JP4926616B2 - エポキシ樹脂組成物、電気・電子素子の製造方法及び電気・電子素子 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物、電気・電子素子の製造方法及び電気・電子素子 Download PDFInfo
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Description
また、湿気などに由来する性能低下を防止するために表面コート層が設けられている他の素子の一つに、コンデンサが挙げられる。
しかしながら、上記の含浸剤は経時変化により揺変性が低下するため、長期間安定した性能を得ることが難しい。その結果、コーティング層の厚さや形状保持性(外観)が製品毎に変わってしまうことがあり品質的にも問題があった。
特許文献3に開示される組成物は、主たる硬化剤として潜在性硬化剤を用いている。潜在性硬化剤は、室温では硬化作用をほとんど発現せず、所定の温度に加熱されたり、光照射を受けたりすることで急速に硬化作用を発現する。この室温での安定性を利用して揺変性の経時変化の抑制を実現している。
この耐湿性・耐熱性の観点からは酸無水物が有効な硬化剤であるが、この酸無水物を主たる硬化剤とすると高い揺変性を得ることができていなかった。それゆえ、特許文献3においても酸無水物は付加的な硬化剤として位置づけられている。
本発明によれば、高い耐湿性及び耐熱性を有する表面コート層を形成可能でありながら、ディップコーティングなどにも使用できるほどの高い揺変性を有し、さらにその揺変性の経時的変動が少ない一液性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
そして、この本発明に係るエポキシ樹脂組成物を電気・電子素子の表面に供給すると、組成物の揺変性の高さに基づいて高い形状保存性が実現され、それゆえ厚みのあるコート層が電気・電子素子上に容易に形成される。また揺変性の経時変化が少ないことから、同一の組成物を用いて多数の電気・電子素子に対してコート層を形成しても、その厚み、すなわち外観形状の均一性が維持されやすい。したがって、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を用いることで、品質管理が容易で生産性の高い電気・電子素子の製造方法を提供することができる。
また、係るエポキシ樹脂組成物が硬化してなる表面コート層を有する電気・電子素子はコート層自体の耐湿性・耐熱性が高く、さらにそのコート層の形成工程は経時的な安定性が高い。したがって、係るエポキシ樹脂組成物を採用することで、外観の均一性が高くかつ信頼性が特に高い電気・電子素子を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも(A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物系化合物からなる硬化剤、(C)エポキシ樹脂アミンアダクト及び(D)微粉末シリカを含有するものである。
中でもメチルテトラヒドロ無水フタル酸が耐熱性及び耐湿性(吸湿が少ない)の面で好ましい。
まず、上記(A)成分と(B)成分との配合割合は、質量比で100:76〜100:93の範囲であることが好ましい。
適切な反応速度や均一な硬化物を得るためには、6〜12質量部の範囲がより好ましく、6〜10質量部の範囲が特に好ましい。
本発明に係る電気・電子素子の製造方法をサーミスタ素子を例にして図面を用いて説明する。
サーミスタ素子1は、サーミスタ素体10、外部電極11及び内部電極12から構成されている。
この積層物を所望の大きさに切断後、900〜1500℃程度の温度で焼成することによりサーミスタ素体10が得られる。
本発明では、前述したサーミスタ素子のほか、サーミスタと同様にセラミックから形成されるコンデンサや圧電アクチュエータ等の電気・電子素子に表面コート層を形成することができる。
25℃において回転粘度計((株)トキメック製 E型粘度計 型式名:EHD)を用いて、速度10rpmの条件で、また、他の条件はJIS K 7100に準拠して塗料の粘度を測定し、以下の基準により評価した。
○ : いずれの測定時期(10日後、20日後、40日後、60日後)
における粘度も初期粘度の2倍以下であるもの
× : いずれかの測定時期において粘度が初期粘度の2倍を越えるもの
前記(1)回転粘度計を用い、25℃において、回転速度が1rpmの条件で塗料の粘度を測定して、各塗料の粘度比(1rpmでの測定粘度/前記(1)で測定した10rpmでの測定粘度)を算出するとともに、この粘度比からその経時変化を算出し、以下の基準により評価した。
○ : 粘度比が4.0以上
× : 粘度比が4.0未満
塗料を硬化させた後の表面コート層の形状を目視により観察し、次の基準により評価した。
○ :硬化前後で形状に変化が認めらないもの
× :硬化前後で明らかに形状変化が認められるもの
〔塗料の調整〕
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828、エポキシ当量186、25℃でのB型粘度13500mpa・s)100質量部、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製、MT−500TZ)85質量部、エポキシ化合物アミンアダクト(味の素ファインテクノ社製、アミキュアMY−24)8質量部、シリコーンオイルで表面処理された微粉末シリカ(デグッサ社製、アエロジルR−202)12質量部を均一に混合し、エポキシ樹脂組成物からなる塗料を調製した。このものの物性を表1に示す。
前記塗料に幅3mm、縦4.5mm、リードを含めた全長31mmのリードタイプのサーミスタ素子(NTCサーミスタ)を5秒間浸漬後、100℃で2時間加熱し、塗料を硬化させ厚さ約400μmの表面コート層を形成しサーミスタ素子を得た。このものの物性を表1に示す。
実施例1において、塗料に用いられる液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂に換え液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート807、エポキシ当量186、25℃でのE型粘度10pa・s)を用いた以外は全て実施例1と同様にして塗料を調製したサーミスタ素子を得た。このものの物性を表1に示す。
実施例2において、塗料に用いられる微粉末シリカをシリコーンオイルで表面処理していない微粉末シリカ(デグッサ社製、アエロジル300)を用いた以外は全て実施例2と同様にして塗料を調製したサーミスタ素子を得た。このものの物性を表1に示す。
〔塗料:2液型〕
〔主剤〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828、エポキシ当量186、25℃でのB型粘度13500mpa・s)100質量部と微粉末シリカ(デグッサ社製、アエロジル300)10質量部を均一に混合し、主剤を調製した。
芳香族ポリアミン100質量部、エタノールアミン3質量部を均一に混合し、硬化剤を調製した。
前記主剤と硬化剤とを当量配合し、揺変性がでてきてから実施例1と同様にしてサーミスタ素子の表面に厚さ500μmの表面コート層を形成しサーミスタ素子を得た。このものの物性を表1に示す。
10…サーミスタ素体
11…外部電極
12…内部電極
Claims (6)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤(ただし、含窒素潜在性硬化剤を除く。)、(C)エポキシ樹脂アミンアダクト及び(D)微粉末シリカを含有するエポキシ樹脂組成物であって、
前記(A)成分と(B)成分とは共に常温で液状であり、
前記(B)成分は酸無水物系化合物であり、
前記(D)成分は、表面をシリコーンオイルで処理した微粉末シリカであり、
前記(A)成分と前記(B)成分との配合割合は、質量比で100:76〜100:93の範囲であり、
前記(C)成分の配合割合は、前記(A)成分100質量部に対して、4〜20質量部の範囲であり、
前記(D)成分の配合割合は、前記(A)成分100質量部に対して6〜12質量部の範囲であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 前記(D)成分は質量平均一次粒子径が100nm未満であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記(C)成分と(D)成分との配合割合が質量比で1:1〜2.5の範囲であり、エポキシ樹脂100質量部に対し、前記(C)成分と(D)成分との合計量が12〜25質量部の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記(A)成分がビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を含む塗料を電気・電子素子の表面に供給して、該表面に表面コート層を形成することを特徴とする電気・電子素子の製造方法。
- 電気・電子素子の表面に請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を含む表面コート層が形成されていることを特徴とする電気・電子素子。
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