JP4926300B1 - 画像表示装置、画像表示方法及び画像表示プログラム - Google Patents

画像表示装置、画像表示方法及び画像表示プログラム Download PDF

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Abstract

画像表示装置は、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源と、光源から照射された光の、ユーザの網膜からの戻り光を検出する第一検出手段と、第一検出手段による検出結果に基づいて、光の網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段と、第二検出手段による検出結果に基づいて、光の網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備える。これにより、光源から照射された光の網膜上での照射位置の検出結果に基づいて、網膜上での照射位置を適切に調整することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッドマウントディスプレイなどの画像表示装置に関する。
従来から、ユーザの頭部に装着することが可能に構成されたヘッドマウントディスプレイ(以下、適宜「HMD」と表記する。)などの画像表示装置が知られている。例えば特許文献1には、角膜の表面で反射した走査光の一部を反射光として検出して、検出した反射光に基づいてレーザ光の焦点位置を調整するHMD型の画像表示装置が記載されている。また、例えば特許文献2には、映像の網膜上の結像状態を検出し、その情報に基づいて光学系を駆動して結像位置を変更する頭部装着型映像表示装置が記載されている。また、例えば特許文献3には、ユーザの眼の動きに追従して瞳孔の位置を検出し、レーザ光の走査方向を変化させる網膜投影ディスプレイ装置が記載されている。
特開2009−258686号公報 特開平7−128613号公報 特開2009−122550号公報
しかしながら、上記した特許文献1及び3には、焦点調節を行うことや瞳孔の動きを検出することなどが記載されているに止まり、光源から照射された光の網膜上での照射位置(つまり瞳孔を通過して網膜上に投射された像の位置)を検出することなどについては記載されていない。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、光源から照射された光の網膜上での照射位置を検出して、網膜上での照射位置を適切に調整することが可能な画像表示装置、画像表示方法及び画像表示プログラムを提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明では、画像表示装置は、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源と、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調されたからの戻り光を検出する第一検出手段と、前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段と、前記第二検出手段により検出した変動に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備える。
請求項に記載の発明では、画像表示装置は、画像を視認させるためにユーザの網膜に光を照射する光源と、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて検出された前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動に基づき、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備える。
請求項に記載の発明では、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源を有する画像表示装置によって実行される画像表示方法は、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する第一検出工程と、前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出工程と、前記第二検出工程により検出した変動に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整工程と、を備える。
請求項に記載の発明では、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源及びコンピュータを有する画像表示装置によって実行される画像表示プログラムは、前記コンピュータを、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する第一検出手段、前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段、前記第二検出手段により検出した変動に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段、として機能させる。
本実施例に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)の全体構成を示す。 本実施例に係るHMDの基本動作を説明するための図を示す。 HMDによって表示された画像及び網膜上に投射された像の一例を示す。 本実施例における検出方法を具体的に説明するための図を示す。
本発明の1つの観点では、画像表示装置は、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源と、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜からの戻り光を検出する第一検出手段と、前記第一検出手段による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段と、前記第二検出手段による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備える。
上記の画像表示装置は、例えばユーザの頭部などに装着され、光源から照射させた光によってユーザの網膜上に画像を描画する。第一検出手段は、光源から照射された光の、ユーザの網膜からの戻り光を検出する。第二検出手段は、第一検出手段によって検出された戻り光に基づいて、光の網膜上での照射位置の変動を検出する。そして、調整手段は、第二検出手段によって検出された照射位置の変動に基づいて、光の網膜上での照射位置を調整する。上記の画像表示装置によれば、光源から照射された光の網膜上での照射位置の検出結果に基づいて、網膜上での照射位置を適切に調整することができる。
上記の画像表示装置の一態様では、前記調整手段は、前記画像の前記網膜上での照射位置が変動しないように調整を行う。
この態様によれば、視野の定まった位置に、画像を適切に表示させることが可能となる。言い換えると、画像が表示される視野内の位置を一定に維持することが可能となる。また、振動などに起因する画像のぶれを適切に補正することが可能となる。
上記の画像表示装置の他の一態様では、前記網膜からの戻り光は、前記光が照射される前記網膜上のパターンによって変調されており、前記第二検出手段は、前記網膜上のパターンによって変調された前記戻り光の変動に基づいて、前記網膜上での照射位置の変動を検出する。
この態様では、網膜からの戻り光が網膜上の血管や神経などのパターン(網膜パターン)によって変調されていることを利用して、網膜パターンによって変調された戻り光の変動に基づいて、光の網膜上での照射位置の変動を検出する。これにより、照射位置の変動を適切に検出することができる。
上記の画像表示装置において好適には、前記第二検出手段は、前記網膜上のパターンによって変調された前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と、前記網膜上のパターンとの相対位置の変動を検出し、当該相対位置の変動を前記網膜上での照射位置の変動として用いることができる。
また好適には、前記調整手段は、前記光によって前記網膜上に投射された像と、前記網膜上のパターンとの相対位置が一定になるように、前記照射位置を調整することができる。
本発明の他の観点では、画像表示装置は、画像を視認させるためにユーザの網膜に光を照射する光源と、前記網膜からの戻り光を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備える。上記の画像表示装置によれば、検出された網膜からの戻り光に基づいて、光の網膜上での照射位置を適切に調整することができる。
本発明の他の観点では、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源を有する画像表示装置によって実行される画像表示方法は、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜からの戻り光を検出する第一検出工程と、前記第一検出工程による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出工程と、前記第二検出工程による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整工程と、を備える。
本発明の更に他の観点では、画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源及びコンピュータを有する画像表示装置によって実行される画像表示プログラムは、前記コンピュータを、前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜からの戻り光を検出する第一検出手段、前記第一検出手段による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段、前記第二検出手段による検出結果に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段、として機能させる。
上記の画像表示方法及び画像表示プログラムによっても、光源から照射された光の網膜上での照射位置の検出結果に基づいて、網膜上での照射位置を適切に調整することができる。
なお、上記画像表示プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[全体構成]
図1は、本実施例に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)1の全体構成を概略的に示したブロック図である。
HMD1は、主に、制御部11と、記憶部12と、光源ユニット13と、検出器14と、を備える。HMD1は、例えば眼鏡型に構成されており、ユーザの頭部に装着可能に構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などを有しており、HMD1の全体の制御を行う。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどで構成され、制御部11を制御する制御プログラムなどが記憶されると共に、制御部11に対してワーキングエリアを提供する。
光源ユニット13は、赤色、緑色、青色のレーザ光源や、レーザ光源から出射されたレーザ光を走査するスキャン機構(走査機構)などを有する。HMD1は、上記した制御部11の制御の元、レーザ光源からのレーザ光を走査することで、ユーザの網膜上に画像を描画する。検出器14は、例えば受光素子(フォトディテクタなど)で構成され、レーザ光源から照射されたレーザ光の、ユーザの網膜からの戻り光を検出する。
なお、制御部11は、本発明における「第二検出手段」及び「調整手段」の一例に相当し、検出器14は、本発明における「第一検出手段」の一例に相当する。
[HMDの基本動作]
次に、図2を参照して、本実施例に係るHMD1の基本動作について説明する。図2に示すように、光源ユニット13は、レーザ光源13aや、ハーフミラー13b、13dや、スキャン機構13cなどを有する。図2では、レーザ光源13aから照射されたレーザ光を実線矢印で示し、レーザ光源13aから照射されたレーザ光の網膜からの戻り光を破線矢印で示している。なお、レーザ光源13aから照射されたレーザ光と、レーザ光の網膜からの戻り光とは、光路が概ね重なる傾向にあるが、図2では、説明の便宜上、これらの光路をずらして示している。
レーザ光源13aから出射されたレーザ光は、ハーフミラー13bで反射されて、スキャン機構13cに入射する。スキャン機構13cは、ミラーやアクチュエータなどを具備して構成され、入射されたレーザ光をハーフミラー13dに向けて反射する。具体的には、スキャン機構13cは、表示すべき画像を網膜上に描画するべく、制御部11の制御により網膜上を走査(スキャン)するように動作する。つまり、スキャン機構13cは、レーザ光を照射する網膜上の位置を変更するための動作を行う。また、スキャン機構13cは、制御部11の制御の元、フォーカス調整も行う。
ハーフミラー13dは、スキャン機構13cからのレーザ光を、ユーザの眼球に向けて反射する。これにより、レーザ光源13aから出射されたレーザ光が、ユーザの網膜上に照射されることとなる。その結果、HMD1によって形成された画像が、ユーザに視認されることとなる。なお、図2では図示していないが、ユーザの網膜上には、実体像(ユーザの目前の周辺景色などに対応する像)に対応する光も照射される(当該光はハーフミラー13dを透過する)。
ユーザの網膜上に照射されたレーザ光は、網膜で反射する。網膜で反射された光(つまり戻り光)は、ハーフミラー13dで反射し、スキャン機構13c及びハーフミラー13bを透過して、検出器14に入射する。検出器14は、例えば受光素子(フォトディテクタなど)によって、このようにして入射された戻り光を検出する。つまり、検出器14は、レーザ光によって網膜上に投射された像からの戻り光を検出する。そして、検出器14は、検出した戻り光に対応する検出信号を制御部11に供給する。
なお、検出器14によって検出される戻り光には、レーザ光の戻り光だけでなく、実体像に対応する光の戻り光も含まれる。但し、実体像に対応する光の戻り光は比較的低いのに対して、レーザ光の戻り光の光強度は比較的高いので、検出器14では、主としてレーザ光の戻り光が検出される傾向にある。言い換えると、レーザ光の戻り光の光強度は比較的高いので、検出器14でレーザ光の戻り光を容易に検出することができると言える。
ところで、網膜の状況を計測する装置として「眼底検査機」が知られている。また、近年、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)により、網膜像を直接電気信号として得られることが知られている。本実施例では、HMD1の光学系に上記のような検出器14を設けることで、HMD1の走査範囲内で、走査型レーザ検眼鏡と同様の機能を実現させている。
なお、HMD1は、レーザ光源13aから網膜までの光学的距離と、網膜から検出器14までの光学的距離とが概ね等しくなるように光学系を設計することが望ましい。こうすることで、網膜に照射したレーザ光の戻り光を、検出器14で適切に検出することが可能となる。
[検出方法及び制御方法]
次に、本実施例において制御部11が行う検出方法及び制御方法について説明する。本実施例では、制御部11は、検出器14によって検出された網膜からの戻り光に基づいて、レーザ光の網膜上での照射位置の変動を検出し、その検出結果に基づいて、レーザ光の網膜上での照射位置を調整する。具体的には、制御部11は、検出結果に基づいて、レーザ光によって形成される画像の網膜上での照射位置が変動しないように、レーザ光の照射位置を調整する制御を行う。
詳しくは、制御部11は、網膜からの戻り光が、ユーザの網膜上の血管や神経などのパターン(以下、単に「網膜パターン」と呼ぶ。)によって変調されていることを利用して、網膜パターンによって変調された戻り光の変動に基づいて、レーザ光の網膜上での照射位置の変動を検出する。この場合、制御部11は、当該戻り光の変動に基づいて、レーザ光によって網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、当該相対位置の変動を網膜上での照射位置の変動として用いる。そして、制御部11は、網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置が一定になるように、レーザ光の照射位置を調整する。
ここで、図3及び図4を参照して、本実施例における検出方法及び制御方法を具体的に説明する。
図3は、HMD1によって表示された画像及び網膜上に投射された像の一例を示す。図3(a)は、実体像の一例を示している。この実体像は、例えばユーザの目前の景色(言い換えるとHMD1を装着していない場合にユーザに視認される景色)に相当する。なお、図3(a)では、実体像を模式的に示している(以下同様とする)。図3(b)は、HMD1を装着している状態でユーザが視認する像の例を示している。ここでは、「abc」といった文字を示す画像(破線領域A1参照)がHMD1によって表示された場合を例示している。図3(b)に示すように、ユーザは、実体像と、HMD1によって表示された画像とを同時に視認することとなる。
図3(c)は、上記のような画像をHMD1が表示した場合に、ユーザの網膜上に投射された像を示している。具体的には、図3(c)は、ユーザの網膜上の血管や神経などを含む網膜パターン、及びレーザ光によって網膜上に投射された像(上記した「abc」の文字が左右反転された像)を示している。また、図3(c)中の破線領域A2は、HMD1による走査範囲(言い換えるとスキャン機構13cによる走査範囲)を示している。走査範囲A2は、ユーザに提示する画像を表示すべき範囲に相当し、例えば事前に設定された範囲が用いられる。
図4は、本実施例における検出方法を具体的に説明するための図である。図4(a)は、レーザ光によって網膜上に投射された像の生成元となる画像(言い換えると、表示すべき画像として光源ユニット13に入力される画像であり、以下では「元画像」と呼ぶ。)の一例を示している。この元画像は、図3で示したものと同様の画像である。なお、図4(a)では、説明の便宜上、グリッド線を示しているが、これは実際には表示されない(以下同様であるものとする)。
図4(b)は、検出器14によって検出された、網膜からの戻り光の一例を示している。つまり、網膜上に投射された像の一例を示している。具体的には、図4(b)では、左側に、検出器14によって検出された生データに相当する図を示しており、右側に、このような生データに対して所定の画像処理を行った図を示している。例えば、右側に示す図は、元画像のデータなどを参照して、レーザ光によって網膜上に投射された像の部分を抽出する処理が行われたものである。図4(b)より、網膜からの戻り光が、網膜上の血管や神経などの網膜パターンによって変調されていることがわかる。具体的には、元画像では輝度が一様であるのに対して(図4(a)参照)、戻り光に対応する像では、網膜パターンに応じて輝度が変わっていることがわかる。例えば、血管などに対応する部分の戻り光の輝度が比較的低くなっていることがわかる。
図4(c)は、図4(b)に示す像が得られてから所定時間が経過した際に(例えば一回の走査に要する時間の経過後)、検出器14によって検出された網膜からの戻り光の一例を示している。図4(b)と同様に、図4(c)も、左側に、検出器14によって検出された生データに相当する図を示しており、右側に、このような生データに対して所定の画像処理を行った図を示している。
図4(b)と図4(c)とを比較すると、レーザ光によって網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置が変動していることがわかる。具体的には、図4(c)は、図4(b)と比較すると、網膜上に投射された像に対して網膜パターンが左側にずれていることがわかる。このようなずれは、例えばユーザの頭とHMD1との位置ずれや、ユーザの視線の移動等に起因する。
本実施例では、制御部11は、検出器14によって検出された戻り光に基づいて、上記のような網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置の変動を検出する。具体的には、制御部11は、検出器14によって検出された戻り光に対応する、網膜上に投射された像と、当該網膜上に投射された像に対応する元画像とを比較することで、網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置の変動を検出する。この場合、制御部11は、元画像に対応する信号と戻り光に対応する信号とを、元画像の輝点位置などの特徴点に基づいて比較することで、網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置を抽出する。また、制御部11は、元画像を表示する際に用いたレーザ光の発光タイミングなども参照して、このような相対位置を抽出する。例えば、制御部11は、投射すべき像を走査するごとに、網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置を抽出することにより、相対位置の変動を検出する。
そして、本実施例では、制御部11は、上記した相対位置の変動の検出結果に基づいて、レーザ光の網膜上での照射位置が変動しないように、レーザ光の照射位置を調整する制御を行う。具体的には、制御部11は、網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置関係が一定に維持されるように、レーザ光の照射位置を調整するべく、スキャン機構13cに対する制御を行う。これにより、振動などに起因する、ユーザの頭とHMD1との位置ずれによらずに、視野の定まった位置に、HMD1によって画像を表示させることが可能となる。つまり、ユーザの頭とHMD1との位置ずれによる画像のぶれを適切に補正することが可能となる。したがって、本実施例によれば、HMD1の快適な装着感をユーザに提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、投射用の光学系をできる限り検出用の光学系としても使用しているため、視線検出用のカメラ等を別途設ける必要がないので、システム全体の軽量化や小型化や低価格化を実現することができる。
更に、本実施例によれば、網膜上に投射された像と網膜パターンとの相対位置関係が一定に維持されるように制御することで、網膜上に投射する像を視線の移動に追随させることができる。加えて、視線の移動に追随させるための制御量(照射位置を補正するためのスキャン機構13cの駆動量など)から、視線の移動を検知することができる。よって、本実施例によれば、視線検出用のカメラ等の構成要素を追加することなく、視線の移動を適切に検知することができ、こうして検知された視線の移動を、HMD1における種々の制御のための信号として用いることができる。
[変形例]
上記では、「abc」といった文字を示す画像を用いて検出及び制御を行う実施例を示したが(図3及び図4参照)、これ以外の文字を用いて検出及び制御を行っても良い。また、文字を用いる代わりに、所定の図形(四角や三角や丸や十字など)や線分などを用いて検出及び制御を行っても良い。
上記では、ユーザに提示する画像を用いて検出及び制御を行う実施例を示したが、ユーザに視認されないような画像を用いて検出及び制御を行っても良い。また、上記では走査範囲(ユーザに提示する画像を表示すべき範囲)を用いて検出及び制御を行う実施例を示したが、走査範囲以外の領域を用いて検出及び制御を行っても良い。1つの例では、可視光線の代わりに赤外線などの不可視光線を用い、走査範囲の外枠に相当する部位(走査される外枠)にのみ赤外光を投射して、その戻り光に基づいて、上記した検出及び制御を行うことができる。これにより、投射される可視光の像(つまりユーザに提示する画像の像)の面積や輝度に影響によらず、安定した動作を期待することができる。
上記では本発明をヘッドマウントディスプレイ(HMD)に適用する例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、HMD以外にも、網膜に直接レーザ光を投射する種々の画像表示装置に適用することができる。例えば、ヘッドアップディスプレイに適用することができる。
以上に述べたように、実施例は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、ヘッドマウントディスプレイやヘッドアップディスプレイなどの画像表示装置に利用することができる。
1 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
11 制御部
12 記憶部
13 光源ユニット
13a レーザ光源
13b、13d ハーフミラー
13c スキャン機構
14 検出器

Claims (7)

  1. 画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源と、
    前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する第一検出手段と、
    前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段と、
    前記第二検出手段により検出した変動に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記調整手段は、前記画像の前記網膜上での照射位置が変動しないように調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記調整手段は、前記光によって前記網膜上に投射された像と、前記網膜パターンとの相対位置が一定になるように、前記照射位置を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 画像を視認させるためにユーザの網膜に光を照射する光源と、
    前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて検出された前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動に基づき、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
  5. 画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源を有する画像表示装置によって実行される画像表示方法であって、
    前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する第一検出工程と、
    前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出工程と、
    前記第二検出工程により検出した変動に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整工程と、を備えることを特徴とする画像表示方法。
  6. 画像を視認させるための光をユーザの網膜に照射する光源及びコンピュータを有する画像表示装置によって実行される画像表示プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記光源から照射された光の、前記ユーザの網膜パターンにより変調された戻り光を検出する第一検出手段、
    前記戻り光の変動に基づいて、前記光によって前記網膜上に投射された像と前記網膜パターンとの相対位置の変動を検出し、前記光の前記網膜上での照射位置の変動を検出する第二検出手段、
    前記第二検出手段により検出した変動に基づいて、前記光の前記網膜上での照射位置を調整する調整手段、として機能させることを特徴とする画像表示プログラム。
  7. 請求項に記載の画像表示プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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