ところで、錠剤カセット1000とチャッキング装置2000との最も適した相対位置があるが、その部品段階や組み立て段階でのバラツキから、個々の錠剤カセット1000が常に設計どおりの位置にくるわけではなく、いわゆるカセット位置のずれを生じる。そして、かかるカセット位置のずれが、PTP錠剤シートのチャックエラーを生じる要因となっている。
上記従来技術では、前壁体1020の上部には正方形のマーカー1021と直角三角形のマーカー1022とが塗装又は印刷されているが、これらはチャッキング装置2000に搭載されている図示しない位置検出センサにより検出されて、調剤動作時に錠剤カセット1000に対する前記ヘッド装置の上下・左右方向の相対位置決めを行うためのものである。
しかしながら、前記カセット位置のずれは、上下・左右方向だけの平面的なものに限らず、さらに前後方向を加えた三次元的なものであることが多い。したがって、上記従来技術では、三次元のカセット位置のずれに起因するPTP錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれがあった。同様に、前記カッティング装置の三次元の位置ずれに起因するPTP錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれもあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、三次元のカセット位置のずれやカッティング装置の三次元の位置ずれに起因するPTP錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれのない調剤装置のシート取り扱い方法及びその装置を提供することを目的とする。
第一の発明(方法)は、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出す第一の工程と、この取り出された錠剤シートをカッティングユニットでカッティングする第二の工程とを備えた調剤装置のシート取り扱い方法であって、前記錠剤カセット及び前記カッティングユニットのうちの少なくとも一方の三次元位置を検出する工程をさらに備えたことを特徴とするものである。
第一の発明によれば、前記錠剤カセット及び前記カッティングユニットのうちの少なくとも一方の三次元位置が検出されるので、錠剤カセットやカッティングユニットの位置の三次元のずれをなくして、かかる三次元の位置ずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくすことができる。
したがって、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出し、この取り出された錠剤シートをカッティングユニットでカッティングする際に、錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
なお、三次元の位置ずれとは、例えば上下・左右方向の位置ずれに、前後方向の位置ずれを加えたものをいう。
請求項2記載の発明のように、前記錠剤カセットの三次元位置を検出する工程を、前記第一の工程の前に備えることが好ましい。
請求項2記載の発明によれば、前記錠剤カセットの三次元位置を検出する工程を、前記第一の工程の前に備えているので、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出す際に、カセット位置の三次元のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項3記載の発明のように、前記カッティングユニットの三次元位置を検出する工程を、前記第二の工程の前に備えることが好ましい。
請求項3記載の発明によれば、前記カッティングユニットの三次元位置を検出する工程を、前記第二の工程の前に備えているので、チャッキングユニットでチャッキングして錠剤カセット外に取り出された錠剤シートを、カッティングユニットでカッティングする際に、カッティングユニットの三次元のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項4記載の発明のように、前記カッティングされた錠剤シートの残部をチャッキングユニットでチャッキングして前記錠剤カセットの残部収納部に収納する第三の工程をさらに備えており、前記錠剤カセットの三次元位置を検出する工程を、前記第三の工程の前に備えることが好ましい。
請求項4記載の発明によれば、前記カッティングされた錠剤シートの残部をチャッキングユニットでチャッキングして前記錠剤カセットの残部収納部に収納する第三の工程をさらに備えており、前記錠剤カセットの三次元位置を検出する工程を、前記第三の工程の前に備えているので、前記カッティングされた錠剤シートの残部をチャッキングユニットでチャッキングして前記錠剤カセットの残部収納部に収納する際に、カセット位置の三次元のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その残部の良好な取り扱いができるようになる。
第二の発明(装置)は、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングして該錠剤カセット外に取り出すチャッキングユニットと、この取り出された錠剤シートをカッティングするカッティングユニットとを備えた調剤装置のシート取り扱い装置であって、前記錠剤カセット及び前記カッティングユニットのうちの少なくとも一方の三次元位置を検出する検出手段を備えたことを特徴とするものである。
第二の発明によれば、前記第一の発明と同様の作用効果を奏する。
請求項6記載の発明のように、前記チャッキングユニットは、前記錠剤カセットに対して相対移動可能であり、前記検出手段は、前記錠剤カセットに設けられ、該錠剤カセットの上下方向及び左右方向のカセット位置を示す第一のカセット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第一のカセット位置検出部で検出するとともに、前記錠剤カセットに設けられ、該錠剤カセットの前後方向のカセット位置を示す第二のカセット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第二のカセット位置検出部で検出するものであることが好ましい。
請求項6記載の発明によれば、前記チャッキングユニットは、前記錠剤カセットに対して相対移動可能であり、前記検出手段は、前記錠剤カセットに設けられ、該錠剤カセットの上下方向及び左右方向のカセット位置を示す第一のカセット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第一のカセット位置検出部で検出するとともに、前記錠剤カセットに設けられ、該錠剤カセットの前後方向のカセット位置を示す第二のカセット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第二のカセット位置検出部で検出するものであるので、簡単な構成で、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出す際に、カセット位置の三次元のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項7記載の発明のように、前記第一のカセット位置被検出部は、前記チャッキングユニットに対向する側に設けられた光反射部であり、前記第一のカセット位置検出部は、この光反射部に投光してその反射光を受光する光センサであることが好ましい。
請求項7記載の発明によれば、前記第一のカセット位置被検出部は、前記チャッキングユニットに対向する側に設けられた光反射部であり、前記第一のカセット位置検出部は、この光反射部に投光してその反射光を受光する光センサであるので、より簡単でかつ安価な構成で、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出す際に、カセット位置の上下方向及び左右方向のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項8記載の発明のように、前記チャッキングユニットは、前記錠剤シートをチャッキング可能となるように該チャッキングユニットを駆動するサーボモータを備えており、前記第二のカセット位置被検出部は、前記錠剤カセットのチャッキングユニットに対向する側に設けられた被押圧部であり、前記第二のカセット位置検出部は、この被押圧部に前記チャッキングユニットが当接したときのサーボモータの駆動電流の変化を検出するものであることが好ましい。
請求項8記載の発明によれば、前記チャッキングユニットは、前記錠剤シートをチャッキング可能となるように該チャッキングユニットを駆動するサーボモータを備えており、前記第二のカセット位置被検出部は、前記錠剤カセットのチャッキングユニットに対向する側に設けられた被押圧部であり、前記第二のカセット位置検出部は、この被押圧部に前記チャッキングユニットが当接したときのサーボモータの駆動電流の変化を検出するものであるので、より簡単でかつ安価な構成で、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出す際に、カセット位置の前後方向のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項9記載の発明のように、前記チャッキングユニットは、前記カッティングユニットに対して相対移動可能であり、前記検出手段は、前記カッティングユニットに設けられ、該カッティングユニットの上下方向及び左右方向の位置を示す第一のカッティングユニット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第一のカッティングユニット位置検出部で検出するとともに、前記カッティングユニットに設けられ、該カッティングユニットの前後方向の位置を示す第二のカッティングユニット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第二のカッティングユニット位置検出部で検出するものであることが好ましい。
請求項9記載の発明によれば、前記チャッキングユニットは、前記カッティングユニットに対して相対移動可能であり、前記検出手段は、前記カッティングユニットに設けられ、該カッティングユニットの上下方向及び左右方向の位置を示す第一のカッティングユニット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第一のカッティングユニット位置検出部で検出するとともに、前記カッティングユニットに設けられ、該カッティングユニットの前後方向の位置を示す第二のカッティングユニット位置被検出部を、前記チャッキングユニットに搭載された第二のカッティングユニット位置検出部で検出するので、簡単な構成で、チャッキングユニットでチャッキングして錠剤カセット外に取り出された錠剤シートを、カッティングユニットでカッティングする際に、カッティングユニットの三次元のずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項10記載の発明のように、前記第一のカッティングユニット位置被検出部は、前記チャッキングユニットに対向する側に設けられた光反射部であり、前記第二のカッティングユニット位置検出部は、この光反射部に投光してその反射光を受光する光センサであることが好ましい。
