JP2006200507A - 同期型電動圧縮機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な電圧制御信号をインバータに送り、円滑な起動を行うことができる同期型電動圧縮機の制御装置を提供すること。
【解決手段】A点のように、圧縮機の高圧側と低圧側とで大きな差圧がかかっている状態のモータを起動するためには、B点やC点のような状態のモータを起動するためのトルクでは、小さすぎて起動できない状態が続いてしまうが、本発明では、高圧側冷媒圧力取得手段により取得する高圧冷媒圧力と、そこから予測される低圧側冷媒圧力との差圧下で起動できるトルクを生み出させる電圧制御信号を生成し、PWM回路、インバータを通じてモータに印加してやるので、適切なトルクで起動が可能となる。また、同図C点のように停止から十分な時間が経過した場合のように、差圧がほとんどかかっていない状態のモータを起動するときも、C点の差圧を考慮した制御を行うので、過電流の心配もなく、適切な電圧制御信号が生成できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、同期型電動圧縮機の制御装置に関するものであり、さらに詳しくは、圧縮機の起動時に適切な電圧制御信号を与え、円滑な起動を可能にする同期型電動圧縮機の制御装置に関する。
FCEV(燃料電池自動車)、HEV(水素自動車)等の電動カーエアコンは、バッテリーを電源としたインバータ制御により圧縮機を制御している。当該圧縮機の制御は、内部が潤滑油に浸る等の条件からホール素子を用いたロータ検出を行わずに制御する、いわゆるセンサーレス制御が一般的である。この場合、電圧制御型インバータ制御であれば、永久磁石同期モータのロータ回転に伴う各ステータU、V、W相からの誘起電圧を検出することにより、ロータの位置検出信号として回転出力信号にフィードバックする。
また、モータ起動時など、上記位置検出信号が不安定な状態においては、永久磁石同期モータをステッピングモータとして捉え、一方的に電圧制御信号を出力している(以下起動運転という)。従来、起動運転中は、圧縮機起動時の負荷状態によらず中間的な負荷状態を想定した一定の電圧制御信号、または脱調による起動失敗毎にテーブルを用いて出力電圧値が異なるような電圧制御信号をインバータに入力していた。これは、出力電圧値が小さければ起動失敗し、大きすぎれば過電流により回転子の永久磁石が減磁する事を防ぐためである(たとえば、特許文献1)。
特開2001−180258号公報
しかしながら、上記のように圧縮機の負荷状態によらず、一定の電圧制御信号を用いたり、数回の起動失敗を前提とした制御とするのは効率的でなく、長時間起動できない状態が続き得る。電動圧縮機は、吐出弁を有し、吐出圧力が冷媒高圧側以上とならなければ、再圧縮される構成となっており、常温において起動圧縮に要するトルクは、冷媒高圧側圧力値と圧縮機上下流の冷媒差圧に最も影響を受ける。圧力値のフィードバックを行わず、全ての圧力条件において、一度目の起動運転で起動させるためには、圧縮機使用領域において最も圧縮負荷の高い「冷媒最大高圧値における最大差圧点」で起動する電圧制御信号をインバータに入力しなければならない。しかし、このような大きな電圧を圧縮機使用領域中、最も圧縮負荷の小さい「高圧側冷媒最小圧力値における差圧バランス状態」で印加すれば、過電流が流れる虞がある。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圧縮機の低圧側と高圧側との冷媒圧力の差を考慮した電圧制御信号をインバータに送り、円滑な起動を行うことが可能となる同期型電動圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、空気調和装置における圧縮機の高圧側で冷媒圧力を取得する高圧側冷媒圧力取得手段と、前記高圧側冷媒圧力手段から得られる高圧冷媒圧力が前記圧縮機の低圧側の低圧冷媒圧力と平衡状態になっていると仮定したときの当該低圧側冷媒圧力を、前記高圧側冷媒圧力を基に、予め求めておく関係から導出する低圧側冷媒圧力予測手段と、前記低圧側冷媒圧力と、前記高圧側冷媒圧力との差を求める圧縮機最大差圧予測手段と、前記圧縮機最大差圧予測手段から得られる最大差圧がかかった前記圧縮機を起動可能なトルクを生み出す電圧制御信号をインバータに送る電圧制御信号伝達手段と、を有するようにしたものである。
