JP4928444B2 - 抗ウイルス作用を有する置換アザキナゾリン化合物 - Google Patents

抗ウイルス作用を有する置換アザキナゾリン化合物 Download PDF

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Description

本発明は、置換アザキナゾリン化合物およびそれらの製造方法、並びに、疾患の処置および/または予防用の、特に抗ウイルス剤として使用するための、特にサイトメガロウイルスに対する医薬を製造するための、それらの使用に関する。
ジヒドロキナゾリン化合物の合成は、Saito T., et al. Tetrahedron Lett., 1996, 37, 209-212 および Wang F., et al. Tetrahedron Lett., 1997, 38, 8651-8654 に記載されている。
抗ウイルス活性および様々な構造を有する物質が市販されているが、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、フォスカーネットおよびシドフォビルを用いる現在利用可能な治療には、ひどい副作用、例えば腎毒性、好中球減少または血小板減少が伴う。さらに、耐性の発生が常に起こり得る。従って、有効な治療のための新規物質が望ましい。
従って、本発明の1つの目的は、ヒトおよび動物におけるウイルス感染疾患の処置のための、同等かまたは改善された抗ウイルス効果を有する新規化合物を提供することである。
驚くべきことに、本発明に関する置換アザキナゾリン化合物は、抗ウイルス活性を有することが判明した。
本発明は、式
Figure 0004928444
式中、
Arはアリールであり
{ここで、アリールは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルキル、アルコキシ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノカルボニルおよびニトロ(ここで、アルキルは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシおよびアリールからなる群から相互に独立して選択される)からなる群から相互に独立して選択されるか、
または、アリール上の置換基の2個が、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソラン、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成しており、存在することもある第3の置換基は、独立して当該群から選択される}、
、Q、QおよびQは、CHまたはNであり
(ここで、Q、Q、QおよびQの1個または2個はNであり、他は同時にCHである)、
は、水素、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、
は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、
は、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキルスルホニルまたはアルキルアミノスルホニルであるか、
または、
基R、RおよびRの1個は、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、他の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソラン、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成しており、
は、水素またはアルキルであり、
は、水素またはアルキルであるか、
または、
ピペラジン環中の基RおよびRは、正確に対向する炭素原子に結合しており、1個ないし2個のメチル基により置換されていることもあるメチレン架橋を形成しており、
は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたはニトロであり、
そして、
は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたはニトロである、
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
本発明の化合物は、式(I)に包含され、以下で言及される化合物が、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではない場合、式(I)の化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、以下で例示的実施態様として言及される化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
本発明の化合物は、それらの構造に依存して、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在する。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性体的に純粋な成分は、そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、既知のやり方で単離できる。
本発明の化合物が互変異性体で存在できるならば、本発明は全ての互変異性体を含む。
本発明のために好ましい塩は、本発明の化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用できる塩も含まれる。
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、無機酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩など、が含まれる。
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、通常の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンなど)から誘導されるアンモニウム塩なども含まれる。
溶媒和物は、本発明のために、固体または液体状態で溶媒分子との配位により錯体を形成する、本発明の化合物の形態に言及する。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。
本発明のために、断りのない限り、置換基は以下の意味を有する:
アルキル自体、並びにアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノスルホニルおよびアルコキシカルボニル中の「アルコ」および「アルキル」は、通常1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルである。
アルコキシは、例えば、そして好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシである。
アルキルチオは、例えば、そして好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオおよびn−ヘキシルチオである。
アルキルアミノは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノ基、例えば、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノである。C−C−アルキルアミノは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基またはアルキル置換基毎に各々1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノ基である。
アルキルスルホニルは、例えば、そして好ましくは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニルおよびn−ヘキシルスルホニルである。
アルキルアミノスルホニルは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノスルホニル基、例えば、そして好ましくは、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n−プロピルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、tert−ブチルアミノスルホニル、n−ペンチルアミノスルホニル、n−ヘキシル−アミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N−エチル−N−メチルアミノスルホニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノスルホニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノスルホニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノスルホニルである。C−C−アルキルアミノスルホニルは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノスルホニル基またはアルキル置換基毎に各々1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノスルホニル基である。
アルキルカルボニルは、例えば、そして好ましくは、アセチルおよびプロパノイルである。
アルコキシカルボニルは、例えば、そして好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルである。
アリールは、通常6個ないし14個の炭素原子を有する単環式ないし三環式の芳香族性炭素環式基、例えば、そして好ましくは、フェニル、ナフチルおよびフェナントレニルである。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素および塩素である。
炭素原子上の記号*は、その化合物が、この炭素原子の配置に関して、エナンチオピュア(enantiopure)な形態であることを意味し、このことは、本発明のために、90%より高い鏡像体過剰率(>90%ee)を意味する。
好ましいのは、式中、
Arがフェニルであり
(ここで、フェニルは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよびニトロからなる群から相互に独立して選択されるか、
または、フェニル上の置換基の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成しており、存在することもある第3の置換基は、独立して当該群から選択される)、
、QおよびQがCHまたはNであり
(ここで、常に、Q、QおよびQの正確に1個はNであり、他は同時にCHである)、
がCHであり、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、フッ素または塩素であり、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、フッ素または塩素であり、