請求項10記載の発明によれば、前記第一のカッティングユニット位置被検出部は、前記チャッキングユニットに対向する側に設けられた光反射部であり、前記第二のカッティングユニット位置検出部は、この光反射部に投光してその反射光を受光する光センサであるので、より簡単でかつ安価な構成で、チャッキングユニットでチャッキングして錠剤カセット外に取り出された錠剤シートを、カッティングユニットでカッティングする際に、カッティングユニットの上下方向及び左右方向の位置ずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項11記載の発明のように、前記チャッキングユニットは、前記錠剤シートをチャッキング可能となるように該チャッキングユニットを駆動するサーボモータを備えており、前記第二のカッティングユニット位置被検出部は、前記チャッキングユニットに対向する側に設けられた被押圧部であり、前記第二のカッティングユニット位置検出部は、この被押圧部に前記チャッキングユニットが当接したときのサーボモータの駆動電流の変化を検出するものであることが好ましい。
請求項11記載の発明によれば、前記チャッキングユニットは、前記錠剤シートをチャッキング可能となるように該チャッキングユニットを駆動するサーボモータを備えており、前記第二のカッティングユニット位置被検出部は、前記チャッキングユニットに対向する側に設けられた被押圧部であり、前記第二のカッティングユニット位置検出部は、この被押圧部に前記チャッキングユニットが当接したときのサーボモータの駆動電流の変化を検出するものであるので、より簡単でかつ安価な構成で、チャッキングユニットでチャッキングして錠剤カセット外に取り出された錠剤シートを、カッティングユニットでカッティングする際に、カッティングユニットの前後方向の位置ずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくして、その錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
請求項12記載の発明のように、前記第一のカセット位置検出部は、前記第一のカッティングユニット位置検出部を兼ねることが好ましい。
請求項12記載の発明によれば、前記第一のカセット位置検出部は、前記第一のカッティングユニット位置検出部を兼ねているので、より簡単で安価な構成となるとともに、その装置のコンパクト化が図られる。
請求項13記載の発明のように、前記第二のカセット位置検出部は、前記第二のカッティングユニット位置検出部を兼ねることが好ましい。
請求項13記載の発明によれば、前記第二のカセット位置検出部は、前記第二のカッティングユニット位置検出部を兼ねているので、より簡単で安価な構成となるとともに、その装置のコンパクト化が図られる。
第一、第二の発明によれば、前記錠剤カセット及び前記カッティングユニットのうちの少なくとも一方の三次元位置が検出されるので、錠剤カセットやカッティングユニットの位置の三次元のずれをなくして、かかる三次元の位置ずれに起因する錠剤シートのチャックエラーを生じるおそれをなくすことができる。
したがって、錠剤カセット内に積載された錠剤シートをチャッキングユニットでチャッキングして該錠剤カセット外に取り出し、この取り出された錠剤シートをカッティングユニットでカッティングする際に、錠剤シートの良好な取り扱いができるようになる。
図1は本発明の一実施形態に係る調剤装置1の主たる構成要素を示す分解斜視図である。
図1に示すように、この調剤装置1は、箱状の装置本体100の奥側左右に2台設けられたYキャリッジ200,200と、これらのYキャリッジ200,200にそれぞれ支持されたXキャリッジ300,300と、これらのXキャリッジ300,300にそれぞれ支持されたチャッキングユニット400,400と、前記装置本体100の手前側左右に2台設けられ、複数の各錠剤カセット500,500,・・・を左右方向に並べて搭載可能なカセット棚600,600と、これらのカセット棚600,600の下部にそれぞれ配置されたカッティングユニット700,700と、左右のカセット棚600,600の下方に、両カセット棚600,600の左右両端間に亘って配置された1台の搬送コンベアユニット800とを備えている。
以下、複数存在する構成要素については、その代表的なものについて説明する。
Yキャリッジ200は、サーボモータ210と、このサーボモータ210で駆動される縦軸方向(図1中のY方向)のボールネジ220と、ボールネジ220の左右にそれぞれ配置された縦ガイド230,230と、ボールネジ220の回転により上下動するナット240とを備えており、Xキャリッジ300は、縦ガイド230,230に案内されつつ、ボールネジ220の回転によりナット240とともに上下動するキャリッジ本体310と、このキャリッジ本体310上に、サーボモータ410と、このサーボモータ410で駆動される横軸方向(図1中のX方向)のボールネジ415と、図示しないナットとを備えている。
図2は錠剤カセット500のチャッキングユニット400に対向する側から見た斜視図、図3はシート頭出し前の状態を示す側断面図,図4はシート頭出し時の状態を示す側断面図である。なお、以下では、錠剤カセット500のチャッキングユニット400に臨む側を前、その反対側を後という。
本実施形態における錠剤カセット500は、積載される各種PTP錠剤シート(錠剤シートに相当する。)900よりも若干幅広に形成されている。したがって、錠剤カセット500としては、各種PTP錠剤シート900の有する幅に応じて、幅寸法のみが異なるものが複数用意される。それらの具体的な構成は、いずれも図2に示すように、断面凹状をなす長尺のカセット基部510と、このカセット基部510の長手方向から着脱自在に嵌合されるカセット本体520とからなっている。
カセット基部510の底板511の裏面側には、図3,図4に示すように、側面視L字状の突起512,512が前後(及び左右)にそれぞれ形成され、その底板511の後端は上方に屈曲されて弾性を有する舌片513が形成されている。前記底板511の後部の表面側には断面逆凹状の支持部材514が形成され、この支持部材514で片持ち支持される左右二条の舌片515,515がそれぞれ前部に向かって先下がりに形成されている。なお、支持部材514と、舌片515,515とは、前記図2に示すように、ともにカセット基部510の左右側壁516,517内に配置されており、この舌片515,515でPTP錠剤シート900,900,・・・の端数分がチャッキングされるようになっている。ただし、前記舌片515の条数は二条に限定されず、一条でもよいし、三条以上であってもよい。
カセット本体520は、さらに複数のPTP錠剤シート900,900,・・・を積載可能な本体上部530と、この本体上部530の下部に一体となるように取り付けられた本体下部540とからなっている。
本体下部540は、カセット本体520のカセット基部510への組み立て状態で、該カセット基部510の左右側壁516,517内に埋没して配置されるものであるが、その単体で見ると、断面凹状の長尺形状をなした底板541上に前記本体上部530の一番下に積載されたPTP錠剤シート900を順次に取り出すための図略のリンク機構を備えている。
本体上部530は、図2に示すように、カセット本体520のカセット基部510への組み立て状態で、その後部から中間部にかけてカセット基部510の左右側壁516,517内に埋没して配置され、その中間部から前部にかけてカセット基部510の左右側壁516,517の上方に突出して配置される側面視L字状をなしており、当該突出させた左右両側壁5311,5312が前端で互いに内側に屈曲されることにより、所定の間隙を介して対向配置されることで、前壁531を形成している。左右両側壁5311,5312の上端同士は補強板532で互いに連結されている。
この本体上部530の前面には、図2に示すように、各錠剤シート900,900,・・・のカセット仕様を検出するためのICタグ534が取り付けられており、その直上にはカセット位置検出用の光反射部(第一のカセット位置被検出部、検出手段に相当する。)535が形成されている。そして、チャッキングユニット400に搭載されたリーダー431で前記ICタグ534に記憶されたカセット仕様情報等を非接触で読み取ることができるようになっており、また、光センサ(第一のカセット位置検出部、検出手段に相当する。)432で前記光反射部535により上下方向及び左右方向のカセット位置情報を非接触で読み取ることができるようになっている。
本体上部530の後部には、棒状部材533が起伏可能に立設されており、PTP錠剤シート900,900,・・・の充填時に倒伏させて、前記前壁531間にPTP錠剤シート900,900,・・・を挟み込んだ状態で、この棒状部材533を起立させることで、各PTP錠剤シート900,900,・・・を整列させるようになっている。
図5はチャッキングユニット400の概略構成を示す側面図である。なお、図5中、チャック430は移動の前後の状態を示している。また、同図5中、錠剤カセット500、カッティングユニット700に対向する側を前、その反対側を後という。
チャッキングユニット400は、図1,図5に示すように、キャリッジ本体310から前方(図1中のZ方向)に延びるZキャリッジ411と、このZキャリッジ411に配置されたロータリーソレノイド420と、このロータリーソレノイド420で駆動されるチャック430と、このチャック430の左右にそれぞれ配置された横ガイド440,440と、横ガイド440,440間の下部に設けられた一次バケット450と、この一次バケット450の前部に設けられたラインセンサー460と、一次バケット450の下方に設けられたシャッター470付きの二次バケット480とを備えている。
さらに説明すると、Zキャリッジ411は、図5に示すように、サーボモータ425と、ボールネジ426と、ナット427とからなっている。
また、ロータリーソレノイド420は、キャリッジ本体310に敷設された横ガイド440のレール上を転動可能な車輪434,434付きの台車435の後部に固定されており、台車435は前記ナット427に固定されている。したがって、サーボモータ425の駆動によりボールネジ426が回転されることで、台車435が前後方向に移動可能となっている。
この台車435の前端で錠剤カセット500の前壁531の適当箇所(第二のカセット位置被検出部、検出手段に相当する。)を押圧すると、サーボモータ425の負荷が増大してその駆動電流が増大するので、この駆動電流の変化により錠剤カセット500の前後方向の位置を検出することができるようになっている(第二のカセット位置検出部、検出手段に相当する)。
さらに、この台車435の前部にはチャック430の下爪432が形成されており、その上にピン433回りに揺動可能に上爪431が軸支されている。この上爪431の後端は、ロータリーソレノイド420の図5中のA方向又はその逆方向に回転するアーム421の先端に係合されて駆動されるようになっており、この駆動力で上爪431の先端が前記下爪432に対して開閉動作して図示しないPTP錠剤シートの掴み代をチャッキングし、或いはそのチャッキングを解除できるようになっている。この一連のチャッキング動作は、コントローラ10により制御される。
例えばPTP錠剤シート900の端数打ち抜きが不要である場合には、図外の制御装置からの制御信号を受けた前記コントローラ10は、所定の動作信号をチャッキングユニット400に出力する。この動作指令を受けたチャッキングユニット400は、そのサーボモータ425を駆動してボールネジ426が所定方向に回転する。すると、ナット427に固定されたチャック430の台車435が前方へ移動して、その下爪432の先端部で直接に錠剤カセット500の押圧部材543を押圧する。これにより、図略のリンク機構の働きでもって図略の押出部材を前向きに移動させる。
この移動された押出部材で、錠剤カセット500の一番下側に積載されたPTP錠剤シート900の後端を押圧することにより、そのPTP錠剤シート900の先端が若干当該錠剤カセット500より突出して図3に示す状態から図4に示す状態となって、いわゆる頭出しがなされる。このときには、図5中の実線で示すように、前記チャック430の上下爪431,432間に隙間が形成されているので、この隙間に前記頭出しされたPTP錠剤シート900が挿入される。
コントローラ10からの更なる動作指令により、チャッキングユニット400のロータリーソレノイド420が駆動され、そのアーム421が図5中のA方向に回転する。すると、図5中の一点鎖線で示すように、前記チャック430の上下爪431,432の先端間に形成されていた隙間が少なくなり、この上下爪431,432間に前記頭出しされたPTP錠剤シート900をチャッキングする。このようにしてチャック430が閉じた状態で、再度サーボモータ425が駆動され、ボールネジ426が前記所定方向と反対方向に回転する。すると、ナット427に固定されたチャック430の台車435が後退する。
これによって、前記チャッキングされたPTP錠剤シート900が錠剤カセット500の前方に引っ張り出される。そして、再度ロータリーソレノイド420が駆動され、そのアーム421が図5中のA方向と反対方向に回転する。すると、図5中の実線で示すように、チャック430が開いた状態となる。すなわち、前記引っ張り出されたPTP錠剤シート900を一次バケット450内に落下させるために、チャック430の上下爪431,432の先端間に隙間が形成されることで、チャック430によるチャッキングを解除する。
Xキャリッジ300と、Yキャリッジ200とを用いて一次バケット450を二次バケット480上に移動させる。そして、一次バケット450の図示しない底部シャッターを開口して、PTP錠剤シート900を二次バケット480内に落下させる。ついで、二次バケット480の底部シャッター470を開口して、PTP錠剤シート900を搬送コンベアユニット800上に落下させる。
図6はカッティングユニット700の構成例を示す斜視図である。なお、図6中では、カッティングユニット700の縦上刃740と横上刃750とはいずれもホームポジションにあり、その説明の便宜上、駆動系を切り離して示している。なお、図6では、チャッキングユニット400のチャック430でチャッキングされている錠剤シート900を省略している。
このカッティングユニット700は、図6に示すように、正面視ロの字状のユニット本体710と、このユニット本体710の前部左右に立設されたスライドシャフト730と、駆動部720でそれぞれ上下方向にスライド移動するように、前記左右のスライドシャフト730に架設され、縦上刃740と横上刃750とを取り付けた上刃取り付け部材735と、この上刃取り付け部材735の縦上刃740と横上刃750とにそれぞれ対向配置された、縦下刃760と横下刃770とを取り付けた下刃取り付けテーブル780とを備えている。
さらに詳しく説明すると、ユニット本体710は、底板と、この底板の左右両側に立設された側板と、この側板で支持された天板とからなっているが、この天板は前記下刃取り付けテーブル780を構成している。
駆動部720は、パルスモータ721で回転駆動される大径の駆動ギア722と、この駆動ギア722に噛合する小径の従動ギア723と、この従動ギア723でさらに回転駆動される左右方向の駆動シャフト724と、この駆動シャフト724の左右両端にそれぞれ固定されたピニオンギア725,725とを備えている。
スライドシャフト730,730は、前記ユニット本体710の底板に立設され、かつそれらの中間部が下刃取り付けテーブル780を挿通し、それらの上部付近が上刃取り付け部材735に取り付けられた左右のスリーブ715,715内にスライド自在に嵌合されている。このスライドシャフト730,730の下部付近には、上刃取り付け部材735と連動するセンサ790,790が挿通しており、これらのセンサ790,790で前記上刃取り付け部材735の各スライド量を検出するようになっている。
上刃取り付け部材735には、その下部に縦上刃740が着脱可能に垂設されており、前記下部に横上刃750が着脱可能に垂設されている。また、上刃取り付け部材735の左右両端には、ラック736,736が取り付けられており、これらのラック736,736は前記駆動部720のピニオンギア725,725にそれぞれ噛合するようになっている。この上刃取り付け部材735の例えば縦上刃740及び横上刃750の各取り付け部に対応する部位には、それぞれ光反射部(第一のカッティングユニット位置被検出部、検出手段に相当する。)735a,735aが取り付けられている。そして、チャッキングユニット400に搭載された前記光センサ(ここでは、第一のカッティングユニット検出部、検出手段に相当する。)432で前記光反射部735a,735aからの反射光を受光することによりカッティングユニット700の上下方向及び左右方向の位置情報を非接触で読み取ることができるようになっている。
また、前記上刃取り付け部材735の例えば縦上刃740及び横上刃750の各取り付け部には、それぞれ被押圧部(第二のカッティングユニット位置被検出部、検出手段に相当する。)735b,735bが設けられている。そして、前記チャッキングユニット400の台車435の前端で前記被押圧部735b,735bを押圧すると、サーボモータ425の負荷が増大してその駆動電流が増大するので、この駆動電流の変化によりカッティングユニット700の前後方向の位置を検出することができるようになっている(第二のカッティングユニット位置検出部、検出手段に相当する)。
ここで、被押圧部735b,735bを2点設けたのは、それを1点だけ設けたのでは、チャッキングユニット400に対するカッティングユニット700の傾きにより、縦上刃740及び横上刃750のZ位置関係がずれてしまい、縦カットと横カットとが繋がりにくくなるためである。ただし、場合によっては1点だけ設けてもよいし、3点以上設けることとしてもよい。光反射部735a,735aについてもまったく同様である。
下刃取り付けテーブル780には、その上部に縦下刃760が水平に取り付けされており、前記上部に横下刃770が水平に取り付けられている。縦下刃760には、前記縦上刃740が挿脱可能な縦溝が形成されており、横下刃770には、前記横上刃750が挿脱可能な横溝が形成されている。なお、下刃は当板の場合がある。
いま、図示しない制御装置で処方箋データに応じてカッティングするべきPTP錠剤シート900の端数が計算され、この計算値に応じた図示しないコントローラからの動作指令信号を受けてパルスモータ721が所定ステップだけ駆動される。これにより、縦上刃740や横上刃750によるカッティングを行うものとする。この場合、当該パルスモータ721が駆動されると、その駆動ギア722が従動ギア723を所定の回転数まで減速して駆動し、駆動シャフト724の左右両端のピニオンギア725,725を介してラック736,736が同量だけ押し下げられる。
すると、上刃取り付け部材735が水平状態を保ったまま下がって、縦上刃740と横上刃750が押し下げられる。このように上刃取り付け部材735を降下させて、まず前記PTP錠剤シート900をカットするものとする。
そして、縦上刃740と横上刃750とがPTP錠剤シート900をカットし終わると、再びコントローラ10からの動作指令信号を受けてパルスモータ721が所定ステップだけ前記と逆方向に駆動される。これにより、上刃取り付け部材735を上昇させて、縦上刃740と横上刃750とを元の位置に戻すのであるが、この場合、当該パルスモータ721が駆動されると、その駆動ギア722が従動ギア723を所定の回転数まで減速して駆動し、駆動シャフト724の左右両端のピニオンギア725,725を介してラック736,736が同量だけ押し上げられる。
すると、上刃取り付け部材735が水平状態を保ったまま上がって、縦上刃740と横上刃750とが押し上げられる。
そして、当該打ち抜いた端数分のPTP錠剤シート900を直接搬送コンベアユニット800上に落下させるようになっている。
前記PTP錠剤シート900の端数打ち抜きを行った残部は、チャック430でチャッキングしたまま、もとの錠剤カセット500に戻すが、この場合には、PTP錠剤シート900の残部は、カセット基部510の舌片515,515下の残部収納部515aに頭出しした状態で挿入して収納される。
この残部収納部515aに収納されたPTP錠剤シート900の残部は、その後、前記チャック430でその頭出しされたPTP錠剤シート900の残部をチャッキングして前方に引っ張り出して、ラインセンサー460で形状をチェックする。そして、PTP錠剤シート900の残部のさらなる端数打ち抜きが不要である場合には、そのPTP錠剤シート900の残部を、一次バケット450内に落下させるためにチャック430によるチャッキングを解除する。Xキャリッジ300と、Yキャリッジ200を用いて一次バケット450を二次バケット480上に移動させる。そして、一次バケット450の図示しない底部シャッターを開口して、PTP錠剤シート900を二次バケット480内に落下させる。ついで、二次バケット480の底部シャッター470を開口して、PTP錠剤シート900を搬送コンベアユニット800上に落下させる。
一方、PTP錠剤シート900の残部のさらなる端数打ち抜きが必要である場合にも、前述したように、前記チャック430でカセット基部510の舌片515,515下の残部収納部515aから、その頭出しされたPTP錠剤シート900の残部をチャッキングして前方に引っ張り出す。その引っ張り出したPTP錠剤シート900の残部をチャッキングしたまま、カッティングユニット700に搬送する。そして、前記縦刃と横刃とを用いてPTP錠剤シート900残部のさらなる端数打ち抜きを行って、当該打ち抜いたさらなる端数分のPTP錠剤シート900を直接搬送コンベアユニット800上に落下させる。
一方、前記PTP錠剤シート900のさらなる端数打ち抜きを行った残部は、チャック430でチャッキングしたまま、もとの錠剤カセット500に戻すが、この場合も、PTP錠剤シート900の残部は、カセット基部510の舌片515,515下の残部収納部515aに頭出しした状態で挿入して収納される。
このようにして、錠剤カセット500に積載されたPTP錠剤シート900はその端数まで無駄なく調剤に供されることとなる。
搬送コンベアユニット800は、ローラ群等801と、このローラ群等で前後・左右方向に移動される錠剤取出バケット802,802とを備えている。そして、前記二次バケット480からシャッター470を介して落下したPTP錠剤シート900又はその残部は、ローラ群等801で前後・左右方向に移動され、錠剤取出バケット802,802のいずれかに落下されるようになっている。
一方、前記カッティングユニット700から落下したPTP錠剤シート900の残部又はさらなる残部も、同様に、ローラ群等801で前後・左右方向に移動され、錠剤取出バケット802,802のいずれかに落下される。
このようにして、錠剤取出バケット802,802には、調剤されたPTP錠剤シート900又はその残部が収納されるようになっている。
図7は調剤装置1のシート取り扱いに係る制御系を示す機能ブロック図、図8はこの調剤装置1のシート取り扱いに係る概略動作を示すフローチャートである。
本調剤装置1のシート取り扱いに係る制御系は、図7に示すように、調剤装置1に付設されるコントローラ10と、このコントローラ10からの各種データ及び別途入力された処方箋データに基づいて各種演算等を行う制御装置20とを備えている。
コントローラ10は、チャッキングユニット400の調剤前のスキャン動作により、光センサ432で検出された各錠剤カセット500,500,・・・の上下方向及び左右方向のカセット位置データを取り込むための第一のデータ取込部26と、サーボモータ425の駆動電流の変化から検出された各錠剤カセット500,500,・・・の前後方向のカセット位置データを取り込むための第三のデータ取込部28と、前記光センサ432で検出されたカッティングユニット700の上下方向及び左右方向のカッティングユニット位置データを取り込むための第二のデータ取込部27と、前記サーボモータ425の駆動電流の変化から検出されたカッティングユニット700の前後方向のカッティングユニット位置データを取り込むための第四のデータ取込部29と、チャッキングユニット400の調剤前の前記スキャン動作を制御するための指令信号を該チャッキングユニット400に向けて出力する第一動作指令部31と、チャッキングユニット400の調剤時のチャッキング動作を制御するための指令信号を該チャッキングユニットに出力する第二動作指令部32とを備えている。
制御装置20は、調剤装置1に近接配置された汎用或いは専用コンピュータで構成されており、ROM21と、RAM22と、表示部23と、入力部24と、CPU(制御手段に相当する。)25と、記憶部30とを備えている。ROM21は調剤装置1の制御プログラムや予め設定された各種データ等を記憶するものであり、RAM22はデータを一時的に保管するものである。表示部23はLCD等からなり、ユーザへの各種メッセージを表示するものであり、入力部24はユーザの各種指示や処方箋データを入力するためのものである。
CPU25はROM21に予め記憶しておいた制御プログラムに従って、コントローラ10を介して本調剤装置1の全体の動作を制御するものであり、前記上下方向及び左右方向のカセット位置データと、前後方向のカセット位置データとに基づいて、カセット棚600上での各錠剤カセット500,500,・・・の位置を示す、三次元のカセット位置データを演算する演算手段251として機能する。また、前記上下方向及び左右方向のカッティングユニット位置データと、前後方向のカッティングユニット位置データとに基づいて、三次元のカッティングユニット位置データを演算する演算手段252として機能する。これらのカセット位置データ、カッティングユニット位置データは、別途検出される薬剤情報等と、前記処方箋データとともに、チャッキングユニット400を調剤時に動作させるための動作データを演算する演算手段253としての機能における当該演算に用いられる。
記憶部30は、コントローラ10からの前記カセット位置データ、カッティングユニット位置データ等を全てCPU25経由で記憶するものである。この記憶部30は、制御装置20の外部やコントローラ10側に設けてもよい。
以下、図8を参照して本調剤装置1のシート取り扱いに係るスキャン動作を説明する。いま、チャッキングユニット400は例えば図1中の左下側(ホームポジション)にて、待機状態にあるものとする。このような初期状態で、図8において、電源が投入されると、まず、RAM22へのデフォルト値の設定等の初期設定が行われる(ステップS1)。そして、ユーザが入力部でスキャン動作を選択するとする(ステップS2)。この場合には、予め設定されたプログラムに従って、各錠剤カセット500,500,・・・のスキャン動作を開始する(ステップS3)。
例えば前記ホームポジションからカセット棚600の最上段の棚板602上に固定されている各錠剤カセット500,500,・・・を左から右側にスキャンしていき、その下の段では逆に右側から左側にスキャンしていく。最下段の左側又は右側にいたって、さらにカッティングユニット700のスキャンを終了し、チャッキングユニット400はホームポジションに戻る。
このスキャン動作中に、光センサ432は各錠剤カセット500,500,・・・の前面に形成された光反射部535に投光してその反射光に含まれる、上下方向及び左右方向のカセット位置データを検出し、チャッキングユニット400を各錠剤カセット500,500,・・・の前面に当接させて、そのときのサーボモータ425の駆動電流の変化から検出された各錠剤カセット500,500,・・・の前後方向のカセット位置データを検出する。
また、前記光センサ432でカッティングユニット700の前面に形成された光反射部735a,735aに投光してその反射光に含まれる、上下方向及び左右方向のカッティングユニット位置データを検出し、チャッキングユニット400をカッティングユニット700の前面の被押圧部735b,735bに当接させて、そのときのサーボモータ425の駆動電流の変化から検出されたカッティングユニット700の前後方向のカッティングユニット位置データを検出する(ステップS4)。
ついで、前記光センサ432で検出された各錠剤カセット500,500,・・・の上下方向及び左右方向のカセット位置データを第一のデータ取込部26で取り込み、前記サーボモータ425の駆動電流の変化から検出された各錠剤カセット500,500,・・・の前後方向のカセット位置データを第三のデータ取込部28で取り込む。
また、前記光センサ432で検出されたカッティングユニット700の上下方向及び左右方向のカッティングユニット位置データを第二のデータ取込部27で取り込み、前記サーボモータ425の駆動電流の変化から検出されたカッティングユニット700の前後方向のカッティングユニット位置データを第四のデータ取込部29で取り込む(ステップS5)。
ついで、前記上下方向及び左右方向のカセット位置データと前後方向のカセット位置データとに基づいて各錠剤カセット500,500,・・・の三次元位置データをCPU25の演算手段251で演算する。また、前記上下方向及び左右方向のカッティングユニット位置データと前後方向のカッティングユニット位置データとに基づいて前記カッティングユニット700の三次元位置データをCPU25の演算手段252で演算する。これらの三次元位置データ等に基づいてチャッキングユニット400の調剤時の動作データをCPU25の演算手段253で演算する(ステップS6)。この動作データをフラグ等で対応付けて記憶部30に記憶する(ステップS7)。チャッキングユニット400の調剤前の前記スキャン動作を終了する(ステップS8)。
すると、ステップS2に戻り、今度はスキャン動作でないので(ステップS2でNO)チャッキングユニット400の調剤時のチャッキング動作が開始される(ステップS9)。この動作は、上記各構成要素において説明した通常の調剤動作であるので、その説明は省略する。
この実施形態によれば、各錠剤カセット500,500,・・・及びカッティングユニット700のうちの少なくとも一方の三次元位置が検出されるので、錠剤カセット500やカッティングユニット700の位置の三次元のずれをなくして、かかる三次元の位置ずれに起因するPTP錠剤シート900のチャックエラーを生じるおそれをなくすことができる。
したがって、錠剤カセット500内に積載されたPTP錠剤シート900をチャッキングユニット400でチャッキングして該錠剤カセット500外に取り出し、この取り出されたPTP錠剤シート900をカッティングユニット700でカッティングする際に、PTP錠剤シート900の良好な取り扱いができるようになる。
なお、上記実施形態では、左右に2台のカセット棚600,600を配置しているが、前後に配置することとしてもよいし、1台、或いは3台以上のカセット棚を配置することとしてもよい。その場合には、各キャリッジ、チャッキングユニット、カッティングユニット等の台数もこれに対応したものとするのが作業効率の点から好ましい。
また、上記実施形態では、第一のカセット位置検出部及び第一のカッティングユニット位置検出部として光センサ432を使用し、また第一のカセット位置被検出部及び第一のカッティングユニット位置被検出部として前記光反射部535を使用しているが、第一のカセット位置被検出部及び第一のカッティングユニット位置検出部として光反射テープを使用してもよいし、第一のカセット位置検出部及び第一のカッティングユニット位置被検出部として超音波センサ等他の種類のセンサを使用してもよい。ここで、第一のカセット位置検出部と第一のカッティングユニット位置検出部とを別個に設けてもよいが、本実施形態のように両者を兼用することで、簡単でかつ安価な構成で、しかも装置のコンパクト化が図られる。
また、上記実施形態では、第二のカセット位置検出部及び第二のカッティングユニット検出部として、チャッキングユニット400のサーボモータ425の駆動電流の変化を使用し、また第二のカセット位置被検出部及び第二のカッティングユニット位置被検出部として当該錠剤カセット及びカッティングユニットの適宜箇所であるものとしているが、第二のカセット位置検出部及び第二のカッティングユニット検出部として、他の種類の非接触式センサ等を使用してもよいし、また第二のカセット位置被検出部及び第二のカッティングユニット位置被検出部として前記非接触式センサ等で検出可能な検出片を使用してもよい。ここで、第二のカセット位置検出部と第二のカッティングユニット位置検出部とを別個に設けてもよいが、本実施形態のように両者を兼用することで、簡単でかつ安価な構成で、しかも装置のコンパクト化が図られる。
また、上記実施形態のスキャン動作では、錠剤カセット500,500,・・・の三次元の位置データを検出してから、カッティングユニット700の三次元の位置データを検出しているが、その逆手順であってもよいし、そのうちの一方だけを検出することとしてもよい。また、錠剤カセット500,500,・・・の三次元の位置データを検出のタイミングは、錠剤カセット500,500,・・・からのPTP錠剤シートを取り出す前、或いはその残部を錠剤カセット500の残部収納部515aに収納する前であればいつでもよい。カッティングユニット700の三次元の位置データを検出のタイミングは、カッティングユニット700でPTP錠剤シート900をカッティングする前であればいつでもよい。ただし、上述したように、調剤動作前のスキャン動作でまとめて検出しておくのが、作業効率の観点から好ましい。
また、上記実施形態では、チャッキングユニット400を、1つ1つの錠剤カセット500,500,・・・の壁面にそれぞれ押し当てて、各錠剤カセット500,500,・・・のZ位置をそれぞれ検出しているが、チャッキングユニット400を、カセット棚600の棚板602の両端付近に押し当てて、その2点でのZ位置を検出し、別途検出される錠剤カセット500,500,・・・のX位置(又はY位置)と周知の内挿法とを用いて、その棚板602上に搭載された各錠剤カセット500,500,・・・のZ位置をそれぞれ演算することができる。これによれば、1つ1つの錠剤カセット500,500,・・・のZ位置データを取得しなくて済むため、検出時間の短縮を図ることができる。
また、上記実施形態では、各PTP錠剤カセット500,500,・・・は、カセット棚600の棚板602上に、該各PTP錠剤カセット500,500,・・・の幅方向に列設されているが、この棚板は静止した平板状のものに限定されず、例えば所定の軸心まわりに回転する円筒形状のものであってもよい。その場合には、チャッキングユニット400(或いはこれに搭載される光センサ432等)を、この回転する棚板上に搭載された各PTP錠剤カセット500,500,・・・に対して相対移動させることで足りる。
また、上記実施形態では、PTP錠剤シート900を積載可能な錠剤カセット500を例示しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されることなく、本発明は例えば錠剤、PTP錠剤シート、アンプル等の薬剤一般を収納可能な種々のカセットにも適用することができることはいうまでもない。そのカセットの形状についても、前記例示のような特定の形状に限定されることはなく、カセット棚上に並設できるような所定の形状であればよい。