JP4927768B2 - 潅水構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、歩道等の道路やビルの屋上あるいは公園内等に布設される潅水システムに用いられる潅水構造体に関するものである。
都市部の歩道等の道路やビルの屋上、あるいは公園内の一部は、通常、アスファルトやコンクリートで固められている。気温が高く、照り返しのきつい夏季の日中、そのような場所の温度上昇は周囲に比較し一段と激しい。このような環境下において歩道を歩いたり、ビルの屋上等で過ごしたりすることはとても厳しい状況下にある。特に温暖化現象が顕著になってきた昨今においては、日中のみならず夜間においても、この熱がアスファルトやビルの屋上から放熱されて、いわゆるヒートアイランド現象を引き起こす要因の一つにもなっている。
このヒートアイランド現象等を緩和しようと、道路の脇に植樹したり、ビルの屋上に芝生や木を植えたり、あるいは種々の草花を植える試みも成されているが、それだけでは十分でなく、さらなる工夫が求められている。
この一環として、特許文献1や特許文献2にあるように透水性を有する保水性舗装ブロック本体(以下単に保水性ブロックという)の下に容器状の保水タンクや保水トレイを設置した潅水構造体が提案されている。この潅水構造体の場合、保水性ブロックを浸透して下降した雨水や打ち水(以下単に雨水等という)を保水タンクや保水トレイに溜めておき、外気温が高温になった時には、この雨水等を給水手段、具体的には不織布等の導水性部材を介して毛細管現象により上方に吸い上げ、これを保水性ブロック表面から蒸発させて、その蒸発潜熱により保水性ブロックを冷やそう、というものである。
すなわち、降雨時に雨水等を保水タンクや保水トレイに貯水し、例えば晴天になって、気温が高温になった時等には貯水した雨水等で保水性ブロックを冷やしてヒートアイランド現象を緩和させよう、というものである。
特許第2885085号公報(特開平8‐85907号) 特開2006−124980号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示されている舗装用の潅水構造体の場合、実際に使用してみると、十分な降雨や打ち水があったにも関わらず、保水タンクや保水トレイ内の貯水空間を十分に満たす雨水等を集めることができない、という問題があった。
その理由は以下のように推測される。
降った雨は、直ちに保水性ブロックの表面や隣接する保水性ブロック間の目地部からその内部に向かって浸透していく。その際、その浸透の進行に伴って保水タンクや保水トレイ内の貯水空間内の空気を圧縮し、大気圧よりもその内部圧力を高めてしまう。その結果、この高められた貯水空間内部の圧力が、保水性ブロックを毛細管現象により浸透しようとしてくる雨水等の毛細管圧力を上回り、ある量を超える雨水等の浸透を阻止してしまう、と推測される。
このように保水性ブロックの材質や毛細管半径、さらにはその厚さ等が決まると、保水タンクや保水トレイ内に溜まる雨水等の貯水量が決まってしまい、それ以上の貯水量を確保することができない、という問題がある。その結果、十分な降雨や打ち水があっても保水タンクや保水トレイ内に十分な貯水量を確保できないため、例えば、夏の高温時、保水性ブロックに雨水等を短期間しか供給することができず、保水性ブロックの冷却を長期間に亘って安定して行うことができない、という問題があった。
前述の問題に鑑み本発明の目的は、保水性ブロック下方の貯水部に雨水等をより多く貯水でき、もって外気温が高温の場合には、長期間に亘って保水性ブロックを冷却できる潅水構造体を提供することにある。
前記目的を達成すべく本発明の請求項1記載の潅水構造体は、内部に貯水空間を有し上部に上方からの水を受けるための開口部を有する地下埋設型の貯水ユニットと、該貯水ユニットの前記開口部を覆う透水性を有する保水性ブロックと、前記貯水ユニット内の貯水空間内に貯水されている水を前記保水性ブロック側へと揚水する導水性部材と、前記保水性ブロックの内部を浸透した水を前記貯水ユニット内の貯水空間へと滴下する集水部材とを有し、前記貯水ユニットの貯水空間は圧力調整孔を介して外気に連通している潅水構造体であって、
前記貯水ユニットは、貯水ユニットに機械的強度を付与するための補強板を有し、
保水性ブロックに形成された前記圧力調整孔の、一方の開口端は前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口し、他方の開口端は前記保水性ブロックの上表面に開口しており、
