JP4930542B2 - 液晶パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
このような構造の液晶パネルにおいて、配向膜は、電極間に電圧を印加して液晶を配向させる液晶配向を制御するためのものである。
従来、配向膜の制御はラビングにより行われてきたが、近年、新しい配向制御技術が試みられている。
この方法によれば、従来プレチルトアングルを付与するために必要だった斜面を持った突起物が不要となるので、液晶パネルの製造工程が簡略化できる。したがって、液晶パネルの製造コストや製造時間を削減できると共に、突起物による影が無くなるので開口率を改善できる利点がある。
(1)特許文献2に記載された「液晶表示素子装置およびその製造方法」においては、第一の条件の紫外線照射と、重合速度が第一の条件の紫外線照射より大きい第二の条件の紫外線照射とを、この順に組み合わせて行う液晶表示装置の製造方法(特許文献2の段落0012の記載など参照)が提案されている。
具体的には、放射照度と積算強度が、第二の条件のほうが第一の条件よりも大きい条件で紫外線照射を行う。このようにすると、第一の条件の紫外線照射では、比較的緩やかな重合のため、配向異常の発生を抑えることができ、その後は重合速度を上げても問題なく、配向異常のない、あるいは抑制された液晶層を得ることができる。また、第二の条件の紫外線照射では310nm近辺の低波長成分の割合を多くすることが好ましいと書かれている(特許文献2の段落0037の記載など参照)。
すなわち、上記のような新しい配向制御を使う液晶パネルにおいては、液晶に紫外線に反応して重合を起こす紫外線反応材料が混合され、紫外線照射によりこの紫外線反応材料が重合する。しかし、液晶の中に未重合の紫外線反応材料が残っていると、液晶パネルに画面の焼きつきやVHR(ボルテージ・ホールディング・レシオ)の低下、コントラストの低下などが生じ信頼性が低下する。以下、これを紫外線反応材料の残存による信頼性の低下と呼ぶ。そのため、液晶に混合した紫外線反応材料は、残らず重合させてしまわなければならない。
ところが、この液晶のダメージ、変質、劣化が具体的にどのようなことを言うのか、またそれが照射される波長とどのような関連性があるのかは分かっておらず、紫外線反応材料を残らず重合させるために必要な光の波長の範囲や、短い波長の光が液晶に与える具体的な影響についても十分解明されていなかった。
即ち、現在のところ、液晶に紫外線反応材料を混合しこれに対して紫外線を照射し配向制御を行うMVA方式の液晶パネルの製造方法において、どのような波長範囲の光を、どのような割合で照射すれば、液晶パネルの信頼性を低下させることなく短時間で配向処理が可能であるかについては明らかにされていなかった。
まず、現在一般に使用されているVA(Vertical Alignment)用の負の誘電率異方性を有する液晶(メルク社製)について、光の波長に対する透過率を測定した。図1にその結果である、波長に対する液晶の透過率のグラフを示す。同図において、横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)である。
同図に示すように、液晶は波長330nm以上の領域では透過率は100%であり透明であるが、波長320nm以下の光は吸収されることがわかった。吸収された光は液晶分子を分解する。
即ち、液晶が光を吸収する波長以下の波長(320nmより短波長)の光を照射すると液晶は分解し、これにより、液晶パネルの信頼性の低下が引き起こされる。以下、これを液晶の分解による信頼性の低下と呼ぶ。
また、ここでは、上記光を吸収する波長の内、最も長波長の波長(光の波長を短くしていったときに光の吸収が始まる波長)を吸収端波長といい、図1に示した液晶は吸収端波長が320nmである。
以上のように、VA用の液晶である負の誘電率異方性を有する液晶は、その吸収端波長が320nmであり、320nmで透過率が低下していくものである。
即ち、液晶パネルの、画面の焼け付きVHRの低下、コントラストの低下といった信頼性の低下は、上記した吸収端波長以下の光を照射することにより生ずる液晶の分解に起因するものと、前記した紫外線反応材料の残存に起因するものと考えられる。
同図において、横軸は波長(nm)、縦軸は紫外線反応材料の吸光度(任意単位)である。なお、測定には液晶と紫外線反応材料とを混合した材料を用い、紫外線反応材料の濃度を、1%以下の例えば、0.1w%(W%とは重量パーセントを指す)にした場合と、0.01w%にした場合の2種類について測定した。材料の厚さは15μm以下である。
同図に示すように、紫外線反応材料は、濃度の高い(例えば0.1w%)状態においては、波長370nm以下の領域において光を吸収する。即ち、紫外線反応材料の吸収端波長は370nmであり、波長370nm以下の光を照射すると重合反応を生じる。
