JP4924463B2 - 自動スイング機構及び携帯機器 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話、スマートホン、携帯端末(PDA:Personal Digital Assist )等、小型ディスプレイを備えた携帯型機器におけるディスプレイの自動スイング技術に関する。
従来、携帯電話においては、単なる電話機としての通話機能の他に、インターネットやメール、或いはカメラ機能を備え、さらに写真や動画撮影が行えるものがある。また、最近では、いわゆる「ワンセグ」と称されるデジタルTV放送受信機能を備えるものも登場し、従来のアナログ電波よりもノイズが少ないため、移動時においてもノイズの少ない映像を鑑賞したり、さらには録画できるものまで一般に供されている。
このような携帯電話の環境下において、従来のような「タテ折り畳み式携帯電話」(ディスプレイがタテ長の状態で折り畳みされる)では、ディスプレイがタテ画面のため映像の表示範囲は限定され、広い画面で映像を鑑賞するには、携帯電話自体を横向きにして全画面表示等の操作を行うというような不都合さがある。
こうした問題を改善するために、ディスプレイを回転、あるいはスイング可能な構造にして、手動操作でディスプレイを90度ヨコ向きにしたり、タテに戻したり、あるいは軸まわりに回転できる携帯電話が考案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、片手で携帯電話を持っているため、もう一方の手で回転やスイングの動作を行うこととなり、携帯電話を持っていない方の手が荷物等でふさがっている場合は、身体の一部にディスプレイ部を押しつけてスイング、または復旧動作をさせなければならず、スイング動作をさせ難いという問題がある。
特許第3322021号公報 特開2006−211576号公報
上述してきた問題を解決するため、本発明では、携帯機器を持っていない方の手がふさがっている場合においても、ディスプレイをスイング動作させたり、タテ位置への復旧動作が行いやすくするための自動スイング機構を提供する。
第一の発明は、携帯機器におけるディスプレイ部の自動スイング機構であって、駆動ベルトを左右どちらの向きにも回転させることのできるベルト駆動プーリと、前記ベルト駆動プーリを駆動するモータと、長円穴に沿って上下動かつ左右に回転可能な回転輪上に固定された摩擦プーリを有するディスプレイ支持カムと、前記摩擦プーリと接触しないように隙間をあけて外周に配置された駆動ベルトと、前記摩擦プーリの両側に、非スイング動作時は前記駆動ベルトと接触しないように該駆動ベルトの外側に配置された押圧パッドとを備え、いずれか一方の前記押圧パッドによって前記駆動ベルトが前記摩擦プーリに押しつけられると、該摩擦プーリが前記長円穴に沿って回転しながら上昇し、前記ディスプレイ部が、その下端を水平に移動しながら前記ベルト駆動プーリの回転方向にスイングすることを特徴とする自動スイング機構に関する。
すなわち、第一の発明によれば、タテ折り畳み式携帯電話などの携帯機器において、ディスプレイ部をベルトによって回転するプーリを有するカムの回転輪に固定させ、押圧パッドの摩擦プーリへの押しつけをきっかけに、モータ駆動により自動で該ディスプレイ部を長円穴に沿って上下動させるとともに左右に回転可能な構成とすることによって、片手でも楽にディスプレイ部を右あるいは左に水平にして、タテでは見にくい画像をヨコにして見ることが可能となる。
第二の発明は、前記摩擦プーリの両側に配置された前記押圧パッドは、一体で移動可能な押圧パッドフレームに固定され、排他的に前記駆動ベルトを前記摩擦プーリに押しつける構成からなることを特徴とする上記第一の発明に記載の自動スイング機構に関する。
すなわち、第二の発明によれば、左側または右側のどちらかの押圧パッドが排他的に摩擦プーリとの間に駆動ベルトを挟持する構成をとることによって、左右どちらかにディスプレイ部を水平スイングさせることができる。
第三の発明は、前記駆動ベルトの駆動源である前記ベルト駆動プーリと一体で動作するように設けられたピンが、回転時に、前記押圧パッドフレームの中央部に取り付けられた移動バネと接触することによって、前記押圧パッドが左右のどちらかに移動し、前記駆動ベルトを前記摩擦プーリに押しつけることを特徴とする上記第二の発明に記載の自動スイング機構に関する。
すなわち、第三の発明によれば、ウォームホイールなどの駆動ベルトの駆動源に設けた突起状のピンにより、押圧パッドを左右のどちらかに移動させて、駆動ベルトを摩擦プーリに押しつける構成をとることによって、ディスプレイ部をどちらか一方の側に水平スイングさせることができる。
第四の発明は、前記押圧パッドは、前記駆動ベルトに接触しない中立位置で静止可能となるロック機構を有することを特徴とする上記第一乃至第三の発明のいずれかに記載の自動スイング機構に関する。
すなわち、第四の発明によれば、駆動ベルトに接触しない中立位置において、押圧パッドの移動を静止するため、嵌め合い構造などによるロック機構を設ける構成とすることによって、非スイング時の正位置が容易に確保される。
第五の発明は、前記携帯機器における操作部の両側面に片手で操作可能なスイッチを備え、当該スイッチが押下された方向に、前記ディスプレイ部が自動的にスイングすることを特徴とする上記第一乃至第四の発明のいずれかに記載の自動スイング機構に関する。
すなわち、第五の発明によれば、押しボタンなどによるスイッチを操作部の両側面に配置することによって、片手がふさがっていても容易に左右のディスプレイのスイングが実現できる。
第六の発明は、前記携帯機器において起動するアプリケーションと連動して自動的にスイングするモードを備えたことを特徴とする上記第一乃至第四の発明のいずれかに記載の自動スイング機構に関する。
すなわち、第六の発明によれば、携帯機器にインストールされるアプリケーションの起動に合わせて、例えば、操作キーとの連動で、自動スイングモードとさせることが可能となる。これは、ワンセグによるTV表示やカメラ撮影などに好適な機能を与える。
以上述べたように、本発明は,ディスプレイが左右にスイングまたは回転動作可能な携帯電話のような携帯機器において、ディスプレイのスイング動作をボタン操作等だけで自動的に行うことができるため、片手ですべての操作を完結できる。また、携帯機器に搭載される、例えば、ワンセグ受信、カメラ撮影、GPS(Global Positioning System :全地球測位システム)機能などと連動して表示を広くすることで利便性を向上できる。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態になる折り畳み式携帯電話の基本構造を示す。本例は、タテ方向に折り畳むことのできる、いわゆる「折り畳み式携帯電話」に適用した場合を例としている。「折り畳み式携帯電話」において、(a)は、閉じ状態を示し、(b)は、ディスプレイ部タテ開き状態を示している。なお、閉じ状態(a)では、ディスプレイ部1裏面が露出している。
ディスプレイ部1と操作部2とが回転ヒンジ3で接続され、この回転ヒンジ3によってディスプレイ部1と操作部2との開閉動作が行われる。ディスプレイ部タテ開き状態(b)では、非スイング時の正位置の開き状態を示しており、表示面100を有するディスプレイ部1とキー操作面200を有する操作部2がタテ長の開き状態となっている。
本発明では、操作部2の側面に、プッシュボタンなど片手操作が可能なスイッチが左右に取り付けられ、右または左のスイッチ210、211の押下にしたがって、ディスプレイ部1は、右または左に自動スイングし、ヨコ向きとなる。また、自動スイング機構部10には、ディスプレイ部1を左右に回転させるため、後述する逆ハート型カム、ベルト駆動プーリ、駆動ベルト、ウォームホイール、およびモータからなる自動スイングヒンジモジュールが取り付けられている。
図2は、本発明の実施の形態になる折り畳み式携帯電話におけるスイッチ操作によるディスプレイ部の水平スイング例を示す図である。図に示すように、携帯電話の操作部2の両側面にスイング動作させるプッシュボタンなどのスイッチ210、211を設け、スイッチを押した方向にスイングするようにしている。
図2(a)は、右側面のスイッチ210によってディスプレイ部1が右スイングした状態、図2(b)は、左側面のスイッチ211によってディスプレイ部1が左スイングした状態をそれぞれ示している。
ディスプレイ部1をタテ正位置に戻す場合には、戻したい方のスイッチを1回プッシュするなどの操作によって実現する。なお、スイッチは、誤動作を避けるため、好適には、指で強めに押すことによってONになるように、多少窪みをつけておくと良い。
図3は、本発明の実施の形態になる折り畳み式携帯電話におけるアプリ連携によるディスプレイ部の水平スイング例を示す図である。本例は、携帯電話にインストールされたアプリケーションと連動して、操作部2のキー操作面200のいずれかのキーボタンを対応付けた例を示している。そのボタンを押下すると、ユーザが起動したアプリケーションによって、ヨコ画面が最適の場合に自動でスイングするものである。
図3(a)では、ユーザが「TV」ボタン220を押すと、自動で右スイングしてワイド画面でワンセグ放送等の視聴ができる。また,図3(b)では、「カメラ」ボタン230を押すと、自動で左スイングしてカメラが起動し、即座にワイドモード写真や動画の撮影ができるようになる。
また、別の例として、ヨコスクロールによるシューティングゲーム等、ヨコ画面にふさわしいアプリケーションが起動される場合には、例えば、画面のメニューボタンによる選択入力と連動させることによって、スイングした画面で最適な画面方向でプレイすることができる。
これらのスイング動作の自動ON/OFF、スイング方向等は、ユーザが独自に設定可能としており、意図しない場面で携帯電話が勝手にスイング動作を行うことはない。
図4は、本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構のGPS付き携帯電話への適用例を示す。本例は、GPS(Global Positioning System :全地球測位システム)機能を搭載した携帯電話に好適な例である。
図4(a)は、直進時及び直進距離が長い場合(正位置)、図4(b)は、右折時(ディスプレイ部右スイング)の場合、および図4(c)は、左折時(ディスプレイ部左スイング)の場合をそれぞれ示している。
携帯電話は、タテ長画面なので、タテ方向には地図が広く見渡せるが、ヨコ方向の表示範囲は狭い。例えば、車のダッシュボードスタンドに携帯電話を置いてナビゲーションシステムのごとく使用した場合、自己位置を表す自己位置マーカ110と進行方向120が示されているとする。ここで右折した場合、携帯電話の幅が狭いため、進行方向地図の見通しが悪くなる。そこで、本発明のディスプレイ自動スイング機構によって、進行方向に応じたスイング画面を実現する。つまり、自己位置の角度が変わったときの検知信号にしたがって、右折の場合は、右スイングして自己位置110が示され、進行方向120の地図見通しが格段に広く取れることとなる。そのまま直進距離が長い場合は、スイングが復帰し、進行方向120及び自己位置110で示すようになる。左折の場合も同じように、自動スイングし、進行方向120及び自己位置110が表示される。
なお、この機能は徒歩の場合でも使用可能であり、常に進行方向の見通しがよいように地図が表示されるので利便性が向上する。
つぎに、図5〜図10を用いて、本発明の自動スイング機構の動作原理を説明する。
図5は、本発明の実施の形態になる自動スイングヒンジ機構におけるカムの動きを表す図(カム位置:最下部)である。本例は、スイングさせるディスプレイ部1を自動スイング機構部11に取り付ける場合のディスプレイ取付カム面を示しており、ディスプレイ部1が非スイング状態にあるときの正位置にある場合(カム回転軸301が長円穴302の最下部に位置する)を示している。
ディスプレイ部1に取り付けられるカム面において、ディスプレイ部1は、ハートを180度回転させた形状のカム(以下、逆ハート型カムと呼ぶ)300の表面に固定され、この時ディスプレイ部1はタテ位置にある。逆ハート型カム300は、中空のカム回転軸301を有し、該カム回転軸301は、長円穴302に取り付けられているため、カムフレーム303に対し、回転かつ上下動が可能となる。
そして、逆ハート型カム300が、カム案内軸304に沿って動くことによって、ディスプレイ部1の左右方向の水平可倒(90度スイング動作)を可能にしている。該カム案内軸304の外側には、逆ハート型カム300が、カム案内軸304から外れなくするため、逆ハート型カム300の表面を覆うディスプレイ部1側に、外側レール(図示していない)が設けられている。また、逆ハート型カム300のカム回転軸301は、図示せぬバネによって鉛直方向(折り畳みヒンジ方向)に押しつけられ、ディスプレイ部1の姿勢が通常はタテ方向に保持されている。
図6は、本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構の動作を説明する図(カム位置:最下部)である。図6は、図5に示したディスプレイ取付カム面を裏面から見た図であり、ディスプレイ部1が非スイング状態にあるときの正位置にある場合を示している。
逆ハート型カム300には、駆動ベルト400によって回転できるように、配線のために穴の空いた摩擦プーリ410が取り付けてあり、駆動ベルト400は、摩擦プーリ410を囲むように設置した4個の連れ周りプーリ411〜414と、回転駆動源となる下部に配置されたベルト駆動プーリ(ウォームホイール420の裏にかくれている)の5個で、一定のテンションを掛けて張られている。下部のベルト駆動プーリは、ウォームホイール420と同軸上で連結され、ウォームホイール420は、モータ430を左右の側面スイッチ210、211(図2参照)をトリガーとして回転を制御する駆動制御部431によって左右方向に回転せしめている。
図7は、本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構の動作を説明する図(カム位置:中位置)である。本例は、図7の右側の押圧パッド401を動作させてディスプレイ部1を左スイングさせる場合を示しており、逆ハート型カム300のカム回転軸301が、長円穴302の中位置に移動した状態を示している。
摩擦プーリ410に駆動ベルト400を押しつけるための押圧パッド401、402は、非スイング時には、駆動ベルト400と隙間を空けて左右対称に設置されている。また、押圧パッド401、402は、押圧パッドフレームに左右が連結され、左右方向のスライド動作ができるようになっている。つまり、押圧パッド401、402は、スイングバネの力によって、左右のどちらかが排他的に駆動ベルト400を挟んで摩擦プーリ410に押しつけられる構造となっている。なお、上述した左右押圧パッド401の押圧パッドフレームへの取り付け、およびスイングバネの動作については、図11、12において後述する。
図7におけるスイング動作を説明すると、ディスプレイ部1をスイング(ヨコ倒し)させたい方向に、駆動制御部431によるモータ430駆動に連動してウォームホイール420を回転させると、ベルト駆動プーリが駆動ベルト400を回転させるとともに、ウォームホイール420に設けたピン(後述する図11の押圧パッド移動ピン421)が押さえ、パッドフレーム(図11の押圧パッドフレーム450)を回転方向にスライドさせ、右側の押圧パッド401が、逆ハート型カム300に取り付けた摩擦プーリ410と駆動ベルト400を挟持する。そして、駆動ベルト400の摩擦によって摩擦プーリ410は上方に移動し始める。
ここで、駆動ベルト400の非駆動表面と押圧パッド401との摩擦力は、極めて小さい材料にて構成されている。一方、駆動ベルト400と、ベルト駆動プーリ/逆ハート型カム300の摩擦プーリ410との摩擦力は大きい。したがって、駆動ベルト400の摩擦力によって摩擦プーリ410がカム案内軸304に沿って回転しながら上方に移動することとなる。
図8は、本発明の実施の形態になる自動スイングヒンジ機構におけるカムの動きを表す図(カム位置:中位置)である。図8は、図7の右側の押圧パッド401を動作させてディスプレイ部1を左スイングさせる場合の逆ハート型カム300の動きを示しており、逆ハート型カム300がカム案内軸304に沿って回転しつつ、長円穴302の中位置まで上昇している様子を示している。カム案内軸304が、逆ハート型カム300の右側のふくらみ部分にかかった状態を示している。
図9は、本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構の動作を説明する図(カム位置:最上部)である。移動が進行し、摩擦プーリ410が長円穴302の最上部まで上昇した状態を示している。また、図10は、本発明の実施の形態になる自動スイングヒンジ機構におけるカムの動きを表す図(カム位置:最上部)であり、逆ハート型カム300に取り付けた摩擦プーリ410が長円穴302の最上部まで上昇した位置でのカムの動きを示している。
図10のように、逆ハート型カム300のカム回転軸301が長円穴302の最上部まで上昇し、カム案内軸304が逆ハート 型カム300のふくらみの頂点を越えると、カム回転軸301は、図にないカム押さえバネの力によってカム最下部に落ち、ディスプレイ部1は90度傾くこととなる。
逆ハート型カム300のカム回転軸301がカム最下部に落ちる際、図9において、逆ハート型カム300とカム回転軸301で締結された摩擦プーリ410は、駆動ベルト400に対して逆回転となるが、逆ハート型カム300のカム押さえバネの力とディスプレイ部1の重さによって、摩擦プーリ410と駆動ベルト400との間はスリップする。
なお、ディスプレイ部1の位相は、別手段(マグネットセンサ等)によって検知されるため、スイング終了と同時にモータ430もストップするよう制御される。
また、スイング動作中に、人が無理矢理ディスプレイ部1をスイングさせた場合は、駆動ベルト400と摩擦プーリ410との滑りで吸収する。さらに、電動スイング機構を使わない場合は、もともと駆動ベルト400が摩擦プーリ410に接触していないので、何ら問題ない。
図11は、本発明の実施の形態になる押圧パッド移動機構の詳細図(その1:右パッド押圧時)を示す。また、図12は、本発明の実施の形態になる押圧パッド移動機構の詳細図(その2:左パッド押圧時)を示す。押圧パッドの動きが左右で異なるだけであるので、以下では、図11を用いて、右パッド押圧時の押圧パッド移動機構についてのみ詳述する。
図11は、右側の押圧パッド401を動作させてディスプレイ部1をディスプレイ裏面からみて左スイングさせる場合を示しており、ウォームホイール420は左回転となる。一方、図12は、左側の押圧パッド402を動作させてディスプレイ部1をディスプレイ裏面からみて右スイングさせる場合を示しており、ウォームホイール420は右回転となる。なお、図11および図12では、動作説明をしやすくするため、駆動ベルト400及びモータ430は省略している。
以下に、押圧パッド移動機構の動作について説明する。
図11に示すように、右左の押圧パッド401、402は、押圧パッドフレーム450で連結されており、カムフレーム303bに対して左右方向のスライド動作ができる構造になっている。さらに、押圧パッド401、402は、スイングバネ440の力によって、左右のどちらかが排他的に駆動ベルト400を挟んで摩擦プーリ410に押しつけられる構造を有している。
また、ウォームホイール420の裏面には、点線で示したように押圧パッド移動ピン421が打ち込んである。この押圧パッド移動ピン421は、ウォームホイール420が回転する際に、押圧パッド401の連結部中心に設置された突起状の押圧パッド移動用バネ403に引っ掛かかる位置に設置されており、押圧パッド401、402の左右スライド動作を可能にしている。
スイングバネ440は、押圧パッドフレーム450に取り付けられた固定ピン441とカムフレーム303bに取り付けられた固定ピン442によって、その端部がバネ回転可能に固定されている。そして、回転時に、ウォームホイール420の裏面の押圧パッド移動ピン421が、押圧パッド移動用バネ403に触れると、図のように、スイングバネ440のテンションが左向きにかかり、押圧パッドフレーム450を左方向に移動させる。右と左のスイングでは、スイングバネ440は互いに逆位相で動作する。
さらに、駆動ベルト400を摩擦プーリ410に押しつけない場合、スイングバネ440を中立点で保持する押圧パッドセンター停止バネ405が設けられ、押圧パッドセンター停止バネ405は、押圧パッド401が取り付けられている押圧パッドフレーム402から出ている突起物404と嵌合するようにしている。また、外力が加わると比較的簡単に嵌め合いが外れて移動できるように、逆三角形の凹凸構造となっている。このときの嵌合は、押圧パッド401が、駆動ベルト400と接触しない中立点を保持している状態にある。
また、90度傾いた状態のディスプレイ部1を正位置に戻す際は、ウォームホイール420を逆回転させればよく、逆側の押圧パッド401が、摩擦プーリ410に押しつけられてディスプレイ部1はタテ正位置に戻る。同様に、ディスプレイ部1が正位置に戻ったことは、マグネットセンサなどにより検知され、モータ430の回転を停止する。
また、ユーザが自動スイング動作中に、ディスプレイ部1をホールド、または強制スイングさせた場合、駆動ベルト400と摩擦プーリ410間のスリップによって吸収されるため何ら問題を生じない。
以上述べてきた本発明の実施の態様は、以下の付記に示す通りである。
(付記1) 携帯機器におけるディスプレイ部の自動スイング機構であって、
駆動ベルトを左右どちらの向きにも回転させることのできるベルト駆動プーリと、
前記ベルト駆動プーリを駆動するモータと、
長円穴に沿って上下動かつ左右に回転可能な回転輪上に固定された摩擦プーリを有するディスプレイ支持カムと、
前記摩擦プーリと接触しないように隙間をあけて外周に配置された駆動ベルトと、
前記摩擦プーリの両側に、非スイング動作時は前記駆動ベルトと接触しないように該駆動ベルトの外側に配置された押圧パッドとを備え、
いずれか一方の前記押圧パッドによって前記駆動ベルトが前記摩擦プーリに押しつけられると、該摩擦プーリが前記長円穴に沿って回転しながら上昇し、前記ディスプレイ部が、その下端を水平に移動しながら前記ベルト駆動プーリの回転方向にスイングすることを特徴とする自動スイング機構。(1 )
(付記2) 前記摩擦プーリの両側に配置された前記押圧パッドは、一体で移動可能な押圧パッドフレームに固定され、排他的に前記駆動ベルトを前記摩擦プーリに押しつける構成からなることを特徴とする付記1に記載の自動スイング機構。(2)
(付記3) 前記駆動ベルトの駆動源である前記ベルト駆動プーリと一体で動作するように設けられたピンが、回転時に、前記押圧パッドフレームの中央部に取り付けられた移動バネと接触することによって、前記押圧パッドが左右のどちらかに移動し、前記駆動ベルトを前記摩擦プーリに押しつけることを特徴とする付記2に記載の自動スイング機構。(3)
(付記4) 前記押圧パッドは、前記駆動ベルトに接触しない中立位置で静止可能となるロック機構を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の自動スイング機構。(4)
(付記5) 前記携帯機器における操作部の両側面に片手で操作可能なスイッチを備え、当該スイッチが押下された方向に前記ディスプレイ部が自動的にスイングすることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の自動スイング機構。(5)
(付記6) 前記携帯機器において起動するアプリケーションと連動して自動的にスイングするモードを備えたことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の自動スイング機構。(6)
(付記7) 自動スイングのモードをユーザが自在に設定できる制御機構を有することを特徴とする付記6に記載の自動スイング機構。
(付記8) 前記ディスプレイ部が自動スイング動作中に強制的にスイング動作を静止させても壊れないよう、前記摩擦プーリ、駆動ベルト、および押圧パッドが、低摩擦部材で構成されたことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の自動スイング機構。
(付記9) 前記携帯機器に搭載されたGPSによる測位あるいは進行方向に応じて、自己位置及び進行方向の地図が見易い向きに自動スイングさせることを特徴とする付記1に記載の自動スイング機構。
(付記10) ディスプレイ部の自動スイング機構を備えた携帯機器であって、
前記自動スイング機構は、
駆動ベルトを左右どちらの向きにも回転させることのできるベルト駆動プーリと、
前記ベルト駆動プーリを駆動するモータと、
長円穴に沿って上下動かつ左右に回転可能な回転輪上に固定された摩擦プーリを有するディスプレイ支持カムと、
前記摩擦プーリと接触しないように隙間をあけて外周に配置された駆動ベルトと、
前記摩擦プーリの両側に、非スイング動作時は前記駆動ベルトと接触しないように該駆動ベルトの外側に配置された押圧パッドとを備え、
いずれか一方の前記押圧パッドによって前記駆動ベルトが前記摩擦プーリに押しつけられると、該摩擦プーリが前記長円穴に沿って回転しながら上昇し、前記ディスプレイ部が、その下端を水平に移動しながら前記ベルト駆動プーリの回転方向にスイングする構成としたことを特徴とする携帯機器。(7)
本発明の実施の形態になる折り畳み式携帯電話の基本構造を示す図である。 本発明の実施の形態になる折り畳み式携帯電話におけるスイッチ操作によるディスプレイ部の水平スイング例を示す図である。 本発明の実施の形態になる折り畳み式携帯電話におけるアプリ連携によるディスプレイ部の水平スイング例を示す図である。 本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構のGPS付き携帯電話への適用例を示す図である。 本発明の実施の形態になる自動スイングヒンジ機構におけるカムの動きを表す図(カム位置:最下部)である。 本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構の動作を説明する図(カム位置:最下部)である。 本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構の動作を説明する図(カム位置:中位置)である。 本発明の実施の形態になる自動スイングヒンジ機構におけるカムの動きを表す図(カム位置:中位置)である。 本発明の実施の形態になるディスプレイ自動スイング機構の動作を説明する図(カム位置:最上部)である。 本発明の実施の形態になる自動スイングヒンジ機構におけるカムの動きを表す図(カム位置:最上部)である。 本発明の実施の形態になる押圧パッド移動機構の詳細図(その1:右パッド押圧時)である。 本発明の実施の形態になる押圧パッド移動機構の詳細図(その2:左パッド押圧時)である。
符号の説明
1 ディスプレイ部
2 操作部
3 回転ヒンジ
10 自動スイング機構部
100 表示面
110 自己位置
120 進行方向
200 キー操作面
210、211 スイッチ
220 TVボタン
230 カメラボタン
300 逆ハート型カム(ディスプレイ支持カム)
301 カム回転軸
302 長円穴
303a、b カムフレーム(a:カム面、b:裏面)
304 カム案内軸
400 駆動ベルト
401、402 押圧パッド
403 押圧パッド移動用バネ
404 突起物
405 押圧パッドセンタ停止バネ
410 摩擦プーリ
411、412、413、414 連れ周りプーリ
420 ウォームホイール
421 押圧パッド移動ピン
430 モータ
431 駆動制御部
440 スイングバネ
441、442 固定ピン
450 押圧パッドフレーム

Claims (7)

  1. 携帯機器におけるディスプレイ部の自動スイング機構であって、
    駆動ベルトを左右どちらの向きにも回転させることのできるベルト駆動プーリと、
    前記ベルト駆動プーリを駆動するモータと、
    長円穴に沿って上下動かつ左右に回転可能な回転輪上に固定された摩擦プーリを有するディスプレイ支持カムと、
    前記摩擦プーリと接触しないように隙間をあけて外周に配置された駆動ベルトと、
    前記摩擦プーリの両側に、非スイング動作時は前記駆動ベルトと接触しないように該駆動ベルトの外側に配置された押圧パッドとを備え、
    いずれか一方の前記押圧パッドによって前記駆動ベルトが前記摩擦プーリに押しつけられると、該摩擦プーリが前記長円穴に沿って回転しながら上昇し、前記ディスプレイ部が、その下端を水平に移動しながら前記ベルト駆動プーリの回転方向にスイングすることを特徴とする自動スイング機構。
  2. 前記摩擦プーリの両側に配置された前記押圧パッドは、一体で移動可能な押圧パッドフレームに固定され、排他的に前記駆動ベルトを前記摩擦プーリに押しつける構成からなることを特徴とする請求項1に記載の自動スイング機構。
  3. 前記駆動ベルトの駆動源である前記ベルト駆動プーリと一体で動作するように設けられたピンが、回転時に、前記押圧パッドフレームの中央部に取り付けられた移動バネと接触することによって、前記押圧パッドが左右のどちらかに移動し、前記駆動ベルトを前記摩擦プーリに押しつけることを特徴とする請求項2に記載の自動スイング機構。
  4. 前記押圧パッドは、前記駆動ベルトに接触しない中立位置で静止可能となるロック機構を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動スイング機構。
  5. 前記携帯機器における操作部の両側面に片手で操作可能なスイッチを備え、当該スイッチが押下された方向に、前記ディスプレイ部が自動的にスイングすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動スイング機構。
  6. 前記携帯機器において起動するアプリケーションと連動して自動的にスイングするモードを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動スイング機構。
  7. ディスプレイ部の自動スイング機構を備えた携帯機器であって、
    前記自動スイング機構は、
    駆動ベルトを左右どちらの向きにも回転させることのできるベルト駆動プーリと、
    前記ベルト駆動プーリを駆動するモータと、
    長円穴に沿って上下動かつ左右に回転可能な回転輪上に固定された摩擦プーリを有するディスプレイ支持カムと、
    前記摩擦プーリと接触しないように隙間をあけて外周に配置された駆動ベルトと、
    前記摩擦プーリの両側に、非スイング動作時は前記駆動ベルトと接触しないように該駆動ベルトの外側に配置された押圧パッドとを備え、
    いずれか一方の前記押圧パッドによって前記駆動ベルトが前記摩擦プーリに押しつけられると、該摩擦プーリが前記長円穴に沿って回転しながら上昇し、前記ディスプレイ部が、その下端を水平に移動しながら前記ベルト駆動プーリの回転方向にスイングする構成としたことを特徴とする携帯機器。
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