さらに前記保水性ブロックの一方の開口端が形成された保水性ブロック下面の開口部分に凹部を形成したものであることを特徴とする。
貯水ユニットに補強板を設けることにより、貯水ユニットの強度を向上させることができる。保水性ブロックの下面に形成された圧力調整孔の一方の開口端の開口部分を皿状に凹ませて凹部を形成することにより、後述するように、貯水空間内に雨水等が一杯に蓄えられても、圧力調整孔の下端には空気が存在し、これにより貯水空間内の内圧を調整して、貯水空間内の圧力を大気圧の状態に保持し続けるという、圧力調整孔の役割を最後まで果たすことができる。
このように貯水ユニットの貯水空間を圧力調整孔を介して外気(以下本発明で言う外気とは、大気圧を保持している外部空間の意味である)に連通させておくと、貯水空間内に雨水等が溜まって、貯水空間内の空気の容積が変化しても貯水空間の圧力は前記圧力調整孔を介して常に大気圧とほぼ同じ値に保持される。
そのため貯水空間内の圧力は、保水性ブロックを毛細管現象により浸透しようとしている雨水等の毛細管圧力を上回ることがなくなり、貯水空間内により多くの貯水量を確保できるようになる。
換言すると、請求項1記載の潅水構造体によれば、降雨量や打ち水量に比例してより多くの貯水量を確保できるので、外気温が高温の場合にも、長期間に亘って保水性ブロックに雨水等を供給でき、その蒸発潜熱で保水性ブロックを冷却することができる。
また請求項1記載の潅水構造体は、内部に貯水空間を有し上部に上方からの水を受けるための開口部を有する地下埋設型の貯水ユニットと、該貯水ユニットの前記開口部を覆う透水性を有する保水性ブロックと、前記貯水ユニット内の貯水空間内に貯水されている水を前記保水性ブロック側へと揚水する導水性部材と、前記保水性ブロックの内部を浸透した水を前記貯水ユニット内の貯水空間へと滴下する集水部材とを有するものである。
請求項1の潅水構造体においては、例えば、保水性ブロックの下面に直接的にまたは間接的に接触するように、貯水空間に向けて突出する集水部材が設けられている。そのため、保水性ブロックを浸透して、保水性ブロックの下面に達した雨水等はこの集水部材に集められ、集水部材から貯水空間へと滴下する。すなわち、保水性ブロックの下面にこのような集水部材が存在しない場合に比較して、集水部材内部の水の重力ポテンシャルが低くなって、より効率良く貯水空間に雨水等を溜めることができる。すなわち、保水性ブロック上に降った雨水等を効率良く貯水空間に貯えることができる。
加えて、貯水ユニットの貯水空間を圧力調整孔を介して外気に連通させてあるため、貯水空間内に雨水等が溜まって、貯水空間の空気の容積が変化しても貯水空間の圧力は前記圧力調整孔を介して大気圧とほぼ同じ値に保持される。
そのため貯水空間内の圧力は、保水性ブロックを毛細管現象により浸透しようとしている雨水等の毛細管圧力を上回ることがなくなり、貯水空間内により多くの貯水量を確保できる。それ故、外気温が高温の場合にも、長期間に亘って保水性ブロックに雨水等を供給でき、その蒸発潜熱で保水性ブロックを冷却することができる。
また請求項1記載の潅水構造体は、前記圧力調整孔の一方の開口端は前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口していることを特徴とするものである。
このように圧力調整孔の一方の開口端を貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口させておくと、貯水空間の下部に雨水等が貯えられても、貯水空間上部はまだ空気層になっている。そのためこの空気層部分で外気との連通状態を維持し続けることができる。その結果、長期間に亘って貯水空間内を大気圧に維持でき、かつ貯水空間の圧力が保水性ブロックを毛細管現象により浸透しようとしている雨水等の毛細管圧力を上回るような状態になることを防止でき、貯水空間内により多くの貯水量を確保できる。よって、外気温が高温の場合にも、長期間に亘って保水性ブロックに雨水等を供給でき、その蒸発潜熱で保水性ブロックを冷却することができる。
さらに請求項1に記載の潅水構造体において、前記圧力調整孔の一方の開口端は前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口しており、他方の開口端は前記保水性ブロックの上表面に開口していることを特徴としている。前記一方の開口端が保水性ブロックの下面に形成された開口部分を皿状に凹ませて凹部を形成したものである。