が、C−C−アルキル、シアノ、フッ素、塩素、ニトロ、トリフルオロメチルまたはC−C−アルキルスルホニルであるか、
または、
基R、RおよびRが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、他の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成しており、
が、水素またはメチルであり、
が、水素であり、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシまたはニトロであり、そして、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フッ素、塩素、シアノまたはヒドロキシである、
式(I)の化合物である。
これらの中で好ましいのは、特に、式中、
Arがフェニルであり
(ここで、フェニルは、1個ないし2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メチル、メトキシ、フッ素および塩素からなる群から相互に独立して選択される)、
、QおよびQがCHまたはNであり
(ここで、常に、Q、QおよびQの正確に1個はNであり、他は同時にCHである)、
がCHであり、
が、水素、メチル、メトキシ、メチルチオ、フッ素または塩素であり、
が水素であり、
が、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、フッ素、塩素、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、
が水素であり、
が水素であり、
が、水素、アミノカルボニル、フッ素、塩素、シアノまたはヒドロキシであり、
そして、
が水素である、
式(I)の化合物である。
これらの中で、ことさら特に好ましいのは、式中、
Arがフェニルであり、ここで、フェニルは、1個ないし2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メチル、メトキシ、フッ素および塩素からなる群から相互に独立して選択され、
、QおよびQがCHまたはNであり
(ここで、常に、Q、QおよびQの正確に1個はNであり、他は同時にCHである)、
がCHであり、
が、水素、メチルまたはメトキシであり、
が水素であり、
が、メチル、tert−ブチル、塩素またはトリフルオロメチルであり、
が水素であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
が水素である、
式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素、メチル、メトキシまたはフッ素である、式(I)の化合物である。
これらの中で、特に好ましいのは、式中、Rがメトキシである、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが、フェニル環の連結点に対してオルトの位置を介してフェニル環に結合している、式(I)の化合物である。基R、RおよびRにより置換されているフェニル環の連結点は、本発明の文脈では、式(I)の2個のジヒドロキナゾリン窒素原子の1個に連結しているフェニル環の炭素原子を意味する。
特に好ましいのは、式中、Rがメトキシであり、フェニル環の連結点に対してオルトの位置を介してフェニル環に結合している、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素である、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが、トリフルオロメチル、塩素、メチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである、式(I)の化合物である。
これらの中で、特に好ましいのは、式中、Rが、トリフルオロメチル、塩素またはメチルである、式(I)の化合物である。
これらの中で、ことさら特に好ましいのは、式中、Rがトリフルオロメチルである、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが、フェニル環の連結点に対してオルトの位置を介してフェニル環に結合しており、Rが、Rと対向し、かつフェニル環の連結点に対してメタである位置でフェニル環に結合している、式(I)の化合物である。
特に好ましいのは、式中、Rが、フェニル環の連結点に対してオルトの位置を介してフェニル環に結合しており、Rが、トリフルオロメチル、塩素またはメチルであり、Rが、Rと対向し、かつフェニル環の連結点に対してメタである位置でフェニル環に結合している、式(I)の化合物である。
これらの中で特に好ましいのは、式中、Rが、フェニル環の連結点に対してオルトの位置を介してフェニル環に結合しており、Rがトリフルオロメチルであり、Rが、Rと対向し、かつフェニル環の連結点に対してメタである位置でフェニル環に結合している、式(I)の化合物である。
好ましいのは、式中、RおよびRが水素である、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素である、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素である、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Arがフェニルであり、ここで、フェニルは、1個ないし2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メチル、メトキシおよびフッ素および塩素からなる群から相互に独立して選択される、式(I)の化合物である。
基のそれぞれの組合せまたは好ましい組合せにおいて特定して示される基の定義は、それらの基のために示される特定の組合せに関わらず、所望により他の組合せの基の定義によっても置き換えられる。
上述の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せが、ことさら特に好ましい。
本発明は、さらに、式(I)の化合物の製造方法に関し、その方法では、式
Figure 0004928444
(式中、Ar、Q、Q、Q、Q、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、Rは、アルキル、好ましくはメチルもしくはエチル、またはtert−ブチルである)
の化合物を、塩基または酸と反応させる。
メチルおよびエチルの場合、反応は、一般的に、塩基と、不活性溶媒中、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う。
塩基の例は、必要に応じて水性溶液中の、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、リチウムまたはカリウム、またはアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたはカリウムであり、水中の水酸化ナトリウムが好ましい。
不活性溶媒の例は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、溶媒の混合物であり、ジオキサンまたはテトラヒドロフランが好ましい。
tert−ブチルの場合、反応は、一般的に、酸と、不活性溶媒中、好ましくは0℃ないし40℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
これに関して適する酸は、ジオキサン中の塩化水素、酢酸中の臭化水素または塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸である。
式(II)の化合物は、知られているか、または、式
Figure 0004928444
(式中、Q、Q、Q、Q、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、2段階反応で、最初に、式
Figure 0004928444
(式中、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と、次いで、式
Figure 0004928444
(式中、Ar、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と、反応させることにより製造できる。
反応は、両段階で、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは室温ないし100℃の温度範囲で、大気圧で行う。必要に応じて第2段階でシリカゲルを反応混合物に添加する。反応は、好ましくは、第1と第2段階の間に後処理をして行う。
不活性溶媒の例は、塩化メチレン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなどのハロ炭化水素類、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、またはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたは酢酸エチルなどの他の溶媒、または溶媒の混合物であり、塩化メチレンが好ましい。
式(IV)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、既知方法により合成できる。
式(V)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、既知方法により、例えば以下の合成スキームに従うブッフバルト・ハートウィッグ(Buchwald-Hartwig)反応により、合成できる(C.G. Frost, P. Mendonca, J. Chem. Soc., Perkin Trans I, 1998, 2615-2623 に総説):
ブッフバルト・ハートウィッグ反応:
Figure 0004928444
これに必要とされる前駆物質は、知られているか、または、適切な前駆物質から既知方法により合成できる。
式(III)の化合物は、知られているか、または、式
Figure 0004928444
(式中、Q、Q、Q、Q、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、トリフェニルホスフィンおよびテトラクロロメタンと反応させることにより製造できる。
反応は、一般的に、不活性溶媒中、塩基の存在下、好ましくは室温ないし50℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
不活性溶媒の例は、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、または、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなどの他の溶媒であり、アセトニトリルが好ましい。
塩基の例は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたはカリウム、またはアミン類、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはピリジンであり、トリエチルアミンが好ましい。
