに油等の如き植物油等、非プロトン性有機溶媒でさらに電気抵抗率が109Ω・cm以上である非極性有機溶媒(例えば、脂肪族炭化水素系やシリコーンオイル等)がより好ましい。
【0049】
上記有機溶媒の割合は、粒状物質100重量部に対して50〜10000の範囲が好ましく、100〜3000重量部の範囲がより好ましい。本発明の分散液組成物中に上記以外の例えば、界面活性剤や防腐剤、防臭剤、皮はり防止剤、香料、顔料分散剤、顔料誘導体等を含有していても良い。
【0050】
本発明の分散液組成物は、例えば、グラフト共重合体Aを用いて粒状物質を該高分子化合物が溶解する有機溶媒中に分散した分散液と、該グラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒とを混合することにより該グラフト共重合体Aを析出させて粒状物質に吸着させることにより製造することができる。
【0051】
更に詳しくは、グラフト共重合体Aを用いて粒状物質を該グラフト共重合体Aが溶解する有機溶媒中に分散する分散工程A、分散工程Aで得られた分散液中に該グラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒を注入するか、又は分散工程Aで得られた分散液を該グラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒中に注入して混合することにより該グラフト共重合体Aを析出させて粒状物質に吸着させる混合工程B、さらに、必要に応じてグラフト共重合体Aを架橋により固定化する架橋工程C、さらに必要に応じて溶媒を蒸留する濃縮工程Dからなる分散液組成物の製造方法からなる。
【0052】
分散工程Aにおいて、グラフト共重合体Aを有機溶媒に溶解し粒状物質を添加した後、必要に応じてガラスビーズ、スチールビーズやジルコニアビーズ等の分散媒体を用いて、ダイノーミルやDSP−ミルの如きビーズミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、ニーダーやナノマイザーの如き高圧噴射ミル等の分散機により分散して分散液を得る。さらに必要に応じて、例えば界面活性剤や顔料分散剤、顔料誘導体、電荷発生剤等の各種添加剤を添加してもかまわない。
【0053】
分散機で分散する分散条件は、粒状物質の種類や分散機の種類によるが、経済性等を考慮すると、温度0℃〜150℃以の範囲で、分散時間は短ければ短いほうが好ましいが、0.1時間〜10時間/kgの範囲であれば生産性の点で好ましい。分散後の分散粒子径は、体積平均径でサブミクロン以下が好ましく、沈降凝集を考慮すると0.5ミクロン以下がより好ましい。
【0054】
測定方法は特に限定されないが、公知で一般的に慣用されている方法が利用され、例えばレーザー散乱方式や遠心沈降方式の粒度分布測定装置により測定される。さらに、グラフト共重合体Aを架橋するための架橋剤は、分散前あるいは分散後混合される。特に、分散時に反応等の影響がないことから分散後に混合することが好ましい。上記架橋剤の割合は、架橋して上記グラフト共重合体Aを粒状物質に固定化できれば特に限定されないが、グラフト共重合体A100重量部に対して、2〜100重量部の範囲が好ましく、5〜50重量部の範囲がより好ましい。
【0055】
次に混合工程Bにおいて、グラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒を、分散工程Aで製造された分散液中に、あるいは、分散工程Aで得られた分散液をグラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒に、ゆっくり添加し混合する。この場合、添加時あるいは添加後、スリーワンモーターやマグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザー等の簡単な攪拌機を用いて分散液を均一に混合する。また、ラインミキサー等の混合機を用いて、グラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒と分散工程Aで製造された分散液とを一気に混合する。さらに添加後、析出粒子をより微細化する目的で、ビーズミルや高圧噴射ミル等の分散機を用いてもかまわない。
【0056】
グラフト共重合体Aが溶解しない有機溶媒としては、グラフト共重合体Aが溶解しなければ特に限定されないが、溶解性パラメーター7.8以下の有機溶媒が特に好ましい。溶解性パラメーター7.8以下の有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ミネラルスピリット、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ等の如き脂肪族炭化水素系、ジアルキルポリシロキサンや環状ポリジアルキルシロキサン等の如きシリーコーン系、オリーブ油、ベニバナ油、ひまわり油、大豆油やあまに油等の植物油系、ジエチルエーテル等が挙げられる。ここで用いる有機溶媒の割合は、製造される分散液組成物中の粒状物質濃度を高くするためにグラフト共重合体A100重量部に対して0〜10000重量部の範囲が好ましい。
【0057】
グラフト共重合体Aを架橋により固定化する架橋工程Cにおいて、架橋方法は特に限定されないが、加熱や紫外線、電子線等にによる架橋方法が挙げられる。特に、反応性の点あるいは簡単な装置で反応できることから加熱による方法が好ましい。加熱による架橋の温度としては、粒状物質の分散状態が破壊されない温度であれば特に限定されないが、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
【0058】
濃縮工程Dは、粒状物質の用途に応じて実施される。また、濃縮工程は、架橋工程Cの前に行ってもかまわない。その溶媒を濃縮する方法としては、一般的な常圧あるいは減圧蒸留法が挙げられる。例えば、シリコーン系溶媒で分散液組成物を利用する場合、グラフト共重合体Aを溶解する有機溶媒の沸点をシリコーン系溶媒よりも低いものを利用し、常圧あるいは減圧蒸留により濃縮する。また、反対にグラフト共重合体Aを溶解する有機溶媒で分散液組成物を利用する場合、グラフト共重合体Aを溶解する有機溶媒より沸点の低いシリコーン系溶媒を利用し、常圧あるいは減圧蒸留により濃縮する。さらに、必要に応じてすべて蒸留して、あるいは水に置換して、乾燥して粉体塗料やトナー、プラスチック等へも利用できる。
【0059】
この分散液組成物の用途としては、特に限定されないが、自動車や建築、PCMといった塗料、グラビアインキ等の印刷インキ、インクジェットプリンター用インク、湿式電子写真印刷機や静電気力を用いたインクジェットプリンター(例えば特開平8−291267号報、日本特許第2735030号報、JHC‘98 FALL Meeting中の高濃度インクジェット記録等に示されている)用の液体トナー等が挙げられる。とりわけ、液体トナー分野においては、特別な電荷発生剤を使用する必要もなく、電荷が粒状物質表面に安定に固着されているので、長期間の使用安定性に優れている。
【0060】
本発明の分散液組成物をこれらの用途に用いるには、用途毎に応じてバインダー、有機溶媒、各種添加剤を添加して、所定の粒状物質濃度やバインダー濃度に調整される。バインダーとしては、例えば、天然タンパク質、セルロース類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、芳香族アミド、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、アクリル、ポリエステル、アルキド、ウレタン、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、フッ素樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等の合成高分子、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂等、公知の一般的なものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0061】
各種添加剤としては、アニオン系、カチオン系やノニオン系界面活性剤、皮はり防止剤、レベリング剤、金属石鹸やレシチン等の電荷調整剤、湿潤剤等、公知の一般的なものを使用できるが、特にこれらに限定されない。
【0062】
上記バインダー、有機溶媒や各種添加剤を本発明の分散液組成物に添加して最終的な塗料や印刷インキ、湿式トナーに調整する方法は、ディスパーのような簡単な攪拌機を用いれば良く、従来の必要としていた分散機等が必要なく、省エネルギー化でき低コストでの生産を可能にする。
【0063】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。下記の記載において「部」及び「%」は、特に断りがない限り、『重量部』及び『重量%』を意味する。また、注意書きがない試薬は、全て和光純薬社製の試薬1級を用いた。
【0064】
合成例1(グラフト共重合体Aの調製)
n−ブチルメタクリレート 16.1部
ラウリルメタクリレート 10.0部
スチレン 35.0部
メタクリル酸 6.9部
グリシジルメタクリレート 12.0部
X−22−174DX 20.0部
(信越化学社製のジメチルシロキサンと炭素数3のアルキレン基とからなるシリ
コーン系マクロモノマー)
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0065】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン(和光純薬(株)試薬1級)100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、2時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら6時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分49.8%、酸価44.2KOHmg/g、数平均分子量7000の高分子化合物であった。
【0066】
この高分子化合物1部をジメチルシロキサン溶媒KF−96L−1.0(信越化学社製)で希釈した。ジメチルシロキサン溶媒を0.5部加えたところで析出し、平均粒径0.066μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0067】
また、この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを7.2部加えたところで析出し、平均粒径0.051μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0068】
合成例2(グラフト共重合体Aの調製)
n−ブチルメタクリレート 18.4部
ラウリルメタクリレート 10.0部
スチレン 35.0部
メタクリル酸 4.6部
グリシジルメタクリレート 12.0部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0069】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン(和光純薬(株)試薬1級)100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、2時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら6時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分48.6%、酸価29.8KOHmg/g、数平均分子量6500の高分子化合物であった。
【0070】
この高分子化合物1部をジメチルシロキサン溶媒KF−96L−1.0(信越化学社製)で希釈した。ジメチルシロキサン溶媒を0.6部加えたところで析出し、平均粒径42nm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0071】
また、この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソアパーG(エクソン化学社製)で希釈した。アイソパーGを1.0部加えたところで析出し、平均粒径0.048μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4
PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0072】
合成例3(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 9.8部
ラウリルメタクリレート 29.2部
スチレン 35.0部
メタクリル酸 9.0部
X−22−174DX(信越化学社製) 26.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
メチルエチルケトン 35.3部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0073】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン(和光純薬(株)試薬1級)100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、2時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら6時間反応させた。
【0074】
反応後の溶液は、不揮発分42.9%、酸価61.0KOHmg/g、数平均分子量3200の高分子化合物であった。この高分子化合物1部をジメチルシロキサン溶媒KF−96L−1.0(信越化学社製)で希釈した。ジメチルシロキサン溶媒を1.7部加えたところで析出し、平均粒径0.040μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0075】
合成例4(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルアクリレート 9.8部
ラウリルメタクリレート 29.2部
スチレン 35.0部
メタクリル酸 9.0部
X−22−174DX(信越化学社製) 26.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
メチルエチルケトン 22.2部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0076】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン(和光純薬(株)試薬1級)100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、2時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら6時間反応させた。
【0077】
反応後の溶液は、不揮発分45.3%、酸価62.1KOHmg/g、数平均分子量3500の高分子化合物であった。この高分子化合物1部をジメチルシロキサン溶媒KF−96L−1.0(信越化学社製)で希釈した。ジメチルシロキサン溶媒を1.5部加えたところで析出し、平均粒径0.060μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0078】
合成例5(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 26.8部
スチレン 30.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート 12.7部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0079】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分50.5%、水酸基価44.8KOHmg/g、アミン価45.0KOHmg/g、数平均分子量8550の高分子化合物であった。
【0080】
この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを10.5部加えたところで析出し、平均粒径0.038μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0081】
また、この高分子化合物1部をジメチルシロキサン溶媒KF−96L−1(信越化学社製)で希釈した。KF−96L−1を7.2部加えたところで析出し、平均粒径0.043μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0082】
合成例6(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 5.7部
スチレン 30.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート 33.8部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0083】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分52.8%、44.9KOHmg/g、アミン価119.8KOHmg/g、数平均分子量8900の高分子化合物であった。
【0084】
この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを16.3部加えたところで析出し、平均粒径0.041μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0085】
合成例7(グラフト共重合体の調製)
スチレン 18.8部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート 50.7部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、メチルエチルケトン22.2部で希釈して溶液を調製した。
【0086】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。
【0087】
反応後の溶液は、不揮発分43.3%、45.1KOHmg/g、アミン価178.3KOHmg/g、数平均分子量8700の高分子化合物であった。この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを9.9部加えたところで析出し平均粒径0.040μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0088】
合成例8(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 37.3部
スチレン 30.0部
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート 12.7部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0089】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。
【0090】
反応後の溶液は、不揮発分50.9%、アミン価43.9KOHmg/g、数平均分子量11400の高分子化合物であった。この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを17.0部加えたところで析出し、平均粒径0.038μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0091】
合成例9(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 31.0部
スチレン 30.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート 8.5部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0092】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分50.3%、44.9KOHmg/g、アミン価29.4KOHmg/g、数平均分子量8900の高分子化合物であった。
【0093】
この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを20.0部加えたところで析出し平均粒径0.040μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0094】
合成例10(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 26.8部
スチレン 50.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート 12.7部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、メチルエチルケトン22.2部で希釈して溶液を調製した。
【0095】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。
【0096】
反応後の溶液は、不揮発分61.8%、45.0KOHmg/g、アミン価38.4KOHmg/g、数平均分子量10800の高分子化合物であった。この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを7.7部加えたところで析出し、平均粒径0.035μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0097】
合成例11(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 26.8部
スチレン 30.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
ビニルピリジン 12.7部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合して溶液を調製した。
【0098】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。
【0099】
反応後の溶液は、不揮発分56.7%、44.7KOHmg/g、アミン価67.7KOHmg/g、数平均分子量10200の高分子化合物であった。この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを9.0部加えたところで析出し、平均粒径0.126μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0100】
合成例12(グラフト共重合体の調製)
n−ブチルメタクリレート 31.0部
ラウリルメタクリレート 5.0部
スチレン 30.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.5部
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート 8.5部
X−22−174DX(信越化学社製) 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
【0101】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、4時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら12時間反応させた。
【0102】
反応後の溶液は、不揮発分48.3%、44.8KOHmg/g、アミン価45.1KOHmg/g、数平均分子量7700の高分子化合物であった。この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを18.6部加えたところで析出し、平均粒径0.035μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0103】
合成例13(一般的なグラフト共重合体の調整)
n−ブチルメタクリレート 18.4部
ラウリルメタクリレート 10.0部
スチレン 35.0部
メタクリル酸 4.6部
グリシジルメタクリレート 12.0部
AK32 20.0部
(東亜合成社製のジメチルシロキサンからなるシリコーン系マクロモノマ)
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
これらの成分を混合し、溶液を調製した。
AK32は下記の構造式で示される。
Figure 0004932074
【0104】
次に、窒素導入管を備え付けた反応容器にメチルエチルケトン(和光純薬(株)試薬1級)100部を計り込み、窒素シールをしながら沸点まで昇温した。上記溶液を、2時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら6時間反応させた。
【0105】
反応後の溶液は、不揮発分48.6%、酸価29.7KOHmg/g、数平均分子量9500の高分子化合物であった。この高分子化合物1部を脂肪族炭化水素溶媒アイソパーG(エクソン社製)で希釈した。アイソパーGを0.6部加えたところで析出し、平均粒径4.28μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)のディスパージョンを得た。
【0106】
また、この高分子化合物1部をジメチルシロキサン溶媒KF−96L−1(信越化学社製)で希釈した。KF−96L−1を0.93部加えたところで析出し、平均粒径4.56μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、巨大な凝集物も存在していた。
【0107】
【表1】
Figure 0004932074
【0108】
実施例1
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例1のグラフト共重合体 12.0部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.4部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.6部
メチルエチルケトン 12.0部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 15.0部
KF−96L−1 15.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0109】
上記分散スラリー45.0部に、
メチルエチルケトン 15.0部
KF−96L−1 15.0部
を混合し、混合液とした。
【0110】
次に、シリコーン溶媒としてKF−96L−1を75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面に酸性基を有するグラフト共重合体を析出させた。
【0111】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、さらに、120℃で5時間架橋反応させ、酸価11.1KOHmg/g、水酸基価33.2KOHmg/g、顔料濃度4.75%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.194μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して99.5部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0112】
さらに上記分散液組成物を63.1部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びKF−96L−1を36.7部を混合して、顔料分3%の油性のインクジェットインクを調整した。このインクジェットインクのゼータ(ζ)電位は、63.2mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.173μm、粘度1.18mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.174μm、粘度が1.17mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も62.5mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0113】
比較例1
実施例1で使用した合成例1のグラフト共重合体のかわりに合成例13のグラフト共重合体12.3部を使用し、メチルエチルケトンを12.0部から11.7部に減らしてペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散した以外は実施例1と同様にして、酸価0.2KOHmg/g、水酸基価28.5KOHmg/g、顔料濃度4.6%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒子径が4.525μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)と大きく、数時間すると沈降してしまい、実施例1に比べ安定性にかけ、油性のインクジェットインクに使用できなかった。
【0114】
実施例2
実施例1で使用した合成例1のグラフト共重合体のかわりに合成例2のグラフト共重合体12.3部を使用し、メチルエチルケトンを12.0部から11.7部に減らしてペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散した以外は実施例1と同様にして、酸価7.5KOHmg/g、水酸基価20.7KOHmg/g、顔料濃度4.9%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.229μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して99.2部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0115】
さらに上記分散液組成物を61.2部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びKF−96L−1を38.6部を混合して、顔料分3%の油性のインクジェットインクを調整した。このインクジェットインクのゼータ電位は、83.7mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.227μm、粘度1.20mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.225μm、粘度が1.21mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も82.1mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0116】
実施例3
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例2のグラフト共重合体 12.3部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
メチルエチルケトン 11.7部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で4時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 15.0部
アイソパーG(エクソン化学社製の脂肪族炭化水素系溶媒) 15.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0117】
上記分散スラリー45.0部に、
メチルエチルケトン 15.0部
アイソパーG 15.0部
を混合し、混合液とした。
【0118】
次に、アイソパーGを75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0119】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、さらに、120℃で5時間架橋反応させ、酸価6.3KOHmg/g、水酸基価22.8KOHmg/g、顔料濃度4.70%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.234μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して98.6部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0120】
さらに上記分散液組成物を64.0部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びKF−96L−1を35.8部を混合して、顔料分3%の油性のインクジェットインクを調整した。このインクジェットインクのゼータ電位は、53.1mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.228μm、粘度1.37mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.225μm、粘度が1.36mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も52.8mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0121】
実施例4
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例3のグラフト共重合体 14.0部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
メチルエチルケトン 10.0部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で4時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 30.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0122】
次に、KF995(環状シリコーン:信越化学社製)を85部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、上記分散スラリー45.0部をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0123】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、酸価59.8KOHmg/g、顔料濃度5.4%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.156μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して89.5部の吸着量を示し樹脂が吸着されていた。
【0124】
さらに上記分散液組成物を92.6部、及びKF−995を7.4部を混合して、顔料分5%の油性のインクジェットインクを調整した。このインクジェットインクのゼータ電位は、19.7mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.148μm、粘度6.8mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.149μm、粘度が6.76mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も18.7mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0125】
実施例5
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例4のグラフト共重合体 13.2部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
メチルエチルケトン 10.8部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で4時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 30.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【00126】
次に、KF995(環状シリコーン:信越化学社製)を85部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、上記分散スラリー45.0部をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0127】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、酸価60.3KOHmg/g、顔料濃度5.5%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.161μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して86.5部の吸着量を示し樹脂が吸着されていた。
【0128】
さらに上記分散液組成物を90.9部、及びKF−995を9.1部を混合して、顔料分5%の油性のインクジェットインクを調整した。このインクジェットインクのゼータ電位は、18.3mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.155μm、粘度6.7mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.161μm、粘度が6.76mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も20.1mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0129】
実施例6
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例1のグラフト共重合体 13.5部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.4部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.6部
メチルエチルケトン 10.5部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 15.0部
アイソパーG 15.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0130】
上記分散スラリー45部に、
メチルエチルケトン 15.0部
アイソパーG 15.0部
を混合し、混合液とした。
【0131】
次に、アイソパーGを75部ビーカーに計り込み、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面に酸性基を有するグラフト共重合体を析出させた。
【0132】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、さらに、120℃で5時間架橋反応させ、酸価25.2KOHmg/g、水酸基価19.4KOHmg/g、顔料濃度4.81%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.186μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物をアイソパーGを使用して不揮発分濃度を5%に調整し、33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して99.1部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0133】
さらに上記分散液組成物を62.4部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びアイソパーGを37.6部を混合して、顔料分3%の油性のインクジェットインクを調整した。このインクジェットインクのゼータ電位は、75.4mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.183μm、粘度1.42mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.179μm、粘度が1.43mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も76.1mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0134】
実施例7
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例1のグラフト共重合体 12.0部
粒状物質としてHOSTAPERM Pink EB TRANS
(クラリアント社製のジメチルキナクリドン顔料) 6.0部
メチルエチルケトン 12.0部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 15.0部
アイソパーG 15.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0135】
上記分散スラリー45.0部に、
メチルエチルケトン 15.0部
KF−96L−1 15.0部
を混合し、混合液とした。
【0136】
次に、アイソパーGを75.0部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面に酸性基を有するグラフト共重合体を析出させた。
【0137】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、さらに、120℃で5時間架橋反応させ、酸価8.9KOHmg/g、水酸基価34.5KOHmg/g、顔料濃度4.58%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.192μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して99.4部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0138】
さらに上記分散液組成物を65.5部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びアイソパーGを32.5部を混合して、顔料分3%の液体トナ−を調整した。この液体トナ−のゼータ電位は、48.5mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)であり、印刷も可能であった。また、粒子径は0.189μm、粘度1.35mPa・sであった。さらに、この液体トナ−を60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.191μm、粘度が1.34mPa・sで凝集も起こらず、また、ζ電位も48.0mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0139】
比較例2
100ccのプラスチック製ビンに、
塩基性基を有するポリエステル系高分子化合物として
ソルスパース13940(ゼネカ社製) 3.75部
粒状物質として、HOSTAPERM Pink EB TRANS
(クラリアント社製のジメチルキナクリドン顔料) 4.0部
アイソパーG 12.25部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、アイソパーGを20.0部加え、分散液組成物を得た。
【0140】
得られた分散液組成物は、顔料濃度10.0%で、分散粒子径が0.256μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による高分子化合物の吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して11部の吸着量を示し、高分子化合物が吸着した通常の顔料が分散した分散液組成物であった。
【0141】
上記分散液組成物30.0部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びアイソパーG69.8部を混合して、顔料分3%の液体トナ−を調整した。この液体トナ−のゼータ電位は8mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)と小さく、このままでは印刷することはできなかった。また、粒子径が0.252μm、粘度が1.48mPa・sであった。さらに、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.299μm、粘度1.98mPa・sと大きくなり、沈降が起こり、実施例7に比べ保存安定性に劣っていた。
【0142】
実施例8
実施例7で使用した粒状物質であるHOSTAPERM PINK EB TRANSのかわりにNOVOPERM YELLOW P−HG(クラリアント社製ベンツイミダゾロン顔料)を6.0部使用し、分散時間を2時間から4時間に変更した以外は実施例7と同様にして、酸価9.6KOHmg/g、水酸基価32.5KOHmg/g、顔料濃度4.45%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.241μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して99.3部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0143】
さらに上記分散液組成物を66.7部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びアイソパーGを33.1部を混合して、顔料分3%の湿式電子写真用の液体トナーを調整した。この液体トナ−のゼータ電位は、49.3mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、従来の液体トナ−で必要であった電荷発生剤を使用せずとも帯電し、十分印刷可能であった。また、粒子径は0.247μm、粘度1.38mPa・sであった。さらに、この液体トナ−を60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.249μm、粘度が1.39mPa・sと凝集も起こらず、また、ζ電位も48.7mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0144】
実施例9
実施例7で使用した粒状物質であるHOSTAPERM PINK EB TRANSのかわりに#4000B(三菱化学社製カーボンブラック)を5.7部とソルスパース5000を0.3部を使用した以外は実施例7と同様にして、酸価12.5KOHmg/g、水酸基価32.1KOHmg/g、顔料濃度4.38%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.158μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して99.6部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0145】
さらに上記分散液組成物を68.5部、オクチル酸ジルコニウム0.2部及びアイソパーGを31.3部を混合して、顔料分3%の湿式電子写真用の液体トナーを調整した。この液体トナ−のゼータ電位は、46.4mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、従来の液体トナ−で必要であった電荷発生剤を使用せずとも帯電し、十分印刷可能であった。また、粒子径は0.163μm、粘度1.40mPa・sであった。さらに、この液体トナ−を60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.159μm、粘度が1.39mPa・sと凝集も起こらず、また、ζ電位も45.2mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0146】
実施例10
実施例7で作製した分散液組成物をイソプロピルアルコールで希釈し、極性溶媒に対する応用を確認した。その結果、分散粒子径が0.191μmと凝集せず、例えばイソプロピルアルコールを用いる印刷インキや塗料等への応用ができる分散液組成物であった。
【0147】
比較例3
比較例2で作製した分散液組成物をイソプロピルアルコールで希釈し、極性溶媒に対する応用を確認した。その結果、分散粒子径が0.453μmと凝集してしまい、例えばイソプロピルアルコールを用いる印刷インキや塗料等への応用は期待できなかった。
【0148】
実施例11
実施例1で使用した合成例1のグラフト共重合体を12部から3.6部に減らして、メチルエチルケトンを12.0部から20.4部に増やしてペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散した以外は実施例1と同様にして、酸価18.5KOHmg/g、水酸基価24.3KOHmg/g、顔料濃度4.72%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.185nmまた、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけて、上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して、29.3部の吸着量を示し、ほぼ全量の樹脂が吸着されていた。
【0149】
更に、上記分散液組成物の63.6部、オクチル酸ジルコニウム0.2部と、KF−96L−1の35.9部を混合して、顔料分3%のインクジェットインクを調製した。このインクジェットインクのゼータ電位は18.2mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.182μm、粘度1.11mPa・sであった。更に、このインクジェットインクを60℃の恒温槽で14日間保存試験したところ、分散粒子径が0.189μm、粘度が1.13mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も17.3mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0150】
実施例12
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例5のグラフト共重合体 11.9部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
アイソパーG 12.1部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 25.0部
アイソパーG 25.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0151】
上記分散スラリー60.0部に、
メチルエチルケトン 7.5部
アイソパーG 7.5部
を混合し、混合液とした。
【0152】
次に、脂肪族炭化水素溶媒としてアイソパーGを75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0153】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、アミン価44.4KOHmg/g、顔料濃度4.0%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.110μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物をアイソパーGを使用して不揮発分濃度を5%に調整し、33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して82部の吸着量を示した。
【0154】
さらに上記分散液組成物を75.0部及びアイソパーGを25.0部を混合して、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、16.4mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.113μm、粘度1.2mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.117μm、粘度が1.2mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も15.6mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0155】
実施例13
実施例12で使用した合成例5のグラフト共重合体のかわりに合成例6のグラフト共重合体11.4部を使用し、アイソパーGを12.1部から12.6部に増やし、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、以下実施例12と同様にして、アミン価118.9KOHmg/g、顔料濃度3.7%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.132μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して87部の吸着量を示した。
【0156】
さらに上記分散液組成物を81.1部及びアイソパーGを18.7部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、56.8mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.131μm、粘度1.3mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.133μm、粘度が1.3mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も54.2mVと保存安定性を示した。
【0157】
実施例14
実施例12で使用した合成例5のグラフト共重合体のかわりに合成例7のグラフト共重合体13.9部を使用し、アイソパーGを12.1部から10.1部に減らし、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、以下実施例12と同様にして、アミン価178.0KOHmg/g、顔料濃度3.9%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.112μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して83部の吸着量を示した。
【0158】
さらに上記分散液組成物を76.9部及びアイソパーGを22.9部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、63.7mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.113μm、粘度1.2mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.113μm、粘度が1.2mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も61.2mVと保存安定性を示した。
【0159】
実施例15
実施例12で使用した合成例5のグラフト共重合体のかわりに合成例8のグラフト共重合体を使用し、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、以下実施例12と同様にして、アミン価43.2KOHmg/g、顔料濃度3.4%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.160μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して53部の吸着量を示した。
【0160】
さらに上記分散液組成物を88.2部及びアイソパーGを11.6部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、30.9mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.162μm、粘度1.3mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.165μm、粘度が1.3mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も28.1mVと保存安定性を示した。
【0161】
実施例16
実施例12で使用した合成例5のグラフト共重合体のかわりに合成例9のグラフト共重合体を使用し、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、以下実施例12と同様にして、アミン価29.0KOHmg/g、顔料濃度3.7%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.106μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)で、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して79部の吸着量を示した。
【0162】
さらに上記分散液組成物を81.1部及びアイソパーGを18.7部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、23.3mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.104μm、粘度1.1mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.105μm、粘度が1.1mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も21.7mVと保存安定性を示した。
【0163】
実施例17
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例1のグラフト共重合体 12.4部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
アイソパーG 11.6部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
合成例5のシリコーンアクリル共重合体 11.8部
メチルエチルケトン 19.1部
アイソパーG 19.1部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0164】
上記分散スラリー60.0部に、
メチルエチルケトン 7.5部
アイソパーG 7.5部
を混合し、混合液とした。
【0165】
次に、脂肪族炭化水素溶媒としてアイソパーGを75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0166】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、さらに、120℃で5時間架橋反応させ、酸価31.2KOHmg/g、アミン価39.5KOHmg/g、顔料濃度4.0%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.137μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して168部の吸着量を示した。
【0167】
さらに上記分散液組成物を75.0部及びアイソパーGを24.8部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、29.9mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.137μm、粘度1.2mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.140μm、粘度が1.2mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も29.1mVと保存安定性を示した。
【0168】
実施例18
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例1のグラフト共重合体 12.4部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
メチルエチルケトン 11.6部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
合成例12のシリコーンアクリル共重合体 10.8部
メチルエチルケトン 19.6部
アイソパーG 19.6部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0169】
上記分散スラリー30.0部に、
合成例12のシリコーンアクリル共重合体 4.1部
合成例1のシリコーンアクリル共重合体 4.7部
メチルエチルケトン 18.4部
アイソパーG 18.4部
を混合し、混合液とした。
【0170】
次に、脂肪族炭化水素溶媒としてアイソパーGを75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0171】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、さらに、120℃で5時間架橋反応させ、酸価26.5KOHmg/g、アミン価41.1KOHmg/g、顔料濃度2.1%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.204μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して304部の吸着量を示した。
【0172】
さらに上記分散液組成物を95.5部及びアイソパーGを4.3部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分2%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、31.3mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.203μm、粘度1.3mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.207μm、粘度が1.3mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も29.9mVと保存安定性を示した。
【0173】
実施例19
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例6のグラフト共重合体 11.4部
粒状物質としてCINQUASIA Magenta RT―355−D
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 6.0部
アイソパーG 12.6部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で4時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 25.0部
アイソパーG 25.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0174】
上記分散スラリー60.0部に、
メチルエチルケトン 7.5部
アイソパーG 7.5部
を混合し、混合液とした。
【0175】
次に、脂肪族炭化水素溶媒としてアイソパーGを75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0176】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、アミン価117.8KOHmg/g、顔料濃度3.8%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.243μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して77部の吸着量を示した。
【0177】
さらに上記分散液組成物を78.9部及びアイソパーGを20.9部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、48.5mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.239μm、粘度1.6mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.239μm、粘度が1.6mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も48.7mVと保存安定性を示した。
【0178】
比較例4
実施例19で使用した合成例6のグラフト共重合体のかわりに合成例13のグラフト共重合体12.3部を使用し、アイソパーGを12.6部から11.7部に減らしてペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散した以外は実施例11と同様にして、酸価11.0KOHmg/g、顔料濃度3.7%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒子径が5.224μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)と大きく、数時間すると沈降してしまい、実施例19に比べ安定性にかけ、油性のインクジェットプリンタ用インクに使用できなかった。
【0179】
実施例20
実施例19で粒状物質として使用したCINQUASIA Magenta RT―355−D(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)のかわりにYellow HG AF LP901(クラリアントジャパン社製)を使用し、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、以下実施例19と同様にして、アミン価119.3KOHmg/g、顔料濃度3.9%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.222μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物に33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して79の吸着量を示した。
【0180】
さらに上記分散液組成物を76.9部及びアイソパーGを22.9部を混合して、電荷発生剤としてオクチル酸ジルコニウム(ミネラルスピリット溶液、不揮発分50.0%)0.2部を添加し、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、47.9mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.222μm、粘度1.5mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.223μm、粘度が1.5mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も47.1mVと保存安定性を示した。
【0181】
実施例21
100ccのプラスチック製ビンに、
合成例5のグラフト共重合体 11.9部
粒状物質としてファストゲン ブルー TGR
(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料) 5.7部
フタロシアニン顔料誘導体としてソルスパース5000 0.3部
KF−96L−1(信越化学社製) 12.1部
3mmφジルコニアビーズ 100部
を計り取り、ペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、その後、
メチルエチルケトン 25.0部
KF−96L−1 25.0部
を追加して混合し、分散スラリーを得た。
【0182】
上記分散スラリー60.0部に、
メチルエチルケトン 7.5部
KF−96L−1 7.5部
を混合し、混合液とした。
【0183】
次に、シリコーン溶媒としてKF−96L−1を75部秤取し、ビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、前記混合液をゆっくりと滴下し、粒状物質表面にグラフト共重合体を析出させた。
【0184】
滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて脱溶媒し、アミン価44.8KOHmg/g、顔料濃度4.6%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒径が0.138μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)、また、この分散液組成物をKF−96L−1を使用して不揮発分濃度を5%に調整し、33500Gの遠心力を5時間かけ上澄みの不揮発分から遠心沈降による樹脂吸着量を測定したところ、粒状物質100部に対して88部の吸着量を示した。
【0185】
さらに上記分散液組成物を64.7部及びKF−96L−1を35.3部を混合して、顔料分3%の油性のインクジェットプリンタ用インクを調整した。このインクジェットプリンタ用インクのゼータ電位は、17.9mV(ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定)、粒子径は0.138μm、粘度1.3mPa・sであった。さらに、このインクジェットプリンタ用インクを60℃の恒温槽で14日間保存試験をしたところ、分散粒子径が0.139μm、粘度が1.3mPa・sで凝集も起こらず、また、ゼータ電位も17.1mVと変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
【0186】
比較例5
実施例21で使用した合成例5のグラフト共重合体のかわりに合成例13のグラフト共重合体12.3部を使用し、KF−96L−1溶媒を12.1部から11.7部に減らしてペイントシェーカー(エイシン社製)で2時間分散し、以下実施例16と同様にして、酸価11.3KOHmg/g、顔料濃度4.4%の分散液組成物を得た。得られた分散液組成物は、分散粒子径が4.530μm(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定)と大きく、数時間すると沈降してしまい、実施例21に比べ保存安定性にかけ、油性のインクジェットプリンタ用インクに使用できなかった。
【0187】
【表2】
Figure 0004932074
【0188】
【表3】
Figure 0004932074
*1:コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUSで測定、単位はμm。
*2:東機産業社製R型粘度計で測定(回転数100rpm)、単位はmPa・s。
*3:ペンケム社製のLAZER ZEE METER Model 501で測定、単位はmV。
【0189】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分散液組成物は、粒状物質の分散安定性を高め、沈降の問題を解決し、また、長期間電荷を保持することができる。また、有機溶剤や不溶性の粒状物質の種類を広げ、利用範囲の広い、とりわけ静電気力を利用した液体現像剤やジェットインク用に有用な分散液組成物を提供することができる。

Claims (22)

  1. 少なくとも粒状物質と、グラフト共重合体と、前記グラフト共重合体が溶解しない有機溶媒とからなり、
    前記粒状物質の外表面の少なくとも一部分に、0.01μm〜1μmの範囲内の粒径を有する前記グラフト共重合体が吸着しており、
    前記グラフト共重合体は、そのグラフト鎖がポリシロキサンとアルキレン基とからなり、前記グラフト鎖は下記の一般式、


    −(C−CH)−グラフト幹

    X CH CH
    | | |
    − Si−(OSi)n−R
    | |
    CH CH
    グラフト鎖
    (式中、Xはウレタン基、アミド基及びエステル基からなる群から選択される一つ以上を含んだ結合基であり、RはC1〜C18のアルキレン基であり、RはC1〜C4のアルキル基であり、RはH又はCHであり、nは5〜200の整数である。)で示される、
    ことを特徴とする印刷用分散液組成物。
  2. 前記アルキレン基はC1〜C18のアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  3. 前記アルキレン基はC1〜C12のアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  4. 前記粒状物質に対する前記グラフト共重合体の吸着量は、前記粒状物質100重量部に対して前記グラフト共重合体が20重量部〜3000重量部の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  5. 前記グラフト共重合体が、酸性基、水酸基及び塩基性基からなる群から選択される少なくとも1個の極性基を有することを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  6. 前記酸性基はカルボキシル基、スルホン酸基又はホスホン酸基であり、塩基性基は1級、2級、3級又は4級アミノ基であることを特徴とする請求項5に記載の分散液組成物。
  7. 前記酸性基はカルボキシル基であり、前記塩基性基は3級アミノ基であることを特徴とする請求項6に記載の分散液組成物。
  8. 前記グラフト共重合体の酸価が、5〜200KOHmg/gの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の分散液組成物。
  9. 前記グラフト共重合体の水酸基価が、5〜200KOHmg/gの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の分散液組成物。
  10. 前記グラフト共重合体のアミン価が、5〜200KOHmg/gの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の分散液組成物。
  11. 前記グラフト共重合体の数平均分子量が1000〜50000の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  12. 前記グラフト共重合体は架橋用官能基を更に有し、前記架橋用官能基を介して架橋結合されたグラフト共重合体が前記粒状物質に吸着されていることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  13. 前記架橋結合がエステル結合又はアミド結合であることを特徴とする請求項12に記載の分散液組成物。
  14. 前記グラフト共重合体が、酸性基と架橋反応し得る2個以上の架橋用官能基を有することを特徴とする請求項12に記載の分散液組成物。
  15. 前記架橋用官能基がグリシジル基又は水酸基であることを特徴とする請求項12に記載の分散液組成物。
  16. 前記粒状物質が、顔料あるいは溶剤に溶解しない染料からなることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  17. 前記有機溶媒が非プロトン性有機溶媒からなることを特徴とする請求項1に記載の分散液組成物。
  18. 前記非プロトン性有機溶媒の電気抵抗率が10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項17に記載の分散液組成物。
  19. 前記非プロトン性有機溶媒がシリコーン系有機溶媒であることを特徴とする請求項18に記載の分散液組成物。
  20. (a)0.01〜1μmの範囲内の粒径グラフト共重合体を用いて粒状物質を該グラフト共重合体が溶解する有機溶媒中に分散するステップと、
    (b)前記ステップ(a)で得られた分散液中に該グラフト共重合体が溶解しない有機溶媒を注入するか、又は前記ステップ(a)で得られた分散液を該グラフト共重合体が溶解しない有機溶媒中に注入して混合することにより該グラフト共重合体を析出させて前記粒状物質に吸着させるステップと、
    からなることを特徴とする印刷用分散液組成物の製造方法。
  21. 前記グラフト共重合体を前記粒状物質に吸着させるステップ(b)の後に、(c)前記グラフト共重合体を架橋させて固定化するステップを更に有することを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
  22. 前記ステップ(c)の後に、必要に応じて、(d)前記有機溶媒の少なくとも一部を除去するステップを更に有することを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
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