前記のように保水性ブロック下面に凹部を形成することで、圧力調整孔8a下端に凹部に空気を存在させることができるので、貯水空間の圧力を大気圧に保つ等の圧力調整を行うことができる。
請求項1に記載の潅水構造体において、このように圧力調整孔の一方の開口端を貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口させ、他方の開口端を保水性ブロックの上表面、あるいはまた貯水ユニットの側壁外部に開口させるようにすれば、前者の場合には、保水性ブロック上の大気と貯水ユニットの貯水空間とを容易に、かつ確実に連通できるし、後者の場合には、例えば、貯水ユニットの脇に側溝等が走っていれば、この側溝内の大気と貯水空間とを簡単な構造で連通できる利点がある。
その結果、貯水空間内の圧力を常時簡単に大気圧に保持でき、貯水空間の圧力が保水性ブロックを毛細管現象により浸透しようとしている雨水等の毛細管圧力を上回るような状態になることを回避でき、貯水空間内に十分な貯水量を貯えることができる。それ故、この十分な貯水量でもって、長期間に亘って保水性ブロックに雨水等を供給でき、その蒸発潜熱で保水性ブロックを冷却することができる。
また請求項2記載の潅水構造体は、さらに、他の圧力調整孔が、一方の開口端は前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口し、他方の開口端は前記貯水ユニットの側壁外部に開口していることで、前記保水性ブロックの上表面と貯水ユニットの側壁外部と、前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域との圧力調整を行うことを特徴とするものである。前記保水性ブロックの上表面と貯水ユニットの側壁外部と、前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域との圧力調整を行うことができる。
以上のように本発明によれば、保水性ブロック下方の貯水部に雨水等をより多く貯水でき、もって外気温が高温の場合には、長期間に亘って保水性ブロックを冷却できる潅水構造体を提供することができる。
以下に図を用いて本発明の潅水構造体の実施形態例を詳細に説明する。
図1は本発明の潅水構造体の第一実施形態例を示す概略断面図である。図1に示すように、この潅水構造体1は、内部に貯水空間2を有し上部に開口部を有する地下埋設型の貯水ユニット3と、貯水ユニット3の前記開口部を覆うインターブロッキング舗装等によく使用される透水性を有する保水性ブロック4(以下単に保水性ブロック4という)と、貯水空間2内に貯水されている雨水等5を、毛細管現象を利用して保水性ブロック4側へと揚水する導水性部材6とを有している。
ここで、貯水ユニット3の前記開口部は、保水性ブロックや後述する天板の下面あるいは集水部材下端等から滴下する雨水等を受ける開口部、すなわち上方からの水を受け取るために設けられている開口部である。
また、符号7は、貯水ユニット3に、より機械的強度を付与したいような場合に、貯水ユニット3に一体成形されたり、接着剤等で接続される補強板である。ところで、図1ではこの補強板7で貯水空間2が複数箇所に仕切られているように見えるが、実際には、各補強板7には適当な大きさの開口部や切欠等があって、貯水されている雨水等5は貯水空間2全体に移動可能になっている。
ここで貯水ユニット3としては、プラスチック製の成形体が好適であるが、金属製、セラミック製あるいは金属とプラスチックの複合体、金属とセラミックスの複合体であってもよい。特に好ましいのはポリプロピレン製で、さらにはポリプロピレンのリサイクル品であると環境保護の面からも最適である。
また導水性部材6としては、一般的には不織布が使用されるが、これ以外にも、例えば、ガラス粉やセラミックス粉を管状あるいは柱状に成形した成形体(多孔質体)であってもよいし、あるいはプラスチックや金属からなるパイプ内にガラス粉やセラミックス粉を充填したものであってもよい。このようにプラスチックや金属からなるパイプを使用すれば、これらパイプが補強体としての役割も果たすので好ましい。
ところで図1では、1個の貯水ユニット3内に導水性部材6を2個装着しているが、実際には、導水性部材6の保水性ブロック4への揚水量が、保水性ブロック4から大気中へと蒸発する雨水等の蒸発量以上になるようにその個数、大きさ等が決定される。
そして図1に示す本発明の潅水構造体1の最も大きな特徴は、一端が貯水ユニット3の貯水空間2の上部領域に開口し、他端が保水性ブロック4の上表面に開口している圧力調整孔8aが保水性ブロック4を上下に貫通して設けられている点にある。この圧力調整孔8aの内径は5mm以上にしておくのが好ましい。その理由は、降雨の雨粒の大きさがおおよそ5mm以下であるからである。この内径があまり小さいと水の表面張力で圧力調整孔8aの孔が容易に塞がれて、圧力調整孔8aの目的である外気、すなわち大気と貯水空間2を繋ぎ、貯水空間2内の圧力を常に大気圧とほぼ等しくする、という目的を達成することができなくなるからである。
このように保水性ブロック4に貯水ユニット3の貯水空間2と外気を連通する圧力調整孔8aを設けておくと、貯水ユニット3の貯水空間2内に雨水等が溜まって、貯水空間2内の空気の容積が変化しても貯水空間2の内圧は圧力調整孔8aを介して常に大気圧とほぼ同じ値に保持される。
そのため貯水空間2の内圧は、保水性ブロック4を毛細管現象により浸透してくる雨水等の毛細管圧力を上回ることがなくなる。その結果、従来のように貯水空間2に雨水等が一定量貯えられると、貯水空間2内の内圧が高まって、それ以降は保水性ブロック4側から雨水等が浸透して来ず、貯水空間2に十分な雨水等を貯えることができない、という問題を解決することができる。
それ故、この潅水構造体1によれば、降雨量におおよそ比例してより多くの貯水量を確保できるので、外気温が高温の場合にも、長期間に亘って保水性ブロック4に雨水等を安定して供給でき、その蒸発潜熱で保水性ブロック4を冷却し続けることができる。
ところでこの圧力調整孔8aの貯水空間2側の開口端は、貯水空間2のできるだけ上部領域に設けることが好ましい。
その理由は、下部領域に設けると早い段階で貯水空間2内に溜まる雨水等5にその開口端が水没し、もはや貯水空間2の空気が残っている部分と外気(大気)とを繋ぎ、貯水空間2内の内圧を大気圧に等しくできなくなるからである。すなわち、圧力調整孔8aの貯水空間2側開口端が水没した時点で、貯水空間2内の内圧調整機能が失われ、もはや保水性ブロック4側から貯水空間2へ雨水等の浸透が行われなくなってしまう。
ところで、保水性ブロック4の上表面に形成されている圧力調整孔8aの開口端からごみが侵入すると、圧力調整孔8aを塞いで貯水空間2内の内圧調整機能が失われたり、貯水空間2の容積を狭める恐れがある。そこで必要なら金網等でできている、いわゆる通気性を有する蓋13をこの開口端に被せておくことも有効である。また、この蓋13の先端が保水性ブロック4の上表面よりも突出しないようにしておけば、歩行者の邪魔にならず、それ故、自身も破損し難くなり、好ましい。
図2は本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。この図2を含め、以下に説明する図面においては、先に説明した図面で既に説明したものと同じものには同じ符号を付して、詳細な説明は省略することにする。
図2に示す潅水構造体1の特徴は、貯水ユニット3の一方の側壁にパイプを貫通させ、圧力調整孔8bが形成されている点にある。因みに、この場合には、潅水構造体1の脇に側溝9が設置されていて、圧力調整孔8bの側溝側の開口端は、側溝9の中央部よりも上方に形成されているものとする。尚、図2で符号10は、側溝9の上部の開口部を覆う蓋である。
ところで図2では圧力調整孔8bの一端が側溝9の上部領域に開口しているが、この開口部が側溝9内を流れる雨水等5で塞がれないように、側溝9のできるだけ上部領域に開口するようにするのが好ましい。因みに、圧力調整孔8bのどちらか一方の開口端が水没した時点で、圧力調整孔8bは貯水空間2の内圧を大気と同じにする、という機能を失ってしまう。
また図2に示す潅水構造体1において、貯水ユニット3の貯水空間2内の圧力を大気圧に等しくする、という機能をより確実に発揮させるために、図1に示す保水性ブロック4に形成されている圧力調整孔8aも併せて形成しておくこともできる。
加えて図2において、貯水ユニット3の貯水空間2の向かって右側にも、例えば、隣接貯水ユニット間圧力調整管8cを設けておけば、一点鎖線が示すように、隣接して潅水構造体1を布設して潅水システムを形成する場合に、隣の潅水構造体1の貯水ユニット3に対して、その貯水空間2にこの隣接貯水ユニット間圧力調整管8cを連結すれば、さらに潅水システム全体の貯水空間2の圧力調整がより確実に行える利点もある。
尚、図2において符号11は、潅水構造体1を布設するために歩道等に所定の深さの穴を掘り、必要により不陸処置を施した路盤を示している。
図3は本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。
図3に示すものは、図2に示すものに似ているが、相違する箇所は、圧力調整孔8bを形成するためのパイプを車道と歩道との間に設置されている路石12を貫通させて車道側の外気にその一端を開口させている点にある。この場合にも、貯水ユニット3の貯水空間2内の圧力を大気圧に等しくする、という機能を保証するために、図1に示す保水性ブロック4に形成されている圧力調整孔8a(図3には図示せず)や隣接貯水ユニット間圧力調整管8cも併せて形成することもできる。
図4は本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。
図4に示す潅水構造体1の特徴は、保水性ブロック4の下面に、例えば、円柱状または角柱状の、突起状の集水部材15を、その先端が貯水ユニット3の貯水空間2に向かって突出するように、例えば接着剤やねじ等で固定した点にある。ところでこの集水部材15は、保水性ブロック4の下面に直接固定したものに限らず、例えば、貯水ユニット3の補強板7に設けた固定機構を介して保水性ブロック4の下面に接触するように装着したものであってもよい。
図4に示す突起状の集水部材15は、例えば、石英粉末を成形した透水性を有する成形体で、その毛細管半径が50μm、長さは10mmの多孔質体である。もちろんこれ以外の材質、形状であってもよい。具体的には、プラスチックあるいは金属性のパイプを補強体として、前記石英粉末製の成形体に被せたものであってもよい。
このような集水部材15を保水性ブロック4の下面に設けておくと、保水性ブロック4内を浸透して下垂した雨水等は、効率良くこの集水部材15に集まる。
因みに、図4において、保水性ブロック4と突起状の集水部材15を一体としてみたとき、この突起状の集水部材15の内部の水の重力ポテンシャルが一番低くなり、保水性ブロック4を浸透してきた雨水等をより早く貯水空間2へと滴下でき、より速い速度で貯水空間2に雨水等を貯えることが可能になる。
ところで、図4に示すように集水部材15を保水性ブロック4の下面に装着し、圧力調整孔8bや隣接貯水ユニット間圧力調整管8cはなく、保水性ブロック4に圧力調整孔8aのみ設けた場合と、圧力調整孔8a、8b及び隣接貯水ユニット間圧力調整管8cが全くない場合で、貯水ユニット3の貯水空間2に溜まる雨水等の高さ、すなわち貯水量を比較してみた。因みに、用いた集水部材15は、前述したように石英粉末を成形した透水性を有する成形体で、その毛細管半径が50μm、長さが10mmの多孔質体である。また貯水空間2の深さは、160mmになっている。比較実験をした温度雰囲気は20℃である。そして初期状態では貯水空間2内に水は全くなく、内圧は大気圧に等しい1気圧である。
この状態で保水性ブロック4上に水をかけ始めた。その結果、保水性ブロック4を浸透した水が保水性ブロック4の下面に装着された集水部材15に集まり、その先端から貯水空間2へと滴下し始めた。
圧力調整孔8a、8b及び隣接貯水ユニット間圧力調整管8cがいずれも形成されていない潅水構造体にあっては、貯水空間2内の水の高さが約1mmになった時点で、最早水位がそれ以上上昇することはなかった。すなわち、保水性ブロック4に水を掛け続けているにも関わらず、貯水空間2に水がそれ以上溜まっていくことはなかった。これは貯水空間2の空気が溜まってくる水の体積増加に比例して徐々に圧縮され、貯水空間2の内圧が高まったからである、と推測される。
その結果、この高められた貯水空間2内部の空気の圧力が、実験の途中から保水性ブロック4を毛細管現象により浸透してくる水の毛細管圧力を上回ってしまって、この実験の場合には、わずか1mm程度の高さまでしか溜まらなかった、と考えられる。
一方、図4にあって圧力調整孔8aのみ形成されている本発明の潅水構造体1にあっては、圧力調整孔8aで貯水空間2内の空気の圧力が常に大気圧に等しい圧力に保持されているため、圧力調整孔8aの貯水空間2側の開口端の端部近傍の約160mmの高さまで水を貯えることができた。
図5に示す潅水構造体は、本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。図5に示す潅水構造体1の特徴は、集水部材15が円錐状または角錐状になっていて、貯水空間2に向かってその先端が尖っている点にその特徴がある。
そのため、その先端に雨水等がより集まり易くなる。その結果、保水性ブロック4を浸透してきた雨水等をより一層早く貯水空間2へと滴下でき、より速い速度で貯水空間2に貯えることができる。
図6は、本発明の第二実施形態例を示す保水性ブロック4の一部拡大断面図である。例えば、図1に示すような潅水構造体1で潅水システムを構成した場合、この圧力調整孔8aの下端の開口端は、前述したようにできるだけ貯水空間2の上部領域に開口している方が、理論的には貯水空間2内により多くの雨水等を貯えることができる。そこで保水性ブロック4の下面に形成される圧力調整孔8aの下端の開口部分を図6に示すように、例えば、皿状に凹まして凹部41を形成しておく。このようにしておけば、貯水空間2内に雨水等が一杯に貯えられても、まだ圧力調整孔8aの下端には空気が存在し、よって貯水空間2内の内圧調整、すなわち大気圧の状態に保持し続ける、という圧力調整孔8aの役割を最後まで果たすことができ好ましい。
ところでまた、これまで説明してきた各実施形態例では、1個の貯水ユニット3上に1個の保水性ブロック4が載置されている図のみ示しているが、例えば、1個の貯水ユニット3の上に4個等複数個の保水性ブロック4を載せるものであってもよい。
以上に説明したように本発明によれば、保水性ブロック下方の貯水空間に雨水等をより多く貯水でき、もって外気温が高温の場合には、長期間に亘って保水性ブロックを冷却できる潅水構造体を提供することができる。
本発明の潅水構造体の第一実施形態例を示す概略断面図である。 本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。 本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。 本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。 本発明の潅水構造体の第一実施形態例の他の形態を示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態例を示す保水性ブロック4の一部拡大断面図である。
符号の説明
1 潅水構造体
2 貯水空間
3 貯水ユニット
4 保水性ブロック
5 雨水等
6 導水性部材
7 補強板
8a 圧力調整孔
8b 圧力調整孔
8c 隣接貯水ユニット間圧力調整管
9 側溝
10 蓋
11 路盤
12 路石
15 集水部材
41 凹部

Claims (2)

  1. 内部に貯水空間を有し上部に上方からの水を受けるための開口部を有する地下埋設型の貯水ユニットと、該貯水ユニットの前記開口部を覆う透水性を有する保水性ブロックと、前記貯水ユニット内の貯水空間内に貯水されている水を前記保水性ブロック側へと揚水する導水性部材と、前記保水性ブロックの内部を浸透した水を前記貯水ユニット内の貯水空間へと滴下する集水部材とを有し、前記貯水ユニットの貯水空間は圧力調整孔を介して外気に連通している潅水構造体であって、
    前記貯水ユニットは、貯水ユニットに機械的強度を付与するための補強板を有し、
    保水性ブロックに形成された前記圧力調整孔の、一方の開口端は前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口し、他方の開口端は前記保水性ブロックの上表面に開口しており、
    さらに前記保水性ブロックの一方の開口端が形成された保水性ブロック下面の開口部分に凹部を形成したものであることを特徴とする潅水構造体。
  2. さらに、他の圧力調整孔が、一方の開口端は前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域に開口し、他方の開口端は前記貯水ユニットの側壁外部に開口していることで、前記保水性ブロックの上表面と貯水ユニットの側壁外部と、前記貯水ユニットの貯水空間の上部領域との圧力調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の潅水構造体。
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