以上のように、波長370nm以下の光で重合反応を生じる紫外線反応材料であっても、波長330nm以下の光を照射しないと、残り10%の(濃度0.01w%の)反応材料を重合させることができないことがわかった。
すなわち、紫外線反応材料を残らず重合させるためには、前記液晶の吸収端波長(波長320nm)以下の光も照射する必要がある。
なお、波長370nmより長波長で重合反応を生じる紫外線反応材料の使用も考えられるが、波長370nmより長波長で重合反応が生じる紫外線反応材料を使用すると、自然光でも重合反応をしてしまう恐れがあり、取り扱いが難しくなる等の理由から、MVA方式の液晶パネルの製造において液晶に含ませる紫外線反応材料としては、図2に示したように波長370nm以下の光で重合反応を生じる紫外線反応材料が使用されている。
すなわち、上記実験により、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下を防ぐため、液晶に含ませる紫外線反応材料のすべてを重合反応させるためには、吸収端波長(320nm)以下の光を照射することが必要である。しかし、吸収端波長(320nm)以下の光を照射すると、液晶の分解による信頼性の低下が生じ、この相反する要求を満たすように光を照射する必要があることがわかった。
そのため、その両方が成り立つように、すなわち、上記液晶の吸収端波長(波長320nm)より短波長の光を、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下が生じないように、すべての紫外線反応材料が重合反応を生じる照射量を超えるが、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲になるように制御して照射する必要があることとなる。とはいえ、液晶の吸収端波長(波長320nm)以下の光のみでは、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えてはならないので、すべての紫外線反応材料を残らず重合させるための照射量として不足し、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下が生じる。
そのため、液晶パネルに光を照射する際、液晶の吸収端波長より短波長の光(例えば波長範囲300nm〜320nmの光)の照射量よりも、液晶の吸収端波長より長波長の光(例えば波長範囲320nm〜360nmの光)の照射量の方を多くする。
これにより、紫外線反応材料の大部分を高速に重合反応させることができ、かつ、吸収端波長以上の光では実質的に反応しない反応材料を、比較的に短い処理時間で残らず重合反応させることができる。
なお、液晶の吸収端波長より短波長の光の照射量は、前記したように、すべての紫外線反応材料が重合反応を生じる照射量を超えるが、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲になるように制御して照射することが望ましい。
そのような光源として、蛍光体ランプ、ヨウ素エキシマランプがあげられる。なお、ヨウ素エキシマランプにキセノンを封入すると、キセノンの封入量によって波長範囲300nm〜320nmの放射照度を変化させることができ、照射量を最適に制御することができる。
以上に基づき、本発明においては、次のようにして前記課題を解決する。
(1)紫外線反応性材料を含有する液晶を内部に封入したMVA方式の液晶パネルに対し、光を照射し、上記紫外線反応性材料を反応させて、上記液晶パネルの内部に配向部を形成する液晶パネルの製造方法において、上記照射する光には、液晶の吸収端波長より長波長である波長範囲が320nm〜360nmの光と、液晶の吸収端波長より短波長である波長範囲が300nm〜320nmの光が含まれ、上記光を照射する光源は、波長範囲300nm〜320nmの放射照度よりも波長範囲320nm〜360nmの放射照度の方が大きい、希ガスが封入され誘電体バリヤ放電により該希ガスにより発生した紫外光により蛍光体を励起する蛍光体ランプであり、波長300nm〜360nmの光量を100としたときの、波長300nm〜320nmの光量が20以下である。
ここで、上記液晶は、吸収端波長が320nm(波長320nm以下の波長で光を吸収する)の負の誘電率異方性を持つものであり、上記光反応性物質として、光反応性物質の濃度が1w%未満、厚さが15μm以下の状態で、吸収端波長が370nm(波長370nm以下の波長で反応を起こす)のものを用いる。
