JP4923911B2 - 人の状態推定装置及び人の状態推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人の状態を高精度に推定する人の状態推定装置及び人の状態推定方法に関する。
運転者の支援などに利用するために、覚醒状態、心理状態、疲労状態などの人の状態を検出する装置が各種提案されている。例えば、特許文献1に記載の人の状態検出装置では、被験者に対して刺激を与え、その刺激に対する生理反応から被験者の今回の状態変化量を求め、前回の覚醒レベルに今回の状態変化量を加味して今回の覚醒レベルを推定する。
特願2006−230983号
被験者の刺激に対する状態変化量は、被験者周辺の外部環境によるノイズの影響などによって、大きく変動することがある。そのため、従来の人の状態検出装置のように、今回の状態変化量として求められた値をそのまま用いて覚醒レベルを推定すると、ノイズの影響を受けた大きな状態変化量が加味されることがある。この場合、ノイズの影響を受けた状態変化量が覚醒レベルに反映される度合いが非常に大きくなり、覚醒レベルの推定精度が低下する。
そこで、本発明は、人の状態を高精度に推定する人の状態推定装置及び人の状態推定方法を提供することを課題とする。
第1の発明に係る人の状態推定装置は、被験者の状態を推定する人の状態推定装置であって、被験者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得手段と、被験者の状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定手段と、ゲイン設定手段で設定したゲインに応じて第1指標値取得手段で取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の被験者の状態に基づいて被験者の状態を推定する状態推定手段とを備え、第1指標値は、大きさが被験者の状態に応じて変化する指標値であり、ゲイン設定手段は、被験者の状態に基づいてゲインを設定し、第1指標値の大きさが小さい場合は大きい場合に比較して小さいゲインを設定することを特徴とする。
この人の状態推定装置では、第1指標値取得手段により第1指標値(例えば、実施の形態で説明するAR値)を取得するとともに、ゲイン設定手段によりゲインを設定する。第1指標値は、被験者の生理指標や行動指標などから求めた被験者の各種状態変化量に対応する値であり、被験者の状態を推定するための指標となるものである。ゲインは、被験者の状態推定に第1指標値をどの程度反映するかを決めるゲインである。そして、人の状態推定装置では、状態推定手段により、ゲインに応じて第1指標値を状態推定に加味する度合いを決め、そのゲインに応じた第1指標値と過去の被験者の状態に基づいて被験者の状態を推定する。推定する被験者の状態は、例えば、覚醒状態(眠気状態)、心理状態(焦り、イライラ、退屈など)、疲労状態、集中力、注意力、ストレスである。被験者の状態変化量(ひいては、第1指標値)は、被験者周辺の外部環境によるノイズの影響などにより、大きく変動することがある。このような第1指標値を被験者の状態推定にそのまま加味すると、推定精度が低下する。そこで、この人の状態推定装置では、第1指標値に対するゲインを設け、第1指標値の状態推定への反映度合いを調整可能とすることにより、状態推定へのノイズの影響などを抑制し、被験者の状態を高精度に推定することができる。
この人の状態推定装置では、ゲイン設定手段により被験者の状態(例えば、実施の形態で説明するSPR頻度)に基づいてゲインを設定する。このように被験者の状態に応じて第1指標値の反映度合いを決めることにより、時々刻々と変化する被験者の状態に即した反映度合いを求めることができ、状態推定精度をより向上させることができる。
この人の状態推定装置では、第1指標値取得手段により、その大きさが被験者の状態に応じて変化する第1指標値(例えば、実施の形態で説明するSPR値)を取得する。そして、人の状態推定装置では、ゲイン設定手段により、第1指標値の大きさが小さい場合には大きい場合に比較して小さいゲインを設定する。第1指標値の大きさが小さい場合、第1指標値がノイズの影響を受け易くなるので、ノイズの影響を大きく受けた第1指標値となっている虞がある。そこで、このような場合、人の状態推定装置では、ゲインを小さくして、第1指標値の状態推定への反映度合いを小さくすることにより、ノイズの影響を抑制し、状態推定精度を向上させることができる。
第2の発明に係る人の状態推定装置は、被験者の状態を推定する人の状態推定装置であって、被験者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得手段と、被験者の状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定手段と、ゲイン設定手段で設定したゲインに応じて第1指標値取得手段で取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の被験者の状態に基づいて被験者の状態を推定する状態推定手段とを備え、第1指標値は、大きさが正規化された指標値であり、ゲイン設定手段は、被験者の状態に基づいてゲインを設定し、被験者の変化が速い場合には遅い場合に比較して大きいゲインを設定することを特徴とする。
この人の状態推定装置では、第1指標値取得手段により、大きさが正規化された第1指標値(例えば、実施の形態で説明するAR値)を取得する。そして、人の状態推定装置では、ゲイン設定手段により、被験者の状態の変化が速い場合には遅い場合に比較して大きいゲインを設定する。第1指標値は、正規化されているので、被験者の実際の状態の変化に比べて反応の遅い値になっている。被験者の状態の変化が速い場合、被験者の状態の変化に対して状態推定が遅れないように、その被験者の速い状態の変化を状態推定に迅速に反映させる必要がある。そこで、このような場合、人の状態推定装置では、ゲインを大きくして、第1指標値の状態推定への反映度合いを大きくすることにより、被験者の速い状態の変化を状態推定に迅速に反映させることができ、状態推定精度を向上させることができる。
本発明の上記人の状態推定装置では、第1指標値よりも被験者の状態変化に対する変化が大きい第2指標値を取得する第2指標値取得手段を備え、ゲイン設定手段は、第2指標値取得手段で取得した第2指標値に基づいてゲインを設定する構成としてもよい。
この人の状態推定装置では、第2指標値取得手段により、第1指標値よりも被験者の状態変化に対する変化が大きい第2指標値(例えば、実施の形態で説明するSPR頻度)を取得する。そして、人の状態推定装置では、ゲイン設定手段により、第2指標値に基づいてゲインを設定する。このように、人の状態推定装置では、被験者の状態の変化に対して反応の速い指標値(変化の大きい指標値)によってゲインを設定することにより、被験者の状態を迅速にゲインに反映させることができ(ひいては、被験者の状態を迅速に状態推定に反映させることができ)、状態推定精度をより向上させることができる。
第1の発明に係る人の状態推定方法は、運転者覚醒状態を推定する人の状態推定方法であって、運転者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得ステップと、運転者覚醒状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定ステップと、ゲイン設定ステップで設定したゲインに応じて第1指標値取得ステップで取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の運転者覚醒状態に基づいて運転者覚醒状態を推定する状態推定ステップとを含み、第1指標値は、大きさが運転者の覚醒状態に応じて変化する指標値であり、ゲイン設定ステップでは、運転者の状態に基づいてゲインを設定し、第1指標値の大きさが小さい場合には大きい場合に比較して小さいゲインを設定することを特徴とする。
第2の発明に係る人の状態推定方法は、運転者の覚醒状態を推定する人の状態推定方法であって、運転者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得ステップと、運転者の覚醒状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定ステップと、前記ゲイン設定ステップで設定したゲインに応じて前記第1指標値取得ステップで取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の運転者の覚醒状態に基づいて運転者の覚醒状態を推定する状態推定ステップとを含み、第1指標値は、大きさが正規化された指標値であり、前記ゲイン設定ステップでは、運転者の状態に基づいてゲインを設定し、運転者の状態の変化が速い場合には遅い場合に比較して大きいゲインを設定することを特徴とする。さらに、本発明の上記人の状態推定方法では、第1指標値よりも運転者の状態変化に対する変化が大きい第2指標値を取得する第2指標値取得ステップを含み、ゲイン設定ステップでは、第2指標値取得ステップで取得した第2指標値に基づいてゲインを設定する構成としてもよい。
上記した各人の状態推定方法は、上記した各人の状態推定装置と同様の作用及び効果を奏する。
本発明は、被験者の状態変化量に対応する第1指標値の状態推定への反映度合いをゲインによって調整可能とすることにより、被験者の状態を高精度に推定することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る人の状態推定装置及び人の状態推定方法の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る人の状態検出装置を、車両に搭載され、運転者の眠気レベル(覚醒状態)を推定する状態推定システムに適用する。本発明に係る状態推定システムでは、運転者に対してリファレンス刺激を与え、そのリファレンス刺激に対する運転者の生理反応として皮膚電気活動(EDA[Electro Dermal Activity])(特に、皮膚電位反応(SPR[Skin Potential Response]))を検出し、AR[Active Reference]法によりSPR値に基づいてAR値(第1指標値)を算出し、AR値に基づいて眠気レベルを推定する。そして、本発明に係る状態推定システムでは、眠気レベルが運転に少しでも支障をきたすレベルの場合には眠気レベルに応じて運転者に対して注意喚起するために覚醒刺激を与える。なお、AR法とは、リファレンスである刺激(振動など)を一定時間毎に人に与え、その刺激に対して得られた人の生理反応の区間毎の相対変化に基づいて人の状態を(覚醒状態など)を推定する手法である。
図1〜図9を参照して、本実施の形態に係る状態推定システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る状態推定システムの構成図である。図2は、本実施の形態に係る推定開始タイミング、リファレンス刺激、覚醒刺激、SPR値、AR値の時間変化の一例である。図3は、本実施の形態に係る眠気レベル(覚醒レベル)とAR値との対応関係を示す図である。図4は、実車試験における第1眠気推定モデルによる推定値(眠気レベル)と官能評価値の時間変化の一例である。図5は、本実施の形態に係るリファレンス刺激に対するSPR値の時間変化の一例である。図6は、本実施の形態に係るSPR頻度の特徴を示す表である。図7は、本実施の形態に係るSPR頻度の時間変化の一例である。図8は、実車試験における第2眠気推定モデルによる推定値(眠気レベル)と官能評価値の時間変化の一例である。図9は、実車試験における第3眠気推定モデルによる推定値(眠気レベル)と官能評価値の時間変化の一例である。
状態推定システム1は、眠気推定モデルにより、今回求めたAR値と前回推定した眠気レベルに基づいて今回の眠気レベルを推定する。特に、状態推定システム1では、推定精度を向上させるために、運転者の状態に基づいてゲインを設定し、ゲインによって眠気推定モデルにおけるAR値の加味度合いを調整する。
ここで、状態推定システム1の具体的な構成について説明する前に、状態推定システム1における眠気推定モデルを用いた状態推定方法について説明する。なお、眠気推定モデルについては、状態推定システム1で用いる第2眠気推定モデル、第3眠気推定モデルについて説明するが、その前に従来から用いられている第1眠気推定モデルについても説明する。