予め求めておいた関係式やテーブルを用いると、高圧側冷媒圧力と平衡になったときに相当する低圧側冷媒圧力が導出される。低圧側冷媒圧力と実際に圧縮機の高圧側で検出器等の取得手段から得られる高圧側冷媒圧力との差は、圧縮機に負荷される最大圧力となる。圧縮機の起動に必要なトルクは当該最大圧力に依存するので、当該最大差圧が導出できれば、必要なトルクの最大値がわかる。この値に対応するトルクを生み出す最適な電圧を永久磁石型等の同期型電動機に印加すれば、効率よく短時間で圧縮機を起動することができる。
また、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、前記同期型電動圧縮機の制御装置において、前記低圧側冷媒圧力予測手段は、予測した前記低圧冷媒圧力に、蒸発器吹き出し温度をt1、蒸発器吸入温度をt0、所定の定数をC1としたときのC1*(t0−t1)の値を前記低圧冷媒圧力に乗じるようにしたものである。
また、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、前記同期型電動圧縮機の制御装置において、前記低圧側冷媒圧力導出手段は、導出した前記低圧側冷媒圧力に、ブロア風量をV、所定の定数をC2としたときのC2*Vの値を前記低圧側冷媒圧力に乗じるようにしたものである。
また、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、前記同期型電動圧縮機の制御装置において、前記低圧側冷媒圧力導出手段は、導出した前記低圧側冷媒圧力に、前回停止前の圧縮機回転数をF、所定の定数をC3としたときのC3*(1/F)の値を前記低圧側冷媒圧力に乗じるようにしたものである。
低圧側冷媒圧力は、空調システムが空気に対して仕事をするほど維持されにくいと言える。低圧側冷媒圧力が維持されにくいかどうかを判断する要因には、蒸発器吸入温度t0から蒸発器吹き出し温度t1を差し引いた値、ブロア風量V、および前回停止前の圧縮機回転数Fが挙げられる。蒸発器吸入温度t0から蒸発器吹き出し温度t1を差し引いた値が大きいと、仕事が大きいことから、低圧側冷媒圧力は維持されにくいといえる。
また、ブロア風量Vも大きいと、維持されにくく、前回停止前の圧縮機回転数Fも大きいと維持されにくい。したがって、これらの要因に所定の定数を乗じた値を、請求項1の低圧側冷媒圧力導出手段で導出される冷媒圧力に乗じてやると、より的確な低圧側冷媒圧力を予測することができ、必要なトルク、およびそれを生み出す印加電圧の算出が的確となる。
また、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、前記同期型電動圧縮機の制御装置において、前記低圧側冷媒圧力予測手段は、導出した前記低圧側冷媒圧力に、さらに前記圧縮機が停止してからの経過時間tを媒介変数にもつ減衰関数も乗じるようにしたものである。
圧縮機の高圧側の圧力は、圧縮機が停止してからの経過時間とともに、低圧側の圧力と平衡状態となるべく低くなっていく。そこで、経過時間tを考慮した予測手段とするべく、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において導出した前記低圧側冷媒圧力に、さらに圧縮機が停止してからの経過時間tを媒介変数にもつ減衰関数も乗じる。これにより、圧縮機が停止してからの経過時間tによって、ゆるやかに変動していく低圧冷媒圧力をさらに的確に予測することができる。
また、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、前記同期型電動圧縮機の制御装置において、前記低圧側冷媒圧力予測手段の減衰関数は、所定の係数をC4として、exp(−C4*t)であるようにしたものである。
前記圧縮機が停止してからの経過時間tを媒介変数にもつ減衰関数を乗じると、圧縮機が停止してから低圧側冷媒圧力が減衰していく様を近似再現できる。したがって、さらに的確に低圧側冷媒圧力を導出することができる。上記経過時間tは、圧縮機の停止に連動したタイマーの値を制御装置内に記録しておくようにしてもよい。
また、本発明に係る同期型電動圧縮機の制御装置は、前記同期型電動圧縮機の制御装置において、蒸発器フィン温度と前記蒸発器吸入温度との差が、予め記憶させている閾値以上であった場合には、前記圧縮機停止状態のまま特定時間、特定風量でブロアを回転させると同時に、前記蒸発器フィン温度と前記蒸発器吸入温度とを取得開始し、時系列によって変化する互いの差の変化率を求め、予め求めておいた当該変化率との関係により前記経過時間tを導出し、前記差が前記閾値以下であった場合には、前記経過時間tを冷媒圧力が平衡状態であることを意味する十分長い時間とするようにしたものである。
特定時間、特定風量でブロアを回転させると、積極的に圧縮機の負荷を軽減させることができる。その状態で、蒸発器フィン温度と蒸発器吸入温度とを取得し、互いの差の変化率(導関数)を求め、当該変化率から予め求めておいた関係とによりtを予測できる。予め求めておいた関係は、試験等により、予めテーブルにしたり、関数化しておくものを使用する。閾値以下であるときは、圧縮機が停止してから十分な時間が経過しているものと判断し、高圧側冷媒圧力と低圧側冷媒圧力とは等しいものと判断する。
本発明にかかる同期型電動圧縮機の制御装置は、圧縮機の低圧側と高圧側との冷媒圧力の差を考慮した電圧制御信号をインバータに送るため、起動失敗確率が低下し、円滑な起動を行うことができる。
以下に、本発明にかかる同期型電動圧縮機の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、一般的な同期型電動圧縮機の構成を示す説明図である。同期型電動圧縮機1は、内部に旋回スクロール2と、固定スクロール3とが双方の歯部を互いにかみ合わせて設けられる。旋回スクロール2は、モータ4に駆動されるクランクシャフト(図示省略)によって固定スクロール3に対して公転旋回させられ、双方の歯部のすきまに形成される圧縮室で冷媒が圧縮される。冷媒は、冷媒吸入口7から圧縮機内部に流入し、圧縮室で圧縮されて高圧になった後、吐出弁5を通って吐出口6から吐出される。したがって、冷媒は、圧縮室の上流側が低圧側、圧縮室の下流側を高圧側となる。
図2は、一般的な空気調和装置の構成を示した構成図である。空気調和装置は、圧縮機10とコンデンサ11、膨張弁13、および蒸発器14とから構成される。圧縮機10から吐出される高圧冷媒は、コンデンサ11で熱交換され、温度が下げられた後、膨張弁13で圧力が下げられる。そして、蒸発器14で熱交換され、低圧低温となった冷媒は、再び圧縮機10によって加圧されるというサイクルを循環する。なお、空気調和装置が冷房として用いられるときと、暖房として用いられるときとでは、コンデンサ11と蒸発器14の役割が逆転する。
コンデンサ11の下流側には、高圧冷媒圧力センサ12が設けられている。高圧冷媒圧力センサ12は、冷媒がある一定値よりも高圧になると、システムに支障を与えるので、それを検知するために従来から設けられているものが多い。つまり、システムを停止するための圧力リミッタの役割を果たすものとして設けられる。なお、高圧冷媒圧力センサ12が設けられる位置は、必ずしもコンデンサ11の下流である必要はないが、圧縮機10と膨張弁13の間に設けられることが必要である。
本発明は、元々リミッタとして設けられている上記高圧冷媒圧力センサ12を空気調和装置における圧縮機の高圧側で冷媒圧力を取得する高圧側冷媒圧力取得手段として利用する。圧縮機10を駆動する制御装置には、上記高圧側冷媒圧力取得手段から得られる高圧冷媒圧力から、圧縮機10の低圧側の冷媒圧力を予測する低圧側冷媒圧力予測手段が設けられる。具体的には、低圧側冷媒圧力予測手段は、高圧側冷媒圧力手段から得られる高圧冷媒圧力が、圧縮機の低圧側の低圧冷媒圧力と平衡状態になっていると仮定したときの当該低圧側冷媒圧力を、当該高圧側冷媒圧力を基に導出する。この導出には、予め試験等によって求めておいた関数やテーブルが用いられる。
図3は、冷媒圧力の高圧側と低圧側の関係を示すグラフであり、横軸は高圧側圧力、縦軸は、低圧側圧力である。上記のように、高圧冷媒圧力が高圧冷媒圧力センサ12等の高圧側冷媒圧力取得手段によって求まると、試験等によって求まる関数15やテーブルによって、低圧冷媒圧力が予測できる。高圧冷媒圧力と低圧冷媒圧力が把握できれば、両者の差をとることによって、圧縮機最大差圧を予測することができる。この差圧が、圧縮機の両端にかかる圧力差であり負荷であると考えることができる。
モータの駆動制御は、制御装置からの電圧制御信号によってPWM回路のデューティ比を制御し、インバーターを通じて適当な三相交流が付与されるのが一般的である。上記差圧がかかった圧縮機を起動するためのトルクは、差圧から計算でおよそ換算できるから、そうして求めたトルク用の電圧制御信号を圧縮機の制御装置が行えるようにすれば、負荷を考慮しない一定電圧制御信号によって起動するよりも、効率よく、円滑なモータ起動が行えるようになる。また、トルク不足による起動失敗は起こらず、また、過電流が流れることもない。
たとえば、図3のA点のように、圧縮機の高圧側と低圧側とで大きな差圧がかかっている状態のモータを起動するためには、B点やC点のような圧力状態のモータを起動するためのトルクでは、小さすぎて起動できない状態が続いてしまうが、本発明によれば、A点の差圧を考慮したトルクで起動が可能となる。なお、A点のように最大差圧がかかったときに生成する電圧制御信号によって、モータに過電流が流れないに予め試験をして、調整しておく。
また、同図C点のように停止から十分な時間が経過した場合のように、差圧がほとんどかかっていない状態のモータを起動するのに、B点やC点のような状態用の起動トルクでは、モータへの過電流となり、減磁のおそれも生ずるが、本発明では、C点の差圧を考慮した制御を行うので、過電流の心配もなく、適切な電圧制御信号が生成できる。この電圧制御信号をPWM回路、インバータを通じて永久磁石型等の同期型電動機に印加すれば、効率よく短時間で圧縮機を起動することができる。
本発明をハードウェアの面で考えると、圧縮機の制御装置の内部に入力部、演算部、出力部を設ければよい。入力部には、高圧冷媒圧力センサからの電気信号が入力されるようにしておく。演算部では、予めメモリーに記憶しておいた関数やテーブルで、上記高圧冷媒圧力から低圧冷媒圧力を導出し、両者の差をとり、それに見合ったトルクに適当な電圧制御信号を生成する。当該電圧制御信号は、出力部から、PWM回路、インバータを通じてモータに三相電圧として印加される。
(変形例1)
図4は、この発明の実施例の変形例を示す説明図である。この変形例では、上記実施例の低圧側冷媒圧力予測手段で予測した低圧冷媒圧力Pに、要求される空調負荷を考慮した関数として、蒸発器14の吹き出し温度をt1、蒸発器14の吸入温度をt0、蒸発器14のブロア風量をV、停止前の圧縮機10の回転数をF、所定の定数をC1としたときのC1*(t0−t1)*V/Fの値を前記低圧冷媒圧力Pに乗じる点が特徴である。これは、ある特定の熱量を空気から奪う為の仕事(例えば圧縮機回転数で類推)が小さければ小さいほど圧縮機停止時にもその圧力は維持されやすいことに鑑みたものである。
圧縮機が停止した後、低圧側冷媒圧力は、空調システムが空気に対して仕事をするほど維持されにくいと言える。低圧側冷媒圧力が維持されにくいかどうかを判断する要因には、蒸発器吸入温度t0から蒸発器吹き出し温度t1を差し引いた値、蒸発器14のブロア風量V、および前回停止前の圧縮機回転数Fが挙げられる。蒸発器吸入温度t0から蒸発器吹き出し温度t1を差し引いた値が大きいと、仕事が大きいことから、低圧側冷媒圧力は維持されにくいといえる。
また、ブロア風量Vも大きいと、維持されにくく、前回停止前の圧縮機回転数Fも大きいと維持されにくい。したがって、これらの要因に適当な定数を乗じた値を、低圧側冷媒圧力導出手段で導出される低圧冷媒圧力Pに乗じてやると、より的確な低圧側冷媒圧力を導出・予測することができ、モータの起動に必要なトルク、およびそれを生み出す印加電圧の算出が的確となる。
上式は、物理的観測から求められるものであるから、C1*(t0−t1)*V/Fとするだけでなく、C1*(t0−t1)だけでも低圧側冷媒圧力予測に効果があるし、所定の定数C2、C3を用いて、C2*V、C3*(1/F)としても効果がある。なお、これらの演算は、上記ハードウェアの説明中の演算部と付随するメモリーで行うようにすればよい。なお、C1、C2、C3は冷媒回路長や熱交換器配置等、車輌への空気調和装置の搭載状況に応じて実験的に検証され設定される係数である。
また、低圧側冷媒圧力予測手段で導出した低圧側冷媒圧力に、さらに前記圧縮機が停止してからの経過時間tを媒介変数として、所定の係数をC4としたとき、exp(−C
4*t)なる減衰関数も乗じるようにしてもよい。このようにするのは、圧縮機の高圧側の圧力は、圧縮機が停止してからの経過時間とともに低くなっていくので、その圧力を近似的に求めるためである。これにより、圧縮機が停止してからの経過時間tによって、ゆるやかに変動していく低圧冷媒圧力を予測することができる。なお、減衰関数は、上記の形に限らず、試験的に圧力降下に適した減衰関数を利用できる。C4は空気調和装置が用いられる地域の気候等外気温を加味して実験的に検証され設定される係数である。
上記式のtは、圧縮機の制御装置、空気調和装置、または、車載の空気調和装置であれば、乗員室に普通設けてある時計、タイマーを圧縮機の停止時と連係させるようにして取得してもよい。また、tは以下のように扱ってもよい。
まず、蒸発器14のフィン温度と蒸発器14の吸入温度とを従来から空気調和装置の温度制御に用いているセンサー等で取得する。つぎに、その差が、予め制御装置の記録部に記憶させている閾値以上であった場合には、圧縮機停止状態のまま特定時間、特定風量でブロアを回転させると同時に、上記フィン温度と吸入温度とをある一定のサンプリング時間毎に取得開始する。そして、時系列によって変化する互いの差の変化率を求め、予め求めておいた当該変化率との関係により前記経過時間tを導出する。なお、上記変化率と停止経過時間tとの関係は、予め試験等により求めておき、変化率からtを換算できる関数やテーブルを用意しておく。
また、フィン温度と吸入温度との差が上記閾値以下であった場合には、圧縮機が停止してから十分に時間が経過し、冷媒圧力が平衡状態であるとみなし、前記経過時間tを十分長い時間、たとえば60分とする。
特定時間、特定風量でブロアを回転させると、積極的に圧縮機の負荷を軽減させることができる。その状態で、蒸発器フィン温度と蒸発器吸入温度とを一定時間間隔で取得し、互いの差の変化率(導関数)を求め、当該変化率から予め求めておいた関係とによりtを予測できる。なお、上記変化率とtとの関係は、予め試験等で求めておく。
このようにタイマー等によってtを直接求めなくても、フィン温度と吸入温度とを用いて演算によって、およそのtは求めることができる。以上のようにすれば、特に、特別な器具を取り付けずに、圧縮機の演算によって、モータ起動に適切なトルクが予測でき、最終的にモータに印加する電圧を決定する電圧指令を生成することができる。FCEVやHEVのような電気自動車は、バッテリーを電源として空気調和装置の圧縮機を駆動させるが、これらのバッテリーはさまざまな負荷が接続されるために、定格電圧を約320Vとすると、下は約200V、上は約400Vにまで変動することがよく知られている。
そのような場合でも、車両に取り付けられる空気調和装置は、無駄な電力は消費させずに一発で始動させることが求められる。この発明は、圧縮機の負荷を考慮した電圧制御信号を生成し、円滑な起動が可能になることから、特に車両用空気調和装置の圧縮機の起動に効果がある。また、車両用空気調和装置の圧縮機は、商品として、厳しいコスト競争下におかれる物であるが、本発明であれば、従来の制御装置の演算部の設定を変更するだけで、実現可能であることから、理想的といえる。
圧縮機の高圧側と低圧側の差圧をバランスさせて(平衡にして)圧縮機の負荷を下げるように電磁弁を用いて起動する方法もあるが、当該差圧がバランスするまで再起動を遅延する制御としたのでは、迅速な起動ができない等、特に車載の圧縮機の起動方法としては不都合が多い。本発明では、当該電磁弁が無くてもよいし、ある場合は、電磁弁の効果を考慮した低圧側冷媒圧力予測手段、つまり関数やテーブルを制御装置の演算部内に設けて演算すればよい。
本発明にかかる同期型電動型圧縮機の制御装置は、一般建築物や自動車の空気調和装置等に用いられる同期型電動型圧縮機の制御装置の生産、使用に適している。
一般的な同期形電動圧縮機の構成を示す説明図である。 一般的な空気調和装置の構成を示した構成図である。 冷媒圧力の高圧側と低圧側の関係を示すグラフであり、横軸は高圧側圧力、縦軸は、低圧側圧力である。 この発明の実施例の変形例を示す説明図である。
符号の説明
1 同期型電動圧縮機
2 旋回スクロール
3 固定スクロール
4 モータ
5 吐出弁
6 吐出口
7 冷媒吸入口
10 圧縮機
11 コンデンサ
12 高圧冷媒圧力センサ
13 膨張弁
14 蒸発器
15 関数
F 圧縮機回転数
P 低圧冷媒圧力
t 経過時間
t0 蒸発器吸入温度
t1 温度
V ブロア風量

Claims (7)

  1. 空気調和装置における圧縮機の高圧側で冷媒圧力を取得する高圧側冷媒圧力取得手段と、
    前記高圧側冷媒圧力手段から得られる高圧冷媒圧力が前記圧縮機の低圧側の低圧冷媒圧力と平衡状態になっていると仮定したときの当該低圧側冷媒圧力を、前記高圧側冷媒圧力を基に、予め求めておく関係から導出する低圧側冷媒圧力予測手段と、
    前記低圧側冷媒圧力と、前記高圧側冷媒圧力との差を求める圧縮機最大差圧予測手段と、
    前記圧縮機最大差圧予測手段から得られる最大差圧がかかった前記圧縮機を起動可能なトルクを生み出す電圧制御信号をインバータに送る電圧制御信号伝達手段と、
    を有することを特徴とする同期型電動圧縮機の制御装置。
  2. 前記低圧側冷媒圧力予測手段は、予測した前記低圧冷媒圧力に、蒸発器吹き出し温度をt1、蒸発器吸入温度をt0、所定の定数をC1としたときのC1*(t0−t1)の値を前記低圧冷媒圧力に乗じることを特徴とする請求項1に記載の同期型電動圧縮機の制御装置。
  3. 前記低圧側冷媒圧力導出手段は、導出した前記低圧側冷媒圧力に、ブロア風量をV、所定の定数をC2としたときのC2*Vの値を前記低圧側冷媒圧力に乗じることを特徴とする請求項1に記載の同期型電動圧縮機の制御装置。
  4. 前記低圧側冷媒圧力導出手段は、導出した前記低圧側冷媒圧力に、前回停止前の圧縮機回転数をF、所定の定数をC3としたときのC3*(1/F)の値を前記低圧側冷媒圧力に乗じることを特徴とする請求項1に記載の同期型電動圧縮機の制御装置。
  5. 前記低圧側冷媒圧力予測手段は、導出した前記低圧側冷媒圧力に、さらに前記圧縮機が停止してからの経過時間tを媒介変数にもつ減衰関数も乗じることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の同期型電動圧縮機の制御装置。
  6. 前記低圧側冷媒圧力予測手段の減衰関数は、所定の係数をC4として、exp(−C
    4*t)であることを特徴とする請求項5に記載の同期型電動圧縮機の制御装置。
  7. 蒸発器フィン温度と前記蒸発器吸入温度との差が、予め記憶させている閾値以上であった場合には、
    前記圧縮機停止状態のまま特定時間、特定風量でブロアを回転させると同時に、前記蒸発器フィン温度と前記蒸発器吸入温度とを取得開始し、時系列によって変化する互いの差の変化率を求め、予め求めておいた当該変化率との関係により前記経過時間tを導出し、
    前記差が前記閾値以下であった場合には、前記経過時間tを冷媒圧力が平衡状態であることを意味する十分長い時間とすることを特徴とする請求項5または6に記載の同期型電動圧縮機の制御装置。
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