JP4926326B2 - 電解質組成物及びその製造方法、非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電解質組成物に関し、さらに詳しくは、帯電防止剤、電池、及びその他の電気化学デバイス用材料として好適な電解質組成物、及びその製造方法、ならびに該電解質組成物を用いた高容量の非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水二次電池などの電気化学電池に用いられる電解質とは、目的に応じたイオンを含み、そのイオンを電極間で輸送する機能(イオン伝導という)を持つ媒体である。例えば、非水二次電池の代表であるリチウム二次電池では、リチウムイオンの輸送が問題となる。
電池においては、一般に、イオン伝導性が高い溶液系が電解質として多く用いられているが、電池に組み込んだ際の溶媒の枯渇や漏れが電池の耐久性を低下させるなどの問題があった。また、溶液を密閉するため、金属容器を用いなければならないため、電池質量が重くなり、電池形状にも自由度を持たせることが困難であった。
【0003】
前記溶液系電解質の欠点を克服するため、近年、電解質の固体化(ポリマー電解質)が提案されている。塩をポリエチレンオキシドなどのポリマーに溶解したポリマー電解質は、溶液系電解質の問題を解決するものとして期待されるが、イオン伝導度は未だ十分ではないという問題がある。
また、これまで主に報告されてきたポリマー電解質では、電解質の重要な特性のひとつである、イオン輸率(例えば、リチウム二次電池の場合は、リチウムイオン輸率)が一般的に低い。そのため、例えばリチウム二次電池の場合、充放電電流が時間と共に減少し、容量の低下を招くなどの問題を引き起こし、汎用性のある商品に組み込むことは困難という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、高いイオン輸率を示す新規な電解質組成物及びその製造方法を提供し、更に該電解質組成物を含有し、電池容量の高い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩とを含むことを特徴とする電解質組成物である。
【0006】
【化10】
【0007】
前記一般式(1)において、R1は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。R2は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R1及びO−R2のうち少なくとも一方は、アルコキシカルボニル基を含む置換基である。Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mの価数を表す。
【0008】
<2> 前記一般式(1)におけるMが、ケイ素である前記<1>に記載の電解質組成物である。
<3> 前記一般式(1)におけるR1が、置換又は無置換のアルコキシ基である前記<1>又は<2>に記載の電解質組成物である。
【0009】
<4> 前記高分子化合物が、下記一般式(2)で表される化合物と、水酸基を有するカルボン酸とを反応させてなる生成物である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電解質組成物である。
【0010】
【化11】
【0011】
前記一般式(2)において、R 1 は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mで表される元素がとり得る価数を表す。R3は、置換又は無置換のアルキル基を表す。
【0012】
<5> 前記水酸基を有するカルボン酸が、下記一般式(3)で表される前記<4>に記載の電解質組成物である。
【0013】
【化12】
【0014】
前記一般式(3)において、R4、R5は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。aは、1〜5の整数を表し、bは、0〜30の整数を表す。
【0015】
<6> 前記一般式(3)におけるaが1であり、かつbが0であることを特徴とする前記<5>に記載の電解質組成物である。
<7> 前記一般式(3)におけるR4及びR5が、水素原子である前記<5>又は<6>に記載の電解質組成物である。
【0016】
<8> 前記高分子化合物が、下記一般式(4)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物と、アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物とを反応させてなる生成物である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電解質組成物である。
【0017】
【化13】
【0018】
前記一般式(4)において、R6は、前記一般式(1)におけるR1と同義の置換基を表す。R7は、アルコキシ基を表す。
【0019】
<9> 前記アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物が、下記一般式(5)で表される前記<8>に記載の電解質組成物である。
【0020】
【化14】
【0021】
前記一般式(5)において、R8は、前記一般式(2)におけるR3と同義の置換基を表す。
【0022】
<10> 前記一般式(5)におけるaが1であり、かつbが0である前記<9>に記載の電解質組成物である。
<11> 前記一般式(5)におけるR4及びR5が、水素原子である前記<9>又は<10>に記載の電解質組成物である。
【0023】
<12> 正極及び負極からなる非水電解質二次電池であって、該二次電池内に、前記<1>から<11>のいずれかに記載の電解質組成物を含有することを特徴とする非水電解質二次電池である。
<13> 下記一般式(1)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物を調製する工程と、該高分子化合物に周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩を添加する工程とを有する電解質組成物の製造方法であって、前記高分子化合物を調製する工程が、下記一般式(2)で表される化合物と、水酸基を有するカルボン酸とを反応させることを特徴とする電解質組成物の製造方法である。
【0024】
【化15】
【0025】
前記一般式(1)において、R1は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。R2は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R1及びO−R2のうち少なくとも一方は、アルコキシカルボニル基を含む置換基である。Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mの価数を表す。
【0026】
【化16】
【0027】
前記一般式(2)において、R 1 は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mで表される元素がとり得る価数を表す。R3は、置換又は無置換のアルキル基を表す。
【0028】
<14> 下記一般式(1)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物を調製する工程と、該高分子化合物に周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩を添加する工程とを有する電解質組成物の製造方法であって、前記高分子化合物を調製する工程が、下記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物とを反応させることを特徴とする電解質組成物の製造方法である。
【0029】
【化17】
【0030】
前記一般式(1)において、R1は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。R2は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R1及びO−R2のうち少なくとも一方は、アルコキシカルボニル基を含む置換基である。Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mの価数を表す。
【0031】
【化18】
【0032】
前記一般式(4)において、R6は、前記一般式(1)におけるR1と同義の置換基を表す。R7は、アルコキシ基を表す。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電解質組成物及びその製造方法、非水電解質二次電池について説明する。ここではまず、本発明の電解質組成物、及びその製造方法について詳細に説明する。
【0034】
(電解質組成物及びその製造方法)
本発明の電解質組成物は、化学反応、金属メッキ等の反応溶媒、CCD(電荷結合素子)カメラ、種々の電池、光電変換素子等に用いることができ、好ましくはリチウム二次電池に用いられる。
【0035】
本発明の電解質組成物は、下記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、周期律表第1(Ia)族又は第2(IIa)族に属する金属イオンの塩とを含むことを特徴とする。
【0036】
<高分子化合物>
本発明における下記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物について、以下説明する。
【0037】
【化19】
【0038】
前記一般式(1)において、R1は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。R2は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R1及びO−R2のうち少なくとも一方は、アルコキシカルボニル基を含む置換基である。Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mの価数を表す。
【0039】
前記一般式(1)において、Mは、ケイ素、ホウ素、又は金属元素を表し、該金属元素としては、例えば、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、鉄、ガリウム、リン、スズ、バナジウムなどが好適に挙げられる。
このほか、「ゾル−ゲル法の科学」(作花済夫著)(1988年アグネ承風社発行)に記載されているゾル−ゲル法の原料に示されている金属元素を用いることができる。
【0040】
前記Mの中でも、ケイ素、ホウ素、チタン、アルミニウムが好ましく、ケイ素がより好ましい。
【0041】
前記一般式(1)において、nは、Mで表される元素がとり得る価数を表す。
【0042】
前記一般式(1)において、R1は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。
前記R1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、その中でも、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル等がさらに好ましい。
【0043】
前記R1で表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、その中でも、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ等がさらに好ましい。
前記R1で表される基の中でも、アルコキシ基がより好ましい。
【0044】
前記一般式(1)において、R2は、置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R2で表されるアルキル基は、前記R1で表されるアルキル基と同義である。
【0045】
前記R1及びR2で表されるアルキル基、ならびにR1で表されるアルコキシ基は、無置換でもよく、置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、以下に挙げるものが好ましい。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シリル基などが挙げられる。
【0046】
前記ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
【0047】
前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられ、その中でも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基などが好ましい。
【0048】
前記アリール基の中でも、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基などが好ましい。
【0049】
前記ヘテロ環基の中でも、5員若しくは6員の置換若しくは無置換の芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基が好ましく、その中でも、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、などがより好ましい。
【0050】
前記アルコキシ基の中でも、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、−O(CH2CH2O)nCH3などがより好ましい。
【0051】
前記シリルオキシ基の中でも、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリメトキシシリルオキシ基などがより好ましい。
【0052】
前記アシルオキシ基の中でも、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基などがより好ましい。
【0053】
前記カルバモイルオキシ基の中でも、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基などがより好ましい。
【0054】
前記アルコキシカルボニルオキシ基の中でも、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基などがより好ましい。
【0055】
前記アリールオキシカルボニルオキシ基の中でも、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基などがより好ましい。
【0056】
前記アミノ基の中でも、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基などが好ましい。
【0057】
前記アシルアミノ基の中でも、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基などがより好ましい。
【0058】
前記アミノカルボニルアミノ基の中でも、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基などがより好ましい。
【0059】
前記アルコキシカルボニルアミノ基の中でも、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基などがより好ましい。
【0060】
前記アリールオキシカルボニルアミノ基の中でも、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基などがより好ましい。
【0061】
前記スルファモイルアミノ基の中でも、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基などがより好ましい。
【0062】
前記アルキル及びアリールスルホニルアミノ基の中でも、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基などがより好ましい。
【0063】
前記アルキルチオ基の中でも、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基などがより好ましい。
【0064】
前記アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基などがより好ましい。
【0065】
前記ヘテロ環チオ基の中でも、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基などがより好ましい。
【0066】
前記スルファモイル基の中でも、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基などがより好ましい。
【0067】
前記アルキル及びアリールスルフィニル基の中でも、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基などがより好ましい。
【0068】
前記アルキル及びアリールスルホニル基の中でも、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基、などがより好ましい。
【0069】
前記アシル基の中でも、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基などがより好ましい。
【0070】
前記アリールオキシカルボニル基の中でも、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基などがより好ましい。
【0071】
前記アルコキシカルボニル基の中でも、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基などが好ましい。
【0072】
前記カルバモイル基の中でも、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などが好ましい。
【0073】
前記シリル基の中でも、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基が好ましく、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、などがより好ましい。
【0074】
以下、本発明の前記一般式(1)により表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物における、繰り返し単位の具体例(A−1〜10)を示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0075】
【化20】
【0076】
【化21】
【0077】
本発明における前記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物は、下記一般式(2)で表される化合物と、水酸基を有するカルボン酸とを反応させてなることが好ましい。
【0078】
【化22】
【0079】
前記一般式(2)において、Mは、ケイ素、ホウ素又は金属元素を表す。nは、Mで表される元素がとり得る価数を表す。R3は、置換又は無置換のアルキル基を表す。
【0080】
前記一般式(2)において、M、n、R1は、前記一般式(1)においてM、n、及びR1により表されるものと同義である。
R3は、置換又は無置換のアルキル基を表す。R3で表されるアルキル基は、前記一般式(1)においてR1で表されるアルキル基と同義である。
【0081】
以下、本発明の前記一般式(2)で表される化合物の具体例(2−1〜11)を示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0082】
【化23】
【0083】
前記水酸基を有するカルボン酸としては、下記一般式(3)で表される化合物がより好ましい。
【0084】
【化24】
【0085】
前記一般式(3)において、R4、R5は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。R4、R5で表されるアルキル基は、前記一般式(1)においてR1で表されるアルキル基と同義である。
前記R4、R5の中でも、水素原子が好ましい。
【0086】
前記一般式(3)において、aは、1〜5の整数を表し、bは0〜30の整数を表す。aが2以上のとき、R4、R5は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
前記a、bの中でも、aが1であり、かつbが0であるのが好ましい。
【0087】
以下、本発明における前記水酸基を有するカルボン酸、及び前記一般式(3)により表される化合物の具体例(3−1〜10)を示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0088】
【化25】
【0089】
本発明における前記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物は、下記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物を、アルコール化合物と反応させてなるのが好ましく、アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物と反応させてなるのがより好ましい。
【0090】
【化26】
【0091】
前記一般式(4)において、R6は、前記一般式(1)におけるR1と同義の置換基を表し、R7は、アルコキシ基を表す。
前記R6及びR7で表されるアルコキシ基は、前記一般式(1)においてR1で表されるアルコキシ基と同義である。
【0092】
以下、前記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物の具体例(4−1〜5)を示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0093】
【化27】
【0094】
前記アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物がより好ましい。
【0095】
【化28】
【0096】
前記一般式(5)において、R8は、前記一般式(2)におけるR3と同義の置換基を表す。R4、R5、a、及びbは、前記一般式(3)におけるR4、R5、a、及びbと同義である。
前記R4及びR5の中でも、水素原子が好ましく、また、aが1であり、かつbが0であるのが好ましい。
【0097】
以下、本発明におけるアルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物の具体例(5−1〜13)を示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0098】
【化29】
【0099】
<電解質組成物の製造方法>
本発明の電解質組成物の製造方法は、前記一般式(1)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物を調製する工程と、該高分子化合物に周期律表第1(Ia)族又は第2(IIa)族に属する金属イオンの塩を添加する工程とを有し、前記高分子化合物を調製する工程が、前記一般式(2)で表される化合物と、前記水酸基を有するカルボン酸とを反応させる工程であることが好ましい。
また、前記高分子化合物を調製する工程が、前記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、前記アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物とを反応させる工程であることも好ましい。
【0100】
前記一般式(2)と前記水酸基を有するカルボン酸との反応(以下、「反応A」と称する場合がある。)及び、前記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、前記アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物との反応(以下、「反応B」と称する場合がある。)は、溶媒存在下、あるいは無溶媒下のいずれで行ってもよいが、溶媒を用いない、即ち、無溶媒下で行うのが好ましい。
【0101】
前記反応A及び反応Bにおける反応温度としては、室温以上、反応混合物の還流開始温度以下が好ましい。
前記反応A及び反応Bにおける反応時間としては、30分から7日が好ましく、1時間から2日がより好ましい。
前記反応温度及び反応時間は、反応速度を調整するため、これに限定されることはない。
【0102】
前記反応A及び反応Bにおいて、反応後、反応生成物から揮発成分を留去するのが好ましい。揮発成分の留去は、加熱減圧下で行うことが好ましく、100℃/5mmHg(667Pa)の条件下で、反応生成物の重量減少率が50%以下になるまで留去しておくことが好ましく、30%以下になるまで留去しておくことがより好ましい。
【0103】
本発明の電解質組成物の製造方法において、前記一般式(1)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物を調製する工程(前記反応A,又は反応B)と、該高分子化合物に周期律表第1(Ia)族又は第2(IIa)族に属する金属イオンの塩を添加する工程とは同時に行ってもよく、高分子を調製後に金属イオンの塩を添加するのでもよい。
即ち、高分子化合物の調製(前記反応A又は反応B)を、周期律表第1(Ia)族又は第2(IIa)族に属する金属イオンの塩存在下で行ってもよく、調製された高分子化合物に前記金属イオンの塩を後から添加してもよい。
【0104】
前記高分子化合物を調製する工程である反応Aにおいて、前記一般式(2)で表される化合物(A1)と、水酸基を有するカルボン酸(A2)との比率としては、A2/A1が0.1〜n(モル比)(nは、前記一般式(1)におけるnと同義である。)であるのが好ましく、0.2〜2であるのがより好ましく、0.5〜1であるのがさらに好ましい。
【0105】
前記高分子化合物を調製する工程である反応Bにおいて、前記アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物(B1)は、前記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物(B2)に対し、1質量%〜300質量%が好ましく、10質量%〜200質量%がより好ましく、30質量%〜150質量%がさらに好ましい。
【0106】
本発明の電解質組成物は、最大で、この化合物と同質量まで溶媒を使用することができるが、保存安定性の観点から、溶媒を用いないのが好ましい。
本発明の電解質組成物は、加熱溶解する方法、あるいは必要に応じて減圧して電極上に浸透させる方法、低沸点溶媒(メタノール、アセトニトリル、塩化メチレン等)等を用いて電極上に浸透させ、その後溶媒を加熱により除去する方法等により、電池に組み込むことが可能である。
【0107】
本発明の電解質組成物に使用する溶媒としては、粘度が低くイオン易動度を向上させたり、又は誘電率が高く、有効キャリアー濃度を向上させたりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望好ましい。
このような溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質、などが好適に挙げられる。
その中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。
これらは、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0108】
前記好ましい溶媒の性質としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、270℃以上であることがさらに好ましい。
【0109】
<周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩>
ここでは、本発明の電解質組成物に含まれる周期律表第1(Ia)族又は第2(IIa)族に属する金属イオンの塩について説明する。
【0110】
本発明の電解質組成物に含まれる周期律表第1(Ia)族又は第2(IIa)族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましく、代表的な金属イオンの塩としては、LiCF3SO3、LiPF6、LiClO4、LiI、LiBF4、LiCF3CO2、LiSCN、LiN(SO2CF3)2、NaI、NaCF3SO3、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO3、KSCN、KPF6、KClO4、KAsF6などが挙げられる。
前記金属イオンの塩の具体例の中でも、上記Li塩がより好ましい。
【0111】
前記金属イオンの塩は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。塩の濃度としては、前記高分子化合物に対して3質量%から300質量%が好ましく、5質量%から200質量%がさらに好ましい。
【0112】
<分子内に少なくとも二つ以上の求核性基を有する化合物>
本発明の電解質組成物は、さらに分子内に少なくとも2つ以上の求核性基を有する化合物(以下「求核剤」と称する場合がある。)と反応させることにより架橋し、固体化させて使用することができる。
液漏れや揮発を防止する観点から、電解質組成物を固体化させて使用するのが好ましい。
【0113】
前記少なくとも2つ以上の求核性基を有する化合物における求核性基としては、水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルフィノ基、又はスルフィナト基が好ましく、その中でも、水酸基が特に好ましい。
【0114】
前記分子内に少なくとも2つ以上の求核性基を有する化合物の具体例(a〜j)を以下に示すが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
【0115】
【化30】
【0116】
前記分子内に少なくとも2つ以上の求核性基を有する化合物の添加量としては、電解質組成物全体に対して、0.1質量%以上70%質量%以下で用いるのが好ましく、0.3質量%以上50質量%以下で用いるのがより好ましく、0.5質量%以上30質量%以下で用いるのがさらに好ましい。
【0117】
前記化合物を添加した際の反応温度としては、0℃以上150℃以下が好ましく、10℃以上100℃以下がより好ましい。
前記化合物を添加した際の反応時間としては、5分から2日が好ましく、10分から1日がより好ましい。
前記反応温度及び反応時間は、反応速度を調整するためこれに限定されることはない。
【0118】
本発明の電解質組成物は、ポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法により、ゲル化(固体化)させて使用することもできる。
前記ポリマー添加によりゲル化させる場合は、“Polymer Electrolyte Reviews−1及び2”(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリシロキサンなどが好適に用いられる。
【0119】
前記オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合は、工業科学雑誌(J.Chem Soc.Japan,Ind.Chem.Sec.),46,779(1943),J.Am.Chem.Soc.,111,5542(1989),J.Chem.Soc.,Chem.Com mun.,1993,390,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,35,1949(1996),Chem.Lett.,1996,885,J.Chm.Soc.,Chem.Commun.,1997,545に記載されている化合物を好適に用いることができるが、分子構造中にアミド構造を有する化合物がより好ましい。
【0120】
(非水電解質二次電池)
ここでは、本発明の非水電解質二次電池について説明する。
<正極活物質>
本発明の電解質組成物を二次電池に用いる場合、正極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、リチウム含有遷移金属酸化物を用いるのが好ましい。
本発明において、正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物等が好適に挙げられる。
またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(Ia)族、第2(IIa)族の元素)、及び/又はAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量としては、遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
【0121】
前記正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物の中でも、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種のことをいう。)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
【0122】
さらに、前記リチウム化合物/遷移金属化合物の中でも、LigM3O2(M3はCo、Ni、Fe、及びMnから選択される1種以上の元素を表す。gは、0〜1.2を表す。)を含む材料、又はLihM4 2O(M4はMnを表す。hは、0〜2を表す。)で表されるスピネル構造を有する材料が特に好ましい。
前記M3、M4としては、遷移金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
【0123】
前記LigM3O2を含む材料、LihM4 2Oで表されるスピネル構造を有する材料の中でも、LigCoO2、LigNiO2、LigMnO2、LigCojNi1-jO2、LihMn2O4(ここでgは0.02〜1.2を表す。jは0.1〜0.9を表す。hは0〜2を表す。)が特に好ましい。
ここで、前記g値及びh値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する値である。
【0124】
前記正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成することができるが、特に焼成法が好ましい。
本発明で用いられる前記焼成法において、焼成温度としては、前記混合された化合物の一部が分解、溶融する温度であればよく、例えば、250〜2000℃が好ましく、350〜1500℃がより好ましい。また焼成に際しては、250〜900℃で仮焼することが好ましい。
前記焼成法において、焼成時間としては、1〜72時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
また、原料の混合法としては、乾式でも湿式でもよい。また、焼成後に200〜900℃でアニールしてもよい。
【0125】
前記焼成法において、焼成ガス雰囲気は特に限定されず、酸化雰囲気、還元雰囲気いずれも用いることができる。例えば、空気、酸素濃度を任意の割合に調製したガス、水素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等が挙げられる。
【0126】
本発明の非水電解質二次電池において、用いられる前記正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2/gであるのが好ましい。また、正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
【0127】
前記正極活性物質を所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。
前記焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
【0128】
<負極活物質>
本発明の非水電解質二次電池において、負極活物質の一つとしては、リチウムの吸蔵放出が可能な炭素質材料が好適に挙げられる。
前記炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。
さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
【0129】
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。
炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
【0130】
本発明の非水電解質二次電池において、用いられるもう一つの負極活物質としては、酸化物、及び/又はカルコゲナイドが好適に挙げられる。
【0131】
その中でも、特に非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナイドが好ましい。
ここで言う非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。
2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
【0132】
前記非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナイドの中でも、半金属元素の非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。
【0133】
前記好ましい非晶質酸化物及び/又はカルコゲナイドとしては、例えば、Ga2O3、SiO、GeO、SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb2O4、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、Bi2O3、Bi2O4、SnSiO3、GeS、SnS、SnS2、PbS、PbS2、Sb2S3、Sb2S5、SnSiS3などが好ましい。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、Li2SnO2であってもよい。
【0134】
本発明の非水電解質二次電池に用いられる負極活物質としては、前記好ましい非晶質酸化物及び/又はカルコゲナイドの中でも、Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物がさらに好ましく、その中でも下記一般式(6)で表される化合物が特に好ましい。
【0135】
一般式(6)
SnM1 dM2 eOf
前記一般式(6)において、M1は、Al、B、P、Geから選択される少なくとも一種以上の元素を表す。M2は、周期律表第1(Ia)族元素、第2(IIa)族元素、第3(IIIa)族元素、ハロゲン元素から選択される少なくとも一種以上の元素を表す。dは0.2以上2以下の数を表し、eは0.01以上1以下の数を表し、0.2<d+e<2の関係にある。fは1以上6以下の数を表す。で示される非晶質酸化物であることが好ましい。
【0136】
以下に、Snを主体とする非晶質酸化物の具体例(C−1〜18)を示すが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
【0137】
C−1 SnSiO3
C−2 Sn0.8Al0.2B0.3P0.2Si0.5O3.6
C−3 SnAl0.4B0.5Cs0.1P0.5O3.65
C−4 SnAl0.4B0.5Mg0.1P0.5O3.7
C−5 SnAl0.4B0.4Ba0.08P0.4O3.28
C−6 SnAl0.4B0.5Ba0.08Mg0.08P0.3O3.26
C−7 SnAl0.1B0.2Ca0.1P0.1Si0.5O3.1
C−8 SnAl0.2B0.4Si0.4O2.7
C−9 SnAl0.2B0.1Mg0.1P0.1Si0.5O2.6
C−10 SnAl0.3B0.4P0.2Si0.5O3.55
C−11 SnAl0.3B0.4P0.5Si0.5O4.3
C−12 SnAl0.1B0.1P0.3Si0.6O3.25
C−13 SnAl0.1B0.1Ba0.2P0.1Si0.6O2.95
C−14 SnAl0.1B0.1Ca0.2P0.1Si0.6O2.95
C−15 SnAl0.4B0.2Mg0.1Si0.6O3.2
C−16 SnAl0.1B0.3P0.1Si0.5O3.05
C−17 SnB0.1K0.5P0.1SiO3.65
C−18 SnB0.5F0.1Mg0.1P0.5O3.05
【0138】
本発明の非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナイトの合成法としては、焼成法、溶液法のいずれの方法も採用することができるが、焼成法がより好ましい。
前記焼成法では、それぞれ対応する元素の酸化物、カルコゲナイトあるいは化合物をよく混合した後、焼成して非晶質酸化物及び/又はカルコゲナイトを得るのが好ましい。
【0139】
前記焼成法における焼成温度としては、500℃以上1500℃以下が好ましく、焼成時間としては、1時間以上100時間以下であることが好ましい。
【0140】
前記焼成法において、焼成後の降温は焼成炉中で冷却してもよく、また焼成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版1987)217頁記載のgun法・Hammer−Anvil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超急冷法を用いることもできる。
またニューガラスハンドブック(丸善1991)172頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には融液を攪拌することが好ましい。
【0141】
前記焼成法における焼成ガス雰囲気は、酸素含有率が5体積%以下の雰囲気が好ましく、不活性ガス雰囲気がより好ましい。前記不活性ガスとしては、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が好適に挙げられる。その中でも、純アルゴンが特に好ましい。
【0142】
本発明の非水電解質二次電池において、用いられる前記負極活物質の平均粒子サイズは、0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。
粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0143】
前記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
【0144】
本発明のSn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
【0145】
<電極合剤>
本発明の電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、前記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有するポリマーネットワーク、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加される。
【0146】
前記導電剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,554号に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種又はこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。
前記導電剤の添加量としては、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
【0147】
本発明では電極合剤を保持するための結着剤を用いる。
前記結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
【0148】
前記結着剤は、一種単独又は二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
【0149】
前記フィラーは、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。
フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
【0150】
<セパレーター>
本発明の電解質組成物は、安全性確保のためにセパレーターと併用して使用することが可能である。安全性確保のため併用されるセパレーターは、80℃以上で下記の隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能を持つことが必要であり、閉塞温度が90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
【0151】
前記セパレーターの孔の形状は、通常は円形や楕円形で、大きさは0.05〜30μmであり、0.1〜20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20〜90%であり、35〜80%が好ましい。
【0152】
前記セパレーターは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたものでも、2種以上の複合化材料を用いたものであってもよい。孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層したものが、好ましい。
【0153】
<集電体>
正・負極の集電体としては、本発明の非水電解質二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。
正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
【0154】
負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
【0155】
前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。
また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
【0156】
<非水電解質二次電池の作製>
ここでは、本発明の非水電解質二次電池の作製について説明する。
本発明の非水電解質二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。
正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
【0157】
前記合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。
【0158】
さらに、前記塗布は、連続でも間欠でもストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが好ましい。
【0159】
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を、単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。
含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。
シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、0.2〜3t/cm2が好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。
正極シートに対する負極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なる。
【0160】
前記方法で作製された正・負の電極シートを、セパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解質を注入し、封口板を用いて角形電池を形成する。
また、正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせ巻いた後シリンダー状缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解質を注入し、封口板を用いてシリンダー電池を形成する。この時、安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが好適に用いられる。
【0161】
また、前記安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
【0162】
また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含ませることができる。内圧を上げるために用いられる化合物としては、Li2CO3、LiHCO3、Na2CO3、NaHCO3、CaCO3、MgCO3等の炭酸塩などを挙げることができる。
【0163】
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が好適に用いられる。
【0164】
キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。
【0165】
本発明の非水電解質二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
【0166】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。
【0167】
(実施例1)
<一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物の合成〜一般式(2)と水酸基を有するカルボン酸との反応〜>
例示化合物(2−1)52.0gと例示化合物(3−1)26.0gとを混合し、加熱還流にて10時間反応させた。反応後、150℃/5mmHg(667Pa)で揮発性分を留去後、(A−1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物無色液状物(Si−1)37.0gを得た。
さらに、一般式(2)で表される化合物、及び水酸基を有するカルボン酸を表1に示すように変更する以外は(Si−1)と同様にして、(Si−2)〜(Si−6)を合成した。
【0168】
【表1】
【0169】
(比較例1)
<ポリ(ジメトキシシロキサン)の合成>
例示化合物(2−1)15.2g、酢酸6g、メタノール3.2gを混合し、加熱還流にて10時間反応させた。反応後、150℃/5mmHg(667Pa)で揮発性分を留去後、比較用無色液状物(Si−9)1.3gを得た。
【0170】
(実施例2)
<一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物の合成〜一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と一般式(5)で表される化合物との反応〜>
ポリ(ジメトキシシロキサン)5.3g、例示化合物(5−1)4.5gを混合し、加熱還流にて10時間反応させた。反応後、150℃/5mmHg(667Pa)で揮発性分を留去後、無色液状物(Si−7)3gを得た。
前記例示化合物(5−1)を例示化合物(5−6)9.5gに代えた以外は、前記(Si−7)と同様にして、無色液状物(Si−8)7gを得た。
【0171】
(実施例3)
<電解質組成物の作製>
本発明の化合物(Si−1)16g及びN−リチオトリフルオロメタンスルホンイミド(LiNTf2)7gの混合物を、アセトニトリル溶液(10ml)に溶解後、アセトニトリルを減圧留去し、電解質組成物(SiE−1)を作製した。
さらに、一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物及び金属イオンの塩を表2に示したように変更する以外は、(SiE−1)と同様にして、(SiE−2)〜(SiE−14)を得た。
【0172】
【表2】
【0173】
(実施例4)
<固体電解質の作製>
実施例3で作製した電解質組成物(SiE−1)10gに、求核剤の例示化合物dを、0.5g混合した。本混合液をテフロン上にキャスティングした。キャスティング液をアルゴンガス雰囲気下、100℃、4時間加熱し、固体電解質膜(SPE−1)を得た。
電解質組成物及び求核剤の種類を変更する以外は、上記と同様の方法で、表3に示す組成の固体電解質薄膜(SPE−2)〜(SPE−13)を得た。
【0174】
【表3】
【0175】
(実施例5)
<イオン伝導度及び輸率の測定>
実施例3又は4で作製した電解質について、0.5mmのポリプロピレンをスペーサーとした2枚のリチウム電極に挟み、直流分極測定法と複素インピーダンス測定法の併用によって、Liイオン輸率を測定した。その結果を表2及び表3に示す。
【0176】
表2及び表3に示すように、本発明の化合物を用いた電解質は、比較例と比べ、高いLiイオン輸率を示し、リチウムイオン伝導材料として有用であることが確認された。
【0177】
(実施例6)
<シリンダー型電池の作製>
▲1▼正極合剤ペーストの作製
正極活物質として、LiCoO2を200gとアセチレンブラック10gとを、ホモジナイザーで混合し、続いて結着剤として、2−エチルヘキシルアクリレートと、アクリル酸と、アクリロニトリルとの共重合体の水分散物(固形分濃度50重量%)を8g、濃度2質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液を60g加え混練混合し、さらに水を50g加え、ホモジナイザーで撹拌混合し、正極合剤ペーストを作製した。
【0178】
▲2▼負極合剤ペーストの作製
負極活物質として、SnGe0.1B0.5P0.58Mg0.1K0.1O3.35200gと、導電剤(人造黒鉛)30gとをホモジナイザーで混合し、さらに結着剤として濃度2質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50gと、ポリフッ化ビニリデン10gとを加え混合したものに、水を30g加え、さらに混練混合して負極合剤ペーストを作製した。
【0179】
▲3▼正極及び負極電極シートの作製
上記で作製した正極合剤ペーストを、ブレードコーターで厚さ30μmのアルミニウム箔集電体の両面に、塗布量400g/m2、圧縮後のシート厚みが280μmになるように塗布し、乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成形し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。さらにドライボックス(露点;−50℃以下の乾燥空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極シートを作製した。
同様に、負極合剤ペーストを20μmの銅箔集電体に塗布し、前記正極シート作製と同様の方法で、塗布量70g/m2、圧縮後のシートの厚みが90μmである負極シートを作製した。
【0180】
▲4▼シリンダー型電池の作製
図1に従い、電池の作り方を説明する。上記で作製した正極シートと、厚さ30μmの東燃タピルス(株)性不織布TAPYRUS P22FW−OCSと、負極シートと、さらに厚さ30μmの東燃タピルス(株)性不織布TAPYRUS P22FW−OCSとを、この順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。
この巻回した電極群2を、負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶1に収納し、70℃、減圧下で、上記電解質SiE−1を注入した。その後、上部絶縁板3を更に挿入した。
正極端子6、絶縁リング、PTC素子63、電流遮断体62、圧力感応弁体61を積層したものを、ガスケット5に介してかしめてシリンダー(円筒型)電池D−1を作製した。
前記シリンダー型(円筒形)電池D−1と同様にして、表4に示した電解質を用いた電池D−2〜D−13を作製した。電池はそれぞれ10個ずつ作製した。
【0181】
(実施例7)
負極活物質として黒鉛粉末を用いる以外は、前記実施例6と同様の方法で、シリンダー型(円筒型)電池D−14〜D−20を作製した。
【0182】
<電池特性の評価>
前記方法で作製した電池について、0.2C、充電終止電圧4.1V、放電終止電圧2.7V、の条件で充放電を10回繰り返し、10サイクル目における放電容量を求めた。これを同一処方の10個の電池について調べ、その平均をその電池の容量とした。このようにして各々の電池についてその電池容量を求め、この値を電池番号D−1の電池の容量で割って相対容量を求めた。値を表4に示す。
【0183】
【表4】
【0184】
前記表4の結果より、本発明の化合物(電解質組成物)を電解質として用いた場合、電池容量が大きいことがわかる。
【0185】
また、正極活物質が、LiNiO2やLiMnO2の場合にも、以上と同様の結果が得られた。
【0186】
(実施例8)
<シート型電池の作製>
▲1▼正極シートの作製1
正極活物質として、LiCoO2を43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部、さらに結着剤としてポリアクリロニトリル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体として混練して得られたスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ49mmの正極シート(CA−1)を作製した。
【0187】
▲2▼正極シートの作製2
正極活物質として、LiMn2O4を43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部、さらに結着剤としてポリアクリロニトリル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体として混練して得られたスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ114μm、幅54mm×長さ49mmの正極シート(CA−2)を作製した。
【0188】
▲3▼正極シートの作製3
正極活物質として、LiNiO2を43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部、さらに結着剤としてポリアクリロニトリル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ75μm、幅54mm×長さ49mmの正極シート(CA−3)を作製した。
【0189】
▲4▼負極シートの作製1
負極活物質として、SnSiO3を43質量部、導電剤としてアセチレンブラック2質量部とグラファイト2質量部の割合で混合し、さらに結着剤としてポリアクリロニトリルを3質量部を加え、N−メチルピロリドン100質量部を媒体として混練して負極合剤スラリーを得た。
次にα−アルミナ45質量部、グラファイト7質量部、ポリアクリロニトリル3質量部、N−メチルピロリドン100質量部の割合で混合し、補助層スラリーを得た。
負極合剤スラリーを下層、補助層スラリーを上層として、厚さ10μmの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形して厚さ46μm、幅55mm×長さ50mmの負極シートを作製した。
負極シートの端部にニッケル製のリード板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを用いて行った。熱処理後の負極シート全面に4mm×55mmに裁断した厚さ35μmのリチウム箔(純度99.8%)をシートの長さ方向に対して直角に10mm間隔で貼り付けした(AN−1)。
【0190】
▲5▼負極シートの作製2
前記負極シートの作製1にて、SnSiO3をSn0.8Al0.2B0.3P0.2Si0.5O3.6、SnAl0.4B0.5Cs0.1P0.5O3.65とした以外は、同様にして、端部にニッケル製のリード板を溶接したリチウム箔を貼り付けた幅55mm×長さ50mmの負極シート(AN−2)、(AN−3)を作製した。
【0191】
▲6▼負極シートの作製3
負極活物質として、メソフェースピッチ系炭素材料(ペトカ社)を43質量部、導電剤としてアセチレンブラック2質量部とグラファイト2質量部の割合で混合し、さらに結着剤としてポリアクリロニトリルを3質量部を加え、N−メチルピロリドン100質量部を媒体として混練して負極合剤スラリーを得た。
負極合剤スラリーを、厚さ10μmの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形して厚さ46μm、幅55mm×長さ50mmの負極シートを作製した。負極シートの端部にニッケル製のリード板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを用いて行った。(AN−4)。
【0192】
▲7▼シート型電池の作製
シート型電池の作製について、図2を用いて説明する。
まず、負極シート、正極シートはそれぞれ露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で30分脱水乾燥した。ドライ雰囲気中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み正極シート(CA−1)21と、幅60mm×長さ60mmで厚さ30μmの固体電解質22と、幅55mm×長さ50mmの脱水乾燥済み負極シート(AN−1)23とを、この順で積層し、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフイルムよりなる外装材を使用し、四縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電池(SB−1)を作製した。
上記シート型電池(SB−1)の作製と同様にして、表5に示すような構成のシート型電池(SB−2)〜(SB−16)を作製した。
【0193】
【表5】
【0194】
<電池性能の評価>
前記方法で作製したシート型電池について、0.2C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.6V、の条件で充放電を10回繰り返し、10サイクル目における放電容量を求めた。これを同一処方の10個の電池について調べ、その平均をその電池の容量とした。このようにして各々の電池の容量を求め、この値をSB−2〜5,11についてはSB−1で、SB−12についてはSB−6で、SB−13についてはSB−7で、SB−14についてはSB−8で、SB−15についてはSB−9で、SB−16についてはSB−10で割って、同じ電極組成同士の相対容量を求めた。それぞれの値を表5に示した。
【0195】
前記結果より、本発明の化合物(電解質組成物)を電解質として用いた場合、比較例の場合に比べ、電池容量が大きいことが確認された。
【0196】
【発明の効果】
本発明によると、高いイオン輸率を示す新規な電解質組成物、及びその製造方法を提供し、更に該電解質組成物を含有し、電池容量の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例6及び7で作製したシリンダー型電池の断面図を示す。
【図2】 実施例8で作製したシート型電池の概念図を示す。
【符号の説明】
1 負極を兼ねる電池缶
2 巻回電極群
3 上部絶縁板
4 正極リード
5 ガスケット
6 正極端子を兼ねる電池蓋
61 圧力感応弁体
62 電流遮断素子(スイッチ)
63 PTC素子
21 正極シート
22 不織布
23 負極シート
24 正極端子
25 負極端子
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩とを含むことを特徴とする電解質組成物。
- 前記一般式(1)におけるMが、ケイ素である請求項1に記載の電解質組成物。
- 前記一般式(1)におけるR1が、置換又は無置換のアルコキシ基である請求項1又は2に記載の電解質組成物。
- 前記高分子化合物が、下記一般式(2)で表される化合物と、水酸基を有するカルボン酸とを反応させてなる生成物である請求項1から3のいずれかに記載の電解質組成物。
- 前記水酸基を有するカルボン酸が、下記一般式(3)で表される請求項4に記載の電解質組成物。
- 前記一般式(3)におけるaが1であり、かつbが0であることを特徴とする請求項5に記載の電解質組成物。
- 前記一般式(3)におけるR4及びR5が、水素原子である請求項5又は6に記載の電解質組成物。
- 前記高分子化合物が、下記一般式(4)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物と、アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物とを反応させてなる生成物である請求項1から3のいずれかに記載の電解質組成物。
- 前記アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物が、下記一般式(5)で表される請求項8に記載の電解質組成物。
- 前記一般式(5)におけるaが1であり、かつbが0である請求項9に記載の電解質組成物。
- 前記一般式(5)におけるR4及びR5が、水素原子である請求項9又は10に記載の電解質組成物。
- 正極及び負極からなる非水電解質二次電池であって、該二次電池内に、請求項1から11のいずれかに記載の電解質組成物を含有することを特徴とする非水電解質二次電池。
- 下記一般式(1)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物を調製する工程と、該高分子化合物に周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩を添加する工程とを有する電解質組成物の製造方法であって、前記高分子化合物を調製する工程が、下記一般式(2)で表される化合物と、水酸基を有するカルボン酸とを反応させることを特徴とする電解質組成物の製造方法。
- 下記一般式(1)で表される構造を繰返し単位として有する高分子化合物を調製する工程と、該高分子化合物に周期律表第1族又は第2族に属する金属イオンの塩を添加する工程とを有する電解質組成物の製造方法であって、前記高分子化合物を調製する工程が、下記一般式(4)で表される構造を繰り返し単位として有する高分子化合物と、アルコキシカルボニル基を有するアルコール化合物とを反応させることを特徴とする電解質組成物の製造方法。
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