式(VI)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から既知方法により、例えばヘック(Heck)反応またはウィッティヒ−ホーナー(Wittig-Horner)反応により、以下の合成スキームに従って合成できる:
ヘック反応:
Figure 0004928444
ウィッティヒ−ホーナー反応:
Figure 0004928444
これに必要とされる前駆物質は、知られているか、または、既知方法により適切な前駆物質から合成できる。
本発明の化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示説明できる。
合成スキーム
Figure 0004928444
本発明の式(I)の化合物は、予想し得なかった驚異的な範囲の効果を示す。それらは、ヘルペスウイルス科(Herpes viridae)のグループの代表例、特にサイトメガロウイルス類(CMV)、ことさらにヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して、抗ウイルス効果を示す。
例として言及し得る適応症の領域は以下である:
1)AIDS患者におけるHCMV感染の処置および予防(網膜炎、肺臓炎、消化管の感染)
2)しばしば生命を脅かすHCMV肺臓炎または脳炎を発症する骨髄および器官移植患者におけるサイトメガロウイルス感染、並びに消化管および全身的HCMV感染の処置および予防
3)新生児および乳児のHCMV感染の処置および予防
4)妊婦の急性HCMV感染の処置
5)癌および癌治療に関連する免疫抑制患者のHCMV感染の処置。
6)HCMVに媒介される腫瘍の進行を低減することを目的とする、HCMV陽性癌患者の処置(J. Cinatl , et al., FEMS Microbiology Reviews 2004, 28, 59-77参照)。
本発明はさらに、疾患、特にウイルス感染、ことさらに上述のウイルスによるもの、およびそれらに起因する感染性疾患の処置および/または予防のための本発明の化合物の使用に関する。本明細書では以後、ウイルス感染は、ウイルス感染およびウイルス感染に起因する疾患の両方を意味する。
本発明はさらに、障害、ことさらに上述の障害の処置および/または予防のための本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防のための医薬を製造するための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明の化合物は、好ましくは、ヘルペスウイルス科のグループの代表例、特にサイトメガロウイルス類、特にヒトサイトメガロウイルスの感染の予防および/または処置に適する医薬の製造のために使用される。
本発明はさらに、抗ウイルス的有効量の本発明の化合物を使用することによる、障害、特に上述の障害の処置および/または予防方法に関する。
本発明はさらに、特に上述の障害の処置および/または予防のための、少なくとも1種の本発明の化合物および少なくとも1種またはそれ以上のさらなる有効成分を含む医薬に関する。例として、そして好ましいものとして言及され得る、組合せ中の適する有効成分は:ガンシクロビルまたはアシクロビルなどの抗ウイルス性有効成分である。
本発明の化合物は、全身的および/または局所的効果を有し得る。この目的のために、それらは、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜に、耳または局所経路で、またはインプラントもしくはステントとしてなど、適するやり方で投与できる。
これらの投与経路のために、本発明の化合物を適する投与形で投与することが可能である。
経口投与に適するのは、先行技術に準じて機能し、本発明の化合物を迅速におよび/または修飾されたやり方で送達し、本発明の化合物を結晶および/または無定形および/または溶解形態で含む投与形、例えば、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば胃液耐性であるか、または遅く溶解するか、または不溶であり、本発明の化合物の放出を制御する被覆を有する錠剤)、口腔で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム/ウエハース(wafers)、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えばハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
非経腸投与は、吸収段階を回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤形態の注射および点滴用製剤である。
他の投与経路に適する例は、吸入用医薬形(なかんずく、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬、液、スプレー;舌に、舌下に、または頬側に投与するための錠剤、フィルム/ウエハースまたはカプセル剤、坐剤、眼および耳用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム、ミルク、ペースト、フォーム、散剤、インプラントまたはステントである。
本発明の化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、それ自体既知のやり方で、不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と混合することにより行うことができる。これらには、なかんずく、担体(例えば、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定化剤(例えば、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色剤(例えば、酸化鉄などの無機色素)または香味および/または臭気遮断剤が含まれる。
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明の化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と共に含む医薬、および上記目的のためのそれらの使用に関する。
一般的に、静脈内投与で、約0.001ないし10mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし5mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を達成するために有利であり、経口投与の用量は、約0.01ないし25mg/体重kg、好ましくは0.1ないし10mg/体重kgであることが明らかになった。
それでもやはり、必要に応じて、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個体の反応、製剤の様式および投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要となり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合もあり、上述の上限を超えなくてはならない場合もある。大量に投与する際には、それらを一日にわたって複数の個別用量に分割するのが望ましいことがある。
以下の試験および実施例において、パーセントのデータは、断りのない限り重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積をベースとする。
A.実施例
略号
Figure 0004928444
一般的なLC−MSおよびHPLC方法:
方法1(分析HPLC):装置:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil RP 18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO4 5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm
方法2(分取HPLC、実験室のHPLC):カラム:CromSil C18, 250 mm x 30 mm;流速:50ml/分;実行時間:38分;溶離剤A:水、溶離剤B:アセトニトリル、勾配10%B(3分)→90%B(31分)→90%B(34分)→10%B(34.01分):UV検出:210nm
方法3(LCMS):装置:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Quattro LCZ;カラム:Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;溶離剤A:水1l+50%蟻酸1ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm
出発化合物
実施例1A
ピリジン−4−イルtert−ブチルカルバメート
Figure 0004928444
4−アミノピリジン2.0g(21.3mmol)を、THF20ml中のジ−tert−ブチルジカルボネート5.1g(23.4mmol)の溶液に少しずつ添加する。添加完了後、混合物を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を真空で除去し、かくして得られる残渣をジエチルエーテルに懸濁する。固体を濾過し、真空で乾燥する。収量:3.43g(理論値の83%)
HPLC(方法1):R=3.42分
MS(ESI−pos):m/z=195[M+H]
実施例2A
ピリジン−3−イルtert−ブチルカルバメート
Figure 0004928444
酢酸鉛(IV)18.2g(40.9mmol)を、tert−ブタノール100ml中のニコチンアミド5.0g(40.9mmol)の溶液に添加し、反応混合物を還流下で4時間撹拌する。次いで、珪藻土を通して混合物を濾過し、溶媒を真空で除去し、残渣をジエチルエーテルに取る。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。溶液をペンタンと混合し、得られる沈殿を濾過し、乾燥する。収量:2.79g(理論値の35%)
HPLC(方法1):R=3.36分
MS(ESI−pos):m/z=195[M+H]
実施例3A
(3−ホルミルピリジン−4−イル)tert−ブチルカルバメート
Figure 0004928444
実施例1AのBoc−保護アミノピリジン4.12g(21.3mmol)を、テトラヒドロフラン75mlに溶解し、溶液をアルゴン下で−78℃に冷却し、1.5Mtert−ブチルリチウムのペンタン溶液34ml(51.1mmol)を、滴下して添加する。添加は、内部温度が−65℃より低いままであるように行う。添加完了後、混合物を−20℃で1時間撹拌する。次いで、添加中に反応温度が−15℃より低いままであるように、無水N,N−ジメチルホルムアミド10.6ml(138.3mmol)を混合物に添加する。反応を室温で16時間撹拌し、次いで、氷中で冷却しながら、1N塩酸を添加する。固体の炭酸ナトリウムを用いてpHをpH7に合わせ、酢酸エチルを混合物に添加し、有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空で除去する。シクロヘキサン/酢酸エチル(3:2v/v)を用いて、シリカゲルのクロマトグラフィーにより生成物を精製する。生成物3.15g(理論値の63%)を得る。
HPLC(方法1):R=3.65分
MS(ESI−pos):m/z=223[M+H]
実施例4A
(4−ホルミルピリジン−3−イル)tert−ブチルカルバメート
Figure 0004928444
実施例2A由来のBoc保護アミノピリジン2.7g(13.9mmol)を、テトラヒドロフラン50mlに溶解し、溶液をアルゴン下で−78℃に冷却し、1.5Mtert−ブチルリチウムのペンタン溶液22.4ml(33.4mmol)を、滴下して添加する。添加は、内部温度が−65℃より低いままであるように行う。添加完了後、混合物を−20℃で1時間撹拌する。次いで、添加中に反応温度が−15℃より低いままであるように、N−ホルミルピペリジン4.6ml(41.7mmol)を混合物に添加する。反応を室温で16時間撹拌し、次いで、氷中で冷却しながら、1N塩酸を添加する。固体の炭酸ナトリウムを用いてpHをpH7に合わせ、酢酸エチルを混合物に添加し、有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空で除去する。シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3v/v)を用いて、シリカゲルのクロマトグラフィーにより生成物を精製する。生成物1.54g(理論値の49%)を得る。
HPLC(方法1):R=3.40分
MS(ESI−pos):m/z=223[M+H]
実施例5A
3−アミノ−2−ブロモピリジン
Figure 0004928444
3−アミノピリジン4.00g(42.5mmol)をアセトニトリル200mlに溶解し、N−ブロモスクシンイミド8.32g(46.8mmol)の添加後、遮光して室温で20時間撹拌する。次いで、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルに懸濁し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。精製は、シクロヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いるシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによる。生成物969mg(理論値の12%)を得る。
HPLC(方法1):R=1.08分
MS(ESI−pos):m/z=173[M+H]
実施例6A
tert−ブチル(2E)−3−(3−アミノピリジン−2−イル)アクリレート
Figure 0004928444
実施例5Aの臭化物950mg(4.94mmol)、tert−ブチルアクリレート1900mg(14.83mmol)、酢酸パラジウム(II)330mg(1.50mmol)、トリ−オルト−トリルホスフィン450mg(1.50mmol)を、アセトニトリル15mlに溶解し、トリエチルアミン1000mg(9.88mmol)を添加する。混合物を還流下で16時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3)を用いるシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製する。生成物95mg(理論値の6%)を得る。
実施例7A
メチル(2E)−3−{4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリレート
Figure 0004928444
テトラヒドロフラン30ml中の、実施例3A由来のアルデヒド3.0g(13.5mmol)、メチルジエチルホスホノアセテート3.12g(14.8mmol)および水酸化リチウム一水和物623mg(14.8mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌する。これに続き、水30mlを添加し、酢酸エチルで抽出する。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去する。残渣を100℃/1mbarで乾燥する。表題化合物3.5g(理論値の89%)を得た。
HPLC(方法1):R=3.71分
MS(ESI−pos):m/z=279[M+H]
実施例8A
メチル(2E)−3−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}アクリレート
Figure 0004928444
テトラヒドロフラン15ml中の実施例4A由来のアルデヒド1.48g(6.66mmol)、メチルジエチルホスホノアセテート1.54g(7.33mmol)および水酸化リチウム一水和物307mg(7.33mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌する。これに続き、水15mlを添加し、酢酸エチルで抽出する。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去する。残渣を75℃/1mbarで乾燥する。表題化合物1.82g(理論値の98%)を得る。
HPLC(方法1):R=3.73分
MS(ESI−pos):m/z=279[M+H]
実施例9A
メチル(2E)−3−{4−アミノピリジン−3−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例7A由来のBoc保護アミノピリジン900mg(3.23mmol)を、トリフルオロ酢酸3mlに0℃で溶解する。次いで、反応混合物を室温で1時間撹拌し、混合物を氷冷重炭酸ナトリウム溶液に導入し、30分間撹拌し、得られる沈殿を濾過し、水で洗浄し、乾燥する。表題化合物242mg(理論値の42%)を得る。
pHをpH10に合わせ、酢酸エチルで抽出することにより、さらに生成物105mg(理論値の18%)を油状物として母液から単離できる。2つの画分は、恐らく、プロトン付加の程度において異なる。
HPLC(方法1):R=2.67分
MS(CI−pos):m/z=179[M+H]
実施例10A
メチル(2E)−3−{3−アミノピリジン−4−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例8AのBoc保護アミノピリジン1.8g(6.47mmol)を、メタノール18mlに室温で溶解し、濃塩酸1mlを溶液に添加する。次いで、反応混合物を70℃で4時間撹拌し、混合物を重炭酸ナトリウム溶液50mlに導入し、20%強度水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHをpH14に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を濃塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空で除去する。収量:935mg(理論値の79%)
HPLC(方法1):R=2.88分
MS(ESI−pos):m/z=179[M+H]
一般操作[A]:アミノピリジン類からのイミノホスホラン類の製造
アミノピリジン1.0当量、トリフェニルホスフィン2.0当量、テトラクロロメタン10.0当量およびトリエチルアミン10.0当量を、アセトニトリル(アミノピリジンをベースとして約0.33M)に懸濁する。反応混合物を室温で16時間撹拌し、溶媒を真空で除去する。粗生成物をこれ以上精製せずに反応させるか、または、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製する。
実施例11A
tert−ブチル(2E)−3−{3−[(トリフェニルホスホラニリデン)アミノ]ピリジン−2−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例6A由来のアミノピリジン95mg(0.28mmol)から出発して、一般操作[A]により粗生成物を得、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3)を用いてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製する。生成物70mg(理論値の51%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.83分
MS(ESI−pos):m/z=481[M+H]
実施例12A
メチル(2E)−3−{4−[(トリフェニルホスホラニリデン)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例9A由来のアミノピリジン320mg(1.8mmol)から出発して、一般操作[A]により粗生成物1650mgを得、それをこれ以上精製せずに反応させる。
実施例13A
メチル(2E)−3−{3−[(トリフェニルホスホラニリデン)アミノ]ピリジン−4−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例10A由来のアミノピリジン900mg(4.89mmol)から出発して、一般操作[A]により粗生成物1910mgを得、これ以上精製せずに反応させる。
MS(ESI−pos):m/z=439[M+H]
一般操作[B]:イソシアネート類との反応による、イミノホスホラン類からのカルボジイミド類の製造
イミノホスホラン(適するならば粗生成物として)1.0当量を、ジクロロメタンに溶解し、イソシアネート1.1当量を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌する。かくして得られる粗生成物を、さらに直接反応させる。
実施例14A
tert−ブチル(2E)−3−{3−[({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ}メチレン)アミノ]ピリジン−2−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例11A由来のイミノホスホラン65mg(0.14mmol)を、一般操作[B]により3−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート27mg(0.14mmol)と反応させ、粗生成物をこれ以上精製せずにさらに反応させる。
実施例15A
メチル(2E)−3−{4−[({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ}メチレン)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例12A由来のイミノホスホラン300mg(0.34mmol)を、一般操作[B]により3−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート70mg(0.38mmol)と反応させ、粗生成物をこれ以上精製せずにさらに反応させる。
実施例16A
メチル(2E)−3−[4−({[(2−メトキシ−5−メチルフェニル)イミノ]メチレン}アミノ)ピリジン−3−イル]アクリレート
Figure 0004928444
実施例12A由来のイミノホスホラン150mg(0.28mmol)を、一般操作[B]により1−メトキシ−4−メチルフェニルイソシアネート67mg(0.42mmol)と反応させ、粗生成物をこれ以上精製せずにさらに反応させる。
実施例17A
メチル(2E)−3−{3−[({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ}メチレン)アミノ]ピリジン−4−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例13A由来のアミノピリジン1000mg(1.37mmol)を、一般操作[B]により3−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート282mg(1.51mmol)と反応させ、粗生成物をこれ以上精製せずにさらに反応させる。
実施例18A
メチル(2E)−3−{4−[({[2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ}メチレン)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリレート
Figure 0004928444
実施例12A由来のイミノホスホラン1017mg(1.90mmol)を、一般操作[B]により1−メトキシ−4−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート413mg(1.90mmol)と反応させ、粗生成物をこれ以上精製せずにさらに反応させる。
実施例19A
2−イソシアナト−1−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン
Figure 0004928444
2−メトキシ−5−トリフルオロメチルアニリン3g(15.69mmol)を、ジクロロメタン100mlに溶解し、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン6.73g(31.39mmol)を添加する。0−5℃で、ジクロロメタン50mlに溶解したトリクロロメチルクロロホルメート2.24g(11.3mmol)を滴下して添加し、混合物を0℃で30分間、そして室温で60分間撹拌する。それを、0℃で、1N塩酸、氷水および重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸留により除去した後、生成物を得る。次いで、イソシアネートを、これ以上精製せずに次の反応で反応させる。収量:3g(理論値の88%)
一般操作[C]:ジヒドロピリドピリミジニル酢酸エステルを得るためのカルボジイミド類のフェニルピペラジン類との反応
カルボジイミド(適するならば、粗生成物として)1.0当量を、ジクロロメタンに溶解し、フェニルピペラジン1.05当量およびスパチュラの先の量(a spatula tip)のシリカゲルを添加し、反応混合物を還流下で16時間撹拌する。次いで、溶媒を真空で除去し、生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーまたは分取HPLC(方法2)により精製する。
実施例20A
メチル{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
17A由来のカルボジイミド250mg(0.34mmol)および4−フルオロフェニルピペラジン65mg(0.36mmol)から出発し、一般操作[C]および分取HPLCによる2回の精製により、生成物64mg(理論値の33%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.42分
MS(ESI−pos):m/z=528[M+H]
実施例21A
メチル{2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例17A由来のカルボジイミド250mg(0.34mmol)および3−メチルフェニルピペラジン63mg(0.36mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物88mg(理論値の48%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.42分
MS(ESI−pos):m/z=524[M+H]
実施例22A
メチル{2−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例17A由来のカルボジイミド250mg(0.34mmol)および3−クロロフェニルピペラジン71mg(0.36mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物102mg(理論値の53%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.65分
MS(ESI−pos):m/z=544[M+H]
実施例23A
メチル{2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例17A由来のカルボジイミド250mg(0.34mmol)および3−メトキシフェニルピペラジン69mg(0.36mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物90mg(理論値の46%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.40分
MS(ESI−pos):m/z=540[M+H]
実施例24A
メチル{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例15A由来のカルボジイミド107mg(0.31mmol)および4−フルオロフェニルピペラジン56mg(0.31mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物50mg(理論値の28%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.60分
MS(ESI−pos):m/z=528[M+H]
実施例25A
メチル{2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例15A由来のカルボジイミド107mg(0.31mmol)および3−メトキシフェニルピペラジン59mg(0.31mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物40mg(理論値の23%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.60分
MS(ESI−pos):m/z=540[M+H]
実施例26A
tert−ブチル{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例14A由来のカルボジイミド53mg(0.14mmol)および4−フルオロフェニルピペラジン24mg(0.14mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCでの精製により、生成物38mg(理論値の48%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.87分
MS(ESI−pos):m/z=570[M+H]
実施例27A
メチル[2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル]アセテート
Figure 0004928444
実施例16A由来のカルボジイミド91mg(0.28mmol)および4−フルオロフェニルピペラジン76mg(0.42mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物14mg(理論値の9%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.23分
MS(ESI−pos):m/z=504[M+H]
実施例28A
メチル{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アセテート
Figure 0004928444
実施例18A由来のカルボジイミド565mg(1.50mmol)および4−フルオロフェニルピペラジン297mg(1.65mmol)から出発して、一般操作[C]および分取HPLCによる精製により、生成物90mg(理論値の10%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.44分
MS(ESI−pos):m/z=558[M+H]
例示的実施態様
一般操作[D]:エステル加水分解
1.0当量のエステルを、ジオキサン(約0.5M溶液)に溶解し、次いで3.0当量の1N水酸化ナトリウム溶液を添加し、反応混合物を50℃で16時間撹拌する。次いで、混合物を1N塩酸でpH5に合わせ、溶媒を真空で除去し、生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーまたは分取HPLCにより精製する。
実施例1
{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}酢酸塩酸塩
Figure 0004928444
実施例20A由来のエステル44mg(0.08mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物24mg(理論値の52%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.19分
MS(ESI−pos):m/z=514[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN+DMSO-d6): δ [ppm] = 8.34 (s, 1H); 8.11 (d, 1H); 7.62 (s, 1H); 7.47 (t, 1H); 7.39-7.37 (m, 2H); 7.07 (t, 1H); 6.99 (t, 1H); 6.91-6.87 (m, 1H); 5.27-5.23 (m, 1H); 3.58-3.53 (m, 2H), 溶媒または水シグナルの下にさらなるプロトン。
実施例2
{2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}酢酸塩酸塩
Figure 0004928444
実施例21A由来のエステル70mg(0.13mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物51mg(理論値の71%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.21分
MS(ESI−pos):m/z=510[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN+DMSO-d6): δ [ppm] = 8.34 (s, 1H); 8.12 (d, 1H); 7.62 (s, 1H); 7.44 (t, 1H); 7.38-7.36 (m, 2H); 7.10 (t, 1H); 7.05 (d, 1H); 6.89-6.88 (m, 1H); 6.72-6.64 (m, 3H); 5.26-5.22 (m, 1H); 3.59-3.53 (m, 2H); 3.08-2.95 (m, 3H); 2.72-2.65 (m, 1H); 2.48-2.46 (m, 1H); 2.25 (s, 3H).
実施例3
{2−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}酢酸塩酸塩
Figure 0004928444
実施例22Aのエステル84mg(0.15mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物44mg(理論値の52%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.43分
MS(ESI−pos):m/z=530[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN+DMSO-d6): δ [ppm] = 8.34 (s, 1H); 8.12 (d, 1H); 7.62 (s, 1H); 7.46 (t, 1H); 7.39-7.35 (m, 2H); 7.19 (t, 1H); 7.05 (d, 1H); 6.89-6.88 (m, 1H); 6.83-6.79 (m, 2H); 5.26-5.22 (m, 1H); 3.59-3.53 (m, 2H); 3.13-3.02 (m, 3H); 2.72-2.65 (m, 1H); 2.48-2.41 (m, 1H).
実施例4
{2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−イル}酢酸塩酸塩
Figure 0004928444
実施例23A由来のエステル72mg(0.13mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物48mg(理論値の67%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.18分
MS(ESI−pos):m/z=526[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN+DMSO-d6): δ [ppm] = 8.35 (s, 1H); 8.12 (d, 1H); 7.56 (s, 1H); 7.46 (t, 1H); 7.39-7.36 (m, 2H); 7.12 (t, 1H); 7.05 (d, 1H); 6.50-6.47 (m, 1H); 6.43-6.39 (m, 2H); 5.26-5.22 (m, 1H); 3.73 (s, 3H); 3.59-3.52 (m, 2H); 3.09-2.98 (m, 3H); 2.72-2.65 (m, 1H); 2.48-2.46 (m, 1H).
実施例5
{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}酢酸塩酸塩
Figure 0004928444
実施例24A由来のエステル38mg(0.07mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物24mg(理論値の67%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.24分
MS(ESI−pos):m/z=514[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN): δ [ppm]= 8.22 (d, 1H); 8.18 (s, 1H); 7.45 (s, 1H); 7.40-7.36 (m, 3H); 7.03-6.83 (m, 5H); 5.28 (t, 1H); 3.603-3.50 (m, 4H); 2.99-2.90 (m, 4H); 2.78 (dd, 1H); 2.57 (dd, 1H).
実施例6
{2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}酢酸
Figure 0004928444
実施例25A由来のエステル27mg(0.05mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物19mg(理論値の72%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.24分
MS(ESI−pos):m/z=526[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN): δ [ppm] = 8.24 (d, 1H); 8.18 (s, 1H); 7.45 (s, 1H); 7.40-7.35 (m, 3H); 7.12 (t, 1H); 7.01 (d, 1H); 6.45 (d, 1H); 6.41-6.38 (m, 2H); 5.28 (t, 1H); 3.72 (s, 3H); 3.60-3.54 (m, 4H); 3.07-2.78 (m, 4H); 2.55 (dd, 2H).
実施例7
{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イル}酢酸塩酸塩
Figure 0004928444
実施例26A由来のエステル25mg(0.04mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物16mg(理論値の66%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.30分
MS(ESI−pos):m/z=514[M+H−HCl]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN): δ [ppm] = 8.12 (d, 1H); 7.60 (s, 1H); 7.45-7.39 (m, 4H); 7.22 (dd, 1H); 6.96 (t, 2H); 6.89-6.86 (m, 2H); 5.18 (dd, 1H); 3.68-3.59 (m, 4H); 3.06-2.99 (m, 4H); 2.76 (dd, 1H); 2.63 (dd, 1H).
実施例8
[2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル]酢酸
Figure 0004928444
実施例27A由来のエステル12mg(0.02mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物11mg(理論値の97%)を得る。
HPLC(方法1):R=4.05分
MS(ESI−pos):m/z=490[M+H]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN): δ [ppm] = 8.14-8.10 (m, 2H); 7.15-6.81 (m, 8H); 4.86-4.84 (m, 1H); 3.77-3.73 (m, 4H); 3.50 (s, 3H); 2.96-2.92 (m, 2H); 2.78-2.74 (m, 2H); 2.49 (dd, 1H); 2.50-2.48 (m, 1H, 部分的にCH3シグナルの下); 2.44 (s, 3H).
実施例9
{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−[2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}酢酸
Figure 0004928444
実施例28A由来のエステル80mg(0.14mmol)から出発して、一般操作[D]による反応および分取HPLCによる精製により、生成物27mg(理論値の35%)を得る。
HPLC(方法3):R=2.31分
MS(ESI−pos):m/z=543[M+H]
1H-NMR (400 MHz, CD3CN): δ [ppm] = 8.26-8.20 (m, 2H); 7.55 (d, 1H); 7.16 (d, 1H); 7.10-6.78 (m, 6H); 5.00 (dd, 1H); 3.88-3.80 (m, 4H); 3.54 (s, 3H); 3.03 (dd, 1H); 2.96-2.91 (m, 2H); 2.79-2.77 (m, 2H); 2.55 (dd, 1H).
B.生理活性の評価
本発明の化合物のインビトロの効果は、以下のアッセイで示すことができる:
抗HCMV(抗ヒトサイトメガロウイルス)細胞変性試験
試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中の50ミリモル濃度(mM)溶液として用いる。ガンシクロビル(登録商標)、フォスカーネット(登録商標)およびシドフォビル(登録商標)を参照化合物として使用する。各々2μlの50、5、0.5および0.05mM DMSO原液を、列2A−Hに入った98μl分量の細胞培養培地にデュプリケート(duplicate)の測定用に添加した後、50μl分量の培地で、96ウェルプレートの列11まで1:2希釈を実施する。列1および12のウェルは、各々培地50μlを含有する。次いで、1x10個の細胞(ヒト包皮線維芽細胞[NHDF])の懸濁液150μlを、各ウェルにピペットで加え(列1=細胞対照)、列2−12には、HCMV感染および非感染NHDF細胞の混合物(M.O.I.=0.001−0.002)、即ち、1000個の非感染細胞につき1−2個の感染細胞、を加える。列12(物質なし)は、ウイルス対照に供する。最終試験濃度は250−0.0005μMである。プレートを37℃/5%COで6日間、即ち、ウイルス対照の全細胞が感染するまで(100%細胞変性効果[CPE])、インキュベートする。次いでホルマリンおよびギムザ染料の混合物を添加することによりウェルを固定および染色し(30分間)、二重蒸留水で洗浄し、乾燥用オーブン中、50℃で乾燥させる。次いで、オーバーヘッド顕微鏡(Technomara のプラークマルティプライヤー(plaque multiplier))を使用してプレートを視覚的に評価する。
試験プレートから以下のデータを得ることができる:
CC50(NHDF)=非処置細胞対照と比較して、細胞に対する可視的細胞分裂停止効果が明白でない物質濃度(μM);
EC50(HCMV)=非処置ウイルス対照と比較してCPE(細胞変性効果)を50%まで阻害する物質濃度(μM);
SI(選択性指数)=CC50(NHDF)/EC50(HCMV)。
本発明の化合物の効果に関する代表的なインビトロのデータを表Aに示す:
表A
Figure 0004928444
本発明の化合物のHCMV感染の処置に対する適合性は、以下の動物モデルで示すことができる:
HCMV異種移植 Gelfoam (登録商標) モデル
動物:
3−4−週齢の雌免疫不全マウス(16−18g)、Fox Chase SCID または Fox Chase SCID-NOD または SCID ベージュを、育種業者(Taconic M+B, Jackson, USA)から購入する。動物を、滅菌条件(寝床および飼料を含む)下、隔離飼育器中で飼育する。
ウイルスの増殖:
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)の Davis または AD169 株を、ヒト胚性包皮線維芽細胞(NHDF細胞)でインビトロで増殖させる。NHDF細胞を感染効率(M.O.I.)0.01−0.03で感染させた後、ウイルス感染細胞を5−10日後に回収し、最小必須培地、10%DMSOを含む10%ウシ胎児血清(FCS)の存在下、−40℃で保存する。ウイルス感染細胞の連続10倍希釈の後、コンフルエントのNHDF細胞の24ウェルプレートで、ニュートラルレッドでの生体染色の後、力価を測定する。
スポンジの調整、移植、処置および評価:
1x1x1cmのサイズのコラーゲンスポンジ(Gelfoam(登録商標); Peasel & Lorey より、注文番号 407534; K.T. Chong et al., Abstracts of 39th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 1999, p. 439)を、リン酸緩衝塩水(PBS)で最初に湿らせ、閉じこめられた気泡を脱気により除去し、次いでMEM+10%FCS中で保存する。1x10個のウイルス感染NHDF細胞(HCMV Davis または HCMV AD169 に感染、M.O.I.=0.03)を、感染の3時間後にはがし、20μlのMEM、10%FCSの滴下で湿ったスポンジに添加する。約16時間後、感染スポンジを、25μlのPBS/0.1%BSA/1mM DTTで、5ng/μl塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)と共にインキュベートする。移植のために、免疫不全マウスをアベルチン(Avertin)またはケタミン/キシラジン/アゼプロマジン(azepromazine)混合物で麻酔し、カミソリを使用して背中の毛を除去し、表皮を1−2cm開き、緊張を解き(unstressed)、そして湿ったスポンジを背側の皮膚の下に移植する。手術創を組織用糊で閉じる。移植6時間後、マウスを初めて処置できる(手術当日に一回処置する)。次の日から、8日間にわたり、物質による経口処置を、1日3回(7.00時および14.00時および19.00時)、1日2回(8時および18時)または1日1回(14時)実施する。日用量は、例えば3または10または30または60または100mg/kg体重であり、投与体積は10ml/kg体重である。2%DMSOを含む0.5%強度 Tylose 懸濁液または0.5%強度 Tylose 懸濁液の形態で物質を処方する。移植9日後かつ最後の物質投与の16時間後に、動物を無痛に犠牲にし、スポンジを取り出す。ウイルス感染細胞をコラーゲナーゼ切断(330U/1.5ml)によりスポンジから放出させ、MEM、10%ウシ胎児血清、10%DMSOの存在下、−140℃で保存する。評価は、ウイルス感染細胞の連続10倍希釈の後、24ウェルプレートのコンフルエントNHDF細胞に対する力価を、ニュートラルレッドによる生体染色の後に測定することにより行う。プラセボ処置対照群と比較した、物質処置後の感染細胞または感染性ウイルス粒子(感染中心アッセイ)の数を測定する。
CYP阻害アッセイ
CYP3A4の機序に基づく(不可逆的)抑制を調べるために、試験物質を様々な濃度でヒト肝臓ミクロソーム(2mg/mlのミクロソームタンパク質)と、NADPH生成系(NADP、グルコース6−リン酸およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)を添加したpH7.4のリン酸カリウムバッファー中、37℃でインキュベートする。2つのアリコートをインキュベーションから様々な時間で取り出す。
最初のアリコートを、1:50で、新しいインキュベーション溶液(リン酸バッファー、NADPH生成系および10μMミダゾラム)中、37℃でさらに10分間インキュベートする。次いで、インキュベーションを氷上のアセトニトリルで停止させ、15000gでの遠心分離でタンパク質をペレット化し、HPLC/MSの標準的方法により、1’−ヒドロキシミダゾラムの形成について上清を分析する。
第2のアリコートを氷上のアセトニトリルで停止させ、残っている試験物質について、HPLC/UV/MSにより分析する。
不可逆的阻害の典型的なパラメーター(kinact、Kおよび分配率r)を、2つの分析データのセットから決定し、それを用いて試験物質を評価する (A. Madan, et al., in A.D. Rodrigues (ed.) "Drug-Drug Interaction" in "Drugs and the Pharmaceutical Science", Vol. 116, , ISBN 0-8247-0283.2, Marcel Dekker Inc., New York, 2002.)。
C.医薬組成物の例示的実施態様
本発明の化合物は、以下のやり方で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、コーンスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Ludwigshafen, Germany より)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
有効成分、ラクトースおよびスターチの混合物を、PVPの5%強度水溶液(m/m)で顆粒化する。次いで、顆粒を乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を、常套の打錠機を使用して打錠する(錠剤の形状は上記参照)。打錠に使用する打錠力のガイドラインは、15kNである。
経口投与できる懸濁剤:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel (FMC, Pennsylvania, USA のキサンタンゴム)400mgおよび水99g。
経口用懸濁剤10mlは、本発明の化合物100mgの単回用量に等しい。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、有効成分を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。混合物を約6時間、Rhodigel の膨張が完了するまで撹拌する。
静脈内投与できる液剤:
組成:
実施例1の化合物10−500mg、ポリエチレングリコール400 15g、および注射用の水250g。
製造:
実施例1の化合物をポリエチレングリコール400と一緒に撹拌しながら水に溶解する。溶液を濾過滅菌(孔直径0.22μm)し、無菌条件下で加熱滅菌した点滴ビンに分配する。後者を点滴ストッパーおよびクリンプキャップ(crimped cap)で閉じる。

Claims (12)


  1. Figure 0004928444
    式中、
    Arはアリールであり
    {ここで、アリールは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルキル、アルコキシ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノカルボニルおよびニトロ(ここで、アルキルは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシおよびアリールからなる群から相互に独立して選択される)からなる群から相互に独立して選択されるか、
    または、アリール上の置換基の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソラン、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成しており、アリールは、さらに1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルキル、アルコキシ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノカルボニルおよびニトロ(ここで、アルキルは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシおよびアリールからなる群から相互に独立して選択される)からなる群から選択される}、
    、Q、QおよびQは、CHまたはNであり
    (ここで、Q、Q、QおよびQの1個または2個はNであり、他は同時にCHである)、
    は、水素、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキルスルホニルまたはアルキルアミノスルホニルであるか、
    または、
    基R、RおよびRの1個は、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、他の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソラン、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成しており、
    は、水素またはアルキルであり、
    は、水素またはアルキルであるか、
    または、
    ピペラジン環中の基RおよびRは、ピペラジン環の炭素原子に相互にパラ位で結合しており、1個ないし2個のメチル基により置換されていることもあるメチレン架橋を形成しており、
    は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたはニトロであり、
    そして、
    は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ホルミル、ヒドロキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたはニトロである、
    の化合物、またはそれらの塩、それらの溶媒和物もしくはそれらの塩の溶媒和物の1つ。
  2. 式中、
    Arがフェニルであり
    (ここで、フェニルは、1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよびニトロからなる群から相互に独立して選択されるか、
    または、フェニル上の置換基の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成しており、フェニルは、さらに1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、 −C −アルキル、C −C −アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C −C −アルキルカルボニル、C −C −アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C −C −アルキルアミノおよびニトロからなる群から選択される)、
    、QおよびQがCHまたはNであり
    (ここで、常に、Q、QおよびQの正確に1個はNであり、他は同時にCHである)、
    がCHであり、
    が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、フッ素または塩素であり、
    が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、フッ素または塩素であり、
    が、C−C−アルキル、シアノ、フッ素、塩素、ニトロ、トリフルオロメチルまたはC−C−アルキルスルホニルであるか、
    または、
    基R、RおよびRが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、他の2個は、それらが結合している炭素原子と一体となって、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成しており、
    が、水素またはメチルであり、
    が、水素であり、
    が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシまたはニトロであり、そして、
    が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フッ素、塩素、シアノまたはヒドロキシである、
    請求項1に記載の化合物。
  3. 式中、
    Arがフェニルであり
    (ここで、フェニルは、1個ないし2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メチル、メトキシ、フッ素および塩素からなる群から相互に独立して選択される)、
    、QおよびQがCHまたはNであり
    (ここで、常に、Q、QおよびQの正確に1個はNであり、他は同時にCHである)、
    がCHであり、
    が、水素、メチルまたはメトキシ、メチルチオ、フッ素または塩素であり、
    が水素であり、
    が、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、フッ素、塩素、ニトロまたはトリフルオロメチルであり、
    が水素であり、
    が水素であり、
    が、水素、アミノカルボニル、フッ素、塩素、シアノまたはヒドロキシであり、
    そして、
    が水素である、
    請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. 式中、
    Arがフェニルであり、ここで、フェニルは、1個ないし2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メチル、メトキシ、フッ素および塩素からなる群から相互に独立して選択され、
    、QおよびQがCHまたはNであり
    (ここで、常に、Q、QおよびQの正確に1個はNであり、他は同時にCHである)、
    がCHであり、
    が、水素、メチルまたはメトキシであり、
    が水素であり、
    が、メチル、tert−ブチル、塩素またはトリフルオロメチルであり、
    が水素であり、
    が水素であり、
    が水素であり、
    そして、
    が水素である、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
  5. 請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式
    Figure 0004928444
    (式中、Ar、Q、Q、Q、Q、R、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に示す意味を有し、そして、Rは、アルキルである)
    の化合物を、塩基または酸と反応させることを特徴とする、方法。
  6. 疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物。
  7. 不活性、非毒性の、医薬的に適する補助剤と組み合わせて請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物を含む、医薬。
  8. ウイルス感染の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物の使用。
  9. ウイルス感染が、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、またはヘルペスウイルス科のグループの他のウイルスによる感染であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
  10. ウイルス感染の処置および/または予防用の請求項7に記載の医薬。
  11. 抗ウイルス的有効量の、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物、請求項7に記載の医薬、または請求項8もしくは請求項9の使用により得られる医薬の少なくとも1種を投与することによる、ヒトを除く動物におけるウイルス感染の制御方法。
  12. がメチルまたはエチルまたはtert−ブチルである、請求項5に記載の方法。
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