JP4925060B2 - 電池状態推定装置 - Google Patents

電池状態推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4925060B2
JP4925060B2 JP2007273098A JP2007273098A JP4925060B2 JP 4925060 B2 JP4925060 B2 JP 4925060B2 JP 2007273098 A JP2007273098 A JP 2007273098A JP 2007273098 A JP2007273098 A JP 2007273098A JP 4925060 B2 JP4925060 B2 JP 4925060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
internal resistance
value
estimated
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007273098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009103471A (ja
Inventor
嘉範 青木
裕 玉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2007273098A priority Critical patent/JP4925060B2/ja
Publication of JP2009103471A publication Critical patent/JP2009103471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4925060B2 publication Critical patent/JP4925060B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、電池の状態として少なくとも該電池の内部抵抗を推定する電池状態推定装置に関する。
従来、この種の電池状態推定装置としては、特許文献1に見られるように、電池の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、電池の端子間に流れる端子間電流を検出する電流検出手段とを備え、電流と電圧との間の関係を近似する直線の式を求め、その直線の傾きから内部抵抗を算出すると共に、その直線の切片から開路電圧を算出するものが知られている。
かかる電池状態推定装置では、電池の残容量(SOC)が急激に変化する場合には、電流と電圧との間の過渡的な特性が無視できなくなることから、単位時間当たりの充放電量が大きく変化しないような電池の動作状態に限って、内部抵抗および開路電圧を算出している。このように、かかる電池状態推定装置では、電池の特定の動作状態でしか内部抵抗および開路電圧を算出できない。
そのため、特許文献2に見られるように、電池の電流Iと端子電圧Vとを計測し、該電流Iと電圧Vとの間の過渡特性を考慮した次式(A)により表される連続時間系の電池モデルに適応デジタルフィルタを適用して、伝達関数であるA(s)、B(s)、C(s)のパラメータから内部抵抗を推定する電池状態推定装置が提案されている。
V=(B(s)/A(s))・I+(1/C(s))・V・・・・・・(A)
しかしながら、かかる電池モデルを用いた電池状態推定装置では、複数のパラメータの値を推定するために、ローパスフィルタやバンドパスフィルタによる前処理を電流I等の検出値に施さなければならない。また、前記伝達関数における時定数の適切な設定が必要である上、推定すべきパラメータ数が多く、収束性にも問題がある。さらに、電池の電流Iや電圧Vの計測値には、オフセットが生じることが多々ある。このような場合には、内部抵抗を正確に推定することができない。
特開2000−323183号公報 特開2004−178848号公報
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、電池の動作状態によらずに、簡易且つ高精度に、内部抵抗などの電池の状態をリアルタイムで推定することができる電池状態推定装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、電池の状態として少なくとも該電池の内部抵抗を推定する電池状態推定装置であって、前記電池の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、前記電池の端子間に流れる端子間電流を検出する電流検出手段と、前記電池の内部抵抗を逐次推定する内部抵抗推定手段とを備え、前記内部抵抗推定手段は、前記電圧検出手段による端子間電圧の検出値の所定時間当たりの変化量である実電圧変化量と、前記電流検出手段による端子間電流の検出値の所定時間当たりの変化量である実電流変化量とから、逐次最小二乗法により、該実電圧変化量と実電流変化量との間の関係を表す一次式における傾きの値を前記内部抵抗の仮値として逐次算出する仮内部抵抗算出手段と、該仮内部抵抗算出手段によって算出された内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量とに応じて補正することにより内部抵抗の推定値を求める仮内部抵抗補正手段とから構成され、前記仮内部抵抗補正手段は、該仮内部抵抗算出手段によって算出された内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量と当該内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値とに応じて補正することにより内部抵抗の新たな推定値を求めることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、前記実電圧変化量と実電流変化量とから、逐次最小二乗法により、前記一次式の傾きの値としての内部抵抗の仮値が遂次求められる。このため、前記電圧検出手段による電池の端子間電圧の検出値や、電流検出手段による電池の端子間電流の検出値にオフセットが生じていても、その影響を受けることなく、前記内部抵抗の仮値を求めることができる。そして、この内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量とに応じて補正することで、内部抵抗の推定値が求められる。これにより、電池の充放電が緩やか若しくは静的に行われるような動作状態だけでなく、電池の端子間電流と端子間電圧との間の過渡的な特性が無視できないような電池の動作状態(過渡状態)においても、複雑な処理を必要とすることなく、電池の内部抵抗を精度よく推定することができる。
よって、第1発明によれば、電池の動作状態によらずに、簡易且つ高精度に、電池の内部抵抗をリアルタイムで推定することができる。
前記内部抵抗の仮値は、前記実電圧変化量と実電流変化量とに応じて、例えばマップやデータテーブル等を参照することによって求められる値により補正してもよいが、次のように補正することが好ましい。
すなわち、前記仮内部抵抗補正手段は、該仮内部抵抗算出手段によって算出された内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量と当該内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値とに応じて補正することにより内部抵抗の新たな推定値を求める。
これにより、かかる第発明によれば、前記内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量と既に求めた前記内部抵抗の推定値とに応じて補正することで、新たな内部抵抗の推定値が求められる。これにより、電池の過渡特性の影響を適切に補償して、電池の内部抵抗をより精度よく推定することができる。
なお、前記内部抵抗の仮値を補正するために用いる、既に求めた前記内部抵抗の推定値としては、例えば、現在時刻(前記新たな推定値を求めようとする時刻)に十分に近い時刻での内部抵抗の推定値(例えば当該推定値の時系列のうち最新の値)を用いることが好ましい。また、前記内部抵抗の仮値を補正するために用いる実電圧変化量および実電流変化量の値としては、現在時刻での値、あるいは、既に求めた内部抵抗の推定値とほぼ同時刻での値を用いることが好ましい。
前記第発明において、前記仮内部抵抗補正手段は、前記内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値に前記実電流変化量を乗じることにより得られる値と、前記実電圧変化量との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって前記内部抵抗の仮値を補正するための補正量を決定するものである(第発明)。
かかる第発明によれば、既に求めた前記内部抵抗の推定値に前記実電流変化量を乗じることにより得られる値は、該実電流変化量に対応する電圧変化量のモデル値(内部抵抗の推定値に基づく電圧変化量の推定値)としての意味を持つ。そして、第発明では、この電圧変化量のモデル値と前記実電流変化量との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって前記内部抵抗の仮値を補正するための補正量が求められる。従って、該補正量は、前記電圧変化量のモデル値が応答遅れを伴って実電流変化量に追従していくように決定される。この結果、第発明によれば、電池の内部抵抗を精度よく推定することができる。
前記第発明において、前記仮内部抵抗補正手段は、前記実電圧変化量を実電流変化量で除算して得られる値と、前記内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって前記内部抵抗の仮値を補正するための補正量を決定するようにしてもよい(第発明)。
かかる第発明によれば、前記実電圧変化量を実電流変化量で除算して得られる値は、該実電圧変化量と実電流変化量とに対応した内部抵抗のモデル値(実電圧変化量と実電流変化量とに基づく内部抵抗の推定値)としての意味を持つ。そして、第発明では、この内部抵抗のモデル値と既に求めた前記内部抵抗の推定値との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって前記内部抵抗の仮値を補正するための補正量が求められる。従って、該補正量は、前記内部抵抗のモデル値が応答遅れを伴って既に求めた内部抵抗の推定値に追従していくように決定される。この結果、第発明によっても、電池の内部抵抗を精度よく推定することができる。
なお、前記第発明および第発明におけるフィードバック則としては、例えばPI制御、PID制御などに用いる一般的な補償器を使用すればよい。また、偏差を0に収束させることには、0近傍の目標値を与え、偏差を0近傍の目標値に収束させる場合も含まれる。
前記第1〜第発明において、前記電池の状態として該電池の開路電圧を逐次推定する開路電圧推定手段をさらに備え、該開路電圧推定手段は、少なくとも前記内部抵抗推定手段によって推定された前記内部抵抗の推定値と、前記端子間電圧の検出値と、前記端子間電流の検出値とに基づいて、該開路電圧の推定値を逐次求める(第発明)。
かかる第発明によれば、前記開路電圧は、電池の端子間電流が0であるときの端子間電圧(所謂オープン電圧)であるから、少なくとも前記内部抵抗の推定値と、前記電圧検出手段による端子間電圧の検出値と、前記電流検出手段による端子間電流の検出値とを使用して、前記開路電圧を推定することが可能である。ここで、内部抵抗の推定値は、前記した如く高精度に推定されているので、前記開路電圧も、精度よく推定することが可能である。
この第発明では、電池の端子間電圧と、端子間電流と、内部抵抗との間に一定の相関関係があるとみなして前記開路電圧を推定することも可能であるが、次のように開路電圧を推定することが好ましい。
すなわち、前記開路電圧推定手段は、前記内部抵抗推定手段によって推定された前記内部抵抗の推定値と前記端子間電流の検出値とを乗じることによって得られる値に、当該開路電圧推定手段が既に求めた前記開路電圧の推定値を加えることによって得られる前記端子間電圧の推定値と、前記端子間電圧の検出値との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって、新たな開路電圧を求める(第発明)。
かかる第発明によれば、前記内部抵抗の推定値と前記端子間電流とを乗じることによって得られる値に、既に求めた前記開路電圧の推定値を加えることによって得られる前記端子間電圧の推定値は、端子間電圧のモデル値(内部抵抗の推定値と端子間電流と既に求めた開路電圧の推定値とに基づく端子間電圧の推定値)としての意味を持つ。そして、第発明では、この端子間電圧のモデル値と前記端子間電圧の検出値との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって新たな開路電圧が決定される。すなわち、端子間電圧のモデル値が応答遅れを伴って前記端子間電圧の検出値に追従していくように、新たな開路電圧が決定される。この結果、第発明によれば、電池の開路電圧を精度よく推定することができる。
なお、前記第発明におけるフィードバック則としては、例えばPI制御、PID制御などに用いる一般的な補償器を使用すればよい。
前記第又は第発明において、前記電池の状態として該電池の残容量を推定する残容量推定手段をさらに備え、該残容量推定手段は、前記開路電圧推定手段によって推定された前記開路電圧の推定値から、前記電池の残容量を推定する(第発明)。
すなわち、電池の残容量は、該電池の開路電圧との相関性が高いので、前記開路電圧の推定値から、該電池の残容量を推定できる。ここで、前記したように電池の開路電圧を精度よく推定できるので、電池の残容量も精度よく推定することができる。
前記第1〜第発明において、前記電池の状態として該電池の劣化度合いを推定する劣化度合い推定手段をさらに備え、該劣化度合い推定手段は、前記内部抵抗推定手段によって推定された内部抵抗の推定値から前記電池の劣化度合いを推定する(第発明)。
すなわち、電池の劣化度合いは、該電池の内部抵抗との相関性が高いので、前記内部抵抗の推定値から、該電池の劣化度合いを推定できる。ここで、前記したように電池の内部抵抗を精度よく推定できるので、電池の劣化度合いも精度よく推定することができる。
前記第〜第発明において、前記端子間電圧の検出値と、前記内部抵抗推定手段によって推定された内部抵抗の推定値と、前記開路電圧推定手段によって推定された開路電圧の推定値とに基づいて、前記電池の端子間に流れる電流を推定する電流推定手段と、前記電流推定手段によって推定された電流の推定値と、前記端子間電流の検出値との差に基づいて、前記電流検出手段の動作不良を検知する動作不良検知手段とを備える(第発明)。
すなわち、電池の端子間電圧と端子間電流と内部抵抗と開路電圧との相関性によって、前記電圧検出手段による端子間電圧の検出値と、前記内部抵抗の推定値と、前記開路電圧の推定値とから電池の端子間に流れる電流を推定することが可能である。そして、この電流の推定値と、前記電流検出手段による端子間電圧の検出値とを比較することによって、電流検出手段の動作不良を検知することができる。例えば、電流の推定値と、電流の検出値とが所定量以上、異なるような場合に、電流検出手段の動作不良が発生したことを検知することができる。
前記第〜第発明において、前記電池の状態として該電池の温度を推定する温度推定手段をさらに備え、該温度推定手段は、前記内部抵抗推定手段によって推定された内部抵抗と、前記残容量推定手段によって推定された残容量とに基づいて、前記電池の温度を推定する(第発明)。
すなわち、電池の温度は、該電池の内部抵抗と残容量との相関性が高いので、前記内部抵抗の推定値と前記残容量との推定値から、該電池の温度を推定できる。ここで、前記したように電池の内部抵抗と残容量を精度よく推定できるので、電池の温度も精度よく推定することができる。
前記第発明において、前記電池は、複数の該電池を相互に接続してなる組電池に組み込まれた電池であると共に、前記温度推定手段は、該組電池の各電池の温度を推定する手段であり、該組電池のうちの予め定められた1つの電池である基準電池の温度を検出する温度検出手段と、前記電池のうちの、前記温度推定手段により推定された前記基準電池以外の各電池の温度を、該温度検出手段により検出された前記基準電池の温度に応じて補正する温度補正手段とを備える(第10発明)。
かかる第10発明によれば、複数の電池が相互に接続されてなる組電池において、温度検出手段によって検出された1つの基準電池の温度の検出値に基づいて、温度推定手段によって推定された該基準電池以外の各電池の温度を補正する。このため、1つの温度検出手段による基準電池の温度の検出値を利用して、温度推定手段によって推定された基準電池以外の各電池を含め、組電池を構成する複数の電池の温度の推定精度を高めることができる。すなわち、1つの温度検出手段による基準電池の温度の検出値を利用して、組電池全体の温度分布を簡易かつ精度よく推定することができる。
前記第10発明において、前記温度補正手段は、例えば、前記温度推定手段により推定された前記基準電池以外の各電池の温度を、前記温度検出手段により検出された前記基準の温度と前記温度推定手段により推定された前記基準電池の温度との偏差に応じて補正する(第11発明)。