(2)紫外線反応性材料を含有する液晶を内部に封入したMVA方式の液晶パネルに対し、光を照射し、上記紫外線反応性材料を反応させて、上記液晶パネルの内部に配向部を形成する液晶パネルの製造方法において、上記照射する光には、液晶の吸収端波長より長波長である波長範囲が320nm〜360nmの光と、液晶の吸収端波長より短波長である波長範囲が300nm〜320nmの光が含まれ、上記光を照射する光源は、ヨウ素エキシマランプであり、波長300nm〜360nmの光量を100としたときの、波長300nm〜320nmの光量を20以下である。
(3)上記(2)において、ヨウ素エキシマランプには、キセノンが封入されている。
(1)照射する光に、液晶の吸収端波長(例えば波長320nm)より長波長の光と、液晶の吸収端波長より短波長の光を含ませ、上記長波長の光の照射量を、上記短波長の光の照射量よりも大きくし、液晶の吸収端波長(例えば波長320nm)以下の光を、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下が生じないように、すべての紫外線反応材料が重合反応を生じる照射量を超えるが、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲で照射することで、短時間で紫外線反応材料を残らず重合させることができ、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下も、液晶の分解による信頼性の低下も生じることがない。
(2)液晶パネルに光を照射する光源として、波長範囲300nm〜320nmの放射照度よりも波長範囲320nm〜360nmの放射照度を備えた、希ガスが封入され誘電体バリヤ放電により該希ガスにより発生した紫外光により蛍光体を励起する蛍光体ランプ、ヨウ素エキシマランプ、キセノンを封入したヨウ素エキシマランプを使用することにより、短時間で確実に、このプロセスを実施することができる。
液晶パネルの製造装置(紫外線照射装置)は、光照射部1と液晶パネル3を載置するワークステージ2とを備える。ワークステージ2には、載置した液晶パネル3に電圧を印加する機構2aが設けられている。ワークステージ2に載置した液晶パネル3に対して、前記特許文献1に記載されるように電圧を印加しながら光照射部1からの光を照射する。
液晶パネル3は、前述したように2枚の光透過性基板(ガラス基板)3a,3bの間に紫外線反応材料を含んだ液晶3cを封入した構造であり、同図は概念図を示したものであるが、前述したようにガラス板上に、多数のアクティブ素子(TFT)と液晶駆動用電極、カラーフィルタ、透明電極(ITO)が形成されており、シール剤3dにて周囲が封止されている。
光照射部1は、光源(ランプ)1aとミラー1bとを備え、光源(ランプ)1としては、液晶の吸収端波長である320nm以下の光(波長320nmより短波長の光)と、吸収端波長である波長320nm以上の光(波長320nmより長波長の光)とを含み、波長320nm以上の光の照射量が、波長320nm以下の光の照射量よりも大きいものが使用される。なお、波長320nm以下の光の成分は、前記したようにすべての紫外線反応材料が重合反応を生じる照射量を超えるが、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲で照射される。
上記光源1aとして、例えば、蛍光体ランプ、ヨウ素エキシマランプ、キセノンを封入したヨウ素エキシマランプを使用することができる。
これらのランプは、赤外光等の配向処理に不要な光を放射せず、基板の温度上昇等を防ぐことができる。
蛍光体ランプ10は、内側管111と外側管112がほぼ同軸に配置された略二重管構造の容器(発光管)11を有し、この容器11の両端部11A,11Bが封着されることで、内部に円筒状の放電空間Sが形成される。放電空間Sにはキセノン、アルゴン、クリプトンなどの希ガスが封入される。
容器11は石英ガラスからなり、内周面には低軟化点ガラス層14が設けられ、この低軟化点ガラス層14の内周面に、さらに蛍光体層15が設けられる。
この低軟化ガラス層14は、例えば、ホウケイ酸ガラスやアルミノケイ酸ガラスなどの硬質ガラスが用いられる。また、蛍光体層15は、例えば、セリウム付活アルミン酸マグネシウムランタン(La−Mg−Al−O:Ce)蛍光体が用いられる。
内側管111の内周面には電極12が設けられ、外側管112の外周面には網状の電極13が設けられる。これら電極12,13は容器11と放電空間Sを介在されて配置していることになる。
電極12,13は、リード線W11,W12を介して電源装置16が接続される。電源装置16より高周波電圧が印加されると、電極12,13間に誘電体(111,112)を介在させた放電(いわゆる誘電体バリア放電)が形成され、キセノンガスの場合は波長172nmの紫外光が発生する。ここで得られる紫外光は、蛍光体の励起用の光であり、蛍光体層を照射することにより、中心波長が340nm近辺の紫外光が放射される。
図5において、ランプ20は一対の電極22、23を有し、電極22、23は容器(発光管)21の外周面に配設され、電極22,23の外側には保護膜24が設けられる。
容器21の内周面の光出射方向側に対して反対側の内面に紫外線反射膜25が設けられ(図5(b)参照)、その内周に低軟化点ガラス層26が設けられ、この低軟化点ガラス層26の内周面に、蛍光体層27が設けられる。
その他の構成は図4に示したものと同様であり、容器21内の放電空間Sに封入されるガス、蛍光体層25に用いられる蛍光体も同様である。
電極22,23に高周波電圧が印加されると、電極22,23間に誘電体バリア放電が形成され、前記したように紫外光が発生する。これにより蛍光体が励起され、蛍光体層から中心波長が340nm近辺の紫外光が発生し、この光は紫外線反射膜25で反射され、紫外線反射膜25が設けられていない開口部分から外部に放射される。
図6に蛍光体ランプの分光放射スペクトルを示す。同図に示すように、蛍光体ランプは波長300nm〜360nm以上の光を放射する。
ランプ30は、例えば石英ガラスなどの誘電体材料によって、断面が略方形状の放電容器31を備える。容器31には長手方向の両端近傍に封止部材34が配置される。また、容器31の上下の壁面35、36のそれぞれの外表面には、メッシュ状の電極32、33が、容器31の内部に形成された放電空間Sおよび容器31を構成する誘電体材料を挟んで対向するように設けられている。
さらに、容器31の内部には、例えばSiO2 を主成分として含む紫外線反射膜37が光出射方向側の壁面35に対して反対側の壁面36に形成されており、放電空間S内で発生した紫外線が紫外線反射膜37によって光出射方向に反射されて光出射方向側に位置する壁面35から出射するようになっている。
なお、図4、図5に示したランプは容器の内面に蛍光体を有しているのに対し、図7に示したランプは蛍光体を有していない点で異なるが、誘電体を介在させた放電(誘電体バリア放電)を利用している点では共通している。
図8にヨウ素エキシマランプの分光放射スペクトルを示す。同図に示すように、ヨウ素エキシマランプは波長310nm〜350nmの光を放射する。
封入ガスは、ヨウ素ガス、キセノンガスのほか、バッファガスとしてクリプトンガスが封入される。全圧で40〜130kPaである。このうち、ヨウ素ガスの濃度は0.05〜1.0%、キセノンガスの濃度は0.05〜2%程度封入される。
放射波長は342nmと320nmにピークを有するが、ヨウ素ガスとキセノンガスの封入量の相対的なバランスにより両者の放射量が変化する。
図9にキセノン入りヨウ素エキシマランプの分光放射スペクトルを示す。同図に示すように、キセノン入りヨウ素エキシマランプは波長310nm〜350nmの光を放射する。なお、キセノン入りヨウ素エキシマランプは、封入するキセノンの量を変化させることにより、波長320nm付近の光量(ピークの大きさ)を自由に変化させることができる。
また、このランプを用いると、キセノンの封入量を変化させることにより、波長320nm付近の光量(ピークの大きさ)を自由に変化させることができる。
このため、波長範囲300nm〜320nmの光と、波長範囲を320nm〜360nmの光の比率を自由に設定することができ、また、波長320nm以下の光の照射量を、すべての紫外線反応材料が重合反応を生じる照射量を超えるが、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲で設定することが、容易に可能になる。
具体的には、塩素ガス、キセノンガスと、バッファガスとしてアルゴンガスが封入される。全圧で30kPa程度である。このうち、塩素ガスの濃度は0.5〜1.0%程度、キセノンガスの濃度は90〜95%程度、アルゴンガスの濃度は1.0〜3.0%程度封入される。放射波長は308nmである。
図10にXeClエキシマランプの分光放射スペクトルを示す。同図に示すように、XeClエキシマランプは、波長308nmに発光のピークを有する、波長290nm〜320nmの範囲の光を放射する。
図4、図5に示したランプは、容器内面に蛍光体を塗布させて、蛍光体によって所望の光を得ているのに対して、図7に示したヨウ素エキシマランプ、キセノン入りヨウ素エキシマランプ、キセノン入り塩素エキシマランプは蛍光体を使うことなく、これら封入物の発光により所望の光を得ている点で相違する。
なお、図4、図5に示す構造のランプにおいて、蛍光体を取り除けば、ヨウ素エキシマランプ、キセノン入りヨウ素エキシマランプ、キセノン入り塩素エキシマランプをして使うことは当然できるし、また、図7に示す構造のランプにおいて、蛍光体を塗布させれば、キセノン、アルゴン、クリプトンなどの希ガスのみでランプを構成することもできる。
まず、紫外線反応材料を含む液晶に対して、波長320nm以下の光は、液晶の分解による品質低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲で照射しなければならないことを確認する実験を行った。その結果を表1に示す。
XeClエキシマランプは、前述したようにキセノンガスと塩素ガスが封入されたエキシマランプであり、図10に示したように波長308nmに発光のピークを有し、波長290nm〜320nmの範囲の光を放射する。
一方、照射量が0(照射なし)〜1J/cm2 の場合は、液晶の分解は生じていないが、パネルの信頼性は低下した。これは、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下が生じたと考えられる。
そして、2J/cm2 〜5J/cm2 の照射量で照射すると、液晶の分解は生じず、パネルの信頼性も良好であった。このことは、すべての紫外線反応材料が重合反応を生じ、紫外線反応材料が残存していないことを示している。
以上より、波長320nm以下の光の、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下が生じないように、すべての紫外線反応材料が重合反応を生じる照射量を超えるが、液晶の分解による信頼性の低下が生じる照射量の閾値を超えない範囲は、2J/cm2 〜5J/cm2 の照射量であることが分かった。
<条件1>:XeClエキシマランプからの波長290nm〜320nmの光を20J/cm2 の照射量で照射する。
<条件2>:蛍光体ランプからの光を20J/cm2 の照射量で照射する。
なお、蛍光体ランプは前述した図6に示すように波長300nm〜360nm以上の光を放射する。
<条件3>:ヨウ素エキシマランプからの光を20J/cm2 の照射量で照射する。
ヨウ素エキシマランプは、前述した図8に示すように波長310nm〜350nmの光を放射する。
<条件4>:キセノン入りヨウ素エキシマランプからの光を20J/cm2 の照射量で照射する。
キセノン入りヨウ素エキシマランプは、前述した図9に示すように、波長310nm〜350nmの光を放射する。
このように、蛍光体ランプ、ヨウ素エキシマランプ、キセノン入りエキシマランプを使用すれば、液晶の分解による信頼性の低下も、紫外線反応材料の残存による信頼性の低下もなく、液晶パネルを製造することができる。
1a 光源(ランプ)
1b ミラー
2 ワークステージ
2a 電圧を印加する機構
3 液晶パネル
3a,3b 光透過性基板(ガラス基板)
3c 紫外線反応材料を含んだ液晶
3d シール剤
10,20,30 ランプ
11 容器(発光管)
12,13 電極
15,27 蛍光体層
21 容器(発光管)
22,23 電極
31 放電容器
32,33 電極
24,37 紫外線反射膜
Claims (3)
- 紫外線反応性材料を含有する液晶を内部に封入したMVA方式の液晶パネルに対し、
光を照射し、上記紫外線反応性材料を反応させて、上記液晶パネルの内部に配向部を形成する液晶パネルの製造方法において、
上記照射する光には、液晶の吸収端波長より長波長である波長範囲が320nm〜360nmの光と、液晶の吸収端波長より短波長である波長範囲が300nm〜320nmの光が含まれ、
上記光を照射する光源は、波長範囲300nm〜320nmの放射照度よりも波長範囲320nm〜360nmの放射照度の方が大きい、希ガスが封入され誘電体バリヤ放電により該希ガスにより発生した紫外光により蛍光体を励起する蛍光体ランプであって、
波長300nm〜360nmの光量を100としたときの、波長300nm〜320nmの光量は20以下である
ことを特徴とする液晶パネルの製造方法。 - 紫外線反応性材料を含有する液晶を内部に封入したMVA方式の液晶パネルに対し、
光を照射し、上記紫外線反応性材料を反応させて、上記液晶パネルの内部に配向部を形成する液晶パネルの製造方法において、
上記照射する光には、液晶の吸収端波長より長波長である波長範囲が320nm〜360nmの光と、液晶の吸収端波長より短波長である波長範囲が300nm〜320nmの光が含まれ、
上記光を照射する光源は、ヨウ素エキシマランプであって、
波長300nm〜360nmの光量を100としたときの、波長300nm〜320nmの光量は20以下である
ことを特徴とする液晶パネルの製造方法。 - 上記ヨウ素エキシマランプには、キセノンが封入されている
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶パネルの製造方法。
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