図2に示すように、状態推定を開始すると、一定周期のタイミングT,T,・・・で運転者に対してリファレンス刺激を与える。リファレンス刺激を与える毎に、そのリファレンス刺激に対する生理指標としてEDA(特に、皮膚電位活動(SPA[Skin Potential Activity])を検出する。そして、検出したSPAから直流成分(皮膚電位水準(SPL[Skin Potential Level]))を除去する。このSPAから直流成分(SPL)を除去した成分が、SPRの成分である。さらに、そのSPR成分の所定の処理区間(リファレンス刺激を付与直後の処理時間T)から最大値と最小値を抽出し、その最大値と最小値の差(絶対最大値:つまり、処理区間におけるPeak−to−Peak)を算出する。あるいは、そのSPR成分の所定の処理区間の平均を算出する。この絶対最大値又は平均値が、リファレンス刺激に対するSPR値である。図2には、黒丸を端点とする実線S,S,・・・により、各タイミングT,T,・・・でリファレンス刺激を与えたときに検出したSPR値の一例を示している。なお、処理時間Tは、刺激に対する生理指標(SPR)の反応特性などを考慮して設定される。
SPR値を検出する毎に、今回検出したSPR(t)と前回検出したSPR(t−1)を用いて、式(1)によりSPRのAR値を算出する。AR値は、SPR値の相対変化の正規化値であり、0を基準にした値であり、0のときには相対変化がない。AR値は、眠気レベルと相関があり、0より大きいほど眠気が弱い(覚醒状態が高い)と推定でき、0より小さいほど眠気が強い(覚醒状態が低い)と推定できる。また、AR値は、相対変化量を正規化しているので、逐次的に更新され、遅い反応指標である。
Figure 0004923911
式(1)において、AR(t)は今回のリファレンス刺激に対するAR値であり、SPR(t)は今回のリファレンス刺激に対するSPR値であり、SPR(t−1)は前回のリファレンス刺激に対するSPR値である。t−1とtとの時間間隔は、リファレンス刺激付与間隔である。図2には、黒丸を端点とする破線A,A,・・・により、前後するSPR値から求めたAR値の一例を示している。この例では、AR(2)が0より小さく覚醒状態が低く、AR(3)が0より大きく覚醒状態が高い。
眠気が強い場合(覚醒状態が低い場合)、運転者の覚醒状態を高めるために、眠気が強いと判定した直後のタイミングT3Sで運転者に対して覚醒刺激を与える。覚醒刺激を与える毎に、リファレンス刺激を与えたときにと同様に、SPR値とAR値を求める。図2には、白丸を端点とする実線S3sによりタイミングT3Sで覚醒刺激を与えたときに検出したSPR値と、白丸を端点とする破線A3sによりタイミングT3Sで覚醒刺激を与えたときに検出したAR値の一例を示している。
AR値が眠気レベルと相関があることを利用し、AR値に基づいて眠気レベルを推定するための眠気推定モデルを考える。眠気推定モデルは、前回推定された眠気レベルに今回求めたAR値を加味する線形モデルである。式(2)には、眠気推定モデルの基本となる第1眠気推定モデルを示している。
Figure 0004923911
式(2)において、DL(t)は今回の眠気レベルであり、AR(t)は今回のリファレンス刺激に対するAR値であり、DL(t−1)は前回の眠気レベルである。本実施の形態では、眠気レベル(覚醒レベル)を、6〜1(D0〜D5)の段階で表し、6(D0)が眠気が最も弱く(覚醒状態が最も高く)、1(D5)が眠気が最も強い(覚醒状態が最も低い)。一方、AR値は、0を基準にした値であり、その値の範囲が状況に応じて変動し、絶対量が不明である。したがって、眠気レベルとAR値のレンジは異なり、眠気推定モデルにおいて異なるレンジのパラメータを用いることになる。そこで、状態推定を行う前に、眠気レベルとAR値のレンジを調整する必要となる。
本実施の形態では、図3に示すように、走行開始直後の安定走行(慣熟走行)になった後(数10秒〜数分程度)に、レンジを調整するためのキャリブレーション区間(数分程度)を設け、その後に状態推定を行う。まず、走行を開始すると、破線で示す一定周期のタイミングT,T,・・・でリファレンス刺激を与える。そして、リファレンス刺激を与える毎に、SPR値を求め、さらに、AR値を求める。ここで、走行開始直後は、運転者は覚醒状態が高いと推測できるので、キャリブレーション区間では眠気レベル(覚醒レベル)が6〜5(D0〜D1)と仮定する。そして、このキャリブレーション区間でのAR値の時間変化ACから、その変動幅を求める。眠気レベルの6〜5がその変動幅6〜5に相当するので、その変動幅6〜5に応じて眠気レベルの5〜1のAR値の変動幅5〜1(=変動幅6〜5×4)を求め、眠気レベルの5〜1に対応するAR値の範囲を規定する。図3の例では、キャリブレーション区間でAR値が0.2〜―0.8の値となっており、変動幅6〜5が1.0である。したがって、眠気レベル5〜1のAR値の変動幅5〜1は4.0であり、眠気レベルの5〜1に対応するAR値の範囲は−0.8〜−4.8であり、眠気レベル全体に対応するAR値の範囲は0.2〜−4.8である。なお、眠気レベルとAR値とのレンジ対応関係は運転者の状態、走行条件、天候などの様々な要因で変わるので、レンジ調整は走行毎に行う必要がある。
また、眠気推定モデルは、前回の眠気レベルを用いるので、眠気レベルの初期値が必要となる。そこで、走行開始直後は、運転者は覚醒状態が高いと仮定し、眠気レベルの初期値DL(0)を6(D0)とする。
図4には、第1眠気推定モデルを用いた場合の実車試験による結果の一例を示している。この実車試験では、運転者に対して一定周期毎にリファレンス刺激を与え、第1眠気推定モデルによって眠気レベルDL(t)を求めるとともに、官能評価値を求める。また、眠気が強くなった場合、運転者に音などの覚醒刺激を眠気レベルに応じて与える。官能評価値は、運転者の顔を撮像した画像に基づく顔の表情の変化による客観的な評価から判断して得られたものである。図4において、実線P1は官能評価値の時間変化を示しており、破線L1は第1眠気推定モデルで推定した眠気レベルを示している。この結果から判るように、推定した眠気レベルは、官能評価値とかなり乖離しており、推定精度が低い。
第1眠気推定モデルによる推定精度が良くない原因としては、以下のようなことが考えられる。SPR(SPRの振幅)が小さくなっているときには、大きいときに比べて、外部環境によるちょっとしたノイズ(例えば、ロードノイズ、風切り音、同乗者の行動)の影響でもSPRが大きく変動する。SPRが大きく変動すると、前後のSPR値の相対変化から求められるAR値も大きく変動する。第1眠気推定モデルではAR値をそのまま加味しているので、このようにノイズの影響などによってAR値が大きく変動すると、推定される眠気レベルDL(t)もその影響を直接受けて大きく変動する。また、運転者が刺激に対して過敏に反応する状態のときには、ちょっとしたノイズの影響でも過剰に反応するので、SPRが大きく変動する。この場合も、上記と同様に、推定される眠気レベルDL(t)もその影響を直接受けて大きく変動する。さらに、第1眠気推定モデルは線形モデルなので、定常誤差が発生する。そのため、前回の眠気レベルDL(t−1)に誤差が含まれていると、その誤差が累積されてゆき、定常誤差も大きくなってゆく。
第1眠気推定モデルでは推定する眠気レベルDL(t)へのAR値の反映度合いを常に最大としているので、推定精度が低下する。そこで、AR値の反映度合いを調整可能とするために、式(3)に示すように、ゲインKに応じてAR値の加味度合いを可変とする第2眠気推定モデルを構築した。
Figure 0004923911
式(3)において、Kは、今回のリファレンス刺激に対するAR値の反映度合いを決めるためのゲインである。ゲインKは、0〜1の値であり、本実施の形態では3段階の値である。ゲインKは、SPR頻度に基づいて設定される。SPR頻度は、SPR成分の変動度合いを示す指標である。SPR頻度の求め方を、図5を参照して説明する。まず、リファレンス刺激を付与する毎に、SPR成分の処理時間Tにおいてmean(平均値)+3×σ(標準偏差値)より大きくなった時とmean−3×σより小さくなった時をカウントし、そのカウント値をSPR頻度とする。meanとσは、前回のリファレンス刺激を付与したときのSPR成分の処理時間TにおいてSPR成分の平均値と標準偏差値として求められた値が用いられる。このSPR頻度が多いほど、SPRの変動が大きく、速い。ちなみに、前回のSPR成分の振幅が全体に小さくなっている場合、標準偏差値が小さくなるので、ちょっとしたノイズの影響で運転者が反応しても、次回のSPR頻度が多くなる。また、SPR頻度は、SPR成分の変動度合いを直接表しているので、速い反応指標である。
図6には、SPR頻度の特徴を示している、SPR頻度が多い場合、交感神経賦活状態であり、行動状態としては眠気が低く(覚醒状態が高く)、活動レベルが高く、心理状態としては緊張状態が高く、興奮状態である。このような場合、刺激に対する反応としては敏感であるので、ちょっとしたノイズに対して過敏に反応し(ノイズをひろう可能性が高い)、AR値も大きく変動してしまう場合がある。この場合、眠気レベルDLに与えるノイズの影響が大きくなるので、ゲインKを小さくし、AR値の反映度合いを小さくする。一方、SPR頻度が少ない場合、行動状態としては眠気が高く(覚醒状態が低く)、活動レベルが低く、心理状態としては緊張状態が低く、リラックス状態である。このような場合、刺激に対する反応としては鈍感であるので、ノイズに対する反応も鈍い。そこで、ゲインKを大きくし、AR値の反映度合いを大きくする。
図7を参照して、SPR頻度に基づくゲインKの設定方法について説明する。ここで、SPR頻度に対して閾値としてth1とth2の2つを用意する。閾値th1,th2は、刺激に対する生理指標(SPR)の反応特性などを考慮して設定され、th2>th1である。SPR頻度がth1未満の場合、ゲインK=Aを設定する。SPR頻度がth1以上かつth2未満の場合、ゲインK=Bを設定する。SPR頻度がth2以上の場合、ゲインK=Cを設定する。A,B,Cは、実験などによって設定され、0〜1までの値であり、A>B>Cである。図7に示す例の場合、SPR頻度がF2,F5の場合にはゲインK=Aであり、SPR頻度がF4の場合にはゲインK=Bであり、SPR頻度がF1,F3の場合にはゲインK=Cである。
図8には、第2眠気推定モデルを用いた場合の実車試験による結果の一例を示している。この実車試験も、上記した第1眠気推定モデルを用いた場合の実車試験と同様の方法で行われたものである。図8において、実線P2は官能評価値の時間変化を示しており、破線L2は第2眠気推定モデルで推定した眠気レベルを示している。この結果から判るように、推定した眠気レベルは、官能評価値にかなり追従しており、推定精度が高くなっている。
このように第2眠気推定モデルによる推定精度は向上しているが、部分的には少し官能評価値に追従していないところもある。この原因としては、眠気が強くなったときに運転者に覚醒刺激を付与しているが、この覚醒刺激に対する運転者の反応が推定される眠気レベルに反映されていないからと考えられる。そこで、覚醒刺激による効果を反映するために、式(4)に示すように、覚醒刺激に対するAR値を加味する項を追加した第3眠気推定モデルを構築した。
Figure 0004923911
式(4)において、AR(t)は付与した覚醒刺激に対するAR値であり、τは覚醒刺激に対するAR値の反映度合いを決めるためのゲインである。ゲインτは、0〜1の値であり(1よりも小さい値)、本実施の形態では2段階の値である。ゲインτも、SPR頻度に基づいて設定される。
運転者に対して覚醒刺激を付与したときに、SPR頻度が多いと、覚醒刺激によって覚醒状態が高くなったことを示す(つまり、覚醒刺激による効果があったことを示す)とともに、運転者の刺激に対する反応が速いことを示している。この場合、覚醒刺激による効果を状態推定に大きく反映させる必要がある。また、運転者の状態の変化に対して状態推定が遅れないように、その運転者の速い状態の変化を状態推定に迅速に反映させる必要がある。そこで、覚醒刺激に対するSPR頻度が多い場合、ゲインτを大きくし、覚醒刺激に対するAR値の反映度合いを大きくする。
図7を参照して、SPR頻度に基づくゲインτの設定方法について説明する。ここで、SPR頻度に対して閾値としてth3の1つを用意する。閾値th3は、刺激に対する生理指標(SPR)の反応特性などを考慮して設定され、th3>th2>th1である。SPR頻度がth3未満の場合、ゲインτ=αを設定する。SPR頻度がth3以上の場合、ゲインτ=βを設定する。α,βは、実験などによって設定され、0〜1までの値であり、α<βである。図7に示す例の場合、SPR頻度がF1,F2,F4,F5の場合にはゲインτ=αであり、SPR頻度がF3の場合にはゲインτ=βである。
図9には、第3眠気推定モデルを用いた場合の実車試験による結果の一例を示している。この実車試験も、上記した第1眠気推定モデルを用いた場合の実車試験と同様の方法で行われたものである。図9において、実線P3は官能評価値の時間変化を示しており、破線L3は第3眠気推定モデルで推定した眠気レベルを示している。この結果から判るように、推定した眠気レベルは、第2眠気推定モデルの場合と比較して、官能評価値により追従しており、推定精度がより高くなっている。
それでは、状態推定システム1の具体的な構成について説明する。状態推定システム1は、図1に示すように、振動発生装置2、皮膚電気活動センサ3、増幅器4、スピーカ5、ディスプレイ6及びECU[Electronic Control Unit]7を備えている。なお、本実施の形態では、皮膚電気活動センサ3、増幅器4及びECU7における処理が特許請求の範囲に記載する第1指標値取得手段及び第2指標値取得手段に相当し、ECU7における各処理が特許請求の範囲に記載するゲイン設定手段、状態推定手段に相当する。
振動発生装置2は、振動を発生させる装置であり、運転者にリファレンス刺激用の微振動及び覚醒刺激用の振動を与える。振動発生装置2は、運転席のシートの数箇所に内蔵される。内蔵する位置や個数は、任意であり、例えば、運転者の背中、腰、太もも部分の左右1箇所ずつ計6個内蔵する。振動発生装置2は、発生させる振動の強さ、周波数、発生させる時間などのパラメータが可変である。振動発生装置2では、ECU7から振動発生信号を受信すると、その振動発生信号に示されるパラメータに応じた振動を発生させる。
振動発生装置2で発生させる全ての振動は、車両で発生する振動と区別するために、車両で発生する振動とは明らかに異なる強さ、周波数のパラメータが設定される。リファレンス刺激用の微振動は、運転者に対して不快感を与えないために、小さい強さのパラメータが設定される。覚醒刺激用の振動は、運転者の覚醒状態を向上させる必要があるので、大きい強さのパラメータが設定される。
皮膚電気活動センサ3は、EDA(特に、SPA)を検出するセンサである。皮膚電気活動センサ3は、運転者の精神性発汗を検出するために、運転者の掌が接触するステアリングホイールの左右にそれぞれ取り付けられる。皮膚電気活動センサ3では、SPAを検出すると、その検出信号を増幅器4に送信する。増幅器4では、検出信号を増幅し、その増幅した検出信号をECU7に送信する。ちなみに、人は、覚醒状態が高いときには刺激に対して精神性発汗が出易い傾向にあり、覚醒状態が低いときには精神性発汗が出難い傾向にある。
スピーカ5、ディスプレイ6は、車両内の各システムと共用で利用され、状態推定システム1では運転者に対する覚醒刺激を与えるために利用される。スピーカ5では、ECU7から音声信号を受信すると、その音声信号に応じて音声を出力する。ディスプレイ6では、ECU7からの画像信号を受信すると、その画像信号に応じて画像を表示する。
ECU7は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[ReadOnly Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなり、状態推定システム1を統括制御する。ECU7では、リファレンス刺激用の微振動を発生させるための振動発生信号を周期的に送信する。そして、ECU7では、皮膚電気活動センサ3の検出信号を増幅器4で増幅した信号を受信し、その信号に基づいて第2眠気推定モデル又は第3眠気推定モデルにより運転者の眠気レベルを推定する。さらに、ECU7では、眠気レベルが運転に支障をきたすレベルの場合、スピーカ5、ディスプレイ6及び振動発生装置2を用いて運転者に対して覚醒刺激を与える。
ECU7では、一定周期が経過する毎に、リファレンス刺激用の微振動のパラメータを示した振動発生信号を振動発生装置2に送信する。一定周期は、運転者の眠気レベルを取得するための間隔であり、任意の時間でよい。
リファレンス刺激用の微振動を発生させる毎に、ECU7では、増幅器4からの増幅検出信号を受信する。そして、ECU7では、増幅検出信号のSPAをフィルタ処理し、SPAからSPL成分を除去してSPR成分を抽出する。そして、ECU7では、そのSPR成分の処理時間Tにおける最大値と最小値の差(絶対最大値)を求め、今回のSPR値とする。さらに、ECU7では、そのSPR成分の処理時間Tにおいてmean+3×σ〜mean−3×σの範囲内からでる回数をカウントし、今回のSPR頻度とする。また、ECU7では、次回用いるために、そのSPR成分の処理時間Tにおける平均値(mean)と標準偏差値(σ)を算出する。
今回のSPR値、SPR頻度を求めると、ECU7では、SPR頻度がth1未満か、th1以上かつth2未満か、あるいは、th2以上かを判定する。そして、ECU7では、SPR頻度がth1未満の場合にはゲインKとしてAを設定し、th1以上かつth2未満の場合にはゲインKとしてBを設定し、th2以上の場合にはゲインKとしてCを設定する。また、ECU7では、式(1)により、今回のSPR値と前回のSPR値を用いて、今回のAR値を算出する。そして、ECU7では、式(3)の第2眠気推定モデルにより、今回のAR値、ゲインK及び前回の眠気レベルを用いて、今回の眠気レベルを算出する。
特に、第3眠気推定モデルを適用する場合、以下の処理も追加される。ECU7では、覚醒刺激用の振動などを発生させると、増幅器4からの増幅検出信号を受信する。そして、ECU7では、リファレンス刺激の場合と同様に、SPR成分を抽出し、覚醒刺激に対するSPR成分の処理時間TsにおけるSPR値とSPR頻度を求める。覚醒刺激に対するSPR値、SPR頻度を求めると、ECU7では、SPR頻度がth3未満か、あるいは、th3以上かを判定する。そして、ECU7では、SPR頻度がth3未満の場合にはゲインτとしてαを設定し、th3以上の場合にはゲインτとしてβを設定する。また、ECU7では、式(1)により、覚醒刺激に対するSPR値と前回のリファレンス刺激に対するSPR値を用いて、覚醒刺激に対するAR値を算出する。そして、ECU7では、式(4)の第3眠気推定モデルにより、今回のAR値、ゲインK、覚醒刺激に対するAR値、ゲインτ及び前回の眠気レベルを用いて、今回の眠気レベルを算出する。なお、前回と前回のリファレンス刺激の間に覚醒刺激が付与されていない場合、覚醒刺激に対するAR値を0として、今回の眠気レベルを算出する。
今回の眠気レベルを求める毎に、ECU7では、その眠気レベルが覚醒刺激付与レベル以下か否かを判定する。覚醒刺激付与レベルは、運転者が運転に少しでも支障をきたすほど覚醒状態が低いレベル(眠気が強くなっているレベル)であるか否かを判定するための閾値であり、例えば、4(D2)程度の値が設定される。ECU7では、今回の眠気レベルが覚醒刺激付与レベル以下と判定した場合、眠気レベルに応じて運転者に対して注意喚起するための音声メッセージ及び画像を生成し、その音声データからなる音声信号をスピーカ5に送信するとともにその画像データからなる画像信号をディスプレイ6に送信する。また、ECU7では、眠気レベルに応じて運転者に対して覚醒状態を向上させるための比較的強い振動を発生させるためのパラメータの振動発生信号を設定し、振動発生装置2に送信する。この際、眠気レベルが4から小さくなるほど(眠気が強くなるほど)、より注意喚起を促すような画像、音声、振動を段階的に与えるような画像データ、音声データ、振動パラメータを生成する。この際、画像、音声、振動を全て与えるようにしてもよいし、あるいは、眠気レベルに応じてその中の1又は2つを与えるようにしてもよい。
図1を参照し、状態推定システム1の動作について説明する。ここでは、第3眠気推定モデルを用いる場合について説明する。
車両が走行開始すると、安定走行後のキャリブレーション区間で、状態推定システム1では、上記した方法により眠気レベルとAR値とのレンジ調整を行う。レンジ調整後、状態推定システム1では、眠気レベルの推定に移る。
皮膚電気活動センサ3では、運転者の掌からの発汗を検出し、その検出信号を増幅器4に送信している。増幅器4では、皮膚電気活動センサ3からの検出信号を増幅し、その増幅した検出信号をECU7に送信している。
ECU7では、一定周期毎に、リファレンス刺激用の微振動を発生させるための振動発生信号を設定し、振動発生装置2に送信する。この振動発生信号を受信すると、振動発生装置2では、リファレンス刺激用の微振動を発生させる。
リファレンス刺激を付与する毎に、ECU7では、増幅器4からの増幅検出信号に基づいてリファレンス刺激付与直後の処理時間TにおけるSPAを解析し、今回のリファレンス刺激に対するSPR値を求めるとともに、前回のSPR成分の平均値と標準偏差値を基準としてSPR頻度を求める。そして、ECU7では、式(1)により、今回のリファレンス刺激に対するSPR値と前回のリファレンス刺激に対するSPR値から今回のAR値を算出する。また、ECU7では、今回のリファレンス刺激に対するSPR頻度に基づいてゲインKを設定する。このとき、ECU7では、次回用として、SPR成分の平均値と標準偏差値を求めておく。
特に、覚醒刺激を付与したときには、ECU7では、増幅器4からの増幅検出信号に基づいて覚醒刺激付与直後の処理時間TsにおけるSPAを解析し、覚醒刺激に対するSPR値を求めるとともに、前回のSPR成分の平均値と標準偏差値を基準としてSPR頻度を求める。そして、ECU7では、式(1)により、覚醒刺激に対するSPR値と前回のリファレンス刺激に対するSPR値から覚醒刺激に対するAR値を算出する。また、ECU7では、覚醒刺激に対するSPR頻度に基づいてゲインτを設定する。
今回のリファレンス刺激に対するAR値を求める毎に、ECU7では、式(4)の第3眠気推定モデルにより、今回のリファレンス刺激に対するAR値、覚醒刺激に対するAR値(覚醒刺激を付与していない場合は0)、ゲインK、ゲインτ及び前回の眠気レベルを用いて、今回の眠気レベルを算出する。ここで、SPR頻度に応じてAR値の加味度合いが調整された今回の眠気レベルが求められ、特に、覚醒刺激が直前で付与されている場合にはその今回の眠気レベルに覚醒刺激による効果も反映される。
ECU7では、今回の眠気レベルが覚醒刺激付与レベル以下か否かを判定する。そして、今回の眠気レベルが覚醒刺激付与レベル以下と判定した場合(運転に少しでも支障をきたす程度に覚醒状態が低い場合)、運転者に覚醒刺激を付与するために、ECU7では、眠気レベルに応じて運転者に対して注意喚起するための音声メッセージ及び画像を生成し、その音声データからなる音声信号をスピーカ5に送信するとともにその画像データからなる画像信号をディスプレイ6に送信し、また、眠気レベルに応じて運転者に対して覚醒状態を向上させるための振動発生信号を設定し、振動発生装置2に送信する。ECU7では、以上の処理を一定周期毎に繰り返し行う。
音声信号を受信すると、スピーカ5では、音声信号に応じて注意喚起メッセージを出力する。また、画像信号を受信すると、ディスプレイ6では、画像信号に応じて注意喚起画像を表示する。また、振動発生信号を受信すると、振動発生装置2では、強い振動を発生する。これらの覚醒刺激によって、運転者は、覚醒状態が高まり、運転に対する注意力が増す。
この状態推定システム1によれば、第2眠気推定モデル及び第3眠気推定モデルを構築し、AR値に対するゲインを設けて、AR値の眠気レベルへの反映度合いを調整可能とすることにより、運転者の眠気レベルを高精度に推定することができる。特に、状態推定システム1では、リファレンス刺激を付与したときのSPR頻度が多いほど(運転者の過敏反応状態のときほど)、ゲインKを小さくしてAR値の反映度合いを小さくすることにより、ノイズの影響を抑制できる。
また、状態推定システム1によれば、SPR頻度に基づいてゲインを設定することにより、時々刻々と変化する運転者の状態に応じたAR値の反映度合いを求めることができ、状態推定精度をより向上させることができる。また、状態推定システム1では、SPR頻度という速い反応の指標を用いているので、運転者の状態を迅速にゲインに反映させることができ(ひいては、運転者の状態を迅速に状態推定に反映させることができ)、状態推定精度をより向上させることができる。
また、状態推定システム1によれば、覚醒刺激を付与したときのAR値も状態推定に反映しているので、運転者の眠気レベルをより高精度に推定することができる。特に、状態推定システム1では、覚醒刺激を付与したときにSPR頻度が多い場合には(運転者の状態変化が速い場合には)、ゲインτを大きくして反映度合いを大きくすることにより、運転者の速い状態の変化を状態推定に迅速に反映させることができ、状態推定精度を向上させることができる。
また、状態推定システム1によれば、AR値という遅い反応指標を用いるが、SPR頻度という速い反応指標に基づくゲインによってAR値の加味度合いを決めることにより、運転者の状態変化を迅速かつ正確に反映した眠気レベルを推定することができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では車両に搭載され、車両の運転者の状態として眠気レベル(覚醒レベル)を推定する装置に適用したが、他の乗り物の運転者、各種プラントの監視者、夜間の従業者などの様々な人の状態を推定するために利用してもよいし、覚醒状態以外に心理状態(焦り、イライラ、退屈)、疲労状態、集中力、注意力、ストレスなどの他の状態を推定する装置に適用してもよい。
また、本実施の形態では人に与えるリファレンス刺激として座席から発生させた振動を利用したが、リファレンス刺激としては様々なものを利用でき、例えば、音、光などの他の物理刺激を発生させてもよいし、あるいは、機器から定常的に出ている振動、光、音などを利用してもよい。また、外部環境から受ける刺激から変換した物理刺激でもよく、例えば、運転者に聞こえる音を検出し、その検出した音から変換した機械振動を運転者に与えてもよい。この外部環境から受ける刺激としては、例えば、タイヤからのロードノイズである。また、本実施の形態では一定周期でリファレンス刺激を与えたが、様々なタイミングでリファレンス刺激を与えてよく、例えば、ランダムな周期でリファレンス刺激を与えてもよいし、運転者の状態を推定する必要のあるとき(例えば、イベントが発生することが予想される毎にそのイベント発生前に)にリファレンス刺激を与えてもよい。このイベントとしては、運転中に運転者が置かれる環境であり、例えば、運転者の眠気を誘う渋滞、高速道路での走行である。
なお、リファレンス刺激の刺激要因としては様々な刺激要因が考えられる。例えば、環境要因として視覚、触覚、聴覚、温冷覚、嗅覚心理、内臓(腹痛など)の刺激、交通要因として視覚、聴覚、心理の刺激、同乗者要因として視覚、聴覚、心理の刺激がある。人の受ける感覚としても、表在感覚(触覚、痛覚、温度覚など)、深度覚(圧覚、位置覚、振動覚など)、皮質性感覚(二点識別覚、立体識別能力など)がある。以上に挙げたような運転者(被験者)に対して与えられる体性感覚刺激をリファレンス刺激として積極的に利用すること可能である。ただし、推定精度を向上させようとすると、以下の条件であるほうが好ましい。条件としては、定期的刺激(一定間隔)、刺激の強度と種類の統一、スタティックな刺激ではなく、ダイナミックスを持つことである。このような条件を考慮すると、刺激種は要因に挙げたどれでも可能であるが、通常受けている刺激とは別種と認識できる種類の刺激が必要である。さらに、刺激の種類により受容感覚器が異なり、各受容感覚器のセンシビリティが異なるので、その刺激がどういう種類のものか理解する必要がある。例えば、視覚を与えるリファレンス刺激として風を想定すると、具体的には、エアコンのダクトから目に向けて送風し、瞬目回数、目をつぶる時間、反応時間などを計測し、その計測値から状態を判断する方法が考えられる。これを基にAR法を適用することにより、同様の効果を得ることが可能である。
また、本実施の形態では生理指標として皮膚電気活動(EDA)、特に、皮膚電位反応(SPR)を利用したが、様々な生理指標を利用でき、例えば、眼電(EOG[Electrooculogram])による生理指標(瞬目など)、脳波(EEG[Electroencephalogram])による生理指標(α波、β波など)、心電(ECG[Electrocardiogram])による生理指標(心拍数など)、筋電(EMG[Electromyogram])による生理指標などを利用してもよく、また、皮膚電気活動の中でも皮膚抵抗水準(SRL)、皮膚抵抗反応(SRR)、皮膚電位水準(SPL)などの他の生理指標を利用してもよい。さらに、1つの生理指標だけで状態を推定するのではなく、複数の生理指標を組み合わせて状態を推定するようにしてもよい。
図10には、他の生理指標の一例を挙げており、各生理指標から抽出できる生理特徴量とその特徴を示している。この特徴などを考慮し、人の所定の状態を推定するためにはどの生理指標を用いればよいかを決める。この際、自律神経由来のもので、車両などの環境で簡易にセンシング可能な生理指標であることも考慮する必要がある。例えば、自律神経由来のものでかつ不随意の生理指標であれば、本実施の形態と同様に眠気推定モデルに適用可能である。
また、本実施の形態では生理指標を用いて人の状態推定を行う構成としたが、生理指標以外の指標でも状態推定が可能であり、例えば、刺激に対する運転者の行動(ハンドル操作、ブレーキ操作、アクセル操作など)、車両の状態(ヨーレート、車速など)がある。
また、本実施の形態では第1指標値(遅い反応指標)としてAR値を適用し、ゲインを設定するための第2指標値(速い反応指標)としてSPR頻度を適用する構成としたが、AR値とSPR頻度の組み合わせ以外にも適用可能であり、例えば、第1指標値として心拍揺らぎLFと第2指標値として心拍数の組み合わせ、第1指標値として瞬目持続時間と第2指標値として瞬目回数の組み合わせ、第1指標値として心拍揺らぎLFと第2指標値として瞬目回数の組み合わせがある。このような例のように、生理指標の生データと処理することで得られる加工データとによって、第2指標値として第1指標値に対して相対的に反応の速いデータを用いることにより、第2眠気推定モデルや第3眠気推定モデルに適用することができ、本実施の形態と同様に状態推定が可能となる。
また、本実施の形態では運転者の状態(SPR頻度)に基づいてゲインを設定する構成としたが、運転者の状態以外でもゲインを設定することが可能であり、例えば、走行環境(市街地、高速、山道、渋滞の有無、天候など)、走行状態(走行開始からの時間など)である。また、前回推定された眠気レベルを用いてゲインを設定することも可能である。
また、本実施の形態では眠気レベルが運転に支障をきたすレベルになった場合には画像表示、音声出力、振動などによって注意喚起する構成としたが、冷風、警報ブザー、においなどの他の手段で注意喚起する構成としてもよいし、あるいは、状態が運転に支障をきたすレベルになった場合には運転支援システム(例えば、プリクラッシュセーフティシステム、アダプティブクルーズコントロールシステム、レーンキープシステム)の制御タイミングや制御閾値を変えるなどして、より安全性を高めるように車両側で制御するようにしてもよい。また、人の状態を検出し、その検出した人の状態を出力する構成としてもよい。
また、本実施の形態ではゲインKを3段階、ゲインτを2段階で設定する構成としたが、ゲインK、ゲインτを何段階で設定するかは適宜設定してよく、その各値も適宜設定してよい。
本実施の形態に係る状態推定システムの構成図である。 本実施の形態に係る推定開始タイミング、リファレンス刺激、覚醒刺激、SPR値、AR値の時間変化の一例である。 本実施の形態に係る眠気レベル(覚醒レベル)とAR値との対応関係を示す図である。 実車試験における第1眠気推定モデルによる推定値(眠気レベル)と官能評価値の時間変化の一例である。 本実施の形態に係るリファレンス刺激に対するSPR値の時間変化の一例である。 本実施の形態に係るSPR頻度の特徴を示す表である。 本実施の形態に係るSPR頻度の時間変化の一例である。 実車試験における第2眠気推定モデルによる推定値(眠気レベル)と官能評価値の時間変化の一例である。 実車試験における第3眠気推定モデルによる推定値(眠気レベル)と官能評価値の時間変化の一例である。 他の生理指標の一例であり、各生理指標の生理特徴量と特徴を示す表である。
符号の説明
1…状態推定システム、2…振動発生装置、3…皮膚電気活動センサ、4…増幅器、5…スピーカ、6…ディスプレイ、7…ECU

Claims (6)

  1. 被験者の状態を推定する人の状態推定装置であって、
    被験者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得手段と、
    被験者の状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定手段と、
    前記ゲイン設定手段で設定したゲインに応じて前記第1指標値取得手段で取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の被験者の状態に基づいて被験者の状態を推定する状態推定手段と
    を備え
    第1指標値は、大きさが被験者の状態に応じて変化する指標値であり、
    前記ゲイン設定手段は、被験者の状態に基づいてゲインを設定し、第1指標値の大きさが小さい場合は大きい場合に比較して小さいゲインを設定することを特徴とする人の状態推定装置。
  2. 被験者の状態を推定する人の状態推定装置であって、
    被験者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得手段と、
    被験者の状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定手段と、
    前記ゲイン設定手段で設定したゲインに応じて前記第1指標値取得手段で取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の被験者の状態に基づいて被験者の状態を推定する状態推定手段と
    を備え
    第1指標値は、大きさが正規化された指標値であり、
    前記ゲイン設定手段は、被験者の状態に基づいてゲインを設定し、被験者の状態の変化が速い場合には遅い場合に比較して大きいゲインを設定することを特徴とする人の状態推定装置。
  3. 第1指標値よりも被験者の状態変化に対する変化が大きい第2指標値を取得する第2指標値取得手段を備え、
    前記ゲイン設定手段は、前記第2指標値取得手段で取得した第2指標値に基づいてゲインを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載する人の状態推定装置。
  4. 運転者覚醒状態を推定する人の状態推定方法であって、
    運転者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得ステップと、
    運転者覚醒状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定ステップと、
    前記ゲイン設定ステップで設定したゲインに応じて前記第1指標値取得ステップで取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の運転者覚醒状態に基づいて運転者覚醒状態を推定する状態推定ステップと
    を含み、
    第1指標値は、大きさが運転者の覚醒状態に応じて変化する指標値であり、
    前記ゲイン設定ステップでは、運転者の状態に基づいてゲインを設定し、第1指標値の大きさが小さい場合には大きい場合に比較して小さいゲインを設定することを特徴とする人の状態推定方法。
  5. 運転者覚醒状態を推定する人の状態推定方法であって、
    運転者の状態変化量に対応する第1指標値を取得する第1指標値取得ステップと、
    運転者覚醒状態を推定するときの第1指標値の加味度合いを定めるゲインを設定するゲイン設定ステップと、
    前記ゲイン設定ステップで設定したゲインに応じて前記第1指標値取得ステップで取得した第1指標値の加味度合いを規定し、当該ゲインに応じた加味度合いの第1指標値と過去の運転者覚醒状態に基づいて運転者覚醒状態を推定する状態推定ステップと
    を含み、
    第1指標値は、大きさが正規化された指標値であり、
    前記ゲイン設定ステップでは、運転者の状態に基づいてゲインを設定し、運転者の状態の変化が速い場合には遅い場合に比較して大きいゲインを設定することを特徴とする人の状態推定方法。
  6. 第1指標値よりも運転者の状態変化に対する変化が大きい第2指標値を取得する第2指標値取得ステップを含み、
    前記ゲイン設定ステップでは、前記第2指標値取得ステップで取得した第2指標値に基づいてゲインを設定することを特徴とする請求項4又は5に記載する人の状態推定方法。
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