JP4928758B2 - 電動圧縮機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動圧縮機の制御装置に関するものであり、さらに詳しくは、車載空気調和装置に用いられる電動圧縮機に内蔵または連結される永久磁石形同期電動機の円滑な起動を可能とする電動圧縮機の制御装置に関する。
ハイブリッド車、FCEV(燃料電池自動車)、HEV(水素自動車)等の電動車載空気調和装置は、固定電池(バッテリー)を電源としたインバータ制御により電動圧縮機を制御している。電動圧縮機の制御は、永久磁石形同期電動機が収められる内部が潤滑油に浸るという電動圧縮機の特性から、ホール素子を回転子位置検出器として用いた制御を行えない。そのため、いわゆるセンサーレス制御が一般的となっている。
永久磁石形同期電動機のセンサーレス制御では、電動機の起動時に回転子位置が不明であることから、すぐに同期運転ができない。そこで、現状の制御では、一定時間、一方的にある一定の速度で回転子を回転させるための三相電圧(電流)を電動機に出力して強制的に起動していた。具体的には、起動時に、予め設定した初期電流値を電動機に出力し、1/2回転以上回り始めたら、電流指令との誤差電流をフィードバックし、同期回転に移行させていた(たとえば、特許文献1)。
特開2003−28073号公報
しかしながら、上記のように、電動機に連動する圧縮機の状態を把握せずに、一方的に一定電流を流す制御を行うと、起動を失敗する可能性が増える。商品としての電動圧縮機を考えると、起動の失敗は出来る限り無くすべきである。特に、ハイブリッド車、FCEV、HEV等は固定電池を電源として車輪を駆動するため、同じ電源を利用する電動圧縮機の起動失敗による電力消費は極力避けるべきである。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車載空気調和装置に用いられる電動圧縮機に内蔵または連結される永久磁石形同期電動機の駆動条件を推定して起動失敗を減少させ、それによって円滑な起動を可能とする電動圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電動圧縮機の制御装置は、永久磁石同期形の電動機を内蔵する圧縮機または当該電動機が連結される圧縮機の起動時に、停止事由が生じた場合、当該電動機への電圧印加を停止または再起動する条件判断部を有する電動圧縮機の制御装置において、圧縮機の高圧側圧力を取得する高圧側圧力取得手段を有し、前記条件判断部は、前記高圧側圧力取得手段から得られる高圧側圧力値と当該高圧側圧力に基づいて導出される圧縮機の低圧側圧力値を基準に前記電動機への電圧印加を停止または再起動する工程を有し、前記条件判断部は、予め試験によって求めておいた関数又はテーブルを用いて、低圧側圧力値を、前記高圧側圧力が当該低圧側圧力と平衡状態になっていると仮定して導出するようにしたものである。
この発明では、高圧側圧力取得手段で得られる圧縮機の高圧側圧力を加味して、電流値演算の基礎となる同期運転電流設定値が演算される。これにより、圧縮機の回転、つまり電動機の回転に必要なトルクを間接的に推定することができ、電動機の起動時に印加する電圧もきまる。このような過程において、ソフトウェアまたはハードウェアによる過電流の有無、シャットダウン信号の有無が判断され、その結果によっては、電動機停止、または再起動処理がなされる。
高圧側圧力と低圧側圧力との差は、圧縮機の両端にかかる圧力差であり、冷媒の液化の推定が間接的に可能になる。なぜなら、冷媒は、当該圧力差が小さいときに液化するからである。したがって、予め実験等で、当該差と冷媒の液化との関係を把握し、液化する臨界値を設定値としておけば、当該差が当該設定値以下であることで冷媒が液化しているか否かをより的確に推定し、その後の印加電圧の増減、条件判断処理につなげることができる。
本発明に係る電動圧縮機の制御装置は、車載空気調和装置に用いられる電動圧縮機に内蔵または連結される永久磁石形同期電動機のおかれる駆動条件に対応させて起動制御するので、起動失敗可能性を低減させ、これにより電動圧縮機を円滑に起動させることができる。
以下に、本発明にかかる電動圧縮機の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本実施例では、車載空気調和装置の冷媒循環に用いられる電動圧縮機を対象に説明する。電動圧縮機は、永久磁石形同期電動機が圧縮機の筐体に内蔵されたり、圧縮機外部で当該電動機が連結されるものがある。また、圧縮機本体は、スクロール形、斜板形等がある。本発明では、圧縮機に対する電動機の配置や圧縮機の種類によらず、いずれにも適用できる。
図1は、本発明の実施例における基本構成を示すブロック線図である。電動圧縮機の制御装置1は、大きく分けて、上位コンピュータ2、電流指令生成部3、PWM回路4、インバータ5、永久磁石形同期電動機(以下、単に電動機という。)6、圧縮機7、圧縮機の高圧側圧力取得手段8、および五つの条件判断部9、10、11、12、13で構成される。
五つある条件判断部は、説明のために分けたものであるが、必ずしも別個に設ける必要はなく、ソフトウェアで実現するのであれば、条件判定部として一つにまとめてもよい。なお、電流指令生成部3は、電流指令を生成するための演算をまとめたもので、具体的には、3相/2相変換部、回転子基準の座標系に変換するd/q軸変換部、励磁電流演算部、トルク電流演算部、2相/3相変換部等から構成されるのが一般的である。
空気調和装置全体を制御する上位コンピュータ2からは、装置に要請される出力に応じて圧縮機を駆動させるべく、電動機6に回転数やトルクが指令される。これら回転数指令やトルク指令は、次の電流指令生成部において、電動機6に必要となる電流の指令値である電流指令を演算する。そして、電流指令は、PWM回路とインバータ5を介して実際の電流となり、その電流による回転磁界に電動機6の回転子が同期して回転する。これにより、連動する圧縮機が稼動し、空気調和装置の冷媒が循環する。つぎに、高圧側圧力取得手段8および各条件判断部9、10、11、12、13を含めた各構成要素の機能、作用について説明する。
図2は、本発明の実施例の基本工程を示すフローチャートである。既に述べたように、本実施例では、制御装置1が上位コンピュータから回転数指令またはトルク指令を、電気信号またはソフトウェアによる信号値として受信することから始まる(ステップS101)。次に高圧側圧力取得手段で得られる圧縮機の高圧側圧力を加味して、電流値演算の基礎となる同期運転電流設定値が演算される(ステップS102)。これらのステップS101、S102は、図1の電流指令生成部3で行われる。なお、高圧側圧力取得手段は、圧縮機の使用危険状態を検知すべく、従来から圧縮機の下流であって凝縮器の上流に設けられているセンサを用いるとコストがかからず実現できるので都合がよい。
次に、同期運転電流設定値が過電流設定値以下かどうかが判別される(ステップS103)。この判別は、図1の条件判定部A9で行われる。このステップにおいて、同期運転電流設定値が予め実験等で決定される過電流設定値よりも大きければ、PWM回路、インバータ、および電動機の故障の原因となるので、所定の時間、たとえば5秒間インターバルをとり、待機して(ステップS104)、再び高圧側圧力取得手段で得られる圧縮機の高圧側圧力を加味した同期運転電流設定値の演算処理(ステップS102)を促す。所定時間待機するのは、高圧側圧力値の変動の偶然性を排除するためと、当該圧力値が安定するのを待つためである。
同期運転電流設定値が過電流設定値以下であれば、PWM回路、インバータを通じて電動機の起動処理に移行する(ステップS105)。そして、もし、ハードウェアによる過電流または緊急停止(シャットダウンという。以下SDと略する。)信号による起動不良が起きたときは、インバータ故障判断がなされる(ステップS106、S110)。具体的に、この判断は、図1の条件判断部C11で行われる。ここで正常でないと判断されれば、インバータに異常があり、そのまま運転を続けるのは危険なため、メンテナンスの必要性を促す表示をオペレータに提示する等の処理を施すと共に、電動機運転を停止する(ステップS111)。
上記インバータ故障判断は、図3に示すパターンで行われる。すなわち、SD信号が正常、つまり、特に緊急停止事由がない場合であって、演算値として(ソフトとして)の過電流も検出されない場合は、正常だと判断される。また、SD信号が正常であって、演算値としての過電流が検出されたときは、なんらかの原因で要求されるトルクが過大であると判断され、これも停止事由となる。なお、ソフトによる過電流検出は、U、V、W相、電源の各々の電流値がソフトの過電流設定値を超えた場合に働く。
また、SD信号がインバータ等のハードウェアに過電流を検出した場合であって、演算値としての過電流が検出されない場合、すなわち正常な場合は、インバータ異常と判断される。演算というソフトでは過電流が検出されないが、電気回路というハードで過電流が検出されるような場合、たとえば、インバータ回路のアーム短絡等の場合がこれに相当する。また、SD信号がインバータ等のハードウェアにおいて過電流を検出した場合であって、演算値としての過電流も検出される場合、インバータ異常と判断される。この場合も、たとえば、インバータ回路のアーム短絡等の場合が相当する。
SD信号は、ハード(回路)上で設定した過電流設定値を超えた場合にPWMドライブ回路を即停止させると共に、上位コンピュータに情報を送り、割り込み処理によりソフト的に動作を停止させるためのものである。SD信号が発信される場合としては、上記ハードウェアにおいて過電流を検出した場合や、固定電源の使い道として車両の統合コンピュータが人命にかかわるような他の装置、たとえば、ABS(Anti−locked Brake System)や電動パワーステアリングを優先的に機能させる必要がある場合が挙げられる。後者は、圧縮機の電力消費を回避し、電源容量確保のために即停止させるものである。
起動処理が行われて、ハードウェアやソフトウェア(演算処理によるものという意味)による過電流もなく、SD信号の発信もないときは、圧縮機運転判断を行う(ステップS107)。これは図1の条件判断部Dで行う。具体的に圧縮機運転判断は、インバータ出力が要求回転数に相当する値に達した後、所定時間経過後に、1秒中におけるインバータ出力電流絶対値の最大値が、所定電流値よりも大きい場合に、正常に動作をしていると判断する。
所定電流値は、電動機の種類や大きさ、圧縮機の種類、大きさに依存するが、圧縮機の動作条件内で電動機の最低トルクとなる電流値、たとえば、3アンペア程度の大きさの電流値とすればよい。この判断によって正常と判断されたならば、起動について何ら問題が生じないものとして定常運転に移行し(ステップS108)、上記電流値が過小である場合等、異常と判断されれば、インバータ出力を停止し(ステップS109)、電動機を一旦停止させる。その後、起動のやり直しに相当する論理ループにのせるべく、図2のc点に演算が戻される。c点以下では、上記ステップS103以下による異常判断がなされた場合に、それが所定の繰り返し回数か否かが判断される(ステップS112)。この回数は、起動失敗による無駄時間、電源の無駄消費を最小限にするために、数回、たとえば3回程度に設定される。
ステップS103以下による異常判断がなされた場合、それが所定の繰り返し回数以下であれば、所定時間インターバルをとり、つまり、待機し(ステップS113)、設定電流パラメータを変更して、図2のb点に処理を戻す。設定電流パラメータの変更とは、具体的には、ステップS102の同期運転電流設定値に、過電流設定値を超えない限度において、数アンペア加算した値を新たな電流設定値とすることである。これは、最初に設定した電流設定値が小さすぎたために、トルク不足となっていて、過電流と判断されている場合、それを認許するためである。
以上が本発明の起動直後の制御工程である。これらの工程において、所定回数異常と判断され続けた場合は、以後のB工程へ処理が進む。圧縮機を回転させるためのトルクが異常に大きくなっている場合や、回路に短絡等の異常が起きている場合を除き、通常、上記判定は、正常となり、定常運転(ステップS108)に移行する。
図4は、条件判断部の工程Bを示すフローチャートである。工程Bでは、その上位処理において、異常が複数回繰り返されたことから、インターバル、つまり数秒といった所定時間、システムを待機させる(ステップS121)。これによって、圧縮機および電動機の状態の安定が図られる。そして、次に液圧縮判断がなされる(ステップS122)。液圧縮判断とは、圧縮機の圧縮対象である冷媒が液化することにより圧縮に予想外にトルクが必要となっているか否かを判断するものである。具体的には、圧縮機の高圧側圧力値が所定の圧力よりも小さいか否かを判断する。高圧側圧力値が大きいことは、冷媒が液化していないことを間接的に表しているからである。所定の圧力の値は、実験やシミュレーションで求められ、圧縮機の性能にもよるが、たとえば、1.3Mpa程度の圧力が設定される。この処理は、図1の条件判断部Eによって行われる。
また、この液圧縮判断において、冷媒の液化をさらに強く根拠づけるために、圧縮機の高圧側圧力と低圧側圧力との差が所定の圧力以下であることを判断するようにしてもよい。高圧側圧力と低圧側圧力との差は、圧縮機の両端にかかる圧力差であり、冷媒の液化の推定が間接的に可能になる。なぜなら、冷媒は、当該圧力差が小さいときに液化するからである。したがって、予め実験等で、当該差と冷媒の液化との関係を把握し、液化する臨界値を設定値としておけば、当該差が当該設定値以下であることで冷媒が液化しているか否かをより的確に推定し、その後の処理につなげることができる。たとえば、当該差圧が100kPaG以下であれば、冷媒が液化していると判断し、次のステップに処理を移行する。
圧縮機の高圧側圧力取得手段から得られる圧力から、圧縮機の低圧側の冷媒圧力を予測することもできる。具体的には、高圧側圧力手段から得られる圧力が、圧縮機の低圧側の低圧圧力と平衡状態になっていると仮定したときの当該低圧側冷媒圧力を、当該高圧側圧力を基に導出する。この導出には、予め試験等によって求めておいた関数やテーブルが用いられる。
高圧冷媒圧力と低圧冷媒圧力が把握できれば、両者の差をとることもでき、この値が冷媒の液化が起きているか否かの指標となる。また、上記差圧がかかった圧縮機を起動するためのトルクは、差圧から計算でおよそ換算できる。したがって、上記のようにして高圧側圧力と低圧側圧力との差から求めたトルクを、さらに電流値に換算すれば、次のステップS123における過電流設定値変更値に利用でき、一回の変更で、真に電動機に必要となるトルクに起動トルクを近づけることができる。
また、さらなる応用例としては、上記で高圧側圧力から予測した低圧側圧力Pに、蒸発器の吹き出し温度をt1、蒸発器の吸入温度をt0、蒸発器のブロア風量をV、停止前の圧縮機の回転数をF、実験やシミュレーションで求まる定数をC1としたときのC1*(t0−t1)*V/Fの値を前記低圧冷媒圧力Pに乗じるようにしてもよい。
圧縮機が停止した後、低圧側冷媒圧力は、空調システムが空気に対して仕事をするほど維持されにくいと言える。低圧側冷媒圧力が維持されにくいかどうかを判断する要因には、蒸発器吸入温度t0から蒸発器吹き出し温度t1を差し引いた値、蒸発器のブロア風V、および前回停止前の圧縮機回転数Fが挙げられる。蒸発器吸入温度t0から蒸発器吹き出し温度t1を差し引いた値が大きいと、仕事が大きいことから、低圧側冷媒圧力は維持されにくいといえる。
また、ブロア風量Vも大きいと、維持されにくく、前回停止前の圧縮機回転数Fも大きいと維持されにくい。したがって、これらの要因に適当な定数を乗じた値を、高圧側圧力から導出される低圧側圧力Pに乗じてやると、より的確な低圧側圧力を導出・予測することができ、電動機の起動に必要なトルク、およびそれを生み出す印加電圧の算出が的確となる。
上式は、物理的観測から求められるものであるから、C1*(t0−t1)*V/Fとするだけでなく、C1*(t0−t1)だけでも低圧側圧力予測に効果があるし、実験やシミュレーションで求まる定数C2、C3を用いて、C2*V、C3*(1/F)としても効果がある。
また、低圧側圧力Pに、さらに前記圧縮機が停止してからの経過時間tを媒介変数として、実験やシミュレーションで求まる係数をC4としたとき、exp(−C4*t)なる減衰関数も乗じるようにしてもよい。このようにするのは、圧縮機の高圧側圧力は、圧縮機が停止してからの経過時間とともに低くなっていくので、その圧力を近似的に求めるためである。これにより、圧縮機が停止してからの経過時間tによって、ゆるやかに変動していく低圧側圧力を予測することができる。なお、減衰関数は、上記の形に限らず、試験的に圧力降下に適した減衰関数を利用できる。
上記式のtは、電動圧縮機の制御装置、空気調和装置、または、車載の空気調和装置であれば、乗員室に普通設けてある時計、タイマーを圧縮機の停止時と連係させるようにして取得してもよい。また、tは以下のように扱ってもよい。
まず、蒸発器のフィン温度と蒸発器の吸入温度とを従来から空気調和装置の温度制御に用いているセンサー等で取得する。つぎに、その差が、予め制御装置の記録部に記憶させている閾値以上であった場合には、圧縮機停止状態のまま特定時間、特定風量でブロアを回転させると同時に、上記フィン温度と吸入温度とをある一定のサンプリング時間毎に取得開始する。そして、時系列によって変化する互いの差の変化率を求め、予め求めておいた当該変化率との関係により前記経過時間tを導出する。なお、上記変化率と停止経過時間tとの関係は、予め試験等により求めておき、変化率からtを換算できる関数やテーブルを用意しておく。
また、フィン温度と吸入温度との差が上記閾値以下であった場合には、圧縮機が停止してから十分に時間が経過し、冷媒圧力が平衡状態であるとみなし、前記経過時間tを十分長い時間、たとえば60分とする。
特定時間、特定風量でブロアを回転させると、積極的に圧縮機の負荷を軽減させることができる。その状態で、蒸発器フィン温度と蒸発器吸入温度とを一定間隔で取得し、互いの差の変化率(導関数)を求め、当該変化率から予め求めておいた関係とによりtを予測できる。なお、上記変化率とtとの関係は、予め試験等で求めておく。このようにタイマー等によってtを直接求めなくても、フィン温度と吸入温度とを用いて演算によって、およそのtは求めることができる。
説明を図4に戻す。冷媒が液化していると判断されると、上記ステップS102の同期運転電流設定値(ステップS114で加算された値を含む)が、そのとき設定されている過電流設定値から所定値を引いた値に変更される(ステップS123)。この所定値が、たとえば、5A程度で、過電流設定値がそのとき50Aであれば、45Aが同期運転電流設定値となり、液化した冷媒を大きなトルクで圧縮でき、その結果、電動機の起動も円滑になる。
次に、冷媒の気化を促進させるために、電動機のアイドリング運転が行われる(ステップS124)。アイドリング運転は、一定の低回転数で所定時間の回転させるものである。たとえば、180min-1で、5秒間程度回転させるものであればよい。
アイドリング運転が終了したら、つぎは、緩やかな角加速度で電動機が回転させられる(ステップS125)。たとえば、7200min-2の角加速度で電動機が回転させられる。これによって、通常の起動制御と同じ低速起動となる。これらの工程(ステップS123〜S125)を実行した後でも、起動不良が発生したか否かの判断は行われる(ステップS126)。この処理は、上記ステップS106と同様で、図1の条件判断部Cによって行われる。
そして、ステップS107、S108、S109と同様に、ハードウェアやソフトウェアによる過電流もなく、SD信号の発信もないときは、圧縮機運転判断を行う(ステップS131)。これは図1の条件判断部Dで行う。具体的に圧縮機運転判断は、インバータ出力が要求回転数に相当する値に達した後、所定時間経過後に、1秒中におけるインバータ出力電流絶対値の最大値が、所定電流値よりも大きい場合に、正常に動作をしていると判断する。
上記所定電流値は、電動機の種類や大きさ、圧縮機の種類、大きさに依存するが、圧縮機の動作条件内で電動機の最低トルクとなる電流値、たとえば、3アンペア程度の大きさの電流値とすればよい。この判断によって正常と判断されたならば、起動について何ら問題が生じないものとして定常運転に移行し(ステップS133)、上記電流値が過小である場合等、異常と判断されれば、インバータ出力を停止し(ステップS132)、電動機を一旦停止させる。
その後、起動のやり直しに相当する論理ループにのせるべく、図4の点eに処理を移す。そして、上記ステップS126およびステップS127による異常判断がなされた場合に、それが所定の繰り返し回数か否かが判断される(ステップS129)。この回数は、起動失敗による無駄時間、電源の無駄消費を最小限にするために、数回、たとえば3回程度に設定される。
ステップS126およびステップS127による異常判断がなされた場合、それが所定の繰り返し回数以下であれば、図1のa点に処理が移り、過電流が発生しないか、及びSD信号を受信しないかという点が判断されながら、起動の所定時間インターバルをとり、つまり、待機し(ステップS130)、設定電流パラメータを変更して、図4のd点に処理を戻す。なお、ステップS127において、正常でないと判断されれば、インバータに異常があり、そのまま運転を続けるのは危険なため、メンテナンスの必要性を促す表示をオペレータに提示する等の処理を施すと共に、電動機運転を停止する(ステップS128)。
以上のようにすれば、特に、新たに特別な器具を取り付けずに、圧縮機の演算によって、電動機の起動に適切なトルクが予測できる。また、電動機の駆動条件と密接にかかわる冷媒の液化にも着目し、最終的に電動機モータに印加する電圧を決定する電圧指令を生成することができる。FCEVやHEVのような電気自動車は、バッテリーを電源として空気調和装置の圧縮機を駆動させるが、これらのバッテリーはさまざまな負荷が接続されるために、電圧変動が大きいことが知られている。
そのような場合でも、車両に取り付けられる空気調和装置は、無駄な電力は消費させずに円滑に起動させることが求められる。この発明によれば、圧縮機の駆動条件や負荷を考慮した電圧制御信号を生成し、円滑な起動が可能になる。また、車両用空気調和装置の圧縮機は、商品として、厳しいコスト競争下におかれる物であるが、本発明であれば、高圧側圧力取得手段、インバータの電流リミッタ、およびSD信号発信機構は従来から制御機器保護用に用いられていることもあり、制御装置の演算部の設定を変更するだけで、実現可能となる。
本発明に係る電動圧縮機の制御装置は、車載空気調和装置に用いられる電動圧縮機に内蔵または連結される永久磁石形同期電動機の制御装置の生産、使用に適している。
本発明の実施例における基本構成を示すブロック線図である。 本発明の実施例の基本工程を示すフローチャートである。 インバータ故障判断のパターンを示す図表である。 条件判断部の工程Bを示すフローチャートである。
符号の説明
1 制御装置
2 上位コンピュータ
3 電流指令生成部
4 PWM回路
5 インバータ
6 電動機
7 圧縮機
8 高圧側圧力取得手段
9 条件判断部A
10 条件判断部B
11 条件判断部C
12 条件判断部D
13 条件判断部E

Claims (1)

  1. 永久磁石同期形の電動機を内蔵する圧縮機または当該電動機が連結される圧縮機の起動時に、停止事由が生じた場合、当該電動機への電圧印加を停止または再起動する条件判断部を有する電動圧縮機の制御装置において、
    圧縮機の高圧側圧力を取得する高圧側圧力取得手段を有し、
    前記条件判断部は、前記高圧側圧力取得手段から得られる高圧側圧力値と当該高圧側圧力値に基づいて導出される圧縮機の低圧側圧力値を基準に前記電動機への電圧印加を停止または再起動する工程を有し、
    前記条件判断部は、予め試験によって求めておいた関数又はテーブルを用いて、低圧側圧力値を、前記高圧側圧力が当該低圧側圧力と平衡状態になっていると仮定して導出すること
    を特徴とする電動圧縮機の制御装置。
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