かかる第11発明によれば、温度検出手段によって検出された基準電池の温度の検出値と温度推定手段によって推定された基準電池の温度の推定値との偏差に応じて、該基準電池以外の電池の温度の推定値が補正される。例えば、基準電池の温度の検出値から基準温度の推定値を減算することにより得られる値を補正量として、該補正量を基準電池以外の電池の推定値に加算する。このため、温度推定手段による電池の温度の推定値の補正量を、温度検出手段の検出値に基づいて簡易に決定することができる。
なお、基準電池の温度については、温度検出手段によって検出された基準電池の温度をそのまま用いればよい。
本発明の一実施形態を図1乃至図10を参照して説明する。
まず、図1および図2を参照して、本実施形態の電池状態推定装置に関するシステム構成について説明する。図1はそのシステム構成を示す図であり、図2は図1のコントローラに備えた機能的手段の相互関係を示すブロック図である。
本実施形態の電池状態推定装置は、例えば、電動車両やハイブリット車両等の走行用動力源である電動機Xに、インバータ回路を含むパワードライブユニットYを介して電力を供給するための組電池1に組み込まれた複数の電池2の状態を推定する装置である。この電池状態推定装置は、各電池2の端子間電圧Vを検出する電圧検出手段3と、各電池2の端子間に流れる端子間電流Iを検出する電流検出手段4と、組電池1のうちの予め定められた1つの電池である基準電池2aの温度Tを検出する温度センサにより構成される温度検出手段5と、これらの検出された端子間電圧V、端子間電流Iおよび温度Tの検出値などが入力されるマイクロコンピュータ等から構成されるコントローラ10とを備える。
組電池1は、本実施形態では、例えばリチウムイオン電池等の電池2を単位電池として、複数の電池2を相互に直列に接続してなる組電池である。従って、組電池1は、各電池2の端子間電圧Vの総和が組電池1の出力電圧となり、各電池2の端子間電流Iの値が組電池1の出力電流となっている。この場合、各電池2の端子間電流Iは、いずれも同一である。
また、電圧検出手段3は、図では簡略的に記載しているが、各電池2にそれぞれ並列に接続された複数の(電池2と同数の)電圧センサにより構成される。また、電流検出手段4は、組電池1に直列に接続された電流センサである。本実施形態では、各電池2は直列に接続されているので、単一の電流検出手段4により、各電池2の端子間電流が検出される。なお、組電池1は、複数の電池2を直列に接続してなる直列回路を複数組備え、それらの直列回路を並列に接続して構成するようにしてもよい。この場合には、各直列回路毎に電流センサを備えることによって、各電池2の端子間電流を検出すればよい。
組電池1を構成する各電池2には、分流回路6が並列に接続されている。この分流回路6は、図示しないスイッチ素子を有するバイパス回路であり、組電池1の充電時などに、各電池2の過充電を防止したり、各電池2の端子間電圧Vを均等化するために、各電池2の箇所で流れる電流を適宜バイパスさせる(いずれかの電池2に電流が流れないようにする)ためのものである。
コントローラ10は、これに実装されたプログラムにより実現される主な機能として、各電池2の端子間電圧Vおよび端子間電流Iの検出値から該電池2の内部抵抗Rおよび開路電圧OCVを推定し、推定した開路電圧OCVから電池2の残容量SOCを算出する残容量算出手段20と、残容量算出手段20で推定される内部抵抗Rの推定値に基づいて、電池2の劣化度合いを推定する劣化度合い推定手段40と、残容量算出手段20で推定される内部抵抗Rの推定値と前記端子間電圧Vの検出値を用いて、電流検出手段4の動作不良を検出する動作不良検出手段60と、各電池2の温度を推定すると共に、温度検出手段5によって検出された基準電池2aの温度Tに基づいて、推定した温度を補正する温度推定手段70とを備える。
残容量算出手段20には、電圧検出手段3および電流検出手段4からそれぞれ各電池2の端子間電圧Vの検出値と端子間電流Iの検出値とがコントローラ10の演算処理周期毎に遂次入力される。そして、残容量算出手段20は、各電池2の内部抵抗Rを逐次推定する内部抵抗推定手段21と、内部抵抗推定手段21によって推定された内部抵抗Rを用いて、該電池2の開路電圧OCVの推定値を逐次求める開路電圧推定手段24と、開路電圧推定手段24によって推定された開路電圧OCVから該電池2の残容量SOCを推定する残容量推定手段25とを備える。
内部抵抗推定手段21は、さらに、仮内部抵抗算出手段22と仮内部抵抗補正手段23とを備える。仮内部抵抗推定手段22は、電圧検出手段3と電流検出手段4とからそれぞれ遂次入力される各電池2の端子間電圧Vおよび端子間電流Iの検出値に基づいて、該端子間電圧Vの所定時間当たりの(コントローラ10の1演算処理周期の)変化量である実電圧変化量dVと、該端子間電流Iの所定時間当たりの(コントローラ10の1演算処理周期の)変化量である実電流変化量dIとを遂次算出する。さらに、仮内部抵抗推定手段22は、算出した実電圧変化量dVと実電流変化量dIとから、逐次最小二乗法により、実電圧変化量dVと実電流変化量dIとの間の関係を表す一次式における傾きの値を内部抵抗Rの仮値rとして逐次算出する。具体的に、前記実電圧変化量dVと実電流変化量dIとから、内部抵抗Rの仮値rを遂次最小二乗法によって推定するアルゴリズムは以下の通りである。
まず、時刻k(k:離散時間系での時刻を表す整数値)における実電流変化量dIをx(k)、実電圧変化量dVをy(k)とおき、実電流変化量dIと実電圧変化量dVとの間の関係が一次式により直線近似されるとすると、その一次式(dIとdVとの関係を表すモデル式)は、次式(1)により表される。
Figure 0004925060
なお、式(1)のa(k),b(k)は、それぞれ一次式(1)により表される直線の傾き、切片であり、時刻k(現在時刻)において遂次最小二乗法により同定しようとするパラメータa,bの値である。
一方、時刻kの直前の時刻k−1でのパラメータa,bのそれぞれの同定値a(k−1),b(k−1)により同定される一次式は、次式(2)により与えられる。
Figure 0004925060
なお、y´は、式(2)の右辺の演算により算出されるdVの値(モデル値)を意味する。
そして、式(1)と式(2)とから誤差方程式を導くと、次式(3)が得られる。
Figure 0004925060
なお、式(3)中の添え字「T」は転置を意味する。
本実施形態では、この式(3)の左辺のe(k)を最小化するように、換言すれば、実電圧変化量dVと、式(2)の右辺の演算により算出される値との偏差eを最小化するように、遂次最小二乗法によりパラメータa,bの値(換言すれば式(3)のベクトルθ´の成分値)を逐次同定する。そして、パラメータaの同定値を、内部抵抗Rの仮値rとして得る。
この場合、ベクトルθ´は、式(3)で算出されるeを用いて、次式(4)により遂次同定される。
Figure 0004925060
ここで、式(4)のγ(k)は、適応ゲインであり、次式(5)により与えられるベクトル量である。
Figure 0004925060
また、式(5)中のP(k)は、次式(6)により与えられる2次の正方行列である。
Figure 0004925060
ここで、式(6)中のλは、θ´(k)の収束性を調整するための係数であり、例えば0.9<λ<1となる値に設定される。また、P(k)の初期値は、所定の成分値を有する対角行列である。
補足すると、一次式の切片であるbの値は、基本的には、0近傍の値である。従って、bの値は、0に固定してもよい。
また、本実施形態の仮内部抵抗補正手段23では、上記アルゴリズムに実電圧変化量dVと実電流変化量dIとを用いているため、端子間電圧Vや端子間電流Iの検出値にオフセットが生じていても、その影響を受けることがない。
次に、仮内部抵抗補正手段23は、以上のアルゴリズムによって同定(推定)された一次式における傾きであるaを、内部抵抗Rの仮値rとして、この内部抵抗Rの仮値rを次式(7)を用いて補正する。
Figure 0004925060
ここで、[dV(k−1)−(k−1)・dI(k−1)]は、既に求めた内部抵抗Rの推定値R(k−1)(本実施形態では、当該推定値の時系列のうち最新の値)とその時刻k−1での実電流変化量dI(k−1)とを乗じることにより算出される電圧変化量のモデル値と、その時刻k−1での実電圧変化量dV(k−1)との偏差である。そして、式(7)のGa1は伝達関数である。この場合、伝達関数Ga1に当該偏差を乗じる演算は、当該偏差を0に収束させるように、フィードバック操作量を求める演算である。このフィードバック操作量の演算式としては、例えばPI制御、PID制御などに用いる一般的な補償器の演算式が使用される。
従って、式(7)によって、内部抵抗Rの仮値rは、当該偏差を0に収束させるように補正され、これによって、内部抵抗Rの推定値が遂次算出される。
なお、仮内部抵抗補正手段23は、式(7)を用いて、内部抵抗の仮値rを補正して内部抵抗Rを求めたが、これに限らず、例えば次式(8)を用いて、内部抵抗Rを求めてもよい。
Figure 0004925060
ここで、式(8)の右辺第2項の[ ]内の値は、時刻k−1での実電圧変化量dV(k−1)を実電流変化量dI(k−1)で除算することにより算出される内部抵抗のモデル値と、その時刻k−1での内部抵抗Rの推定値R(k−1)との偏差である。そして、式(8)の右辺のGa1´は伝達関数である。この場合、伝達関数Ga1´に当該偏差を乗じる演算は、当該偏差を0に収束させるように、フィードバック操作量を求める演算である。このフィードバック操作量の演算式としては、例えばPI制御、PID制御などに用いる一般的な補償器の演算式が使用される。
従って、式(8)によって、内部抵抗Rの仮値rは、当該偏差を0に収束させるように補正され、これによって、内部抵抗Rの推定値が遂次算出される。
なお、仮内部抵抗補正手段23は、式(7)および式(8)では、現在時刻の内部抵抗Rの仮値r(k)を、実電圧変化量の既算値dV(k−1)と実電流変化量の既算値dI(k−1)とを用いて補正したが、その代わりに、現在時刻に対応する実電圧変化量dV(k)と実電流変化量dI(k)とを用いて補正してもよい。
次に、開路電圧推定手段24は、内部抵抗推定手段21により遂次推定される内部抵抗R(k)を用いて、次式(9)から開路電圧OCVを推定する。
Figure 0004925060
ここで、式(9)の右辺の[ ]内の値は、現在時刻kでの内部抵抗の推定値R(k)と現在時刻kでの端子間電流I(k)とを乗じた値に、既に求めた開路電圧OCVの推定値OCV(k−1)を加算することにより算出される端子間電圧のモデル値と、現在時刻kでの端子間電圧V(k)との偏差である。そして、式(9)の右辺のGa2は、伝達関数である。この場合、伝達関数Ga2に当該偏差を乗じる演算は、当該偏差を0に収束させるように、フィードバック操作量を求める演算である。このフィードバック操作量の演算式としては、例えばPI制御、PID制御などに用いる一般的な補償器の演算式が使用される。
従って、式(9)によって、新たな開路電圧OCVが、当該偏差を0に収束させるように遂次算出される。
なお、開路電圧推定手段24は、式(9)では、現在時刻の端子間電圧V(k)と現在時刻の端子間電流I(k)とを用いて、開路電圧OCV(k)を算出したが、その代わりに、端子間電圧Vの既算値V(k−1)と端子間電流Iの既算値I(k−1)とを用いて、開路電圧OCV(k)を算出してもよい。
補足すると、次式(10)のV、R、Iの値に、それぞれ現在時刻での端子間電圧Vの検出値V(k)、内部抵抗Rの推定値R(k)、端子間電流Iの検出値I(k)を代入してOCVについて解くことで、開路電圧OCV(k)を求めるようにすることも可能である。だたし、電池2の端子間電流Iが短時間で変化するような電池2の動作状態では、式(10)の関係式の近似精度が低下するので、前記式(9)の演算により開路電圧OCV(k)を算出することが好ましい。
Figure 0004925060
次に、残容量推定手段25は、開路電圧推定手段24によって推定された開路電圧OCVから残容量SOCを推定する。ここで、開路電圧OCVと残容量SOCとの関係は、図3に示すように、開路電圧OCVが大きくなるに従って残容量SOCが大きくなるような関係(大略比例関係)となり、開路電圧OCVと残容量SOCとが1対1に対応する。
そこで、本実施形態では、残容量推定手段25は、開路電圧OCVの推定値OCV(k)から、図3に示すような関係を表すデータテーブル(あるいは近似式)に基づいて、残容量SOCを推定する。
以上が、各電池2毎に、残容量算出手段20で実行される処理である。
次に、コントローラ10を構成する残容量算出手段20以外の構成について説明する。
劣化度合い推定手段40は、各電池2について、内部抵抗推定手段21によって推定された内部抵抗Rの推定値(各電池2についての推定値)がコントローラ10の演算処理周期毎に逐次入力される。そして、劣化度合い推定手段40は、入力された内部抵抗Rの推定値の、該電池2の新品時の内部抵抗Rの値に対する比を該電池2の劣化率として算出する。ここで、電池2は劣化によりその内部抵抗Rが増大することから、各電池2の劣化率は、該電池2の劣化の度合いを示す指標としての意味を持つ。尚、電池2の新品時の内部抵抗の値は、あらかじめ定められた固定値である。
動作不良検出手段60には、例えば、電池2の予め定められた1つの電池2についての、電圧検出手段3による端子間電圧Vの検出値と、電流検出手段4による端子間電流Iの検出値と、前記内部抵抗推定手段による内部抵抗Rの推定値と、開路電圧OCVの推定値とがコントローラ10の演算処理周期毎に逐次入力される。そして、動作不良検出手段60は、電流推定手段61を備える。電流推定手段61は、入力された内部抵抗Rおよび開路電圧OCVの推定値と、端子間電圧Vの検出値とを前式(10)に代入して、Iについて解くことで端子間電流Iの推定値(以下、ここで推定した端子間電流を端子間推定電流iとする)を求める。そして、動作不良検出手段60は、電流推定手段61により推定された端子間推定電流iと、入力された端子間電流Iの検出値との差を算出し、この差の絶対値が閾値を超えている場合に、電流検出手段4が動作不良を生じていると判定する。なお、本実施形態では、動作不良検出手段60は、1つの電池2についての端子間推定電流iを用いて電流検出手段4の動作不良を検出するようにしたが、複数の電池2のそれぞれについての端子間推定電流iを用いて電流検出手段4の動作不良を検知するようにしてもよい。例えば、複数の電池2のそれぞれについての端子間推定電流iの平均値と、電流検出手段4による端子間電流Iの検出値との偏差が所定の閾値を超えた場合に、電流検出手段4の動作不良を検知するようにしてもよい。
温度推定手段70には、各電池2について、内部抵抗推定手段21によって推定された内部抵抗Rの推定値(各電池2についての推定値)と、残容量推定手段25によって推定された残容量SOCがコントローラ10の演算処理周期毎に逐次入力される。そして、温度推定手段70は、入力された内部抵抗Rの推定値と、残容量SOCの推定値とから、これらに対応した電池2の温度を予め定められたマップにより推定する(以下、ここで推定した温度を暫定推定温度tとする)。ここで、内部抵抗Rと残容量SOCと暫定推定温度tとの間には、ほぼ一定の相関性があり、その関係が、図4のマップで示されるように表される。
さらに、温度推定手段70は、温度補正手段71を備える。この温度補正手段71は、基準電池2aの温度の検出値(以下、計測温度Tとする)に基づいて、入力された前記暫定推定温度tを補正する。具体的には、基準電池2aの計測温度Tから暫定推定温度tを減算することによって得られる計測温度Tと暫定推定温度tとの偏差を補正量として、各電池2の暫定推定温度tに該補正量を加算する。これにより、基準電池2a以外の各電池2の温度の最終推定値が求められる。なお、基準電池2aの温度については、暫定推定温度tに前記補正量が加算されることにより、暫定推定温度tが計測温度Tとなるように補正される。これにより、基準電池2aの温度は、計測温度Tが基準電池2aの最終的な温度の推定値として得られる。
なお、本実施形態では、コントローラ10は、各電池2の劣化率の推定値に応じて、組電池1全体の残容量である組電池残容量の使用範囲を変更すると共に、該設定された組電池残容量の使用範囲内に収まるように、電動機Xの力行運転時の出力(機械的出力)の上限値や、回生運転時の出力(発電電力)の上限値を制限する機能を有する。さらに、コントローラ10は、電動機Xの回生運転による組電池1の充電時や外部電源による組電池1の充電時に、各電池2の充電形態を調整する機能を有する。
次に、図5を参照して、前記コントローラ10の残容量算出手段20によって実行される全体的な処理を説明する。図5は、その処理を示すフローチャートである。
車両の運転状態において、残容量算出手段20は、所定の演算処理周期で図5に示す処理を各電池2について実行する。
まず、残容量算出手段20は、各電池2の端子間電圧Vの検出値と端子間電流Iの検出値(今回値)を取得する(STEP20)。なお、「今回値」は、現在の演算処理周期での値を意味する。
STEP20の処理に続いて、残容量算出手段20は、内部抵抗推定手段21によって、STEP21,22,23の処理を順次実行する。STEP21の処理では、内部抵抗推定手段21は、端子間電圧Vの検出値の今回値と前回値(前回の演算処理周期での値)とから、前記実電圧変化量dVを算出すると共に、端子間電流Iの検出値の今回値と前回値とから、前記実電流変化量dIを算出する。
STEP22では、内部抵抗推定手段21は、STEP21で算出したdV,dIの今回値を用いて、前記式(3)〜(6)の演算処理を実行することで、前記パラメータa,bの値のうちのaの値を内部抵抗Rの仮値rとして得る。なお、式(3)の右辺の演算では、パラメータa,bの値として、前回の演算処理周期におけるSTEP22の処理で求めたパラメータa,bの値(前回値)が使用される。
これにより、内部抵抗Rの仮値rが遂次最小二乗法により求められることになる。
さらに、STEP23では、内部抵抗推定手段21は、STEP22で求めた仮値r(今回値)と、実電圧変化量dVおよび実電流変化量dIの前回値と、前回の演算処理周期におけるSTEP23で求めた内部抵抗Rの推定値(前回値)とから、前記式(7)または(8)の演算によって、新たな内部抵抗Rの推定値(今回値)を求める。
これにより、式(7)中の偏差Δa1または式(8)中の偏差Δa1´を0に収束させるように、仮値rが補正され、内部抵抗Rの推定値の今回値が求められる。
補足すると、STEP22の処理は、内部抵抗推定手段21を構成する仮内部抵抗算出手段22により実行され、STEP23の処理は、内部抵抗推定手段21を構成する仮内部抵抗補正手段23により実行される。
STEP23の処理に続いて、残容量算出手段20は、開路電圧推定手段24によりSTEP24の処理を実行する。このSTEP24の処理では、開路電圧推定手段24は、STEP23で算出された内部抵抗Rの今回値と、端子間電圧Vおよび端子間電流Iの検出値の前回値と、前回の演算処理周期におけるSTEP24の処理で求めた開路電圧OCVの推定値(前回値)とから、前記式(9)の演算によって、新たな開路電圧OCVの推定値(今回値)を求める。
これにより、式(9)中の偏差Δa2を0に収束させるように、開路電圧OCVの推定値の今回値が求められる。
STEP24の処理に続いて、残容量推定手段25は、STEP24の処理により求めた開路電圧OCV(今回値)から、図3に示すデータテーブル(又はこれを近似する演算式)によって、開路電圧OCVに対応した電池2の残容量SOCの推定値(今回値)を求める(STEP25)。
以上説明した残容量推定手段25の処理が各電池2について所定の演算処理周期で実行される。これにより、各電池2の内部抵抗R、開路電圧OCV、および残容量SOCが遂次推定される。
次に図6を参照して、前記コントローラ10の劣化度合い推定手段40によって実行される処理を説明する。図6はその処理を示すフローチャートである。
車両の運転状態において、劣化度合い推定手段40は、所定の演算処理周期で図6に示す処理を各電池2について実行する。
まず、劣化度合い推定手段40は、各電池2について、前記STEP23で求めた内部抵抗Rの推定値(今回値)を取得する(STEP40)。
STEP40の処理に続いて、劣化度合い推定手段40は、STEP41,42の処理を順次実行する。STEP41では、各電池2の内部抵抗Rの推定値(今回値)の、該電池2の新品時の内部抵抗Rの値に対する比を該電池2の劣化率として算出する。
次いで、STEP42〜44の処理がコントローラ10により実行される。
STEP42では、劣化度合い推定手段40は、STEP41で算出した各電池2の劣化率が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。
ここで、各電池2の劣化率の中に閾値を超えるものが存在する場合には(STEP42でYES)、該電池2の劣化度合いは高い。そのため、この場合には、コントローラ10は、コンビネーションメータ内などに設けられた図示しない報知用ランプを点灯する(STEP43)。これにより、車両の運転者に組電池1を構成する複数の電池2の一部に劣化度合いが高い電池があることが報知され、組電池1が点検や交換が必要であることを認識することができ、運転者にその後の適切な対応を促すことができる。
なお、本実施形態では、いずれかの電池2の劣化率が所定の閾値を超えた場合に、報知用ランプを点灯するようにしたが、組電池1を構成する全ての電池2の劣化率の平均値や総和が、所定の閾値を超えた場合に、報知用ランプを点灯するようにしてもよい。
STEP43の処理に続くSTEP44では、コントローラ10は、電動機Xとの間での組電池1の充放電を制限する出力制限処理を実行する。これにより、図6のフローチャートの処理が終了する。なお、STEP44の出力制限処理については詳細を後述する。
一方、STEP42の判断処理において、各電池2の劣化率の中に前記所定の閾値を超えるものが存在しない場合には(STEP42でNO)、コントローラ10は、STEP43,44の処理を実行することなく、図6のフローチャートの処理を終了する。
前記STEP44における出力制限処理を以下に図7を参照して説明する。この出力制限処理では、コントローラ10は、まず、例えば、組電池1を構成する全ての電池2の劣化率の平均値を組電池1の全体の劣化度合いを表す指標(以下、組電池劣化率)として用い、この組電池劣化率に応じて、組電池1の充放電(電動機Xの力行運転に伴う組電池1の放電と、電動機Xの回生運転に伴う組電池1の充電)を行うときの、組電池1の全体の残容量(以下、組電池残容量という)の適切な使用範囲を設定する。なお、組電池残容量は、本実施形態では、組電池1を構成する全ての電池2の残容量SOCの推定値の総和である。
ここで、上記使用範囲は、組電池1を構成する電池2の劣化の進行をできるだけ遅くする上で適切な組電池残容量の範囲を意味する。すなわち、組電池残容量が当該使用範囲を逸脱するような状態で、組電池1の充放電を頻繁に行うと、各電池2の劣化の進行が早まりやすい。この場合、組電池残容量の適切な使用範囲は、各電池2の劣化の進行に伴い、組電池残容量が低い側に移行する。そこで、本実施形態では、前記組電池劣化率に応じて前記使用範囲を設定する。
図7に示す初期使用範囲は、各電池2が新品状態であるときの組電池劣化率に対応する組電池残容量の使用範囲を示し、劣化時使用範囲は、各電池2がある程度劣化した状態での組電池劣化率に対応する組電池残容量の使用範囲を示している。このように、組電池残容量の使用範囲は、各電池2の劣化の進行に伴い(組電池劣化率が大きくなるのに伴い)、組電池残容量の低い側に移行するように設定される。
そして、コントローラ10は、組電池残容量が上記の如く設定した使用範囲内に収まるように、電動機Xの力行運転時の出力(機械的出力)や、回生運転時の出力(発電出力)を制限する。
この場合、本実施形態では、図7のグラフaで示すように、組電池残容量と、電動機Xの力行運転時(組電池1の放電時)における該電動機Xの出力の上限値としての力行出力上限値との関係が予め設定されている。また、図7のグラフbで示すように、組電池残容量と、電動機Xの回生運転時(組電池1の充電時)における該電動機Xの出力の上限値としての回生出力上限値とが予め設定されている。ここで、組電池残容量のある値に対応する力行出力上限値および回生出力上限値は、組電池残容量を当該ある値の付近の値に維持する上で適切な、力行運転時の電動機Xの出力の上限値と回生運転時の電動機Xの出力の上限値とを意味している。なお、これらの上限値は、電動機Xの力行運転または回生運転を一定の出力で所定時間(例えば10秒間)、連続的に運転した場合における該電動機Xの出力の上限値である。
そして、コントローラ10は、設定した組電池残容量の使用範囲内において、電動機Xの力行運転時または回生運転時の出力が、それぞれ、上記力行出力上限値、回生出力上限値を超えないように、電動機Xの運転を行わせる。
このようにすることで、組電池残容量が、組電池劣化率に応じた適切な使用範囲内にできだけ収まるような組電池1の充放電が行われるように、電動機Xの力行運転時の出力(換言すれば組電池1の放電量)や回生運転時の出力(換言すれば組電池1の充電量)が制限されることとなる。ひいては、組電池1を構成する各電池2の劣化の進行をできだけ遅らせることができる。
以上が、STEP44の出力制限処理の詳細である。
以上説明した図6の処理によって、各電池2の劣化度合いが遂次推定されると共に、その劣化度合いに対応する組電池劣化率に応じて、適宜、前記出力制限処理が実行されることとなる。
なお、本実施形態では、瞬時瞬時の組電池劣化率に応じて、電動機Xの出力(ひいては組電池1の充放電量)を制限するようにしたが、所定期間が経過する毎に、その時の組電池劣化率に応じて電動機Xの出力の上限値を変更するようにしてもよい。この場合、上記所定期間としては、車両が所定距離を走行する期間、所定時間の期間、車両が運転を開始してから次の運転を開始するまでの期間、車両の走行を停止してから次に走行を停止するまでの期間等が挙げられる。また、組電池1を構成する電池2の劣化度合いの進行度合い(進行速度)に応じて、電動機Xの出力を制限するようにしてもよい。例えば、所定期間が経過する毎に、該期間内における組電池劣化率の変化量を、電池2の劣化度合いの進行度合いを示すものとし算出し、該組電池劣化率の変化量に応じて電動機Xの出力の上限値を変更するようにしてもよい。
次に図8を参照して、前記コントローラ10の動作不良検出手段60によって実行される処理を説明する。図8はその処理を示すフローチャートである。
車両の運転状態において、動作不良検出手段60は、所定の演算処理周期で図8に示す処理を実行する。
まず、動作不良検出手段60は、予め定められた1つの電池2について、端子間電圧Vおよび端子間電流Iの検出値(今回値)と、前記STEP23で求められた内部抵抗Rの推定値(今回値)と、前記STEP24で求められた開路電圧OCVの推定値(今回値)とを取得する(STEP60)。
STEP60の処理に続いて、動作不良検出手段60は、STEP61〜64の処理を順次実行する。STEP61では、動作不良検出手段60の電流推定手段61が、内部抵抗Rおよび開路電圧OCVの推定値と、端子間電圧Vの検出値とを前式(10)に代入して、端子間推定電流iを求める。
STEP62では、動作不良検出手段60は、STEP61で求めた端子間推定電流iと、STEP60で取得した端子間電流Iの検出値との差を算出し、この差の絶対値が閾値を超えているか否かを判定する。
ここで、端子間推定電流iと端子間電流Iの検出値との差の絶対値が閾値を超えている場合には(STEP62でYES)、電流検出手段4が動作不良を生じていると判定する(STEP63)。これにより、図8のフローチャートの処理が終了する。なお、かかる電流検出手段4が動作不良を生じているとの判定に伴って、電流検出手段4の動作不良を運転者に報知する処理を実行するようにしてもよい。
一方、端子間推定電流iと端子間電流Iの検出値との差の絶対値が閾値を超えていない場合には(STEP62でNO)、電流検出手段4は動作不良を生じていないと判定する(STEP64)。これにより、図8のフローチャートの処理が終了する。
以上説明した動作不良検出手段60の処理が各電池2について所定の演算処理周期で実行される。これにより、電流検出手段4の動作不良が検出される。
次に図9を参照して、前記コントローラ10の温度推定手段70によって実行される処理を説明する。図9はその処理を示すフローチャートである。
車両の運転状態において、温度推定手段70は、所定の演算処理周期で図8に示す処理を各電池2について実行する。
まず、温度推定手段70は、各電池2について前記STEP23で求められた内部抵抗Rの推定値(今回値)および前記STEP25で求められた残容量SOC(今回値)と、基準電池2aの計測温度T(今回値)とを取得する(STEP70)。
STEP70の処理に続いて、温度推定手段70は、STEP71〜73の処理を順次実行する。STEP71では、温度推定手段70は、各電池2について、内部抵抗Rの推定値と、残容量SOCの推定値とから、これらに対応した該電池2の暫定推定温度tを図4に示すマップにより推定する。
STEP72では、温度推定手段70は、STEP71で求めた各電池2の暫定推定温度tのうち、基準電池2aに対応する暫定推定温度tと、STEP70で取得した計測温度Tとが一致するか否かを判定する。
ここで、基準電池2aの暫定推定温度tと計測温度Tとが一致しない場合には(STEP72でNO)、温度推定手段70の温度補正手段71が各電池2の暫定推定温度tを補正する推定温度補正処理を実行する(STEP73)。
具体的には、基準電池2aの計測温度Tから基準電池2aの暫定推定温度tを減算することによって得られる偏差を補正量として、各電池2の暫定推定温度tに該補正量を加算する。
これにより、基準電池2a以外の各電池2の温度の最終推定値が求められる。なお、基準電池2aの温度については、暫定推定温度tに前記補正量が加算されることにより、暫定推定温度tが計測温度Tと一致するように補正され、基準電池2aの温度の最終推定値が求められる。これにより、図9のフローチャートの処理が終了する。
一方、ここで、基準電池2aの推定温度tと計測温度Tとが一致する場合には(STEP72でNO)、その後の処理は行わず、図9のフローチャートの処理が終了する。
以上説明した温度推定手段70の処理が各電池2について所定の演算処理周期で実行される。これにより、各電池2の温度の最終推定値が遂次推定される。
上記の如く推定された各電池2の温度の最終推定値(補正後の推定値)は、本実施形態では、例えば次のように利用される。
すなわち、本実施形態では、コントローラ10は、組電池2を電動機Xの回生運転によって充電する場合や、外部電源によって充電を行う場合に、各電池2の端子間電圧Vを均等化するように、各電池2に並列接続された前記分流回路6の通電を制御する均等化制御を行う。そして、この場合、本実施形態では、各電池2の温度の推定値に応じて、各電池2の単位時間当たりの充電量である充電レート[C]を遂次変化させ、各電池2の温度が過剰な高温になるのを防止する。
この均等化制御においては、コントローラ10は、各電池2の温度の最終推定値と、単位時間当たりの該温度の推定値の上昇量である温度上昇率とから、図10に示すマップに基づいて、該電池2の充電レートを決定する。このマップは、基本的には、電池2の温度が所定値Txよりも高くなると、該所定値よりも低い場合よりも、充電レートを大幅に低くするように設定されている。また、該マップは、基本的には、温度上昇率が正の値で大きくなるのに伴い、充電レートが低下していくように設定されている。なお、このマップにおいて、温度上昇率が負の値となるような状況は、冷却ファンなどにより電池2の放熱量が、電池2の充電に伴う発熱量よりも大きいものとなるような状況である。
そして、均等化制御においては、コントローラ10は、このように決定した充電レートに従って各電池2の充電が行われるように、該電池2に並列接続された分流回路6の通電を制御する。この分流回路6の通電の制御は、各電池2の箇所で流れる充電電流を適宜、分流回路6にバイパスさせる制御である。このような分流回路6の通電制御は、各電池2の充電レートに応じて各電池2の端子間電圧Vの目標値を調整し、その目標値と端子間電圧Vの検出値との差に応じて該分流回路6のスイッチ素子のオン・オフを制御することにより行われる。
この場合、充電レートが図10に示すようなマップに基づいて決定されるため、電池2の温度が比較的低い状態では、充電レートを大きめに決定して、該電池2の充電を短時間で行うことができる。また、電池2の温度が比較的高い場合や、温度上昇率が比較的大きい場合に、充電レートを小さめに決定することで、電池2の温度が過剰に高温になることを防止することができる。
なお、上記のような均等化制御は、組電池1から電動機Xへの放電時に行うようにしてもよい。この場合には、各電池2の温度の推定値と、温度上昇率とからマップなどにより各電池2の放電レート(各電池2の単位時間あたりの放電量)を決定し、それに応じて、各分流回路6の通電を制御するようにすればよい。
補足すると、各電池2の温度の推定値の利用形態は、上記の如き均等化制御での利用に限られるものではない。例えば、組電池1を構成する一部の電池2または全部の電池2を冷却する冷却ファンを備える場合には、各電池2の温度の推定値から認識される組電池1の全体の温度分布に応じて該冷却ファンの作動を制御し、組電池1の温度分布を均一化するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の電池状態推定装置によれば、遂次最小二乗法によって推定された各電池2の内部抵抗Rの仮値rが、実電圧変化量dVと実電流変化量dIと内部抵抗Rの推定値とに応じて補正されて、新たな内部抵抗Rの推定値として遂次求められる。そのため、端子間電圧Vと端子間電流Iとの間の関係が線形関係となるような動作状態だけでなく、電流と電圧との間の過渡的な特性が無視できないような電池の動作状態(過渡状態)においても、複雑な処理を必要とすることなく、各電池2の内部抵抗Rを精度よく推定することができる。すなわち、各電池2の動作状態によらずに、簡易且つ高精度に、各電池2の内部抵抗Rをリアルタイムで推定することができる。
さらに、各電池2について、内部抵抗Rの推定値と、端子間電圧Vおよび端子間電流Iの検出値と、既に求めた開路電圧Rの推定値とから、フィードバック則によって新たな開路電圧Rが遂次求められる。そのため、各電池2において、高精度の内部抵抗Rの推定値を用いて開路電圧Rを精度よく推定することができる。
また、各電池2の開路電圧Rが高精度に推定されることから、開路電圧Rから推定される各電池2の残容量SOCや電池の劣化率も、精度よく推定することができる。
さらに、高精度に推定された各電池2の内部抵抗Rと残容量SOCとから、各電池2の暫定推定温度tが精度よく推定される。そして、この各電池2の暫定推定温度tが基準電池2aの計測温度Tに基づいて補正され、最終推定値が求められる。そのため、基準電池2aに設けられた1つの温度検出手段5によって、組電池1を構成する複数の電池2の温度の最終推定値を精度よく求めることができる。
本実施形態の電池状態推定装置のシステム構成図。 図1のコントローラ10に備えた機能的手段の相互関係を示すブロック図。 開路電圧OCVと残容量SOCとの関係を示す図。 内部抵抗Rと残容量SOCと暫定推定温度tとの関係を示す図。 図1の残容量算出手段20によって実行される処理を示すフローチャート。 図1の劣化度合い推定手段40によって実行される処理を示すフローチャート。 図6のSTEP44における出力制限処理の内容を示す説明図。 図1の動作不良検出手段60によって実行される処理を示すフローチャート。 図1の温度推定手段70によって実行される処理を示すフローチャート。 均等化制御における電池の温度と温度上昇率と充電レートとの関係を示す図。
符号の説明
1…組電池、2…電池、3…電圧検出手段、4…電流検出手段、5…温度検出手段、6…分流回路、10…コントローラ、20…残容量算出手段、21…内部抵抗推定手段、22…仮内部抵抗推定手段、23…仮内部抵抗補正手段、24…開路電圧推定手段、25…残容量推定手段、40…劣化度合い推定手段、60…動作不良検出手段、61…電流推定手段、70…温度推定手段、71…温度補正手段、X…電動機、Y…パワードライブユニット。

Claims (11)

  1. 電池の状態として少なくとも該電池の内部抵抗を推定する電池状態推定装置であって、
    前記電池の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電池の端子間に流れる端子間電流を検出する電流検出手段と、
    前記電池の内部抵抗を逐次推定する内部抵抗推定手段とを備え、
    前記内部抵抗推定手段は、前記電圧検出手段による端子間電圧の検出値の所定時間当たりの変化量である実電圧変化量と、前記電流検出手段による端子間電流の検出値の所定時間当たりの変化量である実電流変化量とから、逐次最小二乗法により、該実電圧変化量と実電流変化量との間の関係を表す一次式における傾きの値を前記内部抵抗の仮値として逐次算出する仮内部抵抗算出手段と、該仮内部抵抗算出手段によって算出された内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量とに応じて補正することにより内部抵抗の推定値を求める仮内部抵抗補正手段とから構成され
    前記仮内部抵抗補正手段は、該仮内部抵抗算出手段によって算出された内部抵抗の仮値を、前記実電圧変化量と実電流変化量と当該内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値とに応じて補正することにより内部抵抗の新たな推定値を求めることを特徴とする電池状態推定装置。
  2. 請求項記載の電池状態推定装置において、
    前記仮内部抵抗補正手段は、前記内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値に前記実電流変化量を乗じることにより得られる値と、前記実電圧変化量との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって前記内部抵抗の仮値を補正するための補正量を決定することを特徴とする電池状態推定装置。
  3. 請求項記載の電池状態推定装置において、
    前記仮内部抵抗補正手段は、前記実電圧変化量を実電流変化量で除算して得られる値と、前記内部抵抗推定手段が既に求めた前記内部抵抗の推定値との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって前記内部抵抗の仮値を補正するための補正量を決定することを特徴とする電池状態推定装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項記載の電池状態推定装置において、
    前記電池の状態として該電池の開路電圧を逐次推定する開路電圧推定手段をさらに備え、該開路電圧推定手段は、少なくとも前記内部抵抗推定手段によって推定された前記内部抵抗の推定値と、前記端子間電圧の検出値と、前記端子間電流の検出値とに基づいて、該開路電圧の推定値を逐次求めることを特徴とする電池状態推定装置。
  5. 請求項記載の電池状態推定装置において、
    前記開路電圧推定手段は、前記内部抵抗推定手段によって推定された前記内部抵抗の推定値と前記端子間電流の検出値とを乗じることによって得られる値に、当該開路電圧推定手段が既に求めた前記開路電圧の推定値を加えることによって得られる前記端子間電圧の推定値と、前記端子間電圧の検出値との偏差を0に収束させるようにフィードバック則によって、新たな開路電圧を求めることを特徴とする電池状態推定装置。
  6. 請求項又は記載の電池状態推定装置において、
    前記電池の状態として該電池の残容量を推定する残容量推定手段をさらに備え、該残容量推定手段は、前記開路電圧推定手段によって推定された前記開路電圧の推定値から、前記電池の残容量を推定することを特徴とする電池状態推定装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項記載の電池状態推定装置において、
    前記電池の状態として該電池の劣化度合いを推定する劣化度合い推定手段をさらに備え、該劣化度合い推定手段は、前記内部抵抗推定手段によって推定された内部抵抗の推定値から前記電池の劣化度合いを推定することを特徴とする電池状態推定装置。
  8. 請求項乃至のいずれか1項記載の電池状態推定装置において、
    前記端子間電圧の検出値と、前記内部抵抗推定手段によって推定された内部抵抗の推定値と、前記開路電圧推定手段によって推定された開路電圧の推定値とに基づいて、前記電池の端子間に流れる電流を推定する電流推定手段と、
    前記電流推定手段によって推定された電流の推定値と、前記端子間電流の検出値との差に基づいて、前記電流検出手段の動作不良を検知する動作不良検知手段とを備えることを特徴とする電池状態推定装置。
  9. 請求項乃至のいずれか1項記載の電池状態推定装置において、
    前記電池の状態として該電池の温度を推定する温度推定手段をさらに備え、該温度推定手段は、前記内部抵抗推定手段によって推定された内部抵抗と、前記残容量推定手段によって推定された残容量とに基づいて、前記電池の温度を推定することを特徴とする電池状態推定装置。
  10. 請求項記載の電池状態推定装置において、
    前記電池は、複数の該電池を相互に接続してなる組電池に組み込まれた電池であると共に、前記温度推定手段は、該組電池の各電池の温度を推定する手段であり、
    該組電池のうちの予め定められた1つの電池である基準電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記電池のうちの、前記温度推定手段により推定された前記基準電池以外の各電池の温度を、該温度検出手段により検出された前記基準電池の温度に応じて補正する温度補正手段とを備えることを特徴とする電池状態推定装置。
  11. 請求項10記載の電池状態推定装置において、
    前記温度補正手段は、前記温度推定手段により推定された前記基準電池以外の各電池の温度を、前記温度検出手段により検出された前記基準の温度と前記温度推定手段により推定された前記基準電池の温度との偏差に応じて補正することを特徴とする電池状態推定装置。
JP2007273098A 2007-10-19 2007-10-19 電池状態推定装置 Expired - Fee Related JP4925060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273098A JP4925060B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 電池状態推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273098A JP4925060B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 電池状態推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009103471A JP2009103471A (ja) 2009-05-14
JP4925060B2 true JP4925060B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=40705288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007273098A Expired - Fee Related JP4925060B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 電池状態推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4925060B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3761048A4 (en) * 2018-11-23 2021-06-23 Lg Chem, Ltd. BATTERY MONITORING SYSTEM

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5334697B2 (ja) * 2009-06-15 2013-11-06 本田技研工業株式会社 電池状態推定装置
JP5354787B2 (ja) * 2009-07-02 2013-11-27 本田技研工業株式会社 蓄電器管理装置
JP5394162B2 (ja) * 2009-07-31 2014-01-22 本田技研工業株式会社 蓄電装置の内部抵抗検出装置および開路電圧検出装置および残容量検出装置
KR20110134019A (ko) * 2010-06-08 2011-12-14 현대자동차주식회사 차량용 배터리의 셀 열화 진단 방법
KR101163912B1 (ko) 2010-09-27 2012-07-09 기아자동차주식회사 배터리의 온도 추정 방법
US8521456B2 (en) 2010-10-05 2013-08-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha State estimation method and state estimation apparatus of electric storage element
JP2013126258A (ja) * 2011-12-13 2013-06-24 Denso Corp 2次電池の充電率相当量算出装置
JP5798067B2 (ja) 2012-03-13 2015-10-21 プライムアースEvエナジー株式会社 二次電池の状態推定装置
KR101498764B1 (ko) * 2012-05-10 2015-03-04 주식회사 엘지화학 배터리의 저항측정방법 및 장치, 이를 이용한 배터리 관리 시스템
JP2013246088A (ja) * 2012-05-28 2013-12-09 Toyota Industries Corp 電池の内部抵抗推定方法及びその装置
JP2014146418A (ja) * 2013-01-25 2014-08-14 Toyota Motor Corp 組電池の処理装置及び組電池の処理方法
KR101518915B1 (ko) 2013-10-07 2015-05-11 현대자동차 주식회사 배터리 센서의 sof 추정 방법 및 장치
JP6112023B2 (ja) * 2014-01-15 2017-04-12 マツダ株式会社 車両用電源システム
KR101610530B1 (ko) 2014-10-24 2016-04-07 현대자동차주식회사 배터리의 내부 저항 측정 방법
JP6455409B2 (ja) 2015-03-06 2019-01-23 株式会社デンソー 電池状態推定装置
CN112912747B (zh) * 2018-07-30 2023-07-11 日本汽车能源株式会社 电池状态推算装置和电池控制装置
JP7140082B2 (ja) * 2019-09-19 2022-09-21 トヨタ自動車株式会社 センサ異常判定装置
KR102583439B1 (ko) * 2023-07-13 2023-09-27 주식회사 에스비알테크놀로지 배터리팩 구동을 위한 회로

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006226788A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Fuji Heavy Ind Ltd バッテリ管理システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3761048A4 (en) * 2018-11-23 2021-06-23 Lg Chem, Ltd. BATTERY MONITORING SYSTEM

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009103471A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4925060B2 (ja) 電池状態推定装置
CN106985684B (zh) 用于减轻电气化车辆电池中的锂镀覆的闭环反馈控制
JP5595361B2 (ja) 二次電池の充電状態推定装置
JP5074830B2 (ja) バッテリー管理システム、バッテリーsocの推定方法及びバッテリー管理システムの駆動方法
US10056778B2 (en) Method and device for limiting the current in a temperature-dependent manner of an energy storage device for electrical energy
JP4692246B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
KR102468385B1 (ko) 친환경 차량 배터리의 충전시간 예측 방법
US10359474B2 (en) Charge state calculation device and charge state calculation method
JP5616464B2 (ja) 二次電池の充電状態推定装置
US20180331403A1 (en) Device for Determining the Internal Temperature of an Energy Storage Device
KR101191624B1 (ko) 배터리 관리 시스템 및 이를 이용한 배터리 soc 추정 방법
JP6163879B2 (ja) 電池温度推定装置及び電池温度推定方法
KR20060130509A (ko) 배터리의 충전 또는 방전 출력 조정방법 및 장치
JP2018096953A (ja) 電池状態推定装置
JP2012057998A (ja) 二次電池の充電率算出装置および充電率算出方法
CN108369257B (zh) 容量维持率推定装置或容量维持率推定方法
US10300797B2 (en) System and method for controlling start of fuel cell vehicle
US11084385B2 (en) Battery control device, battery system, and vehicle
KR20150019190A (ko) 배터리 충전 상태 추정 방법 및 이를 위한 장치
JP5393616B2 (ja) 二次電池の容量維持率算出装置および容量維持率算出方法
JP2020129863A (ja) 組電池の充放電制御装置および組電池の充放電制御方法
JP6852469B2 (ja) バッテリ制御装置,プログラム
JP2019149921A (ja) 車両制御装置
CN105489954B (zh) 补偿电池单元的充电状态的方法和执行该方法的电池系统
WO2019131740A1 (ja) 充電可能電池温度推定装置および充電可能電池温度推定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120131

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4925060

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees