JP4931002B2 - ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法 - Google Patents

ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4931002B2
JP4931002B2 JP2007067732A JP2007067732A JP4931002B2 JP 4931002 B2 JP4931002 B2 JP 4931002B2 JP 2007067732 A JP2007067732 A JP 2007067732A JP 2007067732 A JP2007067732 A JP 2007067732A JP 4931002 B2 JP4931002 B2 JP 4931002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
polymer
polymerizable
gel
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007067732A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008228542A (ja
Inventor
欣志 安積
由紀子 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2007067732A priority Critical patent/JP4931002B2/ja
Publication of JP2008228542A publication Critical patent/JP2008228542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4931002B2 publication Critical patent/JP4931002B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、導電性薄膜を有する導電体及びアクチュエータ素子、並びにその製造法に関
する。ここでアクチュエータ素子は、電気化学反応や電気二重層の充放電などの電気化学
プロセスを駆動力とするアクチュエータ素子である。
空中、あるいは真空中で作動可能なアクチュエータ素子として、カーボンナノチューブ
とイオン液体とのゲルを導電性の伸縮性のある活性層として用いるアクチュエータが提案
されている(特許文献1)。
従来の素子の構造は、伸縮性のある活性層としてカーボンナノチューブとイオン液体と
のゲルを用い、イオン液体ゲルを電解質層として電極層でサンドイッチ構造にしたもので
ある。この場合の素子の駆動メカニズムは電極層内に分散したカーボンナノチューブにイ
オン液体が分極することにより、電極層がイオンの体積効果で膨潤することによるものと
考えられる。
特願2003−409344
本発明は、効率のよい変形応答を有するアクチュエータ素子を提供することを目的とす
る。
従来用いていたイオンゲルは、ベースポリマー中にイオン液体を浸透させたものであり
、基本的には陽イオン、陰イオンともに動くことが可能なものである。上記の駆動メカニ
ズムから、可動イオンは陽イオン、あるいは陰イオンのどちらかのみであるほうが効率が
よいと本発明者は考えた。
本発明者は、イオン液体の陽イオン、あるいは陰イオンの代わりにポリマーイオンを用
い、さらに、架橋することによってゲル化させてポリマーイオンゲルとすることにより、
イオン液体の構成要素であるカウンターイオンのみが可動するイオンゲルからなるアクチ
ュエータ素子を作製し、より、効率のよい変形応答の素子を作製した。
本発明は、以下のアクチュエータ用イオン伝導体、イオン伝導体と導電性薄膜の積層体
、アクチュエータ素子を提供するものである。
1. イオン液体の陽イオン又は陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体
モノマーと、重合性部分を2以上含む架橋剤を重合させてなる架橋構造を有するポリマー
イオンゲルを含むアクチュエータ用イオン伝導体。
2. イオン液体の陽イオン又は陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体
モノマーと、重合性部分を2以上含む架橋剤を重合させてなる架橋構造を有するポリマー
イオンゲルに、少なくとも1種の他のポリマーを複合させてなる、アクチュエータ用イオ
ン伝導体。
3. さらにイオン伝導を促進するための溶媒を含む、項1または2に記載のアクチュエー
タ用イオン伝導体。
4. 項1〜3のいずれかに記載のイオン伝導体層と導電性薄膜層からなる積層体。
5. 項4の積層体からなるアクチュエータ素子。
6. 項1〜3のいずれかに記載のイオン伝導体の表面に導電性薄膜層が互いに絶縁状態で
少なくとも2個形成され、当該導電性薄膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成
されているアクチュエータ素子。
7. 前記導電性薄膜層がカーボンナノチューブとポリマーを含む、項4〜6のいずれかに
記載のアクチュエータ素子。
8. 前記導電性薄膜層が、イオン液体部分と重合性不飽和基を有するモノマーと重合性部
分を2以上含む架橋剤を重合させてなる架橋構造を有するポリマーイオンゲルとカーボン
ナノチューブを含むことを特徴とする、項4〜6のいずれかに記載のアクチュエータ素子
本発明によれば、イオン液体を構成する陽イオン、あるいは陰イオンの一方をポリマー
の一部とし、イオン液体のカウンターイオンのみが可動するポリマーイオンゲルとするこ
とで、イオン伝導性を高め、効率のよい変形応答のアクチュエータ素子を得ることができ
る。
本発明において、ポリマーイオンゲルに含まれるイオン液体部分(moiety)を構成する陽
イオンとしては、下記の一般式(I)〜(IV)で表わされるカチオン(好ましくは、イミ
ダゾリウムイオン、第4級アンモニウムイオン)が挙げられる。
Figure 0004931002
上記の式(I)〜(IV)において、Rは炭素数1〜12の直鎖又は分枝を有するアルキ
ル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するア
ルキル基を示し、式(I)においてRは炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルキル
基または水素原子を示す。式(I)において、RとRは同一ではないことが好ましい。
式(III)および(IV)において、xはそれぞれ1〜4の整数である。
炭素数1〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの基が
挙げられる。炭素数は好ましくは1〜8,より好ましくは1〜6である。
炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルが挙げられ
る。
エーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基
としては、CH2OCH3、(CH2)p(OCH2CH2)qOR2(ここで、pは1〜4の整数、qは1〜4の整
数、R2はCH3又はC2H5を表す)が挙げられる。
ポリマーイオンゲルに含まれるイオン液体部分(moiety)を構成する陰イオンとしては、
テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 -)、BF3CF3 -、BF3C2F5 -、BF3C3F7 -、BF3C4F9 -、ヘキ
サフルオロリン酸イオン(PF6 -)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオ
ン((CF3SO2)2N-)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル
)炭素酸イオン(CF3SO2)3C-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、ジシ
アンアミドイオン((CN)2N-)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)、有機カルボン酸イ
オンおよびハロゲンイオンが例示できる。
重合性イオン液体モノマーの重合性不飽和基としては、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素
三重結合が挙げられ、このような基を含む部分(moiety)としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、エチレン、スチレン、グリシジルエーテルなどに由来する基が挙げられる。
本発明で使用する重合性イオン液体モノマーとしては、以下のものが例示される:
イオン性液体のカチオンが重合性であるモノマーとしては、1-ビニルイミダゾリウム
、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウム、1-アルキル-3-ビニルベンジルイミダゾリウ
ム、1-アルキル-3-アリルイミダゾリウム、1-アルキル-3-[2-(メタクリロイルオ
キシ)アルキル]イミダゾリウム、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、[2-(
メタクリロイルオキシ)アルキル]トリアルキルアンモニウム等が例示される。これらの
重合性カチオンのイオン性液体を構成する陰イオンとしては、上述の陰イオンが例示され
る。
アニオンが重合性であるモノマーとしては、アクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、ビニルリン酸などが例示され、これらとイオン液体を構成するすでに例示さ
れた陽イオンとの組み合わせにより、陰イオンが重合するイオン液体を構成することが可
能となる(特開平10-83821参照)
本発明で使用することのできる架橋剤は、一般的に2個以上の重合性官能基をもつ分子
で下記の様なものが使用可能である:
エチレングリコールジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラ
(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エ
チレングリコール)ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、N,N
’-メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン。
なお、イオン液体を構成する陽イオン及び/又は陰イオンは1種のみを使用してもよく
2種以上を混合して使用してもよい。
前記モノマーと架橋剤の重合は、紫外線照射により行なうこともでき、重合開始剤の存
在下に行なうこともできる。重合開始剤としては、2,2−アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウリル、t−ブチルパーア
セテート、t−過酢酸ブチル及びジ−t−過酸化ブチル、t−ブチルヒドロペルオキシド、
ベンゾイルヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソプロピ
ルペルオキシカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のポリマーイオンゲルに複合させる少なくとも1種の他のポリマーとしては、ポ
リフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[PVDF(HFP)]などの
水素原子を有するフッ素化オレフィンとパーフッ素化オレフィンの共重合体、ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)などの水素原子を有するフッ素化オレフィンのホモポリマー、パ
ーフルオロスルホン酸(Nafion,ナフィオン)、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(poly-HEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリ(メ
タ)アクリレート類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN
)などが挙げられる。
本発明に用いられるカーボンナノチューブは、グラフェンシートが筒形に巻いた形状か
ら成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWNT)と多層ナ
ノチューブ(MWNT)とに大別され、また、グラフェンシートの構造の違いからカイラ
ル(らせん)型、ジグザグ型、およびアームチェア型に分けられるなど、各種のものが知
られている。本発明には、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば
、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。一般的には、アスペク
ト比が大きい、すなわち、細くて長い単層ナノチューブがゲルを形成し易い。例えば、ア
スペクト比が10以上、好ましくは10以上のカーボンナノチューブが挙げられる。
カーボンナノチューブの長さは、通常1μm以上、好ましくは50μm以上、さらに好まし
くは500μm以上である。カーボンナノチューブの長さの上限は、特に限定されないが
、例えば3mm程度である。
従って、本発明においては、SWNTからゲル状組成物を得るのが好ましい。
実用に供されるカーボンナノチューブの好適な例として、一酸化炭素を原料として比較
的量産が可能なHiPco(カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレーテッド社製)
が挙げられるが、勿論、これに限定されるものではない。
アクチュエーター素子の電極層に使用される導電性薄膜層は、カーボンナノチューブ、
イオン液体及びポリマーから構成され、イオン液体とポリマーに代えて、イオン性液体を
構成する陽イオン又は陰イオンを繰り返し単位に含むポリマーイオンゲルを使用すること
もできる。
導電性薄膜層中のこれらの成分の好ましい配合割合は:
カーボンナノチューブ:16〜90重量%、好ましくは16.6〜70重量%、より好ましくは20〜
50重量%、イオン液体部分を含むポリマー(或いはイオン液体とポリマーの合計量):10〜
84重量%、好ましくは30〜83.4重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
ポリマーイオンゲルとともにイオン伝導層に含まれる、イオン伝導を促進するための溶
媒(難揮発性溶媒)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類、テトラヒドロフランなどのエーテル
類が挙げられる。
イオン伝導体層の厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがよ
り好ましい。導電性薄膜層の厚さは、10〜500μmであるのが好ましく、50〜300μmであ
るのがより好ましい。また、各層の製膜にあたっては、スピンコート、印刷、スプレー等
も用いることができる。さらに、押し出し法、射出法等も用いることができる。
本発明の1つの実施形態において、アクチュエータ素子は、例えば以下のようにして製
造することができる。
工程1.重合性イオン液体モノマーと架橋剤を重合架橋しポリマーイオンゲルを含むイオ
ン伝導体を作製する工程(架橋する際にモノマー液中に他のポリマーフィルムを浸すこと
によって、他のポリマーフィルムとの複合体にしてもよく、或いはモノマー溶液中の溶媒
として難揮発性の溶媒を用いることにより、最終的に難揮発性溶媒を含んだイオン伝導体
を作製してもよい)
工程2.カーボンナノチューブとポリマーを溶媒に分散し、展延後、溶媒を蒸発させて、
導電性薄膜を作製する工程
工程3.前記イオン伝導体と前記導電性薄膜を圧着により接合する工程。
本発明の他の実施形態において、アクチュエータ素子は、例えば以下のようにして製造
することができる。
工程A.カーボンナノチューブとポリマーを溶媒に分散し、展延後、溶媒を蒸発させて、
導電性薄膜を作製する工程
工程B.ポリマーを溶媒に分散し、展延後、溶媒を蒸発させて、ポリマーフィルムを作製
する工程
工程C.カーボンナノチューブとポリマーの導電性薄膜とポリマーを圧着により複合膜を
作製する工程
工程D.重合性イオン液体モノマーと架橋剤を溶媒中に含む溶液に工程3で作製した複合
膜を浸し、重合性イオン液体モノマーと架橋剤を重合架橋してポリマーを複合したイオン
伝導体を作製する工程、(モノマー溶液中の溶媒として難揮発性の溶媒を用いることによ
り、最終的に難揮発性溶媒を含んだイオン伝導体を作製する工程。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定さ
れないことは言うまでもない。
なお、本実施例において、アクチュエータ素子変位評価は、以下のようにして行った。
アクチュエータ素子変位評価法:図1に示す様にレーザー変位計を用い、素子を1mmx15
mmの短冊状に切り取り、電圧を加えた時の10mmあるいは5mmの位置の変位を測定した。
実施例1及び比較例1
PVdF-HFP/MOEコンポジットゲルによるアクチュエータの作製
ポリマーイオンゲルは、以下の様にして作製した。1Mのメタクリロイルオキシエチル
トリメチルアンモニウム(MOE)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TFSI)(MO
E-TFSI)(TREKSTER MOE-200, トレキオン株式会社)を原料モノマーとし、架橋剤として
その10mol%のエチレングリコールジメタクリレート、重合開始剤として10mMのアゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)をエチレンカーボネートに溶解したものを、100μmのスペーサー
を介した2枚のガラス板に流し込んだ。その中に、PVdF-HFP膜に含浸させ、80℃の恒温槽
で90分重合、架橋させることによって、ポリマーを複合化したコンポジットゲルを得た。
コンポジットゲルにすることによって、強度が増加し、アクチュエータとして、発生力な
どの特性が向上するとともに薄膜化が可能となる。このイオンゲルはアニオンのTFSIのみ
が可動イオンである。また、難揮発性溶媒であるエチレンカーボネートはゲルの溶媒とし
て残るが、ほとんど揮発しないため、空中での駆動が可能である。溶媒を加えることによ
って、イオン導電性は上昇する。
電極層には、単層カーボンナノチューブ(SWNT)(HiPco, CNI社) 5重量部に対し、ポリ
フッ化ビニリデンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)(Kynar Flex 2801,
アルケマ社)4重量部の割合で混錬後、製膜したものを炭素電極(約10μm)とした。
電極とイオンゲルの複合化は両薄膜を手で押し付けることで行った。さらにネジ式の小
型プレス等を用い接合強度を強くすることも可能である。
比較例として、電極層にSWNT25mg, PVdF-HFP40mg, イオン液体として1-エチル-3-メチ
ルイミダゾリウム (EMI)TFSI 121mgを溶媒DMAcに分散させた溶液からキャスト後、溶媒を
乾燥させて作製したものを用い、電解質層としてPVDF-HFP:EMITFSI の重量比1:1から
なるイオンゲルフィルムを用い、電極/イオンゲル/電極からなる厚さ68μmの素子を
圧着させることによって作製した。表1に実施例1と比較例1の変位データを示す。
Figure 0004931002
測定は固定端から10mmの位置を測定した。
実施例2 PVdF-HFP/MOEコンポジットゲルによるアクチュエータにおけるMOEモノマー仕
込み濃度の最適量
実施例1においてモノマーの仕込み濃度を1M、1.5M、2Mの3種類として、同様に素子
を作製した。表2に変位を測定した結果を示す。
Figure 0004931002
この接合体のキャパシタンスをサイクリックボルタンメトリー(CV)によって測定した結
果を表3に示す。
Figure 0004931002
表3の値は、MOEモノマーの濃度が小さい程、カーボン電極との接触が良好になっている
ことを示す。このことから、変位特性が表2に示す様にMOEモノマーが1Mの場合が最も変
位特性が優れている。このキャパシタンスの値はイオン液体を電極薄膜中に加えて作製し
たものとそれ程変わらないことから、ただ、手でおしつけることによって、ポリマー/カ
ーボンナノチューブ複合電極と本PVdF-HFP/MOEコンポジットゲルの3次元的な接触が成り
立っていることが示されていると考えられる。
また、このコンポジットゲルのインピーダンス法で測定した導電率を表4に示す。
Figure 0004931002
表2、表3、表4から分かる様にモノマーの仕込み比が小さいコンポジットゲルほど、
キャパシタンス、導電率が大きく、変位も大きかった。これは、相対的に溶媒であるエチ
レンカーボネートの量が多くなり、駆動できるカウンターイオンの割合が多くなるためで
あると考えられる。また、実験を行った範囲では、0.5Mのものではゲルフィルムができな
かった。従って、MOE-TFSの仕込み量1Mのものが最も今回の実験では最適と考えられる。
実施例3 PVdF-HFP/MOEコンポジットゲルにおいてカーボンナノチューブペーパーを電極
とした素子
コンポジットゲルは実施例1と同様に作製した。
電極として、カーボンナノチューブの活性剤水溶液をろ過することによって作製した自
立フィルム(バッキーペーパー)を電極として、コンポジットゲルの両面に手で押し付け
ることによるアクチュエータ素子を作製した。
0.1Hz, 2.5Vの方形波の電圧を加えた場合、2.1mmの変位を観測した。
実施例4 MOEゲルからなるアクチュエータ素子
コンポジットにしないMOEイオンゲルは、以下の様にして作製した。1M〜2Mのメタクリ
ロイルオキシエチル トリメチルアンモニウム(MOE)ビス(トリフルオロメチルスルホ
ニル)イミド(TFSI)(MOE-TFSI)を原料モノマーとし、架橋剤としてその10mol%のエチレン
グリコールジメタクリレート、重合開始剤として10mMのアゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)をエチレンカーボネートに溶解したものを、100μmのスペーサーを介した2枚のガラス
板に流し込んだ。次ぎに、80℃の恒温槽で90分重合、架橋させることによって、イオンゲ
ルを得た。このイオンゲルはアニオンのTFSIのみが可動イオンである。また、溶媒エチレ
ンカーボネートはゲルの溶媒として残るが、ほとんど揮発しないため、空中での駆動が可
能である。溶媒を加えることによって、イオン導電性は上昇する。
上記、イオンゲルの両面にPVdF-HFP薄膜に、PVDF-HFP膜に金をスパッタコート(約700
Å)したものを金電極としたものを、手で押し付けることによって、アクチュエータ素子
(厚さ200μm)を作製した。0.1Hz, 2.5Vの方形波電圧を加えると、カソード側への0.
3mmの変位が観測された。
次に、カーボンナノチューブとPVdF-HFPからなる電極を接合した素子で同様の実験を行
ったところ、同様の条件で1mmの変位があった。
以上、このコンポジットゲルを用いることにより低電圧駆動のソフトアクチュエータ素
子が、極めて簡便にえられる。また、導電性ポリマーなどの他の導電性薄膜への適用も容
易にできる。
実施例5 PVdF-HFP/MOE-CNT一体型アクチュエータ素子
コンポジットゲルは実施例1と同様に作製した。その際、含浸するPVDF-HFP膜の変わり
に、SWNTとPVdF-HFPから作製した電極を両面にあらかじめ接合したものを含浸し、重合、
架橋することによって、素子を得た。この場合、応答は、電極を後から接合した場合と異
なり、アノード側へ曲がった。応答量は前記実施例と同様程度のものが得られた。
本発明の実施例でアクチュエータ素子変位評価法に用いたレーザー変位計を示す。

Claims (9)

  1. イオン液体の陽イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーと、重合性部分を2以上含む架橋剤を重合させてなる架橋構造を有するポリマーイオンゲルを含むアクチュエータ用イオン伝導体であって、前記モノマーが1-ビニルイミダゾリウム、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウム、1-アルキル-3-ビニルベンジルイミダゾリウム、
    1-アルキル-3-アリルイミダゾリウム、1-アルキル-3-[2-(メタクリロイルオキシ
    )アルキル]イミダゾリウム、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、[2-(メタ
    クリロイルオキシ)アルキル]トリアルキルアンモニウムからなる群から選ばれる重合性陽イオン部分を含み、前記架橋剤がエチレングリコールジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンからなる群から選ばれる、アクチュエータ用イオン伝導体。
  2. 前記ポリマーイオンゲルが、テトラフルオロホウ酸イオン(BF 4 - )、BF 3 CF 3 - 、BF 3 C 2 F 5 -
    、BF 3 C 3 F 7 - 、BF 3 C 4 F 9 - 、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF 6 - )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン((CF 3 SO 2 ) 2 N-)、過塩素酸イオン(ClO 4 - )、トリス(ト
    リフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン(CF 3 SO 2 ) 3 C - )、トリフルオロメタンスルホ
    ン酸イオン(CF 3 SO 3 - )、ジシアンアミドイオン((CN) 2 N - )、トリフルオロ酢酸イオン(CF 3 COO - )、有機カルボン酸イオンおよびハロゲンイオンからなる群から選ばれる陰イオ
    ン部分を含む、請求項1に記載のアクチュエータ用イオン伝導体。
  3. イオン液体の陽イオン又は陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーと、重合性部分を2以上含む架橋剤を重合させてなる架橋構造を有するポリマーイオンゲルに、少なくとも1種の他のポリマーを複合させてなる、請求項1又は2に記載のアクチュエータ用イオン伝導体。
  4. さらにイオン伝導を促進するための溶媒を含み、該溶媒がエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類及びテトラヒドロフランからなる群から選ばれる、請求項1、2又は3に記載のアクチュエータ用イオン伝導体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のイオン伝導体層と導電性薄膜層からなる積層体。
  6. 請求項の積層体からなるアクチュエータ素子。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のイオン伝導体の表面に導電性薄膜層が互いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該導電性薄膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されているアクチュエータ素子。
  8. 前記導電性薄膜層がカーボンナノチューブとポリマーを含む、請求項のいずれかに記載のアクチュエータ素子。
  9. 前記導電性薄膜層が、請求項1に記載のポリマーイオンゲルとカーボンナノチューブを含むことを特徴とする、請求項のいずれかに記載のアクチュエータ素子。
JP2007067732A 2007-03-16 2007-03-16 ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4931002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007067732A JP4931002B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007067732A JP4931002B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008228542A JP2008228542A (ja) 2008-09-25
JP4931002B2 true JP4931002B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=39846487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007067732A Expired - Fee Related JP4931002B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4931002B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5004078B2 (ja) * 2007-04-24 2012-08-22 独立行政法人産業技術総合研究所 高アスペクト比のカーボンナノチューブを用いた高配向性電極によるアクチュエータ素子
JP5083911B2 (ja) * 2009-01-08 2012-11-28 独立行政法人産業技術総合研究所 カーボンナノチューブと重合性イオン液体およびイオン液体から構成されるアクチュエータ素子
JP5425608B2 (ja) * 2009-12-16 2014-02-26 本田技研工業株式会社 皮膜付イオンゲルの製造方法
JP5675321B2 (ja) 2010-12-22 2015-02-25 キヤノン株式会社 アクチュエータ
JP6067447B2 (ja) * 2013-03-26 2017-01-25 住友理工株式会社 導電材料およびトランスデューサ
CN115433307B (zh) * 2022-09-28 2023-11-10 福州大学 一种具有强弱离子簇的固态离子弹性体及其制备方法
KR20240085030A (ko) * 2022-12-07 2024-06-14 한국기술교육대학교 산학협력단 이온성 액체를 포함하는 마찰대전 나노발전기용 고분자 겔 및 이를 포함하는 마찰대전 나노발전기

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4038685B2 (ja) * 2003-12-08 2008-01-30 独立行政法人科学技術振興機構 アクチュエータ素子
JP2005223967A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟アクチュエータ
JP4918963B2 (ja) * 2004-10-08 2012-04-18 日清紡ホールディングス株式会社 針状または楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法
JP2006129541A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子アクチュエータデバイス
JP4691703B2 (ja) * 2005-03-31 2011-06-01 独立行政法人産業技術総合研究所 アクチュエータ素子およびその製造方法
JP2006306912A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Yokohama National Univ 物理的刺激応答非水系組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008228542A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4931002B2 (ja) ポリマーイオンゲルを用いたアクチュエータ素子及びその製造方法
Porcarelli et al. Single-ion block copoly (ionic liquid) s as electrolytes for all-solid state lithium batteries
JP4997773B2 (ja) アクチュエータ素子
JP4038685B2 (ja) アクチュエータ素子
Hara et al. Free-standing gel-like polypyrrole actuators doped with bis (perfluoroalkylsulfonyl) imide exhibiting extremely large strain
JP5083911B2 (ja) カーボンナノチューブと重合性イオン液体およびイオン液体から構成されるアクチュエータ素子
JP4256470B1 (ja) 導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法
Imaizumi et al. Printable polymer actuators from ionic liquid, soluble polyimide, and ubiquitous carbon materials
JP6128508B2 (ja) カーボンナノファイバーアクチュエータ
Samanta et al. Multifunctional hydrophilic poly (vinylidene fluoride) graft copolymer with supertoughness and supergluing properties
JP2011213862A (ja) イオン伝導性硬化性組成物
US10941233B2 (en) Electrically conducting hydrophilic co-polymers
US8946971B2 (en) Actuator
JP4691703B2 (ja) アクチュエータ素子およびその製造方法
JP2011050195A (ja) アクチュエータ
Gong et al. The application of controlled/living radical polymerization in modification of PVDF-based fluoropolymer
JP2008252958A (ja) アクチュエータ及びそれに使用する電極
JP2006050780A (ja) 導電性高分子アクチュエータ
JP6964855B2 (ja) 導電性薄膜、積層体、アクチュエータ素子及びその製造方法
Moon et al. Adhesive, free-standing, partially fluorinated comb copolymer electrolyte films for solid flexible supercapacitors
JP2009278787A (ja) アクチュエータ素子
Xu et al. Supramolecular Gel Electrolyte-Based Supercapacitors with a Comparable Dependence of Electrochemical Performances on Electrode Thickness to Those Based on Bulk Electrolyte Solutions
EP3282494B1 (en) Electroactive actuator, mechanical device including the same, and polymer electrolyte
CA3015289A1 (en) Cross-linked electronically active hydrophilic co-polymer
Song et al. Infilling of highly ion-conducting gel polymer electrolytes into electrodes with high mass loading for high-performance energy storage

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4931002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees